JP2001263285A - 貫流送風機および空気調和機 - Google Patents

貫流送風機および空気調和機

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JP2001263285A
JP2001263285A JP2000078339A JP2000078339A JP2001263285A JP 2001263285 A JP2001263285 A JP 2001263285A JP 2000078339 A JP2000078339 A JP 2000078339A JP 2000078339 A JP2000078339 A JP 2000078339A JP 2001263285 A JP2001263285 A JP 2001263285A
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blower
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尚史 池田
Atsushi Yoshihashi
淳 吉橋
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将俊 川野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風効率の改善を実現可能な貫流送風機を得
ること。 【解決手段】 複数の翼2bとそれらを支持するリング
2cで構成される複数の羽根車単体2aを回転軸方向に
連結した羽根車2を備え、その羽根車2の回転により、
一方から空気を吸い込み、その後、他方にその空気を吹
き出す貫流送風機1において、羽根車2の翼2bは、少
なくとも1つの円弧を含む圧力面P2と複数の円弧を含
む負圧面P3とを用いて形成された凹型の形状であり、
内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
線分である翼弦線Lと、負圧面P3上の点と、の垂直距
離が最大になる点M3の位置を、「翼外周側から(0.
3×翼弦線L長)の位置<垂直距離が最大になる点M3
の位置<翼外周側から(0.5×翼弦線L長)の位置」
の範囲内で調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアコンおよび空
気清浄機等の空気調和機に関するものであり、特に、送
風手段として用いられる貫流送風機、およびその貫流送
風機を搭載した空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、エアコンおよび空気清浄機等の空
気調和機に使用される従来の貫流送風機について説明す
る。たとえば、従来の貫流送風機の一例としては、特開
平11−83062号公報「空気調和機の室内機」に記
載されたものがある。図62は、特開平11−8306
2に記載された空気調和機本体の縦断面図であり、図6
3は、空気調和機本体に含まれる貫流送風機部分の斜視
図であり、図64は、貫流送風機の構成を示す図であ
る。
【0003】図62、図63および図64において、従
来の貫流送風機は、複数の翼101bとそれらを支持す
るリング101cによって構成される単体101aを軸
方向に複数個にわたって連結した羽根車101と、羽根
車101をはさんで一方の周側面を覆うガイドウォール
102と、ガイドウォール102に対向して配置される
スタビライザー103と、羽根車101を矢印Jのよう
に回転/駆動されるモータ104と、から構成される。
【0004】上記のように構成される従来の貫流送風機
を用いた空気調和機では、図62に示すように、着脱可
能な正面の吸込グリルと上面の吸込グリルから空気を吸
い込み、さらに、その空気から、吸込グリルに沿って設
けられたフィルタを用いてホコリを除去し、その後、羽
根車101を囲むように形成された熱交換器を用いて熱
交換を行う。一方、内部の貫流送風機では、熱交換後の
空気を受け取り、羽根車101の回転により前記熱交換
後の空気を出力する。そして、空気調和機では、貫流送
風機からの空気を、上下ベーンや左右ベーンの風向変更
ベーンを制御することで吹出口から送風し、この状態で
空調を行う。
【0005】図65は、上記翼101bの断面形状を示
す図である。翼101bの断面形状において、A20は
翼101bにおける外周側先端部A2の先端であり、A
10は翼101bにおける内周側先端部A1の先端であ
り、Oは羽根車101における回転軸の中心であり、O
1は単一円弧で形成された翼101bの円弧P0の中心で
あり、P2は翼101bにおける羽根車回転方向側の圧
力面であり、P3は圧力面P2に対向する負圧面であ
る。また、O−A20は翼101bの外周側先端A20
と中心Oを結ぶ第1直線であり、O1−A20は翼10
1bの外周側先端A20と中心O1を結ぶ第2直線であ
り、nは第1直線O−A20の外周側先端A20に対す
る第1垂線であり、mは第2直線O1−A20の外周側
先端A20に対する第2垂線であり、β2は第1垂線n
と第2垂線mのなす鋭角である。
【0006】たとえば、貫流送風機においては、翼10
1bおよび羽根車101の外径D2を相似で大きくする
ことにより、送風性能の改善、すなわち、大風量かつ騒
音の低減を実現することができる。しかしながら、この
ような方法で大風量かつ騒音の低減を実現すると、図6
6の騒音周波数特性に示すように、低周波数領域に特異
音S1が発生してしまうとともに、同一風量時の騒音値
が悪化(聴感が悪化)してしまう場合があるため、従来
の貫流送風機では、翼101bにおける第1垂線nと第
2垂線mのなす鋭角(以降、出口角と呼ぶ)β2を、た
とえば、23゜以下にすることで特異音S1を低減し、
さらに出口角β2を18゜以上にすることで同一風量時
の騒音値を低減している。
【0007】また、上記とは異なる、従来の貫流送風機
の一例としては、特公昭38−17526号公報に記載
されたものがある。図67は、特公昭38−17526
号公報に記載された貫流送風機の断面図であり、図68
および図69は、貫流送風機における羽根車の翼の一例
を示す図である。
【0008】図67において、200は貫流送風機の羽
根車であり、203は羽根車200の翼であり、204
は羽根車200の内方縁部であり、205は羽根車20
0の外方縁部であり、206は円筒形内部であり、20
7は円筒形外部であり、219は貫流送風機の吸込側S
を吹出し側Pから分離する案内体であり、222は案内
体219に対向して配設された案内壁である。羽根車2
00は、矢印202のように回転し、さらに、羽根車2
00の翼203は、内方縁部204および外方縁部20
5をもち、それぞれ円筒形内部206および円筒形外部
207の包絡線上にある。この貫流送風機が作動する場
合、羽根車200の回転軸中心に対して偏心した位置に
渦Vが生じ、鎖線で示す流れFは、吸込側Sから吹出し
側Pへ流れるときに、翼203を2回通過する。
【0009】図68において、翼203は、吸込面24
3と圧力面242とで曲率が異なり、かつ外方縁部20
5が先細りである。さらに、吸込面243および圧力面
242は一つ以上の円弧で形成され、吸込面243は、
圧力面242との間で限定されるダクト240に沿っ
て、中央付近で最大曲率の断面をもつように形成されて
いる。
【0010】また、図69において、翼203は、吸込
面253が単一の円弧252aによって限定され、圧力
面252が二つの円弧253aおよび253bによって
限定され、大きな曲率の部分が、図68と同様に、中央
よりいくらか円筒形内部206のほうにある。
【0011】このように、特公昭38−17526号公
報に記載された貫流送風機では、翼203の吸込面24
3および253の中央から円筒形内部206のほうに最
大高さ点M3を形成することにより、羽根車200の吹
出側領域Pにおける送風効率の改善を図り、さらに、送
風性能の向上および騒音の低減化を図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−83062号公報に記載の従来の貫流送風機
においては、羽根車101に対する負荷が増大するよう
な場合、具体的にいうと、熱交換器のフィンピッチの縮
小やフィルタにおけるホコリの付着などの、羽根101
の吸込抵抗が大きくなるような場合、または、風向変更
ベーンが下方、右側、または左側に向いたときや、風向
変更ベーンの半分が右側を向き、残り半分が左側を向く
ワイド吹きのときなどの、羽根車101の吹出抵抗が大
きくなるような場合に、貫流送風機特有のスタビライザ
ー103付近に存在する循環渦C1(図62参照)が、
実線から太破線のように大きくなり、羽根車101の吸
込空間F1が狭くなる。
【0013】このような場合、従来の貫流送風機が一定
の風量を保つためには、羽根車の回転数を増加させる必
要があるため、翼101bへの流れの入射角が大きくな
る領域が生じ、たとえば、図64に示すように流れが剥
離し、翼101bの後方で乱れ渦G1が発生する、とい
う問題があった。
【0014】また、上記と同様に、羽根車101に対す
る負荷が増大するような場合には、図66のように、羽
根車101の翼枚数Zと回転数N[r.p.m]に起因する回
転音(NZ音)の4〜8割程度の低周波数領域で、特異音
S1が発生する場合がある。そのため、同一風量に対す
る騒音値SPLが同じであっても、回転音と違った耳障
りな音が発生し、聴感が悪くなる、という問題があっ
た。
【0015】また、上記特開平11−83062号公報
に記載の従来の貫流送風機においては、翼101bの断
面形状が単一円弧形状であるため(図65参照)、出口
角β2を小さくしていくと、翼101bの羽根車外周側
先端部A2および内周側先端部A1に接する翼弦線L
と、第3直線O−A10と、の羽根取付角θが大きくな
る。そのため、羽根車101の吹出側領域F2(図62
参照)において、ガイドウォール3bが徐々に拡大した
形状であるにもかかわらず、取り付け角θが大きくかつ
翼101bの最小距離δが狭くなり、翼101b間での
通風抵抗が増加することから、同一回転数における風量
が低下する、という問題があった。
【0016】また、このような場合に、一定の風量を送
風するためには、羽根車回転数を増加しなければなら
ず、モータ104の消費電力Wmが増加してしまう、と
いう問題があった。
【0017】また、上記特公昭38−17526号公報
に記載の従来の貫流送風機においては、翼203の翼弦
線Lと吸込面243、253との最大高さ点M3が、翼
弦線Lの羽根車200の円筒形内部206に位置するよ
うになっているため、羽根車200の吹出側領域P側で
の送風効率が良く、低騒音化も図れる。
【0018】しかしながら、この貫流送風機は、羽根車
200の吸込側領域S側における吸込流れに着眼したも
のでないため、翼吸込面243および253の羽根車2
00の外周側で剥離が生じ、低周波数領域に特異音S1
の発生する可能性がある、という、問題があった。
【0019】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、低周波数領域の特異音および回転音の発生の低
減、さらに、モータの消費電力低減、を図ることによ
り、送風効率の改善を実現可能な貫流送風機、および良
好な聴感と省エネを実現可能な空気調和機、を得ること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明にかかる貫流送風機にあ
っては、複数の翼とそれらを支持するリングで構成され
る複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備
え、その羽根車の回転により、一方から空気を吸い込
み、その後、他方にその空気を吹き出す構成とし、前記
羽根車の翼は、少なくとも1つの円弧を含む圧力面と複
数の円弧を含む負圧面とを用いて形成された凹型の形状
であり、内周側先端部および外周側先端部の回転方向側
に接する線分である翼弦線と、前記負圧面上の点と、の
垂直距離が最大になる点の位置を、「翼外周側から
(0.3×翼弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点
の位置<翼外周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の
範囲内で調整することを特徴とする。
【0021】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、一方から空気を吸い込み、そ
の後、他方にその空気を吹き出す構成とし、前記羽根車
の翼は、複数の円弧を含む圧力面と少なくとも1つの円
弧を含む負圧面とを用いて形成された凹型の形状であ
り、内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接
する線分である翼弦線と、前記圧力面上の点と、の垂直
距離が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.3
×翼弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点の位置<
翼外周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の範囲内で
調整することを特徴とする。
【0022】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、さらに、前記翼弦線と、前記圧力面上の点と、の垂
直距離が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.
3×翼弦線長)の位置≦垂直距離が最大になる点の位置
≦翼外周側から(0.7×翼弦線長)の位置」の範囲内
で調整することを特徴とする。
【0023】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、一方から空気を吸い込み、そ
の後、他方にその空気を吹き出す構成とし、前記羽根車
の翼は、複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて
形成された凹型の形状であり、内周側先端部および外周
側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線と、直
径が最大となる前記負圧面と前記圧力面に接する円の中
心点と、の垂直距離が最大になる点の位置を、規定され
た送風効率を満たす範囲内で調整することを特徴とす
る。
【0024】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、一方から空気を吸い込み、そ
の後、他方にその空気を吹き出す構成とし、前記羽根車
の翼は、複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて
形成された凹型の形状であり、内周側先端部および外周
側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線と、前
記羽根車の回転軸の中心と翼の内周側の先端とを通る線
分と、のなす角を、「20°≦前記なす角≦50°」、
を満たす範囲内で調整することを特徴とする。
【0025】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置がすべ
て異なる位置になるように、回転方向に所定角度分だけ
ずらして連結することを特徴とする。
【0026】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチとすることを特
徴とする。
【0027】つぎの発明にかかる貫流送風機にあって
は、前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチとし、さらに、
前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置がすべて異
なる位置になるように、回転方向に所定角度分だけずら
して連結することを特徴とする。
【0028】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、吸い込みグリル側からフィル
タ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出口にその空気
を吹き出す構成とし、前記羽根車の翼は、少なくとも1
つの円弧を含む圧力面と複数の円弧を含む負圧面とを用
いて形成された凹型の形状であり、内周側先端部および
外周側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線
と、前記負圧面上の点と、の垂直距離が最大になる点の
位置を、「翼外周側から(0.3×翼弦線長)の位置<
垂直距離が最大になる点の位置<翼外周側から(0.5
×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整することを特徴と
する。
【0029】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、吸い込みグリル側からフィル
タ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出口にその空気
を吹き出す構成とし、前記羽根車の翼は、複数の円弧を
含む圧力面と少なくとも1つの円弧を含む負圧面とを用
いて形成された凹型の形状であり、内周側先端部および
外周側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線
と、前記圧力面上の点と、の垂直距離が最大になる点の
位置を、「翼外周側から(0.3×翼弦線長)の位置<
垂直距離が最大になる点の位置<翼外周側から(0.5
×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整することを特徴と
する。
【0030】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、さらに、前記翼弦線と、前記圧力面上の点と、の垂
直距離が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.
3×翼弦線長)の位置≦垂直距離が最大になる点の位置
≦翼外周側から(0.7×翼弦線長)の位置」の範囲内
で調整することを特徴とする。
【0031】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、吸い込みグリル側からフィル
タ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出口にその空気
を吹き出す構成とし、前記羽根車の翼は、複数の円弧を
含む負圧面および圧力面を用いて形成された凹型の形状
であり、内周側先端部および外周側先端部の回転方向側
に接する線分である翼弦線と、直径が最大となる前記負
圧面と前記圧力面に接する円の中心点と、の垂直距離が
最大になる点の位置を、規定された送風効率を満たす範
囲内で調整することを特徴とする。
【0032】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、複数の翼とそれらを支持するリングで構成される複
数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根車を備え、
その羽根車の回転により、吸い込みグリル側からフィル
タ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出口にその空気
を吹き出す構成とし、前記羽根車の翼は、複数の円弧を
含む負圧面および圧力面を用いて形成された凹型の形状
であり、内周側先端部および外周側先端部の回転方向側
に接する線分である翼弦線と、前記羽根車の回転軸の中
心と翼の内周側の先端とを通る線分と、のなす角を、
「20°≦前記なす角≦50°」の範囲内で調整するこ
とを特徴とする。
【0033】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置がすべ
て異なる位置になるように、回転方向に所定角度分だけ
ずらして連結することを特徴とする。
【0034】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチとすることを特
徴とする。
【0035】つぎの発明にかかる空気調和機にあって
は、前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチとし、さらに、
前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置がすべて異
なる位置になるように、回転方向に所定角度分だけずら
して連結することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる貫流送風
機および空気調和機の実施の形態を図面に基づいて詳細
に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限
定されるものではない。
【0037】実施の形態1.図1は、本発明にかかる空
気調和機の構成を示す図(外観図)であり、図2は、本
発明にかかる空気調和機の部分断面図であり、図3は、
本発明にかかる空気調和機の縦断面図である。
【0038】図1、図2および図3において、10は本
発明にかかる空気調和機であり、10aはハウジングで
あり、11aは正面吸込グリルであり、11bは上部吸
込グリルであり、12はホコリを除去するためのフィル
タであり、13は熱交換器であり、13aはアルミフィ
ンであり、13bは配管であり、14は吹出口であり、
15は風向変更ベーンであり、15aは左右ベーンであ
り、15bは上下ベーンであり、1は本発明にかかる貫
流送風機であり、2は羽根車であり、3aはスタビライ
ザーであり、3bはガイドウォールであり、4はノズル
であり、5は羽根車2を駆動するためのモータであり、
6は回転軸であり、8は電気品箱である。なお、正面吸
込グリル11a,上部吸込グリル11b,フィルタ1
2,および熱交換器13のことを総称して抵抗体19と
呼ぶ。
【0039】上記のように構成される空気調和機10
は、部屋18の壁17に取り付けられ、外側は、ハウジ
ング10aと着脱可能な正面吸込グリル11aから構成
される。また、ハウジング10aは、上部吸込グリル1
1b、背面寄りのガイドウォール3b、および正面下方
のノズル4で構成され、吹出口14は、ノズル4および
ガイドウォール3bにより形成される。なお、ここで
は、ノズル4がスタビライザー3aと一体になってい
る。
【0040】また、本発明にかかる貫流送風機1の吸込
側には、通風可能な抵抗体19(正面吸込グリル11
a,上部吸込グリル11b,フィルタ12)が配置さ
れ、さらに、羽根車2を囲むように熱交換器13が配設
されている。そして、電気品箱8には、風向変更ベーン
15およびモータ5を制御するための電気基板が収納さ
れている。
【0041】この状態で運転が開始され、モータ5によ
り貫流送風機1の羽根車2が図2の矢印Jのように回転
駆動を行うと、部屋18の空気は、正面吸込グリル11
aおよび上部吸込グリル11bから空気調和機内部に吸
い込まれ、フィルタ12でホコリが除去された後、熱交
換器13で暖気または冷却され、その後、羽根車2に吸
い込まれる。そして、羽根車2から吹き出された空気
は、吹出口14に配設された左右ベーン15aおよび上
下ベーン15bにより部屋18の上下、左右方向に吹き
分けられる。
【0042】図4は、本発明にかかる貫流送風機の構成
を示す図(斜視図)であり、図5は、本発明にかかる貫
流送風機の縦断面図である。図4および図5に示す貫流
送風機1において、2aは羽根車2の単体であり、2b
は羽根車2の翼であり、2cは羽根車2のリングであ
り、貫流送風機1は、複数の翼2bとそれらを支持する
リング2cで構成される複数の単体2aを軸方向に連結
した羽根車2と、羽根車2をはさんで一方の周側面を覆
うガイドウォール3bと、ガイドウォール3bに対向し
て配置されるスタビライザー3aと、から構成され、羽
根車2は、回転軸6を中心に矢印Jの方向に回転/駆動
する。
【0043】図6および図7は、本発明にかかる貫流送
風機の羽根車に用いられる翼2bの実施の形態1の形状
を示す図である。図6、図7の翼2bにおいて、P2は
単一の円弧P2aで形成された羽根車回転方向側の圧力
面であり、P3は2つの円弧P3a(本実施の形態では
外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の形態で
は内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力面P2
と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧力面P
2と負圧面P3に接するそれぞれ円弧R1,R2により
形成された内周側先端部および外周側先端部である。
【0044】また、O2aは圧力面P2の円弧P2aの
中心であり、R2aは圧力面P2の円弧P2aの半径で
あり、O3aおよびO3cは、負圧面P3の外周側負圧
面P3aおよび内周側負圧面P3cの円弧の中心であ
り、R3aおよびR3cは負圧面P3の外周側負圧面P
3aおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径である。
【0045】さらに、図6において、羽根車2の内周側
先端部A1および外周側先端部A2の羽根車回転方向側
に接する線分を翼弦線Lとし、その翼弦線Lに垂直で、
内周側先端部A1に接する直線L1と外周側先端部A2
に接する直線L2との間の距離を翼弦長Ltとし、負圧
面P3上の点における翼弦線Lとの距離が最大となる点
を最大高さ点M3とし、その最大高さ点M3から翼弦線
L上に下ろした点M3 tと直線L2との間の距離を最大
高さ距離Lm3とする。
【0046】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、圧力面P2が単一円
弧、および負圧面P3が二つの円弧をもち、羽根車回転
方向Jに対して凹形状となる。なお、本実施の形態およ
び以降の実施の形態においては、たとえば、羽根車2の
材料にマグネシウム系合金を使用する場合について説明
するが、これに限らず、本発明の目的を満たすことがで
きる材料であれば、他の材料を使用することとしてもよ
い。これにより、リサイクルが可能となる。
【0047】ここで、送風効率(低周波数領域の特異音
および回転音の発生の低減、およびモータの消費電力低
減を含む)を改善するための最適な最大高さ距離Lm3
決定方法(実施の形態1)について説明する。
【0048】図8は、最大高さ点M3が羽根車内周側に
近い場合における翼2bの形状を示す図であり、図9
は、図8に示す翼2bを用いた空気調和機の周波数特性
を示す図である。このように、最大高さ点M3が羽根車
内周側に近すぎるような場合、翼2bは、外周側負圧面
P3aが平板状になり、負圧面P3で流れが剥離し、低
周波数領域に特異音S1が発生してしまう。
【0049】一方、図10は、最大高さ点M3が羽根車
外周側に近い場合における翼2bの形状を示す図であ
る。このように、最大高さ点M3が羽根車外周側に近す
ぎるような場合、翼2bの後方では、外周側負圧面P3
aから内周側負圧面P3cへの曲面が急激に変化するた
めに流れが剥離し、乱れ渦G1が発生する。これによ
り、特異音が発生してしまう。
【0050】そこで、本実施の形態においては、上記特
異音が発生しないように、最大高さ点M3の位置、すな
わち、最大高さ距離Lm3の距離を調整する。図11は、
同一風量時における本実施の形態の貫流送風機および従
来の貫流送風機の、比率Lm3/Lt(最大高さ距離Lm3
と翼弦長Ltの比率)と最大騒音レベルSm(図9参照)
との関係を示す図である。また、図12は、抵抗体19
にホコリ等の抵抗が負荷された場合の比率Lm3/Lt
最大騒音レベルSmとの関係を示す図である。
【0051】図11の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていなければ、従来の貫流送風機およ
び本実施の形態の貫流送風機の羽根車は、特異音S1が
小さく、ほぼ同等である。しかしながら、図12の結果
のように、抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された場
合、少なくとも「0.2<Lm3/Lt<0.5」の範囲
においては、従来の貫流送風機より本実施の形態の貫流
送風機のほうが、特異音S1が小さい。
【0052】また、図13は、同一風量時における本実
施の形態の貫流送風機および従来の貫流送風機の、比率
m3/Ltとモータ入力Wmとの関係を示す図である。
また、図14は、抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷さ
れた場合の比率Lm3/Ltとモータ入力Wmとの関係を
示す図である。
【0053】図13の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも「0.3<
m3/Lt<0.7」の範囲においては、従来の貫流送
風機より本実施の形態の貫流送風機のほうが、モータ入
力が低減するため消費電力が小さい。また、図14の結
果から、抵抗体19にホコリ等の抵抗が付加された場
合、少なくとも「0.2<Lm3/Lt<0.6」の範囲
においては、従来の貫流送風機より本実施の形態の貫流
送風機のほうが、消費電力が小さい。
【0054】このように、本実施の形態においては、図
11〜図14に示すように、最大高さ距離Lm3と翼弦長
tの比率Lm3/Ltに、送風効率を向上させるための最
適範囲が存在する。したがって、図11〜図14の結果
を総合すると、少なくとも「0.3<Lm3/Lt<0.
5」の範囲においては、すなわち、「翼外周側から0.
3Ltの位置<最大高さ距離Lm3<翼外周側から0.5
tの位置」の範囲においては、従来の貫流送風機より
本実施の形態の貫流送風機のほうが、特異音S1が小さ
く、かつ消費電力が小さい。
【0055】以上、本実施の形態においては、最大高さ
点M3の位置、すなわち、最大高さ距離Lm3の距離を調
整することにより、特異音および消費電力の低減を図る
ことかでき、それに伴って、従来技術と比較して送風効
率を大幅に向上させることが可能となる。なお、各実施
の形態において、「送風効率の向上または改善」には、
特異音、回転音、および消費電力の低減等の効果が含ま
れるものとする。
【0056】また、従来技術においては、羽根車2に、
プラスチックとガラス繊維の混合材料を使用していたた
め、リサイクルを行う場合に、廃却する量がほとんどと
なり、リサイクルされない部分については、産業廃棄物
として扱っていた。そこで、本実施の形態においては、
羽根車2に、マグネシウム系合金を使用し、リサイクル
を可能にした。
【0057】また、羽根車2に、耐熱性に優れた材料で
あるマグネシウム系合金を使用することで、熱源が羽根
車2の近傍に存在する場合における製品の強度を向上さ
せた。
【0058】実施の形態2.図15、図16は、本発明
にかかる貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実施
の形態2の形状を示す図である。なお、本実施の形態に
おける翼2b以外の構成については、前述した実施の形
態1における図1〜図5の空気調和機および貫流送風機
と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0059】図15、図16の翼2bにおいて、P2は
単一の円弧P2aで形成された羽根車回転方向側の圧力
面であり、P3は3つの円弧P3a(本実施の形態では
外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形態で
は中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の形態
では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力面P
2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧力面
P2と負圧面P3に接するそれぞれ円弧R1,R2によ
り形成された内周側先端部および外周側先端部である。
【0060】また、O2aは圧力面P2の円弧P2aの
中心であり、R2aは圧力面P2の円弧P2aの半径で
あり、O3a、O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面
P3の外周側負圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび
内周側負圧面P3cの円弧の中心であり、R3a、R3
cおよびR3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面
P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P3c
の円弧の半径である。
【0061】さらに、図15において、羽根車2の内周
側先端部A1および外周側先端部A2の羽根車回転方向
側に接する線分を翼弦線Lとし、その翼弦線Lに垂直
で、内周側先端部A1に接する直線L1と外周側先端部
A2に接する直線L2との間の距離を翼弦長Ltとし、
負圧面P3上の点における翼弦線Lとの最大高さ点をM
3とし、最大高さ点M3から翼弦線L上に下ろした点M
tと直線L2との間の距離を最大高さ距離Lm3とす
る。
【0062】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、圧力面P2が単一円
弧、および負圧面P3が三つの円弧をもち、羽根車回転
方向Jに対して凹形状となる。
【0063】ここで、送風効率(低周波数領域の特異音
および回転音の発生の低減、およびモータの消費電力低
減を含む)を改善するための最適な最大高さ距離Lm3
決定方法(実施の形態2)について説明する。
【0064】図17は、最大高さ点M3が羽根車内周側
に近い場合における翼2bの形状を示す図である。な
お、図17を用いた空気調和機の周波数特性について
は、図9と同様である。このように、最大高さ点M3が
羽根車内周側に近すぎるような場合、翼2bは、外周側
負圧面P3aおよび中央部負圧面P3bが平板状にな
り、負圧面P3で流れが剥離し、低周波数領域に特異音
S1が発生してしまう。
【0065】一方、図18は、最大高さ点M3が羽根車
外周側に近い場合における翼2bの形状を示す図であ
る。このように、最大高さ点M3が羽根車外周側に近す
ぎるような場合、翼2bの後方では、中央部負圧面P3
bから内周側負圧面P3cへの曲面が急激に変化するた
めに3つの円弧に対して流れが沿いきれず、流れが剥離
し、乱れ渦G1が発生する。これにより、特異音が発生
してしまう。
【0066】そこで、本実施の形態においては、上記特
異音が発生しないように、最大高さ点M3の位置、すな
わち、最大高さ距離Lm3の距離を調整する。図19は、
同一風量時における本実施の形態の貫流送風機および従
来の貫流送風機の、比率Lm3/Lt(最大高さ距離Lm3
と翼弦長Ltの比率)と最大騒音レベルSm(図9参照)
との関係を示す図である。また、図20は、抵抗体19
にホコリ等の抵抗が負荷された場合の比率Lm3/Lt
最大騒音レベルSmとの関係を示す図である。
【0067】図19の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていなければ、従来の貫流送風機およ
び本実施の形態の貫流送風機の羽根車は、特異音S1が
小さく、ほぼ同等である。しかしながら、図20の結果
のように、抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された場
合、少なくとも「0.15<Lm3/Lt<0.5」の範
囲においては、従来の貫流送風機より本実施の形態の貫
流送風機のほうが、特異音S1が十分に小さい。
【0068】具体的にいうと、本実施の形態における貫
流送風機の翼2bにおいて、比率L m3/Ltが0.15
より大きく0.5より小さければ、抵抗体19に加えて
ホコリ等の影響で通風抵抗が増加した場合おいても、負
圧面P3が三つの円弧で形成されているため、よりなめ
らかな曲面が得られ、剥離が抑制できる。
【0069】また、図21は、同一風量時における本実
施の形態の貫流送風機および従来の貫流送風機の、比率
m3/Ltとモータ入力Wmとの関係を示す図である。
また、図22は、抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷さ
れた場合の比率Lm3/Ltとモータ入力Wmとの関係を
示す図である。
【0070】図21の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも「0.3<
m3/Lt<0.7」の範囲においては、従来の貫流送
風機より本実施の形態の貫流送風機のほうが、モータ入
力が低減するため消費電力が小さい。また、図22の結
果から、抵抗体19にホコリ等の抵抗が付加された場
合、少なくとも「0.2<Lm3/Lt<0.6」の範囲
においては、従来の貫流送風機より本実施の形態の貫流
送風機のほうが、消費電力が小さい。
【0071】このように、本実施の形態においては、図
19〜図22に示すように、最大高さ距離Lm3と翼弦長
tの比率Lm3/Ltに、送風効率を向上させるための最
適範囲が存在する。したがって、図19〜図22の結果
を総合すると、少なくとも「0.3<Lm3/Lt<0.
5」の範囲においては、すなわち、「翼外周側から0.
3Ltの位置<最大高さ距離Lm3<翼外周側から0.5
tの位置」の範囲においては、従来の貫流送風機より
本実施の形態の貫流送風機のほうが、特異音S1が小さ
く、かつ消費電力が小さい。
【0072】以上、本実施の形態においては、負圧面P
3に3つの円弧を形成し、さらに、最大高さ点M3の位
置、すなわち、最大高さ距離Lm3の距離を調整すること
により、実施の形態1よりなめらかな曲面を形成するこ
とが可能となるため、特異音および消費電力の低減を図
ることかでき、それに伴って、従来技術と比較して送風
効率をさらに大幅に向上させることが可能となる。な
お、負圧面および圧力面における円弧の数については、
これに限らず、たとえば、4つ以上の円弧を含むことと
してもよい。
【0073】実施の形態3.図23、図24は、本発明
にかかる貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実施
の形態3の形状を示す図である。なお、本実施の形態に
おける翼2b以外の構成については、前述した実施の形
態1における図1〜図5の空気調和機および貫流送風機
と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0074】図23、図24の翼2bにおいて、P2
は、2つの円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面
P2aと呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧力
面P2cと呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧力
面であり、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態で
は外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形態
では中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の形
態では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力面
P2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧力
面P2と負圧面P3に接するそれぞれ円弧R1,R2に
より形成された内周側先端部および外周側先端部であ
る。
【0075】また、O2aおよびO2cは、外周側圧力
面P2aおよび内周側圧力面P2cの円弧の中心であ
り、R2aおよびR2cは、外周側圧力面P2aおよび
内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、O3
bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面
P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P3c
の円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3cは、
それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部負圧
面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径であ
る。
【0076】さらに、図23および図24において、羽
根車2の内周側先端部A1および外周側先端部A2の羽
根車回転方向側に接する線分を翼弦線Lとし、その翼弦
線Lに垂直で、内周側先端部A1に接する直線L1と外
周側先端部A2に接する直線L2との間の距離を翼弦長
tとし、圧力面P2上の点における翼弦線Lとの最大
高さ点をM2とし、最大高さ点M2から翼弦線L上に下
ろした点M2tと直線L2との間の距離を最大高さ距離
m2とする。
【0077】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、圧力面P2が二つの
円弧をもち、さらに負圧面P3が三つの円弧をもち、羽
根車回転方向Jに対して凹形状となる。
【0078】ここで、送風効率(騒音の低減、およびモ
ータの消費電力低減を含む)を改善するための最適な最
大高さ距離Lm2の決定方法(実施の形態3)について説
明する。
【0079】図25は、最大高さ点M2が羽根車外周側
に近い場合における翼2bの形状を示す図である。この
ように、最大高さ点M2が羽根車外周側に近すぎるよう
な場合、すなわち、比率Lm2/Ltが小さすぎる場合、
翼2bでは、外周側圧力面P2aが外周に対して鋭角な
形状になる。そのため、羽根車吸込側領域Fi(図3参
照)を翼2bが通過するときに、外周側圧力面P2aで
流れが衝突し、さらに翼2b間の実質的な流路が狭ま
る。これにより、同一回転数に対する風量が低下し、送
風効率が悪化する。また、同一回転数に対する風量が低
下する場合には、必要風量に応じてファンの回転数を上
昇させる必要があるため、モータ入力Wmが増大する。
さらに、羽根車吹出側領域Foから空気が吹き出される
とき、外周側先端部A2で流れが大幅に剥離し、騒音が
増大する。
【0080】一方、図26は、最大高さ点M2が羽根車
内周側に近い場合における翼2bの形状を示す図であ
る。このように、最大高さ点M2が羽根車内周側に近す
ぎるような場合、すなわち、比率Lm2/Ltが大きすぎ
る場合、翼2bでは、内周側圧力面P2cが内周に対し
て鋭角な形状になる。そのため、羽根車吹出側領域Fo
を翼2bが通過するときに、内周側先端部A1で流れが
剥離し、さらに翼2b間の実質的な流路が狭まる。これ
により、同一回転数に対する風量が低下し、送風効率が
悪化する。また、同一回転数に対する風量が低下する場
合には、必要風量に応じてファンの回転数を上昇させる
必要があるため、モータ入力Wmが増大する。さらに、
羽根車吸込領域Fiにおいて、外周側圧力面翼P2aが
平板状になるため、吸込流れが剥離し、騒音が増大す
る。
【0081】そこで、本実施の形態においては、送風効
率の向上を実現させるために、最大高さ点M2の位置、
すなわち、最大高さ距離Lm2の距離を調整する。図27
は、同一風量時における本実施の形態の貫流送風機およ
び従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltとモータ入力W
mとの関係を示す図である。図28は、同一風量時にお
ける本実施の形態の貫流送風機および従来の貫流送風機
の、比率Lm2/Ltと騒音値SPLとの関係を示す図で
ある。また、図29は、抵抗体19にホコリ等の抵抗が
負荷された場合の比率Lm2/Ltとモータ入力Wmとの
関係を示す図であり、図30は、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷された場合の比率Lm2/L tと騒音値SP
Lとの関係を示す図である。
【0082】図27の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも「0.2<
m2/Lt<0.8」の範囲においては、内周側先端部
A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、
さらに圧力面P2が2つの円弧を有することから流れが
スムーズになるため、翼2b間の実質的流路が狭まら
ず、モータ入力Wmが低減する。
【0083】また、図28の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも
「0.25<Lm2/Lt<0.75」の範囲において
は、内周側先端部A1および外周側先端部A2で流れの
剥離が抑制され、さらに圧力面P2が2つの円弧を有す
ることから流れがスムーズになるため、騒音値SPLが
改善される。
【0084】また、図29の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
m2/Lt≦0.7」の範囲においては、内周側先端部
A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、
さらに圧力面P2が2つの円弧を有することから流れが
スムーズになるため、翼2b間の実質的流路が狭まら
ず、モータ入力Wmが低減する。
【0085】また、図30の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
m2/Lt≦0.7」の範囲においては、内周側先端部
A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、
さらに圧力面P2が2つの円弧を有することから流れが
スムーズになるため、騒音値SPLが改善される。
【0086】このように、本実施の形態においては、図
27〜図30に示すように、最大高さ距離Lm2と翼弦長
tの比率Lm2/Ltに、送風効率の向上を実現させるた
めの最適範囲が存在する。したがって、図27〜図30
の結果を総合すると、少なくとも「0.3≦Lm2/Lt
≦0.7」の範囲においては、すなわち、「0.3Lt
≦最大高さ距離Lm2≦0.7Lt」の範囲においては、
モータの消費電力および騒音の低減を実現できる。
【0087】以上、本実施の形態においては、圧力面P
2に2つの円弧を形成し、負圧面P3に3つの円弧を形
成し、さらに、最大高さ点M2の位置、すなわち、最大
高さ距離Lm2の距離を調整する。これにより、内周側先
端部A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制さ
れ、圧力面P2が2つの円弧を有することから流れがス
ムーズになるため、送風効率の向上を実現できる。な
お、本実施の形態における最大高さ距離Lm2の調整と、
実施の形態1または2における最大高さ距離Lm3の調整
と、を併用した場合には、両方の効果を同時に得ること
ができる。
【0088】実施の形態4.図31、図32は、本発明
にかかる貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実施
の形態4の形状を示す図である。なお、本実施の形態に
おける翼2b以外の構成については、前述した実施の形
態1における図1〜図5の空気調和機および貫流送風機
と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0089】図31、図32の翼2bにおいて、P2
は、3つの円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面
P2aと呼ぶ),P2b(本実施の形態では中央部圧力
面P2bと呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧
力面P2cと呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧
力面であり、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態
では外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形
態では中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の
形態では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力
面P2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧
力面P2と負圧面P3に接するそれぞれ円弧R1,R2
により形成された内周側先端部および外周側先端部であ
る。
【0090】また、O2a、O2bおよびO2cは、外
周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bおよび内周側圧
力面P2cの円弧の中心であり、R2a、R2bおよび
R2cは、外周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bお
よび内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、
O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負
圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P
3cの円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3c
は、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部
負圧面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径で
ある。
【0091】さらに、図31および図32において、羽
根車2の内周側先端部A1および外周側先端部A2の羽
根車回転方向側に接する線分を翼弦線Lとし、その翼弦
線Lに垂直で、内周側先端部A1に接する直線L1と外
周側先端部A2に接する直線L2との間の距離を翼弦長
tとし、圧力面P2上の点における翼弦線Lとの最大
高さ点をM2とし、最大高さ点M2から翼弦線L上に下
ろした点M2tと直線L2との間の距離を最大高さ距離
m2とする。
【0092】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、圧力面P2および負
圧面P3がともに三つの円弧をもち、さらに羽根車回転
方向Jに対して凹形状となる。
【0093】ここで、送風効率(騒音の低減、およびモ
ータの消費電力低減を含む)を改善するための最適な最
大高さ距離Lm2の決定方法(実施の形態4)について説
明する。
【0094】たとえば、最大高さ点M2が羽根車外周側
に近すぎるような場合、すなわち、比率Lm2/Ltが小
さすぎる場合、翼2bでは、前述の図25に示すよう
に、外周側圧力面P2aが外周に対して鋭角な形状にな
る。そのため、羽根車吸込側領域Fi(図3参照)を翼
2bが通過するときに、外周側圧力面P2aで流れが衝
突し、さらに翼2b間の実質的な流路が狭まる。これに
より、同一回転数に対する風量が低下し、送風効率が悪
化する。また、同一回転数に対する風量が低下する場合
には、必要風量に応じてファンの回転数を上昇させる必
要があるため、モータ入力Wmが増大する。さらに、羽
根車吹出側領域Foから空気が吹き出されるとき、外周
側先端部A2で流れが大幅に剥離し、騒音が増大する。
【0095】一方、最大高さ点M2が羽根車内周側に近
すぎるような場合、すなわち、比率Lm2/Ltが大きす
ぎる場合、翼2bでは、前述の図26に示すように、内
周側圧力面P2cが内周に対して鋭角な形状になる。そ
のため、羽根車吹出側領域F oを翼2bが通過するとき
に、内周側先端部A1で流れが剥離し、さらに翼2b間
の実質的な流路が狭まる。これにより、同一回転数に対
する風量が低下し、送風効率が悪化する。また、同一回
転数に対する風量が低下する場合には、必要風量に応じ
てファンの回転数を上昇させる必要があるため、モータ
入力Wmが増大する。さらに、羽根車吸込領域Fiにお
いて、外周側圧力面翼P2aが平板状になるため、吸込
流れが剥離し、騒音が増大する。
【0096】そこで、本実施の形態においては、送風効
率の向上を実現させるために、最大高さ点M2の位置、
すなわち、最大高さ距離Lm2の距離を調整する。図33
は、同一風量時における本実施の形態の貫流送風機およ
び従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltとモータ入力W
mとの関係を示す図である。図34は、同一風量時にお
ける本実施の形態の貫流送風機および従来の貫流送風機
の、比率Lm2/Ltと騒音値SPLとの関係を示す図で
ある。また、図35は、抵抗体19にホコリ等の抵抗が
負荷された場合の比率Lm2/Ltとモータ入力Wmとの
関係を示す図であり、図36は、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷された場合の比率Lm2/L tと騒音値SP
Lとの関係を示す図である。
【0097】図33の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも「0.25
≦Lm2/Lt≦0.75」の範囲においては、内周側先
端部A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制さ
れ、さらに圧力面P2が3つの円弧を有することから流
れがスムーズになるため、翼2b間の実質的流路が狭ま
らず、モータ入力Wmが低減する。
【0098】また、図34の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも
「0.25≦Lm2/Lt≦0.75」の範囲において
は、内周側先端部A1および外周側先端部A2で流れの
剥離が抑制され、さらに圧力面P2が3つの円弧を有す
ることから流れがスムーズになるため、騒音値SPLが
改善される。
【0099】また、図35の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
m2/Lt≦0.7」の範囲においては、内周側先端部
A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、
さらに圧力面P2が3つの円弧を有することから流れが
スムーズになるため、翼2b間の実質的流路が狭まら
ず、モータ入力Wmが低減する。
【0100】また、図36の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
m2/Lt≦0.7」の範囲においては、内周側先端部
A1および外周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、
さらに圧力面P2が3つの円弧を有することから流れが
スムーズになるため、騒音値SPLが改善される。
【0101】このように、本実施の形態においては、図
33〜図36に示すように、最大高さ距離Lm2と翼弦長
tの比率Lm2/Ltに、送風効率の向上を実現させるた
めの最適範囲が存在する。したがって、図33〜図36
の結果を総合すると、少なくとも「0.3≦Lm2/Lt
≦0.7」の範囲においては、すなわち、「翼外周側か
ら0.3Ltの位置≦最大高さ距離Lm2≦翼外周側から
0.7Ltの位置」の範囲においては、モータの消費電
力および騒音の低減を実現できる。
【0102】以上、本実施の形態においては、3つの円
弧で圧力面P2および負圧面P3を形成し、さらに、最
大高さ点M2の位置、すなわち、最大高さ距離Lm2の距
離を調整する。これにより、内周側先端部A1および外
周側先端部A2で流れの剥離が抑制され、圧力面P3が
3つの円弧を有することから流れがスムーズになるた
め、送風効率の向上を実現できる。なお、本実施の形態
における最大高さ距離L m2の調整と、実施の形態1また
は2における最大高さ距離Lm3の調整と、を併用した場
合には、両方の効果を同時に得ることができる。なお、
負圧面および圧力面における円弧の数については、これ
に限らず、たとえば、4つ以上の円弧を含むこととして
もよい。
【0103】実施の形態5.図37、図38は、本発明
にかかる貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実施
の形態5の形状を示す図である。なお、本実施の形態に
おける翼2b以外の構成については、前述した実施の形
態1における図1〜図5の空気調和機および貫流送風機
と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0104】図37、図38の翼2bにおいて、P2
は、3つの円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面
P2aと呼ぶ),P2b(本実施の形態では中央部圧力
面P2bと呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧
力面P2cと呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧
力面であり、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態
では外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形
態では中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の
形態では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力
面P2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧
力面P2と負圧面P3に接する内周側先端部および外周
側先端部である。
【0105】また、O2a、O2bおよびO2cは、外
周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bおよび内周側圧
力面P2cの円弧の中心であり、R2a、R2bおよび
R2cは、外周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bお
よび内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、
O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負
圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P
3cの円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3c
は、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部
負圧面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径で
ある。
【0106】さらに、図23および図24において、羽
根車2の内周側先端部A1および外周側先端部A2の羽
根車回転方向側に接する線分を翼弦線Lとし、その翼弦
線Lに垂直で、内周側先端部A1に接する直線L1と外
周側先端部A2に接する直線L2との間の距離を翼弦長
tとする。また、圧力面P2と負圧面P3の厚さをDt
とし、圧力面P2と負圧面P3に接する円の中心をOt
とし、厚さDtが最大となる圧力面P2と負圧面P3に
接する円の直径をDtm、中心をOtm(本実施の形態では
最大肉厚点と呼ぶ)とし、最大肉厚点Otmから翼弦線L
上に下ろした点Mtmと直線L2との間の距離を最大高さ
距離Lmtとする。
【0107】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、圧力面P2および負
圧面P3がともに三つの円弧をもち、さらに羽根車回転
方向Jに対して凹形状となる。なお、本実施の形態にお
いては、前述の実施の形態1および2の最大高さ距離L
m3を満たす負圧面P3を構成し、図39の騒音周波数特
性に示すように、低周波領域に特異音S1が発生しない
ものとする。
【0108】ここで、送風効率(騒音の低減、およびモ
ータの消費電力低減を含む)を改善するための最適な最
大高さ距離Ltmの決定方法(実施の形態5)について説
明する。
【0109】図40は、最大肉厚点Otmが羽根車外周側
に近い場合における翼2bの形状を示す図である。この
ように、最大肉厚点Otmが羽根車外周側に近すぎるよう
な場合、すなわち、比率Ltm/Ltが小さすぎる場合、
翼2bでは、吸い込み流れに対して衝突が少なくなり、
損失が小さくなるため、送風効率が改善される。しかし
ながら、吸い込み時における流路面積が減少し、すなわ
ち、狭くなり、通過流速が増加するため、騒音が増大す
る。
【0110】一方、図41は、最大肉厚点Otmが羽根車
内周側に近い場合における翼2bの形状を示す図であ
る。このように、最大肉厚点Otmが羽根車内周側に近す
ぎるような場合、すなわち、比率Ltm/Ltが大きすぎ
る場合、翼2bでは、吹き出し流れに対して衝突が少な
くなり、損失が小さくなるため、送風効率が改善され
る。しかしながら、吹き出し時における流路面積が減少
し、すなわち、狭くなり、通過流速が増加するため、騒
音が増大する。
【0111】そこで、本実施の形態においては、騒音の
減少を実現させるために、最大肉厚点Otmの位置、すな
わち、最大高さ距離Ltmの距離を調整する。図42は、
同一風量時における本実施の形態の貫流送風機および従
来の貫流送風機の、比率Ltm/Ltとモータ入力Wmと
の関係を示す図である。図43は、同一風量時における
本実施の形態の貫流送風機および従来の貫流送風機の、
比率Ltm/Ltと騒音値SPLとの関係を示す図であ
る。また、図44は、抵抗体19にホコリ等の抵抗が負
荷された場合の比率Ltm/Ltとモータ入力Wmとの関
係を示す図であり、図45は、抵抗体19にホコリ等の
抵抗が負荷された場合の比率Ltm/Ltと騒音値SPL
との関係を示す図である。
【0112】図42の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも「0.3≦
tm/Lt」においては、吸い込み時および吹き出し時
における流路面積が増大するため、翼2b間の実質的流
路が狭まらず、モータ入力Wmが低減する。
【0113】また、図43の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷されていない場合、少なくとも
「0.2≦Ltm/Lt≦0.7」の範囲においては、吸
い込み時および吹き出し時における流路面積が増大する
ため、翼2b間の実質的流路が狭まらず、騒音値SPL
が改善される。
【0114】また、図44の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
tm/Lt」においては、吸い込み時および吹き出し時
における流路面積が増大するため、翼2b間の実質的流
路が狭まらず、モータ入力Wmが低減する。
【0115】また、図45の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「0.3≦
tm/Lt≦0.7」の範囲においては、吸い込み時お
よび吹き出し時における流路面積が増大するため、翼2
b間の実質的流路が狭まらず、騒音値SPLが改善され
る。
【0116】このように、本実施の形態においては、図
42〜図45に示すように、最大高さ距離Ltmと翼弦長
tの比率Ltm/Ltに、送風効率の向上を実現させるた
めの最適範囲が存在する。したがって、図42〜図45
の結果を総合すると、少なくとも「0.3≦Ltm/Lt
≦0.7」の範囲においては、すなわち、「0.3Lt
≦最大高さ距離Ltm≦0.7Lt」の範囲においては、
モータの消費電力の低減および騒音の低減を実現でき
る。
【0117】以上、本実施の形態においては、3つの円
弧で圧力面P2および負圧面P3を形成し、さらに、最
大肉厚点Otmの位置、すなわち、最大高さ距離Ltmの距
離を調整する。これにより、吸い込み時および吹き出し
時における流路面積が増大するため、翼2b間の実質的
流路が狭まらず、送風効率の向上を実現できる。なお、
負圧面および圧力面における円弧の数については、これ
に限らず、たとえば、4つ以上の円弧を含むこととして
もよい。
【0118】実施の形態6.図46は、本発明にかかる
空気調和機の縦断面図であり、図47、図48は、本発
明にかかる貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実
施の形態6の形状を示す図である。なお、本実施の形態
における翼2b以外の構成については、前述した実施の
形態1における図1〜図5の空気調和機および貫流送風
機と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0119】図47、図48の翼2bにおいて、P2
は、3つの円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面
P2aと呼ぶ),P2b(本実施の形態では中央部圧力
面P2bと呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧
力面P2cと呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧
力面であり、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態
では外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形
態では中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の
形態では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力
面P2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧
力面P2と負圧面P3に接する内周側先端部および外周
側先端部である。
【0120】また、O2a、O2bおよびO2cは、外
周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bおよび内周側圧
力面P2cの円弧の中心であり、R2a、R2bおよび
R2cは、外周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bお
よび内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、
O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負
圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P
3cの円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3c
は、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部
負圧面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径で
ある。
【0121】さらに、図47および図48において、羽
根車2の内周側先端部A1および外周側先端部A2の羽
根車回転方向側に接する線分を翼弦線Lとし、回転軸中
心Oと内周側先端部A1の先端A10を通る線分を翼取
付基準線O−A10とし、翼取付基準線O−A10と翼
弦線Lのなす鋭角を翼取付角θとする。
【0122】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、翼取付角θで取り付
けられ、圧力面P2および負圧面P3がともに三つの円
弧をもち、さらに羽根車回転方向Jに対して凹形状とな
る。
【0123】ここで、騒音の低減およびモータの消費電
力の低減を実現するための、最適な翼取付角θの決定方
法(実施の形態6)について説明する。たとえば、翼取
付角θを大きくしていくと、前後の翼に近づくことから
となりの翼との最小距離δを大きくとることとなり、抵
抗が低下するため、送風効率が改善する傾向となる。一
方、翼取付角θが小さくしていくと、逆にとなりの翼と
の最小距離δを小さくとることとなり、抵抗が増加する
ため、送風効率が悪化、すなわち、モータ入力Wmが増
大する傾向となる。
【0124】しかしながら、翼取付角θが大きすぎる場
合には、複数の円弧を有する負圧面P2であっても、吸
込流れが翼に沿いきれず、外周側先端A2で吸込流れが
剥離し、図49の騒音周波数特性に示すように、低周波
数領域に特異音S1が発生する。また、翼取付角θが小
さすぎる場合には、特異音の発生はないが、前述のよう
に送風効率が悪化し、同一回転数を維持しようとすると
モータ入力Wmが増大する。
【0125】そこで、本実施の形態においては、送風効
率の改善および騒音の低減を実現させるために、翼取付
角θを調整する。図50は、抵抗体19にホコリ等の抵
抗が負荷された場合の翼取付角θとモータ入力Wmとの
関係を示す図であり、図51は、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷された場合の翼取付角θと最大騒音レベル
mとの関係を示す図である。
【0126】図50の結果から、抵抗体19にホコリ等
の抵抗が負荷された場合、少なくとも「20°≦翼取付
角θ≦50°」の範囲では、従来技術と同一角度であっ
た場合において羽根車2の回転に対する抵抗が増大する
ことがないため、モータ入力Wmが低減する。さらに、
少なくとも「30°≦翼取付角θ≦45°」の範囲で
は、すべての角度において羽根車2の回転に対する抵抗
が増大することがないため、より確実にモータ入力Wm
が低減する。また、図51の結果から、抵抗体19にホ
コリ等の抵抗が負荷された場合、少なくとも「20°≦
翼取付角θ≦50°」の範囲では、同一角度のときに外
周側先端A2で吸込流れが従来よりも剥離することがな
いため、騒音値SPLが改善される。さらに、少なくと
も「30°≦翼取付角θ≦45°」の範囲では、すべて
の角度において外周側先端A2で吸込流れが従来よりも
剥離することがないため、より確実に騒音値SPLが改
善される。
【0127】このように、本実施の形態においては、図
50および図51に示すように、翼取付角θに、送風効
率の向上を実現させるための最適範囲が存在する。した
がって、図50および図51の結果を総合すると、少な
くとも「20°≦翼取付角θ≦50°」の範囲では、同
一角度においてモータの消費電力の低減および騒音の低
減を実現でき、さらに、少なくとも「30°≦翼取付角
θ≦45°」の範囲では、すべての角度においてモータ
の消費電力の低減および騒音の低減を実現できる。
【0128】以上、本実施の形態においては、3つの円
弧で圧力面P2および負圧面P3を形成し、さらに、前
述した範囲の中で翼取付角θを調整する。これにより、
羽根車2の回転に対する抵抗が増大することがなくな
り、かつ外周側先端A2で吸込流れが剥離することがな
くなるため、送風効率の向上を実現できる。なお、負圧
面および圧力面における円弧の数については、これに限
らず、たとえば、4つ以上の円弧を含むこととしてもよ
い。
【0129】実施の形態7.図52は、本発明にかかる
貫流送風機に使用される羽根車の拡大図であり、図5
3、図54は、本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用
いられる翼2bの実施の形態7の形状を示す図である。
なお、本実施の形態における翼2b以外の構成について
は、前述した実施の形態1における図1〜図5の空気調
和機および貫流送風機と同様であるため、同一の符号を
付して説明を省略する。
【0130】図52において、本発明にかかる貫流送風
機の羽根車2は、複数の翼2bとこれらを支持するリン
グ2cとから構成される複数の単体2aを軸方向に連結
し、さらに、各単体を羽根車回転方向に所定角度γ分だ
け回転させ、翼2bの取り付け位置がすべて異なる位置
になるようにする。
【0131】図53、図54の翼2bにおいて、P2
は、3つの円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面
P2aと呼ぶ),P2b(本実施の形態では中央部圧力
面P2bと呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧
力面P2cと呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧
力面であり、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態
では外周側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形
態では中央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の
形態では内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力
面P2と対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧
力面P2と負圧面P3に接する内周側先端部および外周
側先端部である。
【0132】また、O2a、O2bおよびO2cは、外
周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bおよび内周側圧
力面P2cの円弧の中心であり、R2a、R2bおよび
R2cは、外周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bお
よび内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、
O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負
圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P
3cの円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3c
は、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部
負圧面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径で
ある。
【0133】このように、本発明にかかる貫流送風機1
の羽根車2に用いられる翼2bは、各単体2aを、羽根
車回転方向に所定角度γ分だけ回転させ、取り付か位置
がすべて異なるように連結し、さらに、圧力面P2およ
び負圧面P3がともに三つの円弧をもち、羽根車回転方
向Jに対して凹形状となる。
【0134】図55は、角度γ=0゜の場合と角度γ=
4゜の場合における騒音の周波数特性を示す図である。
本実施の形態の貫流送風機においては、各羽根車単体2
aを、「羽根車回転方向に角度γ゜だけずらし、かつ翼
2bの取り付け位置がすべて異なるように」、連結して
いる。これにより、たとえば、各羽根車単体2aで低周
波数領域に特異音S1が発生した場合においても、各羽
根車単体2aで発生する時間が異なるため、特異音S1
の最大騒音値Smが分散され、全体としてそのレベルを
低減させることができる。
【0135】具体的にいうと、図69に示すように、角
度γ=0°における低周波数領域の特異音S10の最大
騒音値Sm0は、各単体の騒音が多重化され、やや先のと
がった周波数特性を示しているが、本実施の形態の角度
γ=4゜における低周波数領域の特異音S11の最大騒
音値Sm1では、各単体の騒音が分散され、変動が少な
く、かつ最大騒音レベルの低い周波数特性を示してい
る。
【0136】このように、本実施の形態においては、各
羽根車単体2aを、「羽根車回転方向に角度γ゜だけず
らし、かつ翼2bの取り付け位置がすべて異なるよう
に」、連結しているため、たとえば、各羽根車単体2a
に特異音が発生している場合においても、その騒音が時
系列的に分散され、騒音のピークを低くすることができ
る。なお、前述した実施の形態1〜7の構成に、本実施
の形態の構成を適用することにより、さらに騒音の少な
い貫流送風機を得ることができる。
【0137】実施の形態8.図56は、本発明にかかる
貫流送風機の実施の形態8の構成を示す図である。図5
6に示すように、本実施の形態においては、各羽根車単
体2aにおける翼2bの取り付け間隔λを不等ピッチと
する(λ1、λ2、λ3、λ4、λ5、…)。なお、本
実施の形態における翼2b以外の構成については、前述
した実施の形態1における図1〜図5の空気調和機およ
び貫流送風機と同様であるため、同一の符号を付して説
明を省略する。
【0138】図57は、従来の貫流送風機と本実施の形
態における貫流送風機のそれぞれの周波数特性を示す図
である。たとえば、羽根車単体2aに特異音S10が発
生した場合、従来の貫流送風機においては、各羽根車単
体2aの特異音S10が多重化され、鋭いピークをもつ
周波数特性となる(図57(a)参照)。すなわち、羽
根車単体2aに特異音S10が発生した場合には、特異
音S10が強調されることとなる。
【0139】しかしながら、本実施の形態の貫流送風機
においては、羽根車単体2aの各翼2bが不等ピッチで
あるため、各翼2bどうしで特異音S20を打ち消しあ
うことができるため、特異音が発生しづらくなる(図5
7(b)参照)。
【0140】また、本実施の形態の貫流送風機において
は、これに限らず、たとえば、羽根車単体2aの各翼2
bを不等ピッチとし、さらに、各羽根車単体2aを、羽
根車回転方向に角度γ゜だけずらして連結する(実施の
形態7の構成)ことにより、さらに効率良く特異音S3
0を打ち消しあうことができるため、前述した実施の形
態7の貫流送風機よりも、さらに特異音を低減すること
ができる(図57(c)参照)。
【0141】実施の形態9.図58は、本発明にかかる
貫流送風機の羽根車に用いられる翼2bの実施の形態9
の形状を示す図である。なお、本実施の形態における翼
2b以外の構成については、前述した実施の形態1にお
ける図1〜図5の空気調和機および貫流送風機と同様で
あるため、同一の符号を付して説明を省略する。また、
本実施の形態においては、実施の形態8と同様に、各羽
根車単体2aにおける翼2bの取り付け間隔λを不等ピ
ッチとし(λ1、λ2、λ3、λ4、λ5、…)、さら
に、実施の形態7と同様に、各羽根車単体2aを、羽根
車回転方向に角度γ゜だけずらし、かつ翼2bの取り付
け位置がすべて異なるように、連結する。また、本実施
の形態の翼断面2bについては、実施の形態6に記載の
条件を満たすものとする。すなわち、翼2bの取付角
を、「30°≦翼取付角θ≦45°」の範囲に限定す
る。
【0142】図58の翼2bにおいて、P2は、3つの
円弧P2a(本実施の形態では外周側圧力面P2aと呼
ぶ),P2b(本実施の形態では中央部圧力面P2bと
呼ぶ),P2c(本実施の形態では内周側圧力面P2c
と呼ぶ)で形成された羽根車回転方向側の圧力面であ
り、P3は、3つの円弧P3a(本実施の形態では外周
側負圧面P3aと呼ぶ),P3b(本実施の形態では中
央部負圧面P3aと呼ぶ),P3c(本実施の形態では
内周側負圧面P3cと呼ぶ)で形成された圧力面P2と
対抗する負圧面であり、A1およびA2は、圧力面P2
と負圧面P3に接する内周側先端部および外周側先端部
である。
【0143】また、O2a、O2bおよびO2cは、外
周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bおよび内周側圧
力面P2cの円弧の中心であり、R2a、R2bおよび
R2cは、外周側圧力面P2a、中央部圧力面P2bお
よび内周側圧力面P2cの円弧の半径であり、O3a、
O3bおよびO3cは、それぞれ負圧面P3の外周側負
圧面P3a、中央部負圧面P3bおよび内周側負圧面P
3cの円弧の中心であり、R3a、R3cおよびR3c
は、それぞれ負圧面P3の外周側負圧面P3a、中央部
負圧面P3bおよび内周側負圧面P3cの円弧の半径で
ある。
【0144】上記のように構成される本実施の形態の空
気調和機においては、図3に示すとおり、羽根車2の吸
い込み側に、アルミフィン13aと配管13bで構成さ
れるフィンチューブ熱交換器13が配設されている。こ
の状態で、たとえば、フィンチューブ熱交換器13に空
気が流れる場合、配管13bからは、後流が流出される
ことになる。
【0145】図59は、配管13bから流出される後流
の様子を示す図である。たとえば、翼ピッチλが等間隔
の従来の貫流送風機の各翼に対して、図示のような後流
G2が流れる場合、各羽根車単体2aにおいては、回転
音Pkが発生してしまう。また、従来の貫流送風機のよ
うに、圧力面P2および負圧面P3が単一の円弧を形成
するような場合には、たとえば、風向変更ベーン15に
て吹出口14を閉鎖ぎみにしたときや、ホコリ等が付着
して通風抵抗が増大した場合に、低周波数領域に特異音
S1が発生してしまう(図60(b)参照)。
【0146】そこで、本実施の形態においては、翼2b
の圧力面P2および負圧面P3を複数の円弧で形成し、
さらに、各羽根車単体2aにおける翼2bの取り付け間
隔λを不等ピッチとし、各羽根車単体2aを、羽根車回
転方向に角度γ゜だけずらしかつ翼2bの取り付け位置
がすべて異なるように連結する。これにより、図60
(a)に示すように、回転音Pkおよび特異音S1が抑
制され、良好な聴感を得ることができる。
【0147】実施の形態10.本実施の形態において
は、たとえば、図1〜図5に示すような空気調和機に限
らず、たとえば、熱交換器13の羽根車側の側面に沿っ
て二次的なフィルタが配設された空気調和機に対して適
用する。なお、本実施の形態においては、実施の形態8
または9と同様に、各羽根車単体2aにおける翼2bの
取り付け間隔λを不等ピッチとし(λ1、λ2、λ3、
λ4、λ5、…)、さらに、実施の形態7と同様に、各
羽根車単体2aを、羽根車回転方向に角度γ゜だけずら
し、かつ翼2bの取り付け位置がすべて異なるように、
連結する。
【0148】図61は、本発明にかかる空気調和機の縦
断面図である。なお、前述した図3と同様の構成につい
ては、同一の符号を付して説明を省略する。図61にお
いて、12aは着脱可能な2次フィルタである。本実施
の形態における二次的なフィルタとしては、たとえば、
一次的なフィルタ12よりも目が細かく、フィルタ12
で取りきれないホコリや、冷房時の湿気により熱交換器
13の表面に発生したカビ等を除去し、吹き出し空気の
清浄化するものが考えられる。
【0149】このように、本実施の形態においては、上
記羽根車の構成を用い、さらに、前述したフィルタ12
に加えて二次的なフィルタ(2次フィルタ12a)を追
加することで、通風抵抗が付加されるような場合におい
ても、効率良く、回転音Pkおよび低周波数領域の特異
音S1を除去することができる。また、熱交換器等で発
生したカビを効率よく除去できるため、吹き出し空気が
清浄され、よりきれいな空気による空調が可能となる。
【0150】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明によれ
ば、羽根車吸込側にホコリ等が付着した場合や、風向変
更ベーンが稼動し吹出口を狭めて抵抗が増加した場合に
おいても、モータ入力の消費電力を高くしてしまうこと
なく、負圧面での流れの剥離を抑制することができるた
め、低周波数領域の特異音を低減することができる。こ
れにより、差動環境が変化した場合においても、設置環
境を静粛化可能な貫流送風機を得ることができる、とい
う効果を奏する。
【0151】つぎの発明によれば、翼断面形状がなめら
かな曲線となるため、圧力面での流れの衝突が抑制さ
れ、さらに翼間の流路幅が確保され、その結果、送風効
率が維持/改善される。また、流れの剥離が抑制される
ことから騒音が低減される。これにより、差動環境が変
化した場合においても、設置環境を静粛化可能な貫流送
風機を得ることができる、という効果を奏する。
【0152】つぎの発明によれば、羽根車吸込側にホコ
リ等が付着した場合や、風向変更ベーンが稼動し吹出口
を狭めて抵抗が増加した場合においても、モータの消費
電力を高くしてしまうことなく、負圧面での流れの剥離
を抑制することができるため、低周波数領域の特異音を
低減することができる。また、翼断面形状がなめらかな
曲線となるため、圧力面での流れの衝突が抑制され、さ
らに翼間の流路幅が確保され、その結果、送風効率が維
持/改善される。さらに、流れの剥離が抑制されること
から騒音が低減される。これらにより、差動環境が変化
した場合においても、設置環境をさらに効率良く静粛化
することが可能な貫流送風機を得ることができる、とい
う効果を奏する。
【0153】つぎの発明によれば、翼間の流路幅を減少
させないようにしているため、騒音値を悪化させずに、
翼の吸い込み側での流れの衝突を少なく、かつ損失を小
さくできるため、送風効率が改善され、さらにモータの
消費電力値も改善される。これにより、低消費電力を実
現可能な貫流送風機を得ることができる、という効果を
奏する。
【0154】つぎの発明によれば、翼間の流路幅が維持
できることからモータの消費電力が維持/改善され、負
圧面での流れが剥離しないことから低周波数領域の特異
音が低減される。これにより、低消費電力および設置環
境の静粛化を実現可能な貫流送風機を得ることができ
る、という効果を奏する。
【0155】つぎの発明によれば、各羽根車単体を、翼
の取り付け位置がすべて異なるように、羽根車の回転方
向に所定の角度だけずらして連結しているため、たとえ
ば、各羽根車単体に特異音が発生している場合において
も、その騒音が時系列的に分散され、騒音のピークを低
くすることが可能な貫流送風機を得ることができる、と
いう効果を奏する。
【0156】つぎの発明によれば、羽根車単体の各翼が
不等ピッチであるため、特異音が強調されることなく、
各翼どうしで特異音を打ち消しあうことができるため、
特異音が発生しづらい貫流送風機を得ることができる、
という効果を奏する。
【0157】つぎの発明によれば、圧力面および負圧面
を複数の円弧で形成し、各羽根車単体における翼の取り
付け間隔を不等ピッチとし、さらに、各羽根車単体を、
翼の取り付け位置がすべて異なるように、羽根車の回転
方向に所定の角度だけずらして連結する。これにより、
ホコリ等の抵抗が付加された場合においても回転音およ
び特異音が抑制され、良好な聴感を得ることが可能な貫
流送風機を得ることができる、という効果を奏する。
【0158】つぎの発明によれば、内周側先端部および
外周側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線
と、負圧面上の点と、の垂直距離が最大になる点の位置
に、送風効率を向上させるための最適範囲が存在する。
したがって、最大になる点の位置を調整することによ
り、特異音および消費電力の低減を図ることができ、そ
れに伴って、ホコリ等の抵抗が付加された場合において
も、低消費電力でかつ良好な聴感を得ることが可能な空
気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0159】つぎの発明によれば、内周側先端部および
外周側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線
と、圧力面上の点と、の垂直距離が最大になる点の位置
に、送風効率を向上させるための最適範囲が存在する。
したがって、圧力面に複数の円弧を形成し、前記最大に
なる点の位置を調整することにより、内周側先端部およ
び外周側先端部で流れの剥離が抑制され、さらに圧力面
が複数の円弧を有することから流れがスムーズになるた
め、ホコリ等の抵抗が付加された場合においても、送風
効率の向上、低消費電力、および低騒音を実現可能な空
気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0160】つぎの発明によれば、内周側先端部および
外周側先端部の回転方向側に接する線分である翼弦線
と、負圧面上の点と、の垂直距離が最大になる点の位
置、および翼弦線と圧力面上の点との垂直距離が最大に
なる点の位置に、送風効率を向上させるための最適範囲
が存在する。したがって、それぞれ最大になる点の位置
を調整することにより、送風効率のさらに大幅な向上、
低消費電力、および低騒音を実現可能な空気調和機を得
ることができる、という効果を奏する。
【0161】つぎの発明によれば、翼弦線と、直径が最
大となる負圧面と圧力面に接する円の中心点と、の垂直
距離が最大になる点の位置に、送風効率の向上を実現さ
せるための最適範囲が存在する。したがって、複数の円
弧で圧力面および負圧面を形成し、前記最大になる点の
位置を調整することにより、吸い込み時および吹き出し
時における流路面積が増大するため、翼間の実質的流路
が狭まらず、送風効率の向上を実現可能な空気調和機を
得ることができる、という効果を奏する。また、低消費
電力でかつ良好な聴感を得ることが可能な空気調和機を
得ることができる、という効果を奏する。
【0162】つぎの発明によれば、翼取付角に、送風効
率の向上を実現させるための最適範囲が存在する。した
がって、複数の円弧で圧力面および負圧面を形成し、さ
らに、最適な範囲の中で翼取付角を調整することによ
り、羽根車の回転に対する抵抗が増大することがなくな
り、かつ外周側先端で吸い込み流れが剥離することがな
くなるため、送風効率の向上を実現可能な空気調和機を
得ることができる、という効果を奏する。また、低消費
電力でかつ良好な聴感を得ることが可能な空気調和機を
得ることができる、という効果を奏する。
【0163】つぎの発明によれば、各羽根車単体を、翼
の取り付け位置がすべて異なるように、羽根車の回転方
向に所定の角度だけずらして連結しているため、たとえ
ば、各羽根車単体に特異音が発生している場合において
も、その騒音が時系列的に分散され、騒音のピークを低
くすることが可能な空気調和機を得ることができる、と
いう効果を奏する。
【0164】つぎの発明によれば、羽根車単体の各翼が
不等ピッチであるため、特異音が強調されることなく、
各翼どうしで特異音を打ち消しあうことができるため、
ホコリ等の抵抗が付加された場合においても、特異音が
発生しづらい空気調和機を得ることができる、という効
果を奏する。
【0165】つぎの発明によれば、圧力面および負圧面
を複数の円弧で形成し、各羽根車単体における翼の取り
付け間隔を不等ピッチとし、さらに、各羽根車単体を、
翼の取り付け位置がすべて異なるように、羽根車の回転
方向に所定の角度だけずらして連結する。これにより、
ホコリ等の抵抗が付加された場合においても、回転音お
よび特異音が抑制され、良好な聴感を得ることが可能な
空気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる空気調和機の構成を示す図
(外観図)である。
【図2】 本発明にかかる空気調和機の部分断面図であ
る。
【図3】 本発明にかかる空気調和機の縦断面図であ
る。
【図4】 本発明にかかる貫流送風機の構成を示す図
(斜視図)である。
【図5】 本発明にかかる貫流送風機の縦断面図であ
る。
【図6】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用いら
れる翼の実施の形態1の形状を示す図である。
【図7】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用いら
れる翼の実施の形態1の形状を示す図である。
【図8】 最大高さ点M3が羽根車内周側に近い場合に
おける翼2bの形状を示す図である。
【図9】 図8に示す翼2bを用いた空気調和機の周波
数特性を示す図である。
【図10】 最大高さ点M3が羽根車外周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図11】 同一風量時における実施の形態1の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm3/Ltと最大
騒音レベルSmとの関係を示す図である。
【図12】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm3/L tと最大騒音レベルSmとの関係を示
す図(実施の形態1)である。
【図13】 同一風量時における実施の形態1の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm3/Ltとモー
タ入力Wmとの関係を示す図である。
【図14】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm3/L tとモータ入力Wmとの関係を示す
図(実施の形態1)である。
【図15】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態2の形状を示す図である。
【図16】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態2の形状を示す図である。
【図17】 最大高さ点M3が羽根車内周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図18】 最大高さ点M3が羽根車外周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図19】 同一風量時における実施の形態2の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm3/Ltと最大
騒音レベルSmとの関係を示す図である。
【図20】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm3/L tと最大騒音レベルSmとの関係を示
す図(実施の形態2)である。
【図21】 同一風量時における実施の形態2の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm3/Ltとモー
タ入力Wmとの関係を示す図である。
【図22】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm3/L tとモータ入力Wmとの関係を示す
図(実施の形態2)である。
【図23】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態3の形状を示す図である。
【図24】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態3の形状を示す図である。
【図25】 最大高さ点M2が羽根車外周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図26】 最大高さ点M2が羽根車内周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図27】 同一風量時における実施の形態3の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltとモー
タ入力Wmとの関係を示す図である。
【図28】 同一風量時における実施の形態3の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltと騒音
値SPLとの関係を示す図である。
【図29】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm2/L tとモータ入力Wmとの関係を示す
図である。
【図30】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm2/L tと騒音値SPLとの関係を示す図
である。
【図31】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態4の形状を示す図である。
【図32】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態4の形状を示す図である。
【図33】 同一風量時における実施の形態4の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltとモー
タ入力Wmとの関係を示す図である。
【図34】 同一風量時における実施の形態4の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Lm2/Ltと騒音
値SPLとの関係を示す図である。
【図35】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm2/L tとモータ入力Wmとの関係を示す
図である。
【図36】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Lm2/L tと騒音値SPLとの関係を示す図
である。
【図37】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態5の形状を示す図である。
【図38】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態5の形状を示す図である。
【図39】 本発明にかかる空気調和機の騒音周波数特
性を示す図である。
【図40】 最大肉厚点Otmが羽根車外周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図41】 最大肉厚点Otmが羽根車内周側に近い場合
における翼2bの形状を示す図である。
【図42】 同一風量時における実施の形態5の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Ltm/Ltとモー
タ入力Wmとの関係を示す図である。
【図43】 同一風量時における実施の形態5の貫流送
風機および従来の貫流送風機の、比率Ltm/Ltと騒音
値SPLとの関係を示す図である。
【図44】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Ltm/L tとモータ入力Wmとの関係を示す
図である。
【図45】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の比率Ltm/L tと騒音値SPLとの関係を示す図
である。
【図46】 本発明にかかる空気調和機の縦断面図であ
る。
【図47】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態6の形状を示す図である。
【図48】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態6の形状を示す図である。
【図49】 本発明にかかる空気調和機の騒音周波数特
性を示す図である。
【図50】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の翼取付角θとモータ入力Wmとの関係を示す図で
ある。
【図51】 抵抗体19にホコリ等の抵抗が負荷された
場合の翼取付角θと最大騒音レベルSmとの関係を示す
図である。
【図52】 本発明にかかる貫流送風機に使用される羽
根車の拡大図である。
【図53】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態7の形状を示す図である。
【図54】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態7の形状を示す図である。
【図55】 角度γ=0゜の場合と角度γ=4゜の場合
における騒音の周波数特性を示す図である。
【図56】 本発明にかかる貫流送風機の実施の形態8
の構成を示す図である。
【図57】 従来の貫流送風機と実施の形態8における
貫流送風機のそれぞれの周波数特性を示す図である。
【図58】 本発明にかかる貫流送風機の羽根車に用い
られる翼の実施の形態9の形状を示す図である。
【図59】 配管13bから流出される後流の様子を示
す図である。
【図60】 従来の貫流送風機と実施の形態9における
貫流送風機のそれぞれの周波数特性を示す図である。
【図61】 本発明にかかる空気調和機の縦断面図であ
る。
【図62】 特開平11−83062に記載された空気
調和機本体の縦断面図である。
【図63】 従来の空気調和機本体に含まれる貫流送風
機部分の斜視図である。
【図64】 従来の貫流送風機の構成を示す図である。
【図65】 翼101bの断面形状を示す図である。
【図66】 空気調和機の騒音周波数特性を示す図であ
る。
【図67】 特公昭38−17526号公報に記載され
た貫流送風機の断面図である。
【図68】 従来の貫流送風機における羽根車の翼の一
例を示す図である。
【図69】 従来の貫流送風機における羽根車の翼の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 貫流送風機、2 羽根車、2a 羽根車単体、2b
翼、2c リング、3a スタビライザー、3b ガ
イドウォール、4 ノズル、5 モータ、6回転軸、8
電気品箱、10 空気調和機、10a ハウジング、
11a 正面吸込グリル、11b 上部吸込グリル、1
2 フィルタ、12a 2次フィルタ、13 熱交換
器、13a アルミフィン、13b 配管、14 吹出
口、15風向変更ベーン、15a 左右ベーン、15b
上下ベーン、17 壁、18部屋、19 抵抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野 将俊 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H031 AA03 AA07 AA13 BA02 BA03 BA05 BA06 BA11 BA22 BA35 3H033 AA02 AA18 BB02 BB09 CC01 DD04 DD19 DD26 DD27 DD29 EE06 EE08 EE19 3L049 BD02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の翼とそれらを支持するリングで構
    成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根
    車を備え、その羽根車の回転により、一方から空気を吸
    い込み、その後、他方にその空気を吹き出す貫流送風機
    において、 前記羽根車の翼は、 少なくとも1つの円弧を含む圧力面と複数の円弧を含む
    負圧面とを用いて形成された凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記負圧面上の点と、の垂直距離
    が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.3×翼
    弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点の位置<翼外
    周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整
    することを特徴とする貫流送風機。
  2. 【請求項2】 複数の翼とそれらを支持するリングで構
    成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根
    車を備え、その羽根車の回転により、一方から空気を吸
    い込み、その後、他方にその空気を吹き出す貫流送風機
    において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む圧力面と少なくとも1つの円弧を含む
    負圧面とを用いて形成された凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記圧力面上の点と、の垂直距離
    が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.3×翼
    弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点の位置<翼外
    周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整
    することを特徴とする貫流送風機。
  3. 【請求項3】 さらに、前記翼弦線と、前記圧力面上の
    点と、の垂直距離が最大になる点の位置を、「翼外周側
    から(0.3×翼弦線長)の位置≦垂直距離が最大にな
    る点の位置≦翼外周側から(0.7×翼弦線長)の位
    置」の範囲内で調整することを特徴とする請求項1に記
    載の貫流送風機。
  4. 【請求項4】 複数の翼とそれらを支持するリングで構
    成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根
    車を備え、その羽根車の回転により、一方から空気を吸
    い込み、その後、他方にその空気を吹き出す貫流送風機
    において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて形成され
    た凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、直径が最大となる前記負圧面と前
    記圧力面に接する円の中心点と、の垂直距離が最大にな
    る点の位置を、規定された送風効率を満たす範囲内で調
    整することを特徴とする貫流送風機。
  5. 【請求項5】 複数の翼とそれらを支持するリングで構
    成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根
    車を備え、その羽根車の回転により、一方から空気を吸
    い込み、その後、他方にその空気を吹き出す貫流送風機
    において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて形成され
    た凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記羽根車の回転軸の中心と翼の
    内周側の先端とを通る線分と、のなす角を、「20°≦
    前記なす角≦50°」の範囲内で調整することを特徴と
    する貫流送風機。
  6. 【請求項6】 前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け
    位置がすべて異なる位置になるように、回転方向に所定
    角度分だけずらして連結することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一つに記載の貫流送風機。
  7. 【請求項7】 前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチとす
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載
    の貫流送風機。
  8. 【請求項8】 前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチと
    し、 さらに、前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置が
    すべて異なる位置になるように、回転方向に所定角度分
    だけずらして連結することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか一つに記載の貫流送風機。
  9. 【請求項9】 複数の翼とそれらを支持するリングで構
    成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽根
    車を備え、その羽根車の回転により、吸い込みグリル側
    からフィルタ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出口
    にその空気を吹き出す空気調和機において、 前記羽根車の翼は、 少なくとも1つの円弧を含む圧力面と複数の円弧を含む
    負圧面とを用いて形成された凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記負圧面上の点と、の垂直距離
    が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.3×翼
    弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点の位置<翼外
    周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整
    することを特徴とする空気調和機。
  10. 【請求項10】 複数の翼とそれらを支持するリングで
    構成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽
    根車を備え、その羽根車の回転により、吸い込みグリル
    側からフィルタ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出
    口にその空気を吹き出す空気調和機において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む圧力面と少なくとも1つの円弧を含む
    負圧面とを用いて形成された凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記圧力面上の点と、の垂直距離
    が最大になる点の位置を、「翼外周側から(0.3×翼
    弦線長)の位置<垂直距離が最大になる点の位置<翼外
    周側から(0.5×翼弦線長)の位置」の範囲内で調整
    することを特徴とする空気調和機。
  11. 【請求項11】 さらに、前記翼弦線と、前記圧力面上
    の点と、の垂直距離が最大になる点の位置を、「翼外周
    側から(0.3×翼弦線長)の位置≦垂直距離が最大に
    なる点の位置≦翼外周側から(0.7×翼弦線長)の位
    置」の範囲内で調整することを特徴とする請求項9に記
    載の空気調和機。
  12. 【請求項12】 複数の翼とそれらを支持するリングで
    構成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽
    根車を備え、その羽根車の回転により、吸い込みグリル
    側からフィルタ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出
    口にその空気を吹き出す空気調和機において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて形成され
    た凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、直径が最大となる前記負圧面と前
    記圧力面に接する円の中心点と、の垂直距離が最大にな
    る点の位置を、規定された送風効率を満たす範囲内で調
    整することを特徴とする空気調和機。
  13. 【請求項13】 複数の翼とそれらを支持するリングで
    構成される複数の羽根車単体を回転軸方向に連結した羽
    根車を備え、その羽根車の回転により、吸い込みグリル
    側からフィルタ処理後の空気を吸い込み、その後、吹出
    口にその空気を吹き出す空気調和機において、 前記羽根車の翼は、 複数の円弧を含む負圧面および圧力面を用いて形成され
    た凹型の形状であり、 内周側先端部および外周側先端部の回転方向側に接する
    線分である翼弦線と、前記羽根車の回転軸の中心と翼の
    内周側の先端とを通る線分と、のなす角を、「20°≦
    前記なす角≦50°」の範囲内で調整することを特徴と
    する空気調和機。
  14. 【請求項14】 前記複数の羽根車単体を、翼の取り付
    け位置がすべて異なる位置になるように、回転方向に所
    定角度分だけずらして連結することを特徴とする請求項
    9〜13のいずれか一つに記載の空気調和機。
  15. 【請求項15】 前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチと
    することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに
    記載の空気調和機。
  16. 【請求項16】 前記羽根車の翼の間隔を不等ピッチと
    し、 さらに、前記複数の羽根車単体を、翼の取り付け位置が
    すべて異なる位置になるように、回転方向に所定角度分
    だけずらして連結することを特徴とする請求項9〜13
    のいずれか一つに記載の空気調和機。
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