JP2001254760A - 粘性流体継手 - Google Patents
粘性流体継手Info
- Publication number
- JP2001254760A JP2001254760A JP2000065091A JP2000065091A JP2001254760A JP 2001254760 A JP2001254760 A JP 2001254760A JP 2000065091 A JP2000065091 A JP 2000065091A JP 2000065091 A JP2000065091 A JP 2000065091A JP 2001254760 A JP2001254760 A JP 2001254760A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- viscous fluid
- pump
- fluid coupling
- storage space
- space
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンジンや粘性流体継手自身の回転方向に依
存しない、粘性流体継手内に組み込まれたポンプ手段を
提供する。 【解決手段】 粘性流体継手において、ポンプ手段を、
粘性流体の流れる方向に応じて動く可動弁と、周上に穿
設され、貯蔵空間と作動空間を連通させる複数のポンプ
孔とから構成した。三角形状の可動弁は粘性流体の流れ
る方向に応じて傾き、粘性流体継手の回転方向について
前側、つまり上流側に位置するポンプ孔を開くようにし
た。
存しない、粘性流体継手内に組み込まれたポンプ手段を
提供する。 【解決手段】 粘性流体継手において、ポンプ手段を、
粘性流体の流れる方向に応じて動く可動弁と、周上に穿
設され、貯蔵空間と作動空間を連通させる複数のポンプ
孔とから構成した。三角形状の可動弁は粘性流体の流れ
る方向に応じて傾き、粘性流体継手の回転方向について
前側、つまり上流側に位置するポンプ孔を開くようにし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘性流体継手に関
するもので、例えば自動車エンジンの出力軸と冷却ファ
ンとを接続する粘性流体継手として利用される。
するもので、例えば自動車エンジンの出力軸と冷却ファ
ンとを接続する粘性流体継手として利用される。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平11−270592号公報
に開示される粘性流体継手は、入力部材と、入力部材に
回転自在に支承される出力部材と、出力部材の内部空間
を作動空間と貯蔵空間とに区画する区画部材と、区画部
材に形成された少なくとも1つの連通孔と、連通孔の開
閉を行う開閉手段と、内部空間内に封入される粘性流体
と、作動空間内に配設され粘性流体を介して入力部材か
ら出力部材へとトルクの伝達を行うトルク伝達手段と、
作動空間から貯蔵空間へと粘性流体を搬出するポンプ手
段とを有する。
に開示される粘性流体継手は、入力部材と、入力部材に
回転自在に支承される出力部材と、出力部材の内部空間
を作動空間と貯蔵空間とに区画する区画部材と、区画部
材に形成された少なくとも1つの連通孔と、連通孔の開
閉を行う開閉手段と、内部空間内に封入される粘性流体
と、作動空間内に配設され粘性流体を介して入力部材か
ら出力部材へとトルクの伝達を行うトルク伝達手段と、
作動空間から貯蔵空間へと粘性流体を搬出するポンプ手
段とを有する。
【0003】エンジンの出力軸から取り出された動力を
用いてファンを駆動し、エンジンのラジエターを冷却す
る装置では、出力軸とファンとの間に上記の粘性流体継
手を配設してファンの駆動状態を制御している。ファン
の回転方向は一定方向であり、これはエンジンの出力軸
の回転方向によって決まる。なお、エンジンによって出
力軸が右回りするものと左回りするものがある。
用いてファンを駆動し、エンジンのラジエターを冷却す
る装置では、出力軸とファンとの間に上記の粘性流体継
手を配設してファンの駆動状態を制御している。ファン
の回転方向は一定方向であり、これはエンジンの出力軸
の回転方向によって決まる。なお、エンジンによって出
力軸が右回りするものと左回りするものがある。
【0004】粘性流体継手のポンプ手段は、作動空間内
の粘性流体の流れ方向について下流側において区画部材
上にポンプ突起を設け、このポンプ突起のすぐ上流側に
ポンプ孔を設けたものである。作動空間と貯蔵空間はポ
ンプ孔を介しても連通している。そして、作動空間内を
区間部材に沿って流れている粘性流体がポンプ突起によ
ってその流れを妨げられ、ポンプ孔を通して貯蔵空間へ
と流れ込むようになっている。従って、粘性流体の流れ
方向、即ち粘性流体継手およびエンジンの出力軸の回転
方向とポンプ突起の位置関係が重要になる。しかし、上
記の通りエンジンの出力軸の回転方向は二通りあるた
め、ポンプ突起とポンプ孔が形成された区画部材を二通
り形成する必要があるし、粘性流体継手の製造時には、
そのうちのいずれか一方を正しく組付けなければならな
い。
の粘性流体の流れ方向について下流側において区画部材
上にポンプ突起を設け、このポンプ突起のすぐ上流側に
ポンプ孔を設けたものである。作動空間と貯蔵空間はポ
ンプ孔を介しても連通している。そして、作動空間内を
区間部材に沿って流れている粘性流体がポンプ突起によ
ってその流れを妨げられ、ポンプ孔を通して貯蔵空間へ
と流れ込むようになっている。従って、粘性流体の流れ
方向、即ち粘性流体継手およびエンジンの出力軸の回転
方向とポンプ突起の位置関係が重要になる。しかし、上
記の通りエンジンの出力軸の回転方向は二通りあるた
め、ポンプ突起とポンプ孔が形成された区画部材を二通
り形成する必要があるし、粘性流体継手の製造時には、
そのうちのいずれか一方を正しく組付けなければならな
い。
【0005】例えば右回り用に設定された粘性流体継手
を左回り用のエンジンに使用すると、ポンプ突起の下流
側にポンプ孔が位置することになる。この結果、ポンプ
突起によって流れが妨げられた粘性流体は行き場を失
い、ポンプ突起の下流側にあるポンプ孔にも流れ込めな
いため、粘性流体継手が正しく作動しないおそれがあ
る。
を左回り用のエンジンに使用すると、ポンプ突起の下流
側にポンプ孔が位置することになる。この結果、ポンプ
突起によって流れが妨げられた粘性流体は行き場を失
い、ポンプ突起の下流側にあるポンプ孔にも流れ込めな
いため、粘性流体継手が正しく作動しないおそれがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、エ
ンジンや粘性流体継手自身の回転方向に依存しない、粘
性流体継手内に組み込まれたポンプ手段を提供すること
を技術的課題とする。
ンジンや粘性流体継手自身の回転方向に依存しない、粘
性流体継手内に組み込まれたポンプ手段を提供すること
を技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた第1の技術的手段は、入力部材と、入
力部材に回転自在に支承される出力部材と、出力部材の
内部空間を作動空間と貯蔵空間とに区画する区画部材
と、区画部材に形成された少なくとも1つの連通孔と、
連通孔の開閉を行う開閉手段と、内部空間内に封入され
る粘性流体と、作動空間内に配設され粘性流体を介して
入力部材から出力部材へとトルクの伝達を行うトルク伝
達手段と、作動空間から貯蔵空間へと粘性流体を搬出す
るポンプ手段とを有する粘性流体継手において、ポンプ
手段を、粘性流体の流れる方向に応じて動く可動弁と、
周上に穿設され、貯蔵空間と作動空間を連通させる複数
のポンプ孔とから構成し、可動弁が粘性流体継手の回転
方向について前側に位置するポンプ孔を開くようにし
た。
るためになされた第1の技術的手段は、入力部材と、入
力部材に回転自在に支承される出力部材と、出力部材の
内部空間を作動空間と貯蔵空間とに区画する区画部材
と、区画部材に形成された少なくとも1つの連通孔と、
連通孔の開閉を行う開閉手段と、内部空間内に封入され
る粘性流体と、作動空間内に配設され粘性流体を介して
入力部材から出力部材へとトルクの伝達を行うトルク伝
達手段と、作動空間から貯蔵空間へと粘性流体を搬出す
るポンプ手段とを有する粘性流体継手において、ポンプ
手段を、粘性流体の流れる方向に応じて動く可動弁と、
周上に穿設され、貯蔵空間と作動空間を連通させる複数
のポンプ孔とから構成し、可動弁が粘性流体継手の回転
方向について前側に位置するポンプ孔を開くようにし
た。
【0008】この手段によれば、粘性流体継手の回転方
向に沿った回転流を持つ、作動空間内の粘性流体は給送
機構によって貯蔵空間に向けて給送された際、可動弁に
衝突し、可動弁の前側に位置する開かれたポンプ孔から
貯蔵空間へと搬出される。
向に沿った回転流を持つ、作動空間内の粘性流体は給送
機構によって貯蔵空間に向けて給送された際、可動弁に
衝突し、可動弁の前側に位置する開かれたポンプ孔から
貯蔵空間へと搬出される。
【0009】上記技術的課題を解決するためになされた
第2の技術的手段は、第1の技術的手段に加えて、可動弁
を区画部材上に配設した揺動軸を中心として揺動可能に
支承し、ポンプ孔を区画部材の周方向において揺動軸の
両側に形成した。
第2の技術的手段は、第1の技術的手段に加えて、可動弁
を区画部材上に配設した揺動軸を中心として揺動可能に
支承し、ポンプ孔を区画部材の周方向において揺動軸の
両側に形成した。
【0010】この手段によれば、粘性流体継手の回転方
向に応じて、可動弁が揺動軸の両側の何れか一方側に傾
き、傾いた側と反対側のポンプ孔が開かれる。作動空間
内の粘性流体は可動弁に衝突し、開かれたポンプ孔から
貯蔵空間へと搬出される、
向に応じて、可動弁が揺動軸の両側の何れか一方側に傾
き、傾いた側と反対側のポンプ孔が開かれる。作動空間
内の粘性流体は可動弁に衝突し、開かれたポンプ孔から
貯蔵空間へと搬出される、
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。水冷式の自動車エンジンは
図示しないラジエターにおいて、ラジエターを通過する
空気流によって冷却水を冷却する。ラジエターの空気流
ついて下流側に図示しないファンおよび本実施形態の粘
性流体継手10が配置されている。図1に示す粘性流体
継手10では、図示しない自動車エンジンのクランク軸
と間接的に接続される入力軸(入力部材)11に、カバ
ー12及びケース13よりなる出力部材14がベアリン
グ(支承手段)15を介して回転自在に支承されてい
る。尚、カバー12とケース13とは適宜数のボルト1
6により一体とされ、その外周部には図示しないファン
が適宜数のボルト17により固設されている。また、カ
バー12とケース13との間にはシール部材28が配設
されている。
て図面を参照して説明する。水冷式の自動車エンジンは
図示しないラジエターにおいて、ラジエターを通過する
空気流によって冷却水を冷却する。ラジエターの空気流
ついて下流側に図示しないファンおよび本実施形態の粘
性流体継手10が配置されている。図1に示す粘性流体
継手10では、図示しない自動車エンジンのクランク軸
と間接的に接続される入力軸(入力部材)11に、カバ
ー12及びケース13よりなる出力部材14がベアリン
グ(支承手段)15を介して回転自在に支承されてい
る。尚、カバー12とケース13とは適宜数のボルト1
6により一体とされ、その外周部には図示しないファン
が適宜数のボルト17により固設されている。また、カ
バー12とケース13との間にはシール部材28が配設
されている。
【0012】出力部材14の内部空間18には適量の粘
性流体(例えばシリコンオイル等)が封入され、内部空
間18は区画板(区画部材)19により作動空間20と
貯蔵空間21とに区画される。この区画板19には第1
・第2連通孔22・23が夫々穿設され、作動空間20
と貯蔵空間21とを連通させている。(尚、第1・第2
連通孔22・23は図1において夫々1つずつ示されて
いるが複数であつてもよい)この第1・第2連通孔22
・23はバルブ部材24により開閉されるもので、バル
ブ部材24の回動中心にはロツド25の一端が固設され
ている。このロツド25はカバー12に回転自在に支承
され、その他端には感温部材(例えばスパイラル状バイ
メタル)27の中心端が固設されている。また、感温部
材27の外周端はカバー12に固設されている。そし
て、これらのバルブ部材24、ロツド25及び感温部材
27により開閉手段29が構成される。
性流体(例えばシリコンオイル等)が封入され、内部空
間18は区画板(区画部材)19により作動空間20と
貯蔵空間21とに区画される。この区画板19には第1
・第2連通孔22・23が夫々穿設され、作動空間20
と貯蔵空間21とを連通させている。(尚、第1・第2
連通孔22・23は図1において夫々1つずつ示されて
いるが複数であつてもよい)この第1・第2連通孔22
・23はバルブ部材24により開閉されるもので、バル
ブ部材24の回動中心にはロツド25の一端が固設され
ている。このロツド25はカバー12に回転自在に支承
され、その他端には感温部材(例えばスパイラル状バイ
メタル)27の中心端が固設されている。また、感温部
材27の外周端はカバー12に固設されている。そし
て、これらのバルブ部材24、ロツド25及び感温部材
27により開閉手段29が構成される。
【0013】作動空間20内には入力軸11の一端に固
設されたロータ(伝達部材)30が配設され、ロータ3
0には貫通孔31,伝達機構32およびポンプ手段33
が形成されている。貫通孔31はロータ30をその軸方
向に貫通するもので、前述の第2連通孔23と径方向の
位置が同じであり、重合可能に形成されている。伝達機
構32はロータ30の図示左側面と区画板19の図示右
側面との間に形成された第1ラビリンス機構と、ロータ
30の図示右側面とケース13の図示左側面との間に形
成された第2ラビリンス機構とからなる。
設されたロータ(伝達部材)30が配設され、ロータ3
0には貫通孔31,伝達機構32およびポンプ手段33
が形成されている。貫通孔31はロータ30をその軸方
向に貫通するもので、前述の第2連通孔23と径方向の
位置が同じであり、重合可能に形成されている。伝達機
構32はロータ30の図示左側面と区画板19の図示右
側面との間に形成された第1ラビリンス機構と、ロータ
30の図示右側面とケース13の図示左側面との間に形
成された第2ラビリンス機構とからなる。
【0014】ポンプ手段33は、ロータ30の外周部に
形成されたヘリカルスプライン51(給送機構)と、図
2乃至図4に示すように、区画板19に配設されたピン
(揺動軸)52を中心として区画板19上に揺動可能に
支承された揺動プレート(可動弁)53と、区画板19
の最外周部に形成されたポンプ孔54,55から構成さ
れる。揺動プレート53は粘性流体の流れる方向(粘性
流体継手の回転方向と同じ方向)に応じて動くもので、
ヘリカルスプライン51の作用により貯蔵空間21に向
けて区画板19へと給送された粘性流体の流れが三角形
状をした揺動プレート53の流れと対向する斜辺を押
し、揺動プレート53が揺動して揺動プレート53の他
方の斜辺がカバー12の内周面に当接する。従って、揺
動プレート53は粘性流体継手の回転方向について前側
に位置するポンプ孔54(図3)を開く。図3において
粘性流体継手の回転方向はD1で表され、図4に示すよ
うに回転方向がD2となると、粘性流体継手の回転方向
について前側に位置して開かれるのはポンプ孔55とな
る。ポンプ孔54,55は周方向において揺動軸52の
両側に、揺動プレート53と重合可能に穿設されてお
り、作動空間20と貯蔵空間21とを連通させる。な
お、揺動プレート53の一斜辺が粘性流体の流れを妨げ
れば、粘性流体はその上流側に位置するポンプ孔54ま
たは55から貯蔵空間21へと搬出されるので、揺動プ
レート53は他方のポンプ孔を必ずしも塞ぐ必要はな
い。
形成されたヘリカルスプライン51(給送機構)と、図
2乃至図4に示すように、区画板19に配設されたピン
(揺動軸)52を中心として区画板19上に揺動可能に
支承された揺動プレート(可動弁)53と、区画板19
の最外周部に形成されたポンプ孔54,55から構成さ
れる。揺動プレート53は粘性流体の流れる方向(粘性
流体継手の回転方向と同じ方向)に応じて動くもので、
ヘリカルスプライン51の作用により貯蔵空間21に向
けて区画板19へと給送された粘性流体の流れが三角形
状をした揺動プレート53の流れと対向する斜辺を押
し、揺動プレート53が揺動して揺動プレート53の他
方の斜辺がカバー12の内周面に当接する。従って、揺
動プレート53は粘性流体継手の回転方向について前側
に位置するポンプ孔54(図3)を開く。図3において
粘性流体継手の回転方向はD1で表され、図4に示すよ
うに回転方向がD2となると、粘性流体継手の回転方向
について前側に位置して開かれるのはポンプ孔55とな
る。ポンプ孔54,55は周方向において揺動軸52の
両側に、揺動プレート53と重合可能に穿設されてお
り、作動空間20と貯蔵空間21とを連通させる。な
お、揺動プレート53の一斜辺が粘性流体の流れを妨げ
れば、粘性流体はその上流側に位置するポンプ孔54ま
たは55から貯蔵空間21へと搬出されるので、揺動プ
レート53は他方のポンプ孔を必ずしも塞ぐ必要はな
い。
【0015】以上の構成を有する粘性流体継手10の作
用について説明する。エンジンの始動に伴って入力軸1
1及びロータ30が回転する。作動空間20内にある粘
性流体はポンプ手段33の作用により、その多くが貯蔵
空間21に回収される。エンジン冷間時において始動直
後のエンジンは十分に暖まっておらず、その冷却水温が
低く、ラジエターを通過する空気流の温度は低い。この
ため、この空気温度を感知する感温部材27の作用によ
り、バルブ部材24は第1・第2連通孔22・23を共
に閉鎖する。しかし、作動空間20内には僅かながらも
粘性流体が残っているため、この粘性流体量に応じた小
さなトルク伝達が第1・第2ラビリンス機構において生
じ、低い回転数で出力部材14に固設されたフアンが回
転する。
用について説明する。エンジンの始動に伴って入力軸1
1及びロータ30が回転する。作動空間20内にある粘
性流体はポンプ手段33の作用により、その多くが貯蔵
空間21に回収される。エンジン冷間時において始動直
後のエンジンは十分に暖まっておらず、その冷却水温が
低く、ラジエターを通過する空気流の温度は低い。この
ため、この空気温度を感知する感温部材27の作用によ
り、バルブ部材24は第1・第2連通孔22・23を共
に閉鎖する。しかし、作動空間20内には僅かながらも
粘性流体が残っているため、この粘性流体量に応じた小
さなトルク伝達が第1・第2ラビリンス機構において生
じ、低い回転数で出力部材14に固設されたフアンが回
転する。
【0016】エンジンが暖まるに連れて冷却水温が上昇
し、ラジエターを通過する空気温度も上昇していき、感
温部材27の作用によりバルブ部材24が、まず第1連
通孔22のみを開く程度に回動する。貯蔵空間21内の
粘性流体は第1連通孔22を介して作動空間20内の第
1ラビリンス機構に供給される。従って、ロータ30の
回転は主に第1ラビリンス機構に存在する粘性流体を介
して区画板19、即ち、出力部材14に伝達される。こ
こでは冷間始動時よりは相対的に高い回転数で出力部材
14に固設されたフアンが回転する。第1ラビリンス機
構に流入した粘性流体は遠心力により作動空間20内の
最外周部へと流れていき、ポンプ手段33の作用により
貯蔵空間21へと回収される。即ち、粘性流体は貯蔵空
間21〜第1連通孔22〜第1ラビリンス機構〜ポンプ
手段33〜貯蔵空間21と還流している。
し、ラジエターを通過する空気温度も上昇していき、感
温部材27の作用によりバルブ部材24が、まず第1連
通孔22のみを開く程度に回動する。貯蔵空間21内の
粘性流体は第1連通孔22を介して作動空間20内の第
1ラビリンス機構に供給される。従って、ロータ30の
回転は主に第1ラビリンス機構に存在する粘性流体を介
して区画板19、即ち、出力部材14に伝達される。こ
こでは冷間始動時よりは相対的に高い回転数で出力部材
14に固設されたフアンが回転する。第1ラビリンス機
構に流入した粘性流体は遠心力により作動空間20内の
最外周部へと流れていき、ポンプ手段33の作用により
貯蔵空間21へと回収される。即ち、粘性流体は貯蔵空
間21〜第1連通孔22〜第1ラビリンス機構〜ポンプ
手段33〜貯蔵空間21と還流している。
【0017】この後、エンジンが十分に暖まると、冷却
水温もラジエターを通過する空気温度も更に上昇し、感
温部材27の作用によりバルブ部材24が、第1連通孔
22に加えて第2連通孔23も開くように回動する。貯
蔵空間21内の粘性流体は第1連通孔22を介して作動
空間20内の第1ラビリンス機構に供給されると共に、
第2連通孔23及び貫通孔31を介して第2ラビリンス
機構にも供給される。従って、ロータ30の回転は第1
・第2ラビリンス機構に存在する粘性流体を介して出力
部材14に伝達される。ここでは相対的に最も高い回転
数で出力部材14に固設されたフアンが回転する。第1
ラビリンス機構に流入した粘性流体は前記の通り、また
第2ラビリンス機構に流入した粘性流体も遠心力により
作動空間20内の最外周部へと流れていき、ポンプ手段
33の作用により貯蔵空間21へと回収される。即ち、
粘性流体は貯蔵空間21と作動空間20との間を還流し
ている。
水温もラジエターを通過する空気温度も更に上昇し、感
温部材27の作用によりバルブ部材24が、第1連通孔
22に加えて第2連通孔23も開くように回動する。貯
蔵空間21内の粘性流体は第1連通孔22を介して作動
空間20内の第1ラビリンス機構に供給されると共に、
第2連通孔23及び貫通孔31を介して第2ラビリンス
機構にも供給される。従って、ロータ30の回転は第1
・第2ラビリンス機構に存在する粘性流体を介して出力
部材14に伝達される。ここでは相対的に最も高い回転
数で出力部材14に固設されたフアンが回転する。第1
ラビリンス機構に流入した粘性流体は前記の通り、また
第2ラビリンス機構に流入した粘性流体も遠心力により
作動空間20内の最外周部へと流れていき、ポンプ手段
33の作用により貯蔵空間21へと回収される。即ち、
粘性流体は貯蔵空間21と作動空間20との間を還流し
ている。
【0018】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、粘性流
体継手のポンプ手段が、粘性流体の流れる方向、即ち継
手の回転方向に応じて動く可動弁を持ち、粘性流体は複
数のポンプ孔のうち可動弁の上流側に位置するポンプ孔
から貯蔵空間へと搬出される。従って、この粘性流体継
手はエンジンや粘性流体継手自身の回転方向に依存せず
に使用することができる。
体継手のポンプ手段が、粘性流体の流れる方向、即ち継
手の回転方向に応じて動く可動弁を持ち、粘性流体は複
数のポンプ孔のうち可動弁の上流側に位置するポンプ孔
から貯蔵空間へと搬出される。従って、この粘性流体継
手はエンジンや粘性流体継手自身の回転方向に依存せず
に使用することができる。
【0019】また、請求項2に記載の発明によれば、可
動弁が揺動軸の両側の何れか一方側に傾き、傾いた側と
反対側に位置する開かれたポンプ孔から貯蔵空間へと搬
出される。従って、この粘性流体継手はエンジンや粘性
流体継手自身の回転方向に依存せずに使用することがで
きる。
動弁が揺動軸の両側の何れか一方側に傾き、傾いた側と
反対側に位置する開かれたポンプ孔から貯蔵空間へと搬
出される。従って、この粘性流体継手はエンジンや粘性
流体継手自身の回転方向に依存せずに使用することがで
きる。
【図1】本発明の実施の形態に従った粘性流体継手の縦
断面図である。
断面図である。
【図2】図2におけるA−A断面図である。
【図3】図1における区画板19の回転方向D1時の図
示右面側面図である。
示右面側面図である。
【図4】図1における区画板19の回転方向D2時の図
示右面側面図である。
示右面側面図である。
10・・・粘性流体継手 11・・・入力部材 14・・・出力部材 18・・・内部空間 20・・・作動空間 21・・・貯蔵空間 19・・・区画板(区画部材) 22・・・第1連通孔(連通孔) 23・・・第2連通孔(連通孔) 29・・・開閉手段 32・・・伝達機構(トルク伝達手段) 33・・・ポンプ手段 53・・・揺動プレート(可動弁) 54,55・・・ポンプ孔
Claims (2)
- 【請求項1】 入力部材と、該入力部材に回転自在に支
承される出力部材と、該出力部材の内部空間を作動空間
と貯蔵空間とに区画する区画部材と、該区画部材に形成
された少なくとも1つの連通孔と、該連通孔の開閉を行
う開閉手段と、前記内部空間内に封入される粘性流体
と、前記作動空間内に配設され粘性流体を介して前記入
力部材から前記出力部材へとトルクの伝達を行うトルク
伝達手段と、前記作動空間から前記貯蔵空間へと粘性流
体を搬出するポンプ手段とを有する粘性流体継手におい
て、 前記ポンプ手段が、粘性流体の流れる方向に応じて動く
可動弁と、周上に穿設され、貯蔵空間と作動空間を連通
させる複数のポンプ孔とを有し、前記可動弁は粘性流体
継手の回転方向について前側に位置するポンプ孔を開く
ことを特徴とする粘性流体継手。 - 【請求項2】 前記可動弁が前記区画部材上に配設され
た揺動軸を中心として揺動可能に支承され、且つ前記ポ
ンプ孔が区画部材の周方向において該揺動軸の両側に形
成されていることを特徴とする請求項1記載の粘性流体
継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000065091A JP2001254760A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 粘性流体継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000065091A JP2001254760A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 粘性流体継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001254760A true JP2001254760A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18584679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000065091A Pending JP2001254760A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 粘性流体継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001254760A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6935478B2 (en) * | 2002-08-23 | 2005-08-30 | Behr Gmbh & Co. | Fluid friction clutch |
US10578171B2 (en) | 2015-10-05 | 2020-03-03 | Horton, Inc. | Morning sickness valve system for viscous clutch |
-
2000
- 2000-03-09 JP JP2000065091A patent/JP2001254760A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6935478B2 (en) * | 2002-08-23 | 2005-08-30 | Behr Gmbh & Co. | Fluid friction clutch |
US10578171B2 (en) | 2015-10-05 | 2020-03-03 | Horton, Inc. | Morning sickness valve system for viscous clutch |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2775431B2 (ja) | 感温作動型流体式フアン・カツプリング装置 | |
US4086989A (en) | Temperature controlled hydraulic coupling with moveable dam | |
JP2001254760A (ja) | 粘性流体継手 | |
JPS59190521A (ja) | 粘性流体継手 | |
JP2811812B2 (ja) | 粘性流体継手装置 | |
JPH0743502U (ja) | 流体継手 | |
JP2004270472A (ja) | 可変容量ターボチャージャ | |
JP3216151B2 (ja) | 粘性流体継手 | |
JPH04105641U (ja) | 流体継手 | |
JPH07103259A (ja) | 粘性流体継手装置 | |
JPS63180726A (ja) | 内燃機関のフアンカツプリング装置 | |
JP3934360B2 (ja) | 流体継手 | |
JPH02150515A (ja) | 粘性流体継手 | |
JPS6216506Y2 (ja) | ||
JPH0558832U (ja) | 可変容量ウォータポンプ | |
US6336538B1 (en) | Fluid coupling | |
JPH0352980Y2 (ja) | ||
JPH0317064Y2 (ja) | ||
JPS62127522A (ja) | 粘性流体継手装置 | |
JPH0229227Y2 (ja) | ||
JPH0324906Y2 (ja) | ||
JPS62224734A (ja) | 粘性流体継手 | |
JP2556568Y2 (ja) | 流体継手 | |
JPS6238027Y2 (ja) | ||
JPH0117672Y2 (ja) |