JP2001258092A - スピーカ用部品およびその製造方法 - Google Patents

スピーカ用部品およびその製造方法

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JP2001258092A
JP2001258092A JP2000070411A JP2000070411A JP2001258092A JP 2001258092 A JP2001258092 A JP 2001258092A JP 2000070411 A JP2000070411 A JP 2000070411A JP 2000070411 A JP2000070411 A JP 2000070411A JP 2001258092 A JP2001258092 A JP 2001258092A
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rubber
foamed
polynorbornene rubber
mold
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Toshihiro Ishigaki
敏宏 石垣
Yoshitaka Kobayashi
美隆 小林
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Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Original Assignee
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Electronic Corp
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    • HELECTRICITY
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    • H04R7/18Mounting or tensioning of diaphragms or cones at the periphery
    • H04R7/20Securing diaphragm or cone resiliently to support by flexible material, springs, cords, or strands
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • HELECTRICITY
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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
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    • H04R2307/204Material aspects of the outer suspension of loudspeaker diaphragms

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイパワー用スピーカや車載用スピーカへの
適用が容易なスピーカ用の振動系部品を提供する。 【課題手段】 スピーカ用発泡ゴムエッジGeが、ポリ
ノルボルネンゴムが発泡した発泡ポリノルボルネンゴム
によって成形されており、このポリノルボルネンゴム内
に短繊維が混合されてエッジの径方向に沿って配向され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピーカ用の部
品、特に、振動系の部品およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、スピーカに
は、振動系部品として振動板を支持するエッジ等の部品
が用いられている。
【0003】このスピーカの振動系部品、例えばエッジ
に対しては、このエッジが振動板の動作に直接影響を与
えるものであるため、振動板の余分な振動を吸収しリニ
アリティに優れていること、高い内部損失を有している
こと、必要な強度を有しているとともに軽量であること
等の厳しい条件が要求される。
【0004】従来、このようなスピーカ用エッジには、
スピーカの振動系重量を軽くするために、主にSBR
(スチレン-ブタジエン-ラバー)系やEPDM(エチレ
ン-プロピレン-エチレンノルボルネン)系の発泡ゴム材
料が使用されている。
【0005】しかしながら、このような発泡ゴム材料に
よって成形された発泡ゴムエッジは、ソリッドゴムによ
って成形されたエッジに比べて強度および剛性が低いと
いう問題を有しており、さらに、SBR系の発泡ゴムエ
ッジは耐寒性や耐光性が悪く、また、EPDM系の発泡
ゴムエッジは内部損失が低く良好な周波数特性を得るの
が難しいという問題を有している。
【0006】このため、従来の発泡ゴムエッジは、ハイ
パワー用スピーカや使用環境が厳しい車載用スピーカへ
の適用が難しいという問題を有している。
【0007】この発明は、上記のような従来の発泡ゴム
材料によって成形されたスピーカ用の振動系部品が有し
ている問題点を解決するために為されたものである。す
なわち、この発明は、ハイパワー用スピーカや車載用ス
ピーカへの適用が容易なスピーカ用の振動系部品を提供
することを第1の目的としている。
【0008】また、この発明はハイパワー用スピーカや
車載用スピーカへの適用が容易なスピーカ用の振動系部
品の製造方法を提供することを第2の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるスピー
カ用部品は、上記第1の目的を達成するために、ポリノ
ルボルネンゴムが発泡した発泡ポリノルボルネンゴムに
よって成形されていることを特徴としている。
【0010】この第1の発明によるスピーカ用部品は、
ポリノルボルネンゴムを成形して製造されることによ
り、部品重量が軽くなり、これによってスピーカの振動
系重量を軽くすることが出来るので、スピーカの出力音
圧を高くすることが出来る。
【0011】さらに、ポリノルボルネンゴムは発泡して
も強度が強く、耐環境性に優れているために、従来は困
難であったハイパワー用スピーカや車載用スピーカへの
発泡ゴム製部品の適用を可能にすることができ、また、
このポリノルボルネンゴムは、材料の内部損失が大きい
ために、スピーカの振動板の余分な振動および部品自体
の共振を抑えることが出来るので、周波数特性が平坦な
音質に優れたスピーカの製作を可能にすることが出来
る。
【0012】第2の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記発泡ポリノルボルネンゴムによってスピーカ用
エッジが成形されていることを特徴としている。
【0013】これによって、スピーカの振動板を支持す
るエッジを発泡ゴムによって構成した場合にも、その強
度および耐環境性を保持することが出来るようになる。
【0014】第3の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記発泡ポリノルボルネンゴムに繊維が混合されて
いることを特徴としている。
【0015】このポリノルボルネンゴムに繊維が混合さ
れていることによって、スピーカ用部品の剛性が高くな
り、これによって、スピーカの振動系の異常な動きが抑
えられて、より信頼性が高いスピーカの製作が可能にな
る。
【0016】第4の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第3の発明の構成に加え
て、前記繊維が発泡ポリノルボルネンゴム内において所
要の方向に配向されていることを特徴としている。これ
によって、スピーカ用部品の繊維が配向されている方向
の剛性が高められる。
【0017】第5の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第3の発明の構成に加え
て、前記発泡ポリノルボルネンゴムに混合される繊維
が、アラミド繊維,ポリエステル繊維,炭素繊維,PB
O繊維、綿糸の短繊維のうち、一種または二種以上の繊
維であることを特徴としている。これらの短繊維の混合
によって、スピーカ用部品の剛性が高められる。
【0018】第6の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第3の発明の構成に加え
て、前記発泡ポリノルボルネンゴムによってスピーカ用
エッジが成形され、この発泡ポリノルボルネンゴムに混
合された繊維がスピーカ用エッジの径方向に沿って配向
されていることを特徴としている。
【0019】ポリノルボルネンゴムに繊維が混合され、
この繊維がスピーカ用エッジの径方向に沿って配向され
ていることによって、スピーカ用部品の繊維が配向され
ている方向の剛性が高くなり、これによって、スピーカ
の振動板の異常な動きが抑えられて、より信頼性が高い
スピーカの製作が可能になる。
【0020】第7の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、金型内に繊維
が混合されたポリノルボルネンゴムを装填し、この金型
によってポリノルボルネンゴムを加熱プレスして発泡さ
せることにより、発泡ポリノルボルネンゴムをスピーカ
用部品の所要の形状に成形することを特徴としている。
【0021】この第7の発明によるスピーカ用部品の製
造方法によれば、ポリノルボルネンゴムによる軽量で強
度が高く耐環境性に優れたスピーカ用部品の発泡成形が
可能になる。
【0022】第8の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、第7の発明の
構成に加えて、前記金型によって繊維が混合されたポリ
ノルボルネンゴムを加熱プレスして、スピーカ用エッジ
を成形することを特徴としている。
【0023】これによって、ポリノルボルネンゴムが加
熱プレスされて金型の型面に沿って径方向の内側および
外側方向に流れる際に、ポリノルボルネンゴムに混合さ
れている繊維が径方向に沿って配向されて、径方向にお
ける剛性が高められたスピーカ用発泡ゴムエッジが製造
される。
【0024】第9の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、開閉自在な対
となった金型内にポリノルボルネンゴムを装填する第1
工程と、このポリノルボルネンゴムが装填された金型を
閉じてポリノルボルネンゴムを加熱プレスする第2工程
と、プレスされたポリノルボルネンゴムを発泡させなが
ら対となった金型の間をあらかじめ設定された第1開度
まで開く第3工程と、金型の間が第1開度まで開かれた
後この金型の間をあらかじめ設定された第2開度まで閉
じる第4工程とを有することを特徴としている。
【0025】この第9の発明によるスピーカ用部品の製
造方法によれば、第1工程において、対となった金型の
間が開かれている状態で、この金型に形成されている型
面上に未加硫ゴムであるポリノルボルネンゴムのコンパ
ウンドが仕込まれ、この後、第2工程において、金型の
間が閉じられることによりポリノルボルネンゴムがプレ
スされて、金型に形成された型面に沿った形状に圧延さ
れる。
【0026】この後、加熱するなどの方法によってポリ
ノルボルネンゴムが発泡され、この状態で、次の第3工
程において、金型の間があらかじめ設定されている第1
開度まで開かれる。
【0027】これによって、プレスされているポリノル
ボルネンゴムが発泡し易くなって発泡が十分に行われる
とともに、発泡によって生じた余分なガスが、金型間の
隙間から大気中に放出される。そして、次の第4工程に
おいて、金型の間があらかじめ設定されている第2開度
まで閉じられて、所望の厚さのスピーカ用部品の成形が
行われる。
【0028】以上のように、上記第9の発明によれば、
スピーカ用部品の成形を上記のような多段階発泡成形に
よって行うことにより、従来の成形方法では行うことが
出来なかった硬めのポリノルボルネンゴムの発泡成形が
可能になる。
【0029】さらに、各工程における金型の開閉量や保
持時間を任意に設定することによって、スピーカ用部品
の厚さや比重,物性等の調節を、金型の交換やポリノル
ボルネンゴムへの添加剤を変更することなく、容易に行
うことが出来るようになる。
【0030】また、ポリノルボルネンゴムの発泡時に金
型の開度を一旦大きくしてガスを金型の間から逃がすの
で、金型のガス抜きを無くしたり、または、減らすこと
が可能になる。
【0031】そして、発泡成形時の余分なガスが逃がさ
れることによって、スピーカ用部品の表面に気泡が残っ
て外観が損なわれたり、スピーカ用部品の形状が出なく
なったりするといった虞が無くなる。
【0032】第10の発明によるスピーカ用部品の製造
方法は、前記第2の目的を達成するために、第9の発明
の構成に加えて、前記金型によって繊維が混合されたポ
リノルボルネンゴムを加熱プレスして、スピーカ用エッ
ジを成形することを特徴としている。
【0033】これによって、ポリノルボルネンゴムが加
熱プレスされて金型の型面に沿って径方向の内側および
外側方向に流れる際に、ポリノルボルネンゴムに混合さ
れている繊維が径方向に沿って配向され、径方向におい
て剛性が高められたスピーカ用発泡ゴムエッジが製造さ
れる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思わ
れる実施形態について、スピーカ用の振動系部品である
エッジを例に挙げて説明を行う。
【0035】この実施形態におけるスピーカ用エッジ
は、ポリノルボルネンゴムをベース材料として発泡成形
により成形される。ポリノルボルネンゴムは、強度が高
く内部損失が大きいという特徴を有し、さらに、発泡さ
せてもその強度が保持されるとともに、耐寒性および耐
光性等の耐環境性に優れているという特徴を有している
ものである。
【0036】このポリノルボルネンゴムは、図1に示さ
れるようにエチレンとシクロペンタジエンとをディール
ス・アンダ反応によって合成することにより得られるノ
ルボルネンを、図2に示されるように開環重合させるこ
とによって得られるポリマであり、芳香族系や中粘度ナ
フテン系オイルの添加、または、パラフィン系や低粘度
ナフテン系オイルの添加によって、粘弾性、特に、減衰
特性と弾性特性がコントロールされたゴム材料として利
用できる。
【0037】図3は、発泡ポリノルボルネンゴムと発泡
SBR,発泡EPDM,ソリッドゴムであるIIR(イ
ソブチレン・イソプレン・ラバー)の各引張強度の比較
を示すグラフである。
【0038】この図3から分かるように、発泡ポリノル
ボルネンゴムは、他の発泡SBRや発泡EPDMよりも
引張強度が大きく、IIRと比べても遜色のない引張強
度を備えていることが分かる。
【0039】また、図4は、ポリノルボルネンゴムの損
失係数の温度依存性を示したグラフであり、SBRおよ
びIIRと比較した場合、0℃以上において他の材質の
ものよりも大きな損失係数を有していることが分かる。
【0040】次に、上述したポリノルボルネンゴムをベ
ース材料とする未加硫ゴムからスピーカ用エッジを成形
する方法について説明を行う。
【0041】ここで、スピーカ用エッジの成形に使用さ
れる未加硫ゴムのゴムコンパウンドには、成形品である
エッジの剛性を高めるために、アラミド繊維,ポリエス
テル繊維,炭素繊維,PBO(ポリパラフェニレン-ベ
ンゾビス-オキサゾール)繊維、綿糸等の短繊維のう
ち、一種または二種以上の繊維が混合される。
【0042】そして、図5の(a)に示されるように短
繊維が混合された未加硫ゴムのゴムコンパウンドGが固
定側金型1の型面上に仕込まれた後、(b)に示される
ように可動側金型2によって加熱プレスされて、ゴムコ
ンパウンドGに発泡が発生される。
【0043】さらに、このプレス工程においてプレス圧
により圧延されることによって、ゴムコンパウンドG
が、固定側金型1および可動側金型2の型面に沿って径
方向の内側および外側方向に流れ、このときに、ゴムコ
ンパウンドGに混合された短繊維が径方向に沿って配向
される。
【0044】以上のようにして発泡成形が行われて、図
5の(c)に示されるようなスピーカ用発泡ゴムエッジ
Geが製造される。
【0045】図6は、上記のような方法によって成形さ
れたスピーカ用発泡ゴムエッジGeにおいて、ゴムコン
パウンドに混合されていた短繊維fがスピーカ用発泡ゴ
ムエッジGeの径方向に沿って配向されている状態を示
している。
【0046】図7は、上記のようにして成形された発泡
ポリノルボルネンゴム製のスピーカ用発泡ゴムエッジの
音響物性を、それぞれ発泡SBR,発泡EPDM,II
R製のゴムエッジと比較した結果を示している。
【0047】ここで、図7中の発泡ポリノルボルネンゴ
ムの縦方向とは、短繊維が配向されている方向(すなわ
ち、スピーカ用発泡ゴムエッジの径方向)を示してお
り、横方向とは、短繊維が配向されている方向と直交す
る方向(すなわち、スピーカ用発泡ゴムエッジの円周方
向)を示している。
【0048】この図7から、発泡ポリノルボルネンゴム
製のスピーカ用発泡ゴムエッジは、100Hzおよび1
kHzの何れの周波数帯においても、発泡SBR製およ
び発泡EPDM製の発泡ゴムエッジよりも内部損失が大
きいことが分かる。そして、発泡ポリノルボルネンゴム
製のスピーカ用発泡ゴムエッジの縦方向の内部損失はI
IR製のゴムエッジとほぼ同等になるが、発泡ポリノル
ボルネンゴム製の方が比重が小さく、軽量であることが
分かる。
【0049】図8ないし11は、スピーカ用発泡ゴムエ
ッジの成形のために提案されている新規な多段階発泡成
形方法を示す工程図である。
【0050】次に、この図8ないし11に基づいて、多
段階発泡成形方法によるスピーカ用発泡ゴムエッジの製
造方法について説明を行う。
【0051】先ず、図8の第1工程において、可動側金
型14が固定側金型12から離されて固定側金型12の
型面12Aが開かれている状態で、この固定側金型12
の型面12A上に、ポリノルボルネンゴムをベース材料
とし前述したような短繊維が混合された未加硫ゴムのゴ
ムコンパウンドGが仕込まれる。
【0052】次に、図9の第2工程において、可動側金
型14が閉じられて、固定側金型12に密着される。
【0053】このとき、固定側金型12の上面に形成さ
れた型面12Aと可動側金型14の下面に形成された型
面14Aとの間には、所要のクリアランスcが形成さ
れ、このクリアランスc内においてゴムコンパウンド
G’がプレスされて、型面12Aと14Aに沿ったエッ
ジ形状に圧延される。そして、この状態でゴムコンパウ
ンドG’が加熱されて、あらかじめ設定されている時間
(第1設定時間)の間、保持される。この加熱によっ
て、ゴムコンパウンドG’に発泡が生じてくる。
【0054】この第2工程が終了すると、次に、図10
の第3工程において、可動側金型14があらかじめ設定
されている距離だけ固定側金型12から離間する方向に
移動されて、固定側金型12との間が所定の量だけ開か
れる。そして、この状態であらかじめ設定されている時
間(第2設定時間)の間、保持される。
【0055】この固定側金型12と可動側金型14との
間が、一旦、所定の量だけ開かれることにより、エッジ
形状に圧延されたゴムコンパウンドG”が発泡し易くな
って発泡が十分に行われるとともに、発泡によって生じ
た余分なガスが、ゴムコンパウンドG”内から固定側金
型12と可動側金型14との間の隙間を通って、大気中
に放出される。
【0056】この第3工程の終了後、次に、図11の第
4工程において、可動側金型14が固定側金型12に接
近する方向にあらかじめ設定された距離だけ移動され
て、固定側金型12との間が所定量だけ閉じられる。
【0057】この可動側金型14の移動距離は、固定側
金型12と可動側金型14との間に挟まれているゴムコ
ンパウンドの厚さが、成形品であるスピーカ用発泡ゴム
エッジGeの厚さになるように設定される。そして、こ
の状態であらかじめ設定されている時間(第3設定時
間)の間、保持される。
【0058】このようにして発泡ゴムが完全に加硫され
て、所定の形状のスピーカ用発泡ゴムエッジGeが成形
される。
【0059】この後、可動側金型14が開かれて、成形
されたスピーカ用発泡ゴムエッジGeが固定側金型12
から取り出される。
【0060】以上のような固定側金型12と可動側金型
14との間の開度調節は、可動側金型14を稼動させる
図示しない駆動シリンダが制御装置によって駆動制御さ
れることにより行われる。
【0061】上記のような多段階発泡成形によって発泡
ゴムの成形を行うことにより、従来の成形方法では行う
ことが出来なかった硬めのゴムの発泡成形が可能にな
り、これまでに無かった剛性を有する発泡ゴムエッジの
成形を行うことが出来るようになる。
【0062】以上のように、スピーカ用発泡ゴムエッジ
が、べース材料としてポリノルボルネンゴムを使用して
発泡成形により製造されることにより、エッジの重量が
軽くなり、これによってスピーカの振動系重量が軽くな
って出力音圧が高くなる。
【0063】さらに、ポリノルボルネンゴムは発泡させ
ても強度が強く、耐環境性に優れているために、従来は
困難であったハイパワー用スピーカおよび車載用のスピ
ーカへの発泡ゴムエッジの適用を可能にすることがで
き、また、このポリノルボルネンゴムは、材料の内部損
失が大きいために、スピーカの振動板の余分な振動およ
びエッジ自体の共振を抑えることが出来るので、周波数
特性が平坦な音質に優れたスピーカの製作が可能にな
る。
【0064】そしてさらに、アラミド繊維、ポリエステ
ル繊維、炭素繊維、PBO繊維、綿糸等の短繊維を混合
したゴムコンパウンドが金型によって加熱プレス成形さ
れることにより、混合された繊維がエッジ内部において
径方向に沿って配向されて剛性の高い発泡ゴムエッジが
得られ、これによって、振動板の異常な動きが抑えられ
て、より信頼性が高いスピーカの製作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノルボルネンの合成の反応式を示す図である。
【図2】ポリノルボルネンゴムの合成の反応式を示す図
である。
【図3】ポリノルボルネンゴムの引張強度を示すグラフ
である。
【図4】ポリノルボルネンゴムの損失係数の温度依存性
を示すグラフである。
【図5】この発明による製造方法の実施形態の一例を示
す工程図である。
【図6】同方法によって成形されたスピーカ用発泡ゴム
エッジを示す斜視図である。
【図7】ポリノルボルネンゴムの音響物性を示す図表で
ある。
【図8】この発明による製造方法の実施形態の他の例に
おける第1工程を示す説明図である。
【図9】同製造方法の第2工程を示す説明図である。
【図10】同製造方法の第3工程を示す説明図である。
【図11】同製造方法の第4工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 …固定側金型 2 …可動側金型 12 …固定側金型 12A …型面 14 …可動側金型 14A …型面 G,G’,G”…ゴムコンパウンド Ge …スピーカ用発泡ゴムエッジ c …クリアランス f …短繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 19:00 B29K 19:00 105:04 105:04 105:12 105:12 B29L 31:38 B29L 31:38 (72)発明者 小林 美隆 山形県天童市大字久野本字日光1105番地 東北パイオニア株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA56A AA65A AA72A AE04 CA11 CC03Y CC04X CC04Y CC06Y 4F204 AA12 AA45 AB02 AB25 AH39 FA01 FA18 FB01 FG04 FN11 4J002 CE001 CF002 CL062 DA016 FA042 FA046 FD012 FD016 5D016 AA12 CA02 DA06 EA03 EA05 EC06 FA03 HA06 JA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリノルボルネンゴムが発泡した発泡ポ
    リノルボルネンゴムによって成形されていることを特徴
    とするスピーカ用部品。
  2. 【請求項2】 前記発泡ポリノルボルネンゴムによって
    スピーカ用エッジが成形されている請求項1に記載のス
    ピーカ用部品。
  3. 【請求項3】 前記発泡ポリノルボルネンゴムに繊維が
    混合されている請求項1に記載のスピーカ用部品。
  4. 【請求項4】 前記繊維が発泡ポリノルボルネンゴム内
    において所要の方向に配向されている請求項3に記載の
    スピーカ用部品。
  5. 【請求項5】 前記発泡ポリノルボルネンゴムに混合さ
    れる繊維が、アラミド繊維,ポリエステル繊維,炭素繊
    維,PBO繊維、綿糸の短繊維のうち、一種または二種
    以上の繊維である請求項3に記載のスピーカ用部品。
  6. 【請求項6】 前記発泡ポリノルボルネンゴムによって
    スピーカ用エッジが成形され、この発泡ポリノルボルネ
    ンゴムに混合された繊維がスピーカ用エッジの径方向に
    沿って配向されている請求項3に記載のスピーカ用部
    品。
  7. 【請求項7】 金型内に繊維が混合されたポリノルボル
    ネンゴムを装填し、この金型によってポリノルボルネン
    ゴムを加熱プレスして発泡させることにより、発泡ポリ
    ノルボルネンゴムをスピーカ用部品の所要の形状に成形
    することを特徴とするスピーカ用部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金型によって繊維が混合されたポリ
    ノルボルネンゴムを加熱プレスして、スピーカ用エッジ
    を成形する請求項7に記載のスピーカ用部品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 開閉自在な対となった金型内にポリノル
    ボルネンゴムを装填する第1工程と、 このポリノルボルネンゴムが装填された金型を閉じてポ
    リノルボルネンゴムを加熱プレスする第2工程と、 プレスされたポリノルボルネンゴムを発泡させながら対
    となった金型の間をあらかじめ設定された第1開度まで
    開く第3工程と、 金型の間が第1開度まで開かれた後この金型の間をあら
    かじめ設定された第2開度まで閉じる第4工程と、 を有することを特徴とする発泡成形体のスピーカ用部品
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金型によって繊維が混合されたポ
    リノルボルネンゴムを加熱プレスして、スピーカ用エッ
    ジを成形する請求項9に記載のスピーカ用部品の製造方
    法。
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