JP2001253970A - 反応性液晶組成物、塗膜、液晶干渉顔料粒子及び製造方法 - Google Patents

反応性液晶組成物、塗膜、液晶干渉顔料粒子及び製造方法

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JP2001253970A
JP2001253970A JP2000064811A JP2000064811A JP2001253970A JP 2001253970 A JP2001253970 A JP 2001253970A JP 2000064811 A JP2000064811 A JP 2000064811A JP 2000064811 A JP2000064811 A JP 2000064811A JP 2001253970 A JP2001253970 A JP 2001253970A
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reactive
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interference color
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JP2000064811A
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Masanori Fujimaki
正典 藤巻
Masaki Hosaka
正喜 保坂
Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、粘度調整
や重合又は架橋反応の制御が容易で生産性に優れ、且つ
耐溶剤性、耐候性に優れる、干渉色を呈する反応性液晶
組成物、及び干渉色を呈する塗膜、並びにこれを粉砕し
て粒子化した液晶干渉顔料粒子を提供することにある。 【解決手段】 反応性官能基を有する多糖類(A)と、
反応性官能基を有する希釈剤(B)とを含有する、配向
により干渉色を呈し、配向後の反応により干渉色を固定
化できる反応性液晶組成物、該組成物から成る塗膜、液
晶干渉顔料粒子、及びこれらの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反応性官能基を有す
る多糖類と反応性官能基を有する希釈剤とを含有する、
配向により干渉色を呈し、配向後の反応により干渉色を
固定化できる、塗料、インキ、プラスチックの着色成分
及び表示材料等に有用な反応性液晶組成物、及び該反応
性液晶組成物を重合又は架橋等の反応により配向を固定
した干渉色を呈する塗膜、これを粉砕、粒子化した液晶
干渉顔料粒子、及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から多糖類であるセルロース誘導体
は液晶性を示し、さらにセルロース分子のキラリティー
により、らせん構造を有するコレステリック液晶相を呈
することが知られている。コレステリック液晶はらせん
ピッチに応じて特定の波長の光を反射する性質を有して
いる。
【0003】反射光の波長は、らせんピッチ及び液晶材
料の平均屈折率により決定される。このため、ひとつの
組合せ材料において、その組成又は温度を変えてらせん
ピッチを調節することにより、特定波長域の可視光を選
択的に反射することを可能とする。これにより得られる
選択反射光の波長は非常に狭いために、吸収色とは異な
る鮮やかな色を呈する為に、色材としての利用が注目さ
れてきた。
【0004】色材として永続的に任意の波長の光を反射
するためには、らせん構造の固定化が有効である。既に
特表平9−508666号公報ではエステル結合を介し
て、また特開平9−183801号公報ではエーテル結
合を介して、重合性官能基を導入したセルロース誘導体
を重合することにより、コレステリック配向を固定化で
きることが提案されている。
【0005】一方、セルロース誘導体においては、溶剤
の存在下でリオトロピック液晶を形成し、コレステリッ
ク液晶相を示すことが知られている。例えば、ヒドロキ
シプロピルセルロースと水とから成るリオトロピック液
晶では、ヒドロキシプロピルセルロースが60〜70重
量%の濃度で、赤色から紫色を呈することが報告されて
いる(R.S.Werbowyj,D.G.Gray,
Macromolecules,13巻,69頁、19
80年)。
【0006】またエチルセルロースとアクリル酸とから
成るリオトロピック液晶では、エチルセルロースが42
〜50重量%の濃度で、赤色から紫色を呈することが報
告されている(Y.Nishio,Y.Fujiki,
J.Macromol.Sci.Phys.,B30
巻,357頁、1991年)。
【0007】特開平10−25365号公報では、反応
性官能基を有さないセルロース誘導体を重合可能な希釈
剤中に溶解し、セルロース誘導体を配向させた後、該希
釈剤を光又は電子線により重合することで、コレステリ
ック配向の固定化が可能であることが提案されている。
【0008】しかし、特表平9−508666号公報や
特開平9−183801号公報に記載されたセルロース
誘導体では、コレステリック液晶相による干渉色を示す
温度が70〜150℃と高温であり、セルロース誘導体
をコレステリック配向させて発色させ干渉性色材を生産
する為には熱処理が必要であることや、この熱処理時に
重合を起こさせない工夫を要すること等の問題点があ
る。
【0009】一方、特開平10−25365号公報に記
載の液晶性重合組成物は、重合性希釈剤を重合させ、そ
のマトリックス中にセルロース誘導体を固定化するが、
セルロース誘導体は、重合時にマトリックスとの結合が
無く、化学的に固定化されていないうえ、系中の重合性
基を有しないセルロース誘導体の割合が高いため、媒体
を重合固定化した塗膜の耐溶剤性や耐候性に劣るなどの
問題点を有する。
【0010】即ち、従来提案されてきたセルロース誘導
体によるコレステリック液晶相を重合固定化する手法に
おいては、製造上の欠点や塗膜の耐溶剤性、耐候性に劣
るなどの欠点を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、粘度調整や重合又は架橋反応の制御が容易
で生産性に優れ、且つ耐溶剤性、耐候性に優れる、干渉
色を呈する反応性液晶組成物、及び干渉色を呈する塗
膜、並びにこれを粉砕して粒子化した液晶干渉顔料粒子
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、反応性官能基を
有する多糖類と反応性官能基を有する希釈剤とからなる
コレステリック液晶相を有するリオトロピック液晶組成
物を重合又は架橋反応させることで固定化し、強固な結
合を形成した干渉色材塗膜を、更にこれを粉砕して液晶
干渉顔料粒子を形成できることを見出し、本発明を完成
させた。
【0013】即ち、本発明は、(1)反応性官能基を有
する多糖類(A)と、反応性官能基を有する希釈剤
(B)とを含有する、配向により干渉色を呈し、配向後
の反応により干渉色を固定化できる反応性液晶組成物
と、
【0014】(2)反応性官能基を有する多糖類(A)
がセルロース誘導体である(1)に記載の反応性液晶組
成物と、
【0015】(3)反応性官能基を有する多糖類(A)
を20〜80重量%含有する(1)又は(2)に記載の
反応性液晶組成物と、
【0016】(4)上記の(1)〜(3)のいずれか1
つに記載の反応性液晶組成物を支持体に塗布した後、配
向させた状態で反応させて干渉色を固定化する干渉色を
呈する塗膜の製造方法と、
【0017】(5)エネルギー線照射により反応させる
ことを特徴とする(4)に記載の干渉色を呈する塗膜の
製造方法と、
【0018】(6)上記の(1)〜(3)のいずれか1
つに記載の反応性液晶組成物を配向させた状態で反応さ
せて干渉色を固定化した、干渉色を呈する塗膜と、
【0019】(7)上記の(4)又は(5)に記載の製
造方法により得られた干渉色を呈する塗膜と、
【0020】(8)上記の(1)〜(3)のいずれか1
つに記載の反応性液晶組成物を支持体に塗布した後、配
向させた状態で反応させて干渉色を固定化し、次いで塗
膜を該支持体から剥離した後、粉砕して粒子化する液晶
干渉顔料粒子の製造方法と、
【0021】(9)エネルギー線照射により反応させる
ことを特徴とする(8)に記載の液晶干渉顔料粒子の製
造方法と、
【0022】(10)上記の(1)〜(3)のいずれか
1つに記載の反応性液晶組成物を配向させた状態で反応
させて干渉色を固定化した塗膜を粉砕して粒子化した液
晶干渉顔料粒子と、及び
【0023】(11)上記の(9)又は(10)に記載
の製造方法により製造された、粒子化した液晶干渉顔料
粒子とを含むものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる配向により干渉色を呈し、配
向後の反応により干渉色を固定可能な液晶組成物とは、
溶媒中に溶解もしくは分散した状態でコレステリックら
せん配向を形成するリオトロピック液晶であり、反応性
官能基を有する多糖類及びらせん配向を誘起するのに必
要な反応性希釈剤を含有するものである。
【0025】本発明に用いられる配向後の固定化に利用
される反応には、重合反応と架橋反応がある。重合反応
としては、二重結合又は環が開いて進行する付加重合、
分子の脱離によって進行する縮合重合、イソシアナート
基、エポキシ基、エチレンイミノ基等の官能基を有する
化合物と活性水素を有する化合物間の付加反応による重
付加、付加反応と縮合反応の繰り返しからなる付加縮合
等が挙げられる。架橋反応とは、鎖状に結合した原子か
らなる分子の内の任意の2原子間に橋を架けるように形
成される反応であり、その形成方法は上記の重合反応と
同様である。
【0026】本発明で用いられる反応性官能基を有する
多糖類(A)の反応性官能基とは、熱又は活性エネルギ
ー線によって上記の重合反応及び架橋反応が進行する官
能基であり、多糖類と結合した反応性官能基の例として
は、(メタ)アクリル基、α−クロロアリル基、ビニル
基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタニル基、
シアネート基、イソシアネート基、イソチオシアネート
基等が挙げられる。
【0027】本発明に用いられる反応性官能基を有する
多糖類(A)とは、上記の官能基を有する多糖類であ
り、基本骨格の多糖類に反応性官能基を導入したもので
ある。反応性官能基を有する多糖類の基本骨格として
は、1種類の単糖類から構成されるホモ多糖類と、数種
類の単糖類から構成されるヘテロ多糖類が挙げられる。
【0028】ホモ多糖類では、グルコースを基本構造と
する、セルロース、リナケン、デンプン、グリコーゲ
ン、細菌及び酵母デキストラン等、フルクトースを基本
構造とする、イヌリン、レバン等、ガラクツロン酸を基
本構造とするペクチン等、マンノースを基本構造とす
る、マンナン等、ガラクトースを基本構造とするガラク
タン等、キシロースを基本構造とするキシラン等、L−
アラビノースを基本構造とするアラビナン等、マンヌロ
ン酸を基本構造とするアルギン酸等、グルコサミンを基
本構造とするキチン等が挙げられる。
【0029】ヘテロ多糖類では、ヘミロース及び細胞壁
多糖類、粘質物、植物ゴム及びゲル形成物質、タンパク
質あるいは微生物と関連する多糖類であるムコ多糖類及
び糖タンパク質等が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる多糖類の分子量は特に
限定されるものではないが、分子量が低いとコレステリ
ック液晶性を示しにくく、また、分子量が高いと高粘度
となり、配向に長時間を要するなど、工業的に好ましく
ない。これらの観点から、グルコース単位として4個以
上が好ましく、分子量としては、700〜1,000,
000のものが好ましい。また、組成物の粘度の観点か
ら特に700〜500,000の範囲が推奨される。
【0031】これらの多糖類の中でもセルロースは入手
しやく、かつ得られる液晶の安定性が大きいので好まし
く、特にセルロース誘導体が推奨される。セルロース誘
導体としては、セルロースの有する水酸基をエーテル結
合、エステル結合あるいはウレタン結合等で部分的に又
は全部を修飾したものを使用することができる。
【0032】以下、例えば、メチルセルロースとはセル
ロースの水酸基の一部又は全部をメチルエーテル化した
ものとして示す。他のセルロース誘導体においても同様
である。これらを例示するならば、メチルセルロース、
エチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルバモ
イルエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、
シアノエチル−カルバモイルエチルセルロース、
【0033】シアノエチル−カルボキシエチルセルロー
ス、カルボキシエチル−カルバモイルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、酢酸セルロース等が挙げられるが、これら例示の化
合物に限定されるものではない。
【0034】反応性官能基を有する多糖類(A)は、上
記の多糖類の水酸基に上記の熱又は活性エネルギー線に
よって重合もしくは架橋反応が進行する反応性基を既知
の化学反応で結合させて合成することができる。例え
ば、多糖類又は多糖類誘導体の水酸基に対してはエーテ
ル化、エステル化、ウレタン化等の手法で、多糖類又は
多糖類誘導体のカルボキシル基に対しては、エステル
化、アミド化等の手法で反応性基を導入することができ
る。
【0035】本発明に用いられる反応性官能基を有する
希釈剤(B)とは、コレステリック液晶相を形成するた
めのらせん形成剤として働く希釈剤であり、単一化合物
からなるものあるいは種々の化合物の混合物であっても
よい。これら反応性官能基を有する希釈剤としては、一
般に、エネルギー線の照射又は熱によって硬化可能な化
合物として知られる従来既知な化合物が挙げられる。
【0036】これらを例示するならば、例えばアクリレ
ート、メタクリレート、ビニルエーテル、エポキシド、
オキセタン、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、
クロトン酸エステル又はN−ビニルピロリドン、あるい
は例えばスチレン誘導体、桂皮酸エステルの如き芳香族
モノマー、N−ビニルイミダゾール等が挙げられる。
【0037】中でもアクリレート、メタクリレート、ビ
ニルエーテル、エポキシド、オキセタン、マレイン酸エ
ステル、フマル酸エステル、クロトン酸エステル又はN
−ビニルピロリドンが好ましく、特に、アクリレート誘
導体及びメタクリレート誘導体が推奨できる。さらに多
官能反応性化合物を用いることは、架橋及び重合反応後
のコレステリック液晶状態の固定化に有利な三次元網目
構造を構築できるので好ましい。
【0038】これら多官能反応性化合物を例示すると、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、トリプロピレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、
【0039】1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート等が
挙げられるが、これら例示の化合物に限定されるもので
はない。
【0040】尚、単官能反応性化合物と上記多官能反応
性化合物を組み合わせて用いることは、リオトロピック
液晶の粘度を調整できることから有効な手段である。単
官能反応性化合物を例示すると、アクリル酸、エチルア
クリレート、プロピルアクリレートの如きアルキルアク
リレート類、ヒドロキシエチルアクリレートの如きヒド
ロキシアルキルアクリレート類、エチレングリコールモ
ノアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート
の如きエーテル系アクリレート、モルフォリノアクリレ
ートやN−ビニルホルムアルデヒドなどが挙げられる。
【0041】また反応性基を有する希釈剤としてマレイ
ミド基を有する化合物も使用できる。マレイミド系化合
物の場合、マレイミド基自身が光反応開始剤としての機
能を有するため、後述の光反応開始剤が不要となり、光
反応開始剤由来の黄変や抽出物の原因となる欠点を除去
することができる。
【0042】これらを例示すると、脂肪族基によってマ
レイミド基が結合された化合物が好ましく、具体例とし
て、N−ヘキシルマレイミドやN,N’−4,9−ジオ
キサ−1,12−ビスマレイミドドデカンのようなアル
キル又はアルキルエーテルマレイミド、マレイミド酢酸
エチレングリコールエステル、
【0043】マレイミド酢酸ポリ(テトラメチレングリ
コール)エステルなどのマレイミドカルボン酸(ポリ)
アルキレングリコールエステルビス(2−マレイミドエ
チル)カーボネートなどのカーボネートマレイミド、イ
ソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)な
どのウレタンマレイミドなどが挙げられる。
【0044】ビニル系化合物としては、酢酸ビニル、ケ
イ皮酸ビニル、N−ビニルホルムアルデヒドなど、スチ
レン誘導体としては、例えば、スチレン、ジビニルスチ
レンなどが挙げられる。
【0045】ビニルエーテル系化合物としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル、ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル、クロロメチルビニルエ
ーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ク
ロロエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニ
ルエーテル、シクロブチルメチルビニルエーテル、
【0046】シクロペンチルビニルエーテル、エチレン
グリコールメチルビニルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールメチ
ルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0047】エポキシ環を有する化合物としては、(ポ
リ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコー
ル、(ポリ)ブチレングリコール、(ポリ)テトラメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコ
ール類や、そのアルキレンオキシド変性物のポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族
多価アルコールや、
【0048】そのアルキレンオキシド変性物のグリシジ
ルエーテル、水素添加ビスフェノールAや水素添加ビス
フェノールF又はそのアルキレンオキシド付加物と(メ
チル)エピクロルヒドリンとの反応によって合成される
グリシジルエーテルなど、
【0049】リモネンジエポキシド、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、2−(3,4ーエポキシシクロヘ
キシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘ
キサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレートのカプロラクトン付加物、
【0050】3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの
(メチル)バレロラクトン付加物、ビニルシクロヘキセ
ンジオキシド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ジ
ペンテンジエポキサイド、ジシクロペンダジエンジエポ
キサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポ
キシド、などの脂環型エポキシ基を含有する化合物が挙
げられる。
【0051】オキセタン環を有する化合物としては、例
えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル
メトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−メ
チル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
3−メチル−3−グリシジルオキセタン、3−エチル−
3−グリシジルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキ
シメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチ
ルオキセタン等が挙げられる。これらは単独あるいは混
合して用いることができる。
【0052】本発明において、反応性官能基を有する多
糖類(A)と反応性官能基を有する希釈剤(B)の混合
比は特に限定されないが、コレステリック液晶相を呈す
るリオトロピック液晶を形成する範囲に調整する必要が
ある。それらは用いる反応性官能基を有する多糖類
(A)及び反応性官能基を有する希釈剤(B)の種類に
依存し、且つ反応性官能基を有する希釈剤(B)中にお
ける多官能反応性化合物の混合比率が大きいほど、架橋
及び重合反応後のコレステリック液晶状態の固定化に有
効であり好ましいが、混合比はそれらの使用比にも依存
するので、一概に規定できない。
【0053】例えば、エチルセルロースの残存する水酸
基の75%を2−イソシアネートエチルメタクリレート
(以下MOIと略す)で修飾したMOI化エチルセルロ
ースの場合、MOI化エチルセルロースとアクリル酸と
からなる反応性液晶組成物においては、MOI化エチル
セルロースの割合は40重量%〜50重量%の範囲で干
渉色を示すコレステリック液晶層を呈する。
【0054】MOI化したヒドロキシプロピルセルロー
スとアクリル酸との場合は40/60〜70/30の重
量比範囲で、一部アクリロイル基を導入したアクリロイ
ルセルロースアセテートとアクリル酸との組成物におい
ては35/65〜50/50の重量比範囲で干渉色を示
すコレステリック液晶層を呈する。
【0055】この様に、コレステリック液晶相を呈する
リオトロピック液晶を形成する為に必要な多糖類(A)
の濃度は、用いる多糖類(A)や希釈剤(B)の種類に
よって異なり一概に定義できないが、一般に10〜90
重量%の範囲であり、特に好ましくは20〜80重量%
の範囲である。反応性官能基を有する多糖類(A)の濃
度が20重量%以下では干渉光の効果が少なく、80重
量%以上では組成物の粘度が高くなり作業性が劣る。
【0056】また、上記の単官能反応性化合物と多官能
反応性化合物を組み合わせて用いることは、リオトロピ
ック液晶の粘度を調整できることから有効な手段であ
り、単官能反応性化合物と多官能反応性化合物の混合比
も、反応性液晶組成物がリオトロピック液晶を形成する
範囲であれば、任意の範囲が用いられる。
【0057】この場合も、用いる多糖類の種類によって
コレステリック液晶層を呈する濃度範囲が異なる。例示
すれば、MOI化エチルセルロース/アクリル酸/トリ
メチロールプロパントリアクリレート(以下、TMPT
Aと略す)からなる反応性液晶組成物においては、MO
I化エチルセルロースの割合は40重量%〜50重量%
の範囲で干渉色を示すコレステリック液晶層を呈し、こ
の時、干渉色を示すコレステリック液晶層を呈するアク
リル酸/TMPTAの重量割合は、100/0〜80/
20の範囲となる。
【0058】ヒドロキシプロピルセルロースにアルキル
鎖及びアクリロイル基を導入したセルロース誘導体にお
いては、該セルロース誘導体/TMPTA系において
は、40/60〜70/30の範囲でコレステリック液
晶層を呈し、TMPTA100%に代わってエチルアク
リレート/TMPTAの混合比20/80〜0/100
の範囲の反応性化合物を使用することができる。
【0059】この様に、単官能反応性化合物と多官能反
応性化合物とを組み合わせて用いる場合、その組成は、
多糖類の種類や反応性希釈剤の種類によって異なり、一
概に定義できないが、液晶性組成物の粘度などの点か
ら、単官能反応性化合物/多官能反応性化合物の重量比
は5/95〜95/5の範囲が推奨される。
【0060】これら希釈剤を併用するコレステリック液
晶相を呈するリオトロピック液晶は濃度を変えることで
らせんピッチ長を調整することができ、屈折率の影響も
あるが、大略らせんピッチ長を250nm〜500nm
に調整することで、紫から赤の発色をさせることができ
る。
【0061】一般に濃度変化によって反射光の波長を調
整するが、これらコレステリック液晶相はサーモトロピ
ック性、即ち温度によってピッチ長が変わり、色が変化
する性質を伴うことが多い。これらの場合、コレステリ
ック液晶相の配向時に温度を制御する必要がある。即
ち、濃度及び温度を制御することで反射光の波長を調整
することができる。
【0062】例えば、MOI化エチルセルロース/アク
リル酸(48/52)の場合は0℃にて赤色、25℃に
て緑色を、ヒドロキシプロピルセルロースにアルキル鎖
及びアクリロイル基を導入したセルロース誘導体/TM
PTA(76/35)においては25℃にて緑色、更に
80℃で赤色を呈する。この様に多糖類の種類によって
も発色が異なるので、一概に温度を規定できないが、0
℃〜100℃の範囲が推奨される。
【0063】本発明による反応性液晶組成物には、コレ
ステリック液晶相を呈するリオトロピック液晶の形成を
乱さない範囲で他の添加剤を添加することができる。添
加剤として、熱又はエネルギー線照射において重合開始
機能を示す各種重合開始剤が挙げられる。これらは、ラ
ジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤及びアニオン重
合開始剤に分類できる。
【0064】熱によりラジカルを発生する、いわゆるラ
ジカル重合開始剤の代表的なものとしては、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス{2−
メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル]プロピオ
ンアミド}等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、ジ−t
−ブチルペルオキシド、クメンヒドロキシペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシド、2−エチルヘキサノエー
ト等の過酸化物等が例示できる。
【0065】カチオン重合開始剤としては、プロトン
酸、ハロゲン化金属、安定カルボニウムイオン等、アニ
オン重合開始剤としては、アルカリ金属、金属水酸化
物、グリニャール試薬などの求核性試薬等として既知の
化合物が使用できる。
【0066】光重合開始剤においても、ラジカル性、カ
チオン性、又はアニオン性重合開始剤があり、これらの
代表的なものを例示するならば、ラジカル重合系開始剤
として、例えばベンゾフェノン、オルトベンゾイル安息
香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
スルフィド等のベンゾフェノン系化合物;
【0067】ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベ
ンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−
(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等のア
セトフェノン系化合物;
【0068】イソプロピルチオキサントン、ジエチルチ
オキサントン等のチオキサントン系化合物;モノ−アシ
ルホスフィンオキシド、ビス−アシルホスフィンオキシ
ド等のホスフィンオキシド系化合物;
【0069】ベンジル、メチルフェニルグリオキシエス
テル、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチ
ルアントラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン等が挙げられる。
【0070】光カチオン重合系開始剤として、例えば、
オニウム塩、例えばトリフェニルスルフォニウムのBF
4−塩、PF6−塩、AsF6−塩、SbF6−塩等、
ペンタフルオロフェニルボーレートをアニオンとしたヨ
ードニウム塩等、また鉄アレーン錯体等が例示できる。
【0071】これらの市販品としてイルガキュア261
(チバスペシャルティケミカルズ社製)、UVI−69
90(ユニオンカーバイド社製)、サンエイドSI−6
0L、SI−80L、SI−100L(以上三新化学工
業社製)等が挙げられる。光アニオン重合開始剤として
はO−アシロキシオキシムなどが挙げられる。これら反
応開始剤の配合割合に特に制限はないが、反応性液晶組
成物中0.01〜10.00重量%の範囲が好ましく、
更に好ましくは0.05〜5.00重量%である。
【0072】また、液晶性を阻害しない範囲であれば反
応に関与しない化合物を添加することができる。これら
を例示すると、染料、顔料、殊に黒色顔料、分散剤等が
挙げられる。
【0073】本発明で用いられる反応性液晶組成物は、
自然発生的にコレステリック配向状態を生じるが、配向
時間を短縮するために、例えば、せん断力を与えるこ
と、又は電場もしくは磁場を与えること等は配向を促進
するため有効である。
【0074】せん断力を与えコレステリック配向状態を
促進する方法として、 塗布後に塗布表面を平板、例えばガラス板やプラス
チック板などで擦り、せん断力を与えて配向を促進す
る、 塗布時にバーコーター、ドクターブレード、アプリ
ケーター等を使用して塗布し、その表面に与えられるせ
ん断力で配向を促進する、
【0075】 や等の方法で塗布した膜をコレス
テリック相を呈する温度に保持する、 長い細管を圧力を与えて圧送し配向を促進する、 やの方法で塗布するとき、あるいは塗布した後
に、塗布面の上下間に電場あるいは磁場を与えて配向を
促進するなどの手段が推奨されるが、ここに例示の方法
に限定されるものではなく、公知のコレステリック液晶
相の配向促進手段を用いることができる。
【0076】また、コレステリック液晶配向後の重合及
び/又は架橋反応による干渉色を固定化するための方法
として、熱的な反応方法や、活性エネルギー線照射によ
る反応方法等が適用可能である。
【0077】コレステリック液晶相のなかで、温度によ
りらせんピッチ長が250nmから500nmまで変化
することにより紫色から赤色を呈する、即ち、温度によ
り呈する発色が異なるサーモトロピック液晶の場合、配
向後の干渉色が変化しないよう、一定温度下で重合を開
始させる必要がある。このような場合には、熱反応を用
いることもできるが、温度及び反応の制御が煩雑となる
ので、活性エネルギー線照射に誘起される重合及び/又
は架橋反応による固定化方法を用いることが好ましい。
【0078】一方、コレステリック液晶相のなかで、濃
度によりらせんピッチ長が250nmから500nmま
で変化することにより紫色から赤色を呈するリオトロピ
ック液晶の場合、らせんピッチは濃度のみに依存するた
め、熱反応による制御も比較的容易となる。しかし、リ
オトロピック液晶の場合、サーモトロピック液晶性を併
せ持つ場合が多く、活性エネルギー線照射に誘起される
重合及び/又は架橋反応による固定化方法を用いること
が推奨される。
【0079】ここで用いられる活性エネルギー線として
は、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、可視光線、太
陽光等が挙げられる。中でも、紫外線、電子線や可視光
線の使用が好ましい。経済的理由から、特に紫外線の照
射が推奨され、この紫外光発生源としては、例えば、低
圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メ
タルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト
ランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、シ
ョートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、ア
ルゴンレーザー、太陽光が挙げられる。
【0080】本発明の液晶干渉色を固定化した塗膜及び
これを粉砕して得た液晶干渉顔料粒子中には、コレステ
リック液晶の選択反射光の視認性を高める目的で、着色
物質を含有していても良い。この着色物質は、前記の反
応性液晶組成物に対して安定であればいかなる物質も使
用可能である。
【0081】そのような着色物質の例としては、金属粉
やプラスチック粉末、カーボンフィラー、トナー、有機
顔料、無機顔料など粉末状のものであれば特に限定され
ないが、なかでも、有機顔料、無機顔料等の顔料が好ま
しい。
【0082】ここでいう有機顔料としては、例えばアゾ
系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、フラ
バンスロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリド
ン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラピリジン系
顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリ
レン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料、インダ
ンスレン系顔料等が挙げられる。
【0083】また、無機顔料としては、例えば亜鉛華、
酸化チタン、チタン黒、アンチモン白、カーボンブラッ
ク、鉄黒、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウム
エロー、硫化亜鉛、リトポン、硫酸バリウム、硫酸鉛、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、アルミナホワイ
トなどが挙げられる。
【0084】これら着色成分を添加して液晶干渉色を固
定化した塗膜、及びこれを粉砕して得た液晶干渉顔料粒
子は、着色成分自身のもつ色調と、コレステリック液晶
による選択反射光とのそれぞれの発する色調により複雑
な色合いを呈させることができる。
【0085】特にコレステリック液晶の選択反射光のみ
を視認させたいときには、着色成分物質として黒色、も
しくは黒色に近い暗色の着色物質を用いることが望まし
い。このようにして得た着色成分を含有する液晶干渉色
を固定化した塗膜及びこれを粉砕して得た液晶干渉顔料
粒子は無色透明基板上においても、干渉色を視認するこ
とができる。
【0086】本発明において塗膜を形成する際の支持体
を例示すると、ガラス、金属、プラスチック、木材及び
紙、シートが挙げられるが、これら例示のものに限定さ
れるものではない。本発明の組成物を支持体上に塗布し
干渉色を呈示させるには、特に黒色支持体、即ち、各種
支持体上に黒色物質を塗布した支持体、そのものが黒色
を有する支持体上に塗布することが好ましい。また、上
記、着色成分を含有した組成物からなる塗膜の場合は、
白色又は無色な支持体上においても干渉色を視認するこ
とができる。
【0087】また、塗布の方法としては、刷毛塗り、噴
霧、浸漬、印刷、ロール塗布等が挙げられるが、これら
例示の方法に限定されるものではない。本発明の反応性
液晶組成物を支持体に塗布、配向後反応させて干渉色を
固定化させて得た塗膜を支持体から剥離し、粉砕するこ
とで、液晶干渉顔料微粒子を得ることができる。
【0088】この粉砕工程には、一般に既知の粉砕機を
用いることができる。これらを例示すると、コニカルボ
ールミル、チューブミル、ロッドミル、ローラーミル、
スタンプミル、エッジランナー、フレットミル、振動ミ
ル、インパクトミル、エネルギーミル、コロイドミル、
摩擦円板ミル、カッターナイフ、ロータリーカッター、
スクリューカッター等が挙げられるが、これら例示の粉
砕機に限定されるものではない。粉砕微粒子の粒径は、
0.5〜500μm、好ましくは1〜300μmであ
る。
【0089】このようにして得た液晶干渉顔料粒子はコ
レステリック液晶相に由来する特異な呈色効果を有す
る。例えば、らせんピッチを250nm〜500nmに
固定化することにより、紫色〜赤色を発色可能であるこ
とや、見る角度により異なる色が観察される視野角依存
性等である。
【0090】これら液晶干渉顔料粒子は、塗料、イン
キ、プラスチックの着色、化粧品等に使用することがで
きる。更に、特異な呈色効果を利用して、意匠性塗料や
意匠性インキ、即ち偽造防止用途などにも使用すること
ができる。また、特定の波長のみを反射するその特性か
ら液晶ディスプレー用のカラーフィルターにも使用する
ことができる。
【0091】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明する。なお本発明は下記実施例のみに限定されるも
のではない。
【0092】(製造例1)セルロースの構成単位である
グルコースの3個の水酸基のうち平均して2.6個の水
酸基がエチル化されたエチルセルロース(数平均分子量
=約15000)31gをテトラヒドロフラン600m
lに溶解し、2−イソシアネートエチルメタクリレート
0.8g及びオクチル酸スズ0.036gを加え、60
℃で7時間撹拌した。
【0093】溶媒であるテトラヒドロフランを減圧留去
し、反応物をメタノール1000ml中に投入した。沈
殿物をろ過し、加熱乾燥を行うことにより、原料エチル
セルロース中に残存した水酸基の10%を2−イソシア
ネートエチルメタクリレート(カレンズMOI;昭和電
工株式会社製)でウレタン化した(以下、MOI化率と
いう)エチルセルロース誘導体を白色物質として21g
を得た。
【0094】IRスペクトル:3380cm-1(N
H)、1720cm-1(C=O)、1630cm-1(C
=C)
【0095】(製造例2)製造例1における2−イソシ
アネートエチルメタクリレート1.6gを用いること以
外は、全く製造例1と同様にして、MOI化率20%の
エチルセルロース誘導体(白色)23gを得た。
【0096】IRスペクトル:3380cm-1(N
H)、1720cm-1(C=O)、1630cm-1(C
=C)
【0097】(製造例3)製造例1における2−イソシ
アネートエチルメタクリレート6.1gを用いること以
外は、全く製造例1と同様にして、MOI化率75%の
エチルセルロース誘導体(白色)28gを得た。
【0098】IRスペクトル:3380cm-1(N
H)、1720cm-1(C=O)、1630cm-1(C
=C)
【0099】(実施例1)製造例1より得られたセルロ
ース誘導体5gをアクリル酸5gに溶解した。この組成
物をスライドガラスとカバーガラスの間にはさみ、室温
下、偏光顕微鏡で観察したところ、コレステリック液晶
にみられるブルー相が観測された。また、上記の組成物
が青色の干渉色を呈していた。
【0100】(実施例2)製造例2より得られたセルロ
ース誘導体5gを用いること以外は、全く実施例1と同
様にして得られた組成物を室温下、偏光顕微鏡で観察し
たところ、コレステリック液晶にみられるブルー相が観
測された。また、上記の組成物が青色の干渉色を呈して
いた。
【0101】(実施例3)製造例3より得られたセルロ
ース誘導体5gを、アクリル酸4.5gとトリメチロー
ルプロパントリアクリレート0.5gの混合物中に溶解
した。この組成物をスライドガラスとカバーガラスの間
にはさみ、室温下、偏光顕微鏡で観察したところ、コレ
ステリック液晶にみられるブルー相が観測された。ま
た、上記の組成物が青色の干渉色を呈していた。実施例
1〜3から、本発明の組成物が液晶性を示し、コレステ
リック液晶相による干渉色を呈することが明らかであ
る。
【0102】(実施例4)製造例1より得られたセルロ
ース誘導体5gをアクリル酸5gに溶解し、光開始剤と
してルシリンTPO(BASF社製)0.2gを加え
た。この組成物をガラス板上にアプリケーターを用いて
塗布したところ、青色を呈する膜を得た。160Wのメ
タルハライドランプを用いて、この膜へ1600J/m
2の光照射を行い、青色に固定化された塗膜を得た。塗
膜の反射スペクトルから、最大反射強度を示す波長(以
下、最大反射波長という)は、450nmであった。
【0103】(実施例5)製造例2より得られたセルロ
ース誘導体5gを用いること以外は、実施例4と同様に
して青色(最大反射波長450nm)に固定化された塗
膜が得られた。
【0104】(実施例6)製造例3より得られたセルロ
ース誘導体5gをアクリル酸4.5gとトリメチロール
プロパントリアクリレート0.5gの混合物中に溶解
し、光開始剤としてルシリンTPO(BASF社製)
0.2gを加えた。この組成物をガラス板上にアプリケ
ーターを用いて塗布したところ、青色を呈する膜を得
た。160Wのメタルハライドランプを用いて、この膜
へ1600J/m2の光照射を行い、青色(最大反射波
長450nm)に固定化された塗膜を得た。
【0105】(実施例7〜9)実施例6に示した組成を
表1に示すごとく変化させ、塗布用の基板として黒色塗
料を焼付け塗装した鋼板を用いる以外は、実施例6と同
様にして青〜緑色を呈する塗膜を各2枚得た。
【0106】
【表1】
【0107】得られた各1枚の塗膜にキシレン、n-ブ
タノール又は酢酸エチルを塗布したところ、塗膜は全く
侵されず、初期の色を保持した。比較例1に比して、耐
溶剤性に優れる事が明らかである。得られた塗膜のうち
残りの1組の塗膜を用い、促進耐候性試験機(アイスー
パー;スガ試験機製)にてフロリダ暴露2年分に相当す
る耐候性試験を行った。その結果、塗板の反射波長に変
化は見られず、優れた耐候性を示した。
【0108】(比較例1)市販のエチルセルロース5g
をアクリル酸5gに溶解し、光開始剤としてルシリンT
PO(BASF社製)0.2gを加えた。この組成物を
ガラス板上にアプリケーターを用いて塗布したところ、
青色を呈する膜を得た。160Wのメタルハライドラン
プを用いて、この膜へ1600J/m2の光照射を行
い、青色(最大反射波長450nm)に固定化された塗
膜を得た。この塗膜にキシレン、n-ブタノール又は酢
酸エチルを塗布したところ、膜が侵され、青色が消失し
た。
【0109】(実施例10)実施例7と同様にして緑色
の塗膜を得た。これを基板から剥離し、次いで乳鉢で粉
砕した後、150メッシュのふるいにより分級した。得
られた粒子は顕微鏡観察したところ、5X5μm〜5X
80μmの板状粒子であった。焼き付け塗料用アクリル
樹脂アクリディック47−712(大日本インキ化学工
業製)65.0g、焼き付け塗料用メラミン樹脂スーパ
ーベッカミンL−117−60(大日本インキ化学工業
製)13.6gをキシレン:n−ブタノール=3:1混
合溶剤16.3gに溶解させた。
【0110】この樹脂溶液中に、上記分級した緑色粒子
5.0gを加え撹拌分散した。得られた分散樹脂溶液の
粘度をソルベッソ#100:キシレン:酢酸エチル:n
ーブタノール=4:3:2:1の混合溶液を用いてフォ
ードカップで18秒となるように調製し、焼き付け用ア
クリル塗料とした。
【0111】この塗料をアプリケーターを用いて実施例
7と同様の黒色鋼板上に塗布し、緑色の塗膜を得た。こ
の塗膜を120℃で20分間焼き付けを行ったところ、
膜に変化は観察されず、塗膜は緑色を保持した。比較例
2に比して、本発明の液晶顔料粒子は耐溶剤性に優れる
ことが明らかである。
【0112】(比較例2)市販のエチルセルロース5g
を、アクリル酸5gに溶解し、光開始剤としてルシリン
TPO(BASF社製)0.2gを加えた。この組成物
をガラス板上にアプリケーターを用いて塗布したとこ
ろ、青色を呈する膜を得た。この膜へ160Wのメタル
ハライドランプを用いて、1600J/m2の光照射を
行い、青色(最大反射波長450nm)に固定化された
塗膜を得た。この塗膜を実施例10と同様基板から剥離
し、粉砕、分級後、塗料用樹脂溶液に分散させたとこ
ろ、青色が消失した。
【0113】
【発明の効果】本発明は粘度調整や重合又は架橋反応の
制御が容易で生産性に優れ、且つ耐溶剤性、耐候性に優
れる、塗料、インキ、プラスチック等の着色成分や表示
材料等に有用な干渉色を呈する反応性液晶組成物、及び
干渉色を呈する塗膜、並びにこれを粉砕して粒子化した
液晶干渉顔料粒子を提供することが出来る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AB00W AB01W AB03W AB05W CD00X CH01X CH05X EA046 EC056 ED026 ED046 EE016 EF046 EH076 EH106 EH126 EL016 EL056 EU026 EU116 EU236 FD20X FD206 GP00 4J038 BA021 KA06 PA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応性官能基を有する多糖類(A)と、
    反応性官能基を有する希釈剤(B)とを含有する、配向
    により干渉色を呈し、配向後の反応により干渉色を固定
    化できる反応性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 反応性官能基を有する多糖類(A)がセ
    ルロース誘導体である請求項1に記載の反応性液晶組成
    物。
  3. 【請求項3】 反応性官能基を有する多糖類(A)を2
    0〜80重量%含有する請求項1又は2に記載の反応性
    液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の反
    応性液晶組成物を支持体に塗布した後、配向させた状態
    で反応させて干渉色を固定化する干渉色を呈する塗膜の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 エネルギー線照射により反応させること
    を特徴とする請求項4に記載の干渉色を呈する塗膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の反
    応性液晶組成物を配向させた状態で反応させて干渉色を
    固定化した、干渉色を呈する塗膜。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5に記載の製造方法により
    得られた干渉色を呈する塗膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の反
    応性液晶組成物を支持体に塗布した後、配向させた状態
    で反応させて干渉色を固定化し、次いで塗膜を該支持体
    から剥離した後、粉砕して粒子化する液晶干渉顔料粒子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 エネルギー線照射により反応させること
    を特徴とする請求項8に記載の液晶干渉顔料粒子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の
    反応性液晶組成物を配向させた状態で反応させて干渉色
    を固定化した塗膜を粉砕して粒子化した液晶干渉顔料粒
    子。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の製造方法に
    より製造された、粒子化した液晶干渉顔料粒子。
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