JP2001259915A - 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置 - Google Patents

楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置

Info

Publication number
JP2001259915A
JP2001259915A JP2000081319A JP2000081319A JP2001259915A JP 2001259915 A JP2001259915 A JP 2001259915A JP 2000081319 A JP2000081319 A JP 2000081319A JP 2000081319 A JP2000081319 A JP 2000081319A JP 2001259915 A JP2001259915 A JP 2001259915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
workpiece
tool
shape
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000081319A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Saito
明 斎藤
Hiroyuki Nakano
浩之 中野
Yoshihiko Yamada
良彦 山田
Yoshinori Tokinobu
好典 時信
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Valeo Climate Control Corp, Toyoda Koki KK filed Critical Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority to JP2000081319A priority Critical patent/JP2001259915A/ja
Publication of JP2001259915A publication Critical patent/JP2001259915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先に加工した形状を測定することで得られた
標準形状からのズレを工具半径の変化に起因するズレと
熱変位に起因するズレとに分離しなくても補正できると
ともに、補正量が工作物の回転角度によらずに一様な値
とできる加工技術を実現する。 【課題を解決するための手段】 第1軸Cの回りに工作
物Wを回転させる工程、その第1軸に直交する第2軸
(X)に沿って工具Tと工作物Wを相対移動させる工
程、その第1軸と第2軸に直交する第3軸(Y)に沿っ
て工具Tと工作物Wを相対移動させる工程を備え、前記
3工程を複合して実施することで加工点6での接線8を
前記第3軸(Y)に平行に維持する。この関係で加工す
ると、先に加工した形状が標準形状からずれているのに
対してX軸座標を一様に補正することでそのズレが補償
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転する工作物に対
して工具が相対的に移動しながら加工する技術に関す
る。特に工作物の回転中心からの距離が回転角度に応じ
て変化する形状に加工するのに適した加工技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば楕円形状や偏心円等、回転中心か
らの距離が回転角度に応じて変化する形状に加工する必
要がしばしば存在する。図6はベーンコンプレッサのハ
ウジングとなる部材61に楕円形状のボア62を加工す
る従来の加工技術を示す。従来の加工技術では、工作物
61を回転中心軸63の回りに回転させながら工具64
で加工する。工具64は工作物61の回転中心軸63
(以下C軸という)に直交する軸(以下X軸という)6
5に沿って移動する。工作物61のC軸63回りの回転
角度と工具64のX軸65に沿った座標とを同期して制
御することで、工作物61に楕円形状等の回転角度に応
じてC軸63からの距離が変化する形状62が加工され
る。この加工技術は2軸の制御によって意図した形状に
加工できるために、広く用いられている。
【0003】従来の加工技術では、図6(B)に良く示
されるように、C軸63からの距離が回転角度に応じて
変化する形状62に加工する場合、工具64の半径がゼ
ロでないために、加工点66が工具64の移動軸(X
軸)65から外れることになり、工作物61の回転角度
に対応して工具64の中心67のX軸座標を計算する過
程の随所で工具半径を考慮することが必要となる。
【0004】通常は工具64としてエンドミルや回転砥
石が使用される。これらの工具は多数の工作物61を加
工している内に工具半径が変化することがある。工具半
径が小さくなれば加工されるボア62の形状も小さくな
る。さらに、工具64と工作物61をX軸65に沿って
相対移動させるX軸移動機構は時に加熱され、熱変位に
起因する誤差がX軸座標に入り込むことがある。
【0005】図6の(C)と(D)は工具半径の変化に
抗して同一形状62に加工するために必要な工具中心の
X軸座標の補正量を示している。(C)において、Tb
は工具半径が大きい状態、Taは工具半径が小さくなっ
た状態を示す。工具半径の変化量ΔX1だけ、工具中心
67のX軸座標を補正すると、工具半径が大きい場合の
加工点66−2と工具半径が小さい場合の加工点66−
1が同一位置となる。(C)に示されるように、加工点
66での接線68が工具の移動軸(X軸)65に直交す
る場合、工具中心のX軸座標を工具半径の変化分だけ補
正すればよいことが確認される。これに対して、(D)
に示されているように、加工点66での接線68が工具
の移動軸(X軸)65に対して斜交する場合、工具半径
の変化によって加工点のX軸座標が変化することから
(工具半径が大きい場合の加工点66−2と、工具半径
が小さい場合の加工点66−1では位置が相違し、X軸
座標が相違する)、工具中心67のX軸座標の補正量Δ
X3を工具半径の変化分ΔX1以上にしなければならな
い。明らかに、工具半径が変化すると、その変化に抗し
て同一形状に加工するのに要する工具中心67のX軸座
標の補正量は工作物61の回転角度に応じて変化させな
ければならないことが確認される。一方、図6の(E)
と(F)は、X軸移動機構が熱変位して誤差を生じた場
合を示している。図示の場合、動作プログラム上でのX
軸座標がXcであるにもかかわらず、熱変位によって実
際のX軸座標がXdになる場合を示す。この場合は明ら
かに、工作物の回転角度にかかわらず、熱変位量ΔX2
に等しい量だけ工具中心のX軸座標を補正すればよいこ
とがわかる。従来の加工技術によると、工具半径の変化
分を補償するために必要な補正量と、熱変位を補償する
ために必要な補正量を別々に算出しなければならない。
また、工具半径の変化分を補償するために必要な補正量
は、工作物の回転角度ごとに細かく算出しなければなら
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先に加工された工作物
の形状を測定して標準加工形状からのズレを算出し、こ
のズレに基づいて次の加工時に必要な補正をすることが
できるはずである。しかしながら、従来の加工技術で
は、必要な補正量を算出するにあたって、工具半径の変
化に起因して生じたズレと、熱変位に起因して生じたズ
レとに分離し、それぞれに対して必要な補正量を算出し
なければならない。ここで問題なのは、先に加工された
工作物の形状を測定して標準加工形状からのズレを算出
することはできても、それを工具半径の変化に起因して
生じたズレと熱変位に起因して生じたズレとに分離する
ことができないことである。このために、従来の加工技
術では、先に加工された形状を測定してその後の加工に
際して補正する方式が取れない。本発明の一つの目的
は、先に加工した形状を測定して得られたズレを、工具
半径の変化に起因するズレと熱変位に起因するズレとに
分離しなくても補正量を算出できる加工技術を実現する
ことである。
【0007】X軸移動機構を工夫することで熱変位量を
事実上無視できる程度に小さくすることも不可能ではな
いであろう。この場合前記した第1の問題は生じない。
しかしながら、依然として工具半径の変化分を補正する
処理は必要とされる。この場合、先に説明したように、
工具中心のX軸座標の補正量を工作物の回転角度に応じ
て算出しなければならず、その計算に要する計算量が多
い。このために、先に加工した形状を測定し、その測定
結果に基づいて補正量を算出し、次の加工に際しては補
正量を加味して加工するサイクルにおいて、補正量の算
出処理の間は次の加工が開始できないという問題が現
れ、生産性が損なわれる。本発明の他の一つの目的は、
補正量が工作物の回転角度によらず、一様な値とできる
加工技術を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明に係わる加
工方法は、第1軸(C軸)の回りに工作物を回転させる
工程と、その第1軸に直交する第2軸(X軸)に沿って
工具と工作物を相対移動させる工程と、その第1軸と第
2軸に直交する第3軸(Y軸)に沿って工具と工作物を
相対移動させる工程を備えており、前記3工程を複合し
て実施することで加工点での接線を前記第3軸(Y軸)
に平行に維持することを特徴とする。また、本発明に係
わる加工装置は、第1軸(C軸)の回りに工作物を回転
させる手段と、その第1軸に直交する第2軸(X軸)に
沿って工具と工作物を相対移動させる手段と、その第1
軸と第2軸に直交する第3軸(Y軸)に沿って工具と工
作物を相対移動させる手段と、前記3手段を複合して制
御することで加工点での接線を前記第3軸(Y軸)に平
行に維持する制御手段とを有する。
【0009】上記方法と装置によると、工作物の加工面
と工具外周の接点、即ち加工点と工具中心を結ぶ線分は
常に第2軸(X軸)に平行に維持される。このために、
工具半径の変化分を補正する際には、工具中心の第2軸
(X軸)に沿った座標に対して工具半径の変化分を補正
すればよく、工作物の回転角度ごとに異なる補正量を算
出する必要がない。同様に、工具中心の第2軸(X軸)
に沿った座標に熱変位の影響が現れても、工具中心の第
2軸(X軸)に沿った座標に対して熱変位分を補正すれ
ばよい。即ち、工具半径の変化分の補正も、熱変位に対
する補正も、ともに共通的に工具中心の第2軸(X軸)
に沿った座標に対して直接的に施せばよい。このため
に、先に加工した形状を測定してその後の加工に際して
補正するに際して、先に加工した形状の測定結果から、
工具半径の変化に起因する分と熱変位に起因する分とに
分ける必要がなく、両者が複合して現れたズレ分をその
まま補正すればよいことになる。
【0010】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の実施形態のいく
つかの特徴を列挙する。 (形態1) 請求項1または2において、先に加工した
工作物を測定し、この測定結果と理想形状とを比較して
加工誤差を求め、この加工誤差に基づいて次の工作物の
加工に際して第2軸方向での工具と工作物の相対移動を
補正する。この形態において、工作物の測定は加工装置
の機上で実施しても機外で実施しても良い。また、工作
物の測定は工作物の輪郭の少なくても1箇所で測定すれ
ば足り、例えば、工作物が楕円形状の場合、その短径又
は長径の一方を測定すれば足りる。 (形態2) 形態1において、工具はエンドミルであ
り、工作物はベーンコンプレッサのハウジングであり、
加工する形状は楕円である。この形態によって、高性能
なベーンコンプレッサを安定的に製造することが可能と
なる。 (形態3) 形態1において、工作物の回転中心軸とエ
ンドミルの回転中心軸は平行に維持される。 (形態4) 形態1において、工具がX軸に沿って移動
し、工作物をC軸回りに回転させる部材がY軸に沿って
移動する。
【0011】
【実施例】図5は、本発明の加工装置の一つの実施例を
示しており、ベッド10を備えている。ベッド10上に
は紙面垂直方向に伸びる第2軸(X軸)案内台11が固
定されており、その案内台11によって工具主軸台テー
ブル14が第2軸(X軸)に沿って移動可能となってい
る。案内台11にはサーボモータ13が取り付けられて
おり、工具主軸台テーブル14はそのサーボモータ13
によって第2軸(X軸)に沿って移動される。また、サ
ーボモータ13にはエンコーダ12が取り付けられてお
り、そのエンコーダ12によって工具主軸台テーブル1
4のX軸座標が検出可能となっている。工具主軸台テー
ブル14上に工具主軸台15が固定され、工具主軸台1
5に工具主軸16が回転可能に支持されている。工具主
軸台15には工具主軸16を高速回転させる工具主軸モ
ータが収容されている。工具主軸16の先端に工具(こ
の場合はエンドミル)Tが取り付けられている。工具主
軸台15にはクーラントノズル17が固定されている。
工具Tは第2軸(X軸)に沿ってサーボモータ13で移
動され、そのX軸座標がエンコーダ12で検出される。
【0012】ベッド10上には紙面内で水平方向に伸び
る第1軸(Z軸)案内台18が固定されており、その案
内台18によってコラム21が第1軸(Z軸)に沿って
移動可能となっている。案内台18にはサーボモータ2
0が取り付けられており、コラム21はそのサーボモー
タ20によって第1軸(Z軸)に沿って移動される。ま
た、サーボモータ20にはエンコーダ19が取り付けら
れており、そのエンコーダ19によってコラム21のZ
軸座標が検出可能となっている。
【0013】コラム21には紙面内垂直方向に伸びる図
示されない第3軸(Y軸)案内台が固定されており、そ
の案内台によって工作物主軸台24が第3軸(Y軸)に
沿って移動可能となっている。コラム21にはサーボモ
ータ23が取り付けられており、工作物主軸台24はサ
ーボモータ23によって第3軸(Y軸)に沿って移動さ
れる。またサーボモータ23にはエンコーダ22が取り
付けられており、そのエンコーダ22によって工作物主
軸台24のY軸座標が検出可能となっている。工作物主
軸台24には工作物主軸25を第1軸(Z軸)に平行な
第1軸(C軸)の回りに回転させるサーボモータ28が
収容されている。工作物主軸26の先端に工作物(この
場合はベーンコンプレッサのハウジング)1を固定する
チャック26が取り付けられている。サーボモータ28
にはエンコーダ27が取り付けられており、そのエンコ
ーダ27によって工作物Wの回転角度が検出可能となっ
ている。
【0014】この加工機械は、加工開始時にコラム21
が前進して工作物Wを工具Tに接触させる。加工中はサ
ーボモータ28が工作物WをC軸の回りを回転させ、サ
ーボモータ23が工作物WをY軸に沿って移動させ、サ
ーボモータ13が工具TをX軸方向に移動させる。ここ
で、C軸と、X軸と、Y軸は相互に直交しており、それ
ぞれ、特許請求の範囲の、第1軸、第2軸、第3軸に相
当する。加工終了後にコラム21が後退して、工作物が
交換される。図示29は制御装置を示し、それぞれのエ
ンコーダ12、19、22、27の検出値が入力部30
に入力され、演算部31で必要な計算が実施され、出力
部32が各サーボモータ13、20、23、28の回転
角度を制御する。制御装置29はこの他に工具主軸回転
モータに接続されており、これを制御するが、図示の明
瞭化のために配線表示を省略する。
【0015】図1は、各サーボモータ13、23、28
が制御されることで実現される工作物Wと工具Tの相対
的位置関係を示す。図6と比較すると明らかに、加工
中、工作物Wは第1軸(C軸)の回りに回転され、工具
Tが第2軸(X軸)に沿って移動され、さらに、工作物
Wが第3軸(Y軸)に沿って移動される。即ち、図6に
示した従来の加工技術に比して、制御対象軸数が1だけ
増やされている。そしてこの加工技術では、増加した自
由度を生かして、加工点6での接線8が常にY軸(第3
軸)に平行でX軸(第2軸)に直交する位置関係を実現
する。
【0016】図2と図3は、工作物WのC軸回りの回転
角度と、工作物WのY軸座標と、工具TのX軸座標の計
算過程を示し、このようにして計算されるC軸回りの回
転角度とY軸座標とX軸座標に基づいて各サーボモータ
28、23、13の回転角度を制御すると、加工点6で
の接線8が常にY軸(第3軸)に平行でX軸(第2軸)
に直交する位置関係が実現される。
【0017】図2のステップS21では、加工後の形状
2を記述する数学的データを入力する。このデータは数
学的に有効なものであればその形式を問わない。ステッ
プS22では、工作物の回転角度をゼロとする。工作物
の回転角度は任意の角度から測定すればよく、図3の
(A)の場合、楕円2の長径3がx軸から時計回転方向
にθ0度回転したときに工作物Wの回転角度をゼロとす
る例を示している。図2のステップS23の計算では図
3(A)に示す楕円形状を回転させず、代りに、線分4
を反時計方向に回転させながら計算する。この座標系が
x−yで示される。
【0018】ステップS23は、ステップS27と、ス
テップS28からステップS23に戻る処理から明らか
に、繰り返し実行される。ここで、ステップS27での
インクリメントを1度とすると、ステップS23は、θ
を0度、1度、2度、3度、・・・359度と変化させ
ながら360回繰返される。ステップS23では、その
たびごとに、図3(A)の線分4を回転させながら、楕
円2のx座標とy座標を計算する。図3(A)は繰り返し
実行回数がn回目であることを示している。
【0019】ステップS24では、隣接する座標算出点
(この場合、回転角度が1度離れた位置)の位置関係か
ら、接線8のy軸に対する角度αを計算する。ステップ
S25では、図3の(B)に示すように、(x、y)点
の座標を、y軸から反時計回転方向にα度だけ傾けたY
軸を持つX−Y座標系での座標(X、Y)に座標変換す
る。ステップS26では、ステップS25で算出された
X座標と、Y座標と、その時の工作物の回転角度βを記
憶する。ここで、βはX軸と楕円2の長径3のなす角度
であり、α+θ0である。以上の処理を単位角度だけ増
大させながら、楕円を一周するまで繰返す。ステップS
28でYESとなったときには、図1の(A)(B)に
示される加工点6を記述するデータ、即ち、工作物Wの
長径4をX軸に対してβ度回転させた状態でX座標とY
座標で記述される加工点で加工すると、その加工点での
接線8がY軸に平行でX軸に垂直になる位置関係を実現
するデータが得られる。
【0020】実際の加工時には、図1(C)に示される
ところから明らかに、算出されたX軸座標から工具半径
をオフセットしたX軸座標に工具中心を位置させながら
加工する。このようにすると、図1(A)から(C)に
示されるように、加工点6での接線8がY軸に平行でX
軸に垂直に維持しながら加工が継続される。
【0021】加工中に工具半径が縮小すると、加工され
る楕円形状が小さくなる。この場合、加工された楕円形
状2の短径と長径を測定し、小さくなった分だけX軸座
標のオフセット量を小さくすれば良い。従来の技術のよ
うに、工作物の回転角度に応じて補正量を計算する必要
がない。
【0022】この方式によると、加工された楕円形状が
小さくなった原因が工具半径の変化に起因せず、熱変化
に起因するものであっても、結果的には正しく補正さ
れ、次に加工される形状は標準形状に復帰する。図1
(C)と(D)に示されるように、どちらの原因に起因
して加工形状が標準形状からずれても、それを補正する
手法が同一であることから、どちらの原因によって生じ
たズレかを区分する必要がない。また当然にズレ分ごと
に異なる補正処理をする必要もない。
【0023】この方式では、多数の工作物を加工する
間、工具半径を直接測定する必要がない。実際に加工さ
れた形状を測定し、標準形状から大きすぎる分、あるい
は、小さすぎる分を単純にX軸座標に反映すればよい。
通常の工作物は一定の許容範囲を許す為に、この許容範
囲内で大きすぎる、あるいはこの許容範囲内で小さすぎ
るのに応じて工具中心のX軸座標を補正していけば、次
に加工されるものはその許容範囲内でさらに標準形状に
近いものとなり、許容範囲内の製品を加工しつづけるこ
とができる。
【0024】上記では工作物の内径を楕円形状に加工す
る場合について例示したが、本発明の技術はこれに限ら
れない。図4(A)は、工作物の内面を部分楕円Aと部
分円弧Bが組み合わされた複合形状に加工する場合を例
示している。図4(B)は、工作物Wの外形を工具Tで
非円形形状に加工する場合を例示している。いずれの場
合にも、工作物の回転とX軸方向の移動を組合せた2軸
制御で加工できるものであるが、さらにY軸方向の移動
を利用することによって、加工点での接線が常時X軸に
直交する関係を維持しながら加工することが可能とな
る。このために、工具半径の変化やX軸移動機構の熱変
位を補正する処理がX軸座標の増減処理だけですみ、そ
の処理が短時間ですみ、かつ、工具半径の変化によるも
のとX軸移動機構の熱変位によるものとを区分する必要
がなく、結果的にいずれのものによるにせよ正しく補正
することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の加工方法と加工装置によると、
先に加工した形状を測定し、標準形状からのズレに応じ
て第2軸(X軸)座標を補正するだけでズレが補償され
ることになり、良質な加工を高効率で持続することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加工技術によると、加工形状のズレ
を補償するのに必要な補正量が一定の値を持つX軸座標
だけですむことを説明する図。
【図2】 加工点での接線がY軸に平行を保つ加工点を
実現する工作物回転角度と加工点の第2軸座標と第3軸
座標を算出する処理手順を示す図
【図3】 図2の処理内容を示す図
【図4】 本実施例の加工技術が好適に利用される形状
例を示す図。
【図5】 本実施例の加工装置を示す図。
【図6】 従来の加工技術を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 中野 浩之 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 山田 良彦 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 時信 好典 群馬県新田郡尾島町大字世良田3000番地 株式会社ゼクセル尾島工場内 Fターム(参考) 3C022 BB00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1軸の回りに工作物を回転させる工
    程、その第1軸に直交する第2軸に沿って工具と工作物
    を相対移動させる工程、その第1軸と第2軸に直交する
    第3軸に沿って工具と工作物を相対移動させる工程を備
    え、前記3工程を複合して実施することで加工点での接
    線を前記第3軸に平行に維持する加工方法。
  2. 【請求項2】 第1軸の回りに工作物を回転させる手
    段、その第1軸に直交する第2軸に沿って工具と工作物
    を相対移動させる手段、その第1軸と第2軸に直交する
    第3軸に沿って工具と工作物を相対移動させる手段、前
    記3手段を複合して制御することで加工点での接線を前
    記第3軸に平行に維持する制御手段とを有する加工装
    置。
JP2000081319A 2000-03-23 2000-03-23 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置 Pending JP2001259915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081319A JP2001259915A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081319A JP2001259915A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001259915A true JP2001259915A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18598274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081319A Pending JP2001259915A (ja) 2000-03-23 2000-03-23 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001259915A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111472460A (zh) * 2020-04-21 2020-07-31 淮安市博彦土木工程科学研究院有限公司 一种对位预留孔错位可调节填芯式补偿垫板及其使用方法
CN114578755B (zh) * 2022-03-03 2024-04-02 东莞市正森精密零件有限公司 一种具有刀具自动进给补偿功能的数控加工装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0751916A (ja) * 1993-08-17 1995-02-28 Toyo A Tec Kk スクロール状工作物の加工方法及び装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0751916A (ja) * 1993-08-17 1995-02-28 Toyo A Tec Kk スクロール状工作物の加工方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111472460A (zh) * 2020-04-21 2020-07-31 淮安市博彦土木工程科学研究院有限公司 一种对位预留孔错位可调节填芯式补偿垫板及其使用方法
CN114578755B (zh) * 2022-03-03 2024-04-02 东莞市正森精密零件有限公司 一种具有刀具自动进给补偿功能的数控加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4963805A (en) Numerical control apparatus for machining non-circular workpieces
EP2221689B1 (en) Machine tool and controlling method thereof
CN113518690B (zh) 切削装置以及接触位置确定程序
JP2002103220A (ja) 加工部の測定方法及び加工方法
CN1856386A (zh) 带有同心度修正的研磨机
US5175680A (en) Synchronizing control apparatus
KR20130046438A (ko) 스크롤 가공방법 및 가공장치
JPH0675818B2 (ja) アンギユラ研削盤
JP2003191131A (ja) 事実上円筒形の内歯車または外歯車の切削加工方法
KR100310814B1 (ko) 스크롤상공작물의가공방법및장치
KR20030084749A (ko) 수치 제어 공작 기계에 있어서의 가공 오차 보정 방법 및이를 이용한 연삭반
JP6803043B2 (ja) 工作機械の幾何誤差測定方法
JP3093935B2 (ja) バイト工具による主軸回転角制御式切削加工方法
JP6865413B2 (ja) Nc旋盤及びこれを用いた切削加工方法
JP2001259915A (ja) 楕円形状等の非円形形状の加工方法と加工装置
JP7469466B2 (ja) 工作機械の制御装置、制御システム
US6908265B2 (en) Method of machining workpieces having straight surface recesses
JPH0649260B2 (ja) 同期制御装置
JP4088071B2 (ja) 複合加工用工作機械におけるワ−ク端面位置検出手段およびワ−ク端面位置検出方法
EP0950214A1 (en) Method of controlling a machine tool
JPH05200649A (ja) 工具心出し装置
JP4048434B2 (ja) 溝加工方法及び数値制御装置
JPH06246589A (ja) 機内測定による非円形ワークの誤差補正方法
JP7494596B2 (ja) 歯車加工装置
JPH09265308A (ja) 数値制御加工方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070511

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100921