JP2001252638A - 有機塩素化合物処理方法及び装置 - Google Patents

有機塩素化合物処理方法及び装置

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JP2001252638A
JP2001252638A JP2000068929A JP2000068929A JP2001252638A JP 2001252638 A JP2001252638 A JP 2001252638A JP 2000068929 A JP2000068929 A JP 2000068929A JP 2000068929 A JP2000068929 A JP 2000068929A JP 2001252638 A JP2001252638 A JP 2001252638A
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organic chlorine
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acid
treating
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Hidekazu Nishikawa
英一 西川
Kohei Miki
康平 三木
Jiro Sato
二朗 佐藤
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物、特に、被処理物中の無機系固形分
に含まれるダイオキシン類等の有機塩素化合物を簡易に
且つ十分に分解除去でき、処理コストを低減可能な有機
塩素化合物処理方法及び装置を提供する。 【解決手段】 本発明による有機塩素化合物処理方法
は、有機塩素化合物を含む無機系固形分を含有する被処
理物Wが供給される溶解槽11と、溶解槽11の後段に
順次設置された固液分離槽12、紫外線照射部21,2
2及び吸着槽31とを備えた処理装置1を用いて好適に
実施され、無機系固形分を酸Aに溶解する溶解工程と、
その無機系固形分が溶解されたその酸溶液Wa中の有機
塩素化合物を分解及び/又は除去する分解除去工程とを
備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機塩素化合物処理
方法に関し、詳しくは、被処理物中に含まれるダイオキ
シン類等の難分解性の有機塩素化合物を分解及び/又は
除去する有機塩素化合物処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物焼却炉から発生する飛灰又は主
灰、廃棄物処分場からの浸出水、その浸出水に含まれる
懸濁物質、不適正に処分された廃棄物により汚染された
土壌等には、ダイオキシン類に代表される難分解性の有
機塩素化合物が高濃度で含まれる場合があり、それらの
除去又は無害化処理が社会的急務となっている。
【0003】昨今、このような有機塩素化合物を含有す
る物質を分解して処理する方法が種々提案されている。
このような処理方法としては、例えば、高温焼却法、溶
融塩焼却法、活性炭吸着法、ガンマ線分解法、オゾン分
解法、紫外線併用型オゾン分解法、湿式空気酸化法、触
媒燃焼法、超臨界酸化法、アルカリ性化学分解法、熱脱
着法等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法に
おいては、固形分と液分とを分離して又は分離せずに、
それぞれに含まれるダイオキシン類を別々に又は別々の
方法で処理することが一般的であった。特に、無機系固
形分に含まれるダイオキシン類を十分に分解処理するた
めには、複雑且つ大規模な装置を必要とする場合が多
く、なかには高温高圧等を必須条件とする方法もある。
よって、このような方法を用いると、処理に手間が掛か
り処理コストが増大してしまい、逆に、コストや手間を
省くとダイオキシン類の分解除去が十分ではないという
問題があった。
【0005】そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてな
されたものであり、被処理物に含まれるダイオキシン類
等の有機塩素化合物、特に、被処理物中の無機系固形分
に含まれるダイオキシン類等の有機塩素化合物を簡易に
且つ十分に分解除去でき、処理コストを低減することが
可能な有機塩素化合物処理方法及び装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ね、ダイオキシン類等の
有機塩素化合物を含有する懸濁物質( Suspended Solid
s ;以下「SS」という)、飛灰、土壌等の無機系固形
分から有機塩素化合物を液相に抽出し、その液相の処理
を行うことにより、元来無機系固形分に含まれていた有
機塩素化合物を効率よく十分に分解除去できることを見
出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明による有機塩素化合物処
理方法は、有機塩素化合物を含む無機系固形分を含有す
る被処理物中のその無機系固形分を酸に溶解する溶解工
程と、その無機系固形分が溶解された酸溶液中の有機塩
素化合物を分解及び/又は除去する分解除去工程とを備
えることを特徴とする。
【0008】このような有機塩素化合物処理方法におい
ては、まず、無機系固形分が酸に溶解されてその無機系
固形分に含まれる有機塩素化合物が酸溶液に抽出され
る。このとき、被処理物が排水から分離されたSS等の
スラリー状のもの、或いは、固液混合物等である場合に
は、元来液相中に存在する有機塩素化合物も酸溶液へ移
行する。そして、この酸溶液中の有機塩素化合物が分解
除去されるので、無機系固形分を処理するのに特に高温
高圧といった過酷な反応条件を必要とせず、常温常圧下
で有機塩素化合物の分解除去を行い得る。
【0009】また、酸溶液は有機塩素化合物を酸化処理
するような場合に好ましい液性、具体的には酸性域のp
H値を示し、或いは、酸性域の所定のpH値に調整し易
い。よって、被処理物を酸に溶解して、又は、被処理物
に酸を添加して酸溶液とすることにより、有機塩素化合
物を酸化処理によって分解除去する際の効率を向上させ
得る。
【0010】また、分解除去工程は、液相中の有機塩素
化合物の処理に適した方法で行われれば、その方法及び
手順に特に制限はないが、(1)酸溶液にオゾンを添加
するオゾン添加ステップ、(2)酸溶液に過酸化物を添
加する過酸化物添加ステップ、及び、(3)酸溶液に紫
外線を照射する紫外線照射ステップ、のうち少なくとも
いずれか一つのステップを有することが好ましい。
【0011】これらのステップによれば、有機塩素化合
物が酸化分解され、特に(1)のオゾン添加ステップと
他のステップとを併用することにより、酸溶液中にOH
ラジカル等の化学活性種が高濃度で生成され、これによ
り有機塩素化合物の酸化分解が促進されるのでより好ま
しい。そして、これらのステップによる有機塩素化合物
の酸化分解反応は、酸性領域において良好に進行する傾
向にある。特に、(1)のオゾン添加ステップを用いる
場合には、酸性領域でオゾンの溶解度が高められるので
一層好適である。
【0012】さらに、分解除去工程が、酸溶液と吸着媒
体とを接触させる吸着ステップを有してもよい。この吸
着ステップの実施は、上記(1)〜(3)のステップの
前及び/又は後、或いは同時のいずれでも構わない。こ
のような吸着ステップにおいては、酸溶液中の有機塩素
化合物が分解されることなく吸着媒体に吸着されて液相
から除去される。
【0013】この吸着ステップを実施すれば、酸溶液中
に有機塩素化合物が僅かに残留する虞のある場合に、そ
の有機塩素化合物を酸溶液から除去することができ、処
理後の酸溶液(処理済水)中の有機塩素化合物濃度を一
段と低減できる。或いは、分解処理前に、吸着ステップ
により酸溶液中の有機塩素化合物をある程度除去すれ
ば、上記(1)〜(3)のステップにおける有機塩素化
合物の負荷を軽減できる。なお、酸溶液中の有機塩素化
合物の濃度によっては、(1)〜(3)のステップ、つ
まり有機塩素化合物の分解を行わずに、この吸着ステッ
プだけを実施してもよい。
【0014】またさらに、無機系固形分が溶解された酸
溶液を固液分離する固液分離工程を更に備えると好適で
ある。このようにすれば、被処理物中の無機系固形分が
完全に酸に溶解されないで酸溶液中に溶解残滓(残渣)
として残ってしまったときでも、その酸溶解残滓を液相
から分離できる。よって、酸溶液中の有機塩素化合物の
分解除去工程において、酸溶解残滓が有機塩素化合物の
酸化分解や吸着媒体への吸着を妨害する虞を十分に防止
できる。
【0015】さらに加えて、被処理物が含まれる酸溶
液、つまり、無機系固形分が溶解された酸溶液又は被処
理物に酸溶液が混合されて成る酸溶液のpH値を3〜
5.5の範囲内の値に調整及び/又は保持するpH調整
工程を更に備えることが望ましい。このようにすると、
酸溶液中の化学活性種の濃度が高められると共に、この
化学活性種による有機塩素化合物の反応効率(速度)が
より高められ、有機塩素化合物の分解が一層促進される
傾向にある。
【0016】また、本発明による有機塩素化合物処理装
置は、本発明の有機塩素化合物処理方法を有効に実施す
るためのものであり、有機塩素化合物を含む無機系固形
分を含有する被処理物が供給され、且つ、酸が供給さ
れ、該無機系固形分が該酸に溶解される被処理物収容部
と、その酸を被処理物収容部に供給する酸供給部と、無
機系固形分が溶解された酸溶液中の有機塩素化合物を分
解及び/又は除去する分解除去部とを備えることを特徴
とする。
【0017】さらに、分解除去部は、酸溶液にオゾンを
添加するオゾン添加部、酸溶液に過酸化物を添加する過
酸化物添加部、及び、酸溶液に紫外線を照射する紫外線
照射部のうち少なくともいずれか一つを有するものであ
ると好ましい。またさらに、分解除去部は、吸着媒体を
有しており且つ酸溶液が供給されて吸着媒体と酸溶液と
が接触される吸着部を有するものであると好適である。
【0018】さらにまた、無機系固形分が溶解された酸
溶液が供給され、その酸溶液を固液分離する固液分離部
を更に備えても有用である。加えて、被処理物が含まれ
る酸溶液にpH調整剤を添加し、その酸溶液のpH値を
3〜5.5の範囲内の値に調整及び/又は保持するpH
調整部を更に備えとより好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明に
係る実施形態について説明する。図1は、本発明による
有機塩素化合物処理装置の好適な実施形態を示す構成図
である。処理装置1(有機塩素化合物処理装置)は、無
機系固形分を含む被処理物Wが供給される溶解槽11
(被処理物収容部)と、溶解槽11の後段に順次設置さ
れた固液分離槽12(固液分離部)、紫外線照射部2
1,22(以下、「UV照射部」という)及び吸着槽3
1(吸着部)とを備えるものである。
【0020】溶解槽11には、酸Aが貯留された酸貯留
槽13(酸供給部)、アルカリBが貯留されたアルカリ
貯留槽14及び水Cが貯留された水槽15が接続されて
おり、これらの所定量が独立に溶解槽11へ供給される
ようになっている。また、溶解槽11は、被処理物Wと
酸A等とを攪拌混合するための攪拌機18と、収容物の
pH値を計測するためのpH計Hを有している。
【0021】この溶解槽11と固液分離槽12とは、ポ
ンプP1を有する配管で接続されており、固液分離槽1
2は、ポンプP2を有する配管でUV照射部21と接続
されている。この接続配管には、オゾンを発生するオゾ
ナイザー16(オゾン添加部)と、過酸化物Pが収容さ
れた過酸化物収容槽17(過酸化物添加部)とが配管を
介して接続されている。また、UV照射部21,22は
共に、照射槽23の内部に紫外線ランプ24(以下、
「UVランプ」という)が設置されたものである。さら
に、吸着槽31には、吸着媒体で構成される吸着モジュ
ール32が内部に配置されている。このように、オゾナ
イザー16、過酸化物収容槽17、UV照射部21,2
2及び吸着槽31から分解除去部が構成されている。
【0022】次に、このように構成された処理装置1を
用いた本発明による有機塩素化合物処理方法の好適な実
施形態について説明する。本発明において処理対象とな
る被処理物Wとしては、ダイオキシン類等の有機塩素化
合物を含む又はそれらを含む虞のあるものであれば、そ
の性状や形態に制限はなく、例えば、廃棄物焼却炉から
発生する飛灰、一般汚水、工業排水、生活排水、河川湖
沼水、廃棄物処分場からのSSを含む又は含まない浸出
水、その浸出水から分離されたスラリー状のSS、その
SSを乾燥させた固形物、汚染された土壌等の無機系固
形分を含有するもの等が挙げられる。
【0023】まず、このような被処理物Wを溶解槽11
に供給し、溶解槽11内に酸貯留槽13から酸Aを注入
する。これらの被処理物Wと酸Aとの混合物を攪拌機1
8で所定時間、攪拌混合する。これにより、被処理物W
中の無機系固形分を酸Aに溶解せしめて酸溶液Waを得
る(溶解工程)。これにより、無機系固形分に含まれる
ダイオキシン類等の有機塩素化合物等の有機物が酸溶液
Waに抽出される。また、無機系固形分中に取り込まれ
ていないような有機物は、酸溶液Waへ移行する。この
ような例としては、被処理物Wが水溶液、SS等のスラ
リー状のもの、或いは、固液混合物等である場合に、そ
の液相中に存在する有機塩素化合物等の有機物が挙げら
れる。
【0024】ここで、酸Aとしては、後述するような後
段のUV照射部21,22における有機塩素化合物等の
有機物の分解や吸着槽31におけるそれらの有機物の吸
着に影響を及ぼし難い酸を用いることが好ましい。この
ような酸としては、無機酸、特に硫酸、塩酸、硝酸等を
好ましく用いることができる。また、酸Aの濃度は、被
処理物Wの性状や形態、或いは、被処理物Wの酸Aへの
浸漬時間等によって適宜選択することが可能である。
【0025】次に、攪拌機18を運転しながら、溶解槽
11内に水槽15から水Cを注入して酸溶液Waを希釈
し、pH計Hで酸溶液WaのpH値を測定しながら所定
の酸濃度、好ましくはpH値が3〜5.5に調整する
(pH調整工程)。このとき、酸溶液WaのpH値の調
整又は微調整を行うために、アルカリ貯留槽14から水
酸化ナトリウム溶液等のアルカリBを適宜酸溶液Waに
添加してもよい。このように、酸貯留槽13、アルカリ
貯留槽14及び水槽15から、或いは、それぞれによっ
てpH調整部が構成されている。
【0026】この酸溶液WaのpH値が3未満である
と、酸添加量が増加するため処理コストが上昇するだけ
でなく、後段のUV照射部21,22におけるオゾンや
化学活性種の酸化活性が十分に得られ難い傾向にあり、
有機塩素化合物の分解反応が十分に行われないことがあ
る。一方、このpH値が5.5を超えると、被処理物の
溶解が十分ではなく、酸溶液中に被処理物が懸濁して後
段における除去効率が低下するといった不都合がある。
【0027】また、この好適なpH値をより確実に維持
するために、pH値が3〜5.5の範囲で緩衝作用を有
する緩衝液を酸溶液にWaに加えたり、或いは、このよ
うな緩衝液を酸溶液Waの希釈液として水Cの代りに酸
溶液Waに加えてもよい(pH調整工程)。なお、酸A
を注入する際、酸Aの濃度を調整するために水Cを先に
又は同時に供給してもよいが、酸Aが被処理物W中の無
機系固形分の溶解に適した濃度に予め調整されていれ
ば、このような操作は特に必要ではない。
【0028】次いで、ポンプP1を運転し、pH値が調
整された酸溶液Waを固液分離槽12へ移送する。固液
分離槽12では、重力沈降分離によって酸溶液Wa中に
含まれる酸溶解残滓R(酸Aに溶解しなかった不溶物)
と液相(酸溶液Wa)とを分離する(固液分離工程)。
酸溶解残滓Rには、一般にシリカ、アルミナ、鉱物、砂
等が含まれており、これらは固液分離槽12から排出さ
れ、例えば、溶融炉、焼却炉等において処理される。
【0029】次に、ポンプP2を運転し、酸溶解残滓R
が分離除去された酸溶液WaをUV照射部21側へ移送
する。このとき、UV照射部21の入口側において、酸
溶液Waにオゾナイザー16からオゾンを所定流量で添
加する(オゾン添加ステップ)と共に、過酸化物収容槽
17から過酸化水素水等の過酸化物Pを所定流量で酸溶
液Waに添加する(過酸化物添加ステップ)。このオゾ
ン及び過酸化物Pが添加された酸溶液Waは、UV照射
部21,22の照射槽23内に順次流通され、所定時間
照射槽23内に滞留する。
【0030】そして、この間に各UVランプ24を点灯
し、酸溶液Waに紫外線を照射する(紫外線照射ステッ
プ)。こうすると、酸溶液Wa中で極めて反応性に富み
酸化能が高いOHラジカル等の化学活性種が生成され、
これらの化学活性種が有機塩素化合物等の有機物と反応
し、有機塩素化合物等を十分に酸化分解することができ
る。次いで、各UV照射部21,22を流通した酸溶液
Waを吸着槽31へ導入し、吸着モジュール32内を流
通させる。
【0031】酸溶液Wa中の有機塩素化合物は、UV照
射部21,22において十分に酸化分解されるが、UV
照射部21,22における滞留時間や化学活性種の生成
量等によっては分解されなかった有機塩素化合物が酸溶
液Wa中に僅かに残存することも考えられる。この酸溶
液Waを吸着モジュール32の構成要素である吸着媒体
と接触させることにより、残存する有機塩素化合物はそ
の吸着媒体に有効に吸着される(吸着ステップ)。この
吸着媒体としては、特に限定されず、例えば、活性炭、
活性炭素繊維、ゼオライト、その他の吸着能を有する多
孔体等が挙げられる。
【0032】そして、吸着槽31を流通した酸溶液Wa
は、有機塩素化合物濃度が十分に低減された処理済水W
sとして外部へ排出され、必要であれば更に水処理等が
行われる。このように、オゾン添加ステップ、過酸化物
添加ステップ、紫外線照射ステップ、及び、吸着ステッ
プから分解除去工程が構成されている。
【0033】このように構成された処理装置1、及び、
処理装置1を用いた有機塩素化合物処理方法によれば、
被処理物W中の無機系固形分を酸Aに溶解することによ
り、無機系固形分中に含まれる有機塩素化合物を酸溶液
Waに良好に抽出できる。そして、その酸溶液Waに抽
出された有機塩素化合物を化学活性種によって酸化分解
するので、無機系固形分を例えば高温高圧といった過酷
な条件で処理する必要がなく、常温常圧下で有機塩素化
合物を分解できる。よって、無機系固形分に含まれるダ
イオキシン類等の有機塩素化合物を簡易に且つ十分に分
解除去することが可能となる。また、このように簡易な
処理が可能なので、装置規模の増大が抑制され、従来に
比して処理コストを格別に低減できる。
【0034】また、酸溶液Waにオゾンを添加するの
で、有機塩素化合物の酸化分解効率を十分に高めること
ができる。しかも、オゾン添加のみではなく、過酸化物
Pの添加と紫外線照射とを併用することにより、酸化分
解能に極めて優れる化学活性種を酸溶液Wa中に高濃度
で生成させることができる。よって、有機塩素化合物の
酸化分解反応を高い効率で維持できる。したがって、有
機塩素化合物の分解効率が一層高められ、処理済水Ws
中の有機塩素化合物濃度を更に低減できる。
【0035】さらに、上述のような化学活性種による有
機塩素化合物の分解反応は、酸性領域において良好に進
行する傾向にある。よって、無機系固形分を酸Aに溶解
せしめて酸溶液Waとすることにより、手間の掛かる前
処理を行わずに、酸溶液Wa中の有機塩素化合物を良好
に分解除去できる。したがって、工程数の増大を防止で
きる。
【0036】またさらに、酸溶液WaのpH値を3〜
5.5の範囲内の値に調整するので、オゾンを酸化剤と
して有効に利用できると共に、化学活性種の濃度及び活
性がより一層高められる。したがって、有機塩素化合物
の分解反応の効率或いは反応速度が十分に向上され、有
機塩素化合物の分解を一層促進できる。その結果、処理
済水Ws中の有機塩素化合物の濃度を更に一層低減でき
る。このとき、無機系固形分を溶解させた酸Aを単に水
Cで希釈、又は、若干量のアルカリBを添加することに
より、上記の好適なpH値の酸溶液Waを簡易に得るこ
とができる。
【0037】また、有機塩素化合物の分解除去が行われ
て酸溶液Waを吸着槽31に流通させることにより、酸
溶液Waに僅かに残存する虞のある有機塩素化合物を吸
着媒体に吸着させて液相から除去できる。よって、処理
済水Ws中の有機塩素化合物濃度を一段と低減できる。
さらに、酸溶液Wa中の残存する酸溶解残滓Rを固液分
離するので、その酸溶解残滓Rが、酸溶液Wa中の有機
塩素化合物の酸化分解や吸着媒体への吸着を妨害する虞
を十分に防止できる。よって、有機塩素化合物の安定し
た分解除去処理が可能となる。
【0038】なお、処理装置1の固液分離槽12として
は、重力沈降分離を用いるものに限られず、通常の固液
分離手段、例えば、膜濾過等を用いるものであってもよ
い。また、固液分離槽12及び/又は吸着槽31は必ず
しも必要なく、固液分離工程及び/又は吸着ステップを
行わなくてもよい。さらに、UV照射部21の前段に吸
着槽31を配置してもよい。この場合には、酸溶液Wa
中の有機塩素化合物の一部を吸着によって液相から除去
できる。よって、分解除去工程における有機塩素化合物
の負荷を軽減でき、処理速度及び有機塩素化合物の除去
性能を向上させ得る。
【0039】またさらに、酸溶液Wa中の有機塩素化合
物濃度によっては、オゾン添加、過酸化物添加及び紫外
線照射ステップを省いて吸着ステップのみを実施しても
よい。この場合には、UV照射部21,22、オゾナイ
ザー16及び過酸化物収容槽17を削減できる。また、
オゾン添加、過酸化物添加及び紫外線照射ステップは、
必ずしも全て必要ではなく、いずれか一つを実施すれば
よい。この場合、OHラジカルといった高活性の化学活
性種を効率的に生成させる観点からは、少なくともオゾ
ン添加ステップを用いることが望ましい。
【0040】さらに、処理装置1において固液分離槽1
2、UV照射槽23及び吸着槽31のうち少なくともい
ずれか一つを用いずに、例えば、溶解槽11を用いて時
系列的な処理を行ってもよい。具体的には、例えば、以
下の手順等が挙げられる。すなわち、1)溶解槽11で
酸溶液Waを調整した後、攪拌を停止して酸溶液Waを
静置して固液分離し、2)その後、溶解槽11の酸溶液
Waに、オゾナイザー16からのオゾン添加及び過酸化
物収容槽17からの過酸化物P注入を行いながら、UV
ランプ24を挿入して紫外線照射を行って有機塩素化合
物を分解し、3)溶解槽11からUVランプ24を取り
出した後、吸着モジュール32を溶解槽11の酸溶液W
aに所定時間浸漬するといった一連の処理を行うことが
可能である。
【0041】またさらに、UV照射部21,22に酸溶
液WaのpH値を調整するための手段を設けてもよい。
具体的には、例えば、酸貯留槽13及び/又はアルカリ
貯留槽14をUV照射槽23に接続してもよく、更に緩
衝液の供給部をUV照射槽23に設けてもよい。このよ
うにすれば、紫外線照射が行われている酸溶液Waのp
H値を好適な所定の値に確実に保持できる。さらにま
た、アルカリ貯留槽14及び水槽15は必ずしも必須で
はない。また、UV照射部21,22のうちいずれか一
つを設けてもよく、或いは、UV照射部が三つ以上連接
又は併設されていてもよい。さらに、UV照射部21,
22を循環系としてバッチ式循環処理を行っても好適で
ある。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0043】〈実施例1〉一般廃棄物最終処分場からの
浸出水(SS濃度:30mg/L)を被処理物Wとして
図1に示す構成の処理装置1の溶解槽11へ供給した。
これに、酸Aとして硫酸を注入して10min間攪拌混
合し、SSを溶解させて酸溶液Waを得た。溶解槽11
において酸溶液WaのpH値を5に調整した後、この酸
溶液Waにオゾンガスを給気してオゾンを150mg−
3/Lの割合で添加し、且つ、35%過酸化水素水を
30mg/Lの割合で添加した。この酸溶液WaをUV
照射部21へ収容し、滞留時間が40min、紫外線照
射量が1W・hr/Lの条件で紫外線照射を行った。こ
の処理後の酸溶液Waを処理済水Wsとして、後述する
〈有機塩素化合物の分析〉に供した。なお、酸溶液Wa
中には酸溶解残滓Rが残存していなかったので固液分離
工程は省略した。また、吸着槽31における処理も省略
した。
【0044】〈比較例1〉酸Aを添加しなかったこと以
外は、実施例1と同様にして処理を行った。
【0045】〈有機塩素化合物の分析〉実施例及び比較
例で用いた被処理物W、並びに、実施例及び比較例で得
られた処理済水Ws中の有機塩素化合物の含有濃度を分
析した。分析対象は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン
(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF
s)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPC
Bs)の総量とし、日本工業規格JIS K0312
(1999)に準拠し、高分解能ガスクロマトグラフ/
高分解能質量分析計(HRGC/HRMS)によって各
同族体を定量した。総ダイオキシン類の実測濃度とし
て、毒性等価換算する前後の分析値の合計値を表1にま
とめて示す。表中、実施例1及び比較例1で用いた被処
理物Wを「被処理物1」と記す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示す結果より、SSを含有する被処
理物W(実施例1及び比較例1)に対し、実施例におけ
るダイオキシン類の除去率は、比較例に比して極めて高
い値を示した。このことより、本発明の有機塩素化合物
処理方法及び装置によれば、SS等の無機系固形分から
有機塩素化合物が酸溶液に良好に抽出され、その有機塩
素化合物が十分に分解除去されることが確認された。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機塩素
化合物処理方法及び装置によれば、被処理物中に含まれ
るダイオキシン類等の有機塩素化合物、特に、被処理物
中の無機系固形分に含まれるダイオキシン類等の有機塩
素化合物を簡易に且つ十分に分解除去でき、処理コスト
を低減することが可能となる。また、これにより、高温
高圧等の過酷な条件を必要とする従来の方法に比して、
装置構成を格段に簡素化でき、その結果、処理コストの
大幅な低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機塩素化合物処理装置の好適な
実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1…処理装置(有機塩素化合物処理装置)、11…溶解
槽(被処理物収容部)、12…固液分離槽(固液分離
部)、13…酸貯留槽(pH調整部)、14…アルカリ
貯留槽(pH調整部)、15…水槽(pH調整部)、1
6…オゾナイザー(オゾン添加部)、17…過酸化物収
容槽(過酸化物添加部)、21,22…紫外線照射部、
31…吸着槽(吸着部)、32…吸着モジュール(吸着
媒体)、A…酸、P…過酸化物、W…被処理物、Wa…
酸溶液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 C07B 61/00 D 4H006 1/72 63/00 F 1/78 B09B 3/00 304G C07B 61/00 304K 63/00 (72)発明者 佐藤 二朗 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BB01 BC01 BD11 BD17 4D004 AA37 AA41 AB06 CA13 CA15 CA34 CA36 CA41 CA43 CA47 CB27 CC01 CC12 DA03 DA20 4D037 AA11 AA12 AB14 BA18 BB01 BB02 BB09 CA01 CA06 CA11 CA12 4D038 AA08 AB14 BA04 BB06 BB07 BB16 4D050 AA02 AA12 AA13 AA15 AB07 AB19 BB02 BB09 BC09 BD06 BD08 CA06 CA09 CA13 CA15 4H006 AA04 AA05 AC13 AC26 BA95 BC16 BE31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物を含む無機系固形分を含
    有する被処理物中の該無機系固形分を酸に溶解する溶解
    工程と、 前記無機系固形分が溶解された酸溶液中の前記有機塩素
    化合物を分解及び/又は除去する分解除去工程と、を備
    えることを特徴とする有機塩素化合物処理方法。
  2. 【請求項2】 前記分解除去工程は、前記酸溶液にオゾ
    ンを添加するオゾン添加ステップ、前記酸溶液に過酸化
    物を添加する過酸化物添加ステップ、及び、前記酸溶液
    に紫外線を照射する紫外線照射ステップのうち少なくと
    もいずれか一つのステップを有する、ことを特徴とする
    請求項1記載の有機塩素化合物処理方法。
  3. 【請求項3】 前記分解除去工程が、前記酸溶液と吸着
    媒体とを接触させる吸着ステップを有する、ことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の有機塩素化合物処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記無機系固形分が溶解された酸溶液を
    固液分離する固液分離工程を更に備える、ことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機塩素化合
    物処理方法。
  5. 【請求項5】 前記被処理物が含まれる前記酸溶液のp
    H値を3〜5.5の範囲内の値に調整及び/又は保持す
    るpH調整工程を更に備える、ことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の有機塩素化合物処理方
    法。
  6. 【請求項6】 有機塩素化合物を含む無機系固形分を含
    有する被処理物が供給され、且つ、酸が供給され、該無
    機系固形分が該酸に溶解される被処理物収容部と、 前記酸を前記被処理物収容部に供給する酸供給部と、 前記無機系固形分が溶解された酸溶液中の前記有機塩素
    化合物を分解及び/又は除去する分解除去部と、を備え
    ることを特徴とする有機塩素化合物処理装置。
  7. 【請求項7】 前記分解除去部は、前記酸溶液にオゾン
    を添加するオゾン添加部、前記酸溶液に過酸化物を添加
    する過酸化物添加部、及び、前記酸溶液に紫外線を照射
    する紫外線照射部のうち少なくともいずれか一つを有す
    るものである、ことを特徴とする請求項6記載の有機塩
    素化合物処理装置。
  8. 【請求項8】 前記分解除去部は、吸着媒体を有してお
    り且つ前記酸溶液が供給されて該吸着媒体と該酸溶液と
    が接触される吸着部を有するものである、ことを特徴と
    する請求項6又は7に記載の有機塩素化合物処理装置。
  9. 【請求項9】 前記無機系固形分が溶解された酸溶液が
    供給され、該酸溶液を固液分離する固液分離部を更に備
    える、ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に
    記載の有機塩素化合物処理装置。
  10. 【請求項10】 前記被処理物が含まれる酸溶液にpH
    調整剤を添加し、該酸溶液のpH値を3〜5.5の範囲
    内の値に調整及び/又は保持するpH調整部を更に備え
    る、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記
    載の有機塩素化合物処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001327996A (ja) * 2000-03-16 2001-11-27 Sumitomo Heavy Ind Ltd 有機物含有水の処理方法及び装置
JP2003093999A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Miyama Kk ダイオキシン類含有固形部の処理方法及びその装置

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