JP2001252865A - 研磨方法ならびに電子部品および可変コンデンサ - Google Patents

研磨方法ならびに電子部品および可変コンデンサ

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JP2001252865A
JP2001252865A JP2000065058A JP2000065058A JP2001252865A JP 2001252865 A JP2001252865 A JP 2001252865A JP 2000065058 A JP2000065058 A JP 2000065058A JP 2000065058 A JP2000065058 A JP 2000065058A JP 2001252865 A JP2001252865 A JP 2001252865A
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JP2000065058A
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English (en)
Inventor
浩幸 ▲岸▼下
Hiroyuki Kishishita
Hidetoshi Kida
英稔 喜田
Hiromichi Takeda
博道 武田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】可変コンデンサのステータとなる誘電体エレメ
ントのような複数のワークに対して研磨を施すとき、複
数のワークの全体としての厚みが異なっていても、均一
な研磨量が得られるようにする。 【解決手段】複数のワーク21の各反対面側27をホル
ダ42の保持面41上の弾性体43に対向させた状態で
各被研磨面22を整列部材46を用いて押圧して、複数
のワーク21の各被研磨面22が整列部材46の整列面
45に接触する状態となったところで固定剤44を用い
て固定してから、複数のワーク21の被研磨面22を研
磨盤47によって研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、厚みが異なる複
数のワークの厚み方向の各一方端側に位置する端面を被
研磨面として、これらワークに対して研磨を施す、研磨
方法に関するもので、特に、複数のワークにおいて均一
な研磨量を得るための改良に関するものである。
【0002】この発明は、また、上述のような研磨方法
によって研磨されたエレメントを備える電子部品、たと
えば可変コンデンサに関するものである。
【0003】
【従来の技術】この発明にとって興味ある電子部品、よ
り具体的には、可変コンデンサが、たとえば、特開平6
−290994号公報または特開平10−321467
号公報に記載されている。これら公報に記載される各可
変コンデンサは、実質的に共通するエレメントを備えた
ものであるが、後者の特開平10−321467号公報
に記載された可変コンデンサを、図3ないし図5に図示
する。
【0004】図3は、可変コンデンサ1の外観を示す斜
視図であり、図4は、図3に示した可変コンデンサ1の
外観を下面側から示す斜視図であり、図5は、図3に示
した可変コンデンサ1の断面図である。
【0005】可変コンデンサ1は、それを構成するエレ
メントとして、ステータ2、ロータ3およびカバー4を
備えている。
【0006】より詳細には、ステータ2は、セラミック
誘電体をもって構成され、その内部には、ステータ電極
5および6が並んで形成されている。これらステータ電
極5および6にそれぞれ電気的に接続されるように、ス
テータ2の各端部外表面上には、導電膜をもってステー
タ端子7および8が形成される。
【0007】なお、上述のように、2つのステータ電極
5および6ならびに2つのステータ端子7および8が形
成されたのは、ステータ2の構造を対称とし、このステ
ータ2を用いての可変コンデンサ1の組み立てにおい
て、ステータ2の方向を考慮する必要をなくすためであ
る。図3ないし図5に示した組み立て状態では、ステー
タ電極5およびステータ端子7が機能していて、ステー
タ電極6およびステータ端子8は機能していない。
【0008】ステータ2の下面には、その中央部を縦断
するように延びる凸部9が形成されている。
【0009】ロータ3は、導電性の金属から構成される
もので、上述したステータ2の厚み方向の上方端側に位
置する端部10上に配置される。ロータ3の下面には、
突出する段差をもって略半円状のロータ電極11が形成
されている。また、ロータ3の下面には、ロータ電極1
1と等しい高さを有する突起12が形成され、ロータ電
極11の存在によりロータ3が傾くことが防止される。
ロータ3には、また、これを回転操作するためのドライ
バ等の工具を受け入れるドライバ溝13が形成されてい
る。
【0010】カバー4は、導電性の金属から構成される
もので、ロータ3を収容しながら、ステータ2に固定さ
れる。このとき、ロータ3は、カバー4によって、ステ
ータ2に対して回転可能なように保持される。
【0011】カバー4には、ロータ3のドライバ溝13
を露出させる調整用穴14が形成される。調整用穴14
の周囲には、ロータ3に接触して、ロータ3をステータ
2に向かって圧接させるためのばね作用部15が設けら
れている。ばね作用部15には、調整用穴14の周囲に
おいて、中心に向かうほど下方へ傾斜する形状が付与さ
れるとともに、複数の突起16が設けられている。
【0012】カバー4には、また、下方へ延びる係合片
17および18が相対向するように設けられている。係
合片17および18は、それぞれ、ステータ2の下面に
係合するように折り曲げられ、それによって、カバー4
がステータ2に対して固定される。ステータ2の下面に
設けられた前述の凸部9は、ステータ2の下面に沿って
折り曲げられた係合片17および18の突出度合いと同
程度の突出度合いをもって突出し、それによって、この
可変コンデンサ1が適宜の配線基板(図示せず。)上で
安定した状態で実装されることができる。
【0013】さらに、カバー4には、ロータ端子19が
下方へ延びるように設けられている。
【0014】以上のような構成を有する可変コンデンサ
1において、ロータ電極11は、ステータ電極5に対し
て、ステータ2を構成するセラミック誘電体の一部を介
して対向し、それによって、静電容量が形成される。こ
の静電容量を変化させるべく、ロータ電極11の、ステ
ータ電極5に対する有効対向面積を変化させるため、ロ
ータ3が回転操作される。この調整された静電容量は、
ステータ電極5に電気的に接続されたステータ端子7
と、ロータ電極11を形成するロータ3に接触するカバ
ー4に設けられたロータ端子19との間に取り出され
る。
【0015】このような可変コンデンサ1において、最
大静電容量をより大きくし、かつ安定した静電容量が得
られるようにするため、ステータ2の端面10に研磨を
施し、それによって、端面10とステータ電極5および
6との間の誘電体厚みをより薄くするとともに、ロータ
電極11と接触する端面10においてより平滑な面が得
られるようにしている。
【0016】上述のステータ2の端面11の研磨にあた
っては、研磨工程の能率化を図るため、通常、複数のス
テータ2を同時に取り扱うことが行われる。
【0017】図6には、上述したような研磨を実施する
ために採用される従来の研磨方法が示されている。図6
において、研磨されるべきワーク21は、前述したステ
ータ2を意図しており、これを概略的に図示している。
【0018】ワーク21は、図示した姿勢において、厚
み方向の下方端側に被研磨面22を位置させていて、こ
の被研磨面22は、前述した端面10に相当する。ま
た、ワーク21内には、前述したステータ電極5および
6に対応する電極23が被研磨面22と平行に延びる状
態で図示されている。また、ワーク21には、前述した
凸部9に相当する凸部24が形成されている。
【0019】図6(1)に示すように、平面状の保持面
25を有する板状のホルダ26が用意されるとともに、
複数のワーク21が用意される。これらワーク21は、
その製造方法に起因して、互いに厚みが異なっている。
【0020】次に、ホルダ26の保持面25に、被研磨
面22に対向する反対面27をそれぞれ接触させた状態
で、複数のワーク21がホルダ26によって保持された
状態とされる。なお、図示しないが、各ワーク21を保
持面25に固定するため、たとえば粘着剤が適用され
る。
【0021】次に、ホルダ26によって保持された状態
で、複数のワーク21の被研磨面22が、研磨盤28に
よって研磨される。図6(1)において、研磨盤28の
研磨後の位置が破線で示されている。したがって、研磨
盤28を示す実線と破線との間の距離に相当する研磨量
をもって研磨される。
【0022】図6(2)には、研磨後の複数のワーク2
1が図示されている。ここに示すように、この従来の研
磨方法では、被研磨面22に対向する反対面27を基準
として研磨を実施しているため、ワーク21の全体の厚
みの差が、被研磨面22と電極23との間の厚みに影響
を与え、複数のワーク21において、被研磨面22と電
極23との間の厚みにばらつきが生じてしまう。このこ
とは、可変コンデンサ1における静電容量のばらつきの
原因となる。
【0023】上述のような問題を解決するため、図7に
示すような研磨方法も提案されている。図7において、
図6に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を
付し、重複する説明は省略する。
【0024】図7(1)に示すように、平面状の保持面
29を有する第1のホルダ30および複数のワーク21
が用意される。
【0025】次に、保持面29に、各被研磨面22をそ
れぞれ接触させた状態で、複数のワーク21が第1のホ
ルダ30によって保持された状態とされる。
【0026】次に、第1のホルダ30によって保持され
た状態で、研磨盤31によって、複数のワーク21の被
研磨面22が破線で示す位置まで1次研磨される。
【0027】図7(2)には、上述した1次研磨を終え
た後の複数のワーク21が示されている。この段階で、
ワーク21は、その全体としての厚みが互いに同じとな
るようにされる。
【0028】次に、図7(3)に示すように、平面状の
保持面32を有する第2のホルダ33が用意される。
【0029】次に、複数のワーク21が、第2のホルダ
33の保持面32に各反対面27をそれぞれ接触させた
状態で、第2のホルダ33によって保持された状態とさ
れる。
【0030】次に、第2のホルダ33によって保持され
た複数のワーク21の被研磨面22が、研磨盤34によ
って、破線で示す位置まで2次研磨される。なお、この
研磨盤34は、前述した研磨盤31と同じものを用いて
もよい。
【0031】このような研磨方法によれば、1次研磨の
段階で反対面27を研磨することによって複数のワーク
21の全体としての各厚みを互いに同じにしてから、2
次研磨において被研磨面22を研磨するようにしている
ので、2次研磨を終えて得られた複数のワーク21にお
いて、被研磨面22と電極23との間の厚みのばらつき
を低減することができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した研磨方法では、1次研磨および2次研磨というよ
うに、研磨を2段階実施しなければならないため、工程
数が増え、その結果、研磨加工のためのコストが増大す
る。
【0033】また、研磨加工においては、不可避的に加
工ばらつきが生じてしまうのが通常であるが、このよう
な加工ばらつきの生じることが避けられない研磨加工を
2回実施することになるので、加工ばらつきが重畳され
てしまい、加工精度の低下を招く。
【0034】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る研磨方法、ならびに、このような研
磨方法によって研磨されたエレメントを備える電子部品
および可変コンデンサを提供しようとすることである。
【0035】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、厚み
が異なる複数のワークの厚み方向の各一方端側に位置す
る端面を被研磨面として、複数のワークに対して研磨を
施す、研磨方法に向けられるものであって、上述した技
術的課題を解決するため、次のような構成を備えること
を特徴としている。
【0036】すなわち、この発明に係る研磨方法におい
ては、複数のワークを被研磨面に対向する反対面側にお
いて保持するための保持面を有し、該保持面上に複数の
ワークの厚みの違いを吸収するための弾性体を備えるホ
ルダを用意する工程と、各被研磨面が同一面上に並ぶよ
うに、複数のワークの各反対面側を、弾性体を介してホ
ルダに固定する工程と、ホルダによって固定された状態
で、複数のワークの被研磨面を研磨する工程とが実施さ
れることを特徴としている。
【0037】この発明に係る研磨方法は、好ましくは、
次のような工程に従って実施される。すなわち、好まし
い実施態様において、この発明に係る研磨方法は、厚み
が異なる複数のワークの厚み方向の各一方端側に位置す
る端面を被研磨面として、複数のワークに対して研磨を
施す研磨方法であって、複数のワークを被研磨面に対向
する反対面側において保持するための保持面を有し、該
保持面上に複数のワークの厚みの違いを吸収するための
弾性体を備えるホルダを用意する工程と、平面状の整列
面を有する整列部材を用意する工程と、複数のワークの
各反対面側を、ホルダの保持面上の弾性体に対向させた
状態で配置し、複数のワークの各被研磨面を整列部材を
用いて押圧する工程と、整列部材の整列面に複数の前記
ワークの各被研磨面が接触する状態で、複数のワークの
各反対面側を、弾性体を介してホルダに固定する工程
と、ホルダによって固定された状態で、複数のワークの
被研磨面を研磨する工程とを備えることを特徴としてい
る。
【0038】また、この発明に係る研磨方法において、
複数のワークをホルダに固定するため、固定剤が用いら
れてもよい。具体的には、固定剤をホルダの弾性体表面
に塗布し、または弾性体に染み込ませ、表面に固定剤の
塗布された弾性体または固定剤の染み込んだ弾性体を介
して複数のワークをホルダに固定することができる。
【0039】上述した固定剤は、それに及ぼされる条件
によって、定形状態となったり不定形状態となったりす
るもので、このような固定剤として、種々の態様のもの
を用いることができる。
【0040】たとえば、固定剤が、室温において液体状
態であり、かつ室温より低い温度に冷却することによっ
て固化するものである場合、固定剤をホルダの弾性体表
面に塗布する工程、または、固定剤をホルダの弾性体に
染み込ませる工程においては、室温以上の温度で固定剤
を液体状態で弾性体表面に塗布し、または弾性体に染み
込ませる工程と、次いで、固定剤を冷却して固化する工
程とが実施される。
【0041】また、固定剤が、室温において固体状態で
あり、かつ室温より高い温度に加熱することによって液
化するものである場合、固定剤をホルダの弾性体表面に
塗布する工程、または、固定剤をホルダの弾性体に染み
込ませる工程においては、室温より高い温度に加熱しな
がら固定剤を液体状態で弾性体表面に塗布または弾性体
に染み込ませる工程と、次いで、固定剤を室温に戻して
固化する工程とが実施される。
【0042】また、複数のワークの被研磨面を研磨する
工程において、研磨用固定剤を冷却するようにしてもよ
い。
【0043】この発明に係る研磨方法は、たとえば、前
述した可変コンデンサ1のためのステータ2に対して施
される研磨に有利に適用される。すなわち、この研磨方
法において、ワークは内部に電極を形成した誘電体エレ
メントであり、被研磨面は、電極と平行に延びる誘電体
エレメントの端面である場合である。
【0044】この発明は、また、上述したような研磨方
法によって研磨されたエレメントを備える電子部品にも
向けられる。
【0045】また、この発明は、上述のような研磨方法
によって研磨された誘電体エレメントを備える、可変コ
ンデンサにも向けられる。
【0046】
【発明の実施の形態】図1には、この発明の一実施形態
による研磨方法に備えるいくつかの工程が順次示されて
いる。図1において、研磨されるべきワーク21は、前
述の図3ないし図5に示した可変コンデンサ1に備える
ステータ2を意図しており、これを概略的に図示すると
ともに、このワーク21に関して、図6および図7で用
いた参照符号と同じ参照符号を対応の部分に用いてい
る。
【0047】まず、図1(1)に示すように、複数のワ
ーク21を被研磨面22に対向する反対面側27におい
て保持するための保持面41を有するホルダ42が用意
される。ホルダ42の保持面41上には複数のワーク2
1の厚みの違いを吸収するための弾性体43が固定され
ている。この弾性体43としては、ゴムや軟質樹脂、発
泡体、不織布、紙、高分子吸収体等、種々の材料を用い
ることができる。
【0048】次に、各ワーク21をホルダ42に固定す
るための固定剤44が用意され、ホルダ42の保持面4
1上に固定された弾性体43の表面に固定剤44が塗布
される。
【0049】続いて、複数のワーク21の各反対面27
側を、弾性体43を介してホルダ42の保持面41に固
定することが行われる。まず、図1(2)に示すよう
に、複数のワーク21は、各反対面側27をホルダ42
の保持面41上の弾性体43に対向させた状態で配置さ
れる。次に、平面状の整列面45を有する整列部材46
が用意され、図1(3)に示すように、各被研磨面22
が整列部材46の整列面45を用いて押圧される。弾性
体43が、厚みが異なる複数のワーク21の厚みの違い
を吸収し、複数のワーク21の各被研磨面22が整列部
材46の整列面45に接触する状態となったところで、
固定剤44を固化することによって、複数のワーク21
が各被研磨面22を同一面上に並べた状態でホルダ42
に固定される。
【0050】この固定剤44としては、種々の態様のも
のを用いることができる。
【0051】第1に、固定剤44として、たとえば水ま
たは低温凝固剤のように、室温において液体状態であ
り、かつ室温より低い温度に冷却することによって固化
するものを用いることができる。この場合には、ワーク
21をホルダ42に固定するため、室温(あるいは室温
より高い温度)で弾性体43の表面に固定剤44を塗布
し、次いで、固定剤44を冷却して固化することが行わ
れる。
【0052】第2に、固定剤44として、ワックスまた
はパラフィンのように、室温において固体状態であり、
かつ室温より高い温度に加熱することによって液化する
ものを用いることができる。この場合には、ワーク21
をホルダ42に固定するため、室温より高い温度に加熱
しながら弾性体43の表面に固定剤44を塗布し、次い
で、固定剤44を室温に戻して固化することが行われ
る。
【0053】このように、固定剤44として、室温にお
いて液体状態であり、かつ室温より低い温度に冷却する
ことによって固化するものを用いたり、あるいは、室温
において固体状態であり、かつ室温より高い温度に加熱
することによって液化するものを用いたりすれば、この
ような固定剤44に及ぼされる温度条件を制御すること
によって、ワーク21をホルダ42に固定したり、ワー
ク21をホルダ42から取り外したりすることを容易に
行うことができる。
【0054】次に、整列部材46を取り外し、図1
(4)に示すように、弾性体43を介してホルダ42に
よって保持された複数のワーク21の被研磨面22が、
研磨盤47によって、たとえば破線で示す位置まで研磨
される。
【0055】以上のようにして、各被研磨面22が同一
面上に並んだ状態で、研磨が実施されるので、複数のワ
ーク21の各々の全体の厚みの間での差に影響されるこ
となく、実質的に均一な研磨量を複数のワーク21にお
いて得ることができ、研磨工程の後、被研磨面22と電
極23との間の厚みのばらつきを小さくすることができ
る。
【0056】なお、研磨後のワーク21の間で、全体と
しての厚みがばらつくが、このようなばらつきは、前述
した可変コンデンサ1における特性に対して実質的な影
響を及ぼすものではない。
【0057】また、上述した研磨工程において、固定剤
44を冷却しながら、この研磨工程を実施するようにし
てもよい。特に、固定剤44が、室温より低い温度に冷
却することによって固化するものである場合には、この
ように、冷却しながら研磨工程を実施することが望まし
い。このように、研磨工程において、固定剤44を冷却
するようにすれば、固定剤44によるワーク21の固定
状態をより強固にすることができる。
【0058】上述のように研磨工程を終えた後、ホルダ
42からワーク21が取り外される。このとき、固定剤
44の液化温度以上に加熱して、ワーク21を弾性体4
3から分離し、ホルダ42から取り外すとともに、ワー
ク21に付着した固定剤44を除去することが行われ
る。なお、ホルダ42から取り出されたワーク21に付
着している固定剤43の除去にあたっては、加熱以外
に、溶剤等を用いる洗浄、機械的な剥離等を適用しても
よい。
【0059】前述の図1(1)〜(3)に示した、ワー
ク21をホルダ42に固定する工程において、表面に固
定剤44が塗布された弾性体43を介してワークを固定
したが、用いる弾性体43と固定剤44の種類によって
は、次のような固定方法が採用されてもよい。
【0060】たとえば、弾性体43が発泡体、不織布、
紙、高分子吸収体等の材料からなり、用いる固定剤44
を吸収するような場合には、図2(1)に示すように、
ホルダ42の保持面41上に固定された弾性体43に固
定剤44を染み込ませた後、複数のワーク21の各反対
面27側を、弾性体43を介してホルダ42の保持面4
1に固定することが行われる。
【0061】すなわち、図2(2)に示すように、複数
のワーク21は、各反対面側27がホルダ45の保持面
44上の弾性体43に対向させた状態で配置され、図2
(3)に示すように、各被研磨面22が整列部材46の
整列面45を用いて押圧される。弾性体43が、厚みが
異なる複数のワーク21の厚みの違いを吸収し、複数の
ワーク21の各被研磨面22が整列部材46の整列面4
5に接触する状態となったところで、固定剤44を固化
することによって複数のワーク21がホルダ42に固定
される。この際、固定剤44はワーク21と弾性体43
を一体化した状態で固化するため、ワーク21はホルダ
42に、より強固に固定されることができる。
【0062】また、この方法では、ホルダ42の保持面
41上に固定された弾性体43に固定剤44を染み込ま
せた後、複数のワーク21を弾性体43を介してホルダ
42の保持面41に配置してから固定剤44を固化した
が、先に複数のワーク21を弾性体43を介してホルダ
42の保持面41に配置した後、弾性体43に固定剤4
4を染み込ませて固定剤44を固化しても、同様に複数
のワーク21をホルダ42に固定することができる。
【0063】このように、ワーク21をホルダ42に固
定した後、整列部材46を取り外し、図2(4)に示す
ように、弾性体43を介してホルダ42によって保持さ
れた複数のワーク21の被研磨面22が、研磨盤47に
よって、たとえば破線で示す位置まで研磨される。
【0064】またこの場合、研磨工程を終えた後、ホル
ダ42からワーク21を取り外す工程においては、固定
剤44の液化温度以上に加熱して、ワーク21を弾性体
43から分離し、ホルダ42から取り外すとともに、ワ
ーク21に付着した固定剤44を除去することが行われ
る。なお、ホルダ42から取り出されたワーク21に付
着している固定剤44の除去にあたっては、加熱以外
に、溶剤等を用いる洗浄、機械的な剥離等を適用しても
よい。
【0065】以上、この発明に係る研磨方法が適用され
るワーク21が、図3ないし図5に示した可変コンデン
サ1に備えるステータ2である場合について説明した
が、これに限定されるものではない。ワークが、内部に
電極を形成した誘電体エレメントであり、被研磨面が、
電極と平行に延びる誘電体エレメントの端面である場合
であれば、同様に、この発明に係る研磨方法を有利に適
用することができる。また、このような誘電体エレメン
トに限らず、電子部品に備えるエレメントであって、研
磨されるべきエレメント、さらには、電子部品以外に用
いられるエレメントであっても、この発明に係る研磨方
法を有利に適用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る研磨方法
によれば、各被研磨面が同一面上に並ぶように、複数の
ワークをホルダによって保持し、このホルダによって保
持された状態で、複数のワークの被研磨面を研磨するの
で、ワークの全体としての厚みのばらつきに影響される
ことなく、複数のワークにおいて均一な研磨量を得るこ
とができる。
【0067】また、上述のような均一な研磨量を得るた
め、1回の研磨工程を実施するだけでよいので、研磨加
工のためのコストを低減できるとともに、加工精度を向
上させることができる。
【0068】この発明において、複数のワークの各被研
磨面が同一面上に並ぶようにするため、複数のワークの
厚みの違いを吸収するための弾性体が保持面上に固定さ
れたホルダ、および、平面状の整列面を有する整列部材
を用意し、複数のワークの各反対面側をホルダの保持面
上の弾性体に対向させた状態で各被研磨面を整列部材を
用いて押圧して、複数のワークの各被研磨面が整列部材
の整列面に接触する状態となったところで固定すれば、
複数のワークの各被研磨面が同一面上に並ぶ固定状態を
容易に得ることができる。
【0069】したがって、ワークの全体としての厚みの
ばらつきに関わらず、複数のワークをホルダに固定した
状態を容易に得ることができ、ホルダによって固定され
た状態で、複数のワークの被研磨面を研磨することがで
きる。
【0070】この発明に係る研磨方法が、可変コンデン
サにおける誘電体エレメントであって内部に電極を形成
したもの、より特定的には、ステータ電極を形成したス
テータの研磨に対して適用されると、可変コンデンサが
与える静電容量のばらつきを小さくすることができ、そ
の結果、静電容量の許容範囲が狭いことが要求されるよ
り精度の高い可変コンデンサを得ることが可能になる。
また、研磨量のばらつきを小さくすることができるの
で、電極と被研磨面との間の厚みを小さくすることが容
易になり、したがって、最大静電容量を大きくすること
ができ、結果として、静電容量の調整範囲を拡大するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に備えるいくつかの工程
を順次図解的に示す断面図である。
【図2】この発明の別の実施形態による研磨方法を説明
するための断面図である。
【図3】この発明にとって興味ある可変コンデンサ1の
外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示した可変コンデンサ1の外観を下面側
から示す斜視図である。
【図5】図3に示した可変コンデンサ1の断面図であ
る。
【図6】この発明にとって興味ある従来の第1の研磨方
法を説明するための断面図である。
【図7】この発明にとって興味ある従来の第2の研磨方
法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 可変コンデンサ 2 ステータ 5、6 ステータ電極 21 ワーク 22 被研磨面 23 電極 42 ホルダ 43 弾性体 44 固定剤 46 整列部材 47 研磨盤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚みが異なる複数のワークの厚み方向の各
    一方端側に位置する端面を被研磨面として、複数の前記
    ワークに対して研磨を施す、研磨方法であって、 複数の前記ワークを前記被研磨面に対向する反対面側に
    おいて保持するための保持面を有し、該保持面上に複数
    の前記ワークの厚みの違いを吸収するための弾性体を備
    えるホルダを用意する工程と、 各前記被研磨面が同一面上に並ぶように、複数の前記ワ
    ークの各前記反対面側を、前記弾性体を介して前記ホル
    ダに固定する工程と、 前記ホルダによって固定された状態で、複数の前記ワー
    クの前記被研磨面を研磨する工程と、を備える研磨方
    法。
  2. 【請求項2】厚みが異なる複数のワークの厚み方向の各
    一方端側に位置する端面を被研磨面として、複数の前記
    ワークに対して研磨を施す、研磨方法であって、 複数の前記ワークを前記被研磨面に対向する反対面側に
    おいて保持するための保持面を有し、該保持面上に複数
    の前記ワークの厚みの違いを吸収するための弾性体を備
    えるホルダを用意する工程と、 平面状の整列面を有する整列部材を用意する工程と、 複数の前記ワークの各前記反対面側を、前記ホルダの前
    記保持面上の前記弾性体に対向させた状態で配置し、複
    数の前記ワークの各前記被研磨面を前記整列部材を用い
    て押圧する工程と、 前記整列部材の前記整列面に複数の前記ワークの各前記
    被研磨面が接触する状態で、複数の前記ワークの各前記
    反対面側を、前記弾性体を介して前記ホルダに固定する
    工程と、 前記ホルダによって固定された状態で、複数の前記ワー
    クの前記被研磨面を研磨する工程と、を備える研磨方
    法。
  3. 【請求項3】複数の前記ワークを前記ホルダに固定する
    ための固定剤を用意する工程をさらに備え、 複数の前記ワークを前記ホルダに固定する工程は、前記
    固定剤を用いて、複数の前記ワークを前記ホルダに固定
    する工程を備える、請求項1または2のいずれかに記載
    の研磨方法。
  4. 【請求項4】前記固定剤を前記ホルダの前記弾性体表面
    に塗布する工程、または、前記固定剤を前記ホルダの前
    記弾性体に染み込ませる工程をさらに備え、 複数の前記ワークを前記ホルダに固定する工程は、前記
    固定剤の塗布された前記弾性体、または、前記固定剤の
    染み込んだ前記弾性体を介して複数の前記ワークを前記
    ホルダに固定する工程を備える、請求項3に記載の研磨
    方法。
  5. 【請求項5】前記固定剤は、室温において液体状態であ
    り、かつ室温より低い温度に冷却することによって固化
    するものであり、 前記固定剤を前記ホルダの前記弾性体表面に塗布する工
    程、または、前記固定剤を前記ホルダの前記弾性体に染
    み込ませる工程は、室温以上の温度で前記固定剤を液体
    状態で、前記弾性体表面に塗布し、または前記弾性体に
    染み込ませ、 複数の前記ワークを前記ホルダに固定する工程は、前記
    固定剤を冷却して固化する工程を備える、請求項4に記
    載の研磨方法。
  6. 【請求項6】前記固定剤は、室温において固体状態であ
    り、かつ室温より高い温度に加熱することによって液化
    するものであり、 前記固定剤を前記ホルダの前記弾性体表面に塗布する工
    程、または、前記固定剤を前記ホルダの前記弾性体に染
    み込ませる工程は、室温より高い温度に加熱しながら、
    前記固定剤を液体状態で、前記弾性体表面に塗布し、ま
    たは前記弾性体に染み込ませ、 複数の前記ワークを前記ホルダに固定する工程は、前記
    固定剤を室温に戻して固化する工程を備える、請求項4
    に記載の研磨方法。
  7. 【請求項7】前記複数のワークの被研磨面を研磨する工
    程は、前記研磨用固定剤を冷却しながら実施される、請
    求項4ないし請求項6のいずれかに記載の研磨方法。
  8. 【請求項8】前記ワークは、内部に電極を形成した誘電
    体エレメントであり、前記被研磨面は、前記電極と平行
    に延びる前記誘電体エレメントの端面である、請求項1
    ないし請求項7のいずれかに記載の研磨方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかに記載
    の研磨方法によって研磨された誘電体エレメントを備え
    る、電子部品。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかに記
    載の研磨方法によって研磨された誘電体エレメントを備
    える、可変コンデンサ。
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