JP7088819B2 - Vリブドベルト及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車エンジンの補機駆動に用いられるVリブドベルト及びその製造方法に関し、詳しくは、雨天走行時でも高い動力伝達性能を有するVリブドベルト及びその製造方法に関する。
Vリブドベルトは、エアコンプレッサやオルタネータ等の自動車エンジンの補機駆動の動力伝達に広く用いられ、天候に拘わらず、常に高い動力伝達性能が求められる。しかし、雨天走行時(被水時)等には、エンジンルーム内に水が浸入することにより、ベルトの摩擦伝動面とプーリとの間に水が介在して、摩擦係数が低下するため、ベルトがスリップを起こして動力伝達性能が低下する問題を有している。このような問題に対して、ベルトの摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を排除する手段として、吸水性繊維によって接触面から吸水する方法が提案されている。
特開2014-167347号公報(特許文献1)には、ポリマー成分、綿短繊維などの吸水性の短繊維及び界面活性剤を含有するゴム組成物で構成された圧縮ゴム層を備えたVリブドベルトが開示されており、特開2014-209028号公報(特許文献2)には、摩擦伝動面をポリエステル系複合糸とセルロース系天然紡績糸で編成された編布で被覆したVリブドベルトが開示されており、WO2015/177953(特許文献3)には、摩擦伝動面をポリエチレンテレフタレート、ポリアミド又はアラミドの紡績糸で構成された吸水性布で被覆したVリブドベルトが開示されている。これらのVリブドベルトでは、圧縮ゴム層の吸水性繊維に含水させることで、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を除去している。
しかし、特許文献1~3のVリブドベルトでは、吸水した水を効率良く排水する手段がないため、吸水性繊維がある程度吸水すると、効果が減少する。
一方、排水経路によって接触面から排水する方法も提案されている。特開2009-030717号公報(特許文献4)には、リブ形成面に複数の凹入箇所(溝)が設けて、プーリと当接しない非接触領域を形成し、被水時にこの非接触領域に水を流入させるVリブドベルトが開示されている。また、特開2009-281555号公報(特許文献5)には、リブ部の両側面にベルト長手方向に延在する少なくとも一つの凹部を設け、この凹部を排水溝として水を排出できるVリブドベルトが開示されている。さらに、特開2006-046392号公報(特許文献6)には、Vリブの谷間から背面に貫通する複数の水抜き孔を有するVリブドベルトが開示されている。これらのVリブドベルトでは、排水経路により水を排出することで、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を排除している。
しかし、特許文献4~6のVリブドベルトでも、効率よく排水経路に水を導くのが困難であり、摩擦伝動面とプーリとの間にある水を効率良く除去できない。
なお、特表2016-518557号公報(特許文献7)には、ベルトの略横方向に配置された補強体(コード)を被包する弾性材料で形成された圧縮セクションを備えたVリブドベルトが開示されている。このVリブドベルトでは、弾性材料の圧縮によって、補強体が圧縮セクションの残部に対して突出することによって、乾燥及び湿潤の両条件において、有効摩擦係数の安定性を実現している。すなわち、補強体に起因するVリブの際立った量の表面積によって乾燥状態での摩擦係数を減少させている。さらに、前記補強体の突出によって、摩擦伝動面とプーリとの間の水の潤滑作用に対しても突起が有する中断効果によって湿潤条件での摩擦係数を増大させている。
しかし、特許文献7には、摩擦伝動面とプーリとの間における水の排除について記載されていない。さらに、Vリブドベルトなどの摩擦伝動ベルトでは、実用的な面から動力伝達性能と耐久性とを両立させることが重要であるが、親水性材料はベルト材質との親和性が低いためか、被水走行時の動力伝達性能を向上させると、ベルトの耐久性は低下する傾向にある。そのため、Vリブドベルトにおいて、被水走行時の動力伝達性能と耐久性とはトレードオフの関係にあり、両立が困難である。
特開2014-167347号公報(請求項1、実施例) 特開2014-209028号公報(請求項1) WO2015/177953(請求項1及び4、実施例) 特開2009-030717号公報(請求項1) 特開2009-281555号公報(請求項1、段落[0010]) 特開2006-046392号公報(請求項1) 特表2016-518557号公報(請求項1、段落[0007])
従って、本発明の目的は、被水走行時であっても動力伝達性能を維持できるVリブドベルト及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ベルトの耐久性と被水走行時の動力伝達性能とを両立できるVリブドベルト及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討の結果、Vリブドベルトの圧縮ゴム層を構成するリブ部に、ベルト長手方向に間隔をおいて複数の吸水性糸を埋設し、かつ前記吸水性糸をベルト幅方向に対して傾斜した方向に沿って並べるとともに、前記吸水性糸の両端部を前記リブ部の側面で露出させることにより、被水走行時であっても動力伝達性能を維持できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のVリブドベルトは、ベルト背面を形成する伸張層と、この伸張層の一方の面に形成され、かつベルト幅方向に並んだ複数のリブ部を有する圧縮ゴム層と、前記伸張層と前記圧縮ゴム層との間に埋設される芯体とを備えたVリブドベルトであって、前記リブ部が、対向する2つの側面でプーリと接して摩擦係合し、かつベルト長手方向に間隔をおいて埋設された複数の吸水性糸を含み、各吸水性糸が、ベルト厚み方向に略垂直な面方向において、リブ部の一方の側面から対向する他方の側面に向かって、ベルト幅方向に対して傾斜した方向に延び、かつベルト幅方向に貫通して、各吸水性糸の両端部がリブ部の各側面で露出している。前記複数の吸水性糸の間隔は2~15mm程度であってもよい。前記Vリブドベルトは、ベルト厚み方向におけるリブ部の中央領域に吸水性糸を含んでいてもよい。ベルト幅方向に対する前記吸水性糸の角度は5~85°程度であってもよい。前記吸水性糸の平均繊維径は0.1~1mm程度であってもよい。前記吸水性糸は、単繊維の平均繊維径8μm以下であるマルチフィラメント糸であってもよい。前記吸水性糸は、セルロース系繊維、ポリアミド繊維及びポリエステル繊維からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。
本発明には、円筒状ドラムに、伸張層を形成するためのシートと、芯体と、圧縮ゴム層を形成するためのシートとを順次巻き付ける巻付工程、巻き付けられた積層シートを金型に押し付けて前記未加硫ゴムシートを加硫成形する加硫成形工程を含む前記Vリブドベルトの製造方法も含まれる。この製造方法において、圧縮ゴム層を形成するためのシートを巻き付ける方法は、圧縮ゴム層を形成するための第1の未加硫ゴムシート及び圧縮ゴム層を形成するための第2の未加硫ゴムシートの間にシートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて仮固定した吸水性糸を介在させた積層シートを巻き付ける方法、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した圧縮ゴム層を形成するための第1の未加硫ゴムシートと、圧縮ゴム層を形成するための第2の未加硫ゴムシートとを順次巻き付ける方法、又は第1の圧縮ゴム層用シートと、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した第2の圧縮ゴム層用シートとを順次巻き付ける方法であってもよい。
本発明では、Vリブドベルトの圧縮ゴム層を構成するリブ部に、ベルト長手方向に間隔をおいて複数の吸水性糸が埋設され、かつ前記吸水性糸がベルト幅方向に対して傾斜した方向に沿って配置されているとともに、前記吸水性糸の両端部が前記リブ部の側面で露出しているため、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を効率的に吸水(含水)し、且つ排水できる機能を有し、被水走行時であってもベルトとプーリとの間のスリップを抑制し、動力伝達性能を向上できる。さらに、前記吸水性糸の繊維径や埋設態様を調整すると、ベルトの耐久性と被水走行時の動力伝達性能とを両立できる。
図1は、本発明のVリブドベルトの一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1のVリブドベルトにおいて、吸水性糸が埋設されている領域のリブ部の断面図である。 図3は、本発明のVリブドベルトをプーリに装着した状態を示す概略図である。 図4は、リブ部における水の流れを説明するための模式図である。 図5は、実施例における注水伝達性能試験のレイアウトを示す概略図である。 図6は、実施例における耐久走行試験のレイアウトを示す概略図である。
[Vリブドベルト]
本発明のVリブドベルトは、ベルト背面を形成する伸張層と、この伸張層の一方の面に形成され、かつベルト幅方向に並んだ複数のリブ部を有する圧縮ゴム層と、前記伸張層と前記圧縮ゴム層との間に埋設される芯体とを備えたVリブドベルトであって、前記リブ部に、間隔をおいて複数の吸水性糸が埋設されている。前記芯体は、ベルト長手方向に沿って延び、ベルト幅方向に間隔をおいて埋設された複数の心線であってもよい。本発明のVリブドベルトでは、芯体と伸張層又は圧縮ゴム層との接着性を向上させるために、必要に応じて圧縮ゴム層と伸張層との間に接着層を設けてもよい。接着層を設ける形態としては、接着層中に芯体を埋設する形態であってもよく、圧縮ゴム層と接着層との間又は接着層と伸張層との間に芯体を埋設する形態であってもよい。
本発明のVリブドベルトの一例について、図1及び2を用いて説明する。図1は、ベルト幅方向に切断したVリブドベルトの一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1のVリブドベルトにおいて、吸水性糸が埋設されている領域のリブ部の断面図である。この例では、Vリブドベルトは、ベルト下面(内周面)からベルト上面(背面)に向かって順に、圧縮ゴム層1、長さ方向に沿って延びる複数の心線4が埋設された接着層3、ゴム組成物で形成された伸張層5を積層して構成されている。
詳しくは、前記圧縮ゴム層1は、ベルト本体の内周面に、ベルトの長手方向に沿って複数列で延びるリブ部1a(図1では、リブ数は3)を有しており、このリブ部1aの長手方向に対して直交する方向における断面形状は、ベルト外周側(リブ部を有さず、プーリと摩擦係合しない側)から内周側に向かって幅が小さくなる(先端に向かって先細る)逆台形状(断面V字形状)であり、各リブ部1aは、それぞれ対向する2つの側面1b,1cでプーリと接して摩擦係合する。本発明では、リブ部に複数の吸水性糸が埋設されていることが特徴であり、この例では、リブ部1aには、ベルト長手方向に沿って等間隔で複数の吸水性糸2が埋設されている。この吸水性糸2は、図2に示されるように、それぞれのリブ部1aの内部において、ベルト厚み方向に略垂直な面方向(ベルト背面と略平行な方向)において、一方の側面1bから対向する他方の側面1cに向かって、ベルト幅方向に対して約45°傾斜した方向に延びている。また、この吸水性糸2は、ベルト幅方向に貫通して延びているため、各吸水性糸2の両端部は、リブ部1aの各側面1b,1cで露出している。さらに、吸水性糸2は、ベルト厚み方向におけるリブ部の略中央位置(リブ部高さの半分の位置)で埋設されている。
本発明では、このような状態で埋設されたリブ部に吸水性糸が埋設されているため、被水走行時に水を効率良く除去できる。すなわち、圧縮ゴム層のリブ部に傾斜して埋設された吸水性糸の両側の露出端部のうち、先に進行してプーリと接触する側の露出端部が、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を吸収する。そして、ベルトの走行に伴う回転力やプーリからの側圧による圧縮ゴム層の圧縮力を利用して、浸透を加速させつつ、吸水性糸のもう一方の端部に向かって水を浸透させることにより、圧縮ゴム層が含水した状態になる。その後、もう一方(後からプーリに接触する側)の端部まで到達した水を、プーリと接触していない状態のときに、露出端部から排出する。
このようなメカニズムについて、図3及び4を用いて、さらに詳細に説明する。図3は、本発明のVリブドベルトをプーリに装着した状態を示す概略図であり、図4は、リブ部における水の流れを説明するための模式図である。図3に示すように、摩擦伝動面とプーリとの接触の開始点(A)及び摩擦伝動面とプーリとが接触している状態(B)において、吸水性糸は、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を吸収する。詳しくは、図4に示すように、吸水性糸2は、両露出端部2a,2bのうち、先に進行してプーリと接触する側の露出端部2aから摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を吸収する。
次に、摩擦伝動面とプーリが接触している状態(B)において、露出端部から吸収した水が、もう一方の端部に向かって吸水性糸の内部に浸透し、水が圧縮ゴム層に含水される。特に、ベルトの走行に伴う回転力によって、水の浸透が加速する一方で、プーリと接触した圧縮ゴム層が側圧により圧縮されると、糸も圧縮されて浸透が加速する。そのため、これらの加速が組み合わされた相乗効果により水の浸透がより促進される。さらに、吸水性糸(含水経路)は、ベルトの幅方向に対して所定の角度で傾斜して配置されているため、幅方向に平行に配置するよりも含水経路を長く取れるので、圧縮ゴム層内部に多くの水を含水できる。
さらに、摩擦伝動面がプーリに接触していない状態(C)では、後からプーリに接触する側の露出端部から吸水性糸に浸透した水を排出できる。詳しくは、図4に示すように、吸水性糸2は、露出端部2aから遅れてプーリと接触する露出端部2bにおいて、露出端部2aから浸透し、露出端部2bまで到達した水を、摩擦伝動面がプーリに接触していない状態(C)において、露出端部2bから排出できる。
(圧縮ゴム層)
圧縮ゴム層のリブ部に含まれる吸水性糸は、ベルト厚み方向に略垂直な面方向において、リブ部の一方の側面から対向する他方の側面に向かって、ベルト幅方向に対して傾斜した方向に延び、かつベルト幅方向に貫通して、各吸水性糸の両端部が各側面で露出していればよい。
吸水性糸は、ベルト背面に略垂直な面方向において、ベルト幅方向に対して傾斜した方向に延びていればよいが、ベルト幅方向に対する角度は、例えば5°以上(例えば5~85°)であってもよく、例えば10~83°、好ましくは20~80°、さらに好ましくは30~70°(特に40~60°)程度である。被水時の動力伝達性能を高度に向上できる点から、前記角度は30°以上(例えば30~80°)であってもよく、例えば40~80°(例えば40~70°)、好ましくは45~75°(例えば45~60°)、さらに好ましくは47~55°(特に48~52°)程度である。
ベルト幅方向に対する吸水性の傾斜角度が小さすぎると、水の吸入と排出とのバランスが崩れ、摩擦伝動面とプーリとの間に存在する水を十分に除去できず、被水走行時の動力伝達性能が低下する。
なお、吸水性糸は、実質的にベルト背面と略平行な方向に延びてリブ部を貫通すればよく、本明細書及び特許請求の範囲では、「ベルト背面に略垂直な面方向」とは、ベルト背面に略垂直な面方向に対して、例えば45°以内、好ましくは30°以内、さらに好ましくは10°以内(特に5°以内)の角度で傾斜した面方向も含む意味である。
さらに、吸水性糸は、リブ部を貫通する位置も特に限定されず、リブ部の両側面を貫通できる位置で埋設されていればよいが、水の排出効率に優れ、被水走行時の動力伝達性能を向上でき、かつベルトの耐久性も維持できる点から、ベルト厚み方向(背面の垂直方向又はリブ部の高さ方向)において、略中央の領域に埋設されているのが好ましい。例えば、ベルト厚み方向でリブ部を三等分(好ましくは五等分、さらに好ましくは七等分)した中央の領域に吸水性糸を含むのが好ましく、略中心(例えば、リブ部の高さ方向の中心から、リブ部の全高さの10%以内の領域)に含むのが好ましい。吸水性糸の貫通する位置が略中央の領域よりもベルト背面(上面)側に位置すると、被水走行時の動力伝達性能が低下する虞があり、逆に略中央の領域よりもベルト内周面(下面)側に位置すると、ベルトの耐久性が低下する虞がある。吸水性糸は、水の排出効率を向上させるために、略中央の領域において、複数の高さで吸水性糸を埋設してもよいし、略中央の領域に加えて、略中央の領域以外の領域(例えば、略中央の領域よりも伸張層側の領域や、伸張層とは反対側の領域)に埋設されていてもよい。
吸水性糸は、ベルト幅方向に対して、このような傾斜角度で背面方向に延びることにより、リブ部の両側面で露出している。露出の形態としては、吸水糸の端部は、側面と平行であってもよく、摩擦伝動面とプーリとの摩擦係合を阻害しない程度に、側面から突出していてもよい。また、水が吸水性糸の端部に接触可能な程度であれば、側面から陥没していてもよい。
複数の吸水性糸の間隔(隣接する吸水性糸のベルト長さ方向における間隔)は1~15mm(例えば1~10mm)程度の範囲から選択でき、例えば3~15mm(例えば3~10mm)、好ましくは3.5~13mm(例えば4~8mm)、さらに好ましくは4~6mm(特に4.5~5.5mm)程度である。間隔が小さすぎると、ベルトの機械的特性が低下して耐久性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、水の除去効率が低下する虞がある。
吸水性糸は、モノフィラメント糸であってもよく、複数のストランドやマルチフィラメント糸を撚り合わせた撚りコードであってもよい。これらのうち、水の排出効率に優れる点から、複数のマルチフィラメント糸を撚り合わせた撚りコードが好ましい。さらに、マルチフィラメント糸を構成する各繊維は、吸水性を向上できる点から、スパン糸(紡績糸)やマイクロファイバーであってもよい。
撚りコードにおける撚り方としては、例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなどが挙げられる。これらのうち、水の排出効率に優れる点から、ラング撚りが好ましい。ラング撚りにおいて、上撚りの撚り数は、水の排出効率に優れる点から、例えば3~100回/10cmであり、好ましくは7~60回/10cm、さらに好ましくは10~40回/10cm程度である。また、下撚りの撚り数は、水の排出効率に優れる点から、例えば2~100回/10cmであり、好ましくは5~50回/10cm、さらに好ましくは10~35回/10cm程度である。
吸水性糸の平均繊維径は、例えば0.05~1.5mm(例えば0.1~1mm)、好ましくは0.2~0.8mm(例えば0.2~0.4mm)、さらに好ましくは0.3~0.5mm(例えば0.25~0.35mm)程度である。さらに、吸水性糸の平均繊維径は、ベルトの耐久性と被水走行時の動力伝達性能とを両立できる点から、例えば0.1~0.8mm、好ましくは0.3~0.7mm、さらに好ましくは0.4~0.6mm程度である。平均繊維径が小さすぎると、水の除去効率が低下する虞があり、逆に大きすぎると、ベルトの機械的特性が低下して耐久性が低下するとともに、被水走行時の動力伝達性能も頭打ちとなる虞がある。
マルチフィラメント糸において、単繊維の平均繊維径は1~100μm(例えば3~50μm)程度の範囲から選択できるが、水の排出効率の点から、セルロース系繊維などの吸水性の高い繊維では、50μm以下であってもよく、例えば3~50μm、好ましくは5~40μm、さらに好ましくは10~30μm程度であり、ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの相対的に吸水性の低い繊維では、10μm以下(特に8μm以下)であってもよく、例えば1~10μm、好ましくは2~8μm、さらに好ましくは3~7μm(特に4~6μm)程度であってもよい。単繊維の繊維径が小さくなると、毛細管現象が発生し、繊維の表面積も大きくなるため、吸水性糸の吸水性を向上できる。
吸水性糸(マルチフィラメント糸の場合、単繊維)の形状は、特に限定されず、横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)が、例えば、略円状、楕円状、扁平状、多角形状(三角形状、六角形状など)、多葉又は星形状(例えば、3~6葉状)、ドッグボーン状、T字状、V字状、不定形状、中空状などであってもよい。これらの形状のうち、セルロース系繊維などの吸水性の高い繊維では、略円状や楕円状であってもよいが、吸水性糸の吸水性を向上できる点から、一般的な形状である略円状(丸型断面)以外の形状、例えば、多角形状、多葉又は星形状、不定形状などが好ましい。
吸水性糸は、いわゆる異形断面糸(断面が多角形状、多葉又は星形状、不定形状等である糸)や、中空糸であってもよい。異形断面糸は、長さ方向に延びる複数(例えば、2~10個、好ましくは3~6個程度)の凹部又は溝部を有する形状となる糸であってもよく、横断面の中心からみて、対称な位置に複数の凹部を有する形状の糸であってもよい。これらの断面形状を有する吸水性糸は、紡糸時のノズル形状を調整することにより得られる。
吸水性糸を構成する吸水性繊維の種類は、親水性を有し、ベルトの走行過程で水を吸収できれば、特に限定されないが、例えば、ビニルアルコール系繊維(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体の繊維、ビニロンなど)、ポリアミド繊維(ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド46繊維、アラミド繊維など)、ポリエステル繊維[ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのC2-4アルキレンC8-14アリレート系繊維など]、セルロース系繊維[例えば、セルロース繊維(植物、動物又はバクテリアなどに由来するセルロース繊維)、セルロース誘導体の繊維など]などが例示できる。セルロース繊維としては、例えば、木材パルプ(針葉樹、広葉樹パルプなど)、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維[例えば、綿繊維(コットンリンター)、カポックなど]、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然植物由来のセルロース繊維(パルプ繊維);羊毛、絹、ホヤセルロースなど動物由来のセルロース繊維;バクテリアセルロース繊維;藻類のセルロースなどが例示できる。セルロース誘導体の繊維としては、例えば、セルロースエステル繊維;再生セルロース繊維(レーヨンなど)などが挙げられる。これらの吸水性繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、吸水性の点から、ビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維が好ましく、繊維径や形状を調整することにより、吸水性及び取り扱い性のバランスに優れる点から、ポリアミド繊維(例えば、メタ系アラミド繊維など)、ポリエステル繊維(例えば、PET繊維など)が好ましい。特に、吸水性を含む諸特性に優れる点から、セルロース繊維などのセルロース系繊維が特に好ましい。さらに、吸水性繊維をマイクロファイバーとしてマルチフィラメント糸を調製することにより、吸水性だけでなく、排水性などの諸特性のバランスに優れた吸水性糸が得られるため、吸水性糸は、ポリアミド及びポリエステルからなる群より選択された少なくとも1種で形成されていてもよい。マイクロファイバーは、繊維径8μm以下の極細繊維であり、繊維断面も鋭角な形状や多角形状であるため、強力な吸水力を有しており、綿などのセルロース系繊維よりも大きい吸水力を発現できる上に、排水性も優れており、水分を吸い込んで濡れた状態でも、絞っただけで容易に乾燥できる特性を有しており、プーリと摩伝動面との水を有効に除去できる。
吸水性糸は、圧縮ゴム層を構成するゴム組成物との密着性を向上させるために、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などによる種々の接着処理を施してもよいが、吸水性糸を水が通過する経路を拡大し、吸水性を向上できる点から、接着処理を施さないのが特に好ましい。
圧縮ゴム層は、リブ部に吸水性糸を含む以外は、Vリブドベルトの圧縮ゴム層を形成する慣用の加硫ゴム組成物で形成されている。
加硫ゴム組成物はポリマー成分を含む。ポリマー成分としては、公知のゴム成分及び/又はエラストマー、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴム(水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーを含む)など)、エチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが例示できる。これらのポリマー成分は単独又は組み合わせて使用することができる。これらのポリマー成分のうち、有害なハロゲンを含まず、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有し、経済性にも優れる点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー[エチレン-プロピレン共重合体(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)などのエチレン-α-オレフィン系ゴム]が好ましい。加硫ゴム組成物中のポリマー成分の含有量は、例えば40~65質量%(例えば42~60質量%)、好ましくは45~55質量%(例えば47~53質量%)程度であってもよい。
加硫ゴム組成物は、必要により、公知の添加剤又は配合剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、加硫剤又は架橋剤[例えば、オキシム類(キノンジオキシムなど)、グアニジン類(ジフェニルグアニジンなど)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化亜鉛など)、有機過酸化物(ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイドなど)など]、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、補強剤(カーボンブラック、含水シリカなどの酸化ケイ素など)、金属酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、短繊維(吸水性糸の吸水性繊維として例示された繊維で形成された短繊維など)、可塑剤、軟化剤(パラフィンオイル、ナフテン系オイルなどのオイル類など)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィンなど)、老化防止剤(芳香族アミン系、ベンズイミダゾール系老化防止剤など)、接着性改善剤[レゾルシン-ホルムアルデヒド共縮合物、ヘキサメトキシメチルメラミンなどのメラミン樹脂、これらの共縮合物(レゾルシン-メラミン-ホルムアルデヒド共縮合物など)など]、着色剤、粘着付与剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、潤滑剤、難燃剤、帯電防止剤などが例示できる。これらの添加剤は、単独又は組み合わせて使用でき、ポリマー成分の種類や用途、性能に応じて適宜選択して用いられる。
添加剤の割合も、ポリマー成分の種類などに応じて適宜選択できる。例えば、補強剤(カーボンブラックなど)の割合は、ポリマー成分100質量部に対して、10質量部以上(例えば20~150質量部)、好ましくは20質量部以上(例えば25~120質量部)、さらに好ましくは30質量部以上(例えば35~100質量部)、特に40質量部以上(例えば50~80質量部)であってもよい。
圧縮ゴム層の平均厚みは、例えば2~25mm、好ましくは2.2~16mm、さらに好ましくは2.5~12mm程度である。
(芯体)
芯体としては、特に限定されないが、通常、ベルト幅方向に所定間隔で配列した心線(撚りコード)を使用できる。
心線は、高モジュラスな繊維、例えば、前記ポリエステル繊維(ポリアルキレンアリレート系繊維)、アラミド繊維などの合成繊維、炭素繊維などの無機繊維などが汎用され、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート系繊維、エチレンナフタレート系繊維)、アラミド繊維が好ましい。繊維はマルチフィラメント糸、例えば、繊度2000~10000デニール(特に4000~8000デニール)程度のマルチフィラメント糸であってもよい。
心線としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線の平均線径(撚りコードの繊維径)は、例えば0.5~3mm、好ましくは0.6~2mm、さらに好ましくは0.7~1.5mm程度であってもよい。心線は、ベルトの長手方向に埋設されていてもよく、さらに単数又は複数の心線がベルトの長手方向に平行に所定のピッチで並列的に埋設されていてもよい。
ポリマー成分との接着性を改善するため、心線には、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などによる種々の接着処理を施してもよい。接着処理としては、耐熱繊維をエポキシ又はイソシアネート化合物を有機溶媒(トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなど)に溶解させた樹脂系処理液に浸漬処理する方法や、レゾルシン-ホルマリン-ラテックス液(RFL液)などの処理液に浸漬処理する方法などが挙げられる。
(伸張層)
伸張層は、圧縮ゴム層と同様の加硫ゴム組成物で形成してもよく、帆布などの布帛(補強布)で形成してもよい。また、伸張層は、ゴム組成物と布帛との組み合わせであってもよい。
布帛(補強布)としては、例えば、織布、広角度帆布、編布、不織布などの布材などが挙げられる。これらのうち、平織、綾織、朱子織などの形態で製織した織布や、経糸と緯糸との交差角が90~120°程度の広角度帆布や編布などが好ましい。補強布を構成する繊維としては、前記繊維部材の項で例示した繊維(吸水性繊維、非吸水性繊維など)などを利用できる。
また、補強布には、接着処理[例えば、レゾルシン-ホルマリン-ラテックス液(RFL液)への浸漬処理などの接着処理]を施してもよい。さらに、接着処理した後、ゴム組成物を擦り込むフリクション又は積層(コーティング)してゴム付帆布を形成してもよい。
さらに、伸張層の表面(ベルトの背面)に凹凸パターンを設けてもよい。凹凸パターンとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターン、エンボスパターンなどが挙げられる。これらのパターンのうち、織布パターン、エンボスパターンが好ましい。
伸張層の平均厚みは、例えば0.5~10mm、好ましくは0.7~8mm、さらに好ましくは1~5mm程度であってもよい。
(接着層)
接着層は、前記の通り、必ずしも必要ではない。接着層(接着ゴム層)は、例えば、前記圧縮ゴム層と同様の加硫ゴム組成物(エチレン-α-オレフィンエラストマーなどのゴム成分を含む加硫ゴム組成物)で構成できる。接着層の加硫ゴム組成物は、さらに接着性改善剤(レゾルシン-ホルムアルデヒド共縮合物、アミノ樹脂など)を含んでいてもよい。
接着層の厚みは、ベルトの種類などに応じて適宜選択できるが、例えば0.2~5mm、好ましくは0.3~3mm、さらに好ましくは0.5~2mm程度であってもよい。
なお、前記伸張層及び接着層のゴム組成物において、ポリマー成分としては、前記圧縮ゴム層のゴム組成物のポリマー成分と同系統又は同種のポリマー成分を使用する場合が多い。また、これらのゴム組成物において、加硫剤又は架橋剤、共架橋剤又は架橋助剤、加硫促進剤などの添加剤の割合は、それぞれ、前記圧縮ゴム層の加硫ゴム組成物と同様の範囲から選択できる。
[Vリブドベルトの製造方法]
本発明のVリブドベルトは、円筒状ドラムに、伸張層を形成するためのシート(伸張層用シート)と、芯体と、圧縮ゴム層を形成するためのシート(圧縮ゴム層用シート)とを順次巻き付ける巻付工程、巻き付けられた積層シートを金型に押し付けて前記未加硫ゴムシートを加硫成形する加硫成形工程を経て製造される。
本発明では、圧縮ゴム層用シートを巻き付ける方法以外は、慣用の方法を利用できる。圧縮ゴム層用シートを巻き付ける方法としては、例えば、圧縮ゴム層を形成するための第1の未加硫ゴムシート(第1の圧縮ゴム層用シート)及び圧縮ゴム層を形成するための第2の未加硫ゴムシート(第2の圧縮ゴム層用シート)の間にシートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて仮固定した吸水性糸を介在させた積層シートを巻き付ける第1の方法、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した第1の圧縮ゴム層用シートと、第2の圧縮ゴム層用シートとを順次巻き付ける第2の方法、第1の圧縮ゴム層用シートと、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した第2の圧縮ゴム層用シートとを順次巻き付ける第3の方法などが挙げられる。
第1の方法では、第1の圧縮ゴム層用シートと吸水性糸と第2の圧縮ゴム層用シートとが仮固定されて一体化した積層シートを巻き付けて加硫することにより、ベルト厚み方向に略垂直な面方向に延びた状態で吸水性糸を圧縮ゴム層中に埋設できる。一方、第2の方法では、第1の圧縮ゴム層用シートは、吸水性糸が外周側に配置するように巻き付けて、第1の圧縮ゴム層用シートと第2の圧縮ゴム層用シートとの境界に吸水性糸を配設させることにより、ベルト厚み方向に略垂直な面方向に延びた状態で吸水性糸を圧縮ゴム層中に埋設できる。また、第3の方法では、第2の圧縮ゴム層用シートは、吸水性糸が内周側に配置するように巻き付けて、第1の圧縮ゴム層用シートと第2の圧縮ゴム層用シートとの境界に吸水性糸を配設させることにより、ベルト背面方向に延びた状態で吸水性糸を圧縮ゴム層中に埋設できる。第1の方法では、第1の圧縮ゴム層用シートと吸水性糸と第2の圧縮ゴム層用シートとの境界において、第2及び第3の方法では、第1の圧縮ゴム層用シート又は第2の圧縮ゴム層において、吸水性糸は、目的の間隔及び角度に応じて、シート上に配置して仮固定できる。また、第1の圧縮ゴム層用シートと、第2の圧縮ゴム層用シートとは、厚み比を調整することにより、吸水性糸の埋設位置を調整でき、通常、両シートは、同程度の厚みに調整、リブ部の中央領域に吸水性糸を埋設する。さらに、リブ部の複数の高さに吸水性糸を埋設する場合、第1の圧縮ゴム層用シートと第2の圧縮ゴム層用シートとの間に、圧縮ゴム層用シート及び吸水性糸を同様の方法で介在させて3層以上の積層構造を形成してもよい。
仮固定では、後続の加硫工程での加熱温度よりも低い温度で熱プレスし、半加硫状態に調製してもよい。加熱温度は、ゴムの種類に応じて選択できるが、エチレン-α-オレフィンエラストマーの場合、例えば60~100℃、好ましくは70~90℃、さらに好ましくは75~85℃程度である。圧力は、例えば0.1~5MPa、好ましくは0.3~3MPa、さらに好ましくは0.5~2MPa程度である。
Vリブドベルトが接着層を有する場合、通常、芯体を巻き付けた後、接着層用シート(未加硫ゴムシート)を巻き付けてもよい。巻付工程及び加硫成形工程を経てベルトを製造する慣用の方法は、例えば、以下の方法であってもよい。
(第1の製造方法)
先ず、表面が平滑な円筒状の成形モールドに伸張層用シートを巻きつけ、このシート上に心線(処理ロープなど)を螺旋状にスピニングし、さらに接着層用シート、第1及び第2の圧縮ゴム層用シートを順次巻き付けて成形体を作製する。その後、加硫用ジャケットを成形体の上から被せて金型(成形型)を加硫缶内に収容し、所定の加硫条件で加硫した後、成形型から脱型して筒状の加硫ゴムスリーブを得る。そして、この加硫ゴムスリーブの外表面(圧縮層)を研削ホイールにより研磨して複数のリブを形成した後、カッターを用いてこの加硫ゴムスリーブをベルト長手方向に所定の幅にカットしてVリブドベルトに仕上げる。なお、カットしたベルトを反転させることにより、内周面にリブ部を有する圧縮層を備えたVリブドベルトが得られる。
(第2の製造方法)
先ず、内型として外周面に可撓性ジャケットを装着した円筒状内型を用い、外周面の可撓性ジャケットに未加硫の伸張層用シートを巻きつけ、このシート上に心線を螺旋状にスピニングし、さらに第1及び第2の圧縮ゴム層用シートを巻き付けて積層体を作製する。次に、前記内型に装着可能な外型として、内周面に複数のリブ型が刻設された筒状外型を用い、この外型内に、前記積層体が巻き付けられた内型を、同心円状に設置する。その後、可撓性ジャケットを外型の内周面(リブ型)に向かって膨張させて積層体(圧縮層)をリブ型に圧入し、加硫する。そして、外型より内型を抜き取り、複数のリブを有する加硫ゴムスリーブを外型から脱型した後、カッターを用いて、加硫ゴムスリーブをベルト長手方向に所定の幅にカットし、最終的にリブ部側面を研磨することにより吸水性糸を露出させてVリブドベルトに仕上げる。この第2の製造方法では、伸張層、心線、圧縮ゴム層を備えた積層体を一度に膨張させて複数のリブを有するスリーブ(又はVリブドベルト)に仕上げることができる。
(第3の製造方法)
第2の製造方法に関連して、例えば、特開2004-82702号公報に開示される方法(第1及び第2の圧縮ゴム層のみを膨張させて予備成形体(半加硫状態)とし、次いで伸張層と心線とを膨張させて前記予備成形体に圧着し、加硫一体化してVリブドベルトに仕上げる方法)を採用してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、各物性における測定方法又は評価方法、実施例に用いた原料及びゴム組成物の組成を以下に示す。
(原料)
EPDM:三井化学(株)製「EPT2060M」
綿短繊維:デニム(平均繊維径13μm、平均繊維長6mm)
ナイロン短繊維:66ナイロン(平均繊維径27μm、平均繊維長3mm)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラックMB」
加硫剤:大内新興化学工業(株)製「バルノックDMG」
カーボンブラックHAF:東海カーボン(株)製「シースト3」
カーボンブラックGPF:東海カーボン(株)製「シーストV」
有機過酸化物:日油(株)製「パークミルD-40」
酸化亜鉛:正同化学工業(株)製「酸化亜鉛3種」
吸水性糸:綿ミシン糸、フジボウ(株)製「日の出カタン」、糸径0.1~1mm
フッ素繊維:テフロン(登録商標)糸、東レ(株)製「トヨフロン」、繊維径0.3mm
心線:アラミド繊維撚りコード、帝人(株)製「トワロン」、心線径0.73mm。
(圧縮ゴム層、伸縮層及び接着層用ゴム組成物)
実施例及び比較例で使用した圧縮ゴム層、伸縮層及び接着層用ゴム組成物を表1に示す。
Figure 0007088819000001
実施例1
伸張層用シート及び接着層用シートには、表1に示すゴム組成物Aを用い、圧縮ゴム層用シートには、表1に示すゴム組成物Bを用いた。これらのゴム組成物を混練し、練りゴムをカレンダーロールに通して所定の厚みに圧延して、各ゴムシートを作製した。なお、圧縮ゴム層用シートについては、吸水性糸の埋設位置がリブ部の中央部(リブ中央部)に位置するように、所定厚みの半分の厚さで作製した。
次に、第1の圧縮ゴム層用シート上に、吸水性糸をベルト幅方向に対して50°の角度で、5mm間隔に配置し、吸水性糸を挟むように、第2の圧縮ゴム層用シートを重ねた。そして、熱プレス(80℃、1MPa、30秒)にて、2枚のシート間に吸水性糸を仮固定した圧縮ゴム層用シートを作製した。
さらに、以下のような公知の方法を用いてVリブドベルトを作製した。先ず、表面が平滑な円筒状成形モールドの外周に伸張層用シートを巻きつけ、この伸張層用シートの外周に芯体を形成する心線を螺旋状にスピニングし、さらに、接着層用シート、吸水性糸を仮固定した圧縮ゴム層用シートを順次巻き付けて成形体を形成した。その後、加硫用ジャケットを成形体の外周に被せた状態で、前記成形モールドを加硫缶に設置し、温度160℃、時間30分の条件で加硫した後、成形モールドから脱型して筒状のベルトスリーブを得た。
このベルトスリーブの外面(圧縮ゴム層)を研削ホイールにより所定の間隔で研削して、吸水性糸の端部が摩擦伝動面から露出した複数のリブを形成した後、カッターを用いて、ベルトスリーブをベルト長手方向に所定の幅でカットして、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルト(ベルト形:PK形、ベルト厚み:4.3mm、リブ高さ:2mm、リブピッチ:3.56mm)を得た。
比較例1
第1及び第2の圧縮ゴム層用シート間に吸水性糸を仮固定した圧縮ゴム層用シートの代わりに、圧縮ゴム層用シートを吸水性の綿短繊維を含むゴム組成物(表1のゴム組成物C)を用いた1枚のシートとした以外は、実施例1に準じた方法で、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルトを作製した。
比較例2
第1及び第2の圧縮ゴム層用シート間に仮固定する吸水性糸をベルト幅方向に対して平行(角度を付けない)に配置すること以外は、実施例1に準じた方法で、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルトを作製した。
比較例3
第1及び第2の圧縮ゴム層用シート間に仮固定する糸として、吸水性糸の代わりに、吸水能を有さないフッ素繊維を用いる以外は、実施例1に準じた方法で、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルトを作製した。
比較例4
ゴム組成物Bを用いて、圧縮ゴム層用シートとして吸水性糸を含まない1枚のシートを使用する以外は、実施例1に準じた方法で、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルトを作製した。このベルトの圧縮層に、錐を用いて(実施例1の吸水性糸の経路と同じ要領で)50°の角度で、5mm間隔の貫通孔を開けることで、複数の水抜き孔を有するVリブドベルトを得た。
比較例5
比較例4と同一の方法で、幅方向のリブ数が3個、周長が1100mmのVリブドベルトを作製した。このベルトの各リブ溝において、特許文献6の図5に準じた構造を形成するため、溝の底部からベルト背面に向かって、錐を用いてベルト長手方向に5mm間隔で貫通孔を開けることで、複数の水抜き孔を有するVリブドベルトを得た。
実施例1及び比較例1~5のVリブドベルトを用いて、以下の方法で注水伝達性能試験及び耐久走行試験を実施した。
(注水伝達性能試験)
試験は、表2に示す試験条件において、図5に示すレイアウトにて、各プーリにVリブドベルトを掛架し、ベルト1本当たり150Nまたは180Nの張力を付与して、駆動プーリ(Dr.)を1000rpmで回転させた。そして、従動プーリ(Dn.)に徐々に負荷をかけていき、(図5に示す矢印付近より)300ml/minの注水を行い、ベルトのスリップ率が2%に達したときの伝達トルクを測定した。この伝達トルクの値が大きい程、スリップしにくく伝達性能が優れることを表す。
Figure 0007088819000002
表3に実施例1及び比較例1~5の各ベルトにおける2%スリップ時の伝達トルク値を示す。表2では、条件1(張力150N/ベルト)での比較例1における伝達トルク値を「1」とし、他の条件での伝達トルク値を相対値で示している。
(耐久走行試験)
図6に示すように、直径120mmの駆動プーリ(Dr)、直径85mmのアイドラープーリ(ID)、直径120mmの従動プーリ(Dn)、直径45mmのテンションプーリ(Ten)を順に配置した試験機を用いた。すなわち、この試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、駆動プーリの回転数を4900rpm、アイドラープーリ及びテンションプーリへのベルト巻き付け角度を、それぞれ120°、90°、従動プーリ負荷を8.8kWとし、軸荷重559Nを付与して、雰囲気温度120℃で、時計回り方向にベルトを200時間連続走行させた。このような耐久走行試験において、クラックが発生せずに200時間完走できたか否かについて評価した結果を表3~7に示す。
Figure 0007088819000003
表3の結果から明らかなように、注水伝達性能試験では、条件1での2%スリップ時の伝達トルク値は、比較例1(1.00)に対して、実施例1は1.05と向上したが、比較例2は0.96、比較例3は0.89、比較例4は0.91、比較例5は0.93と低下した。
条件2においても同様に、実施例1では向上したが、比較例1~5では低下した。従って、実施例1のVリブドベルトは、被水走行時に、摩擦伝動面とプーリとの間に介在する水を効率的に吸水(含水)し、且つ排水できることで、伝達性能が向上するといえる。
一方、耐久走行試験においても、実施例1では、不具合なく200時間連続走行を完走したのに対して、吸水性糸の配置角度が0°の比較例2及び貫通孔のみ形成した比較例4ではリブ部に亀裂(クラック)が発生して183時間又は180時間の寿命であった。
実施例2~4
吸水性糸のベルト幅方向に対する配置角度を50°から、10°、30°又は80°に変更する以外は実施例1と同様にしてVリブドベルトを製造し、注水伝達性能試験及び耐久走行試験に供した結果を表4に示す。実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0007088819000004
表4の結果から明らかなように、注水伝達性能試験では、実施例2(10°)、実施例3(30°)、実施例4(80°)においても、実施例1(50°)と同様に、2%スリップ時の伝達トルク値が比較例1に対して向上した。また、耐久走行試験においても、いずれの場合も、不具合なく200時間連続走行を完走した。
実施例5~7
吸水性糸の配置間隔を5mmから、3mm、10mm又は13mmに変更する以外は実施例1と同様にしてVリブドベルトを製造し、注水伝達性能試験及び耐久走行試験に供した結果を表5に示す。実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0007088819000005
表5の結果から明らかなように、注水伝達性能試験では、実施例5(3mm)、実施例6(10mm)、実施例7(13mm)においても、実施例1(5mm)と同様に、2%スリップ時の伝達トルク値が比較例1に対して向上した。耐久走行試験においては、実施例1、6、7では不具合なく200時間連続走行を完走したのに対し、配置間隔の小さい実施例5では、リブ部(特に、吸水性糸の周囲)に亀裂(クラック)が生じて189時間で寿命となった。配置間隔の小さい実施例5では、吸水性糸の埋設量(リブ部を占有する体積的ば割合)が多いため、吸水性能(注水伝達性能)が最も優れる反面、リブ部を占有するゴム部分の体積的な割合が減るため、リブ部の剛性が小さくなるため耐側圧性の観点で耐久性が低下したと推定できる。さらに、走行においてプーリに巻き掛かってベルトが屈曲変形する際に、剛性の高いゴムの部分と剛性の低い吸水性糸との界面に変形応力が集中して、亀裂(クラック)が生じ易くなる点でも耐久性が低下したと推定できる。
実施例8~10
吸水性糸の平均繊維径を0.3mmから、0.1mm、0.5mm又は1mmに変更する以外は実施例1と同様にしてVリブドベルトを製造し、注水伝達性能試験及び耐久走行試験に供した結果を表6に示す。実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0007088819000006
表6の結果から明らかなように、注水伝達性能試験では、実施例8(0.1mm)、実施例1(0.3mm)、実施例9(0.5mm)の順(繊維径が大きくなる順)に注水伝達性能が向上したが、実施例10(1mm)では実施例9(0.5mm)より若干低下した。
耐久走行試験においては、実施例1及び8~9では不具合なく200時間連続走行を完走したのに対し、繊維径の大きい実施例10では、リブ部(特に、吸水性糸の周囲)に亀裂(クラック)が生じて185時間で寿命となった。
これらの結果から、吸水性糸の平均繊維径が大きいほど、吸水性能が向上してスリップが抑制される反面、リブ部を占有するゴム部分の体積的な割合が減り、プーリとの接触面においては、プーリと接触するゴムの部分の面積が小さくなることでスリップし易くなると推定できる。すなわち、平均繊維径が0.5mm(実施例9)程度までは、吸水性能の向上の効果でスリップが抑制されて、注水伝達性能(2%スリップ時の伝達トルク値)が向上したが、平均繊維径がそれ以上に大きくなっても、吸水によるスリップ抑制効果が、ゴム部分の接触面積の不足によるスリップで若干相殺されるため、注水伝達性能(2%スリップ時の伝達トルク値)がそれ以上に向上しなくなったと推定できる。
実施例11~12
吸水性糸の埋設位置をリブ中央部からリブ上部(中央部より背面側)又はリブ下部(中央部より内周面側)に変更する以外は実施例1と同様にしてVリブドベルトを製造し、注水伝達性能試験及び耐久走行試験に供した結果を表7に示す。実施例1の結果も併せて示す。なお、吸水性糸の埋設位置は、圧縮ゴム層用シートの厚み比を調整し、リブ上部(リブ部の上部)は背面からリブ部の厚みの1/4程度の深さに埋設し、リブ下部(リブ部の下部)は内周面からリブ部の厚みの1/4程度の深さに埋設した。
Figure 0007088819000007
表7の結果から明らかなように、吸水性糸をリブ上部に埋設した実施例11では、耐久走行試験では、不具合なく200時間連続走行を完走したが、注水伝達性能試験では、吸水性糸を埋設しない比較例1に対しては幾分かの向上が見られたものの、吸水性糸をリブ中央部に埋設した実施例1ほどの向上は見られなかった。一方、吸水性糸をリブ下部に埋設した実施例12では、注水伝達性能試験では、実施例1と同等の伝達性能の向上が見られたが、耐久走行試験では、リブ部に亀裂(クラック)が生じて197時間の寿命であった。
本発明のVリブドベルトは、エアコンプレッサやオルタネータ等の自動車エンジンの補機駆動などに用いられるVリブドベルトとして有用である。
1…圧縮ゴム層
1a…リブ部
2…吸水性糸
3…接着層
4…心線
5…伸張層

Claims (9)

  1. ベルト背面を形成する伸張層と、
    この伸張層の一方の面に形成され、かつベルト幅方向に並んだ複数のリブ部を有する圧縮ゴム層と、
    前記伸張層と前記圧縮ゴム層との間に埋設される芯体とを備えたVリブドベルトであって、
    前記リブ部が、対向する2つの側面でプーリと接して摩擦係合し、かつベルト長手方向に間隔をおいて埋設された複数の吸水性糸を含み、
    各吸水性糸が、ベルト厚み方向に略垂直な面方向において、リブ部の一方の側面から対向する他方の側面に向かって、ベルト幅方向に対して傾斜した方向に延び、かつベルト幅方向に貫通して、各吸水性糸の両端部がリブ部の各側面で露出しているVリブドベルト。
  2. 複数の吸水性糸の間隔が2~15mmである請求項1記載のVリブドベルト。
  3. ベルト厚み方向におけるリブ部の中央領域に吸水性糸を含む請求項1又は2記載のVリブドベルト。
  4. ベルト幅方向に対する吸水性糸の角度が5~85°である請求項1~3のいずれかに記載のVリブドベルト。
  5. 吸水性糸の平均繊維径が0.1~1mmである請求項1~4のいずれかに記載のVリブドベルト。
  6. 吸水性糸が、単繊維の平均繊維径8μm以下であるマルチフィラメント糸である請求項1~5のいずれかに記載のVリブドベルト。
  7. 吸水性糸が、セルロース系繊維、ポリアミド繊維及びポリエステル繊維からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1~6のいずれかに記載のVリブドベルト。
  8. 円筒状ドラムに、伸張層を形成するためのシートと、芯体と、圧縮ゴム層を形成するためのシートとを順次巻き付ける巻付工程、巻き付けられた積層シートを金型に押し付けて前記積層シート中の未加硫ゴムシートを加硫成形する加硫成形工程を含む請求項1~7のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。
  9. 圧縮ゴム層を形成するためのシートを巻き付ける方法が、圧縮ゴム層を形成するための第1の未加硫ゴムシート及び圧縮ゴム層を形成するための第2の未加硫ゴムシートの間にシートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて仮固定した吸水性糸を介在させた積層シートを巻き付ける方法、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した圧縮ゴム層を形成するための第1の未加硫ゴムシートと、圧縮ゴム層を形成するための第2の未加硫ゴムシートとを順次巻き付ける方法、又は第1の圧縮ゴム層用シートと、シートの長さ方向に対して所定の角度で間隔をおいて吸水性糸を仮固定した第2の圧縮ゴム層用シートとを順次巻き付ける方法である請求項8記載の製造方法。
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