JP2001253721A - 水溶性ポリシランを分散させたゾルゲルガラス及びその製造方法 - Google Patents
水溶性ポリシランを分散させたゾルゲルガラス及びその製造方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
来の高効率発光特性や高正孔伝導特性が活用できる光素
子,電子素子等に適したゾルゲルガラスを得る。 【構成】 このゾルゲルガラスは、水溶性ポリシランを
添加したゾルゲル溶液から作製されたゾルゲルガラスで
あり、ポリシランが母体ガラスのマトリックスに埋め込
まれている。ポリシランのSi−Si結合主鎖にトリメ
チルアミン,トリエチルアミン,3級アミンから合成さ
れたアンモニウム基等を結合させることにより水溶性が
付与される。 【効果】 ガラス母体のネットワークに対して親和性が
高い状態でポリシランが分散し、Si−Si結合の極近
傍がガラス骨格で十分満たされているため、紫外線照射
等でセグメント長が短くなることなく、高効率の発光特
性及び正孔伝導特性を呈するポリシランの一次元鎖状構
造が安定化する。
Description
ンス,フォトルミネッセンス等の発光機能及び光学異方
性をもち、各種光デバイスとして使用されるゾルゲルガ
ラス及びその作製方法に関する。
σ結合し、側鎖に有機基をもった一次元高分子である。
ポリシランは、主鎖のσ電子共役による電子状態の広が
りに応じて高効率の近紫外〜可視光域発光,高い正孔伝
導特性を呈することから,エレクトロルミネッセンスの
発光層,導電層,光パターン書込み等の光情報記録・処
理機能層としての展開が期待され、実用化を目指した研
究が進められている。しかし、主鎖のSi−Si結合が
紫外線照射等で切れやすく、ポリシランを応用する上で
分子の安定性,デバイスの信頼性等を改善することが必
要である。たとえば、紫外線照射でシリルラジカルが生
成されて酸素と結合すると、光・電子機能素子としての
特性が劣化する。
向上させる方法として、ポリシラン及びポリメタクリレ
ートをゾルゲルガラスに導入する試みが検討されている
〔Kimihiro Matukawa et. al, Chem. Lett. No.10, 107
3(1999)〕。この方法では、ガラス母体に結合する親水
性のポリメタクリレートを介してポリシランをガラス母
体に導入している。しかし、ポリシラン分子自体は、水
溶性でないためガラス母体に親和性の高い状態で導入さ
れない。その結果、導入されたポリシラン分子がガラス
骨格中で十分に伸びきらず,安定性の向上,発光や正孔
伝導等の機能の発現が不充分になる虞がある。
題を解消すべく案出されたものであり、適度に主鎖が広
がった状態で親和性良くポリシランをガラス中に均一に
分散添加させることにより、紫外光照射に曝されても空
気中の酸素からの遮蔽やガラスネットワークの作用でポ
リシラン分子の主鎖の断裂を抑制し、ポリシラン本来の
発光や正孔伝導等の機能が十分に発現される光デバイ
ス,電子デバイス等を得ることを目的とする。
成するため、水溶性ポリシランを添加したゾルゲル溶液
から作製されたゾルゲルガラスであり、ポリシランが母
体ガラスのマトリックスに埋め込まれていることを特徴
とする。水溶性ポリシランとしては,Si−Si結合主
鎖にトリメチルアミン,トリエチルアミン及び3級アミ
ンから合成されたアンモニウム基から選ばれた1種又は
2種以上を結合させることにより水溶性を付与したポリ
シランが使用される。
は、スピンコート法,キャスト法,ディップコート法等
で基板に塗布され、必要に応じて加熱乾燥によってガラ
ス薄膜となる。基板としては、シリコン基板,ガラス基
板,セラミックス基板,金属基板等、各種基板を使用で
きる。
のSi−Si結合が切れる場合、先ず結合手が準安定状
態(シリルラジカル)となり、電子状態(電子の空間分
布)に変化が生じる。通常のポリシラン粉末又はスピン
コート薄膜中では、ポリシラン分子の近傍は隣接原子の
ない空間になっているので電子状態の変化を妨げられ
ず、やがては主鎖結合の断裂又は酸化に至る。主鎖結合
の破断又は酸化によりセグメント長が短くなると、主鎖
方向へのσ電子の広がりに依存する高効率発光特性や高
正孔伝導特性が低下する。
孔伝導特性を低下させていることを考慮するとき、電子
状態の一時的な変化を瞬時に戻す周囲環境を実現するこ
とが有効であると考えられる。具体的には、ポリシラン
分子の極近傍が他の分子,結晶,ガラス骨格等で十分満
たされていると、シリルラジカルに変化した部分が近傍
のポテンシャルの反発作用によって瞬時に準安定状態か
ら引き戻される。また、空気雰囲気に比較してフリーの
酸素も少なくなるため,紫外光照射等によるポリシラン
分子の断裂確率が減少し,分子の耐久性、ひいては発光
・伝導機能の安定性が向上する。
ゲルガラス作製時の原料溶液に水溶性ポリシラン分子を
溶け込ませることにより、ガラス母体のネットワークと
親和性の高い状態でポリシラン分子をガラスに埋め込む
ことに想到した。側鎖に機能性基をもつポリシランの合
成には、縮合試薬として金属ナトリウムを用い機能性基
を含むジクロロシランをポリマー化する方法,主鎖の切
断等の副反応を抑制した条件下でポリシラン合成後に機
能性基を導入する方法等がある。種々のポリシランに対
する適用性を考慮すると、ポリシラン合成後に機能性基
を導入する方法が好ましい。
アルキル基及びフェニル基を結合させたポリシラン(図
1),アルキル基及び端末にフェニル基をもつアルキル
基を結合させたポリシラン(図2),端末にフェニル基
をもつアルキル基を結合させたポリシラン(図3)等、
置換基を変えることにより発光波長を選択できる。ケイ
素にフェニル基が直接結合している図1のポリシラン
は、図2,図3のポリシランに比較してより長波長で発
光する。他方、図2,図3のポリシランは、クロロメチ
ル化の際に図1のポリシランに比較して分子量の低下が
少ない。また、図3の構造をもつポリシランは、親水性
のアンモニウム基を全ての側鎖に導入できるため、水溶
性に富むものとなる。これらポリシランは、何れの場合
もポリスチレン標準を使用したGPCでの測定値として
好ましくは10000〜200000の分子量をもつ。
ル基をFreidel−Crafts反応でクロロメチル化し、更に
3級アミンを作用させることによって強い親水性をもつ
アンモニウム基を導入するとき、それぞれのポリシラン
に水溶性を付与できる。ゾル−ゲル法は、金属化合物,
水,溶媒,酸又はアンモニア(触媒),その他の添加物
を溶液混合し、金属化合物の加水分解,重縮合反応によ
りゲル化を進める方法である。溶液から出発するため、
均一で分散性の高いガラスが得られ、溶液法による低温
プロセスのため各種有機分子を導入でき、有機分子の機
能性を損なうことなく有機−無機ハイブリッドガラスを
作製できる。反応途中で、基板上に滴下しキャスト膜,
スピンコート膜,ディップコート膜等のガラス薄膜,コ
ーティング薄膜を作製し、或いは任意形状の容器内でゲ
ル化,焼成を進めることにより種々の形状をもつバルク
体を容易に作成できること等もゾル−ゲル法の長所であ
る。
ガラスの場合、ガラス原料溶液に水溶性ポリシランの溶
液を添加物として加え、最終的な出発溶液を調製する。
このとき、水溶性を付与したポリシランを使用するた
め、ゾル−ゲル法の利点を活かしてポリシラン分子を導
入できる。具体的には、ゾル−ゲルガラスの主成分は、
目的とする酸化物に対応した金属アルコキシドであり、
この金属アルコキシドをアルコールと混ぜて混合溶液と
する。そして、加水分解に必要な水及び触媒として酸又
は塩基を加えて原料溶液を調製する。亀裂防止剤として
ジメチルホルムアミドを加える場合もある。調製した原
料溶液は、室温〜80℃程度で金属アルコキシドの加水
分解,重縮合反応が進行し、金属酸化物の粒子が形成さ
れる。反応の進行に伴って原料溶液の粘性が増し、流動
性のない湿潤ゲルを経て乾燥ゲルとなる。
C2H5)4を用いたゾル−ゲル反応では、 nSi(OC2H5)4+4nH2O→nSi(OH)4+
4nC2H5OH の加水分解反応が進行し、生成したSi(OH)4は反
応性が高く、次の重縮合反応でガラス骨格を形成する。 nSi(OH)4→nSiO2+2nH2O 反応全体は、次式で表され、温度が高く副生成物のアル
コールを除去することにより反応を促進させることがで
きる。 nSi(OC2H5)4+2nH2O→nSiO2+4nC2
H5OH
き、ゾル−ゲル反応を促進させる。酸を触媒とすると
き、酸性溶液中でのゾル−ゲル反応となり、H+イオン
が−OC2H5基のOを攻撃する親電子機構により加水分
解が生じ、水が少ない場合には加水分解終了前に重縮合
反応が進行する。そのため、網目(架橋)構造の少ない
一次元的な構造を取り易い。水が少なくても酸濃度が高
い場合には、架橋の多い球状粒子が生成する。他方、塩
基を触媒に使用した塩基性溶液中では、OH-イオンが
Si(OC2H5)4のSiに結合し、−OC2H5基が遊
離する親核機構による反応が進行するため、当初の加水
分解は起こりにくいが、一旦加水分解が生じると残る3
つの官能基も速やかに反応するため、三次元的な重縮合
反応が進行し架橋の多いクラスタが生成する。
子,球状粒子等が様々に結合し,三次元的な網目構造を
形成している。網目構造の隙間(細孔)には、反応中に
水,アルコール等の溶媒や触媒,添加物等が残留してい
る。ある程度反応が進行して湿潤ゲルになったものを更
に乾燥させると、細孔中の溶媒等が蒸発し、最終的に添
加物である水溶性ポリシラン分子が十分に分散したバル
クガラスが得られる。一方、原料溶液が流動性を失う前
に滴下,スピンコート,ディップ等で基板表面に接触さ
せると、キャスト膜,スピンコート膜,ディップ膜等の
薄膜ガラスが容易に作製される。
が水溶性になっているので,ポリシラン主鎖が狭い領域
に凝集することなく,ある程度まで伸びた状態で且つガ
ラス骨格に対する高い親和性でポリシラン分子が均一分
散する。そのため、セグメント長が短くなることなく、
ポリシラン特有の高い発光効率や正孔伝導度が維持され
る。また、ポリシラン分子の極近傍にガラス骨格のポテ
ンシャルが存在し、結合に関与しないフリーの酸素も大
気中に比較して著しく減少している。その結果、紫外線
照射等で一時的にポリシラン分子が準安定状態になって
も、ガラス骨格のポテンシャルに起因する復元力が働
き、酸化されにくいためポリシラン分子自体の安定性が
向上する。
たポリシランは、Siの一次元鎖状高分子の直接遷移型
であり、高効率の励起発光及び高い正孔伝導度を示す。
また、IC基板,ガラス基板等に対する整合性がよく、
種々の複合機能を備えた発光デバイス,光電子デバイス
等としての展開が期待できる。しかも、Si−Si主鎖
に結合される有機基の選択によって、ニーズに応じた機
能を付与することも可能である。なお、水溶性ポリシラ
ンとしては、例示した構造をもつもの以外に、直接又は
複数のメチレン基を介してフェニル基を付加したポリシ
ランを使用することも可能である。
たポリシランをWurtz法で合成した。先ず、アルゴンで
置換したフラスコ中に金属ナトリウム2.6g及びトル
エン70mlを入れナトリウムディスパージョンを調製
し、その中にジクロロヘキシルフェニルシラン14.5
gのトルエン溶液15mlを超音波照射下で滴下した。
1.5時間の反応後、乾燥2−プロパノール15mlを
加えて反応を停止させた。生成したポリシランのトルエ
ン溶液を水洗、乾燥して溶媒を留去した後、再沈殿法で
精製し、収量2.1gでポリヘキシルフェニルシランを
得た。
7gを、クロロメチルメチルエーテル7ml,クロロホ
ルム10mlと共にアルゴン置換したフラスコに入れ、
氷冷した。次いで、四塩化スズ0.8gを添加し,更に
氷冷下6時間,室温19時間の攪拌により反応させた。
反応終了後,クロロホルム溶液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液,次いで水で洗浄した後,乾燥した。溶媒を留
去した後、再沈殿法で精製し、収量0.77gでクロロ
メチル化したポリヘキシルフェニルシランを得た。クロ
ロメチル化したポリヘキシルフェニルシラン0.1g
を、トリエチルアミン0.42g,2−プロパノール
1.0mlと共にアルゴン置換したフラスコに入れ、攪
拌しながら一晩加熱還流した。溶媒を留去した後、再沈
殿法で精製し、収量0.11gでアンモニウム化したポ
リヘキシルフェニルシランを得た。
基を結合させたポリシランを合成した。アルゴン置換し
たフラスコに金属ナトリウム2.4g及びトルエン64
mlを入れてナトリウムディスパージョンを調製し、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル20mlを添加し
た。更に、ジクロロヘキシル−3−フェニルプロピルシ
ラン15.9gのトルエン溶液16mlを加熱還流しな
がら滴下した。加熱還流下での反応を3時間継続した
後、乾燥2−プロパノール15mlを加えて反応を停止
させた。生成したポリシランのトルエン溶液を水洗,乾
燥して溶媒を留去した後、再沈殿法で精製し、収量3.
2gでポリヘキシル−3−フェニルプロピルシランを得
た。得られたポリヘキシル−3−フェニルプロピルシラ
ンを合成例1と同様にクロロメチル化した後、側鎖にア
ンモニウム構造を導入した。
ポリシランを合成した。アルゴン置換したフラスコに金
属ナトリウム1.4g及びトルエン36mlを入れてナ
トリウムディスパージョンを調製し、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル11mlを添加した。更に、ジク
ロロビス(3−フェニルプロピル)シラン10.2gの
トルエン溶液9mlを加熱還流しながら滴下した。加熱
還流下での反応を4時間継続した後、乾燥2−プロパノ
ール9mlを加えて反応を停止させた。生成したポリシ
ランのトルエン溶液を水洗,乾燥して溶媒を留去した
後、再沈殿法で精製し、収量2.8gでポリビス(3−
フェニルプロピル)シランを得た。得られたポリヘキシ
ル−3−フェニルプロピルシランを合成例1と同様にク
ロロメチル化した後、側鎖にアンモニウム構造を導入し
た。
C2H5)4:C2H5OH:H2O:HCl=1:4:1
0:0.1(モル比)となるように調合し、4時間攪拌
混合することにより一次出発溶液を調製した。水溶性ポ
リシラン中Si原子数:Si(OC2H5)4中Si原子
数の比が1:100となるように水溶性ポリシランを濃
度63g/lでエタノール溶液に添加した溶液を調製
し、該エタノール溶液1mlを一次出発溶液に加えて最
終的な出発溶液とした。なお、水溶性ポリシランのユニ
ットモル比は、2.3×10-5モルであった。
塗布し、80℃で120分加熱することにより膜厚4〜
5μm程度のガラス薄膜を得た。得られたガラス薄膜に
ついて、次のように紫外線吸収スペクトル及びフォトル
ミネッセンスを測定した。
水素放電管,340〜2500nmの波長領域ではタン
グステンヨウ素ランプを光源とし、分光器で所定波長成
分を選択した後、室温,大気中で試料及び参照光路の2
光束に分けて照射した。参照光路に石英ガラス基板、試
料光路に同一の石英ガラス基板を用い、合成例1で作成
した水溶性ポリシラン分散ガラス及び同水溶性ポリシラ
ン分散ガラスのスピンコート薄膜をセットし、各光路の
透過光強度を光電子増倍管で測光し、その比を算出する
ことにより、水溶性ポリシラン分散ガラス及び水溶性ポ
リシラン分散スピンコート薄膜自体の吸収スペクトルを
求めた。
うに、ポリシラン分散ガラス及びポリシラン分散スピン
コート薄膜では、3.6eV付近にポリシラン主鎖の吸
収ピークが明確に観測され、ポリシラン無添加のガラス
とは明らかに異なる特性を呈した。また、ポリシラン分
散ガラス及びポリシラン分散スピンコート薄膜をエネル
ギー4.13eV(波長300nm)の紫外光で励起し
たところ、両者共に3.39eV(波長366nm)に
ポリシラン主鎖に起因する蛍光ピークが観測された。し
たがって、ポリシラン分散ガラスにおいても、ポリシラ
ン分子が構造を乱すことなくガラス中に分散して導入さ
れていることが確認された。
光光度計〈日本分光FP−777)を使用し、150W
のキセノンランプ及び分光器を組み合わせて励起光源と
した。分光器で励起波長310nm(半値幅1.5n
m)を選択して室温,大気圧下で試料に照射し、試料か
らのフォトルミネッセンスのピーク波長成分を分光器
(分解能5nm)で分光した後、光電子増倍管で受光
し、照射時間依存性を記録した。測定中の励起光強度を
Siフォトダイオードでモニタリングし、一定励起条件
であることを確認した。なお、ポリシラン分散ガラス及
びポリシラン分散スピンコート薄膜の試料膜厚は異なる
が、同一励起強度での初期発光強度がほぼ等しくなるよ
うに予め試料膜厚を設定し,ポリシラン1分子当たりの
照射条件を同一に設定した。
起による発光ピーク波長(366nm)での発光強度の
時間依存性を示す図5にみられるように、照射60分後
に発光強度はポリシラン分散スピンコート薄膜では初期
値の10%以下まで低下したが、ポリシラン分散ガラス
では20%以上に維持されていた。このことから、ポリ
シラン分子をガラス中に封止することにより、酸素から
の遮断及び近傍のガラス骨格ポテンシャルの復元効果に
より、ポリシラン分子の耐久性が向上していることが判
る。図4及び図5は、合成例1で合成したポリシランを
分散させたガラス及びスピンコート薄膜の特性を示して
いるが、合成例2,3で合成したポリシランを分散させ
たガラス及びスピンコート薄膜でも同様な傾向をもつス
ペクトルが得られた。
ルガラスは、ガラス母体のネットワークに対して親和性
が高い状態でポリシランが分散しており、Si−Si結
合の極近傍がガラス骨格で十分満たされているため、紫
外線照射等でSi−Si結合の結合手がシリルラジカル
になってもガラス骨格の復元力によって準安定状態から
定常状態に戻される。そのため、Si−Si結合のセグ
メント長が短くなることなく、高効率の発光特性及び正
孔伝導特性を呈するポリシランの一次元鎖状構造が安定
化する。このようにして得られるゾルゲルガラスは、優
れた発光特性及び正孔伝導性を活用し、光デバイス,光
電子デバイス,光情報記録素子等の高機能材料として使
用される。
式
式
式
ン分散ガラス及びポリシランスピンコート薄膜の紫外吸
収スペクトル
ート薄膜のフォトルミネッセンス強度低下の時間依存性
を比較したグラフ
Claims (3)
- 【請求項1】 水溶性ポリシランを添加したゾルゲル溶
液から作製されたゾルゲルガラスであり、ポリシランが
母体ガラスのマトリックスに埋め込まれているゾルゲル
ガラス。 - 【請求項2】 Si−Si結合主鎖にトリメチルアミ
ン,トリエチルアミン及び3級アミンから合成されたア
ンモニウム基から選ばれた1種又は2種以上を結合させ
ることにより水溶性を付与したポリシランを使用する請
求項1記載のゾルゲルガラス。 - 【請求項3】 水溶性ポリシランを添加したゾルゲル溶
液を基板上に塗布し、ガラス薄膜とするゾルゲルガラス
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069638A JP2001253721A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | 水溶性ポリシランを分散させたゾルゲルガラス及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2000069638A JP2001253721A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | 水溶性ポリシランを分散させたゾルゲルガラス及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001253721A true JP2001253721A (ja) | 2001-09-18 |
Family
ID=18588481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000069638A Pending JP2001253721A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | 水溶性ポリシランを分散させたゾルゲルガラス及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001253721A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005056762A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | ゾルゲル導電ガラス、これを具えた光導電素子および発光素子 |
JP2005170708A (ja) * | 2003-12-09 | 2005-06-30 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | ゾルゲル導電性ガラス、及びそれを用いた光機能素子 |
US8318967B2 (en) | 2006-03-02 | 2012-11-27 | Japan Science And Technology Agency | Polysilane-supported transition metal catalyst for liquid phase reaction |
-
2000
- 2000-03-14 JP JP2000069638A patent/JP2001253721A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005056762A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | ゾルゲル導電ガラス、これを具えた光導電素子および発光素子 |
JP2005170708A (ja) * | 2003-12-09 | 2005-06-30 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | ゾルゲル導電性ガラス、及びそれを用いた光機能素子 |
US8318967B2 (en) | 2006-03-02 | 2012-11-27 | Japan Science And Technology Agency | Polysilane-supported transition metal catalyst for liquid phase reaction |
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