JP2001262729A - 建物の外壁構造およびその施工法 - Google Patents

建物の外壁構造およびその施工法

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JP2001262729A
JP2001262729A JP2000393437A JP2000393437A JP2001262729A JP 2001262729 A JP2001262729 A JP 2001262729A JP 2000393437 A JP2000393437 A JP 2000393437A JP 2000393437 A JP2000393437 A JP 2000393437A JP 2001262729 A JP2001262729 A JP 2001262729A
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heat insulating
ridge
insulating material
building
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JP2000393437A
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Akio Takatsu
昭生 高津
Katsuhiko Baba
克彦 馬場
Kenichi Hasegawa
健一 長谷川
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HASEGAWA SEISAKUSHO KK
Hasegawa Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
HASEGAWA SEISAKUSHO KK
Hasegawa Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 改修工事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄
物の発生がなく、劣化部を簡易かつ迅速に修復でき、工
事の合理化と工期の短縮化並びに工費の低減を図れると
ともに、既設外壁等の施工状態や経年的な変状に関係な
く新外壁を正確かつ体裁良く施工でき、高い断熱性と防
水性、遮音性および難燃性、並びに快適かつ安全な居住
性を得られるとともに、断熱材の施工精度を容易に監理
できるようにした建物の外壁構造およびその施工法を提
供する。 【解決手段】 既設若しくは新築の建物の外壁構造であ
ること。前記外壁1表面の所定位置に複数の押縁3を固
定する。前記押縁3で区画した外壁1の表面に断熱材1
0を密着かつ接着して被覆する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば建物の既設外
壁の改修に好適で、煩雑な改修工事を廃し、改修工事に
伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄物の発生がなく、また
既設外壁の劣化部を簡易かつ迅速に修復でき、この種の
改修および修復工事の合理化と工期の短縮化並びに工費
の低減を図れるとともに、既設外壁等の施工状態や経年
的な変状に関係なく新外壁を正確かつ体裁良く施工で
き、また断熱材を一様な厚さに調整し、高い断熱性と防
水性、遮音性および難燃性、並びに快適かつ安全な居住
性を得られ、しかも既設外壁等の表面に断熱材を密着か
つ接着して被覆し、それらの間における空気や水の侵入
を阻止して、コンクリート・モルタルの中正化や鉄筋の
錆を防止し、また金属製および木製等の既設外壁の劣化
を防止し、かつその強度を強化して、コンクリート・モ
ルタル、タイル等の爆裂や剥落を阻止し、その安全性を
確保するとともに、断熱材の施工精度を容易に監理でき
るようにした建物の外壁構造およびその施工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄筋コンクリート建築物の外壁
は、経年的な使用に伴って亀裂が発生し、この亀裂から
水が浸透して鉄筋を錆させ、また錆た鉄筋は体積膨張に
よってコンクリートを破壊し、この爆裂によって通行人
に危害を与える惧れがある。また、コンクリートに被覆
したモルタルや、モルタルを介在したタイルは、モルタ
ルの接着力不足や寒暖による各部材間の伸縮、振動等に
よって、浮き上がりまたは剥離して剥落する惧れがあ
る。
【0003】更に、コンクリートは空気中の亜硫酸ガス
や炭酸ガスによって酸性化し、このいわゆるコンクリー
トの中性化によって、鉄筋が錆び易くなる。また、コン
クリートやモルタルの塗装部は、退色や変色によって元
の美観が失われるため、これら外壁部の改修ないし補修
が不可欠になる。
【0004】従来、このような外壁の改修は、例えばコ
ンクリートの亀裂部をカッターで略V字状に切除し、当
該部にコンクリートまたはモルタルを填充して修復し、
またモルタルやタイルの浮き上がりについては、浮き上
がり部に孔を明け、該孔を介しモルタルまたはタイル
と、コンクリートとの間にエポキシ系樹脂を注入して修
復し、この後外壁面を高圧水で洗浄し、外装材を取り付
けていた。
【0005】しかし、この従来の改修法は、コンクリー
トまたはモルタルのはつりや切断、それらとタイルの孔
明けや接着剤の注入作業を要し、作業が煩雑で手間が掛
かるとともに、前記接着剤の注入の適否を確認すること
ができず、しかも騒音や振動、塵埃および産業廃棄物が
発生する等の問題があった。
【0006】そこで、このような問題を解決するものと
して、特許第2673874号公報では、外壁にタイル
を設けた建物において、外壁に打ち込んだアンカー部材
を介して古いタイルを固定し、前記アンカー部材の頭部
にタイル係止部材の基端部を取り付け、該係止部材の先
端部に新しいタイルを係止させる、タイルの取付工法が
示されている。
【0007】しかし、前記工法は古いタイルの外壁に新
しいタイルの外壁を施工するもので、内外の外壁部材は
タイルに限られ、内側の古いタイルは基本的に現状のま
ま施工し、古いタイルに対し格別な補強手段を講じてい
ないため、施工後に古いタイルが剥離する問題がある。
また、内外のタイルの間に空隙が介在し、空気や水の侵
入を避けられないため、アンカー部材やタイル係止部
材、鉄筋等が錆る惧れがあり、しかもコンクリートやモ
ルタルが中正化して鉄筋が錆易く、前記タイルの剥離を
助長する等の問題があった。
【0008】また、特開平9−177194号公報で
は、発泡体を内面に被覆した金属板製の外装パネルを製
作し、該パネルを建物の外壁を改修する際、外壁の下方
から複数順次掛け止めて被覆する、外装パネルの組み立
て工法が示されている。しかし、この従来の工法は、建
物の外壁に単に外装パネルを被覆し、外壁に格別な補強
手段を講じておらず、しかも外壁と外装パネルとの間に
空隙が形成され、該空隙から空気や水が侵入するため、
金属製の外壁が錆たり、コンクリート製の外壁が中正化
して鉄筋が錆付き、外壁の劣化を阻止できない等の問題
があった
【0009】更に、特開平9−158350号公報で
は、合板製のパネル主体の一側面にウレタンフォーム等
の断熱材を接着し、その他側面に複数の胴縁材を離間し
て取り付け、該パネルを新築時の建物の外壁に使用する
際、断熱材を内側にしてパネル主体を横梁材に固定し、
外側の胴縁材にサイディング材を取り付け、該サイディ
ング材とパネル主体との間に上下方向に貫通する通気用
隙間を形成している。
【0010】しかし、この従来の工法は、前記通気用隙
間からの空気や水の侵入を避けられないため、胴縁材が
劣化し易く、またパネル主体やサイディング材が中正化
して、それらの劣化が進行する等の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、例えば建物の既設外壁の改修に好適で、煩
雑な改修工事を廃し、改修工事に伴う騒音や振動、塵
埃、産業廃棄物の発生がなく、また既設外壁の劣化部を
簡易かつ迅速に修復でき、この種の改修および修復工事
の合理化と工期の短縮化並びに工費の低減を図れるとと
もに、既設外壁等の施工状態や経年的な変状に関係なく
新外壁を正確かつ体裁良く施工でき、また断熱材を一様
な厚さに調整し、高い断熱性と防水性、遮音性および難
燃性、並びに快適かつ安全な居住性を得られ、しかも既
設外壁等の表面に断熱材を密着かつ接着して被覆し、そ
れらの間における空気や水の侵入を阻止して、コンクリ
ート・モルタルの中正化や鉄筋の錆を防止し、また金属
製および木製等の既設外壁の劣化を防止し、かつその強
度を強化して、コンクリート・モルタル、タイル等の爆
裂や剥落を阻止し、その安全性を確保するとともに、断
熱材の施工精度を容易に監理できるようにした建物の外
壁構造およびその施工法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、既設若しくは新築の建物の外壁構造において、前
記外壁表面の所定位置に複数の押縁を固定し、該押縁で
区画した外壁表面に断熱材を密着かつ接着して被覆し、
外壁と断熱材との間の空気や水の侵入を阻止し、外壁の
コンクリート・モルタルの中正化を阻止し、内部の鉄筋
の錆や腐食を防止するとともに、金属製若しくは木製等
の外壁の錆や劣化を阻止するようにしている。また、外
壁の所定位置に押縁を固定し、かつ前記外壁表面に断熱
材を密着かつ接着して被覆することで、外壁の強度を強
化し、外壁のコンクリートやモルタルの爆裂、それらと
タイルやレンガ等の剥離や剥落を阻止し、その安全性を
確保するとともに、断熱性、気密性、防水性、遮音性を
向上し、快適な居住性を得られる。しかも、前記押縁を
介して、新外壁の取り付けや、乾式タイル施工法におけ
るタイル係止板の取り付けが可能になる。
【0013】請求項2の発明は、既設若しくは新築の建
物の外壁構造において、前記外壁または外装部材の外側
の所定位置に複数の不陸調整片を配置し、該不陸調整片
の所定部を垂直面と平行な同一面位置に調整し、該不陸
調整片を基に前記外壁または外装部材の表面に断熱材を
密着かつ接着して被覆することで、外壁または外装部材
の施工状態またはその後の経年的な変状に関係なく、新
外壁を正確かつ体裁良く施工でき、またその構造上の安
全性を確保できるとともに、外壁または外装部材の表面
状態や被覆スペースの制約を受けることなく、自由で円
滑かつ合理的に断熱材を被覆でき、作業能率を向上でき
る。また、不陸調整片を基に断熱材を被覆することで、
断熱材を垂直面と略平行で略一様な厚さに被覆できると
ともに、押縁で区画した外壁表面に断熱材を被覆する場
合に比べて緻密に被覆でき、断熱効果を向上する。請求
項3の発明は、前記外壁または外装部材の表面に発泡性
断熱材を吹付けて被覆し、高い断熱性と難燃性を得られ
るとともに、断熱材の施工精度を容易に監理できるよう
にしている。請求項4の発明は、前記外壁または外装部
材の表面の欠損部、劣化部等に前記発泡性断熱材を密着
して充填若しくは閉塞し、それらを修復可能にすること
で、前記修復を簡易かつ迅速に行なえ、従来のような既
設外壁等の欠損部や劣化部の撤去、改修を要せず、した
がって改修工事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄物の
発生がなく、この種工事の合理化と工期の短縮化並びに
工費の低減を図れる。
【0014】請求項5の発明は、断熱材の外側を新外壁
で被覆し、前記既設外壁または外装部材を改修可能にし
て、前記断熱材を保護するとともに、外壁または外装材
の強度と外観の向上を図るようにしている。請求項6の
発明は、前記断熱材の凹凸状表面と新外壁との間、また
は前記断熱材の凹凸状表面と新外壁を取り付け可能な係
止部材との間に、通気性を有する空隙を設け、断熱材と
空気との接触を旺盛かつ木目細かに行なわせ、夏季の陽
射しによる新外壁の熱気を遮蔽し、かつこれを外部へ排
出して室内への侵入を排除し、また冬季には断熱材等の
吸収した湿気の排出を促し、しかも前記空隙による防音
効果によって、快適な居住性を得られるようにしてい
る。請求項7の発明は、押縁と前記外壁との間に柔軟な
仮止片を配置し、外壁の表面状況に応じて押縁を容易に
取り付けられ、その作業性を向上するようにしている。
請求項8の発明は、外壁または外装部材に複数の植込ボ
ルトを突設し、該植込ボルトに前記不陸調整片を螺合
し、該不陸調整片を前記外壁または外装部材の内外方向
へ位置調整可能にして、不陸調整片を基に断熱材を垂直
面と略平行に略一定厚で被覆させるとともに、押縁を垂
直面と平行平面上に正確に取り付け、新外壁を正確かつ
体裁良く施工できるようにしている。請求項9の発明
は、前記複数の不陸調整片に押縁を取り付け、該押縁を
垂直面と平行な同一面に取り付け可能にし、新外壁を正
確かつ体裁良く施工できるようにしている。請求項10
の発明は、前記押縁に係止部材を係合し、該係止部材に
新外壁を取り付け可能にし、新外壁を容易かつ正確に体
裁良く施工できるようにしている。
【0015】請求項11の発明は、押縁と係止部材とを
一体に構成し、それらの取り扱いを容易にし、施工現場
での取り扱いを簡便にして作業能率の向上を図るように
している。請求項12の発明は、複数の押縁を平行に配
置し、該押縁に複数の係止部材を掛け渡して連結し、押
縁と係止部材とをユニット化し、施工現場での取り扱い
を簡便にし作業能率の向上を図るとともに、係止部材の
支持強度を向上するようにしている。請求項13の発明
は、係止部材の長さ方向に左右一対の係止片を複数配置
し、該係止部材の長さ方向に前記押縁を固定し、押縁と
係止部材とのユニットを小形軽量化し、施工現場での取
り扱いを簡便にして作業能率の向上を図るとともに、係
止部材の支持強度を向上するようにしている。
【0016】請求項14の発明は、押縁を略コ字形断面
に形成し、該押縁の長さ方向にガイド溝を設け、該ガイ
ド溝に前記不陸調整片の外端部を係合可能に挿入し、か
つ前記不陸調整片の外端部を押縁の内面に係合可能に配
置し、押縁を強固に取り付け、かつその支持強度を強化
して、押縁の変動や位置ずれを阻止し、新外壁を正確で
安全かつ体裁良く施工できるようにしている。請求項1
5の発明は、既設若しくは新築の建物の外壁の施工法に
おいて、前記外壁表面の所定位置に複数の押縁を固定
し、該押縁で区画した外壁表面に発泡性断熱材を吹き付
けて被覆し、外壁と断熱材との間、および押縁間の空気
や水の侵入を阻止して、外壁のコンクリート・モルタル
の中正化を阻止し、内部の鉄筋の錆や腐食を防止すると
ともに、金属製若しくは木製等の外壁の錆や劣化を阻止
するようにしている。また、前記外壁の強度を強化し、
外壁のコンクリートやモルタルの爆裂、それらとタイル
やレンガ等の剥離や剥落を阻止し、その安全性を確保す
るとともに、断熱性、気密性、防水性、遮音性を向上
し、快適な居住性を得るようにしているしかも、前記押
縁を介して、前記板材の取り付けや、乾式タイル施工法
におけるタイル係止板の取り付けを可能にしている。
【0017】請求項16の発明は、既設若しくは新築の
建物の外壁の施工法において、前記外壁または外装部材
の外側の所定位置に複数の不陸調整片を配置し、該不陸
調整片の所定部を垂直面と平行な同一面に調整し、該不
陸調整片を基に前記外壁または外装部材の表面に発泡性
断熱材を吹き付けて被覆し、外壁または外装部材の施工
状態またはその後の経年的な変状に関係なく、新外壁を
正確かつ体裁良く施工でき、またその構造上の安全性を
確保できるようにしている。また、外壁または外装部材
の表面状態や被覆スペースの制約を受けることなく、自
由で円滑かつ合理的に断熱材を被覆でき、作業能率を向
上できるとともに、断熱材を垂直面と略平行で略一様な
厚さに被覆でき、しかも押縁で区画した外壁表面に断熱
材を被覆する場合に比べて緻密に被覆でき、断熱効果が
向上する。請求項17の発明は、外壁の欠損部、劣化部
等を補修および撤去することなく、前記押縁を固定し、
前記発泡性断熱材を吹き付けるようにして、外壁の修復
を簡易かつ迅速に行なえ、従来のような既設外壁等の欠
損部や劣化部の撤去、改修を要せず、したがって改修工
事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄物の発生がなく、
速やかに断熱材の被覆作業に移行し、この種工事の合理
化と工期の短縮化並びに工費の低減を図るようにしてい
る。
【0018】請求項18の発明は、前記外壁または外装
部材の欠損部、劣化部等を補修および撤去することな
く、前記不陸調整片を設置し、該不陸調整片の位置調整
後、前記発泡性断熱材を吹き付けるようにして、外壁ま
たは外装材の修復を簡易かつ迅速に行なえ、従来のよう
な既設外壁等の欠損部や劣化部の撤去、改修を要せず、
したがって改修工事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄
物の発生がなく、不陸調整片の設置作業とその位置調整
後作業、更には断熱材の被覆作業に速やかに移行し、こ
の種工事の合理化と工期の短縮化並びに工費の低減を図
るようにしている請求項19の発明は、外壁または外装
部材の表面の欠損部、劣化部等に前記発泡性断熱材を密
着して充填若しくは閉塞し、それらを修復して、外壁ま
たは外装部材の修復と断熱材の被覆作業を一時に行な
い、この種工事の合理化と工期の短縮化並びに工費の低
減を図るようにしている。請求項20の発明は、断熱材
の被覆後、前記押縁に新外壁を取り付け、または新外壁
を取り付け可能な係止部材を押縁に取り付け、前記断熱
材を保護するとともに、外壁または外装材の強度と外観
の向上を図るようにしている。請求項21の発明は、前
記断熱材の被覆後、前記不陸調整片に新外壁を取り付け
可能な押縁を取り付け、前記断熱材の被覆作業の容易化
と合理化を図るとともに、不陸調整片を介しての押縁の
取り付けを実現させている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を既設建物の鉄筋コ
ンクリート・モルタル建築物の外壁を改修する場合に適
用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図
3において1は鉄筋コンクリート製の要改修対象である
既設の外壁で、その表面はコンクリート若しくはモルタ
ル地で構成され、またはコンクリート若しくはモルタル
地の表面にタイルやレンガが取り付けられ、その表面に
複数の仮止片2が上下方向に間隔を置いて配置されてい
る。
【0020】前記仮止片2は柔軟性と断熱性を備えた帯
状シートで構成され、実施形態の場合、両面に粘着層を
備えた縦長の合成樹脂製若しくはブチルゴム製のシート
を使用し、その一側の粘着層を前記外壁1の表面に接着
し、他側の粘着層に押縁3を接着している。前記押縁3
はセメント板と略同程度の強度を有する材質、実施形態
では防腐処理済木材を略横長矩形断面の長尺の杆体に成
形し、その横幅は前記仮止片2と略同幅に形成してい
て、これを所要長さに切断して使用している。
【0021】前記押縁3は仮止片2に沿って上下方向に
取り付けられ、これは図3のように内部に複数の貫通孔
4,5が離間して設けられ、また仮止片2と反対側周
面、つまり新外壁9と相対する周面に複数の凹溝6,7
が形成されていて、これをアンカーボルト若しくは釘ま
たはビス等の固定具8を介して、外壁1に固定している
図中、3aは押縁3の片側の隅角部を斜切したテーパ部
である。
【0022】前記新外壁9は、ケイ酸カルシウム若しく
はスラグ石膏若しくはセメント板等からなるサイディン
グ材と称される板材、若しくは金属板、合板または木製
板、合成樹脂板等で構成され、これをボルト、釘、ビ
ス、金具等(図示略)の適宜手段を介して、押縁3に直
接または間接的に取り付けている。
【0023】前記外壁1の表面と押縁3,3の間に発泡
性の断熱材10を吹き付けて密着かつ充填し、その凹凸
状の充填表面10aは外壁9の内面と近接若しくは離間
していて、該充填表面10aと外壁9の間に異形の空隙
11が不規則に形成されている。
【0024】前記断熱材10として実施形態では、高断
熱性で吸水および吸湿性が低く、殆どが独立気泡よりな
る発泡性ウレタン、具体的には発泡ポリウレタンが使用
され、これは気泡が一つ一つ独立し、かつその独立気泡
は全気泡の90%以上を占め、この気泡の中に熱伝導率
が空気の約1/3の代替フロンが含まれている。前記独
立気泡は、表面は緻密なスキン層を形成して、吸水およ
び吸湿性が低く、断熱性能の低下や内部結露の発生を防
止するようにしている。
【0025】なお、前述の実施形態では外壁1の表面が
コンクリート若しくはモルタル地、またはそれらの表面
にタイルやレンガを取り付けたものに本発明を適用して
いるが、これに限らず例えば木造建築等で採用される、
ケイ酸カルシウム若しくはスラグ石膏若しくはセメント
板等からなるサイディング材と称される板材、金属板、
合板または木製板、合成樹脂板等で構成した外壁1に本
発明を適用することも可能である。
【0026】また、前記発泡性断熱材として発泡性ウレ
タンを用いているが、これに限らず空気または空気中の
水分と反応し独立気泡を内包して容積を増やし、断熱性
能、接着力、防水性能、遮音性能、気密性能が優れた、
例えば吹付けウレタン樹脂、フェノール樹脂等の吹付け
発泡材を用いることも可能であり、更にはビーズ発泡若
しくは押し出し発泡のポリスチレンを用いることも可能
である。
【0027】このように構成した本発明において、既設
の外壁1を改修する場合は、外壁1の表面に高圧水を吹
き付けて水洗洗浄し、外壁1表面に付着したゴミや塵
埃、異物を除去し、当該表面を清浄かつ活性化する。
【0028】その際、外壁1のコンクリートやモルタル
表面の亀裂や欠損部、浮き上がり、タイルやレンガの脱
落、ヒビ、欠け、欠損部、浮き上がり等は事前に撤去、
補修することなく、水洗洗浄する。また、水洗洗浄によ
って外壁1のコンクリートやモルタル、タイルやレンガ
等が脱落し、ヒビ割れ、欠けたりしても、それらの補修
は行なわない。
【0029】ただし、外壁1の状況によっては、エポキ
シ樹脂等の接着剤を前記亀裂に充填することもある。し
たがって、従来の改修工事のように障害部をはつり、切
断し、剥がし、それらを修復する等の面倒がなく、また
その際の騒音や振動、塵埃の発生がなく、しかも障害部
の切断、撤去等による産業廃棄物の発生と廃棄の問題が
ない。
【0030】次に仮止片2を所定長さに裁断し、これを
洗浄後の外壁1の表面に所定間隔で上下方向に貼り付
け、また押縁3を所定長さに裁断し、そのテーパ部3a
側端面を前記仮止片2に沿って貼り付け、押縁3を仮止
めする。
【0031】この後、押縁3側から例えば電気ドリルを
駆使して、爆裂や剥離、剥落のない構造的に信頼性の高
い外壁1の位置を選択し、該外壁1部と押縁3の同位置
に孔を明け、該孔にアンカーボルト8をねじ込み、その
ボルト頭部を押縁3内に収容して、押縁3を外壁1に強
固に固定する。このようにすることで、押縁3を介し既
設外壁1が補強され、その爆裂や剥離、剥落が阻止され
る。
【0032】この場合、押縁3による既設外壁1の補強
が不十分のときは、既設外壁1の要補強箇所または全体
に炭素繊維若しくはガラス繊維等の補強繊維を貼って強
度を増強することも可能である。なお、仮止片2は柔軟
であるから、外壁1表面の凹凸や変形に馴染み易く、ま
たテーパ部3a,3aによって押縁3の姿勢を容易に調
整できるから、押縁3の取り付けを容易に行なえる。
【0033】こうして、複数の押縁3を外壁1に固定
し、その凹溝6,7側端面をマスキングシート(図示
略)等で被覆した後、外壁1の表面と押縁3の側面に断
熱材10を密着し充填する。実施形態の断熱材10は、
殆どが独立気泡からなる発泡性ウレタンをスプレー缶ま
たはボンベに加圧充填し、移動量や施工面積等の施工条
件によって、スプレー缶またはボンベの何れかを選択す
る。
【0034】例えば、施工面積が小さく移動量が多い場
合は、スプレー缶型のものを使用し、そのスプレーノズ
ルを外壁1表面に向けて発泡性ウレタンを吹き付ける。
また、施工面積が大きく移動量が少ない場合は、ボンベ
型のものを使用し、これに導管とスプレーガンを取り付
け、スプレーガンを外壁1表面に向けて、発泡性ウレタ
ンを吹き付ける。
【0035】このように前記発泡性ウレタンの吹き付け
は、格別の動力や設備を要せず、スプレー缶またはボン
ベも持ち運び可能であるから、施工現場での使用に適す
る。また、発泡性ウレタンの吐出圧は、4〜6kg/c
2 と比較的低いから、吐出の際に前記ウレタンが飛散
し周囲を汚損させる心配がない。
【0036】こうして、発泡性ウレタンを吹き付ける
と、それらが外壁1表面や押縁3の側面に密着して膨張
し、かつその独立気泡が成長して、周辺スペースを充填
する。すなわち、前記発泡性ウレタンは、外壁1表面や
押縁3の側面に密着して膨張し、更に外壁1表面の欠落
部や損壊部、割れ若しくは亀裂部に進入かつ密着して膨
張し、それらを充填し被覆して修復する作用をなす。
【0037】そして、発泡性ウレタンを押縁3の側面高
さの略1/2、つまり外壁1と新外壁9の間隔の略1/
2充填したところで、前記吹き付けを停止し一定時間放
置して、発泡性ウレタンの膨張と独立気泡の成長を促
す。この後、充填面10aが押縁3の側面高さ程度に膨
張して硬化する。
【0038】発泡性ウレタンの硬化後、その厚さや密着
・充填状態をチェックする場合、充填面10aが開放さ
れているから、目視や適当な検査棒を断熱材10である
発泡性ウレタンに突き刺すことによって、容易かつ正確
に行なえる。したがって、浮きモルタル内部へ注入した
エポキシ樹脂の施工精度の監理が困難な従来の問題を解
決し、施工精度の監理を容易かつ確実に行なえる。
【0039】この後、ボルト、釘、ビス、金具等(図示
略)の適宜手段を介して、新外壁9を押縁3の端面に取
り付け、該外壁9の表面に必要に応じて塗装すれば、一
連の作業が終了する。その際、新外壁9である板材の代
わりに、別の堅牢な断熱材若しくはコンクリート・モル
タルを充填面10aに被覆し、断熱材10を保護すると
ともに、当該表面の外観を向上することも可能である。
【0040】こうして施工した外壁1の改修構造は図
1,2のようで、外壁1の表面に所定厚の断熱材10が
密着かつ接着して被覆している。したがって、気密性や
遮音性が向上し、また建物の快適性を向上するととも
に、外壁1の表面が押縁3で補強され、更に断熱材10
の密着力で保持されて、その曲げ強度や圧縮強度が強化
され、コンクリートやモルタルの剥離、剥落、爆裂、脱
落等を防止し、またタイルやレンガ等の剥落を阻止す
る。
【0041】更に、外壁1の表面と空気や水との接触を
遮断し、コンクリートの中性化を阻止し鉄筋の錆の発生
を防止する。この場合、断熱材10の独立気泡の表面が
緻密なスキン層を形成し、吸水性および吸湿性が低く、
換言すれば防水性が高く、また充填面10aが凹凸状を
していて接触面積が広いから、前述の効果が増進する
【0042】また、外壁1表面を鉄板等の金属で被覆し
た場合は、その錆の発生を防止し、サイディング材と称
される板材の場合は、例えばコンクリートの中性化を阻
止し、合板または木製板の場合はその劣化を防止する。
すなわち、断熱材10は外壁1の以後の劣化を内外に亘
って阻止する。
【0043】更に、断熱材10と新外壁9との間に空隙
11が形成されているから、通気性を有し、当該部の結
露を防止する。この場合、断熱材10は前述のように吸
水性および吸湿性が低いから、前述の効果に有効に作用
する。
【0044】また、前述のように外壁1の表面に、断熱
材10として殆どが独立気泡からなる発泡性ウレタンを
密着かつ被覆し、その独立気泡の中に熱伝導率が空気の
約1/3の代替フロンが含まれ、該断熱材10の高い断
熱効果を奏するとともに、該断熱材10と新外壁9との
間に空隙11が介在している。
【0045】したがって、既設外壁の外側に、空隙と、
発泡体を金属板で被覆した外装パネルとを配置した従来
の改修構造に比べて、極めて高い断熱効果を得られ、夏
季や冬季における外気の熱を遮断し、快適な生活環境を
整えられる。
【0046】しかも、外壁9の熱は押縁3の凹溝6,7
や貫通孔4,5によって断熱かつ熱伝達路を絶たれ、更
に仮止片2によって押縁3から外壁1への熱伝達路を絶
たれ、前記断熱効果を一層増進する。また、断熱材10
である発泡性ウレタンは、自己消火性を有し難燃性材料
でもあるから、防火壁を形成し消防上優れた効果を奏す
る。
【0047】図4乃至図20は本発明の他の実施形態を
示し、前述の実施形態の構成と対応する部分には同一の
符号を用いている。このうち、図4乃至図7は第2の実
施形態を示し、この実施形態は新外壁9として前述の板
材の代わりに、タイル若しくはレンガ、実施形態ではタ
イルを取り付けている。
【0048】すなわち、前記工法において押縁3を固定
し、断熱材10として前述の発泡性ウレタンを吹き付
け、該ウレタンの硬化後、押縁3,3間に係止部材12
をビス若しくはボルトまたは釘の固定具13と接着剤
(図示略)を介して、所定間隔に取り付ける。前記係止
部材12は、ステンレス鋼板を略U字形断面に折曲し、
その係止縁12a,12aにタイル14裏面の係止溝1
5を係合し、該溝15の上下側内面を掛け止める。
【0049】そして、タイル14の裏面側端面と断熱材
10との間に接着剤若しくは張付モルタル16を介在
し、更に隣接するタイル14,14間にモルタル等の目
地材17を目地詰めする。
【0050】こうして取り付けたタイル14は、係止部
材12によって仮止めされ、接着剤若しくは張付モルタ
ル16と目地材17によって固定される。この場合、充
填面10aは凹凸状であるから、接着剤若しくは張付モ
ルタル16および目地材17の接着面積が広くなり、そ
の定着力が増強する。また、タイル14裏面の係止溝1
5は、周囲を接着剤若しくは張付モルタル16と目地材
17とで閉塞して内部に空気を封入しているから、通気
構造のものに比べて高い断熱効果を得られる。
【0051】なお、前述の実施形態は本発明を既設外壁
の改修に適用したが、新築の建物の外壁の築造に適用す
ることも可能であり、そのようにすることで新築の外壁
に対し前述した種々の効果を得られる。
【0052】図8乃至図15は第3の実施形態を示し、
この実施形態は既設外壁1の表面に既設モルタル18を
介して、外装部材である既設タイル19を貼り付けた要
改修壁の改修法を示している。図中、20は前記タイル
19を接続する目地部である外装部材は、前記タイルの
他にレンガや堅牢な板材、壁板を含ませることができ
る。
【0053】前記改修に際しては、先ず既設タイル19
の表面に高圧水を吹き付けて水洗洗浄し、タイル19の
表面に付着したゴミや塵埃、異物を除去し、当該表面を
清浄かつ活性化する。その際、タイル19の亀裂や欠
損、浮き上がり、脱落等は事前に撤去、補修することな
く水洗洗浄し、また水洗洗浄によって目地部20のモル
タルやタイル19が脱落し、ヒビ割れ、欠けたりして
も、それらの補修は行なわない。したがって、従来の改
修工事のように障害部をはつり、切断し、剥がし、それ
らを修復する等の面倒がなく、またその際の騒音や振
動、塵埃の発生がなく、しかも障害部の切断、撤去等に
よる産業廃棄物の発生と廃棄の問題がない。
【0054】前記水洗洗浄後、外壁1と既設モルタル1
8、既設タイル19の所定位置に複数のボルト挿通孔2
1を電気ドリル等で形成し、該孔21に後述の雌ネジ部
を手前側に向けて金属製のロックアンカー22を挿入す
る。この状況は図11のようである。
【0055】前記ロックアンカー22は内部にストライ
クピン23を移動可能に備え、該アンカー22の片側半
部周面にローレット状のフリクション部を形成し、その
周面を複数のスリット24を介して軸方向に区画し、そ
の他側端内部に雌ネジ(図示略)を形成している。
【0056】前記ロックアンカー22をボルト挿通孔2
1の奥部に挿入後、棒状の適宜な工具(図示略)をボルト
挿通孔21に挿入し、その先端部をロックアンカー22
に差し込み、該工具の外端部を殴打する。このようにす
ると、前記ストライクピン23が先端側へ移動し、その
楔作用によってスリット24で区画したロックアンカー
22の周面が外側へ押し広がり、その拡開部が既設外壁
1に食い込んでロックアンカー22が固定される。
【0057】この後、所定長さの棒状の植込ボルト25
を各ボルト挿通孔21に挿入し、その先端部をロックア
ンカー22の雌ネジ部にねじ込み、その外端部を既設タ
イル19の表面から所定長さ突出させ、該突出部に不陸
調整片である六角柱状のナット26を適宜量ねじ込む。
この状況は図12のようである。したがって、前記ボル
ト25の長さは、既設外壁1と既設モルタル18および
既設タイル19に亘る埋め込み長さに、ナット26のネ
ジ込み代を相加した長さに形成されている。この場合、
前記ナット26は、通孔の全域に同一のネジ部を形成
し、構成の簡潔化と使用ボルトに対するネジ部の共用化
を図っているが、使用ボルトの締結強度に応じて異種の
ネジ部に形成することも可能である。
【0058】また、このようなナット26の仮止め作業
と前後して、既設タイル19の上方に所定の施工区域に
亘って、下ゲ振り取付部材27を水平に架設し、該部材
27における既設タイル19の前方所定位置、つまり断
熱材18の所定施工厚位置表面近辺に、不陸調整基準部
材である下ゲ振り28の上端部を取り付ける。実施形態
では、前記下ゲ振り28の取り付け位置を、前記ナット
26の外端面位置に設定している。図中、29は下ゲ振
り28の下端部に取り付けた錘である。
【0059】そして、前記下ゲ振り28の位置を基に各
ナット26のねじ込み量を加減し、その外端面位置を前
記下ゲ振り28位置に調整する。したがって、ナット2
6の内端面位置と既設タイル19表面との間隔が、不陸
調整代となる。この状況は図13のようである。以後、
下ゲ振り28の取り付け位置を既設タイル19の表面に
沿って左右方向へ移動し、対応する各ナット26の外端
面位置を前述同様に調整する。こうして、所定の施工区
域における全てのナット26の外端面位置を同一垂直面
上に調整し、既設の外壁1、モルタル18、タイル19
の凹凸状況に関係なく不陸調整を実行する。この場合、
ボルト25若しくはナット26またはこの双方のネジ部
に回動防止剤として、合成樹脂等適宜部材を塗布し、前
記不陸調整後のナット26の回動を防止することが望ま
しい。
【0060】前記不陸調整後、ナット26の開口部にマ
スキングテープ30を貼り付けてシールし、発泡性の断
熱材10を吹き付ける。この場合、ナット26の外端面
位置を目安に断熱材10を吹き付けることで、既設の外
壁1、モルタル18、タイル19の凹凸状況に影響され
ず、垂直面と略平行で略一定厚の断熱材10層を得ら
れ、その吹付けムラを防止する。また、断熱材10の発
泡後の吹き付け厚は、その後の座金や押縁3の取り付け
に支障を生じない、ナット26の外端面以下とすること
が望ましい。このように、この実施形態では押縁3の取
り付け前に断熱材10を吹き付けているから、押縁3を
取り付け後、押縁3,3間に断熱材10を吹き付ける前
述の実施形態に比べて、吹き付け箇所や吹付け面積を制
約されることなく、自由で合理的かつ迅速に行なえ作業
性が向上する。しかも、ナット26は散点状に配置さ
れ、それらの占有面積は前記押縁3のそれに比べて非常
に小さいから、断熱材10をより緻密に吹付けられ、そ
の分断熱効果が向上する。
【0061】こうして断熱材10が発泡し硬化したとこ
ろで、前記ナット26の外端面上に座金31およびボル
ト(ビスを含む)32を介して、押縁3を取り付ける。
前記押縁3はステンレス鋼板を略コ字形断面にプレス成
形し、その両側縁の間に前記ナット26の対辺部を係入
可能なガイド溝33を形成し、その複数を平行に配置
し、それらに複数の係止部材12を間隔を置いて直交配
置し、その直交部をスポット溶接等で一体に固定してい
る。図9において、34は押縁3と係止部材12との直
交位置で、かつ前記ボルト32との対応位置に形成した
通孔で、プレス成形時または現場施工時に穿孔し、該通
孔34にボルト32の螺軸を挿入可能にしている。した
がって、この実施形態は押縁3と係止部材12との直交
部に通孔を形成し、当該部をボルト等の固定具でいちい
ち連結する前述の実施形態のような面倒がなく、また押
縁3と係止部材12とを一体に構成し、図示のように略
矩形形状にユニット化している。
【0062】前記押縁3の取り付けは、前記ナット26
の外端面に座金31を配置し、該座金31上に係止部材
12と一体の押縁3を配置し、その通孔34にボルト2
6の螺軸を挿入し、かつこれをナット26のネジ部にネ
ジ込んで緊締する。この場合、座金31を省略しても良
く、また押縁3と係止部材12とを一体に構成している
から、それらの固定に多数の固定具13を要することが
なく、その分部品点数が低減し、固定具13の煩雑なね
じ込み作業を軽減し、これを簡便に組み付けられる。し
かも、押縁3と係止部材12とが前述のようにユニット
化されているから、これらが別々なものに比べ、現場で
の取り扱いや取り付けを円滑かつ容易に行なえる。
【0063】そして、押縁3と係止部材12の取り付け
後、係止部材12の係止縁12a,12aにタイル14
の裏面の係止溝15を掛け止め、その隣接部を目地詰め
して取り付ける。このようにこの実施形態は、既設の外
壁1、モルタル18、タイル19の改修に際し、不陸調
整してそれらの凹凸による影響を排除したから、前記タ
イル19の表面に施工する断熱材10および押縁3、新
外壁であるタイル14等のそれぞれを同一垂直面に施工
でき、それらの施工上および構造上の安全性と体裁の向
上を得られる。
【0064】このようにして改修した外壁構造は図8,
10のようで、断熱材10と係止部材12との間に押縁
3と座金31の厚さ分の空隙11が形成され、また隣接
する押縁3,3の間に前記空隙11が形成されているか
ら、前述の実施形態に比べて空気の流通ないし対流が旺
盛になる。したがって、夏季には陽射しによって加熱さ
れたタイル14からの熱気を遮断し、かつこれを外部へ
排出して室内への侵入を排除し、冬季には断熱材10に
蓄積された湿気の排出を促して結露を防止し、更には前
記空気層による遮音効果も得られるから、室内の快適性
が向上する。しかも、前述のように断熱材10を所定厚
を維持して緻密に施工できるから、断熱材10による断
熱効果が増進し、冬季の保温作用を促す。
【0065】図16は第4の実施形態を示し、この実施
形態は新築時の施工法または既設タイル19を貼り付け
ない既設外壁1の改修法を示している。この場合の施工
も、前記第3の実施形態と実質的に同一で、既設外壁1
の所定位置にボルト挿通孔21を形成し、該孔21にロ
ックアンカー22を挿入し、これをロック後、ロックア
ンカー22に植込ボルト25をねじ込み、該植込ボルト
25の外端部にナット26をねじ込む。この場合、ボル
ト挿通孔21および植込ボルト25の長さは、既設モル
タル18と既設タイル19が存在しない分短小で、孔明
作業が容易になり、植込ボルト25が小形軽量になる。
なお、ナット26とボルト32は、前記第3の実施形態
と実質的に同一のものを用いている。
【0066】一方、前記ナット26のねじ込みと前後し
て、既設外壁1の上方の所定位置に下ゲ振り28の上端
部を取り付け、該下ゲ振り28に基いて前記ナット26
のねじ込み量を加減し、その不陸調整後、発泡性の断熱
材10を吹付ける。断熱材10の吹付け厚は、前記第3
の実施形態と略同一で、該断熱材10の硬化後、ナット
26の外端面に座金31を配置し、これに係止部材12
と一体の押縁3を係合し、該係止部材12の外側からボ
ルト32をナット26にねじ込み、これを緊締する。押
縁3と係止部材12の取り付け後、係止部材12の係止
片12a,12aにタイル14の裏面の係止溝15を掛
け止め、これらを適宜目地詰めして接続するこの第4の
実施形態における作用効果は、前述の実施形態と実質的
に同一である。
【0067】図17および図18は第5の実施形態を示
し、この実施形態は押縁3に固定する係止部材12の別
の実施形態を示している。この係止部材12は帯状のス
テンレス鋼板をプレス成形し、これを押縁3にスポット
溶接等で一体に固定している前記係止部材12は、前記
鋼板の長さ方向に沿って左右一対の係止片12a,12
aを二組切り起し成形し、これら左右の係止片12a,
12aの間に平坦部35を形成し、該平坦部35の裏面
に沿って押縁3をスポット溶接している。したがって、
係止部材12は押縁3の長さ方向に取り付けられ、その
左右幅も隣接する押縁3,3間に係止片12aを掛け渡
す図9のものに場合に比べて、非常に短小で鋼板の使用
量を抑制し、その分小形軽量化と製作費の低減を図れ
る。図中、36,37は前記平坦部35の長さ方向に突
出成形した補強ビード、38は上下の係止片12a,1
2a間に左右方向に突出成形した補強ビード、39は係
止片12aの屈曲部に形成した凹状の補強部である。
【0068】このような係止部材12は、前述の実施形
態と同様に断熱材10の硬化後、ボルト32を介しナッ
ト26の外端面に押縁3を固定する際に一緒に取り付け
られ、その隣接する押縁3,3の係止片12a,12a
にタイル14の両端部の係止溝15を掛け止め、同高の
タイル14,14の端部を若干離間して向き合わせ、そ
の間を目地詰めする。
【0069】図19および図20は第6の実施形態を示
し、この実施形態は押縁3とナット26との別の取り付
け法を示している。すなわち、ナット26の外端面に座
金31を介し押縁3を重合配置する代わりに、ナット2
6の外端面を断熱材10の表面から押縁3の略高さ分突
出し、該ナット26を押縁3の前記ガイド溝33に挿入
し、ナット26の外端面を押縁3の裏面に係合するとと
もに、ナット26の対辺部をガイド溝33の端縁に係合
する。このようにすることで、押縁3の支持強度を強化
し、押縁3を強固かつ正確に固定し、押縁3およびこれ
と一体の係止部材12の変位ないし位置ずれを阻止し、
タイル14の取り付け状態の安定化を図るとともに、タ
イル14の当初の美観を長期に亘って維持し得る。な
お、この場合、座金31を省略することも可能である。
【0070】なお、前述の実施形態は何れも押縁3を上
下方向に配置し、その垂直面の不陸調整をして、断熱材
10の等厚化と空気通路となる空隙11の一様化、更に
タイル14の同一垂直面の貼り付けを促し、断熱効果と
美観の向上を図っているが、押縁3を左右方向に配置
し、その水平面の不陸調整をして、前述と同様な作用効
果を図ることも可能である。
【0071】
【発明の効果】請求項1の発明は、外壁表面の所定位置
に複数の押縁を固定し、該押縁で区画した外壁表面に断
熱材を密着かつ接着して被覆したから、外壁と断熱材と
の間の空気や水の侵入を阻止し、外壁のコンクリート・
モルタルの中正化を阻止し、内部の鉄筋の錆や腐食を防
止するとともに、金属製若しくは木製等の外壁の錆や劣
化を阻止することができる。また、外壁の所定位置に押
縁を固定し、かつ前記外壁表面に断熱材を密着かつ接着
して被覆することで、外壁の強度を強化し、外壁のコン
クリートやモルタルの爆裂、それらとタイルやレンガ等
の剥離や剥落を阻止し、その安全性を確保するととも
に、断熱性、気密性、防水性、遮音性を向上し、快適な
居住性を得られる。しかも、前記押縁を介して、新外壁
の取り付けや、乾式タイル施工法におけるタイル係止板
の取り付けが可能になる効果がある。
【0072】請求項2の発明は、外壁または外装部材の
外側の所定位置に複数の不陸調整片を配置し、該不陸調
整片の所定部を垂直面と平行な同一面位置に調整し、該
不陸調整片を基に前記外壁または外装部材の表面に断熱
材を密着かつ接着して被覆したから、外壁または外装部
材の施工状態またはその後の経年的な変状に関係なく、
新外壁を正確かつ体裁良く施工でき、またその構造上の
安全性を確保できるとともに、外壁または外装部材の表
面状態や被覆スペースの制約を受けることなく、自由で
円滑かつ合理的に断熱材を被覆でき、作業能率を向上す
ることができるまた、不陸調整片を基に断熱材を被覆す
ることで、断熱材を垂直面と略平行で略一様な厚さに被
覆できるとともに、押縁で区画した外壁表面に断熱材を
被覆する場合に比べて緻密に被覆でき、断熱効果を向上
することができる。
【0073】請求項3の発明は、前記外壁または外装部
材の表面に発泡性断熱材を吹付けて被覆したから、高い
断熱性と難燃性を得られるとともに、断熱材の施工精度
を容易に監理することができる。請求項4の発明は、前
記外壁または外装部材の表面の欠損部、劣化部等に前記
発泡性断熱材を密着して充填若しくは閉塞し、それらを
修復可能にしたから、前記修復を簡易かつ迅速に行な
え、従来のような既設外壁等の欠損部や劣化部の撤去、
改修を要せず、したがって改修工事に伴う騒音や振動、
塵埃、産業廃棄物の発生がなく、この種工事の合理化と
工期の短縮化並びに工費の低減を図ることができる。
【0074】請求項5の発明は、断熱材の外側を新外壁
で被覆し、前記既設外壁または外装部材を改修可能にし
たから、前記断熱材を保護するとともに、外壁または外
装材の強度と外観の向上を図ることができる。請求項6
の発明は、前記断熱材の凹凸状表面と新外壁との間、ま
たは前記断熱材の凹凸状表面と新外壁を取り付け可能な
係止部材との間に、通気性を有する空隙を設けたから、
断熱材と空気との接触を旺盛かつ木目細かに行なわせ、
例えば夏季の陽射しによる新外壁の熱気を遮蔽し、かつ
これを外部へ排出して室内への侵入を排除し、また冬季
には断熱材等の吸収した湿気の排出を促し、しかも前記
空隙による防音効果によって、快適な居住性を得られる
効果がある。
【0075】請求項7の発明は、押縁と前記外壁との間
に柔軟な仮止片を配置したから、外壁の表面状況に応じ
て押縁を容易に取り付けられ、その作業性を向上するこ
とができる。請求項8の発明は、外壁または外装部材に
複数の植込ボルトを突設し、該植込ボルトに前記不陸調
整片を螺合し、該不陸調整片を前記外壁または外装部材
の内外方向へ位置調整可能にしたから、不陸調整片を基
に断熱材を垂直面と略平行に略一定厚で被覆でき、押縁
を垂直面と平行平面上に正確に取り付け、新外壁を正確
かつ体裁良く施工することができる。請求項9の発明
は、前記複数の不陸調整片に押縁を取り付け、該押縁を
垂直面と平行な同一面に取り付け可能にしたから、新外
壁を正確かつ体裁良く施工することできる。請求項10
の発明は、前記押縁に係止部材を係合し、該係止部材に
新外壁を取り付け可能にしたから、新外壁を容易かつ正
確に体裁良く施工することができる
【0076】請求項11の発明は、押縁と係止部材とを
一体に構成したから、それらの取り扱いが容易になり、
施工現場での取り扱いが簡便になって作業能率の向上を
図ることができる。請求項12の発明は、複数の押縁を
平行に配置し、該押縁に複数の係止部材を掛け渡して連
結したから、押縁と係止部材とをユニット化し、施工現
場での取り扱いを簡便にして作業能率の向上を図れると
ともに、係止部材の支持強度を向上することができる。
請求項13の発明は、係止部材の長さ方向に左右一対の
係止片を複数配置し、該係止部材の長さ方向に前記押縁
を固定したから、押縁と係止部材とのユニットを小形軽
量化し、施工現場での取り扱いを簡便にして作業能率の
向上を図れるとともに、係止部材の支持強度を向上する
ことができる。請求項14の発明は、押縁を略コ字形断
面に形成し、該押縁の長さ方向にガイド溝を設け、該ガ
イド溝に前記不陸調整片の外端部を係合可能に挿入し、
かつ前記不陸調整片の外端部を押縁の内面に係合可能に
配置したから、押縁を強固に取り付け、かつその支持強
度を強化して、押縁の変動や位置ずれを阻止し、新外壁
を正確で安全かつ体裁良く施工することができる。
【0077】請求項15の発明は、外壁表面の所定位置
に複数の押縁を固定し、該押縁で区画した外壁表面に発
泡性断熱材を吹き付けて被覆したから、外壁と断熱材と
の間、および押縁間の空気や水の侵入を阻止して、外壁
のコンクリート・モルタルの中正化を阻止し、内部の鉄
筋の錆や腐食を防止するとともに、金属製若しくは木製
等の外壁の錆や劣化を阻止することができる。また、前
記外壁の強度を強化し、外壁のコンクリートやモルタル
の爆裂、それらとタイルやレンガ等の剥離や剥落を阻止
し、その安全性を確保するとともに、断熱性、気密性、
防水性、遮音性を向上し、快適な居住性を得ることがで
きる。しかも、前記押縁を介して、新外壁の取り付け
や、乾式タイル施工法におけるタイル係止板の取り付け
を実現することができる。
【0078】請求項16の発明は、外壁または外装部材
の外側の所定位置に複数の不陸調整片を配置し、該不陸
調整片の所定部を垂直面と平行な同一面に調整し、該不
陸調整片を基に前記外壁または外装部材の表面に発泡性
断熱材を吹き付けて被覆したから、外壁または外装部材
の施工状態またはその後の経年的な変状に関係なく、新
外壁を正確かつ体裁良く施工でき、またその構造上の安
全性を確保することができる。また、外壁または外装部
材の表面状態や被覆スペースの制約を受けることなく、
自由で円滑かつ合理的に断熱材を被覆でき、作業能率を
向上できるとともに、断熱材を垂直面と略平行で略一様
な厚さに被覆でき、しかも押縁で区画した外壁表面に断
熱材を被覆する場合に比べて緻密に被覆でき、断熱材に
よる断熱効果を向上することができる。
【0079】請求項17の発明は、外壁の欠損部、劣化
部等を補修および撤去することなく、前記押縁を固定
し、前記発泡性断熱材を吹き付けるようにしたから、外
壁の修復を簡易かつ迅速に行なえ、従来のような既設外
壁等の欠損部や劣化部の撤去、改修を要せず、したがっ
て改修工事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄物の発生
がなく、速やかに断熱材の被覆作業に移行し、この種工
事の合理化と工期の短縮化並びに工費の低減を図ること
ができる。請求項18の発明は、前記外壁または外装部
材の欠損部、劣化部等を補修および撤去することなく、
前記不陸調整片を設置し、該不陸調整片の位置調整後、
前記発泡性断熱材を吹き付けるようにしたから、外壁ま
たは外装材の修復を簡易かつ迅速に行なえ、従来のよう
な既設外壁等の欠損部や劣化部の撤去、改修を要せず、
したがって改修工事に伴う騒音や振動、塵埃、産業廃棄
物の発生がなく、不陸調整片の設置作業とその位置調整
後作業、更には断熱材の被覆作業に速やかに移行し、こ
の種工事の合理化と工期の短縮化並びに工費の低減を図
ることができる。請求項19の発明は、外壁または外装
部材の表面の欠損部、劣化部等に前記発泡性断熱材を密
着して充填若しくは閉塞し、それらを修復したから、外
壁または外装部材の修復と断熱材の被覆作業を一時に行
ない、この種工事の合理化と工期の短縮化並びに工費の
低減を図ることができる。
【0080】請求項20の発明は、断熱材の被覆後、前
記押縁に新外壁を取り付け、または新外壁を取り付け可
能な係止部材を押縁に取り付けたから、前記断熱材を保
護するとともに、外壁または外装材の強度と外観の向上
を図ることができる。請求項21の発明は、前記断熱材
の被覆後、前記不陸調整片に新外壁を取り付け可能な押
縁を取り付けたから、前記断熱材の被覆作業の容易化と
合理化を図れるとともに、不陸調整片を介しての押縁の
取り付けを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を既設外壁の改修に適用した実施形態を
示す斜視図で、新外壁として採用した板材の取り付け状
況を示している。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の要部を示す斜視図
で、新外壁として採用したタイルの取り付け状況を示し
ている。
【図5】図4の一部を拡大して示す横断面図である。
【図6】図4の縦断面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の要部を示す横断面図
で、外壁の外装材であるモルタルおよびタイルの改修状
況を示している。
【図9】前記第3の実施形態に適用した押縁と係止部材
との組み立てユニットを示す正面図である。
【図10】図8の縦断面図である。
【図11】前記第3の実施形態の改修状況をす断面図
で、外装材であるモルタルおよびタイルにボルト挿通孔
を形成し、該孔にロックアンカーを挿入した状況を示し
ている。
【図12】前記第3の実施形態の改修状況をす断面図
で、ボルト挿通孔に挿入したロックアンカーを固定し、
該アンカーに植込ボルトをねじ込み、該ボルトの先端部
に不陸調整片を取り付けた状況を示している。
【図13】前記第3の実施形態の改修状況をす断面図
で、前記不陸調整片の位置調整状況を示している。
【図14】前記第3の実施形態の改修状況をす断面図
で、不陸調整片の位置調整後に発泡性断熱材を吹付けた
状況を示している。
【図15】前記第3の実施形態の改修状況をす断面図
で、発泡性断熱材を吹付け後、不陸調整片に係止部材と
一体の押縁を取り付け、これに新外壁であるタイルを取
り付けている状況を示している。
【図16】本発明の第4の実施形態の要部を示す横断面
図で、不陸調整片を使用した外壁の改修状況を示してい
る。
【図17】本発明の第5の実施形態の要部を示す横断面
図で、外壁の外装材であるモルタルおよびタイルの改修
に際し、別の係止部材を使用した改修状況を示してい
る。
【図18】前記第5の実施形態に適用した係止部材とタ
イルとの組み付け状況を示す斜視図である。
【図19】本発明の第6の実施形態の要部を示す横断面
図で、不陸調整片と押縁との別の組み付け状況を示して
いる。
【図20】図19のB―B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 外壁 2 仮止片 3 押縁 9 新外壁(板材) 10 断熱材 11 空隙 12 係止部材 12a 係止片 14 新外壁(タイル,レンガ) 19 外装材(タイル) 25 植込ボルト 26 不陸調整片(ナット) 33 ガイド溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DA01 DD01 DE01 DF02 EA01 EA08 FA03 GA06 GA24 GA59 GA60 HA01 HA03 HA21 HA31 HA33 HB01 HC01 HC02 HD01 HD02 HD03 HD09 HD11 HE01 LA01 LA12 LA16 2E110 AA02 AA14 AA19 AA26 AA27 AA33 AA44 AA47 AA50 AA51 AB04 AB22 BA12 CA07 CA25 GA24Z GB02W GB17W GB42W GB54Z GB62W

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設若しくは新築の建物の外壁構造にお
    いて、前記外壁表面の所定位置に複数の押縁を固定し、
    該押縁で区画した外壁表面に断熱材を密着かつ接着して
    被覆したことを特徴とする建物の外壁構造。
  2. 【請求項2】 既設若しくは新築の建物の外壁構造にお
    いて、前記外壁または外装部材の外側の所定位置に複数
    の不陸調整片を配置し、該不陸調整片の所定部を垂直面
    と平行な同一面位置に調整し、該不陸調整片を基に前記
    外壁または外装部材の表面に断熱材を密着かつ接着して
    被覆したことを特徴とする建物の外壁構造。
  3. 【請求項3】 前記外壁または外装部材の表面に発泡性
    断熱材を吹付けて被覆した請求項1または請求項2記載
    の建物の外壁構造。
  4. 【請求項4】 前記外壁または外装部材の表面の欠損
    部、劣化部等に前記発泡性断熱材を密着して充填若しく
    は閉塞し、それらを修復可能にした請求項1または請求
    項2記載の建物の外壁構造。
  5. 【請求項5】 前記断熱材の外側を新外壁で被覆し、前
    記既設外壁または外装部材を改修可能にした請求項1ま
    たは請求項2記載の建物の外壁構造。
  6. 【請求項6】 前記断熱材の凹凸状表面と新外壁との
    間、または前記断熱材の凹凸状表面と新外壁を取り付け
    可能な係止部材との間に、通気性を有する空隙を設けた
    請求項5記載の建物の外壁構造。
  7. 【請求項7】 前記押縁と既設外壁との間に柔軟な仮止
    片を配置した請求項1記載の建物の外壁構造。
  8. 【請求項8】 前記外壁または外装部材に複数の植込ボ
    ルトを突設し、該植込ボルトに前記不陸調整片を螺合
    し、該不陸調整片を前記外壁または外装部材の内外方向
    へ位置調整可能にした請求項2記載の建物の外壁構造。
  9. 【請求項9】 前記複数の不陸調整片に押縁を取り付
    け、該押縁を垂直面と平行な同一面に取り付け可能にし
    た請求項2記載の建物の外壁構造。
  10. 【請求項10】 前記押縁に係止部材を係合し、該係止
    部材に新外壁を取り付け可能にした請求項1記載の建物
    の外壁構造。
  11. 【請求項11】 前記押縁と係止部材とを一体に構成し
    た請求項2記載の建物の外壁構造。
  12. 【請求項12】 複数の押縁を平行に配置し、該押縁に
    複数の係止部材を掛け渡して連結した請求項11記載の
    建物の外壁構造。
  13. 【請求項13】 係止部材の長さ方向に左右一対の係止
    片を複数配置し、該係止部材の長さ方向に前記押縁を固
    定した請求項11記載の建物の外壁構造。
  14. 【請求項14】 前記押縁を略コ字形断面に形成し、該
    押縁の長さ方向にガイド溝を設け、該ガイド溝に前記不
    陸調整片の外端部を係合可能に挿入し、かつ前記不陸調
    整片の外端部を押縁の内面に係合可能に配置した請求項
    9記載の建物の外壁構造。
  15. 【請求項15】 既設若しくは新築の建物の外壁の施工
    法において、前記外壁表面の所定位置に複数の押縁を固
    定し、該押縁で区画した外壁表面に発泡性断熱材を吹き
    付けて被覆したことを特徴とする建物の外壁の施工法。
  16. 【請求項16】 既設若しくは新築の建物の外壁の施工
    法において、前記外壁または外装部材の外側の所定位置
    に複数の不陸調整片を配置し、該不陸調整片の所定部を
    垂直面と平行な同一面に調整し、該不陸調整片を基に前
    記外壁または外装部材の表面に発泡性断熱材を吹き付け
    て被覆したことを特徴とする建物の外壁の施工法。
  17. 【請求項17】 前記外壁の欠損部、劣化部等を補修お
    よび撤去することなく、前記押縁を固定し、前記発泡性
    断熱材を吹き付ける請求項15記載の建物の外壁の施工
    法。
  18. 【請求項18】 前記外壁または外装部材の欠損部、劣
    化部等を補修および撤去することなく、前記不陸調整片
    を設置し、該不陸調整片の位置調整後、前記発泡性断熱
    材を吹き付ける請求項16記載の建物の外壁の施工法。
  19. 【請求項19】 前記外壁または外装部材の表面の欠損
    部、劣化部等に前記発泡性断熱材を密着して充填若しく
    は閉塞し、それらを修復する請求項15または請求項1
    6記載の建物の外壁の施工法。
  20. 【請求項20】 前記断熱材の被覆後、前記押縁に新外
    壁を取り付け、または新外壁を取り付け可能な係止部材
    を押縁に取り付ける請求項16記載の建物の外壁の施工
    法。
  21. 【請求項21】 前記断熱材の被覆後、前記不陸調整片
    に新外壁を取り付け可能な押縁を取り付ける請求項17
    記載の建物の外壁の施工法。
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JP2001303749A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Takeo Kobayashi 建物の外壁改装構造及び屋根改装構造並びにそれらの工法
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JP2008156874A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Dow Kakoh Kk 断熱壁構造及びその施工方法
CN105672537A (zh) * 2016-01-13 2016-06-15 安平县骏标丝网制品有限公司 一体化复合保温墙体结构及其施工方法

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