JP2001259608A - 汚染土壌の浄化処理方法 - Google Patents
汚染土壌の浄化処理方法Info
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Abstract
染された土壌を、確実に、しかも経済的に処理し、無害
化することができる汚染土壌の浄化処理方法を提供する
こと。 【解決手段】 土壌から有機性汚染物質を取り除くため
の汚染土壌の浄化処理方法であって、汚染土壌に水を加
えて混合してスラリー状とした後、該スラリーを金属イ
オンを触媒とした酸化剤による酸化分解処理して有機性
汚染物質を分解して汚染土壌を浄化することを特徴とす
る汚染土壌の浄化処理方法。
Description
性の疎水性有機化合物で汚染された土壌の浄化に好適な
汚染土壌の浄化処理方法に関する。
時代にあっては、工場等で使用された化学物質に対して
現在のような完全な廃液処理が行なわれていなかった。
このため、工場跡地等には、PCB等に代表される不揮
発性の疎水性有機化合物(以下、PCB等と呼ぶ)で汚
染された土壌が存在しており、その浄化処理が問題とな
ってきている。これに対し、PCB等によって汚染され
土壌を浄化処理する場合には、PCB等が土壌に散在し
混入しているので大量の土壌と共に処理しなければなら
ず、大掛かりな処理が必要となり、容易なことではな
い。現在知られている方法としては、例えば、熱分解
法、アルカリ触媒化学分解法、溶融固化法等がある。し
かしながら、いずれも簡便で確実な処理方法とはいえ
ず、汚染土壌が安全基準を満たすように浄化され、しか
も処理工程数が少なく、経済的に浄化を行なうことがで
きるシステムは未だ確立されておらず、汚染土壌を確実
にしかも経済的に処理できる方法の開発が待望されてい
る。
は、PCB等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染され
た土壌を、確実に、しかも経済的に処理できる汚染土壌
の浄化処理方法を提供することにある。
発明によって達成される。即ち、本発明は、土壌から有
機性汚染物質を取り除くための汚染土壌の浄化処理方法
であって、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状と
した後、該スラリーを金属イオンを触媒とした酸化剤に
よる酸化分解処理して有機性汚染物質を分解して汚染土
壌を浄化することを特徴とする汚染土壌の浄化処理方法
である。
て本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、上記し
た従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、汚染
土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリー
を金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解処理す
れば、土壌中のPCB等の不揮発性の疎水性有機化合物
が分解されることを知見して本発明に至った。即ち、汚
染土壌の浄化処理に対しては、下記のような一連の処理
方法が有効であることがわかった。以下、図1に示した
フローチャートに従って本発明の汚染土壌の浄化処理方
法について説明する。
土壌に対して必要に応じて前処理を行なうことが好まし
い。前処理としては、掘削された土壌に一緒に含まれる
石やコンクリート塊や岩等を砕いた後、篩や土砂分離機
を用いてゴミ等の夾雑物や小石や砂を除去して土だけに
することが好ましい。前処理するための装置としては、
土壌に含まれる石やコンクリート塊等を砕くための、例
えば、ハリケーン(商品名、新六精機(株)製)を好適
に用いることができる。かかる装置を用いれば、石等
を、その用途に応じて、解砕・解膠・摩砕等することが
できるため、土壌から分離されるこれらの材料の有効利
用が図れる。更に、上記のようにして夾雑物等を取り除
いた後、土を細粒化しておくことも好ましい。このよう
にすれば、PCBの分解効率をより向上させることがで
きる。
は、必要に応じて上記のような前処理がされた土壌に水
を加えて混合撹拌して、スラリー状にする。土壌と水と
の割合は、容量で、土壌:水=1:40〜1:1とする
ことが好ましい。この際、エタノールやメタノール等の
水溶性の有機溶剤を添加してもよい。このようにすれ
ば、その後に行なうPCB等の酸化分解効率をより向上
させることができる。
記のようにして水を加えてスラリー状とした土壌に対し
て金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解処理を
行なう。以下、金属イオンを触媒とした酸化剤による酸
化分解処理について説明する。
て混合撹拌したスラリーを、金属イオンを触媒とした酸
化剤による酸化分解による方法で処理すると、明白では
ないが、一つには、強力な酸化剤である・OH(ヒドロ
キシルラジカル)が発生するため、該ヒドロキシルラジ
カルによってPCB等の有機性汚染物質が分解し、この
結果、土壌が浄化されるものと考えられる。金属イオン
を触媒とした酸化剤による酸化分解処理の具体的な方法
としては、例えば、鉄イオンを触媒とし、過酸化水素を
酸化剤として、且つ、上記スラリーを40〜100℃に
加温する条件、更に好ましくは、加温加圧下で、酸化剤
として過酸化水素を用い、且つ、金属触媒の存在下、p
H5以下の酸性条件で処理する方法を用いることができ
る。これらの方法によれば、上記スラリー中に含まれて
いる有機性物質を、炭酸ガス、水等にまで分解すること
が可能であり、無害化できる。
る酸化剤としては、従来公知の化学酸化方法において使
用されている酸化剤、例えば、過酸化水素、過酸化カル
シウム、過硫酸アンモニウム、アルキルヒドロペルオキ
シド、過酸エステル、過酸化ジアルキル又はジアシル等
を使用することが可能であるが、コストや副生物等の点
からみて過酸化水素が最も好ましい。過酸化水素等の酸
化剤の使用量は、特に限定されず、処理するスラリーの
性状によって変化するが、好ましい使用量としては、ス
ラリー1g(dry)に対して0.01〜1.0gの範
囲である。
鉄、チタン、セリウム、銅、マンガン、コバルト、バナ
ジウム、クロム、鉛のイオン等が使用され、これらの金
属、金属酸化物、金属塩、錯体等いずれの形態でもよ
い。本発明において特に好ましいものは鉄イオンであ
る。鉄イオンには、従来技術においては第一鉄イオンが
使用されたが、本発明においては第一鉄イオンは勿論、
第二鉄イオンも有効であり、更に、鉄屑等の如き金属鉄
や鉄イオンをイオン交換樹脂等で固定した固定鉄イオン
も使用することが出来る。この触媒としての鉄イオンの
使用量は、過酸化水素等の酸化剤100mg/l当たり
約1〜1000mg/lで十分な処理効果を挙げること
が出来る。
る酸化分解に使用する反応処理のフローを示したが、例
えば、加圧しない系においては、スラリーに、先ず、触
媒を加え、更に、容器内がpH3以下の酸性に保たれる
ようにし、且つ40〜100℃程度に加温することで、
触媒として加えた金属等が金属イオンとなって活性を有
するようにして処理する。次に、この状態の金属イオン
を含むスラリーに、過酸化水素等の酸化剤を適宜な濃度
となる様に添加することで、酸化処理を行なう。
3.5に保たれる様に調節して反応を行なうことが好ま
しい。更に、酸化反応は反応液を加温して行うことが好
ましいが、加温温度としては、好ましくは40℃〜10
0℃の範囲、更に好ましくは50℃〜80℃の範囲であ
る。処理温度が40℃未満である場合には、酸化に時間
がかかり、酸化効率が不十分で且つ過酸化水素等の酸化
剤の利用効率が不十分である。又、100℃を超える温
度としても、それ以上の処理効果を期待することが出来
ず、更に過酸化水素等の酸化剤の自己分解が大きくな
り、利用効率が低下すると同時に、加熱エネルギー消費
も大になるので、経済性の点で好ましくない。加熱する
手段としては、水蒸気等の吹込み、工場における他の温
水等による熱交換等、任意の手段を利用することが出
来、反応液が適宜の温度に加温され維持されれば、加温
方法は特に限定されない。
ズ、撹拌機の性能、温度等によって異なるが、例えば、
スラリー(固形分約20重量%)の量が10m3で酸化
温度が50℃で充分な撹拌が行われる場合には、約0.
5〜5時間の反応温度で充分であり、土壌に含まれるP
CB等の有機性汚染物質を酸化分解して無害化できるこ
とが確認された。
する。加温加圧する系においては、スラリーに、先ず酸
を加え、更に触媒を加えることで、容器内がpH5以下
の酸性に保たれ、触媒として加えた金属等が金属イオン
となって活性を有するように処理される。次に、この状
態の金属イオンを含むスラリーに、過酸化水素を適宜な
濃度となるように添加して酸化処理を行なう。この際、
加温加圧の状態で反応させる。具体的には、温度を10
0〜370℃、好ましくは150〜250℃の範囲に加
温して酸化処理を行なう。本発明の汚染土壌の浄化処理
方法においては、従来の湿式酸化法と比べて比較的、低
温、低圧で処理できる。従来の湿式酸化法では、高濃度
の有機物を含む水溶液に対し、例えば、16〜200気
圧の圧力下、200〜370℃の温度で空気を導入し、
有機物を酸化分解する。反応させるスラリーを加熱する
手段としては、例えば、水蒸気等の吹込み、工場におけ
る他の熱交換等、任意の手段を利用することができる。
しかし、酸化分解処理するスラリーが適宜の温度に加温
加圧され、その状態を維持できれば、その方法は特に限
定されない。
機等によって水を絞り、その後、水酸化ナトリウム等の
アルカリを加えてpH6.5〜7.5にして中和し、掘
削した場所に埋戻せばよい。中和した後、再度、水を絞
ってもよい。圧搾機により絞り出された水は、再度、土
壌の浄化処理に用いればよい。
説明する。 <実施例1>図1に示したフローに従って、採取後、前
処理したPCBで汚染された土壌0.2リットルに水
0.8リットルを加えて10分間、混合撹拌してスラリ
ーとした。使用した土壌中のPCBをGC−ECDによ
って測定したところ、汚染濃度は、20ppmであっ
た。次に、このスラリーに、触媒として鉄触媒を用い、
試験開始当初のスラリー中の鉄イオン濃度が100mg
/lになるようにFe(OH)3を添加した。酸化剤とし
ては過酸化水素を用いた。又、酸化分解容器内のスラリ
ーの温度が60℃となるように、ヒータによって加温し
た。反応時間は、300分間とした。上記のようにして
酸化処理されたスラリーのPCBの濃度を測定したとこ
ろ、PCBは検知されなかった。
オートクレーブを使用して、この中に実施例1で使用し
たと同様のスラリーを入れて、該スラリーを加温加圧し
て湿式酸化処理を行った。反応条件は、温度を200℃
とし、初期反応pHを3とし、圧力16kg/cm2の
条件下で行なった。過酸化水素を酸化剤として用い、そ
の量は、理論酸素量の2倍とした。触媒としては、鉄触
媒を用い、試験開始当初に鉄イオンとして20mg/l
になるようにFe(OH)3を添加した。上記のようにし
て酸化処理されたスラリーのPCBの濃度を測定したと
ころ、PCBは検知されなかった。
均粒径が72μm程度となるようにした以外は実施例1
と同様にして、PCBの浄化処理を行なった。その結
果、酸化処理されたスラリーのPCBの濃度を測定した
ところ、PCBは検知されなかった。
応槽に添加した以外は実施例1と同様にして、酸化分解
を行なった。酸化処理されたスラリーのPCBの濃度を
測定したところ、PCBは検知されなかった。
PCB等で汚染された土壌からPCB等の汚染物質を効
率よく、経済的に取り除き、無害化することができる汚
染土壌の浄化処理方法が提供される。
処理フローの概略である。
Claims (4)
- 【請求項1】 土壌から有機性汚染物質を取り除くため
の汚染土壌の浄化処理方法であって、汚染土壌に水を加
えて混合してスラリー状とした後、該スラリーを金属イ
オンを触媒とした酸化剤による酸化分解処理して有機性
汚染物質を分解して汚染土壌を浄化することを特徴とす
る汚染土壌の浄化処理方法。 - 【請求項2】 予め前処理して夾雑物及び小石を取り除
いた汚染土壌に対して浄化処理を行なう請求項1に記載
の汚染土壌の浄化処理方法。 - 【請求項3】 酸化分解を、金属イオンが鉄イオンで、
酸化剤が過酸化水素であり、且つスラリーを40〜10
0℃に加温した条件で行う請求項1又は2に記載の汚染
土壌の浄化処理方法。 - 【請求項4】 酸化分解を、加温加圧下で、酸化剤とし
て過酸化水素を用い、且つ、金属触媒の存在下、pH5
以下の酸性条件で行う請求項1又は2に記載の汚染土壌
の浄化処理方法。
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JP2000080732A JP3553454B2 (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | 汚染土壌の浄化処理方法 |
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JP2001259608A true JP2001259608A (ja) | 2001-09-25 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006015287A (ja) * | 2004-07-02 | 2006-01-19 | Kankyo Eng Co Ltd | 土壌の浄化処理方法及び土壌の浄化処理装置 |
JP2018126703A (ja) * | 2017-02-10 | 2018-08-16 | 前田建設工業株式会社 | 難分解性有機化合物の分解浄化方法 |
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