JP2001252067A - 培養細胞凍結用マルチウェルプレート - Google Patents
培養細胞凍結用マルチウェルプレートInfo
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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- C12M23/00—Constructional details, e.g. recesses, hinges
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マルチウェルプレート上で培養した細胞を凍
結、保存可能にし、解凍時の細胞生存率を高める。 【解決手段】 マルチウェルプレートの肉厚を薄くし、
かつ解凍時に培養部の外側より加温するための加温体と
接触させる。
結、保存可能にし、解凍時の細胞生存率を高める。 【解決手段】 マルチウェルプレートの肉厚を薄くし、
かつ解凍時に培養部の外側より加温するための加温体と
接触させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床検査や創薬、
バイオテクノロジーの分野で主に利用される、培養細胞
を用いたアッセイシステムに使用する凍結培養細胞にお
いて、培養基質上に培養された形態的特徴を維持したま
ま細胞を凍結し、長期保存可能になっている状態の動物
細胞を凍結解凍し細胞を用いた測定系に使用する細胞培
養用マルチウェルプレートに関するものである。
バイオテクノロジーの分野で主に利用される、培養細胞
を用いたアッセイシステムに使用する凍結培養細胞にお
いて、培養基質上に培養された形態的特徴を維持したま
ま細胞を凍結し、長期保存可能になっている状態の動物
細胞を凍結解凍し細胞を用いた測定系に使用する細胞培
養用マルチウェルプレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床検査や創薬、バイオテクノロ
ジーの分野において、培養細胞を利用した細胞障害性や
毒性に関するテストが多く実施されている。こうしたテ
ストに用いられる細胞は、動物の組織から直接採取され
た初代細胞や、市販されている経代が可能な株細胞など
が用いられる。特に経代が可能な株細胞はその細胞の特
性を維持したままの凍結保存が可能であり、さらに多数
の種類があるので良く使用されている。こうした培養細
胞を用いた細胞障害性や毒性に関するテストは、多数の
検体を一度に処理できるウェルを多数持つマルチウェル
プレート、特に96ウェルのマルチウェルプレートを培
養基質として実施される場合が多い。一般的には、試験
に用いる細胞を培養用シャーレや培養用フラスコなどの
培養基質上でで多量に培養した後、試験用の96ウェル
のマルチウェルプレートに細胞数を調製して播種し直
し、細胞がマルチウェルプレートに接着、伸展して通常
の培養形態を取ってからテストに用いられる。
ジーの分野において、培養細胞を利用した細胞障害性や
毒性に関するテストが多く実施されている。こうしたテ
ストに用いられる細胞は、動物の組織から直接採取され
た初代細胞や、市販されている経代が可能な株細胞など
が用いられる。特に経代が可能な株細胞はその細胞の特
性を維持したままの凍結保存が可能であり、さらに多数
の種類があるので良く使用されている。こうした培養細
胞を用いた細胞障害性や毒性に関するテストは、多数の
検体を一度に処理できるウェルを多数持つマルチウェル
プレート、特に96ウェルのマルチウェルプレートを培
養基質として実施される場合が多い。一般的には、試験
に用いる細胞を培養用シャーレや培養用フラスコなどの
培養基質上でで多量に培養した後、試験用の96ウェル
のマルチウェルプレートに細胞数を調製して播種し直
し、細胞がマルチウェルプレートに接着、伸展して通常
の培養形態を取ってからテストに用いられる。
【0003】細胞培養を用いたテストでは、細胞を必要
量まで増殖させることに時間がかかり必要なときにすぐ
にテストが出来ない、また、いつでもテストを出来るよ
うにするには常に多量の細胞を培養し維持してなければ
ならないといった問題点がある。第1の問題であるすぐ
にテストが出来ないという点は、素早く結果を出さなけ
ればならない臨床検査や創薬において重要な問題であ
る。また、第2の問題であるすぐにテストするために多
量の細胞を維持しておくことは、常に細胞を培養すると
いう、時間と金の無駄を抱えることになる。また、動物
細胞のなかには経代を繰り返すと、細胞が変質を生じ、
元の細胞と性質が異なる細胞になる場合があることか
ら、安定した性質を維持している細胞を繰り返し、再現
性よく使用するために、学術研究や商業目的を問わず、
培養動物細胞を凍結保存する技術が繁用されている。
量まで増殖させることに時間がかかり必要なときにすぐ
にテストが出来ない、また、いつでもテストを出来るよ
うにするには常に多量の細胞を培養し維持してなければ
ならないといった問題点がある。第1の問題であるすぐ
にテストが出来ないという点は、素早く結果を出さなけ
ればならない臨床検査や創薬において重要な問題であ
る。また、第2の問題であるすぐにテストするために多
量の細胞を維持しておくことは、常に細胞を培養すると
いう、時間と金の無駄を抱えることになる。また、動物
細胞のなかには経代を繰り返すと、細胞が変質を生じ、
元の細胞と性質が異なる細胞になる場合があることか
ら、安定した性質を維持している細胞を繰り返し、再現
性よく使用するために、学術研究や商業目的を問わず、
培養動物細胞を凍結保存する技術が繁用されている。
【0004】通常、培養動物細胞は液体窒素中で凍結保
存されており、必要に応じて解凍、培養して使用される
が、凍結保存には凍結用ガラスやプラスチックチューブ
が用いられ、その中で細胞は単細胞で溶液中に分散され
た状態で凍結されている。これは、こうした形状で細胞
を保存することが最も安定に細胞を保存する方法であ
る。しかし、この方法では、凍結細胞を溶解した後、必
要量まで細胞を培養し続けなければいけない。
存されており、必要に応じて解凍、培養して使用される
が、凍結保存には凍結用ガラスやプラスチックチューブ
が用いられ、その中で細胞は単細胞で溶液中に分散され
た状態で凍結されている。これは、こうした形状で細胞
を保存することが最も安定に細胞を保存する方法であ
る。しかし、この方法では、凍結細胞を溶解した後、必
要量まで細胞を培養し続けなければいけない。
【0005】こうした培養の手間を省略すべく特開平5
−77389号公報において、培養動物細胞を培養基質
に培養された状態で凍結する方法が示されている。培養
基質上で細胞を培養し、その形態を保ったままで凍結す
る方法である。特開平5−77389号公報においては
実施例として35mmのプラスチック製培養皿を用いて
培養細胞の凍結を実施ており、良好な結果を得ている。
しかし、前述のようにマルチウェルプレートを用いて凍
結した場合、各ウェルが隣接しているため、解凍時に3
7℃のインキュベーターに入れてもマルチウェルプレー
ト全体として加熱時間がかかり、解凍時の細胞の生存率
が極めて悪くなってしまう。また、マルチウェルプレー
トの外周部のウェルでは早く加温されるので細胞生存率
は良いが、中央付近では解凍に時間がかかり、マルチウ
ェルプレートの各ウェル間で細胞生存率のバラツキが生
じ、細胞障害性や毒性のテストには使用できない状態と
なる。
−77389号公報において、培養動物細胞を培養基質
に培養された状態で凍結する方法が示されている。培養
基質上で細胞を培養し、その形態を保ったままで凍結す
る方法である。特開平5−77389号公報においては
実施例として35mmのプラスチック製培養皿を用いて
培養細胞の凍結を実施ており、良好な結果を得ている。
しかし、前述のようにマルチウェルプレートを用いて凍
結した場合、各ウェルが隣接しているため、解凍時に3
7℃のインキュベーターに入れてもマルチウェルプレー
ト全体として加熱時間がかかり、解凍時の細胞の生存率
が極めて悪くなってしまう。また、マルチウェルプレー
トの外周部のウェルでは早く加温されるので細胞生存率
は良いが、中央付近では解凍に時間がかかり、マルチウ
ェルプレートの各ウェル間で細胞生存率のバラツキが生
じ、細胞障害性や毒性のテストには使用できない状態と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マルチウェ
ルプレート上で培養した細胞を凍結し、解凍時にマルチ
ウェルプレート内でのウェル毎の細胞生存率の安定性を
高め、解凍後は細胞培養用または実験用マルチウェルプ
レートとして活用することを目的とし、種々の検討を加
えた結果、本発明に至った。
ルプレート上で培養した細胞を凍結し、解凍時にマルチ
ウェルプレート内でのウェル毎の細胞生存率の安定性を
高め、解凍後は細胞培養用または実験用マルチウェルプ
レートとして活用することを目的とし、種々の検討を加
えた結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなはち本発明は、細胞
を培養した状態で培養器ごと凍結させ、必要時に解凍し
て培養するためのマルチウェルプレートであって、マル
チウェルプレートは多数の細胞を培養するための区画か
らなり、解凍時に細胞を培養する区画の外側から加熱手
段で加温することを特徴とする培養細胞凍結用マルチウ
ェルプレートである。
を培養した状態で培養器ごと凍結させ、必要時に解凍し
て培養するためのマルチウェルプレートであって、マル
チウェルプレートは多数の細胞を培養するための区画か
らなり、解凍時に細胞を培養する区画の外側から加熱手
段で加温することを特徴とする培養細胞凍結用マルチウ
ェルプレートである。
【0008】
【発明の実施の形態】基材ごと凍結させた細胞を融解す
る際には、基材を構成する樹脂の厚みにより熱がウェル
内の凍結物質に伝わり難く解凍に時間がかかることにな
る。凍結細胞の解凍後の生存率は、解凍に要する時間が
短ければ短いほど高くなるので熱の伝導をいかに良くす
るかがポイントとなる。
る際には、基材を構成する樹脂の厚みにより熱がウェル
内の凍結物質に伝わり難く解凍に時間がかかることにな
る。凍結細胞の解凍後の生存率は、解凍に要する時間が
短ければ短いほど高くなるので熱の伝導をいかに良くす
るかがポイントとなる。
【0009】培養容器ごと凍結させた培養細胞の解凍後
の生存率を高めるためには解凍に要する時間を短縮する
ことが重要であること良く知られている。その場合、多
量の熱量を加えれば解凍時間が短縮されることは明らか
である。しかし、本来の目的である解凍後の細胞を培養
して使用するためには、細胞が正常な状態で生存してい
ることが重要なポイントとなり、細胞の正常性を保つた
めには、細胞の由来動物の体温(ヒトの場合37℃)を
越えて加熱することが出来ない。これを越えて加熱する
と蛋白質の変成や、ストレス蛋白質の発現が生じ細胞が
正常な状態でなくなり、時には細胞死が生じるといった
事態になる。従って、加温する環境温度は37℃前後で
ならない。
の生存率を高めるためには解凍に要する時間を短縮する
ことが重要であること良く知られている。その場合、多
量の熱量を加えれば解凍時間が短縮されることは明らか
である。しかし、本来の目的である解凍後の細胞を培養
して使用するためには、細胞が正常な状態で生存してい
ることが重要なポイントとなり、細胞の正常性を保つた
めには、細胞の由来動物の体温(ヒトの場合37℃)を
越えて加熱することが出来ない。これを越えて加熱する
と蛋白質の変成や、ストレス蛋白質の発現が生じ細胞が
正常な状態でなくなり、時には細胞死が生じるといった
事態になる。従って、加温する環境温度は37℃前後で
ならない。
【0010】通常、細胞培養用マルチウェルプレート
は、顕微鏡下での観察を可能とするためにポリスチレン
等の透明樹脂で成形され、通常、1.5〜2.5mmの
厚みを有している。この培養容器を用いた凍結培養容器
を37℃インキュベーターに入れただけでは、肉厚があ
るため、解凍に時間がかかり、そのため、解凍後の細胞
の生存率が低くなり、細胞が使用に耐えない状態とな
る。特にこの傾向はマルチウェルプレートの中央部でウ
ェルが多数集まっている部分で顕著に現れる。
は、顕微鏡下での観察を可能とするためにポリスチレン
等の透明樹脂で成形され、通常、1.5〜2.5mmの
厚みを有している。この培養容器を用いた凍結培養容器
を37℃インキュベーターに入れただけでは、肉厚があ
るため、解凍に時間がかかり、そのため、解凍後の細胞
の生存率が低くなり、細胞が使用に耐えない状態とな
る。特にこの傾向はマルチウェルプレートの中央部でウ
ェルが多数集まっている部分で顕著に現れる。
【0011】上記の内容を問題を解決する一つの方法と
して、マルチウェルプレートを形成する樹脂を一般的に
使用されるポリスチレンから熱伝導率の良いプラスチッ
ク樹脂に変えることと、マルチウェルプレートの肉厚を
薄くすることが考えられる。熱伝導率の良い樹脂では、
マルチウェルプレート内部への熱伝導が可能となり少し
でも早く内部の凍結部位に熱が伝わることとなる。さら
に肉厚を薄くする事によってマルチウェルプレート自体
を暖めるために使われる熱量を少なくし、少しでも早く
多く、マルチウェルプレート内部の凍結物に熱を伝えよ
うとするものである。
して、マルチウェルプレートを形成する樹脂を一般的に
使用されるポリスチレンから熱伝導率の良いプラスチッ
ク樹脂に変えることと、マルチウェルプレートの肉厚を
薄くすることが考えられる。熱伝導率の良い樹脂では、
マルチウェルプレート内部への熱伝導が可能となり少し
でも早く内部の凍結部位に熱が伝わることとなる。さら
に肉厚を薄くする事によってマルチウェルプレート自体
を暖めるために使われる熱量を少なくし、少しでも早く
多く、マルチウェルプレート内部の凍結物に熱を伝えよ
うとするものである。
【0012】しかしながら肉厚を薄くすることは、プレ
ートの強度を落とすことになり、創薬分野で使用される
ハイスループットスクリーニングなどの測定ロボットな
どを用いた系ではロボットアーム等でマルチウェルプレ
ートをつかんで移動させるため、ただ単に肉厚を落とせ
ば良いというものではない。従って外周部にはプレート
強度を持たせる必要がある。その方法の一つは、成型品
プレートの外周部の肉厚を厚くして通常のELISA用
96Fプレートと同程度の肉厚を持たせるという方法で
ある。もう一つは肉厚の薄いマルチウェルプレートに肉
厚のある外枠を付けることである。このマルチウェルプ
レートを用いることにより、加熱手段として37℃のイ
ンキュベーター中においても解凍時間が短縮されること
が可能となった。
ートの強度を落とすことになり、創薬分野で使用される
ハイスループットスクリーニングなどの測定ロボットな
どを用いた系ではロボットアーム等でマルチウェルプレ
ートをつかんで移動させるため、ただ単に肉厚を落とせ
ば良いというものではない。従って外周部にはプレート
強度を持たせる必要がある。その方法の一つは、成型品
プレートの外周部の肉厚を厚くして通常のELISA用
96Fプレートと同程度の肉厚を持たせるという方法で
ある。もう一つは肉厚の薄いマルチウェルプレートに肉
厚のある外枠を付けることである。このマルチウェルプ
レートを用いることにより、加熱手段として37℃のイ
ンキュベーター中においても解凍時間が短縮されること
が可能となった。
【0013】より素早い解凍のためには、培養細胞凍結
用マルチウェルプレートを37℃で連続的に熱を与える
ことが重要で、そのための外側からの加熱手段として、
熱容量の大きい物質に培養細胞凍結用マルチウェルプレ
ートを乗せ、均一に熱を与え続けることが必要となる。
熱容量の大きな物質としては、アルミニューム、銅、鉄
などの金属ブロック体や、蓄熱材などに使用されている
高分子ゲルなどを暖めて加熱手段の一つの加温体として
使用することが可能である。
用マルチウェルプレートを37℃で連続的に熱を与える
ことが重要で、そのための外側からの加熱手段として、
熱容量の大きい物質に培養細胞凍結用マルチウェルプレ
ートを乗せ、均一に熱を与え続けることが必要となる。
熱容量の大きな物質としては、アルミニューム、銅、鉄
などの金属ブロック体や、蓄熱材などに使用されている
高分子ゲルなどを暖めて加熱手段の一つの加温体として
使用することが可能である。
【0014】金属ブロック体は、培養細胞凍結用マルチ
ウェルプレートを上に水平に乗せれる形状にする(図
1)。この際、培養容器の間に空気の層が存在すると、
空気層が緩衝体となり熱の伝達効率が悪くなり、加温時
間がかかることとなるので図2のように底面形状に合わ
せて加工しても良い。高分子ゲルの場合は一般に使用さ
れている蓄熱材のように薄い樹脂性の容器の中に封入
し、培養容器を水平に乗せることのできる形状にするこ
とが重要である。当然のことながら培養容器と加温体が
接することは必要な条件である。
ウェルプレートを上に水平に乗せれる形状にする(図
1)。この際、培養容器の間に空気の層が存在すると、
空気層が緩衝体となり熱の伝達効率が悪くなり、加温時
間がかかることとなるので図2のように底面形状に合わ
せて加工しても良い。高分子ゲルの場合は一般に使用さ
れている蓄熱材のように薄い樹脂性の容器の中に封入
し、培養容器を水平に乗せることのできる形状にするこ
とが重要である。当然のことながら培養容器と加温体が
接することは必要な条件である。
【0015】図3のように加温体のブロック中ににパイ
プを通し、パイプの中に37℃の温水や油を循環させる
ことにより、加温体の温度の低下を抑えてもよい。また
ブロックそのものを37℃のインキュベーター内に入れ
て全体を加熱することもできる。また、マルチウェルプ
レートそのものは、解凍後、免疫分析法の吸光度測定
や、化学発光測定、蛍光測定や、酵素活性の検出のため
の比色法等の測定に直接使用するため、その必要に応じ
て、透明樹脂を用いたり、白色や黒色の樹脂を用いるこ
とが出来る。
プを通し、パイプの中に37℃の温水や油を循環させる
ことにより、加温体の温度の低下を抑えてもよい。また
ブロックそのものを37℃のインキュベーター内に入れ
て全体を加熱することもできる。また、マルチウェルプ
レートそのものは、解凍後、免疫分析法の吸光度測定
や、化学発光測定、蛍光測定や、酵素活性の検出のため
の比色法等の測定に直接使用するため、その必要に応じ
て、透明樹脂を用いたり、白色や黒色の樹脂を用いるこ
とが出来る。
【0016】
【実施例】(実施例1)透明塩ビシートをマルチウェル
プレート状に加工したものを、紫外線滅菌し、ウェル底
面に0.2μmの孔径のメンブレンフィルターで濾過滅
菌した塩酸酸性コラーゲン 型溶液0.03%溶液を1
時間入れ、コラーゲンを塗布した。ヒト肝細胞癌由来株
細胞のHepG2細胞を、ダルベッコ改変イーグル培地
(DMEM)に10%のウシ胎児血清を加えた培養液で
1X106細胞/mLに懸濁し、プレートの各ウェルの
100μLづつ分注した。(最終細胞濃度1X105細
胞/mL)細胞播種後プレートは、37℃、炭酸ガス濃
度5%の炭酸ガス培養器中で一晩培養した。光学顕微鏡
による形態観察で、細胞がプレートに接着しているのを
確認した後、培養液を、細胞凍結保存用培地に交換し、
−20℃の冷凍庫で培養細胞ごと凍結させた。凍結後は
−80℃の冷凍庫中で保存。−80℃の冷凍庫保存3日
目に、凍結したプレートを冷凍庫より取り出し、37℃
のインキュベーター中で加温処理し、凍結を解凍した。
プレート状に加工したものを、紫外線滅菌し、ウェル底
面に0.2μmの孔径のメンブレンフィルターで濾過滅
菌した塩酸酸性コラーゲン 型溶液0.03%溶液を1
時間入れ、コラーゲンを塗布した。ヒト肝細胞癌由来株
細胞のHepG2細胞を、ダルベッコ改変イーグル培地
(DMEM)に10%のウシ胎児血清を加えた培養液で
1X106細胞/mLに懸濁し、プレートの各ウェルの
100μLづつ分注した。(最終細胞濃度1X105細
胞/mL)細胞播種後プレートは、37℃、炭酸ガス濃
度5%の炭酸ガス培養器中で一晩培養した。光学顕微鏡
による形態観察で、細胞がプレートに接着しているのを
確認した後、培養液を、細胞凍結保存用培地に交換し、
−20℃の冷凍庫で培養細胞ごと凍結させた。凍結後は
−80℃の冷凍庫中で保存。−80℃の冷凍庫保存3日
目に、凍結したプレートを冷凍庫より取り出し、37℃
のインキュベーター中で加温処理し、凍結を解凍した。
【0017】(実施例2)実施例1と同様に培養を実
施。解凍時、マルチウェルプレートの形状に加工したア
ルミブロックを37℃のインキュベーター中で加温して
おき、培養細胞凍結用マルチプレートを乗せ解凍した。
施。解凍時、マルチウェルプレートの形状に加工したア
ルミブロックを37℃のインキュベーター中で加温して
おき、培養細胞凍結用マルチプレートを乗せ解凍した。
【0018】(比較例)市販の組織培養用96ウェルプ
レート(ポリスチレン製)に実施例と同じように、He
pG2細胞を播種、10%ウシ胎児血清を加えたダルベ
ッコ改変イーグル培地培養し、凍結させた。凍結直前に
培地に10%になるようにジメチルスルホキシドを加え
てから凍結させた。凍結後の解凍は実施例と同じ方法を
取った。 上記のように、実施例1、2において凍結状態の解凍時
間が短縮されそれにより細胞生存率が向上したことは明
らかであり、本発明により、細胞を培養状態で凍結保存
できさらに解凍により十分な生存細胞を得ることが可能
であることが証明された。
レート(ポリスチレン製)に実施例と同じように、He
pG2細胞を播種、10%ウシ胎児血清を加えたダルベ
ッコ改変イーグル培地培養し、凍結させた。凍結直前に
培地に10%になるようにジメチルスルホキシドを加え
てから凍結させた。凍結後の解凍は実施例と同じ方法を
取った。 上記のように、実施例1、2において凍結状態の解凍時
間が短縮されそれにより細胞生存率が向上したことは明
らかであり、本発明により、細胞を培養状態で凍結保存
できさらに解凍により十分な生存細胞を得ることが可能
であることが証明された。
【0019】
【発明の効果】本発明の培養細胞凍結用マルチウェルプ
レートで細胞を培養することにより、細胞を培養状態で
凍結させられ、細胞が必要な時に凍結融解させ、細胞を
用いた実験が行えるので、細胞が増えるのを待ったり、
細胞を常に培養しておく必要が無く、時間的、経済的な
無駄を減らすことが出来る。
レートで細胞を培養することにより、細胞を培養状態で
凍結させられ、細胞が必要な時に凍結融解させ、細胞を
用いた実験が行えるので、細胞が増えるのを待ったり、
細胞を常に培養しておく必要が無く、時間的、経済的な
無駄を減らすことが出来る。
【図1】加温体の上にのせた培養細胞凍結用マルチウェ
ルプレートを示す。
ルプレートを示す。
【図2】培養細胞凍結用マルチウェルプレート器と加温
体の接触部の断面図である。
体の接触部の断面図である。
【図3】温度変化を防ぐための熱循環経路を有する加温
体である。
体である。
11 培養細胞凍結用マルチウェルプレート 12 加温体 13 培養細胞 14 熱循環経路
Claims (3)
- 【請求項1】 細胞を培養した状態で培養器ごと凍結さ
せ、必要時に解凍して培養するためのマルチウェルプレ
ートであって、マルチウェルプレートは多数の細胞を培
養するための区画からなり、解凍時に細胞を培養する区
画の外側から加熱手段で加温することを特徴とする培養
細胞凍結用マルチウェルプレート。 - 【請求項2】 マルチウェルプレートがプラスチック樹
脂からなり、細胞培養部の樹脂の肉厚が0.5mm以下
である請求項1記載の培養細胞凍結用マルチウェルプレ
ート。 - 【請求項3】 マルチウェルプレート外周部が、手や装
置のアームで保持できるように肉厚が0.5mm以上で
ある請求項1記載の培養細胞凍結用マルチウェルプレー
ト。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26828598A JP2001252067A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 培養細胞凍結用マルチウェルプレート |
AU57576/99A AU5757699A (en) | 1998-09-22 | 1999-09-21 | Multiwell plate for freezing cultured cells |
PCT/JP1999/005142 WO2000017316A1 (fr) | 1998-09-22 | 1999-09-21 | Plaque a cupules multiples, pour la congelation de cellules de culture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26828598A JP2001252067A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 培養細胞凍結用マルチウェルプレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001252067A true JP2001252067A (ja) | 2001-09-18 |
Family
ID=17456421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26828598A Pending JP2001252067A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 培養細胞凍結用マルチウェルプレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001252067A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002528108A (ja) * | 1998-10-29 | 2002-09-03 | ハンス−ノウル−インスティチュウト フュル ナトゥルストフ−フォルスチャング エー.ファウ | 熱通過阻止熱サイクル用超薄マルチウェルプレート |
KR100850376B1 (ko) | 2007-06-22 | 2008-08-04 | 제이엘 이엔지(주) | 미생물 고체배양용 배양장치 |
JP2010521148A (ja) * | 2007-03-13 | 2010-06-24 | プロウボウスト・フェロウズ・アンド・スカラーズ・オブ・ザ・カレッジ・オブ・ザ・ホリー・アンド・アンデバイデッド・トリニティ・オブ・クイーン・エリザベス・ニア・ダブリン | 物質及び器具 |
-
1998
- 1998-09-22 JP JP26828598A patent/JP2001252067A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002528108A (ja) * | 1998-10-29 | 2002-09-03 | ハンス−ノウル−インスティチュウト フュル ナトゥルストフ−フォルスチャング エー.ファウ | 熱通過阻止熱サイクル用超薄マルチウェルプレート |
JP2010521148A (ja) * | 2007-03-13 | 2010-06-24 | プロウボウスト・フェロウズ・アンド・スカラーズ・オブ・ザ・カレッジ・オブ・ザ・ホリー・アンド・アンデバイデッド・トリニティ・オブ・クイーン・エリザベス・ニア・ダブリン | 物質及び器具 |
KR100850376B1 (ko) | 2007-06-22 | 2008-08-04 | 제이엘 이엔지(주) | 미생물 고체배양용 배양장치 |
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