JP2001259944A - 生産ライン及び生産方法 - Google Patents

生産ライン及び生産方法

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JP2001259944A
JP2001259944A JP2000070531A JP2000070531A JP2001259944A JP 2001259944 A JP2001259944 A JP 2001259944A JP 2000070531 A JP2000070531 A JP 2000070531A JP 2000070531 A JP2000070531 A JP 2000070531A JP 2001259944 A JP2001259944 A JP 2001259944A
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pallet
line
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keyboard
production
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JP2000070531A
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Yasushiro Fujimoto
靖史郎 藤本
Yasuhiro Matsunaga
靖宏 松永
Jun Sato
潤 佐藤
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Minebea Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産ラインの設備コストの上昇を抑制しつつ
効率的に自動化を促進する。 【解決手段】 配膳ライン8において、パレット上に全
ての主要部品を決められた配列で載置した状態とし、組
立ラインの第1工程9aにパレットを投入する。第2工
程9b〜第10工程9qにおける作業を、該パレットを基
準として行なう。螺子止め装置、ファンクションテスタ
等の自動機械による取扱い性を向上させ、各工程におい
て手作業を介在させる必要を無くすことができる。ま
た、この結果として、一工程当りのハンドリングタイム
を短縮することも可能となり、生産効率の向上を図るこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少ない設備投資で
多品種の生産に対応するため、人力による工程を残した
半自動化生産ラインにおいて、設備コストを上昇させる
ことなく、効率的に自動化を促進するための技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日では、あらゆる工業製品の分野にお
いて、大量生産を効率的に行うための生産ラインの自動
化が進められている。特に近年では、市場のニーズに応
えるために、同時に複数のモデルを少量生産するための
完全自動化ラインも実現されている。かかる完全自動化
ラインを構築するにあたっては、従来オペレータが行っ
ていた工程毎の手作業を、産業用ロボット等の自動機械
に置きかえることが必要不可欠となっている。
【0003】ところが、複数モデルに対応した動作を行
う自動機械を、生産ラインの全ての工程に導入するため
には、多大な設備投資が必要となる。このため、現在で
も、多品種の生産という要請に対し、より少ない設備投
資で対応する必要がある場合には、設備コストの上昇と
の兼ね合いから、特定の工程に関しては人力を活用して
いる。
【0004】図8には、パソコン用キーボードの半自動
化生産ライン1を模式的に示している。半自動化ライン
1は、組立ライン2と、組立ライン2で組立が完了した
製品を梱包する梱包ライン3とを備える。組立ライン2
は、第1工程2aから第15工程2qまでを有している。
【0005】このうち、第1工程2a、第3工程2c、
第5工程2e、第6工程2fには、パーツフィーダ4に
よって部品庫(ストア)からケース、基板等の主要部品
が供給される。これら各工程のオペレータは、組立ライ
ン2のコンベヤ上を流れる部品をライン横の作業台5に
移し、パーツフィーダ4により供給される部品と組み合
わせた後、次の工程に送るために組立ライン2に戻すと
いう作業を行なう。
【0006】また、第8工程2hから第10工程2jで
は、キーボードの打鍵検査を行なっている。係る打鍵検
査も、オペレータがコンベヤ上のキーボードをライン横
のテスタ6にセットして、検査終了後、次の工程に送る
ために組立ライン2に戻す作業を行なう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、半自動
化ライン1では、一部の工程で人力を介していることか
ら、作業に携わるオペレータは熟練を要し、新たな工場
の立ち上げの際には、人材確保が困難となる等の問題を
抱えていた。
【0008】また、一定レベルの組立作業を安定して行
うという点では、手作業に頼るよりも、自動化を促進し
た方が有利であることも事実であるが、コストを増大さ
せることなく半自動化ラインにおける自動化率の向上を
図るには、様々な障壁があった。例えば、半自動化ライ
ン1は、コンベヤ上を流れる部品が、搬送手段であるコ
ンベヤに対し、位置決めされた状態で搬送されるわけで
はないので、当該部品と自動機械との位置決めが困難で
あるという点が挙げられる。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、少ない設備投資で多品
種の生産に対応するため、人力による工程を残した生産
ラインにおいて、設備コストの上昇を抑制しつつ効率的
に自動化を促進することに有る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る生産ラインは、搬送手段にパ
レットを含み、組立ラインの第1工程以前に、全ての主
要部品を決められた配列で前記パレット上へと載置する
配膳ラインを有することを特徴とする。
【0011】本発明によると、前記配膳ラインにおい
て、前記パレット上に全ての主要部品を決められた配列
で載置した状態とし、組立ラインの第1工程に当該パレ
ットを投入することで、自動機械による取扱い性を向上
させる。なお、本説明において「配膳」の語は、主要部
品を、前記パレット上の決められた位置に決められた姿
勢で載置することを意味する。
【0012】また、本発明の請求項2に係る生産ライン
では、前記パレットは、前記部品を所定位置に所定の姿
勢で受け止める受け部を備えるものである。したがっ
て、前記部品は、前記パレット上で所定位置に所定の姿
勢に確実に維持されることとなり、自動機械による取扱
い性を向上させることができる。
【0013】また、本発明の請求項3前記パレットは、
前記受け部を備える子パレットと、該子パレットを位置
決めして着脱自在に保持する親パレットとを含むもので
ある。
【0014】本発明では、前記部品を、前記子パレット
の受け部によって所定位置に所定の姿勢で受け止め、さ
らに、該子パレットを前記親パレットで位置決めするこ
とにより、前記親パレットを基準として自動機械による
組立、検査を行うようにする。また、前記子パレットを
前記親パレットに対し着脱自在としたことで、異なるモ
デル毎に専用の子パレットを用意し、かつ、それらの子
パレットを適宜選択して親パレットにセットすること
で、異なるモデルに対しても、前記親パレットを基準と
した組立、検査を行うことが可能となる。
【0015】また、本発明の請求項4に係る生産ライン
では、前記配膳ラインを、前記組立ラインと平行して設
けている。この構成は、前記配膳ラインで得られる配膳
済みのパレットを、複数の組立ラインへと投入する場合
に適している。ここで、「組立ラインと平行して」とは、
作業を平行して行うことを表わし、物理的に前記配膳ラ
インと前記組立ラインとが平行に配置されていることを
意味するものではない。よって、工場建屋の構造等に応
じて、前記配膳ラインを前記組立ラインと直交する位置
にレイアウトするような場合も含まれる。
【0016】さらに、本発明の請求項5に係る生産ライ
ンでは、前記配膳ラインを、前記組立ライン中に設けて
いる。この構成では、前記配膳ラインと前記組立ライン
とで1つの生産ラインを構成したものである。なお、前
記配膳ラインは、請求項1記載のごとく、組立ラインの
第1工程以前に、全ての主要部品を決められた配列で前
記パレット上へと載置する物であれば良く、必ずしも、
前記組立ラインの前に前記配膳ラインを配置するもので
はない。よって、工場建屋の構造等に応じて、前記組立
ラインの後に前記配膳ラインを配置し、配膳済みとなっ
たパレットを、前方の組立ラインの第1工程へと戻す構
成を取ることも含まれる。
【0017】また、本発明の請求項6に係る生産ライン
によると、前記部品はキーボードに係るものである。し
たがって、本発明によれば、キーボードの生産ラインに
おいて、自動機械による取扱い性を向上させ、請求項1
から5と同様の作用を得ることができる。
【0018】また、本発明の請求項7に係る生産方法
は、主要部品の全てを決められた配列でパレット上に載
置し、該パレットを組立ラインの第1工程に投入し、以
後の各工程において、前記パレットを基準に自動機械を
用いて組立または検査を行うことを特徴とする。
【0019】本発明では、組立ラインへの主要部品の投
入から、組立、検査に至るまでの作業を、全て前記パレ
ット上で行う。この際、各作業を担う自動機械は、前記
パレットを基準として作動することで、組立精度、検査
精度を確保する。
【0020】また、本発明の請求項8に係る生産方法
は、キーボードの主要部品の全てを決められた配列でパ
レット上に載置し、該パレットをキーボード組立ライン
の第1工程に投入し、以後の各工程において、前記パレ
ットを基準に自動機械を用いてキーボードの組立または
検査を行うことを特徴とする。
【0021】本発明では、キーボードの生産ラインにお
いて、組立ラインへの主要部品の投入から、組立、検査
に至るまでの作業を、全て前記パレット上で行う。この
際、各作業を担う自動機械は、前記パレットを基準とし
て作動することで、キーボードの組立精度、検査精度を
確保する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部
分、若しくは相当する部分についての説明は省略する。
【0023】図1には、本発明の実施の形態に係るパソ
コン用キーボードの生産ライン7を模式的に示してい
る。この生産ライン7は、配膳ライン8、組立ライン9
および梱包ライン10を有しており、配膳ライン8が組立
ライン9と平行に設けられたものである。各ラインは、
搬送手段としてコンベヤを有しており、その中でも、少
なくとも組立ライン8,9に関しては、フリーフローコ
ンベヤを使用している。
【0024】また、生産ライン7では、キーボードを構
成する主要部品をコンベヤ上で搬送する際に、図2に示
すパレット11を用いる。すなわち、生産ライン7では、
各ラインのコンベヤとパレット11とで搬送手段を構成し
ている。パレット11は、親パレット12と、子パレット13
とを有している。
【0025】親パレット12は、少なくとも、配膳ライン
8及び組立ライン9のコンベヤに対して、位置決めされ
た状態で該コンベヤ上を流れるものである。また、全て
のキーボードのモデルに共通して用いるものであり、子
パレット13を位置決めして着脱自在に保持することがで
きる。また、親パレット12には、組立ライン9の螺子止
め装置及びファンクションテスタ(何れも後述する。)
との連結部を備えている。これに対し、子パレット13
は、組立を行なうキーボードのモデル毎に専用のものを
複数用意し、適宜選択して親パレット12の適切な位置に
セットして用いるものである。
【0026】子パレット13には、キーボードの主要部品
を、決められた位置に決められた姿勢で載置するための
ガイド13c(図4参照)を設けている(かかるガイド13
c(受け部)の形状は、組立を行なうモデル毎に異な
る。)。図2に示すパレット11の例では、キーボードの
主要部品として、アッパケースサブアッシWa、ボトム
ケースサブアッシWb、基板ユニットWcの三つの部品
が、前記ガイドによって、子パレット13上の所定位置に
確実に載置される。
【0027】前述のごとく、親パレット12には、組立ラ
イン9の螺子止め装置及びファンクションテスタ(何れ
も後述する。)との連結部を設けているので、子パレッ
ト13上の部品は、親パレット12を介して、螺子止め装置
及びファンクションテスタに対しても正確に位置決めさ
れる。
【0028】また、子パレット13の所定位置には、キー
ボード接続端子13aを設けている。この接続端子13a
は、例えば、USB端子に対応したキーボードを組立て
る際に用いる子パレットであれば、USB端子を備える
ものとする。さらに子パレット13の表面または裏面に、
後述するファンクションテスタの端子を当接させるため
の電極13b(図6参照)を設け、当該電極と接続端子13
aとを導通させている。なお、電極13bを、親パレット
12の適当な位置に設け、親子パレット間での導通路を確
保する事としてもよい。
【0029】ところで、図1に示す配膳ライン8は、第
1工程8a〜第5工程8eを有している(各工程を概略
的に四角形で示す)。そして、これらの各工程で分担し
て、キーボードの主要部品であるアッパケースサブアッ
シWa、ボトムケースサブアッシWb、基板ユニットW
cの各部品(図2参照)を、子パレット13上の所定位置
に載置し、かつ、基板ユニットWcのケーブルをキーボ
ード接続端子13aに接続する作業を行なうものである。
かかる配膳作業は、通常手作業で行なわれるが、配膳ラ
イン8が組立ライン9とは独立したラインとして設けて
いるので、配膳ライン8における作業の進行状況が、組
立ライン9に影響を与えることは少ない。なお、第1工
程8a〜第5工程8eの各工程に、図中実線で示す実作
業工程と細線で示す待機工程を設けているが、各工程の
作業の進行状況に応じてこれら待機工程を省略すること
も可能である。
【0030】組立ライン9は、第1工程9a〜第10工程
9qを有する。そして、各工程の所要時間の差を考慮し
て、全ての工程に、細線で示す待機工程と実線で示す実
作業工程を設けている。
【0031】組立ライン9の第1工程9aには、配膳ラ
イン8において全ての主要部品(アッパケースサブアッ
シWa、ボトムケースサブアッシWb、基板ユニットW
c)が決められた配列で載置済みとなっているパレット
11が投入される。かかる投入作業は、パレットの循環方
式で行なうことができる。そして、以後の工程における
組立または検査を、コンベヤ上でかつパレット11を基準
に行う。
【0032】まず、第1工程9aでは、子パレット13上
のボトムケースサブアッシWb(図2)に、基板ユニッ
トWc(図2)を組み付ける。かかる作業は、人力によ
って行なうが、各部品はパレット11上の所定位置に所定
の姿勢でセットされていることから、作業性は良好であ
る。
【0033】第2工程9b及び第4工程9dは待機工程
(アイドルステーション)であり、一定の場所に一定時
間だけ停止して、工程間の所要時間差を調整する。ま
た、このラインを利用して他機種を生産する場合に工程
の増加があれば、増加した工程をこれらの待機工程で行
なうことができる。次の第3工程9cでは、前記第1工
程9aで、ボトムケースサブアッシWbに組み付けた基
板ユニットWcを、ボトムケースサブアッシWbに螺子
止めする。かかる螺子止め作業は、螺子止め装置(後述
する)によって行なうが、この際、螺子止め装置の位置
決めピンと親パレット12とを連結することで、子パレッ
ト13上のボトムケースサブアッシWb及びそれに組みつ
けられた基板ユニットWcを、当該螺子止め装置に対し
正確に位置決めすることができる。よって、当該螺子止
め作業は正確に行なわれる。
【0034】第5工程9eでは、子パレット13上のボト
ムケースサブアッシWb(図2)に、アッパケースサブ
アッシWa(図2)を被せる。かかる作業も人力によっ
て行なうが、第1工程9aと同様の理由から、作業性は
良好となる。
【0035】第6工程9fでは、ボトムケースサブアッ
シWbに、アッパケースサブアッシWaを螺子止めす
る。かかる第6工程9fでも、後述の螺子止め装置を用
いる。この際、当該螺子止め装置に付属するコンベヤの
位置決めピンと親パレット12とを連結することで、子パ
レット13上のボトムケースサブアッシWb及びそれに被
せられたアッパケースサブアッシWaは、当該螺子止め
装置に対し正確に位置決めされ、確実に螺子止め作業が
実施される。続く第7工程9gは、第2工程9b、第4
工程9dと同様に待機工程である。
【0036】第8工程9h、第9工程9i、第10工程9
jでは、キーボードの各キーのファンクションテストを
行なう。ファンクションテストは、各キーをファンクシ
ョンテスタ(後述する)の打鍵手段によって実際に打鍵
し、得られる出力信号が所定のものであるか否かをチェ
ックする。この際、子パレット13の電極13b(図6参
照)に、ファンクションテスタの端子を当接させること
で、接続端子13a(図2参照)を介してファンクション
テスタとキーボードとを電気的に接続することができ
る。また、ファンクションテスタの位置決めピンと親パ
レット12とを連結することで、子パレット13上のキーボ
ードを、当該ファンクションテスタに対し正確に位置決
めすることが可能となり、正確な打鍵検査を実施するこ
とができる。
【0037】なお、本実施の形態では、1つのファンク
ションテスタにおけるテストのサイクルタイムと、組立
ライン9の搬送サイクルタイムとの兼ね合いから、全て
のキーを3つのブロックに分け、かつ、3つのファンク
ションテスタを第8工程9h、第9工程9i、第10工程
9jに渡って配置し、前記各ブロックを、これら各工程
のファンクションテスタで分担してテストする構成を採
っている。
【0038】続く第11工程9kでは、各キートップにレ
ーザによる印字を行なう。かかる工程でも、レーザーマ
ーカと親パレット12との間の位置決めを行なうことで、
正確な印字を可能としている。最後に、第12工程9m、
第13工程9n、第14工程9p、第15工程9qにおいて、
外観検査、LEDの作動検査、キータッチのフィーリン
グ検査等を行なう。また、上記検査と共に、パレット11
上に未装着の部品が残っているか否かを検査することに
より、容易に欠品チェックを行なうことができる。これ
らの各検査に合格したキーボードは、梱包ライン10へと
送られる。
【0039】ここで、図3〜図5を参照しながら、組立
ライン9の第6工程9f(ボトムケースサブアッシWb
に、アッパケースサブアッシWaを螺子止めする工程)
に採用されている多軸螺子止め装置についての説明を行
なう。
【0040】この螺子止め装置14は、パレット11上に位
置決めされたキーボードW(またはその構成部品)に対
し、複数の螺子止めを同時に行うための複数の螺子止め
ヘッド15を有する。螺子止めヘッド15には、エア圧によ
って螺子を送り込む螺子送り装置を設けている。螺子止
めヘッド15は、パレット11の下面に対し、近接遠退可能
に設けられている。よって、螺子止め装置14は、キーボ
ードWの下方から螺子止め作業を行なうことができる。
【0041】また、軸毎に動力源であるモータ16を有
し、モータ16と螺子止めヘッド15との間を多分割のユニ
バーサル軸17によって連結している。図示のユニバーサ
ル軸17は三分割となっている。さらに、螺子止めヘッド
15の位置決めを行うプレート18を、螺子止め対象となる
キーボードWのモデル毎に、交換可能に設けている。
【0042】プレート18には、螺子止めヘッド15の基端
部15aを保持してその位置決めを行なうための10個の保
持ブロック19を設けている。図5に示すように、保持ブ
ロック19には、螺子止めヘッド15の基端部15aを挿通す
るための、切割を有する貫通孔が形成されている。プレ
ート18の該当位置にも、貫通孔が形成されている。ま
た、各保持ブロック19は二つの螺子20によってプレート
18に固定されている。そして、この二つの螺子20を若干
緩めることにより、プレート18に対する保持ブロック19
の位置を微調整することが可能である。なお、保持ブロ
ック19の数及び方向は、螺子止めヘッド15の数及び位置
に応じて適宜変更する。
【0043】さらに、プレート18とモータ16を支持する
プレート21は、図4に示すようにリニアスライダ22によ
って互いに離間接近自在に支持されている。また、リニ
アスライダ22は、シリンダ23に支持されているので、こ
れらを適宜調節することで、コンベヤ上のキーボードW
に対するヘッド15の距離を、自由に調節することができ
る。なお、リニアスライダ22による位置の調節や、プレ
ート18の変更時に、モータ16と螺子止めヘッド15との間
に生ずる位置の変化は、ユニバーサル軸17の変形によっ
て吸収される。
【0044】図3〜5中、符号24で示す部分はクッショ
ンパッドであり、キーボードWまたはパレット11の適当
な位置に当接して、螺子止めヘッド15とキーボードWと
の位置を固定し、螺子止め作業を確実とする。また、こ
れらのクッションパッド24の数カ所を、親パレット12と
の連結部(連結ピン)とすることも可能である。さら
に、かかる親パレット12との連結部を、クッションパッ
ド24と別個の部材として設けることも可能である。
【0045】さらに、本実施の形態では、10個の螺子止
めヘッド(図5に先端部15aのみ示す。)がプレート18
に支持されているが、必要数に応じて、螺子止めヘッド
15自体を抜き差しして数を増減して用いることも可能で
ある。モータ16は、同時に螺子止めを行なうことが想定
される最大数を考慮して、その設置数が決定されてい
る。
【0046】また、上記螺子止め装置14によって、キー
ボードWの下方から螺子止め作業を行なうことを可能と
すべく、パレット11の子パレット13には、螺子止め位置
対応した貫通穴が形成されており、各螺子止めヘッド15
がこれらの貫通孔を介して所定の螺子止め位置へと合致
するようになっている。また、キーボードWの浮き上が
りを防止するため、子パレット13のガイド13c(図4)
は、キーボードWを固定するクランプ機構も備えてい
る。さらに、組立ライン9のコンベヤはフリーフローコ
ンベヤであることから、各螺子止めヘッド15が位置する
部分にはローラを配置しないことで、各螺子止めヘッド
15の昇降通路を形成している。
【0047】以上の構成により、パレット11上に載置さ
れた状態でコンベヤ上を流されてくるキーボードWの姿
勢を変える(裏返す等の)作業が不要となり、ボトムケ
ースサブアッシWbに、アッパケースサブアッシWaを
螺子止めする際の全ての螺子止め作業をコンベヤ上で行
なうことが可能となる。
【0048】しかも、螺子止め装置14のプレート18を交
換可能としていることから、螺子止めの対象となるキー
ボードのモデル毎に、専用のプレート18を用意しておく
ことで、螺子止めの位置や数がモデル毎に異なるような
場合でも、段取り換えを容易に行なうことが可能とな
る。螺子止め装置14は以上の特徴を有するので、組立ラ
イン9へのインライン化が容易となり、半自動化ライン
における自動化率の向上を図ることが容易となる。
【0049】続いて、図6を参照しながら、組立ライン
9の第8〜第10工程9h〜9j(キーボードの各キーの
ファンクションテストを行なう工程)に用いられてい
る、ファンクションテスタ25を説明する。ファンクショ
ンテスタは、キーボードWを載置したパレット11を、組
立ライン9のコンベヤ上に載置した状態で、ファンクシ
ョンテスタ25の打鍵手段により各キーを実際に打鍵し、
それによって得られる出力信号が所定のものであるか否
かをチェックするものである。
【0050】前述のごとく、親パレット12には、ファン
クションテスタ25との連結部(図示省略)を設けてお
り、キーボードWの各キーと、ファンクションテスタ25
の打鍵手段との位置合わせを確実としている。前記打鍵
手段は、キーボードWの各キーに対応する位置に、対応
する数の接触子を、ピストンロッド等によって出没自在
にしたものであり、必要なキーを自由に選択して打鍵す
ることが可能となっている。また、かかる打鍵手段によ
って実際に打鍵し、得られる出力信号が所定のものであ
るか否かをチェックするために、ファンクションテスタ
25は、子パレットに設けた電極13bに当接させるための
端子(図示省略)を備えている。
【0051】よって、配膳ライン8において、子パレッ
ト13のキーボード接続端子13a(図2参照)に、キーボ
ードWのケーブルを予め接続しておけば、ファンクショ
ンテスト時に当該端子を電極13bに当接させることのみ
によって、接続端子13aを介してファンクションテスタ
25とキーボードWとを電気的に接続することが可能とな
り、この接続作業に人力を要することが無くなる。
【0052】また、1つのファンクションテスタのテス
トに要するサイクルタイムに対して、組立ライン9の搬
送サイクルタイムの方が短い場合には、本実施の形態の
ごとく、キーボードWの全てのキーを3つのブロックに
分け、各ブロックに対し、第8工程9h、第9工程9
i、第10工程9jで分担してテストを実施する構成を採
ることにより、全てのキーの検査をパレット11上で行な
うことが可能となる。
【0053】よって、従来のごとく、オペレータがコン
ベヤ上のキーボードをライン横のテスタ6にセットし
て、キーボードWの打鍵検査を行い、検査終了後、次の
工程に送るために組立ライン2に戻す作業を行なうとい
う、人力による作用を介する必要がなくなり、ファンク
ションテスタ25が組立ライン9にインライン化され、半
自動化ラインにおける自動化率の向上を図ることが容易
となる。
【0054】なお、図1のごとく、配膳ライン8を組立
ライン9と平行して設ける態様は、配膳ライン8と組立
ライン9とが別個独立した構成をなしているので、組立
ライン9を複数設け、配膳ライン8から各組立ライン9
へと配膳済みのパレット11を投入する場合に適してい
る。また、配膳ライン8にのみパーツフィーダを集中さ
せることができるので、ライン全体としての部品の流れ
を整理することができる。
【0055】これに対し、図7に示すように、配膳ライ
ン8を組立ライン9の中に設けることも可能である。図
7では、A−A線を境として、前方に組立ライン9を、
後方に配膳ライン8を連続して設け、1つの生産ライン
を構成したものである。この場合、梱包ライン10は、組
立ライン9の第14工程9p、第15工程9q辺りから配膳
ライン8の上方を通るように配置される。さらに、組立
ライン9の前方端部及び配膳ライン8の後方端部には、
平行パレットリフタ26を設け、組立ライン9及び配膳ラ
イン8と平行するように設けたリターンライン27との間
で、パレット11の受け渡しを行なう。
【0056】図7の態様は、配膳ライン8、組立ライン
9、梱包ライン10、リターンライン27の全てが一つのラ
インとしてまとまった構成をなすものであり、工場建屋
の構造等に応じて、適宜ライン構成を変更する際に選択
することが望ましい。また、配膳ライン8を組立ライン
9の後方に配置しているので、パーツフィーダを一本の
ラインの後方に集中させることができるが、これも、工
場建屋の構造などに応じて、配膳ライン8を組立ライン
9の前方に配置するなどの変更は自由に行なうことがで
きる。
【0057】上記構成をなす本発明の実施の形態によっ
て得られる作用効果は、以下の通りである。まず、配膳
ライン8において、パレット11上に全ての主要部品(ア
ッパケースサブアッシWa、ボトムケースサブアッシW
b、基板ユニットWc)を決められた配列で載置した状
態とし、組立ラインの第1工程9aにパレット11を投入
することで、第2工程9b〜第10工程9qにおける作業
を、パレット11を基準として行なうことができる。した
がって、螺子止め装置14、ファンクションテスタ25等の
自動機械による取扱い性を向上させ、各工程において手
作業を介在させる必要を無くすことができる。また、こ
の結果として、一工程当りのハンドリングタイムを短縮
することも可能となり、生産効率の向上を図ることが可
能となる。
【0058】また、パレット11は、親パレット12と子パ
レット13とからなり、子パレット13には、前記各部品を
所定位置に所定の姿勢で受け止めるガイド13c(受け
部)を設けたので、前記各部品は、パレット11上で所定
位置に所定の姿勢に確実に維持されることとなり、自動
機械による取扱い性を向上させることができる。また、
手作業を介在する場合であっても、各部品はパレット11
上の所定位置に所定の姿勢でセットされていることか
ら、作業性を良好とすることができる。
【0059】子パレット13を位置決めする親パレット12
は、配膳ライン8及び組立ライン9のコンベヤに対し
て、位置決めされた状態で該コンベヤ上を流れるので、
親パレット12を基準として自動機械による組立、検査を
行うことが可能である。また、子パレット13を親パレッ
ト12に対し着脱自在としたことで、異なるモデル毎に専
用の子パレット13を用意し、かつ、それらの子パレット
13を適宜選択して親パレット12にセットすることで、異
なるキーボードのモデルであっても、組立精度、検査精
度を確保しつつ、自動機械により前記親パレットを基準
とした組立、検査を行うことが可能となる。
【0060】さらに、パレット11上には主要部品を全て
配置してから組立ライン9に投入するので、組立ライン
9の最終工程で、パレット上に未装着の部品が残ってい
るか否かを検査することにより、欠品チェックを行なう
ことも可能となる。従来の半自動化ライン1(図8参
照)では、完成後の欠品チェックを、キーボードが所定
の機能を発揮するか否かを検査する方法を採っており、
より簡単なチェック方法を提供することが可能となる。
【0061】また、必要に応じて、図1のごとく配膳ラ
イン8を組立ライン9と平行して設け、若しくは図7の
ごとく配膳ライン8を組立ライン9の中に設けることが
できる。さらに、子パレット13に、キーボードWの組立
に関する必要な情報(螺子止め位置、螺子の数、キーの
位置、キーの数等)を持たせ、これを読み取ることによ
って、螺子止め装置14、ファンクションテスタ25を制御
する等の応用も可能である。
【0062】なお、本発明の実施の形態では、パソコン
用キーボードの半自動化生産ラインを例に挙げて説明し
たが、本発明はその他の半自動化生産ラインにも応用可
能であることは理解されるであろう。
【0063】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず本発明の請求項1に係る生
産ラインによれば、半自動化生産ラインの設備コストの
上昇を抑制しつつ効率的に自動化を促進することが可能
となる。
【0064】また、本発明の請求項2に係る生産ライン
によれば、自動機械による取扱い性を向上させることと
なり、請求項3に係る生産ラインによれば、異なるモデ
ルに対しても、前記親パレットを基準とした組立、検査
を行うことが可能となり、何れも自動化を促進すること
が可能となる。
【0065】さらに、本発明の請求項4または5に係る
発明によれば、生産ラインの構成の自由度を高めること
が可能となる。そして、請求項6に係る生産ラインによ
れば、キーボードの生産において、上記請求項1から5
で得られる効果を享受することが可能となる。
【0066】また、本発明の請求項7に係る生産方法に
よれば、半自動化生産ラインの設備コストの上昇を抑制
しつつ効率的に自動化を促進することが可能となり、請
求項8に係る生産方法によれば、キーボードの生産にお
いて、かかる効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、パソコン用キーボ
ードの生産ラインを示す模式図である。
【図2】図1に示す生産ラインの搬送手段を構成するパ
レットを示す該略図である。
【図3】図1の組立ラインに採用されている多軸螺子止
め装置の正面模式図である。
【図4】図3に示す多軸螺子止め装置の側面図である。
【図5】図3に示す多軸螺子止め装置のパレット部分を
示す平面図である。
【図6】図1の組立ラインに採用されているファンクシ
ョンテスタの概観図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る、パソコン用キーボ
ードの生産ラインのレイアウトの別例を示す模式図であ
る。
【図8】従来の、パソコン用キーボードの生産ラインを
示す模式図である。
【符号の説明】
7 生産ライン 8 配膳ライン 9 組立ライン 10 梱包ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 潤 神奈川県藤沢市片瀬1丁目1番1号 ミネ ベア株式会社藤沢製作所内 Fターム(参考) 3C030 DA01 DA11 DA14 DA29 DA32 DA34 DA38 3C042 RB14 RL01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段にパレットを含み、組立ライン
    の第1工程以前に、全ての主要部品を決められた配列で
    前記パレット上へと載置する配膳ラインを有することを
    特徴とする生産ライン。
  2. 【請求項2】 前記パレットは、前記部品を所定位置に
    所定の姿勢で受け止める受け部を備えることを特徴とす
    る請求項1記載の生産ライン。
  3. 【請求項3】 前記パレットは、前記受け部を備える子
    パレットと、該子パレットを位置決めして着脱自在に保
    持する親パレットとを含むことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の生産ライン。
  4. 【請求項4】 前記配膳ラインを、前記組立ラインと平
    行して設けたことを特徴とする請求項1から3の何れか
    1項記載の生産ライン。
  5. 【請求項5】 前記配膳ラインを、前記組立ライン中に
    設けたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記
    載の生産ライン。
  6. 【請求項6】 前記部品は、キーボードに係るものであ
    る請求項1から5の何れか1項記載の生産ライン。
  7. 【請求項7】 主要部品の全てを決められた配列でパレ
    ット上に載置し、該パレットを組立ラインの第1工程に
    投入し、以後、搬送手段上で前記パレットを基準に組立
    または検査を行うことを特徴とする生産方法。
  8. 【請求項8】 キーボードの主要部品の全てを決められ
    た配列でパレット上に載置し、該パレットをキーボード
    組立ラインの第1工程に投入し、以後、搬送手段上で前
    記パレットを基準にキーボードの組立または検査を行う
    ことを特徴とする生産方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010029962A (ja) * 2008-07-26 2010-02-12 Kuroda Techno Co Ltd ワーク処理装置
CN107009146A (zh) * 2017-05-24 2017-08-04 广东顺德为艾斯机器人有限公司 一种用于组装pcb板载电源浪涌保护器的自动化生产线
CN107052784A (zh) * 2016-12-27 2017-08-18 珠海市捷锐科技有限公司 键盘自动组装生产线的键帽间距调整器
CN107662101A (zh) * 2017-11-15 2018-02-06 九江清研神盾科技有限公司 一种车桥自动化生产线的布局方式

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