JP2001254782A - Vリブドベルト - Google Patents

Vリブドベルト

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JP2001254782A
JP2001254782A JP2000071591A JP2000071591A JP2001254782A JP 2001254782 A JP2001254782 A JP 2001254782A JP 2000071591 A JP2000071591 A JP 2000071591A JP 2000071591 A JP2000071591 A JP 2000071591A JP 2001254782 A JP2001254782 A JP 2001254782A
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belt
para
longitudinal direction
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Fumichika Nakagawa
文史 中川
Masashi Tamura
昌史 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過度のスリップを起こさず伝達力が高く、特
に被水時のスリップが小さいVリブドベルトを提供す
る。 【解決手段】 伸張部1と、ベルト長手方向に沿って心
線2を埋設したクッションゴム層3と、クッションゴム
層3に隣接して設けられベルト長手方向に延びる複数本
のリブ4を有する圧縮ゴム層5とからなるVリブドベル
トに関する。ベルト長手方向に1%伸ばすのに1リブ当
り150〜400Nの引張り力を要する引張弾性率にV
リブドベルトを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝動に用いら
れるVリブドベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vリブドベルトは、外周側の伸張部と、
その内側の心線を埋設したクッションゴム層と、その内
側のリブを設けた圧縮ゴム層とを積層して形成されるも
のであり、最も内周側になる圧縮ゴム層のリブはベルト
長手方向に沿って断面V字形に形成され、ベルト幅方向
に複数本平行に設けてある。このようなVリブドベルト
はVベルトに比べて厚みが薄いために曲げ応力が少な
く、小プーリに対する使用可能域が広くなってコンパク
トな設計が可能で、省エネルギー効果も顕著である等の
利点を有するものであり、用途も自動車、農業機械、家
庭用電化機器など拡大の一途をたどっている。
【0003】そしてこのようなVリブドベルトを用いて
動力をプーリ間で効率良く伝達するためには、Vリブド
ベルトが過度のスリップをしないことが重要である。V
リブドベルトが過度のスリップを起こす原因としては、
走行開始直後の起動時にVリブドベルトが瞬時に大きく
伸びることが挙げられるが、逆に起動時にVリブドベル
トに高負荷が掛かっても殆どVリブドベルトが伸びない
と、Vリブドベルトの弛み側での張力が殆どゼロとなる
ので、Vリブドベルトの張り側と弛み側とで張力差が大
きくなり、バランスが崩れてこの場合も過度のスリップ
の原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、実用新案登録
第3056210号公報にみられるような改良が従来か
ら試みられているが、十分な効果を得るに至っていない
のが現状である。特に、雨水がかかる場合など被水時に
スリップが大きく発生することを防ぐことが難しいのが
現状である。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、過度のスリップを起こさず伝達力が高く、特に被
水時のスリップが小さいVリブドベルトを提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
Vリブドベルトは、伸張部1と、ベルト長手方向に沿っ
て心線2を埋設したクッションゴム層3と、クッション
ゴム層3に隣接して設けられベルト長手方向に延びる複
数本のリブ4を有する圧縮ゴム層5とからなるVリブド
ベルトにおいて、ベルト長手方向に1%伸ばすのに1リ
ブ当り150〜400Nの引張り力を要する引張弾性率
に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、圧縮ゴム層5にパラ系アラミド短繊維6が含有され
ていると共にパラ系アラミド短繊維6がリブ4の側面か
ら突出しており、パラ系アラミド短繊維6の突出部がフ
ィブリル化していることを特徴とするものである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項2におい
て、圧縮ゴム層5に綿短繊維7が含有されていると共に
綿短繊維7がリブ4の側面から突出していることを特徴
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0010】図1はVリブドベルトの一例を示すもので
あり、外周側の伸張部1と、伸張部1の内側に積層さ
れ、ベルト長手方向に沿って複数本の心線2を埋設した
クッションゴム層3と、クッションゴム層3の内側に積
層され、ベルト長手方向に沿う複数本の断面略V字形の
リブ4を設けた内周側の圧縮ゴム層5とから形成される
ものである。
【0011】上記の圧縮ゴム層5を形成するゴム組成物
としては、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、天
然ゴム、CSM、ACSM、SBR等をゴム成分として
配合したものを使用することができる。水素化ニトリル
ゴムを用いる場合、その水素添加率は80質量%以上が
好ましく、特に耐熱性及び耐オゾン性の特性を良好に発
揮させるためには90質量%以上がより好ましい。水素
添加率80質量%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性
及び耐オゾン性が極度に低下する。また結合アクリロニ
トリル量は20〜45質量%の範囲が好ましい。
【0012】伸張部1を形成するゴムやクッションゴム
層3を形成するゴム組成物についても、上記と同じもの
を用いることができるものであり、後述のように圧縮ゴ
ム層5を形成するゴム組成物に短繊維を配合する場合に
は、短繊維を配合していないゴム組成物を用いるように
してもよい。
【0013】また、上記のクッションゴム層3に埋入さ
れる心線2としては、エチレン−2,6−ナフタレート
を主たる構成単位とするポリエステル繊維、ポリエチレ
ンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維などからなるロ
ープを使用することができ、ゴムとの接着性を改善する
目的で接着処理を施したものを用いるのが好ましい。こ
のような接着処理としては、ロープをレゾルシン−ホル
マリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬した後、加熱
処理して表面に接着層を均一に形成するようにして行な
うことができる。しかしこれに限られることはなく、エ
ポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後
にRFL液で処理する方法などもある。
【0014】ここで、心線2はベルト長手方向に沿うよ
うにクッションゴム層3に埋入されているものであり、
ベルト幅方向に複数本が並列してクッションゴム層3に
埋入されている。Vリブドベルトの強度は主としてこの
心線2に依存するものであり、心線2の種類や埋入本数
(すなわち隣り合う心線2間のピッチp)によって、V
リブドベルトの長手方向の引張弾性率が主として決定さ
れるものである。そして本発明では、Vリブドベルトを
長手方向へ1%伸ばすために、Vリブドベルトを長手方
向へ引っ張る力として1リブ当り150〜400Nの範
囲の力が必要になるように、心線2の種類や埋入本数が
設定してある(従って、Vリブドベルトを長手方向へ引
っ張る力は(150〜400N)×リブ4の本数にな
る)。
【0015】このように、長手方向へ1%伸ばすために
Vリブドベルトを長手方向へ引っ張る力として、1リブ
当り150〜400Nの範囲の力が必要になるようにV
リブドベルトの引張弾性率を形成することによって、V
リブドベルトに一定の負荷が掛かったときのベルト伸び
を制限することができ、スリップの少ないVリブドベル
トとすることができるものである。すなわち、長手方向
へ1%伸ばすために必要なVリブドベルトを長手方向へ
引っ張る力が1リブ当り150N未満であると、走行開
始直後の起動時にVリブドベルトが瞬時に大きく伸び、
スリップが大きく発生するものであり、また長手方向へ
1%伸ばすために必要なVリブドベルトを長手方向へ引
っ張る力が1リブ当り400Nを超えると、起動時にV
リブドベルトに高負荷が掛かっても殆どVリブドベルト
が伸びず、Vリブドベルトの弛み側での張力が殆どゼロ
となって、Vリブドベルトの張り側と弛み側とで張力差
が大きくなり、バランスが崩れてこの場合もスリップが
大きく発生するものである。
【0016】特に、上記のように長手方向へ1%伸ばす
ためにVリブドベルトを長手方向へ引っ張る力として1
リブ当り150〜400Nの範囲の力が必要になるよう
にVリブドベルトの引張弾性率を形成することによっ
て、雨水がかかった場合などVリブドベルトが懸架され
るプーリが被水した時の、リブ4とプーリの間の摩擦係
数が低下した際にスリップが発生することを防止する効
果を高く得ることができる。すなわち、Vリブドベルト
の引張弾性率が低い場合、すなわち心線2が伸び易い場
合は、リブ4のゴムがプーリとの摩擦で変形する際に心
線2も大きく伸びるので、リブ4のゴム変形は小さい。
そして被水してリブ4のゴムの摩擦抵抗が低下すると、
ゴム変形が小さいリブ4に小さなスリップ振動が生じて
心線2に伸び縮みが発生し、この心線2の伸び縮みによ
ってスリップが大きく発生する。またVリブドベルトの
引張弾性率が高い場合、すなわち心線2が伸び難い場合
は、リブ4のゴムがプーリとの摩擦で変形する際に心線
2の伸びは小さいので、リブ4のゴム変形は大きい。そ
して被水してリブ4のゴムの摩擦抵抗が低下すると、大
きく変形したリブ4がプーリの表面を滑り、大きなスリ
ップが発生する。このようにVリブドベルトの引張弾性
率が低い場合と高い場合のいずれも、被水時にスリップ
が大きく発生し易いが、Vリブドベルトの引張弾性率を
上記の範囲に設定することによって、心線2の伸びやリ
ブ4のゴム変形が適度な範囲になり、被水時のスリップ
を低減することができるものである。
【0017】また伸張部1の外周にはカバー帆布10が
積層してある。このカバー帆布10はポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用
いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布を用いること
ができる。
【0018】また本発明にあって、圧縮ゴム層5を形成
するゴム組成物にパラ系アラミド短繊維6を混入して、
圧縮ゴム層5にパラ系アラミド短繊維6が含有されるよ
うにし、リブ4の側面からこのパラ系アラミド短繊維6
を突出させると共に、パラ系アラミド短繊維6の突出部
をフィブリル化するようにするのが好ましい。パラ系ア
ラミド短繊維6を混入したゴム組成物で圧縮ゴム層5を
加硫成形し、そして圧縮ゴム層5を切削・研磨してリブ
4を形成する際に、リブ4の側面からパラ系アラミド短
繊維6を突出させることができるものであり、またリブ
4を研磨する際にパラ系アラミド短繊維6の突出部が擦
られてフィブリル化することができるものである。
【0019】ここで、フィブリル化とは、図2に示すよ
うに、繊維6の表面がほぐされて約1〜2mm程度のヒ
ゲ状の微細繊維11が多数発生してパルプ状になるもの
をいうものであり、このようにフィブリル化してパルプ
状になるアラミド繊維はパラ系とメタ系のうちパラ系の
ものだけであり、メタ系アラミド繊維ではパルプ状の繊
維を得ることができない。本発明で用いるパラ系アラミ
ド短繊維6としては、特に制限されるものではないが、
ポリパラフェニレンイソフタルアミドを挙げることがで
き、またパラ系アラミド短繊維6は長さが2〜6mm、
モノフィラメント径が9〜18μmのものを用いること
ができる。
【0020】リブ4を研磨してパラ系アラミド短繊維6
を突出させると共にフィブリル化するにあたっては、加
硫ドラムの外周で圧縮ゴム層5を成形加硫した後、80
〜200メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨
ホイールを回転駆動させ、回転させた加硫ドラムの外周
の圧縮ゴム層5に研磨ホイールを当接させてリブ4を形
成することによって行なうことができるものであり、こ
のように研磨ホイールを用いて研磨することによって、
リブ4の表面に突出したパラ系アラミド短繊維6をフィ
ブリル化することができるものである。このフィブリル
化した部分はパラ系アラミド短繊維6のうちゴムに埋入
している部分の太さの1/2〜1/8であり、少なくと
もその一部はカールしている。
【0021】そして上記のように、リブ4の側面からパ
ラ系アラミド短繊維6を突出させると共に突出部をフィ
ブリル化することによって、Vリブドベルトをプーリに
懸架して走行させるにあたって、リブ4の表面とプーリ
との間の摩擦力をこのフィブリル化したパラ系アラミド
短繊維6によって低下させることができ、ゴムの粘着摩
耗を低減すると共にスリップによる発音を防ぐことがで
きるものである。また雨水がかかった場合など被水時に
は、フィブリル化したパラ系アラミド短繊維6がVリブ
ドベルトとプーリの間の水を掃き出したり掃き飛ばした
りして、水を除去することができ、被水時のスリップを
低減することができるものである。さらにパラ系アラミ
ド短繊維6をゴム中に含有させることによって、Vリブ
ドベルトの剛性を高めて変形を防止できる効果もあり、
このことから、動摩擦と静摩擦の状態が繰り返し発生し
た場合でも、Vリブドベルトの表面の変形が起こり難
く、ベルトのビビリを抑制することができるものであ
る。
【0022】上記のパラ系アラミド短繊維6の圧縮ゴム
層5のゴム組成物への添加量は、ゴム100質量部に対
して5〜10質量部の範囲が好ましい。パラ系アラミド
短繊維6の添加量が5質量部未満であると、発音を防ぐ
効果や、水を掃き出す効果を十分に得ることができな
い。逆にパラ系アラミド短繊維6の添加量が10質量部
を超えると、ベルト剛性が大きくなり過ぎて伝達力が低
下し、かえってスリップが発生し易くなる。
【0023】また本発明にあって、圧縮ゴム層5を形成
するゴム組成物にパラ系アラミド短繊維6の他に綿短繊
維7を混入して、圧縮ゴム層5に綿短繊維7が含有され
るようにし、リブ4の側面からこの綿短繊維7を突出さ
せるようにするのが好ましい。上記のパラ系アラミド短
繊維6の場合と同様に、綿短繊維7を混入したゴム組成
物で圧縮ゴム層5を加硫成形し、そして圧縮ゴム層5を
切削・研磨してリブ4を形成する際に、リブ4の側面か
ら綿短繊維7を突出させることができる。
【0024】このようにリブ4の側面から綿短繊維7を
突出させることによって、リブ4の表面とプーリとの間
の摩擦力をこの綿短繊維7によって低下させ、ゴムの粘
着摩耗を低減すると共にスリップによる発音を防ぐこと
ができるものであり、また被水時に、Vリブドベルトと
プーリの間の水を綿短繊維7で吸水して除去することが
でき、被水時のスリップを低減することができるもので
ある。特に、上記のフィブリル化したパラ系アラミド短
繊維6による水の掃き出しと、綿短繊維7による吸水の
相乗効果でVリブドベルトとプーリの間の水の除去の効
果が高くなり、被水時のスリップの低減の効果を高く得
ることができるものである。
【0025】上記の綿短繊維7としては、繊維長が2〜
10mmのものが好ましい。また綿短繊維7の圧縮ゴム
層5のゴム組成物への添加量は、ゴム100質量部に対
して10〜40質量部の範囲が好ましい。綿短繊維7の
添加量が10質量部未満であると、発音を防ぐ効果や、
吸水の効果を十分に得ることができない。逆に綿短繊維
7の添加量が40質量部を超えると、ゴム組成物に綿短
繊維7を均一に分散させ難くなり、Vリブドベルトの耐
熱・耐屈曲疲労性が悪くなるおそれがある。尚、綿短繊
維7はゴムとの接着性を向上させるために、エポキシ化
合物やイソシアネート化合物などの処理液で接着処理し
て用いるのが好ましい。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0027】(実施例1〜3、比較例1〜3)円筒状の
加硫ドラムの外周に綿の平織物にクロロプレンゴムをフ
リクションしたカバー帆布10を1プライ巻き付け、そ
の上に表1のゴム組成からなる伸張部用ゴムシートを巻
き、またその上に表1のゴム組成からなるクッションゴ
ム層用ゴムシートを巻くと共に、その上に心線を螺旋状
に巻き、さらにその上に表1のゴム組成からなる圧縮ゴ
ム層用ゴムシートを巻き付けた。そしてこれを160℃
で30分間加硫して成形することによって、伸張部1の
層、心線2が埋入されたクッションゴム層3、圧縮ゴム
層5が一体に積層された円筒状の加硫ゴムスリーブを得
た。
【0028】次に、150メッシュのダイヤモンドを表
面に装着した研磨ホイールを回転駆動させ、回転させた
加硫ドラムの外周の圧縮ゴム層5に研磨ホイールを当接
させ、圧縮ゴム層5を切削・研磨することによって、円
周方向に多数本のV字形のリブ4を形成した。
【0029】そしてこのリブ4を形成した加硫ゴムスリ
ーブを加硫ドラムから取り出し、輪切りに切断すること
によって、図1の構造を有する、RMA規格によるベル
トサイズが5PK980のVリブドベルトを得た。この
Vリブドベルトは内周と外周を反転して使用することが
できる。
【0030】ここで、心線2としては、表2に示すよう
に、その種類が、PET(ポリエチレンテレフタレート
繊維)、PEN(エチレン−2,6−ナフタレートを主
たる構成単位とするポリエステル繊維)、アラミド繊維
からなり、その構成が1100デニールの糸の5本撚り
(1100d/5)、1100デニールの糸の6本撚り
(1100d/6)、1500デニールの糸の3本撚り
(1500d/3)からなるロープを選択して用い、心
線2のピッチpを表2のように設定した。
【0031】そして上記のような心線2の種類や構成、
ピッチpの設定によって、得られたVリブドベルトを長
手方向へ1%伸ばすのに必要な1リブ当りの引張り力は
表2のようになった。
【0032】
【表1】
【0033】上記のようにして得た実施例1〜3及び比
較例1〜3のVリブドベルトについて、リブ4を内側に
して、直径80mmの駆動側プーリと直径110mmの
従動側プーリの間に掛け渡し、駆動側プーリを2000
rpmで回転させた。そして2%スリップ時の伝達トル
クを測定し、その結果を表2に示した。このとき、注水
しない乾燥時の伝達トルクと、120ml/minで注
水した被水時の伝達トルクを測定した。また、乾燥時に
おいて、発音の有無を測定し、その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2にみられるように、ベルト長手方向に
1%伸ばすのに1リブ当り150〜400Nの引張り力
を要する引張弾性率に形成した実施例1〜3のVリブド
ベルトは、スリップが小さくて伝達トルクが高く、特に
被水時にもスリップが小さくて伝達トルクが低下しない
ことが確認される。さらに実施例1〜3のVリブドベル
トは発音も無いものであった。
【0036】(実施例4〜7、参考例)クッションゴム
層用ゴムシートと圧縮ゴム層用ゴムシートとして表3の
ゴム組成で作製したものを用い、心線2としてポリエス
テル繊維からなる1000d/5のロープを用いるよう
にした他は、上記実施例と同様にして、RMA規格によ
る長さ1108mmのK型4リブドベルトを得た。尚、
表3においてパラ系アラミド短繊維はポリパラフェニレ
ンイソフタルアミド繊維である。この実施例4〜7及び
参考例で得たVリブドベルトにあって、Vリブドベルト
を長手方向へ1%伸ばすのに必要な1リブ当りの引張り
力は200Nであった。
【0037】
【表3】
【0038】そして実施例4〜7及び参考例で得たVリ
ブドベルトを直径140mmの駆動側プーリと、発電機
に設けた直径55mmの従動側プーリと、エアーコンプ
レッサーに設けた直径150mmの従動側プーリに掛け
渡し、両従動側プーリ間に直径85mmのテンションプ
ーリを当接させ、Vリブドベルトに390Nの張力を与
えた。そして駆動側プーリを1000rpmで回転さ
せ、Vリブドベルトに与える張力を徐々に下げていき、
発音が起こったときの張力を発音限界張力として表4に
示した。
【0039】
【表4】
【0040】表4にみられるように、圧縮ゴム層のリブ
にパラ系アラミド短繊維や綿短繊維を含有させた実施例
4〜7のものでは、発音限界張力が小さく、走行駆動時
の発音を低減できることが確認される。
【0041】
【発明の効果】上記のように本発明は、伸張部と、ベル
ト長手方向に沿って心線を埋設したクッションゴム層
と、クッションゴム層に隣接して設けられベルト長手方
向に延びる複数本のリブを有する圧縮ゴム層とからなる
Vリブドベルトにおいて、ベルト長手方向に1%伸ばす
のに1リブ当り150〜400Nの引張り力を要する引
張弾性率に形成されていることを特徴とするものであ
り、Vリブドベルトに一定の負荷が掛かったときのベル
ト伸びを制限することができ、過度のスリップを起こさ
ず伝達力が高いVリブドベルトとすることができると共
に、特に被水時のスリップを低減することができるもの
である。
【0042】また請求項2の発明は、圧縮ゴム層にパラ
系アラミド短繊維が含有されていると共にパラ系アラミ
ド短繊維がリブの側面から突出しており、パラ系アラミ
ド短繊維の突出部がフィブリル化しているので、リブの
表面とプーリとの間の摩擦力をフィブリル化したパラ系
アラミド短繊維によって低下させることができ、スリッ
プによる発音を防ぐことができると共に、被水時にはフ
ィブリル化したパラ系アラミド短繊維がVリブドベルト
とプーリの間の水を掃き出して除去することができ、被
水時のスリップを低減することができるものである。
【0043】また請求項3の発明は、圧縮ゴム層に綿短
繊維が含有されていると共に綿短繊維がリブの側面から
突出しているので、リブの表面とプーリとの間の摩擦力
を綿短繊維によって低下させることができ、スリップに
よる発音を防ぐことができると共に、被水時にはフィブ
リル化した綿短繊維がVリブドベルトとプーリの間の水
を吸収して除去することができ、被水時のスリップを低
減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの構造を示す一部の破断斜視図
である。
【図2】パラ系アラミド短繊維のフィブリル化を示す拡
大した斜視図である。
【符号の説明】
1 伸張部 2 心線 3 クッションゴム層 4 リブ 5 圧縮ゴム層 6 パラ系アラミド短繊維 7 綿短繊維

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸張部と、ベルト長手方向に沿って心線
    を埋設したクッションゴム層と、クッションゴム層に隣
    接して設けられベルト長手方向に延びる複数本のリブを
    有する圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトにおいて、
    ベルト長手方向に1%伸ばすのに1リブ当り150〜4
    00Nの引張り力を要する引張弾性率に形成されている
    ことを特徴とするVリブドベルト。
  2. 【請求項2】 圧縮ゴム層にパラ系アラミド短繊維が含
    有されていると共にパラ系アラミド短繊維がリブの側面
    から突出しており、パラ系アラミド短繊維の突出部がフ
    ィブリル化していることを特徴とする請求項1に記載の
    Vリブドベルト。
  3. 【請求項3】 圧縮ゴム層に綿短繊維が含有されている
    と共に綿短繊維がリブの側面から突出していることを特
    徴とする請求項2に記載のVリブドベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112009004597T5 (de) 2009-03-26 2012-05-24 Bando Chemical Industries, Ltd. Reibungsübertragungsriemen

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