JP2001258420A - 珪藻類増殖用珪素溶出材料 - Google Patents
珪藻類増殖用珪素溶出材料Info
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Abstract
水中で珪素分を効率良く溶出する珪藻類増殖用珪素溶出
材料を提供する。 【解決手段】 SiO2-B2O3-Na2O/K2O系ガラス質材料から
なり、Na2O及び/又はK2O を5モル%以上20モル%以
下の割合で含むと共に、SiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2
O3)が0.5以上2.0以下であって、実質的に鉄分を
含まない珪藻類増殖用珪素溶出材料であり、単体で、あ
るいは、その他の第四成分を溶出するガラス質材料と組
み合わせて使用され、有害赤潮の発生を防止したり、二
枚貝の養殖に用いたり、あるいは、貝毒の発生を防止す
る等の上で有用である。
Description
大きさに成形し、あるいは、他の基体に担持させ、海中
の有光層や陸上の培養設備等の海水中に散布し、配置
し、あるいは人工漁礁等として設置し、その周辺に珪藻
類を増殖させるために用いる材料に関し、特に、シャッ
トネラ等のラフィド藻(緑色鞭毛藻類)やギムノディニ
ウム等の渦鞭毛藻類等による有害赤潮の発生を防止した
り、真珠貝(アコヤガイ、マベガイ、シロチョウガイ
等)、カキ、ホタテ等の二枚貝の養殖に必要な珪藻類を
増殖させたり、あるいは、ヘテロカプサ等の渦鞭毛藻類
等による貝毒の発生を防止するのに有用な珪藻類増殖用
珪素溶出材料に関する。
るいは人工魚礁等として設置されて珪素分を溶出する材
料として、幾つかのガラス質材料を提案した。例えば、
特許第 2,577,319号掲載公報においては、珪素(Si)、ナ
トリウム(Na)及び/又はカリウム(K) 、及び鉄(Fe)をそ
れぞれSiO2換算で30〜70重量%、Na2O及び/又はK2
O (以下「Na2O:K2O」と略記する)換算で10〜50重
量%、及び Fe2O3換算で5〜50重量%の割合で含有
し、二価の鉄の含有量が1重量%以上であるガラス質材
料(SiO2-Na2O:K2O-Fe2O3(FeO)系ガラス質材料)、ある
いは、 このガラス質材料に対して更にP2O5換算で1〜3
0重量%のリン(P) を、 及び/又は、 MnO換算で0.1
〜5重量%のマンガン(Mn)をそれぞれ添加してなるガ
ラス質材料が提案されており、藻場に集まる魚介類の育
成や増殖に有用であることが開示されている。
(イ)珪素及びナトリウムをそれぞれSiO2換算で45〜
75重量%及びNa2O換算で25〜55重量%の割合で含
有するガラス質材料(SiO2-Na2O 系ガラス質材料)、
(ロ)珪素、ナトリウム及び/又はカリウム、及び鉄を
それぞれSiO2換算で30〜70重量%、Na2O:K2O換算で
10〜50重量%、及び Fe2O3換算で5〜50重量%の
割合で含有し、二価の鉄の含有量が1重量%以上である
ガラス質材料(SiO2-Na2O:K2O-Fe2O3(FeO)系ガラス質材
料)、(ハ)上記(ロ)のガラス質材料に更にP2O5換算
で1〜30重量%のリンを含有するガラス質材料(SiO2
-Na2O:K2O-Fe2O3(FeO)-P2O5 系ガラス質材料)、(ニ)
上記(ロ)又は(ハ)のガラス質材料に更に MnO換算で
0.1〜5重量%のマンガンを含有するガラス質材料
(SiO2-Na2O:K2O-Fe2O3(FeO)-MnO系又はSiO2-Na2O:K2O-
Fe2O3(FeO)-P2O5-MnO 系ガラス質材料)、及び、(ホ)
珪素、硼素(B) 、二価の鉄、三価の鉄、ナトリウム、及
びカリウムをそれぞれSiO2換算で20〜50重量%、B2
O3換算で40〜60重量%、 FeO換算で1〜10重量
%、 Fe2O3換算で1〜10重量%、Na2O換算で0〜10
重量%、及び K2O換算で0〜15重量%の割合で含有
し、Na2OとK2O の合計量が5〜20重量%であるガラス
質材料(SiO2-Na2O-K2O-FeO-Fe2O3-B2O3系ガラス質材
料)が提案されており、これらのガラス質材料を使用し
て珪藻類の増殖を促進させ、また、優占させることによ
り鞭毛藻類の増殖を継続的に抑制せしめ、有害赤潮の発
生を未然に防止することが開示されている。
価の鉄イオンを溶出可能であって、SiO2:15〜50重
量%、Na2O:K2O:1〜35重量%、B2O3:30〜70重
量%、及び、FeO 及び/又はFe2O3 (以下「FeO:Fe
2O3 」と表記する):1〜40重量%を主成分とするガ
ラス質材料(SiO2-Na2O:K2O-FeO:Fe2O3-B2O3系ガラス質
材料)が提案されており、有用な海藻類や植物プランク
トン等の藻類を増殖させることが開示されている。
10-94,341号公報記載の珪素溶出を目的としたSiO2-Na2
O 系ガラス質材料を除き、そのいずれも藻類を増殖させ
るのに有効な成分、 特に珪素分や鉄分を海水中に溶出さ
せ、これによって藻場に集まる魚介類の育成や増殖に有
用な藻類を増殖させたり、あるいは、珪藻類の増殖を促
進させ、鞭毛藻類の増殖を抑制して有害赤潮の発生を未
然に防止したり、更には、有用な海藻類や植物プランク
トン等の藻類を増殖させるものであって、それぞれ初期
の目的を達成するものである。
ば、SiO2-Na2O 系ガラス質材料においては、周囲の海水
中の水素イオン濃度がpH9未満であると、ナトリウム
イオンと水素イオンとのイオン交換が優先して珪素分の
溶出が低調であり、また、水素イオン濃度がpH9以上
になると、周囲の水酸化物イオン(OH- )によるガラス
骨格への攻撃が始まって急激に珪素分の溶出が進むよう
になる。
いては、海流等の影響にもよるが、海水中に浸漬後3〜
5日間は珪素分の溶出が少なく、珪素分の溶出が始まる
までに約1週間程度のタイムラグが生じてしまい、例え
ば有害赤潮の発生の兆候がみられて早急に珪素分を供給
する必要があるような場合には全く対応できないことも
あり、また、海水中に浸漬後1週間程度経過して珪素分
の溶出が始まると、急激に珪素分の溶出が始まって周囲
の海水中に溶けきれなくなり、その結果ゲル状シリカが
発生し、例えば水槽で使用する場合にはその底部に堆積
して汚染の原因になり、また、使用場所によっては配管
等を閉塞する等の問題も引き起こす場合もあり、珪素分
を溶出させるための材料としては使い難いという問題が
ある。
分を摂取して増殖するが、この様な成分として窒素やリ
ンの他に珪素分、鉄分、マンガン等の成分も必要である
といわれており、特に二価の鉄イオンが溶存していると
その増殖効果が大きいとされている。このため、珪素分
や鉄分等を海水中にバランス良く溶出するSiO2-Na2O系
以外のガラス質材料については、特に藻類の生育に有効
であるといわれる鉄分が溶出されるため、一般的には良
好な藻類の増殖が達成される。
る環境下では殻の形成に珪素を必要とする珪藻類が優占
的に増殖し、珪素分が優先的に消費されて徐々に珪素分
が不足してくる傾向にあり、加えて、沿岸海域において
は生活廃水や工業排水に起因して海水中の窒素やリン等
の栄養塩が増加し、富栄養化が進んでいると共に陸上か
ら雨水等に伴って供給される珪素分も低下しており、一
般に窒素やリン等の栄養塩に対して相対的に珪素分が過
度に不足し、鞭毛藻類や渦鞭毛藻類が増殖し易い環境に
なっている。
分を溶出するガラス質材料を比較的富栄養化が進んだ沿
岸海域で用いると、珪素分が枯渇し、また、珪素分以外
の他の栄養塩が相対的に過剰になり、用いたガラス質材
料から溶出される鉄分が引き金となって鞭毛藻類や渦鞭
毛藻類が異常に増殖し、結果として有害赤潮の発生や貝
毒の発生が起こり易いという問題がある。
枚貝の養殖を行なう海域等においては、ゲル状シリカを
生成することなく海水中に安定してかつ効率的に珪素分
のみを溶出し、特に鉄分については実質的に溶出しない
珪藻類増殖用の珪素溶出材料が必要であり、かかる珪素
溶出材料の開発が要請されていた。
は、この様な珪藻類増殖用珪素溶出材料について鋭意検
討した結果、Na2O及び/又はK2O を所定の割合で含むと
共にSiO2とB2O3とを所定のモル比(SiO2/B2O3)で含有
する特定のSiO2-B2O3-Na2O:K2O系ガラス質材料が、海水
中での珪素分の溶出性に優れていると共に、ゲル状シリ
カを生成せずに使用し易く、また、実質的に鉄分を溶出
しないことを見出し、本発明を完成した。
実質的に鉄分を溶出せず、海水中で珪素分を効率良く溶
出する珪藻類増殖用珪素溶出材料を提供することにあ
る。
O2-B2O3-Na2O:K2O系ガラス質材料からなり、Na2O及び/
又はK2O を5モル%以上20モル%以下の割合で含むと
共にSiO2とB2O3とのモル比(SiO2/B2O3)が0.5以上
2.0以下であって、実質的に鉄分を含まない珪藻類増
殖用珪素溶出材である。
Na2O及び/又はK2O 、すなわちアルカリ分(Na2O:K2O)
は、このガラス質材料中に5モル%以上20モル%以下
の割合で含まれていることが必要であり、好ましくは7
モル%以上12モル%以下の割合で含まれているのがよ
い。このアルカリ分の割合が5モル%より少ないと、ガ
ラス質材料が硬くなり過ぎ、溶融し難くなり、珪藻類増
殖用珪素溶出材料として所定の形状に成形するのが難し
くなり、反対に、20モル%より多くなると、珪素分の
溶出量が低下して目的とする珪藻類増殖用珪素溶出材料
とするのが難しくなる。
については、これら両者間のモル比(SiO2/B2O3)が
0.5以上であって2.0以下である必要があり、好ま
しくは0.75以上1.5以下であるのがよい。このモ
ル比(SiO2/B2O3)が0.5より小さくなると、海水中
への珪素分の溶出速度は増すものの、ガラス質材料中に
含まれる珪素分の含有量が少なくなり過ぎ、必然的に寿
命が短くなって長期間に亘って安定的に珪素分を溶出さ
せるのが難しくなり、反対に、2.0より大きくなる
と、海水中への珪素分の溶出速度が低下し、一定の海域
に所定量の珪素分を溶出させるのにあまりにも多量のガ
ラス質材料が必要になり、現実的でない。
SiO2とB2O3とは、計算上概ね、SiO2が26〜64モル
%、好ましくは34〜57モル%の割合であって、B2O3
が64〜26モル%、好ましくは54〜32モル%の割
合である。上記アルカリ分(Na2O:K2O)及びSiO2とB2O3
との間のモル比(SiO2/B2O3)を三元系組成図で示す
と、図1の通りであり、斜線部分が本発明のガラス質材
料の範囲であって、この斜線部分の中の網かけ部分が好
ましい範囲である。
に着目してみると、本発明のSiO2-B 2O3-Na2O:K2O系ガラ
ス質材料の場合、その種々の物性がB2O3とNa2O:K2Oとの
比に影響される。 すなわち、 ガラス構造に着目すると、
SiO2-B2O3-Na2O:K2O系ガラス質材料は、そのアルカリ分
(Na2O:K2O)の増加に伴って、一部の硼素の配位数が3
配位→4配位→3配位と変化するが、4配位硼素の割合
が最大のとき((Na2O:K2O)/B2O3が約0.4のとき)に
構造が最も丈夫になって珪素分が溶出し難くなり、ま
た、非架橋酸素の生成により3配位化した場合には結晶
化が起こってガラス化が困難になる。そこで、このSiO2
-B2O3-Na2O:K2O系ガラス質材料においては、硼素分の溶
出性を考慮すると、結果としてアルカリ分(Na2O:K2O)と
B2O3のモル比((Na2O:K2O)/B2O3)が0.4未満である
のがよく、通常は0.1≦(Na2O:K2O)/B2O3<0.4の
範囲内であり、好ましくは0.1≦(Na2O:K2O)/B2O3≦
0.35の範囲内であるのがよい。
しては、その使用目的や海域の環境を考慮して、基本的
には上記アルカリ分(Na2O:K2O)の含有量及びSiO2とB2O3
とのモル比(SiO2/B2O3)の範囲内で決定されるが、好
ましくは上記アルカリ分(Na2O:K2O)とB2O3のモル比((N
a2O:K2O)/B2O3)を考慮して決定するのがよい。
は、ガラス質材料中に実質的に鉄分(FeO:Fe2O3) を含ま
ないことが必要である。ここで、「実質的に含まない」
とは、ガラス質材料の製造の際に意識的に添加しないと
いう意味であり、使用するガラス製造用原料やガラス製
造工程から不可避的に混入する鉄分を排除するものでは
ないが、その含有量はガラス質材料の一般的な製造上不
可避的に混入する可能性のある量の0.05モル%以下
であるのが好ましい。鉄分が珪素濃度の低い海水中に添
加されると、鞭毛藻類や渦鞭毛藻類が異常増殖し、その
結果として有害赤潮が発生する原因にもなりかねない。
おいては、リン、マンガン、マグネシウム等のその他の
第四成分について、適用される海域の海水中に藻類の増
殖にとって足りない成分を添加することが可能である。
トリウム及び/又はカリウムを含む公知のガラス製造用
原料を用い、これらを所定の割合で混合した後、例えば
1200〜1500℃の高温で20〜120分間加熱す
る等の高温加熱下の条件で溶融し、次いで冷却するとい
う公知の方法により製造することができる。
質化してその表面積を大きくし、これによって更に溶出
速度を高めるようにしてもよく、この多孔質化の方法と
しても公知の方法を採用することができ、例えば、上記
の方法で形成されたガラス質材料の粉末に炭化珪素粉
末、炭素粉末、炭酸カルシウム粉末等の発泡性材料を所
定の割合で配合し、これを600〜900℃で5〜60
分程度加熱溶融する方法や、上記の方法でガラス質材料
を形成する際に空気や、窒素等の不活性ガスを吹き込む
方法等が挙げられる。
本発明の珪藻類増殖用珪素溶出材は、その使用目的や海
水中に浸漬した際の寿命等を考慮し、所定の形状及び大
きさに成形され、あるいは、他の基体に担持させること
により製造される。例えば、粒径1〜100mmφ、好ま
しくは2〜10mmφの球状あるいは破砕形状に形成した
り、あるいは、粉末状、粒状、塊状等の形状やその他適
当な大きさのプレート状、シート状等の形状に形成した
り、若しくは、コンクリート構造物、鋼材、石材、建築
廃棄物、天然岩場等の適当な基体に担持させ、海中の有
光層や陸上の培養設備等の海水中に散布し、配置し、あ
るいは人工魚礁等として設置し、その周辺に珪藻類を増
殖させるために用いられる。
は、有害赤潮の発生防止、二枚貝養殖のための珪藻類プ
ランクトンの増殖、貝毒の発生防止等の使用目的によっ
ても異なるが、例えば有害赤潮の発生防止のためには、
これを効果的に達成するために、2〜3カ月間に亘って
海水中に所定の濃度を例えば5μM/リットル以上の濃
度に保つ。
は、その使用目的や周辺海域の海水中溶存元素の種類と
その量等に応じて、鉄分や、リン、マンガン、マグネシ
ウム等の他の成分(第四成分)を溶出するガラス質材料
と併用し、珪素分に加えて海水中に制御された量の鉄分
や第四成分を溶出させるようにしてもよい。
て、本発明の実施の形態を説明する。
ス製造用原料として珪砂、炭酸ナトリウム、及び酸化ホ
ウ素を使用し、得られたガラス質材料中のSiO2、B2O3、
及びNa2Oが表1に示す組成となるようにミキサー中で混
合し、この混合物を予め1200〜1500℃に予熱し
ておいた電気炉に入れて60分間加熱溶融させ、次いで
得られた溶融物を鉄板上に流延して冷却し、更に1.0
〜1.4mmφの大きさに粉砕し、SiO2-B2O3-Na2O系ガラ
ス質材料からなる破砕形状の実施例1〜12及び比較例
1〜5に係る珪藻類増殖用の珪素溶出材を調製した。
について、Na2O:15,500ppm、 K2O:1,100ppm 、 CaO:74
0ppm、 MgO:1,900ppm、 Cl:20,400ppm、 及びSO4:2,900ppm
の組成を有する人工海水中に5g/リットルの割合で、
また、20℃の条件で浸漬し、各珪素溶出材から溶出さ
れる珪素分(SiO2)を経時的に測定した。
溶出材について、1日後、3日後、7日後、14日後、
及び28日後にそれぞれ測定された溶出珪素分(SiO2)
濃度を図2に示す。
比較例1の珪素溶出材は、3日後迄は珪素分の溶出が少
なく、その後7日後まで急激に珪素分の溶出が起こり、
21日目に飽和状態に近ずいて溶出速度が小さくなって
きたのに対し、実施例1の珪素溶出材は、浸漬後1日後
から28日後までほぼ一定の速度で珪素分が溶出されて
いる。また、比較例1の珪素溶出材については、5日後
から難溶解性のゲル状シリカの発生が観察されたのに対
し、実施例1の珪素溶出材においてはこの様なゲル状シ
リカの発生は皆無であった。
2〜5の各珪素溶出材について、アルカリ分(Na2O)含
有量を横軸に、また、浸漬3日後の溶出珪素分(SiO2)
濃度を縦軸にしてそれぞれプロットし、ガラス質材料中
のアルカリ分(Na2O)含有量が溶出珪素分(SiO2)濃度
に及ぼす影響を調べた。結果を図3に示す。
溶出珪素分濃度との関係はほぼ逆比例し、アルカリ分含
有量が低いと珪素溶出速度が速く、アルカリ分含有量が
増すにつれて珪素溶出速度が低下することが判明した。
例2〜5の各珪素溶出材について、SiO2とB2O3のモル比
(SiO2/B2O3)を横軸に、また、浸漬3日後の溶出珪素
分(SiO2)濃度を縦軸にしてそれぞれプロットし、ガラ
ス質材料中のSiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2O3)が溶出
珪素分(SiO2)濃度に及ぼす影響を調べた。結果を図4
に示す。
が高いとガラスは海水に溶け易く、逆に、珪素濃度が高
いとガラスの構造が強くなり、溶出しずらくなることが
わかる。また、SiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2O3)が
0.5未満では、硼酸濃度が高くて溶け易く、初期の溶
出濃度は高くなるが、長期間にわたる計算の溶出が期待
できなくなり、反対に、このモル比(SiO2/B2O3)が2
を超えると、海水中の珪酸濃度を所定の濃度にすること
が難しくなる。
が高く、ガラス生産時の生産効率が悪く、また、25モ
ル%では珪酸の溶出量が少なく、珪藻の増殖を図るには
大量のガラスが必要になる。以上のことから、経済的で
生産性がよく、溶出効果に優れた範囲は、アルカリ分(N
a2O:K2O)が5モル%以上20モル%以下の範囲であっ
て、SiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2O3)が0.5以上
2.0以下の範囲である。
得られた珪藻類増殖用珪素溶出材を使用し、粒度1.0
〜1.4mmの大きさの粒状に調製し、人工海水中に5
g/リットルの割合で添加し、保管温度20℃で7日
間、14日間及び21日間に各珪素溶出材から溶出され
る珪素分(SiO2)を測定した。結果を図5に示す。この
図5の結果から明らかなように、各実施例の珪素溶出材
は安定して珪素分(SiO2)を溶出することが判明した。
海水中での珪素分の溶出性に優れていると共に、ゲル状
シリカを生成せずに使用し易く、また、実質的に鉄分を
溶出しないので、この珪素溶出材料を単体で、あるい
は、他の第四成分を溶出するガラス質材料等と組み合わ
せて使用することにより、藻類を増殖させ、優占させる
ことによって鞭毛藻類や渦鞭毛藻類等による有害赤潮の
発生を防止したり、二枚貝の養殖に必要な珪藻類プラン
クトンの増殖に用いたり、あるいは、貝毒の発生を防止
することができる。
(Na2Oとして)及びSiO2とB2O3との間のモル比(SiO2/
B2O3)の関係を示す三元系組成図である。
材における溶出珪素分濃度の経時変化を示すグラフ図で
ある。
るガラス質材料中アルカリ分(Na2O)含有量と浸漬3日
後溶出珪素分濃度との関係を示すグラフ図である。
おけるSiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2O3)と浸漬3日後
溶出珪素分濃度との関係を示すグラフ図である。
材における溶出珪素分濃度の経時変化を示すグラフ図で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 SiO2-B2O3-Na2O/K2O系ガラス質材料から
なり、Na2O及び/又はK2O を5モル%以上20モル%以
下の割合で含むと共に、SiO2とB2O3のモル比(SiO2/B2
O3)が0.5以上2.0以下であって、実質的に鉄分を
含まないことを特徴とする珪藻類増殖用珪素溶出材料。 - 【請求項2】 Na2O及び/又はK2O とB2O3のモル比が
0.4未満である請求項1に記載の珪藻類増殖用珪素溶
出材料。 - 【請求項3】 鉄分がFeO 及び/又はFe2O3 であり、そ
の含有量が0.05モル%以下である請求項1又は2に
記載の珪藻類増殖用珪素溶出材料。
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