JP2001254334A - 侵食防止マット、及びその製造方法 - Google Patents

侵食防止マット、及びその製造方法

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JP2001254334A
JP2001254334A JP2000066059A JP2000066059A JP2001254334A JP 2001254334 A JP2001254334 A JP 2001254334A JP 2000066059 A JP2000066059 A JP 2000066059A JP 2000066059 A JP2000066059 A JP 2000066059A JP 2001254334 A JP2001254334 A JP 2001254334A
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mat
erosion prevention
soil
bodies
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JP2000066059A
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English (en)
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Koichi Fujita
光一 藤田
Atsushi Hattori
敦 服部
Masatoshi Tanaka
雅敏 田中
Kiyokazu Nakai
清和 中井
Yutaka Murakami
豊 村上
Takanobu Shinagawa
隆宣 品川
Tomohisa Yamanaka
智央 山中
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Public Works Research Institute Ministry Of Land Infrastructure & Transport
Tanaka Ltd
National Research and Development Agency Public Works Research Institute
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Public Works Research Institute Ministry Of Land Infrastructure & Transport
Tanaka Ltd
Public Works Research Institute Ministry of Construction
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植物を育成すべく内部に充填した土壌が、河
川の流水によって流失しにくい河川の護岸に用いる侵食
防止マットを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5
mm径の連続線条体15aの多数本が、互いに交差しなが
ら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則に屈曲して一
方側から他方側に向けて延びるとともに、多数本の連続
線条体15aは、互いに交差するポイントにおいて融着さ
れてなり、かつ自身全体を一方側から他方側にかけて観
察した場合において凸部と凹部とが所定間隔ごとに繰り
返された波形状を呈する立体網状構造体15と、立体網状
構造体15における表裏いずれか一方側に取着された可撓
性を有するネット体14とからなり、連続線条体15aが、
ネット体14を構成する縦条および/または横条を巻き込
んで当該ネット体14と立体網状構造体15が一体化されて
なるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は侵食(浸食)防止マ
ット、及びその製造方法に関し、詳しくは、河川の護岸
に用いる侵食防止マット、及びその製造方法に関し、河
川の岸や法面の護岸に用いられ、内部に土壌を充填して
植物の育成を図るとともに、河川の流水による前記土壌
の流出(流失)を防ぐ機能を備えた河川の護岸に用いる
侵食防止マット、及びその製造方法に関する。
【0002】なお、本発明おける「マット」は「シート
状のもの」も含む。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、次
のような侵食防止シート・マットの提案がなされた(特
許2963987号公報参照)。すなわち、法面の緑化
を可能とし、侵食を防止するためのシート・マットであ
って、糸状材からなる多孔質構造体となっていて、糸状
材の径は5mm以下であって、多孔質構造体の厚さは5
cm以下、同空隙径は0.5〜2cmであることを特徴
とする緑化可能な侵食防止シート・マットが提案され
た。
【0004】なるほど、このシート・マットを使用する
ことにより、例えば法面に植えられた植物が流水によっ
て流失することがなく、また当該シート・マット自身も
植物の根によって地面と連結固定されることから所謂
“めくれ上がり防止効果”を発揮するので侵食防止用の
シート・マットとしては非常に優れたものといえる。
【0005】また、上記シート・マットは、糸状体から
なる多孔質構造体により構成されていることから、機械
的強度にもすぐれ、かつ土壌の充填作業も行ないやすい
ものであり、侵食防止シート・マットとしては理想的な
ものであった。
【0006】そこで、本発明者は、上記特許29639
87号公報に開示のシート・マットを改良してこれの優
れたところを更に向上させ、機械的強度がより一層飛躍
的に向上し、土壌の充填作業も著しくアップするような
侵食防止マットを提供することができないものかと鋭意
検討を重ねた。
【0007】また、上記したシート・マットに代表され
る侵食防止マットあっては、全体が略均等な厚みを有す
るものであるため、これを、例えば土中に半分の厚みだ
け埋設した状態で敷設した場合、その上半分が地表面か
ら露出し、複数のマットによる連続敷設体が形成される
わけであるが、このため、例えば当該マットに何らかの
原因(タバコのポイ捨てなど)で火が付けばマットの全
体に火がまわって周辺に燃え広がるという心配があっ
た。
【0008】[発明の目的]本発明は、上記の実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、特許29639
87号公報に開示のシート・マットの技術を継承しつ
つ、これをグレードアップしてなる侵食防止マットを提
供するところにあり、具体的には、植物を育成すべく内
部に充填した土壌が河川の流水によって流失しにくく、
また機械的強度や土壌の充填性にも優れ、埋設後に火が
付いても燃え広がるおそれのない、河川の護岸に用いる
侵食防止マット、及びその製造方法を提供するところに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の侵食防止
マット(以下、単に「マット」ともいう)は、植物育成
のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に
充填した土壌が河川の流水によって流出するのを防ぐこ
とのできる河川の護岸に用いる侵食防止マットであっ
て、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連
続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向
ならびに厚み方向に不規則に屈曲して一方側から他方側
に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、
互いに交差するポイントにおいて融着されてなり、自身
全体を一方側から他方側にかけて観察した場合において
凸部と凹部とが所定間隔ごとに繰り返された波形状を呈
する立体網状構造体と、前記立体網状構造体における表
裏いずれか一方側に取着された可撓性を有するネット体
とからなり、前記連続線条体が、ネット体を構成する縦
条および/または横条を巻き込んで当該ネット体と立体
網状構造体が一体化されてなるものである。
【0010】請求項2記載のマットは、請求項1記載の
マットにおいて、前記立体網状構造体が、厚さ1〜5c
m、空隙率90〜98%、空隙径2cm以下であること
を特徴とするものである。
【0011】請求項3記載のマットは、請求項1または
2に記載のマットにおいて、前記ネット体における網目
の大きさが、1〜10cm×1〜10cmであることを
特徴とするものである。
【0012】請求項4記載の侵食防止マットの製造方法
は、請求項1〜3のいずれか1項記載の侵食防止マット
を製造する方法であって、一方向に走行する無端ベルト
備えた搬送体における当該無端ベルトの上面に、板状を
なし所定間隔ごとに凹凸が繰り返されてなる凹凸片の多
数を載置するとともに、当該凹凸片を前記無端ベルトの
上に載せた状態で同方向に走行させ、可撓性を有する長
尺状のネット体を前記凹凸片の上面に載せた状態で同方
向に走行させ、前記無端ベルトおよび凹凸片とともに走
行するネット体の上方から熱可塑性樹脂の溶融物を連続
線条体として、前記無端ベルトの走行よりも速い速度で
ネット体を介して凹凸片上に落下させ、前記連続線条体
が無端ベルトの走行よりも速い速度で落下することによ
って、前記熱可塑性樹脂からなる連続線条体の多数本
が、前記凹凸片上にて所定厚みを有するマット状の立体
網状構造体として成形され、また前記連続線条体が、ネ
ット体を介して落下することによって当該ネット体を構
成する縦条および/または横条を巻き込み、これにより
前記立体網状構造体とネット体とが融着一体化するよう
にしたことを特徴とする。
【0013】[作用]請求項1に記載の侵食防止マット
を、例えば河川の法面に敷設する。この侵食防止マット
は、立体網状構造体が熱可塑性樹脂重合体よりなる0.
1〜5mm径の連続線条体によって構成されていること
から比較的軽量であり、また柔軟であることから法面へ
の敷設作業が容易である。なお、前記連続線条体が0.
1mm径未満の場合、そのような細い連続線条体を作る
のが難しいというばかりか、得られる立体網状構造体の
機械的強度が乏しくなるとともに、所望の空隙径(後述
する)が得られにくくなるという問題が生じる。また、
前記連続線条体が5mm径を超す場合、得られる立体網
状構造体の剛性が高くなり、施工性、取扱性が悪化す
る。連続線条体の径の好ましい範囲は、0.5〜3mm
である。
【0014】この侵食防止マットにおいて、所定厚みを
有する立体網状構造体の内部に土壌が充填される。この
立体網状構造体は、熱可塑性樹脂重合体よりなる連続線
条体の多数本が互いに交差しながら各々水平方向ならび
に厚み方向に不規則に屈曲して一方側から他方側に向け
て延びているので、土壌の充填効率に優れ、施工性に優
れたマットを提供することが出来る。すなわち、立体網
状構造体は、自身全体を一方側から他方側にかけて観察
した場合において凸部と凹部とが所定間隔ごとに繰り返
された波形状を呈するものであるので、前記凹部が立体
網状体内部への土壌の入口となり、当該立体網状構造体
内部への土壌の充填をより一層効率よく行うことができ
る。なお、この土壌には、場合によっては肥料や種子を
混入することもでき、また植物の苗木や芝生を併用する
こともできる。充填された土壌は、立体網状構造体を構
成する互いに絡み合った多数本の連続線条体およびネッ
ト体により当該立体網状構造体の空隙内にしっかりと保
持される。これにより、河川の流水による前記土壌の流
出を最小限に抑えることができる。 土壌上に自然に落
下した種子(飛来種子)あるいは土壌に人為的に混入さ
せた種子(あるいは苗木)は、やがて成長をはじめ、根
が立体網状構造体を構成する多数本の連続線条体に絡み
ながら土壌中で生育する。これにより、土壌の保持効果
がより一層強力なものとなり(土壌の流出防止効果(侵
食防止効果)が向上し)、延いては成長した植物が流水
にさらされても流失しにくくなる。
【0015】また、植物が更なる成長を続けるに伴っ
て、幾本もの根が延びて立体網状構造体から外側に出て
いき、地盤中に多数の根が張られた状態を形成する。そ
して、地盤に張った多数本の根により、立体網状構造体
による土壌の保持作用(土壌流出防止効果(侵食防止効
果))が更により一層効果的に向上するとともに、本発
明の侵食防止マットのめくれ上がりを防止することがで
きる。
【0016】法面内部を流れる水や地表面上を流れる水
などの流水にとっては、植物自身や、植物の多数本の根
によって地盤に強固に固定された侵食防止マットが抵抗
となるので、当該流水の速度(掃流力)が低下し、土壌
の侵食が防げる。この土壌の侵食防止効果は、当該マッ
トに充填した土壌のみならず、マット近傍の地盤中の土
壌にも及ぶ。
【0017】本発明の侵食防止マットにあっては、立体
網状構造体における表裏いずれか一方の面に可撓性を有
するネット体が取着されているので、立体網状構造体の
機械的強度が向上する。しかも、このネット体は、立体
網状構造体の表面に単に接着されているのでは無く、ネ
ット体を構成する縦条および/または横条に連続線条体
が巻き付くことにより立体網状構造体と一体化されてい
るので、ネット体が立体網状構造体から剥がれるといっ
た心配はない。
【0018】また、本発明の侵食防止マットは、可撓性
を有するネット体を具備していることから、立体網状構
造体の広さ方向(広がり方向)に及ぼされる力に対して
このネット体が優れた抵抗性を示し(すなわち、立体網
状構造体の伸びがこのネット体によって飛躍的に抑制さ
れ)、施工性がアップする。すなわち、例えば河川の法
面上に本発明の侵食防止マットを多数敷設する場合にお
いて、数人の作業者が既に法面上に敷設した侵食防止マ
ットの上に載りながら他の侵食防止マットを順次縦横に
敷き並べるわけであるが、作業者が侵食防止マットの上
に載った際、どうしても人の重量によって当該侵食防止
マットは広さ方向(広がり方向)に力が及ぼされ、法面
の下側方向に伸びようとする。しかしながら、前述した
ように本発明の侵食防止マットはネット体を備えている
ので、たとえ法面に敷設したマットの上に人が載った場
合でも下側方向への伸びは抑制される。
【0019】更に、立体網状構造体に取着するネット体
は、金属線条体のように剛性を有するものではなく、例
えば天然繊維や合成樹脂繊維のように柔軟性を有するも
ので構成されているので、敷設地盤の微妙な凹凸に対し
ても容易に追従し得(密着性が良くなり)、優れた施工
性が得られる。すなわち、このネット体が金属線条体
(金網)により構成されている場合には、敷設地盤の凹
凸に対しては、作業者が敷設前に、外部からこのネット
体に対して力を加え、地盤の形状に見合った形に成形し
直す必要が生じるが、本発明の侵食防止マットにあって
は、ネット体が柔軟性を備えたものであることから、当
該マットを地盤に敷設するだけで、自ずと敷設地盤の形
状に追従し(敷設地盤に密着し)、敷設前にわざわざ敷
設地盤の形状に見合った形に整えるような必要はない。
【0020】前述したように、立体網状構造体は、自身
全体を一方側から他方側にかけて観察した場合において
凸部と凹部とが所定間隔ごとに繰り返された波形状を呈
するものであるので、次のような作用効果も奏する。す
なわち、本発明の侵食防止マットを、例えば土中に半分
の厚みだけ埋設した状態で敷設した場合は、立体網状構
造体における複数の凸部の上側部分が地表面から上に向
かって露出(突出)した状態となるため地上部では非連
続となる。このため、例えば当該侵食防止マットが何ら
かの原因で燃えた場合、部分的な火災だけで済み、燃え
広がるといった心配はない。
【0021】請求項2の侵食防止マットのように、前記
立体網状構造体の厚さは1〜5cmであることが好まし
い。この厚さが1cm未満の場合、植物の、特に根の定
着に支障を来す可能性が生じ、期待するほどの侵食防止
効果が得られない場合がある。また、5cmを超えるこ
とにより、作業性に悪影響を及ぼす可能性が生じる。
【0022】立体網状構造体の空隙率は、90〜98%
であることが好適である。空隙率が90%未満の場合、
土壌のための空間が小さくなり、植物の成長に支障を来
す可能性があり、また98%を超えることにより、機械
的強度に乏しくなる傾向にある。
【0023】空隙径は2cm以下であることが好まし
い。2cmを超えることにより、この空隙径を通過し得
る土、砂、小石が多くなり、侵食防止効果に支障を来す
可能性がある。
【0024】請求項3に記載の侵食防止マットのよう
に、ネット体における網目の大きさが1〜10cm×1
〜10cmであることが好適である。ネット体の網目の
一辺の大きさが1cm未満の場合、侵食防止という点で
は特に問題はないが、重量が大きくなって施工性が悪く
なるという問題が生じやすくなるというばかりか、当該
ネット体によって地盤と充填土壌との間に境界ができ、
前記地盤と充填土壌とが分離して両者がなじみ合わない
という問題があり、また根の伸びにも支障を来す。10
cmを超えることにより、立体網状構造体自身の伸びを
防止する効果に乏しくなる可能性が生じる。更に好まし
い範囲は3×7cm〜3×7cmである。
【0025】請求項4記載の侵食マットの製造方法によ
れば、熱可塑性樹脂重合体よりなる連続線条体の多数本
が、ネット体を構成する縦条および/または横条を巻き
込んだ状態で当該ネット体と立体網状構造体が一体化さ
れるので、ネット体が脱落するおそれのない侵食マット
を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0027】立体網状構造体の製造 本発明で用いられる立体網状構造体は、所定厚みを保有
するマット状をなし、一方側から他方側にかけて全体を
観察した場合、所定間隔ごとに凹入形成された形状(す
なわち所定間隔ごとに凹部を備えた形状)を呈してお
り、例えば図1〜図4に略示した装置を用いることによ
って能率的に製造することができる。
【0028】すなわち、図に示すように、一方向に向け
て走行する無端ベルト(10)を備えた搬送体(12)
の上に長尺状のネット体(14)が載せられながら同方
向に走行している。このネット体(14)は可撓性を有
し、網目の大きさは5cm×5cmであり、合成樹脂
(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリアミドなど)よりなる。
【0029】符号(20)は、走行するネット体(1
4)の上方に設けられた紡糸口金であり、その下面にお
いて、紡糸ノズル(例えば、孔径:0.5mm、図示せ
ず)が多数列設されている。この紡糸ノズルから、熱可
塑性樹脂の溶融物、例えばポリプロピレン樹脂の溶融物
が紡糸口金(20)より連続線条体(15a)として紡
出され、下方に向けて自然落下する。なお、無端ベルト
(10)よりなる搬送体(12)は、上記した紡出連続
線条体(15a)の落下速度よりも遅い速度で移動して
おり、このような搬送体(12)の上に前記した連続線
条体(15a)をネット体(14)を介して自然落下さ
せる。また、この搬送体(12)は、その上面(紡出連
続線条体(15a)の落下面)において、図3および図
4に示すように、板状をなす凹凸片(22)の多数が搬
送体(12)における無端ベルト(10)の長手方向に
並設されている。
【0030】この凹凸片(22)は、上方に向かって突
出し幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面三
角形の凸部(22a)と、下方に向かって凹入形成され
幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面逆三角
形の凹部(22b)とが走行方向において繰り返されて
なり、ゴム製、金属製、合成樹脂製あるいは木製よりな
る。最終的に得られる立体網状構造体自身全体を一方側
から他方側にかけて観察した場合において凸部と凹部と
が所定間隔ごとに繰り返された波形状を呈することにな
り、この立体網状構造体の厚さは、この凹凸片(22)
における凸部(22a)の頂部から凹部(22b)の底
部の間隔によって大きく左右されるわけであるが、本実
施例においては、前記凸部(22a)の頂部から凹部
(22b)の底部の間隔は2cm〜4cmである。
【0031】これにより、紡糸ノズルから落下する紡出
連続線条体(15a)の多数本が、走行するネット体
(14)を構成する縦条および/または横条と交絡しつ
つ、かつ搬送体(12)上では互いに交差しながらそれ
ぞれ不規則な上向きループと下向きループとを描いて順
次集積される(図3参照)。
【0032】凹凸片(22)上に落下した紡出連続線条
体(15a)の多数本は次第に固化するが、その際、交
差点において互いに自己融着するとともに、ネット体
(14)と紡出連続線条体(15a)とが互いに融着す
る。そして、ネット体(14)を巻き込みながら成型さ
れた立体網状構造体を凹凸片(22)から引き離すこと
により、図5および図6に示すように、ネット体(1
4)と立体網状構造体(15)とが一体化した侵食防止
マット(A)(厚さ:2〜4cm、空隙率97%)が得
られる。
【0033】なお、侵食防止マット(A)における空隙
径(30)は2cm以下(好ましくは、3mm〜2c
m)であることが好ましいが、一度の工程でこのような
空隙径(30)が得られない場合には、上記のようにし
て得られた侵食防止マット(A)に対し、紡糸ノズルか
らの熱可塑性樹脂溶融物の紡出を1度または2度行なえ
ばよい。すなわち、前記侵食防止マット(A)を搬送体
(12)に載せて走行させ、紡糸口金(20)の紡糸ノ
ズルから熱可塑性樹脂の紡出連続線条体(15a)を、
前記マット(A)の上面に対して直接落下させればよ
い。これにより、当該マット(A)の空隙径(30)が
小さくなり、所望の値(5mm〜2cm)を得ることが
できる。空隙径(30)を小さくすることにより、土壌
の流動を阻止する性能が向上し、侵食防止効果に優れた
侵食防止マット(A)が得られる。
【0034】侵食防止マット(A)の敷設 上記のようにして得られた侵食防止マット(A)を適当
な大きさ(例えば1m×1m)に裁断し、これの多数を
河川の法面に敷設する。以下、この点について説明す
る。
【0035】図7に示すように、法面の地盤上に複数の
マット(A)を敷き並べ、ピン(P)を差し込むことに
より仮止めする。このとき、マット(A)におけるネッ
ト体(14)が下側に位置するように敷き並べる。
【0036】その後、敷設したマット(A)の上から、
当該マット(A)に土壌を載せる。マット(A)は、立
体網状構造体(15)において内部に空隙を備えている
ので、この土壌は、前記空隙内に容易に充填される。充
填された土壌は、立体網状構造体(15)を構成する互
いに絡み合った多数本の連続線条体(15a)およびネ
ット体(14)により当該立体網状構造体(15)の空
隙内にしっかりと保持される。これにより、流水による
土壌の流出を最小限に抑えることができる。
【0037】土壌を載せたあと、苗木を植えたり、植物
の種子をまく。あるいは、予め土壌の中に種子を混入し
ておいても構わない。
【0038】苗木または種子が、やがて成長し始め、根
が立体網状構造体(15)を構成する多数本の連続線条
体(15a)に絡みながら土壌中で生育する。これによ
り、土壌の保持効果がより一層強力なものとなり(土壌
の流出防止効果が向上し)、延いては成長した植物が流
水にさらされても流失しにくくなる。
【0039】また、図8に示すように、植物が更なる成
長を続けるに伴って、幾本もの根が延びて立体網状構造
体(15)から外側に出ていき、地盤中に多数の根が張
られた状態を形成する。そして、地盤に張った多数本の
根により、立体網状構造体(15)による土壌の保持作
用(土壌流出防止効果)が更により一層効果的に向上す
るとともに、本発明の侵食防止マット(A)のめくれ上
がりを防止することができる。
【0040】法面内部を流れる水や地表面上を流れる水
などの流水にとっては、植物の多数本の根によって地盤
と強固に連結(固定)された侵食防止マット(A)が抵
抗となるので、当該流水の速度(掃流力)が低下し、土
壌の侵食が防げる。この土壌の侵食防止効果は、当該マ
ット(A)に充填した土壌のみならず、マット(A)近
傍の地盤中の土壌にも及ぶ。
【0041】侵食防止マット(A)の侵食防止試験 空隙率は一定にし、繊維径(d)を変えるとともにマッ
ト厚さ(t)を変えた侵食防止マット(A)を製造し
た。このような侵食防止マット(A)の製造を、種々の
空隙率に設定して行ない、空隙率は同じであるが構成す
る繊維径(d)や厚さ(t)が異なる侵食防止マット
(A)を多数製造した。
【0042】上記した種々の侵食防止マット(A)を用
いて実際に河川の法面に敷設し、侵食防止効果の評価を
行った。
【0043】なお、敷設した河川の法面は、当該河川の
流水の流れ具合によって下記[表1]の3つのケース
(特A)、(A)、及び(B)に分類でき、それぞれの
ケース(場所)に好適に使用し得る侵食防止マット
(A)を、(特Aマット)、(Aマット)及び(Bマッ
ト)として、それぞれ図9、図10、及び図11に記載
した。
【0044】
【表1】
【0045】図9〜図11から明らかなように、特Aマ
ット、Aマット、Bマットとして、好適に使用し得るの
は、厚さが1〜5cm、空隙率90〜98%のマットで
あることが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、植物を育成すべく内部
に充填した土壌が河川の流水によって流失しにくく、機
械的強度や土壌の充填性にも優れ、また何らかの原因
(例えばタバコのポイ捨てなど)によって火が付いた場
合でも燃え広がりにくい、河川の護岸に用いる侵食防止
マット、及びその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の侵食防止マットの製造装置を示す側面
図である。
【図2】前図の斜視図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】凹凸片の上にネット体が載りながら走行する状
態を示した斜視図である。
【図5】本発明の侵食防止マットの斜視図であり、ネッ
ト体と立体網状構造体とが一体的に構成された状態を示
す図である。
【図6】立体網状構造体を構成する連続線条体がネット
体を巻き込みながら一方向から多方向に向けて延びてい
る状態を示す要部拡大断面図である。
【図7】本発明の侵食防止マットの複数を河川の法面に
敷き並べた状態を示す略示説明図である。
【図8】敷設した侵食防止マットにて成長した植物の根
が地盤中に奥深く延びている状態を示す略示説明図であ
る。
【図9】“特A”に適合するマット(特Aマット)にお
ける空隙率、マット厚さ、及び線条体の関係を示すグラ
フ図である。
【図10】“A”に適合するマット(Aマット)におけ
る空隙率、マット厚さ、及び線条体の関係を示すグラフ
図である。
【図11】“B”に適合するマット(Bマット)におけ
る空隙率、マット厚さ、及び線条体の関係を示すグラフ
図である。
【符号の説明】
A……侵食防止マット 14……ネット体 15……立体網状構造体 15a……連続線条体 30……空隙径
フロントページの続き (72)発明者 服部 敦 茨城県つくば市大字旭1番地 建設省土木 研究所内 (72)発明者 田中 雅敏 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 中井 清和 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 村上 豊 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 品川 隆宣 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 山中 智央 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 Fターム(参考) 2D018 DA02 2D044 DA12 4F100 AK01B AK04 AK07 AK41 BA02 DC11B DC16B DD01 DD12 DG06A DG15A EC032 GB01 GB90 JJ07 JK01 JK17B 4L047 AB03 BA08 CA18 CB01 CC10 CC15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物育成のための土壌を保有し得る空隙を
    備え、かつ前記空隙に充填した土壌が河川の流水によっ
    て流出するのを防ぐことのできる河川の護岸に用いる侵
    食防止マットであって、 熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線
    条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向なら
    びに厚み方向に不規則に屈曲して一方側から他方側に向
    けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互い
    に交差するポイントにおいて融着されてなり、かつ自身
    全体を一方側から他方側にかけて観察した場合において
    凸部と凹部とが所定間隔ごとに繰り返された波形状を呈
    する立体網状構造体と、 前記立体網状構造体における表裏いずれか一方側に取着
    された可撓性を有するネット体とからなり、 前記連続線条体が、ネット体を構成する縦条および/ま
    たは横条を巻き込んで当該ネット体と立体網状構造体が
    一体化されてなることを特徴とする侵食防止マット。
  2. 【請求項2】前記立体網状構造体が、厚さ1〜5cm、
    空隙率90〜98%、空隙径2cm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の侵食防止マット。
  3. 【請求項3】前記ネット体における網目の大きさが、1
    〜10cm×1〜10cmであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の侵食防止マット。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の侵食防
    止マットを製造する方法であって、一方向に走行する無
    端ベルト備えた搬送体における当該無端ベルトの上面
    に、板状をなし所定間隔ごとに凹凸が繰り返されてなる
    凹凸片の多数を載置するとともに、当該凹凸片を前記無
    端ベルトの上に載せた状態で同方向に走行させ、 可撓性を有する長尺状のネット体を前記凹凸片の上面に
    載せた状態で同方向に走行させ、 前記無端ベルトおよび凹凸片とともに走行するネット体
    の上方から熱可塑性樹脂の溶融物を連続線条体として、
    前記無端ベルトの走行よりも速い速度でネット体を介し
    て凹凸片上に落下させ、 前記連続線条体が無端ベルトの走行よりも速い速度で落
    下することによって、前記熱可塑性樹脂からなる連続線
    条体の多数本が、前記凹凸片上にて所定厚みを有するマ
    ット状の立体網状構造体として成形され、また前記連続
    線条体が、ネット体を介して落下することによって当該
    ネット体を構成する縦条および/または横条を巻き込
    み、これにより前記立体網状構造体とネット体とが融着
    一体化するようにしたことを特徴とする侵食防止マット
    の製造方法。
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