JP2001263316A - 平板材料の保持固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、平板材料の保持固定具に関し、取
付穴に一致させる穴の設計や位置合わせ等の作業を行う
ことなく、簡易にＦＰＣなどの平板材料を保持固定する
ことができるようにする。 【解決手段】 ＦＰＣの幅程度の長さに形成された基板
１１と、基板１１の一面側に立設されて取付穴Ｈに差込
取付されるクリップ部１２と、基板１１の一端側から連
設されて該基板１１の他面側に向かって屈曲して近接し
ＦＰＣを挟持する屈曲部１３と、基板１１の他端側にホ
チキス針１５を挿通可能に開口する長穴１４と、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、平板材料の保持固
定具に関し、例えば、フレキシブル・プリント・サーキ
ットなどの平板材料を、ワンタッチに取付穴に保持固定
させることのできるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、電気機器間を接続するため
に、例えば、車両内に電線束のワイヤーハーネスを配索
して保持固定することが行われており、このワイヤーハ
ーネスに代えて、銅板などによる導電パターンをプリン
トしたフレキシブル・プリント・サーキット（以下、Ｆ
ＰＣともいう。）を用いることも行われている。なお、
ＦＰＣのような平板材料には、複数の電線を平板状に並
列させたフレキシブル・フラット・ケーブル（以下、Ｆ
ＦＣともいう。）などもあるが、以下にはＦＰＣの場合
を一例に説明する。

【０００３】このＦＰＣにおいても、ワイヤーハーネス
と同様に、車両に保持固定する必要があり、このＦＰＣ
では、例えば、図３に示すように、車両のパネルに穿孔
した取付穴Ｈに合わせて、導電パターンＰのない領域Ｓ
を設けるとともに、その領域Ｓ内に貫通穴ｈを形成する
ことにより、その貫通穴ｈと取付穴Ｈを一致させた状態
にしてボルトＢによりねじ止めするのが一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の平板材料のＦＰＣにあっては、車両パネルの
取付穴Ｈに合うように貫通穴ｈの形成位置を設計し、そ
して、車両に保持固定する際には、その取付穴Ｈに貫通
穴ｈを一致させた状態を維持しつつボルトＢを挿し込ん
でねじ止めする必要があり、その設計は煩雑であり、ま
た、実機では取付穴Ｈに対して貫通穴ｈが微妙にずれる
場合があるとともに、設計がうまくいっても、実際に設
置する作業の誤差によってもずれが生じる場合があっ
て、その補正作業も煩雑であるという問題があった。

【０００５】そこで、本発明は、取付穴に一致させる穴
の設計や位置合わせ等の作業を行うことなく、簡易にＦ
ＰＣなどの平板材料を保持固定可能な保持固定具を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第１
の発明は、取付穴の開口されている位置に平板材料を保
持固定する保持固定具であって、平板材料の幅方向に延
在する長さに形成された基板と、該基板の一面側に設け
られて取付穴に取り付けられるクリップ部と、基板の一
端側から連設されて該基板の他面側に近接し平板材料を
挟持する挟持部と、基板の他端側に配設されて平板材料
に固定される固定部と、を備えることを特徴とするもの
であり、

【０００７】上記課題を解決する第２の発明は、上記第
１の発明の構成に加え、前記固定部は、平板材料を貫通
する固定用針を挿通可能に開口する穴により構成される
ことを特徴とするものである。

【０００８】この発明では、基板の一面側のクリップ部
を取付穴に差し込むことにより固定することができ、こ
の基板の他面側と挟持部との間には他端側から一端側に
向かって平板材料を差し込むことにより平面方向にスラ
イド可能に保持（挟込）することができるとともに、こ
の基板の他端側の固定部では、例えば、固定用針（所
謂、ホチキス針など）を穴内に挿通して平板材料の貫通
可能な位置を貫通させることによりスライド不能に固定
することができる。したがって、平板材料を、基板と挟
持部との間に挟み込むとともに、取付穴にクリップ部を
差込取付した後あるいは前に、無理のない状態で固定部
で固定することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図１および図２は本発明に係る平板材料の保持
固定具の一実施形態を示す図である。なお、本実施形態
では上述従来例で説明した同様な構成には同一の符号を
付して説明する。

【００１０】両図において、保持固定具１０は、電気機
器間を接続する銅板や金属箔などからなる導電パターン
Ｐをシート材料にプリントして挟み込んだ後に打ち抜い
たＦＰＣ（平板材料）を例えば、車両のパネルに開口す
る図４に示す取付穴Ｈの位置に保持固定するものであ
る。

【００１１】この保持固定具１０は、ＦＰＣの幅程度の
長さに形成された基板１１と、この基板１１の一面側に
立設されて取付穴Ｈ内に頭より差し込まれたときに矢印
形状部１２ａが弾性変形した後に弾性復帰して端部をそ
の取付穴Ｈの縁に係合させて取付固定することのできる
クリップ部１２と、基板１１の一端部から連設されてク
リップ部１２の反対方向（鉛直）に立ち上がって他面側
内方に近接するように屈曲する屈曲部（挟持部）１３
と、が一体成形されている。なお、図中、１２ｂは弾性
片であり、この弾性片１２ｂは取付穴Ｈの周囲をクリッ
プ部１２との間での挟持するように椀形状に形成されて
いる。

【００１２】このことから、基板１１の一面側のクリッ
プ部１２により取付穴Ｈに取付可能であると共に、屈曲
部１３を撓ませ開口させつつその基板１１との間に、Ｆ
ＰＣを他端側から差し込んで一端部（連結部）方向に向
かってスライドさせ挟持（保持）させることができる。

【００１３】また、この保持固定具１０は、屈曲部１３
から離隔する基板１１の他端側に、その基板１１の両側
辺で長手方向に延長されている一対の長穴１４が形成さ
れている。

【００１４】このことから、基板１１の長穴１４に、所
謂、ホチキス針（固定用針）１４を挿通させて、ＦＰＣ
の導電パターンＰのないシート材料のみの領域Ｓに貫通
させることにより、ＦＰＣを基板１１にスライド不能に
固定することができる。

【００１５】したがって、ＦＰＣは、基板１１と屈曲部
１３との間に挟み込んで保持させるとともに、クリップ
部１２を取付穴Ｈに差し込んで取付した後あるいは前
に、無理のない姿勢で長穴１４により基板１１と共にホ
チキス針１５で固定することができる。

【００１６】このように本実施形態においては、ＦＰＣ
を、基板１１と屈曲部１３の間に挟むと共にホチキス針
１５で固定して、クリップ部１２により取付穴Ｈの形成
位置に保持固定することができる。したがって、取付穴
Ｈに対応する穴をＦＰＣに予め形成することを要求する
ことなく、また、ＦＰＣを無理な姿勢にしたり、取付穴
Ｈに対する穴位置を一致させる作業を行うことなく、Ｆ
ＰＣの保持固定作業を簡易に行うことができる。

【００１７】なお、本実施形態では、ＦＰＣを一例に説
明するが、これに限るわけではないことはいうまでもな
く、例えば、ＦＦＣなどの平板材料でも同様に保持固定
することができる。

【００１８】また、固定部の固定としては、ホチキス針
１５が汎用品で便利であるが、これに限るものではな
く、例えば、基板１１の他面側にＦＰＣに突き刺さる針
を埋め込んだり、また、基板１１の他端側をＦＰＣを巻
込可能に塑性変形可能な材料により延長してもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、平板材料は、基板と挟
持部との間に挟んだ状態で、その基板の他端側に固定用
針などで固定するとともに、クリップ部を取付穴に差し
込むだけで、無理のない姿勢で取付穴に保持固定するこ
とができる。したがって、取付穴に対応するボルト用の
貫通穴などを予め形成（設計）することなく、また、取
付穴に対する位置ずれを補正する作業を行うことなく、
平板材料を取付穴の位置に容易に保持固定することがで
き、平板材料の保持固定する作業を簡易化することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る平板材料の保持固定具の一実施形
態を示す図であり、その全体構成を示す斜視図である。

【図２】その側方図である。

【図３】その従来技術を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 保持固定具 １１ 基板 １２ クリップ部 １３ 屈曲部 １４ 長穴 １５ ホチキス針 Ｈ 取付穴

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】取付穴の開口されている位置に平板材料を
   保持固定する保持固定具であって、 平板材料の幅方向に延在する長さに形成された基板と、
   該基板の一面側に設けられて取付穴に取り付けられるク
   リップ部と、基板の一端側から連設されて該基板の他面
   側に近接し平板材料を挟持する挟持部と、基板の他端側
   に配設されて平板材料に固定される固定部と、を備える
   ことを特徴とする平板材料の保持固定具。
2. 【請求項２】前記固定部は、平板材料を貫通する固定用
   針を挿通可能に開口する穴により構成されることを特徴
   とする請求項１に記載の平板材料の保持固定具。