JP2001256380A - 昇降機保全料金算出システム - Google Patents

昇降機保全料金算出システム

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JP2001256380A
JP2001256380A JP2000065082A JP2000065082A JP2001256380A JP 2001256380 A JP2001256380 A JP 2001256380A JP 2000065082 A JP2000065082 A JP 2000065082A JP 2000065082 A JP2000065082 A JP 2000065082A JP 2001256380 A JP2001256380 A JP 2001256380A
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elevator
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JP2000065082A
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English (en)
Inventor
Tomoji Onishi
友治 大西
Tsutomu Tsuyama
努 津山
Toru Suenaga
徹 末永
Mitsuo Hosaka
光男 甫坂
Kazuhiro Sakata
一裕 坂田
Koji Kubota
弘司 久保田
Morio Kanezaki
守男 金崎
Hiroshi Goko
洋 郷古
Takayuki Isobe
孝行 磯邊
Kaname Isshiki
要 一色
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降機の保守料金の算出を、利用状況と顧客
の望む保証に合わせて算出できるようにした昇降機保全
料金算出システムを提供する。 【解決手段】 各昇降機に通信回線を介して接続される
保全料金算出センタ1と契約端末とを有し、保全料金算
出センタ1は、料金算出共通データを用い、所定の料金
計算式に従って保全料金を算出する料金算出手段12
と、各昇降機の稼働データを収集する稼働データ収集手
段14と、稼働データを顧客別に収納する顧客別稼働デ
ータファイル17と、料金算出共通データを収納する共
通データベース13とを備え、契約端末の操作によりま
たは一定の時期になると、料金算出手段12は、料金算
出共通データベース13を用い、料金計算式に従って保
全料金を計算し、その計算結果を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇降機保全料金算
出システムに係わり、特に、エレベーター、エスカレー
ター、動く歩道等からなる昇降機の保全料金を契約内容
に対応した合理的な算出を行うことを可能にした昇降機
保全料金算出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベーター、エスカレータ
ー、動く歩道等からなる昇降機は、人を載せた状態で移
送させるものであるため、長期間にわたって安定した動
作特性を備え、かつ、十分に安全性が保たれるものでな
ければならない。このため、昇降機は、定期的にまたは
動作状況に応じて保守、点検、整備等の保守作業を行う
ことが必要であり、しかも、その保守作業は、特殊な作
業が行われることから、専門保守員がいる保守会社に委
託されて行われるのが普通である。
【0003】従来、昇降機の保守作業を行う場合に、昇
降機を保有する顧客と保守会社との間の保守料金の取り
決めは、大別して次に挙げる2種類の契約が行われてい
た。その1つは、長期間、例えば20年間にわたる機器
動作保証、機器故障の対応、法定点検及び定期点検の全
費用を月々に按分して支払う契約(以下、この契約をフ
ルメンテナンス契約という)であり、他の1つは、法定
点検及び定期点検代を含んでいるだけで、機器故障や機
器劣化時の交換部品代やその作業費をその保守作業が行
われる度毎に支払う契約(以下、この契約をPOG契約
という)である。
【0004】一方、昇降機には、法律で義務付けられて
いる保守作業として法定点検があるが、この法定点検を
漏れなく実施する手段として、例えば、特開平07−0
25558号に開示の手段がある。特開平07−025
558号に開示の手段は、法定点検の実施日が近づいた
ときに点検を行うことを促し、法定点検日が過ぎると、
昇降機の運行を停止するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】昇降機を保有する顧客
と保守会社との間で行われる2種類の契約の中で、フル
メンテナンス契約を行った場合は、長期間、例えば20
年間の機器動作保証、機器故障の対応、法定点検及び定
期点検の全保全料金を月々に按分して支払うものである
ため、昇降機が故障する割合の少ない最初の10年間程
度は顧客側にとって、保全料金が高すぎるのではないか
という不信感を与える恐れがあり、また、POG契約を
行った場合は、フルメンテナンス契約に比べて月々の支
払いが少なくなるものの、万一昇降機が故障したとき
や、機器劣化によって部品を交換する作業を行う際に、
多額の保全料金をまとめて支払わねばならないという事
態になり、いずれの契約においても、保全料金について
必ずしも顧客が納得できるものではないというものであ
った。
【0006】本発明は、このような技術的背景に鑑みて
なされたもので、その目的は、昇降機の保守料金の算出
を、利用状況と顧客の望む保証に合わせて算出できるよ
うにした昇降機保全料金算出システムを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の昇降機保全料金算出システムは、各昇降機
に通信回線を介して接続される保全料金算出センタと契
約端末とを有し、保全料金算出センタは、料金算出共通
データを用い、所定の料金計算式に従って保全料金を算
出する料金算出手段と、各昇降機の稼働データを収集す
る稼働データ収集手段と、稼働データを顧客別に収納す
る顧客別稼働データファイルと、料金算出共通データを
収納する共通データベースとを備え、契約端末の操作に
よりまたは一定の時期になると、料金算出手段は、料金
算出共通データベースを用い、料金計算式に従って保全
料金を計算し、その計算結果を出力する手段を具備する
ものである。
【0008】前記手段によれば、保全料金を算出する際
に、顧客が選択できるオプション項目を個別に含ませて
算出するとともに、昇降機の状況に応じた算出を行って
いるので、顧客の予算に応じた保全料金を提示すること
ができる。
【0009】いままでは、昇降機の保全作業等に不手際
があったり、故障の復旧に手間取ったりして、予定の時
期に昇降機の使用ができない等、顧客に迷惑が掛かって
も、これを補償する手立てが明確でなかったが、前記手
段によれば、この点を保全料金に明確に反映させ、迷惑
が掛かったときに保全料金の一部返還が行われるので、
顧客間に不公平感を生じない保全料金の算出を行うこと
ができる。
【0010】また、手段における料金計算式は、保全料
金をY1 、基本スペックによって決定される金額をA、
Bを保全商品メニューの選択項目によって決定される金
額をB、割引係数をL、固定費用をC、ペイバック金額
をPとしたとき、Y1 ={(A+B)×L+C}×(1
−P)の関係を有しているものである。
【0011】このような料金計算式を用いることによ
り、昇降機の単位時間内の走行時間が大きかったり、使
用期間が長くなったりしたときの保全作業量の増大や劣
化部品の交換等による保全料金の変化を正確に保全料金
に反映させることができ、また、顧客が選択できるオプ
ション項目を含めた個々の保全料金を算出することがで
きるので、顧客の要求に見合った保証内容に沿った保全
料金にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明による昇降機保全料金算出
システムの一つの実施の形態を示すもので、外部接続装
置を含めた昇降機保全料金算出システムの概要を示す構
成図である。
【0014】図1において、1は保全料金算出センタ、
2は管制センタ、3はインターネット(通信回線)、4
はイントラネット(内部通信回線)、5は契約端末、6
(1)、6(2)はビル、7(1)、7(2)は昇降機
の端末装置、8は支社、9は銀行、101 、102 、1
1 、112 は通信手段である。
【0015】そして、保全料金算出センタ1は、通信手
段101 を通してインターネット3と、通信手段102
を通してイントラネット4に接続される。管制センタ2
は、通信手段111 を通してインターネット3と、通信
手段112 を通してイントラネット4に接続される。契
約端末5、ビル6(1)に施設されている昇降機(図番
なし)の端末装置7(1)、ビル6(2)に施設されて
いる昇降機(図示なし)の端末装置7(2)、銀行9
は、ともにインターネット3に接続され、支社8はイン
トラネット4に接続される。
【0016】また、図2は、図1に図示された保全料金
算出センタ1の内部構成を示すブロック図であり、図3
は、図1に図示された管制センタ2の内部構成を示すブ
ロック図である。
【0017】図2において、12は料金算出手段、13
は共通データベース、14は稼働データ収集手段、15
は保全作業実績収集手段、16はコンピュータ、17は
顧客別稼働データファイル、181 は顧客別料金計算結
果ファイル、182 は顧客別料金請求ファイル、19は
提案料金算出ファイル、20は保全仕様ファイル、21
は顧客別ペイバック割引ファイル、22は顧客別ペイバ
ック料金請求ファイル、23は顧客データベース、24
は内部契約端末、25はパック料金算出ファイル、26
はバスラインである。この場合、共通データベース13
は、料金算出手段12とともに利用されるもので、基本
スペックファイル131 と、保全商品メニューファイル
132 と、取引条件ファイル133 と、稼働状況ファイ
ル134と、ペイバック割引ファイル135 と、ポイン
トファイル136 とからなっている。この他に、図1に
図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号
を付けている。
【0018】そして、通信手段101 、102 、料金算
出手段12、共通データベース、13、稼働データ収集
手段14、保全作業実績収集手段15、顧客別稼働デー
タファイル17、顧客別料金計算結果ファイル181
顧客別料金請求ファイル18 2 、提案料金算出ファイル
19、保全仕様ファイル20、顧客別ペイバック割引フ
ァイル21、顧客別ペイバック料金請求ファイル22、
顧客データベース23、内部契約端末24、パック料金
算出ファイル25は、ともにバスライン26を介してコ
ンピュータ16に接続されている。
【0019】一方、図3において、27はコンピュー
タ、28は表示画面(表示部)、29は緊急対応故障ラ
ンク別ファイル、30は故障データファイル、31はバ
スラインであり、その他、図1に図示された構成要素と
同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0020】そして、通信手段111 、112 、表示画
面28、緊急対応故障ランク別ファイル29、故障デー
タファイル30は、ともにバスライン31を介してコン
ピュータ27に接続されている。
【0021】さらに、図4、図5、図6(a)乃至
(c)は、図2に図示された共通データベース13に収
納されているファイル131 乃至135 別の収納内容で
あって、図4は基本スペックファイル131 の収納内容
(基本スペック)、図5は保全商品メニューファイル1
2 の収納内容(保全商品メニュー)、図6(a)は取
引条件ファイル133 の収納内容(取引条件)、図6
(b)はペイバック割引ファイル135 の収納内容(割
引)、図6(c)は稼働状況ファイル134 の収納内容
(稼働状況)である。
【0022】図4に示される基本スペックは、保全に関
する基本的事項に関するもので、保全方法、製品仕様、
付加仕様、設置環境、経過年数の5つの大項目からなっ
ており、保全方法、製品仕様、付加仕様、設置環境の4
つの大項目は、それぞれ図4に示されるような各小項目
に分かれている。そして、それらの各小項目には、顧客
が選択可能なスタンダード仕様とハイグレード仕様が用
意されている。なお、ある一台の昇降機に対する基本ス
ペックとしては、図4に例示するように、●印が付され
た小項目及び条件が記載されている小項目は、スタンダ
ード仕様とハイグレード仕様は同一である。
【0023】図5に示される保全商品メニューは、主と
して保全に対する各種オプション事項に関するもので、
機器補償期間、補償機器限定、意匠清掃限定、制御リニ
ューアル付き商品、意匠リニューアル付き商品、保証範
囲、緊急対応、保全方式、作業日・時間指定、緊急対応
以外の呼び出し、特別点検、定期検査、意匠品の補修、
遠隔制御、ヘリオス診断レポート、年間診断レポート、
昇降機使い勝手ご相談の17の大項目からなり、その中
で機器補償期間、補償機器限定、意匠清掃限定、保証範
囲、遠隔制御の各大項目は、それぞれ図5に示されるよ
うな各小項目に分かれている。そして、この場合におい
ても、それらの各大項目または各小項目には、顧客が選
択可能なスタンダード仕様とハイグレード仕様が用意さ
れている。
【0024】図6(a)に示される取引条件は、料金支
払い条件の事項に関するもので、機器補償費支払い方
法、保守料金の支払方法、長期間契約の3つの大項目か
らなり、その中の機器補償費支払い方法、保守料金の支
払方法の各大項目は、それぞれ図6(a)に示されるよ
うな各小項目に分かれている。そして、この場合におい
ても、それらの各大項目または各小項目には、顧客が選
択可能なスタンダード仕様とハイグレード仕様が用意さ
れている。
【0025】図6(b)に示される割引は、料金の各種
割引を行う事項に関するもので、地域経済力・格差区分
ごとの料率設定、多台数納入割引、無償保証期間中契約
の3つの項目からなている。そして、この場合において
も、これらの項目には、顧客が選択可能なスタンダード
仕様とハイグレード仕様が用意されている。
【0026】図6(c)に示される稼働状況は、稼働頻
度を表す事項に関するもので、稼働頻度の項目からなっ
ている。そして、この場合、この項目にはスタンダード
仕様とハイグレード仕様が用意されていない。
【0027】この昇降機保全料金算出システムにおける
料金算出手段12においては、昇降機の保全料金を算出
するとき、次のように料金計算式を用いて保全料金を算
出している。
【0028】いま、保全料金をY1 とした場合、Y1
次式(1)によって表される。 Y1 ={(A+B)×L+C}×(1−P)… … …(1) ここで、Aは昇降機の基本スペックによって決定される
金額、Bは保全商品メニューにおける選択項目で決定さ
れる金額、Lは割引係数、Cは固定費用、Pはペイバッ
ク(払戻し)金額である。
【0029】この場合、金額Aは、A=S+S1 +S2
で表されるもので、Sは昇降機がエレベータである場
合、保全方式、製品仕様、付加仕様、設置環境によって
決まる最も基本的な料金である。S1 は料金Sに、エレ
ベータの走行時間を変数とした係数を乗算して得られる
稼働状況に応じて増減する料金である。S2 は、料金S
に、エレベータの経年的な劣化を考慮し、エレベータ稼
働開始からの経過年数を変数とした係数を乗算して得ら
れる経過料金である。
【0030】また、S1 、S2 は、次式(2)、(3)
によって表される。 S1 =S×α×H… … …(2) S2 =S×β×Y… … …(3) ここで、α、βは比例係数、Hは月当たりの走行時間、
Yは経過年数である。
【0031】次に、金額Bは、次式(4)によって表さ
れる。
【0032】B=ΣS×ki+Σdi… … …(4) ここで、ΣS×kiは、保全におけるオプション的な作
業料金であり、顧客が標準的な保全作業以外の作業を要
望した際にその料金を算出したもので、昇降機がエレベ
ータの場合、例えば清掃を実施する階を限定したり、点
検の回数を増やしたり、補償機器を限定したりする際
に、その料金を算出したものである。なお、kiは保全
商品メニューに挙げられているそれぞれの項目毎に設定
される値であり、diは例えば法律によって義務付けら
れている定期検査の費用である。
【0033】ところで、定期検査の場合、検査項目は、
階床や用途、速度等に関係なく、どのような種類のエレ
ベータであっても同じで、作業時間はほぼ一定である。
したがって、料金的にはほぼ一定の金額になるため、基
本スペックによって決定される料金Sとは無関係な独立
項として表している。
【0034】次いで、割引係数Lは、保全料金から一定
金額を割り引く計算を行う際に用いる係数であって、例
えば、複数台のエレベータを所有してい顧客や長期間に
わたって契約を継続してくれている顧客に対して割り引
きを行うとき、その保全料金を算出するために用いるも
のである。
【0035】続いて、固定費用Cは、昇降機の保全を行
う際にメンテナンス会社が必要とする経費であって、次
式(5)によって求められる。 C=M+T… … …(5) 内訳は、主に遠隔監視を行うための設備費Mと、通信費
Tとからなっており、エレベータ等の走行時間や経過年
数に殆んど関係のない固定的な費用である。
【0036】続く、金額Pは、保全契約を結んだ顧客に
対して保全内容として保証している項目で、例えば昇降
機がエレベータの場合、故障したときに保証時間内の復
旧、保証時間内の閉じ込めの救出が実現できなかったと
き、顧客に返金する金額を算出するもので、次式(6)
によって求められる。 P=Σγi… … …(6) ここで、γiはペイバック率であり、このペイバック率
γiは、保全契約の際に、顧客が希望する復旧時間や、
救出時間等のレベルに応じて変動する。
【0037】以上の点を総合すると、保全料金Y1 を表
す(1)式は次式(7)によって表される。 Y1 =[{(S+S×α×H+S×β×Y)+(ΣS×ki+Σdi)}×L +(M+T)]×(1−Σγi)… … …(7) この(7)式を用い、1つの算出モデルを挙げると、保
全商品メニューのオプションがなく、ペイバックがな
く、L=1としたときに、(7)式は次式(8)によっ
て求められる。 Y1 =(S+S×α×H+S×β×Y)+(M+T) =S(1+αH+βY)+(M+T)… … …(8) したがって、保全料金Y1 は、月当たりの走行時間Hと
経過年数Yのみによって変動することになる。
【0038】また、(8)式において、S×α=a、S
×β=b、S+M+T=cとしたとき、(8)式は次式
(9)によって求められる。 Y1 =aH+bY+c… … …(9) (9)式において、月当たりの走行時間Hが一定であれ
ば、Y1 =bY+c’になり、また、経過年数Yが一定
であれば、Y1 =aH+c”になる。
【0039】ここで、図18は、経過年数Yが一定であ
るときの保全料金Y1 と月当たりの走行時間Hとの関係
を示す特性図であり、また、図19は、月当たりの走行
時間Hが一定であるときの保全料金Y1 と経過年数Yと
の関係を示す特性図である。
【0040】図18に示されるように、経過年数Yが一
定であれば、(9)式のbY項とc項が一定であるた
め、aH項だけに依存し、保全料金Y1 は、月当たりの
走行時間Hが10時間、20時間、30時間、40時間
と増えるに従って直線的に比例して高くなっている。
【0041】また、図19に示されるように、月当たり
の走行時間Hが一定であれば、(9)式のaH項とc項
が一定であるため、bY項だけに依存し、保全料金Y1
は、経過年数Yが5年、10年、15年、20年と増え
るに従って直線的に比例して高くなっている。
【0042】この他に、メンテナンス会社では、昇降機
の保全とともにビル設備の保全を請け負うことがある。
このとき、ビル設備保全料金をY2 とすると、Y2 =f
(x)で表され、全保全料金Y3 は、昇降機保全料金Y
1 とビル設備保全料金Y2 との和になるが、この昇降機
保全料金算出システムにおいては、全保全料金Y3 を次
式(10)によって求めている。 Y3 =(Y1 +Y2 )×(1−K) =[{(S+S×α×H+S×β×Y)+(ΣS×ki+Σdi)}×L +(M+T)]×{(1−Σγi)+Σf(x)}×(1−K)… …(10) ここで、Kは昇降機とビル設備の各保全作業を小人数で
行うことによるコスト低減に基づく保全料金低減係数で
あり、この分、保全料金の低減に寄与する。
【0043】ここにおいて、昇降機保全料金算出システ
ムの動作について説明する。この場合、以下の各処理に
おいて、保全料金算出センタ1における種々の料金算出
処理は、いずれも料金算出手段12がコンピュータ16
と共動して行っているものであり、また、料金算出処理
以外の処理は主としてコンピュータ16が行っているも
のである。一方、管制センタ2における発報の処理は主
としてコンピュータ27が行っているものであり、発報
の処理以外の処理は主としてコンピュータ27がコンピ
ュータ16と共動して行っているものである。
【0044】図7は、図2に図示された保全料金算出セ
ンタ1で実施される動作の概要を示すフローチャートで
あり、図8は、図3に図示された管制センタ2で実施さ
れる動作の概要を示すフローチャートである。
【0045】図7に示されるように、保全料金算出セン
タ1においては、大別すると、昇降機の保全に対する新
たな契約登録を行う契約登録処理と、契約済みの昇降機
の保全に対する保全料金を請求する料金請求処理とを行
っているもので、契約登録処理及び料金請求処理は、一
定の期日、例えば月末になると、自動的に起動され、ス
テップS1乃至ステップS3からなる一連の処理、及
び、ステップS4乃至ステップS5からなる一連の処理
が行われる。また、このような自動的な起動の他に、契
約端末5または内部契約端末24の操作により、特定の
顧客に対する一連の処理を行うために起動したり、契約
条件を変更したことに基づく一連の処理を行うために起
動したりすることができる。
【0046】まず、契約登録処理においては、始めに、
ステップS1において、対象とする未契約の顧客に対し
て昇降機保全料金の見積書を作成する。なお、この見積
書の作成手順については、後述する図9に図示のフロー
チャートによって行われる。
【0047】次に、ステップS2において、ステップS
1によって作成した見積書に基づき対象とする顧客との
間で契約交渉を行い、契約を結ぶために種々の条件変更
を行い、見積書の再作成を行う。なお、この契約交渉の
詳しい経過については、後述する図10に図示のフロー
チャート及び図11に図示のフローチャートによって行
われる。
【0048】次いで、ステップS3において、対象とす
る顧客との間で新規契約を行い、その結果を登録する。
なお、この新規契約及び登録手順につては、後述する図
12に図示のフローチャートによって行われる。そし
て、新規契約及びその登録が行われた後、この一連の処
理が終了する。
【0049】一方、料金請求処理においては、始めに、
ステップS4において、契約した顧客及び契約前の顧客
が保有する全昇降機から稼働データを収集し、その稼働
データを顧客別稼働データファイル17に収納する。な
お、この稼働データの収集及びファイル17への収納手
順については、後述する図13に図示のフローチャート
によって行われる。
【0050】次に、ステップS5において、対象とする
各顧客に対して請求すべき月別または年別の保全料金を
算出し、請求書等を作成する。なお、この料金算出及び
請求書等の作成手順については、後述する図14に図示
のフローチャートによって行われる。そして、料金算出
及び請求書等の作成が行われた後、この一連の処理が終
了する。
【0051】また、図8に示されるように、管制センタ
2においては、故障対応処理やその他の処理を行ってい
るもので、周期的に起動され、ステップS6乃至ステッ
プS7からなる一連の処理が行われる。
【0052】始めに、ステップS6において、いずれか
の昇降機からの発報に対して、故障した昇降機に対する
復旧処理を行う。
【0053】次に、ステップS7において故障した昇降
機の復旧が契約内容に沿ったものであるか否かにより、
顧客別ペイバック割引ファイル21の内容を更新する。
なお、ステップS6及びステップS7の処理について
は、後述する図14に図示のフローチャートによって行
われる。そして、ステップS6及びステップS7の処理
が行われた後、この一連の処理が終了する。
【0054】ここで、図9は、図7に図示されたステッ
プS1で実施される見積書の作成手順を示すフローチャ
ートであり、図10及び図11は、図7に図示されたス
テップS2で実施される契約交渉の経過を示すフローチ
ャートであり、図12は、図7に図示されたステップS
3で実施される新規契約及び登録手順を示すフローチャ
ートである。
【0055】図9に示されるように、見積書の作成は、
次のようにして行われる。まず、ステップS11におい
て、対象とする顧客が未契約の顧客であるか否かを判断
する。そして、未契約の顧客であると判断した(Y)と
き次のステップS12に移行し、未契約の顧客でないと
判断した(N)ときこの一連の処理を終了させる。
【0056】次に、ステップS12において、新たに設
置した昇降機を顧客に引渡しを行ってからM1か月目で
あるか否かを判断する。そして、M1か月目であると判
断した(Y)とき次のステップS13に移行し、M1か
月目でないと判断した(N)とき他のステップS14に
移行する。
【0057】次いで、ステップS13において、対象と
する顧客が未だ無償保証期間中であるので、この顧客に
対して契約割引に設定する。
【0058】また、ステップS14において、顧客に引
渡しを行ってからM2か月目であるか否かを判断する。
そして、M2か月目であると判断した(Y)とき次のス
テップS15に移行し、M2か月目でないと判断した
(N)とき前記ステップS13に移行する。なお、M1
とM2の間には、M1<M2の関係がある。
【0059】次に、ステップS15において、対象とす
る顧客が無償保証期間を経過したので、この顧客に対す
る契約割引の設定を解除する。
【0060】続く、ステップS16において、対象とす
る顧客に対して、共通データベース13の各ファイル1
1 、132 、133 、135 の仕様をハイグレード仕
様に設定し、ハイグレード仕様に対応したオプション項
目を設定する。
【0061】続いて、ステップS17において、対象と
する顧客に、ステップS16で設定したオプション項目
を含む提案(SUB)料金の算出を行い、その提案料金
を提案料金算出ファイル19に収納する。なお、この提
案料金算出処理手順については、後述する図16に図示
のフローチャートによって行われる。そして、ステップ
S17における処理が行われた後、この一連の処理が終
了する。
【0062】次に、図10に示されるように、新たな契
約に対する交渉処理は、次のようにして行われる。ま
ず、ステップS21において、対象とする顧客に対する
見積書のプリントアウトの指示があったか否かを判断す
る。そして、指示がなかったと判断した(N)とき次の
ステップS22に移行し、指示があったと判断した
(Y)とき他のステップS26に移行する。
【0063】次に、ステップS22において、対象とす
る顧客から保全商品メニューファイル132 等の仕様の
変更、すなわちハイグレード仕様からスタンダード仕様
への変更があったか否かを判断する。そして、仕様の変
更がなかったと判断した(N)とき次のステップS23
に移行し、仕様の変更があったと判断した(Y)ときに
他のステップS24に移行する。
【0064】次いで、ステップS23において、仕様の
変更が行われないとき、種々のオプション項目の中のい
ずれかのオプション項目を変更した新たな見積書作成の
指示があったか否かを判断する。そして、新たな見積書
作成の指示があったと判断した(Y)とき次のステップ
S23に移行し、新たな見積書作成の指示がなかったと
判断した(N)とき最初のステップS21に戻り、ステ
ップS21以降の動作が繰り返し実行される。この場
合、ステップS22及びステップS23の具体的処理内
容は、後述する図11に図示のフローチャートによって
行われる。
【0065】続く、ステップS24において、仕様の変
更をステップS22で設定したとおりにして新たな提案
料金の算出を行い、提案料金算出ファイル19に収納す
る。
【0066】また、ステップS25において、オプショ
ン項目の変更をステップS23で設定したとおりにして
新たな提案料金の算出を行い、提案料金算出ファイル1
9に収納する。
【0067】次いで、ステップS26において、対象と
する顧客に対する提案料金を提案料金算出ファイル19
から抽出し、新たな見積書としてプリントアウトする。
なお、プリントアウトされる見積書は、コンピュータ1
6から出力してもよく、契約端末5または内部契約端末
24から出力してもよい。
【0068】また、図11に示されるように、図10に
図示のステップS22及びステップS23おける具体的
処理内容は、次の通りである。
【0069】始めに、ステップS27において、交渉の
対象となる顧客に示す提案料金を、提案料金算出ファイ
ル19から抽出し、見積書としてプリントアウトした
後、対象となる顧客に提示する。
【0070】次に、ステップS28において、提示した
見積書に基づいて対象となる顧客との間で保全料金の交
渉を行う。
【0071】次いで、ステップS29において、ステッ
プS28の保全料金の交渉において提示した保全料金に
ついての了解の有無を判断する。そして、提示した保全
料金について了解が得られないと判断した(N)とき次
のステップS30に移行し、了解が得られたと判断した
(Y)とき他のステップS33に移行する。
【0072】続いて、ステップS29において、保全商
品メニューファイル132 等の仕様の変更が必要である
かの有無を判断する。そして、仕様の変更が必要である
と判断した(Y)とき次のステップS31に移行し、仕
様の変更が必要でないと判断した(N)とき他のステッ
プS32に移行する。
【0073】続く、ステップS30において、保全商品
メニューファイル132 等の仕様を変更し、変更した仕
様について顧客に示す提案料金を算出し、新たな見積書
をプリントアウトする。そして、新たな見積書が得られ
た後、ステップS29に戻り、ステップS29以降の動
作が繰り返し実行される。
【0074】また、ステップS30において、保全商品
メニューファイル132 等のオプション項目を個別に再
選択し、再選択したオプション項目を含めて顧客に示す
提案料金を算出し、新たな見積書をプリントアウトす
る。そして、新たな見積書が得られた後、ステップS2
9に戻り、ステップS29以降の動作が繰り返し実行さ
れる。
【0075】一方、ステップS33において、対象とな
る顧客との間で提示した保全料金について了解が得られ
たことから、契約書の取り交わしを行う。
【0076】次に、ステップS33において、新たな契
約を、その内容とともに顧客データベース23に収納す
る。そして、ステップS33の処理が終了したとき、こ
の一連の処理を終了する。
【0077】続いて、図11に示されるように、新規契
約及びその契約の登録の手順は、次のようにして行われ
る。まず、ステップS35において、新規契約に対して
登録の指示があったか否かを判断する。そして、登録の
指示があったと判断した(Y)とき次のステップS36
に移行し、登録の指示がないと判断した(N)ときこの
一連の処理を終了する。
【0078】次に、ステップS36において、新たに契
約した顧客に対する提案料金データを提案料金算出ファ
イル19から取り出し、新たに顧客別料金計算結果ファ
イル181 に収納する。
【0079】次いで、ステップS37において、新たに
契約した顧客に対する提案料金データの中から保全作業
に関連する事項を抽出し、顧客別保全仕様ファイル20
に収納する。
【0080】続く、ステップS38において、コンピュ
ータ27と共動して、新たに契約した顧客に対する提案
料金データの中から緊急対応ランクに関連する事項、例
えば保全商品メニューにおける保証範囲項目を抽出し、
抽出した内容に基づくランク分けを行い、そのランクを
この顧客のランクとして緊急対応ランク別ファイル29
に収納する。そして、ステップS38の処理が終了した
とき、この一連の処理を終了する。
【0081】次に、図13は、図7に図示されたステッ
プS4で実施される稼働データ収集の処理手順を示すフ
ローチャートであり、図14は、図7に図示されたステ
ップS5で実施される保全料金請求の際の処理手順を示
すフローチャートである。
【0082】図13に示されるように、稼働データの収
集は、次のようにして行われる。始めに、ステップS4
1において、現在の時点が月初めであるか否かを判断す
る。そして、月初めであると判断した(Y)とき次のス
テップS42に移行し、月初めでないと判断した(N)
ときこの一連の処理を終了させる。
【0083】次に、ステップS42において、稼働デー
タ収集手段14を付勢し、対象とする顧客の全ての昇降
機からインターネット3を通して稼働データを収集す
る。
【0084】次いで、ステップS43において、稼働デ
ータ収集手段14で収集した稼働データを顧客別に分
け、顧客別稼働データファイル17に収納する。
【0085】続いて、ステップS44において、顧客別
稼働データファイル17に収納された顧客別稼働データ
に基づいて、昇降機毎に当月分の走行時間を算出し、算
出結果を顧客別に顧客別稼働データファイル17に収納
する。そして、ステップS44の処理が終了したとき、
この一連の処理を終了する。
【0086】ところで、この一連の処理において、稼働
データを収集している理由は、人手による昇降機の点検
・診断・整備の作業周期及び部品交換周期を稼働データ
に合わせて実施し、それを保全料金に反映させるためで
ある。そして、この実施の形態においては、稼働データ
が月当たりの走行時間(累積)であるものとして説明し
ているが、稼働データとして起動から停止までの運転回
数(累積)を用いてもよい。また、部品や装置毎に、そ
れぞれの寿命の主因が走行時間(累積)であったり、運
転回数(累積)であったりするので、稼働データとして
運転回数(累積)と走行時間(累積)の組合わせを用い
てもよい。
【0087】また、図14に示されるように、保全料金
請求の際の処理は、次のようにして行われる。まず、ス
テップS51において、現在の時点が月末であるか、年
末であるか、それ以外であるかを判断する。そして、月
末であると判断したとき次のステップS52に移行し、
年末であると判断したとき他のステップS53に移行
し、それ以外であると判断したときこの一連の処理を終
了する。
【0088】次に、ステップS52において、月決め払
いの契約をしている顧客に対して、契約内容に基づく保
全料金を算出する。
【0089】また、ステップS53において、年決め払
いの契約をしている顧客に対して、契約内容に基づく保
全料金を算出する。
【0090】次いで、ステップS54において、ステッ
プS52における当月の保全料金の算出時に、個々の顧
客について、顧客別料金計算結果ファイル181 に収納
されている当月の保全料金から顧客別ペイバック割引フ
ァイル21に収納されている当月度の割引料金を差引い
た保全料金を、当月の保全料金として算出し、得られた
当月の保全料金を顧客別料金請求ファイル182 に収納
する。
【0091】また、ステップS55において、ステップ
S53における当年の保全料金の算出時に、個々の顧客
について、顧客別料金計算結果ファイル181 に収納さ
れている当年の保全料金から顧客別ペイバック割引ファ
イル21に収納されている当年度の割引料金を差引いた
保全料金を、当年の保全料金として算出し、得られた当
年の保全料金を顧客別料金請求ファイル182 に収納す
る。
【0092】続いて、ステップS56において、個々の
顧客について、保全料金が銀行引落しであるか否かを判
断する。そして、銀行引落しであると判断した(Y)と
き次のステップS57に移行し、銀行引落しでないと判
断した(N)とき他のステップS58に移行する。
【0093】続く、ステップS57において、保全料金
引落し請求書を銀行9に転送する。そして、ステップS
57の処理が終了したとき、この一連の処理を終了す
る。
【0094】また、ステップS58において、保全料金
の請求書をプリントアウトする。そして、ステップS5
8の処理が終了したとき、この一連の処理を終了する。
【0095】この一連の処理においては、保全料金を月
払いする顧客に対して、月々の走行時間が反映された保
全料金を月々算出して請求する例を挙げて説明している
が、この例以外の算出を行って請求するようにしてもよ
い。例えば、前年度の実績データとして収集した年間走
行時間から月当りの平均走行時間Y1を算出し、これを
当年度の月々の保全料金の算出に利用することもでき
る。この場合、当年度の月々の実績の平均走行時間と前
記平均走行時間Y1との間に差が生じた場合は、各月毎
に保全料金の差額を算出して顧客に提示し、年間で集計
報告して保全料金の不足分または過払い分を精算する。
従って、ペイバックや割引が当年度中に発生しなけれ
ば、保全料金は年間、月々一定となり、支払いの変動
(特に、増額)がなく、顧客は支払い料金の予算化がし
やすくなる。
【0096】また、この一連の処理においては、保全料
金を年一括払いする顧客に対して、月々の走行時間が反
映された保全料金を年間で集計し、後払いで請求する例
を挙げて説明しているが、この例以外の算出を行って請
求するようにしてもよい。例えば、前年度の実績データ
として収集した年間走行時間から月当りの平均走行時間
Y1を算出し、これを当年度の月々の保全料金の算出に
利用し、1年間の保全料金を前払いとして請求すること
もできる。この場合においても、当年度の月々の実績の
平均走行時間と前記平均走行時間Y1との間に差が生じ
た場合は、各月毎に保全料金の差額を算出して顧客に提
示し、年間で集計報告して前払い保全料金の不足分また
は過払い分を精算する。
【0097】続く、図15は、図8に図示されたステッ
プS6及びステップS7で実施される故障対応処理及び
その他の処理手順を示すフローチャートである。
【0098】まず、ステップS61において、管理下に
あるいずれかの昇降機から故障の発生を示す発報があっ
たか否かを判断する。そして、故障の発生を示す発報が
あったと判断した(Y)とき次のステップS62に移行
し、故障の発生を示す発報がないと判断した(N)とき
この一連の処理を終了させる。
【0099】次に、ステップS62において、発報内容
を故障情報ファイル30に収納し、それと同時に表示画
面28に発報内容を表示する。
【0100】次いで、ステップS63において、発報し
た昇降機の保証範囲に基づいて、そのランクが緊急対応
故障ランク別ファイル29に登録されているか否かを判
断する。そして、登録されていると判断した(Y)とき
次のステップS64に移行し、登録されていないと判断
した(N)ときこの一連の処理を終了させる。
【0101】続く、ステップS64において、登録され
ているランクを表示画面28に表示する。
【0102】続いて、ステップS65において、保守作
業員の故障現場への派遣により、故障した昇降機が復旧
したか否かを判断する。そして、復旧したと判断した
(Y)とき次のステップS66に移行し、未だ復旧して
いないと判断した(N)ときこのステップS65を繰り
返し実行する。
【0103】次に、ステップS66において、今回の昇
降機の故障の対応処理として、保証範囲内の処理が行わ
れたか否かを判断する。そして、保証範囲内の処理がで
きなかったと判断した(N)とき次のステップS67に
移行し、保証範囲内の処理が行われたと判断した(Y)
ときこの一連の処理を終了させる。
【0104】次いで、ステップS66において、故障を
起こした昇降機を保有する顧客について、顧客別ペイバ
ック割引ファイル21から今回の保証範囲内の処理がで
きなった項目のペイバック率を求め、そのペイバック率
を顧客別料金計算結果ファイル181 の該当する保全料
金に乗算し、乗算結果を顧客別割引ファイル21に収納
する。そして、ステップS66の処理が終了したとき、
この一連の処理を終了する。
【0105】続いて、図16(a)、(b)は、図9に
図示されたステップS17で実施される提案料金算出処
理手順を示すフローチャートであって、図16(b)の
経年を表すフローチャートは、図16(a)の提案料金
算出処理のフローチャートの連続するいずれか2つのス
テップ間において実行されるものである。
【0106】この場合、図16(a)に図示のフローチ
ャートの実行条件としては、提案料金算出の対象となる
顧客が無償保証期間内であって、幾つかのオプション項
目が付加されているとする。
【0107】始めに、ステップS71において、対象と
なる顧客に対して共通データベース13から基本スペッ
クを選択する。
【0108】次に、ステップS72において、対象とな
る顧客が保有する昇降機に対して顧客別稼働データファ
イル17から月当りの走行時間を取得する。
【0109】次いで、ステップS73において、ステッ
プS71及びステップS72で得たデータに基づき、対
象となる顧客の仕様及び選択したオプション項目を加味
して保全料金を算出する。
【0110】続く、ステップS74において、ステップ
S73で得られた保全料金から無償保証期間内であるこ
との割引を行って提案料金を算出する。
【0111】この間に、ステップS76において、対象
となる顧客の保有する昇降機が、設置してから丁度5年
経過したか否かを判断する。そして、丁度5年経過して
いないと判断した(N)とき次のステップS77に移行
し、丁度5年経過したと判断した(Y)とき他のステッ
プS79に移行する。
【0112】次に、ステップS77において、対象とな
る顧客の保有する昇降機が、設置してから丁度10年経
過したか否かを判断する。そして、丁度10年経過して
いないと判断した(N)とき次のステップS78に移行
し、丁度10年経過したと判断した(Y)とき他のステ
ップS79に移行する。
【0113】次いで、ステップS78において、対象と
なる顧客の保有する昇降機が、設置してから丁度15年
経過したか否かを判断する。そして、丁度15年経過し
ていないと判断した(N)ときこの一連の処理を終了
し、丁度15年経過したと判断した(Y)とき他のステ
ップS79に移行する。
【0114】続く、ステップS79において、基本スペ
ックの経過年数の項目の中の、ステップS76乃至ステ
ップS78で得られた経過年数に該当する年数に対応し
た割増率をステップS74で得られた提案料金に乗算し
て料金割増分を算出し、その料金割増分を顧客別料金計
算結果ファイル181 に収納する。そして、ステップS
79の処理が終了したとき、この一連の処理を終了す
る。
【0115】再び、ステップS75において、ステップ
S74で得られた提案料金に、ステップS79で得られ
た料金割増分を加えた提案料金を求め、その提案料金を
提案料金算出ファイル19に収納する。そして、ステッ
プS75の処理が終了したとき、この一連の処理を終了
する。
【0116】次に、図17(a)、(b)は、この昇降
機保全料金算出システムにおいて、昇降機の保全ととも
にビル設備機器の保全が行われる場合の全保全料金(パ
ック料金)を算出する経緯を示すフローチャートであ
り、(a)は昇降機の保全を既契約している顧客の継続
契約時にパック料金を設定した場合、(b)は新規契約
時にパック料金を設定した場合を示すものである。
【0117】図17(a)に示されるように、継続契約
時にパック料金を設定する場合は、この昇降機保全料金
算出システムにより次のようにパック料金が算出され
る。まず、ステップS81において、顧客別料金計算結
果ファイル181 から対象とする顧客の保全料金計算デ
ータを取得する。
【0118】次に、ステップS82において、ビル設備
機器保全料金を所定の計算手法(特に説明はしないが、
従来から行われている手法である)によって算出する。
【0119】次いで、ステップS83において、ステッ
プS81で取得した保全料金とステップS82で算出し
た保全料金との和(全保全料金)に、パック料金算出フ
ァイル25から取得したパック商品割引率を乗算して割
引金額を算出し、全保全料金から割引金額を差し引いて
パック料金を算出する。得られたパック料金は、図示さ
れないパック料金計算結果ファイルに収納される。そし
て、ステップS83の処理が終了したとき、この一連の
処理を終了する。
【0120】図17(b)に示されるように、新規契約
時にパック料金を設定する場合は、この昇降機保全料金
算出システムにより次のようにパック料金が算出され
る。まず、ステップS84において、提案料金算出ファ
イル19に対象とする顧客が入力されているか否かを判
断する。そして、入力されていると判断した(Y)とき
次のステップS85に移行し、入力されていないと判断
した(N)ときこの一連の処理を終了させる。
【0121】次に、ステップS85において、提案料金
算出ファイル19から対象とする顧客の提案保全料金を
取得する。
【0122】次いで、ステップS86において、ビル設
備機器保全料金を所定の計算手法(特に説明はしない
が、従来から行われている手法である)によって算出す
る。
【0123】続いて、ステップS87において、ステッ
プS85で取得した提案保全料金とステップS86で算
出した保全料金との和(全保全料金)に、パック料金算
出ファイル25から取得したパック商品割引率を乗算し
て割引金額を算出し、全保全料金から割引金額を差し引
いて提案パック料金を算出する。得られた提案パック料
金は、提案料金算出ファイル19に収納される。そし
て、ステップS87の処理が終了したとき、この一連の
処理を終了する。
【0124】このように、この実施の形態の昇降機保全
料金算出システムによれば、昇降機の走行時間の増大や
経過年数の増大により、保全作業が増えるようになった
場合であっても、このように状態を確実に保全料金に反
映させることができる。
【0125】また、この実施の形態の昇降機保全料金算
出システムによれば、顧客が選択できるオプション項目
について極め細かに料金を計算することができるため、
顧客の予算に応じた商品を提供し、料金を設定すること
ができる。
【0126】さらに、この実施の形態の昇降機保全料金
算出システムによれば、これまで、保全作業等に不手際
があったり、故障の復旧に手間取ったりして、昇降機が
長時間にわたって使用できない等、顧客に迷惑を掛けた
としても、これを補償する手立てが不明確であったもの
を、明確に料金に反映することができ、顧客間に不公平
感を生じるのをなくすことができる。
【0127】この他にも、この実施の形態の昇降機保全
料金算出システムによれば、昇降機だけでなく、例えば
ビル設備の監視等の保全商品も昇降機保全商品とパック
にすることにより、昇降機の保全とビル設備の保全とを
個別に契約した場合に比べ、全体的に保全料金を安価に
することが可能になり、その結果、メンテナンス会社に
おいても受注の拡大が可能になる。
【0128】なお、前記実施の形態においては、共通デ
ータベース13に、基本スペックファイル131 、保全
商品メニューファイル132 、取引条件ファイル13
3 、稼働状況ファイル134 、ペイバック割引ファイル
135 、ポイントファイル13 6 を設けている例を挙げ
て説明したが、本発明の昇降機保全料金算出システム
は、基本スペックファイル131 、保全商品メニューフ
ァイル132 、稼働状況ファイル134 以外のファイル
133 、135 、136 については、適宜省略するよう
にしてもよい。
【0129】また、前記実施の形態における共通データ
ベース13の基本スペックファイル131 、保全商品メ
ニューファイル132 、取引条件ファイル133 、稼働
状況ファイル134 、ペイバック割引ファイル135
ポイントファイル136 に設けている各項目は、適宜、
他の類似の項目の変更したり、他の項目を追加したり、
一部の項目を省略するようにしてもよい。
【0130】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、保全料
金を算出する際に、顧客が選択できるオプション項目を
個別に含ませて算出するとともに、昇降機の状況に応じ
た算出を行っているので、顧客の予算に応じた保全料金
を提示することができるという効果がある。
【0131】また、いままでは、昇降機の保全作業等に
不手際があったり、故障の復旧に手間取ったりして、予
定の時期に昇降機の使用ができない等、顧客に迷惑が掛
かっても、これを補償する手立てが明確でなかったが、
本発明によれば、この点を保全料金に明確に反映させ、
迷惑が掛かったときに保全料金の一部返還が行われるの
で、顧客間に不公平感を生じない保全料金の算出を行う
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による昇降機保全料金算出システムの一
つの実施の形態を示すもので、外部接続装置を含めた昇
降機保全料金算出システムの概要を示す構成図である。
【図2】図1に図示された保全料金算出センタの内部構
成を示すブロック図である。
【図3】図1に図示された管制センタの内部構成を示す
ブロック図である。
【図4】図2に図示された共通データベースの基本スペ
ックファイルの保守内容(基本スペック)である。
【図5】図2に図示された共通データベースの保全商品
メニューファイルの保守内容(保全商品メニュー)であ
る。
【図6】図2に図示された共通データベースの取引条件
ファイルの保守内容(取引条件)、ペイバック割引ファ
イルの保守内容(割引)、稼働状況ファイルの保守時の
状態(稼働状況)である。
【図7】図2に図示された保全料金算出センタで実施さ
れる動作の概要を示すフローチャートである。
【図8】図3に図示された管制センタで実施される動作
の概要を示すフローチャートである。
【図9】図7に図示されたステップS1で実施される見
積書の作成手順を示すフローチャートである。
【図10】図7に図示されたステップS2で実施される
契約交渉の経過を示すフローチャートである。
【図11】図7に図示されたステップS2で実施される
契約交渉の経過を示すフローチャートである。
【図12】図7に図示されたステップS3で実施される
新規契約及び登録手順を示すフローチャートである。
【図13】図7に図示されたステップS4で実施される
稼働データ収集の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図14】図7に図示されたステップS5で実施される
保全料金請求の際の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図15】図8に図示されたステップS6及びステップ
S7で実施される故障対応処理及びその他の処理手順を
示すフローチャートである。
【図16】図9に図示されたステップS17で実施され
る提案料金算出処理手順を示すフローチャートであっ
【図17】昇降機の保全とともにビル設備機器の保全が
行われる場合の全保全料金(パック料金)を算出する経
緯を示すフローチャートである。
【図18】経過年数が一定であるときの保全料金と月当
たりの走行時間との関係を示す特性図である。
【図19】月当たりの走行時間が一定であるときの保全
料金と経過年数との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 保全料金算出センタ 2 管制センタ 3 インターネット(通信回線) 4 イントラネット(内部通信回線) 5 契約端末 6(1)、6(2) ビル 7(1)、7(2) 昇降機の端末装置 8 支社 9 銀行 101 、102 、111 、112 通信手段 12 料金算出手段 13 共通データベース 131 基本スペックファイル 132 保全商品メニューファイル 133 取引条件ファイル 134 稼働状況ファイル 135 ペイバック割引ファイル 136 ポイントファイル 14 稼働データ収集手段 15 保全作業実績収集手段 16、27 コンピュータ 17 顧客別稼働データファイル 181 顧客別料金計算結果ファイル 182 顧客別料金請求ファイル 19 提案料金算出ファイル 20 保全仕様ファイル 21 顧客別ペイバック割引ファイル 22 顧客別ペイバック料金請求ファイル 23 顧客データベース 24 内部契約端末 25 パック料金算出ファイル 26、31 バスライン 28 表示画面(表示部) 29 緊急対応故障ランク別ファイル 30 故障データファイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津山 努 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 末永 徹 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 甫坂 光男 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 坂田 一裕 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 久保田 弘司 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 金崎 守男 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 郷古 洋 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 磯邊 孝行 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 一色 要 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 Fターム(参考) 3F303 BA01 CB47 DC34 EA06 FA12 3F304 BA26 EA17 ED16 5B049 BB31 BB46 CC11 CC31 CC36 EE01 EE05 EE28 FF02 FF03 FF04 GG04 GG07 GG09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各昇降機に通信回線を介して接続される
    保全料金算出センタと契約端末とを有し、前記保全料金
    算出センタは、料金算出共通データを用い、所定の料金
    計算式に従って保全料金を算出する料金算出手段と、前
    記各昇降機の稼働データを収集する稼働データ収集手段
    と、前記稼働データを顧客別に収納する顧客別稼働デー
    タファイルと、前記料金算出共通データを収納する共通
    データベースとを備え、前記契約端末の操作によりまた
    は一定の時期になると、前記料金算出手段は、前記料金
    算出共通データベースを用い、前記料金計算式に従って
    保全料金を計算し、その計算結果を出力することを特徴
    とする昇降機保全料金算出システム。
  2. 【請求項2】 前記契約端末は、通信回線を介して前記
    保全料金算出センタに接続されたものであることを特徴
    とする請求項1に記載の昇降機保全料金算出システム。
  3. 【請求項3】 前記契約端末は、前記保全料金算出セン
    タに組み込まれているものであることを特徴とする請求
    項1に記載の昇降機保全料金算出システム。
  4. 【請求項4】 前記料金計算式は、保全料金をY1 、基
    本スペックによって決定される金額をA、Bを保全商品
    メニューの選択項目によって決定される金額をB、割引
    係数をL、固定費用をC、ペイバック金額をPとしたと
    き、Y1 ={(A+B)×L+C}×(1−P)の関係
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の昇降機
    保全料金算出システム。
  5. 【請求項5】 前記共通データベースは、保全に関する
    基本的事項を収納した基本スペックと、保全に関する各
    種オプション事項を収納した保全商品メニューと、料金
    支払い条件に関する事項を収納した取引条件と、稼働頻
    度を表す事項を収納した稼働状況と、料金の各種割引や
    払戻しに関する事項を収納したペイバック割引と、契約
    内容に基づく料金還元に関する事項を収納したポイント
    とからなっていることを特徴とする請求項1に記載の昇
    降機保全料金算出システム。
  6. 【請求項6】 前記保全料金算出センタは、保全料金無
    償期間中の顧客に対して算出した保全料金計算結果を収
    納する提案料金算出ファイルと、契約後の顧客に対して
    算出した保全料金計算結果を収納する顧客別料金計算結
    果ファイルとを備えることを特徴とする請求項1に記載
    の昇降機保全料金算出システム。
  7. 【請求項7】 前記料金算出手段は、保全料金算出時に
    スタンダード仕様とハイグレード仕様とを選択して算出
    するものであることを特徴とする請求項1に記載の昇降
    機保全料金算出システム。
  8. 【請求項8】 前記料金算出手段は、前記スタンダード
    仕様及び前記ハイグレード仕様の双方において保全商品
    メニュー中のオプション商品を除いた保全料金を選択し
    て算出できるものであることを特徴とする請求項7に記
    載の昇降機保全料金算出システム。
  9. 【請求項9】 前記保全料金算出センタは、内部通信回
    線を介して管制センタに接続されており、前記管制セン
    タは、各昇降機に通信回線を介して接続されるととも
    に、顧客別の緊急対応ランクを表すランクデータを収納
    した緊急対応故障ランク別ファイルと、発報内容ととも
    に発報先の緊急対応ランクを表示する表示部とを備えて
    いることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保全料金
    算出システム。
  10. 【請求項10】 前記保全料金算出センタは、顧客別ペ
    イバック割引の規定内容を収納した顧客別ペイバック割
    引ファイルを備え、保証範囲内の事項が満たされなかっ
    た顧客に対し、顧客別ペイバック割引ファイルの内容を
    変更することを特徴とする請求項1に記載の昇降機保全
    料金算出システム。
  11. 【請求項11】 前記保全料金算出センタは、各昇降機
    で実行された保全作業を示す作業データを通信回線を介
    して収集する保全作業実績データ収集手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の昇降機保全料金算出
    システム。
  12. 【請求項12】 前記共通データベースにおけるポイン
    トは、前記保全作業実績データ収集手段で収集した作業
    データに基づいて還元ポイントが更新されることを特徴
    とする請求項1に記載の昇降機保全料金算出システム。
  13. 【請求項13】 前記料金算出手段は、契約時に昇降機
    保全料金とビル設備保全料金とをパックにしたパック商
    品を契約した顧客に対する保全料金を割り引いて算出す
    ることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保全料金算
    出システム。
  14. 【請求項14】 前記保全料金算出センタは、昇降機保
    全料金を契約している顧客が新たにパック商品の契約す
    る場合、そのパック料金算出結果を収納したパック料金
    算出結果ファイルを備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の昇降機保全料金算出システム。
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