JP2001252383A - シャトルコック及びその製造方法 - Google Patents

シャトルコック及びその製造方法

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JP2001252383A JP2000069884A JP2000069884A JP2001252383A JP 2001252383 A JP2001252383 A JP 2001252383A JP 2000069884 A JP2000069884 A JP 2000069884A JP 2000069884 A JP2000069884 A JP 2000069884A JP 2001252383 A JP2001252383 A JP 2001252383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れて良好な品質が得られ、且つ製
造に手間を要しないシャトルコックと、その製造方法を
提供する。 【解決手段】 羽根5とベース本体2との固定を成す接
着剤層4は、前記ベース本体2の上面3に穿設された前
記羽根5の植立用の孔7内及び、孔7の開口端部8領域
に局部的に塗着形成される硬質接着剤層4aと、該硬質
接着剤層4aの表層を覆う軟質接着剤層4bとから成
る、硬度の異なる2層構造に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バドミントン競技
に用いられるシャトルコック及び、その製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりシャトルコック11の構造とし
ては、図7乃至図8に示すように、合成皮革等で包まれ
たコルクやPVC、ポリウレタン、ポリオレフィン等の
発泡体からなる略半球状のベース本体12の上面13
に、天然の水鳥や陸鳥等の羽根15(14〜16本)を
環状に植立させて成るものなどが一般的であり、前記植
立させた羽根15は通常、ニトロセルロース系或いは、
酢酸ビニール系の接着剤、なかでも、羽根の固定を強固
なものとするために、硬化後の前記接着剤の引張り破断
時の伸び率が常温状態において70%以下の比較的硬質
の接着剤14で固着されているものが殆どであった。
【0003】又、前記羽根15をベース本体12の上面
13に植立せしめる方法としては、通常、先ずベース本
体12の上面13に前記羽根15の羽軸16を挿入する
ための複数の孔17を環状に穿設する。そして、次に前
記羽根15の羽軸16を前記ベース本体12に穿設した
孔17内に順次挿入植立し、その後、前記羽軸16が挿
入植立された孔17内及び、孔17の開口端部20領域
に前述したような硬質の接着剤14を塗布して固着せし
める方法が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シャトルコ
ック11は、バドミントンのラケットで打撃された時、
打撃時の衝撃と、風圧を受けて瞬間的に羽根15がベー
ス本体12側を起点として外径方向に大きく広がり、そ
れからごく僅か後には、打撃方向に前記ベース本体12
が向きを変えて飛行するため、逆に前記羽根15は、風
圧によってベース本体12側を起点として内径方向に縮
む動作を行う。このように、シャトルコック11は、打
撃の繰り返しによって、羽根15がベース本体12側を
起点として内外径方向に激しい動きが繰り返し行われる
ため、この激しい動きに耐えさせるために、前記羽根1
5が植立されるベース本体12自体と、前記羽根15
の、特に内外径方向への動きの起点となるベース本体1
2側近傍には、前記動きに十分に追隋できるような柔軟
性を持つことが要求される。
【0005】ところが、従来のシャトルコック11にお
いては、図8に示すように、前記羽根15の羽軸16
が、ベース本体12側において硬質の接着剤14によっ
て覆い固められた構成となっているため、打撃時に前記
羽根15は、接着剤14によって覆い固められて剛直化
した部分の上端部位18を起点として折れ曲がるような
動きを呈し、打撃時の羽根15の動きに伴う応力の集中
により疲労が生じて羽根15が該部において折損し易く
なり、長期間にわたって前記羽根15の耐久性を持続さ
せることが困難なものとなっていた。
【0006】従って、従来では、上記のような羽根15
の折損を低減させるために、接着剤14の使用量を極力
少なく制限して、前記羽根15の羽軸16が、接着剤1
4で覆い固められる領域を少なくさせるように試みられ
ている。この場合、図9に示すように、打撃時に羽根1
5が曲げ動く起点Pが、ベース本体12側の羽軸16の
下端側に移行するようになることから、打撃時の羽根1
5の折れ曲がり角が小さくなり、羽根15の疲労が低減
して、耐久性をある程度は向上させることができるもの
であった。しかしながら、このように接着剤14の使用
量を少なく制限すると、逆に、接着剤14が羽軸16
や、前記羽軸16が挿入されるベース本体12の孔17
内に十分に塗着されないといった不具合が生じて、打撃
時に前記羽根15がベース本体12から剥落したり、羽
根15がぐら付いたりすることから羽根15の植立角度
が変わってシャトルコック11の飛行特性が悪くなって
しまうといった不具合があった。
【0007】又、従来のシャトルコック11の製造方法
では、ベース本体12の上面13に穿設した孔17内に
羽根15の羽軸16を挿入した後に、前記孔17内及
び、孔17の開口端部20領域に前記のような硬質の接
着剤14を刷毛等を用いて塗着し固着せしめる方法が採
られているが、一般にこのような硬質の接着剤14は、
硬化前の粘度が低いため、図10に示すように、塗布量
が多いと、接着剤14がベース本体12の上面13の環
状に穿設された孔17の内側部19にまでたれ広がっ
て、前記ベース本体12自体を剛直化させてしまうこと
から、打撃時の羽根15への疲労を増大させてしまうと
いった問題があった。その為、接着剤14の塗布にあた
っては、一般に、このような問題を防ぐために、前記接
着剤14を少量ずつ前記孔17の開口端部領域に数回に
亙って重ね塗りするといった作業を行っており、製造に
手間がかかるばかりか、工程に大幅な時間が必要となる
などの不具合があった。
【0008】又、上記のような硬質の接着剤14を用い
ることによる欠点を解決するために、硬化後の引張り破
断時の伸び率が比較的大きい軟質の接着剤を用いること
も考えられるが、一般に、このような軟質接着剤は、硬
質接着剤に比して接着強度に劣ることから、羽根15の
固定を十分なものとするためには、前記接着剤を多量に
用いなければならない。しかし、この場合、シャトルコ
ック自体の質量が増大してしまうといった問題が生じる
他、前記軟質接着剤自体が弾性を有するため、ベース本
体12の孔17内に植立された羽根15の羽軸16が安
定せず、打撃時に羽根15がブレるなどして飛行特性が
悪くなるといった問題があった。
【0009】そこで本発明は、上記のような従来の問題
点に鑑み、耐久性に優れて良好な品質が得られ、且つ製
造に手間を要しないシャトルコックと、その製造方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のシャトルコックは、略半球状の
ベース本体の上面に複数の孔が環状に穿設され、前記孔
内に羽根が接着剤層を介して植立固着されて成るシャト
ルコックにおいて、前記接着剤層は、前記孔内及び、孔
の開口端部領域に局部的に塗着形成される硬質接着剤層
と、該硬質接着剤層を覆う軟質接着剤層とから構成され
てなることを特徴とするものである。
【0011】又、本発明の請求項2は、前記請求項1に
係るシャトルコックであって、前記軟質接着剤層が、前
記硬質接着剤層の表層を覆いつつ、前記ベース本体の上
面全体に亙って塗着形成されていることを特徴とするも
のである。
【0012】そして、請求項3は、前記請求項1又は、
2に係るシャトルコックであって、前記硬質接着剤層
が、硬化後の引張り破断時の伸び率が常温状態において
70%以下の接着剤から構成されていることを特徴とす
るものである。又、請求項4は、前記請求項1又は、2
に係るシャトルコックであり、前記軟質接着剤層が、硬
化後の引張り破断時の伸び率が常温状態において80%
以上の接着剤から構成されていることを特徴とするもの
である。
【0013】又、本発明の請求項5は、略半球状のベー
ス本体の上面に複数の孔を環状に穿設し、前記孔内に羽
根の羽軸を植立せしめた後、接着剤を塗布して羽根を前
記ベース本体に固着せしめる工程において、(a)前記
羽根を前記ベース本体の孔内に植立後、前記孔内及び、
孔の開口端部領域に局部的に硬質接着剤を塗布し、硬化
せしめる工程と、(b)その後、前記硬質接着剤の表層
を覆うように軟質接着剤を塗布し、硬化せしめる工程と
から成ることを特徴とするシャトルコックの製造方法で
ある。
【0014】そして、請求項6は、前記請求項5に係る
シャトルコックの製造方法であって、前記工程におい
て、前記軟質接着剤は、前記硬質接着剤の表層を覆いつ
つ、前記ベース本体の上面全体に亙って塗着されること
を特徴とするものである。
【0015】又、請求項7は、前記請求項5又は、6に
係るシャトルコックの製造方法であって、前記硬質接着
剤が、硬化後の引張り破断時の伸び率が常温状態におい
て70%以下の接着剤であることを特徴とするものであ
る。又更に、請求項8は、前記請求項5又は、6に係る
シャトルコックの製造方法であり、前記軟質接着剤が、
硬化後の引張り破断時の伸び率が常温状態において80
%以上の接着剤であることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき詳細に説明する。図1は、本実施例のシャトルコッ
クの外観図であり、図2は、図1のA−A線部での切断
端面説明図であり、図3は、図2の要部拡大説明図であ
る。
【0017】即ち、本実施例のシャトルコック1は、図
1に示すように、合成皮革等で包まれたコルクやPV
C、ポリウレタン、ポリオレフィン等の発泡体からなる
略半球状のベース本体2の上面3に、接着剤層4を介し
て天然の水鳥や陸鳥などの羽根を加工して形成された羽
根5が環状に14〜16枚植立固定された構成を有して
いる。
【0018】そして、前記羽根5とベース本体2との固
定を成す前記接着剤層4は、図2乃至図3に示すよう
に、前記羽根5の羽軸6とベース本体2との境界領域、
即ち、前記ベース本体2の上面3に穿設された前記羽根
5の植立用の孔7内及び、孔7の開口端部8領域に局部
的に塗着形成される硬質接着剤層4aと、該硬質接着剤
層4aの表層を覆う軟質接着剤層4bとから成る、硬度
の異なる2層構造に形成された構成となっている。
【0019】本実施例において前記硬質接着剤層4a
は、前記羽根5のベース本体2への固定を確実なものに
するために、前記接着剤の塗布後硬化した状態におい
て、強固に固化する特性を有した接着剤が用いられ、例
えば、ニトロセルロース系接着剤や酢酸ビニール系接着
剤等の内、硬化後の前記接着剤の引張り破断時の伸び率
が常温状態において70%以下の特性を有する比較的硬
質の接着剤が用いられる。
【0020】又、この時、前記硬質接着剤層4aは、シ
ャトルコック打撃時の羽根5の動き、即ち、前記羽根5
のベース本体2側を起点とする内外径方向の動きに対し
てある程度の柔軟性を維持させるために、従来のシャト
ルコックに用いていた接着剤層よりも接着剤の塗布量を
大幅に少なくした構成となっており、前記ベース本体2
の上面3に設けられた羽根5の植立用の孔7内及び、孔
7の開口端部8領域に局部的に塗着形成される構成とな
っている。具体的には、図3に示すように、前記硬質接
着剤層4aが、前記領域において、ベース本体2の上面
3より100μm〜300μmの膜厚で塗着形成されて
おり、図8に示すような、従来のシャトルコックに設け
られる接着剤層よりも格段に薄く構成されている。
【0021】又、前記硬質接着剤層4aの表層を覆う軟
質接着剤層4bは、上記の硬質接着剤の塗着量の低減に
伴う接着強度を補う役目をし、且つシャトルコック打撃
時の羽根5の動きを規制しない特性を有した軟質の接着
剤が用いられる。具体的には、前記接着剤の塗布後硬化
した状態においても、前記シャトルコック1の羽根5の
動きに追隋できるような適度な弾性を有する接着剤、と
りわけ、硬化後の前記接着剤の引張り破断時の伸び率が
常温状態において80%以上の特性を有する軟質の接着
剤が用いられる。
【0022】上記のような特性を有する軟質の接着剤と
しては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹
脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系
接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、EVA、クロロプレ
ン、ニトリル、SBR等のゴム系接着剤等が挙げられ、
各種配合して使用することも可能である。
【0023】又、このような軟質接着剤層4bは、前記
のような硬質接着剤層4aの薄肉化に伴って低下する接
着強度を補うために、その分の接着強度を充足できる程
度の接着剤の塗着量を適宜選定して塗着形成される。具
体的には、前記のような接着強度を充足しつつも、余計
な質量の増大を防ぐことに鑑みて、前記の軟質接着剤層
4bは、前記硬質接着剤層4aの表層に100μm〜5
00μm程度の膜厚で塗着形成される構成とすることが
好ましい。
【0024】従って、上記本実施例のシャトルコック1
の構成によれば、図2に示すように、ベース本体2と羽
軸6との固着を成す接着剤層4が、硬軟2層構造に構成
されているなかで、前記硬質接着剤層4aが、前記孔7
内及び、孔7の開口端部8領域に局部的に塗着形成され
るのみで、その表層を打撃時の羽根5の動きを規制しな
い程度の柔軟性を有する軟質接着剤層4bで覆った構成
を成すように形成されているため、打撃時に前記羽根5
は前記羽軸6の下端側を起点とした柔軟な動きを呈する
ようになる。従って、従来のように、羽軸6に過度の疲
労が生じないことから、羽根5の折損がなくなり耐久性
が向上するものである。
【0025】又、本実施例では、前記硬質接着剤層4a
を局部的に用いることによる接着強度の不足分を、この
表層を覆う軟質接着剤層4bによって補っているため、
実用上十分な接着強度が得られ、打撃時に羽根5が剥脱
してしまうようなことはない。又更に、前記羽軸6の下
端が前記硬質接着剤層4aによって固定されるので、打
撃時に羽根5が動き出したり、ぐら付いたりせず、安定
した飛行特性が得られるものである。
【0026】上記構成のシャトルコック1を製造するに
は、図4に示すように、先ず、コルク等で形成されたベ
ース本体2の上面3に、羽根5の羽軸6を挿入するため
の孔7を穿設する。前記孔7は、植立される羽根5の数
に応じて穿設され、上面3の外形状に沿って環状に穿設
される。そして、前記孔7内に羽根5の羽軸6を順次挿
入していき、前記ベース本体2の上面3に前記羽根5を
環状に植立させる。その後先ず、図5(a)に示すよう
に、前記孔7内及び、孔7の開口端部8領域に刷毛等を
用いて、前記の硬質接着剤を局部的に塗着せしめた後、
常温で、或いは加熱によって前記硬質接着剤を硬化せし
めることにより、硬質接着剤層4aを形成する。そして
次に、図5(b)に示すように、硬化した前記硬質接着
剤層4aの表層及び、その周辺領域全体を覆うように、
軟質接着剤を刷毛等を用いて塗着せしめた後、上記工程
と同様に、常温で、或いは加熱によって前記軟質接着剤
を硬化せしめて軟質接着剤層4bを形成することによっ
て、本実施例のシャトルコック1を得る。
【0027】このような本実施例の製造方法では、比較
的低粘度の硬質接着剤は、前記孔7内及び、孔7の開口
端部8領域に局部的にしか塗着されないことから、塗着
量は少量で済み、従来のように、接着剤がベース本体2
の上面3の環状に穿設された孔7の内側部にまでたれ広
がってしまうようなことがなく、ベース本体2の上面3
が余分な接着剤の付着により固くなってしまうのを防止
できる。又、その後、前記硬質接着剤層4aの表層を覆
うように軟質接着剤が塗着されるが、前記軟質接着剤自
体が、硬化後においても適度な柔軟性を有するため、従
来の硬質接着剤を用いる場合のように、接着剤を少量ず
つ数回に分けて塗着せしめるといった煩わしい工程を行
うことなく、1度の塗着作業で済むものである。又、仮
に、前記軟質接着剤が所定の塗着範囲を超えて塗着され
てしまっても、前記軟質接着剤が打撃時に、前記ベース
本体2と羽根5が共に変形することを阻害してしまうと
いったことがなく、羽根5の耐久性が保たれるものであ
る。
【0028】尚、上記実施例においては、前記孔7内及
び、孔7の開口端部8領域に局部的に塗着形成される硬
質接着剤層4aの表層とその周辺領域のみに前記軟質接
着剤層4bを塗着形成する例を説明したが、本発明はこ
れに限定されず、例えば、図6に示すように、前記軟質
接着剤層4bを前記のような領域に加え、ベース本体2
の上面3の環状に穿設された孔7の内側部9全体を覆う
ように塗着形成するような形態とすることも可能であ
る。この場合、前記ベース本体2の上面3が、軟質接着
剤によって補強された構成となるため、前記ベース本体
2自体の柔軟性を損なうことなく耐久性を向上させるこ
とができるものである。
【0029】
【実施例】ベース本体2と羽軸6との固着を成す接着剤
として、以下のような接着剤を用意した。即ち、前記ベ
ース本体2の孔7内及び、孔7の開口端部8領域に局部
的に塗着形成される硬質接着剤として、ニトロセルロー
ス系の接着剤(硬化後の前記接着剤の引張り破断時の伸
び率が常温状態において20%)を用意した。
【0030】又、前記硬質接着剤の表層を覆う軟質接着
剤として、クロロプレンゴム系接着剤(硬化後の状態に
おける引張り破断時の伸び率が常温状態において85
%)を用意した。
【0031】本実施例では、先ず、図5(a)に示すよ
うに、前記の硬質接着剤を前記ベース本体2の孔7内及
び、孔7の開口端部8領域に局部的に塗着し硬化せしめ
て、100μmの膜厚を有する硬質接着剤層4aを得
た。
【0032】その後、図5(b)に示すように、前記硬
質接着剤層4aの表層を覆うように、前記の軟質接着剤
を塗着せしめ後、常温或いは、加熱して前記軟質接着剤
を硬化させることによって、300μmの膜厚を有する
軟質接着剤層4bを形成し、本実施例のシャトルコック
1を得た。
【0033】又、比較例として、前記ベース本体2と羽
軸6とを前記の硬質接着剤のみで塗着膜厚400μmで
形成したものを比較例1とし、前記膜厚を100μmと
したものを比較例2としたものを用意した。又、前記の
軟質接着剤のみで塗着膜厚400μmで形成したものを
比較例3として用意した。
【0034】本実施例及び、比較例1〜3のシャトルコ
ックの性能を評価するために、実際にこれらのシャトル
コックをプレーヤーに打撃させ、羽根5の耐久性や飛行
特性等の検証を行った。その際の結果を以下の表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】この結果、本実施例のシャトルコック1
は、羽根の折損や、打撃後の飛行にぶれが生じる事もな
く、耐久性及び、飛行特性共に優れた性能を有するシャ
トルコックであることが確認できた。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明のシャトルコック
では、ベース本体と羽軸との固着を成す接着剤層が、硬
軟2層構造に構成されているなかで、前記硬質接着剤層
が、前記ベース本体の孔内及び、孔の開口端部領域に局
部的に塗着形成されるのみで、その表層を打撃時の羽根
の動きを規制しない程度の柔軟性を有する軟質接着剤層
で覆った構成を成すように形成されているため、打撃時
に前記羽根は前記羽軸の下端側を起点とした柔軟な動き
を呈し、従来のように、羽軸に過度の疲労が生じないこ
とから、羽根の折損がなくなり耐久性が向上するといっ
た効果を奏する。
【0038】又、本発明では、前記硬質接着剤層を局部
的に用いることによる接着強度の不足分を、この表層を
覆う軟質接着剤層によって補っているため、実用上十分
な接着強度が得られ、打撃時に羽根が剥脱してしまうよ
うなことがなく、更に、前記羽軸の下端が前記硬質接着
剤層によって固定されるので、打撃時に羽根が動き出し
たり、ぐら付いたりせず、安定した飛行特性が得られる
といった効果を有するものである。
【0039】そして、本発明の製造方法では、比較的低
粘度の硬質接着剤を、前記ベース本体の孔内及び、孔の
開口端部領域に局部的にしか塗着しないため、塗着量は
少量で済み、従来のように、接着剤がベース本体の上面
の環状に穿設された孔の内側部にまでたれ広がってしま
うようなことがなく、ベース本体の上面が余分な接着剤
の付着により固くなってしまうのを防止できる。又、そ
の後、前記硬質接着剤の表層を覆うように軟質接着剤を
塗着せしめるにあたり、前記軟質接着剤自体が、硬化後
においても適度な柔軟性を有する材料であるため、仮
に、前記軟質接着剤が所定の塗着範囲を超えて塗着され
てしまっても、前記軟質接着剤が打撃時に、前記ベース
本体と羽根が共に変形することを阻害してしまうといっ
たことがなく、従来の硬質接着剤を用いる場合のよう
に、接着剤を少量ずつ数回に分けて塗着せしめるといっ
た煩わしい工程が不要で製造に手間と時間がかからず、
製造サイクルを短縮することができるといった効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のシャトルコックの外観図。
【図2】図1のA−A線部における端面説明図。
【図3】図2の要部拡大説明図。
【図4】本実施例のシャトルコックの製造方法を表す説
明図。
【図5】本実施例のシャトルコックの製造方法を表す説
明図。
【図6】その他の実施例を表す説明図。
【図7】従来のシャトルコックの外観図。
【図8】図7のB−B線部における端面説明図。
【図9】従来のシャトルコックを表す要部拡大端面図。
【図10】従来のシャトルコックを表す要部拡大端面
図。
【符号の説明】
1 シャトルコック 2 ベース本体 3 上面 4 接着剤層 4a 硬質接着剤層 4b 軟質接着剤層 5 羽根 6 羽軸 7 孔 8 開口端部 9 内側部 11 シャトルコック 12 ベース本体 13 上面 14 接着剤 15 羽根 16 羽軸 17 孔 18 上端部位 19 内側部 20 開口端部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略半球状のベース本体の上面に複数の孔
    が環状に穿設され、前記孔内に羽根が接着剤層を介して
    植立固着されて成るシャトルコックにおいて、前記接着
    剤層は、前記孔内及び、孔の開口端部領域に局部的に塗
    着形成される硬質接着剤層と、該硬質接着剤層を覆う軟
    質接着剤層とから構成されていることを特徴とするシャ
    トルコック。
  2. 【請求項2】 前記軟質接着剤層は、前記硬質接着剤層
    の表層を覆いつつ、前記ベース本体の上面全体に亙って
    塗着形成されていることを特徴とする請求項1記載のシ
    ャトルコック。
  3. 【請求項3】 前記硬質接着剤層は、硬化後の引張り破
    断時の伸び率が常温状態において70%以下の接着剤か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1又は、2記
    載のシャトルコック。
  4. 【請求項4】 前記軟質接着剤層は、硬化後の引張り破
    断時の伸び率が常温状態において80%以上の接着剤か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1又は、2記
    載のシャトルコック。
  5. 【請求項5】 略半球状のベース本体の上面に複数の孔
    を環状に穿設し、前記孔内に羽根の羽軸を植立せしめた
    後、接着剤を塗布して羽根を前記ベース本体に固着せし
    める工程において、(a)前記羽根を前記ベース本体の
    孔内に植立後、前記孔内及び、孔の開口端部領域に局部
    的に硬質接着剤を塗布し、硬化せしめる工程と、(b)
    その後、前記硬質接着剤の表層を覆うように軟質接着剤
    を塗布し、硬化せしめる工程とから成ることを特徴とす
    るシャトルコックの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程において、前記軟質接着剤は、
    前記硬質接着剤の表層を覆いつつ、前記ベース本体の上
    面全体に亙って塗着されることを特徴とする請求項5記
    載のシャトルコックの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記硬質接着剤は、硬化後の引張り破断
    時の伸び率が常温状態において70%以下の接着剤であ
    ることを特徴とする請求項5又は、6記載のシャトルコ
    ックの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記軟質接着剤は、硬化後の引張り破断
    時の伸び率が常温状態において80%以上の接着剤であ
    ることを特徴とする請求項5又は、6記載のシャトルコ
    ックの製造方法。
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