JP2003294741A - 細胞機能測定用マイクロチップ - Google Patents

細胞機能測定用マイクロチップ

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JP2003294741A
JP2003294741A JP2002094067A JP2002094067A JP2003294741A JP 2003294741 A JP2003294741 A JP 2003294741A JP 2002094067 A JP2002094067 A JP 2002094067A JP 2002094067 A JP2002094067 A JP 2002094067A JP 2003294741 A JP2003294741 A JP 2003294741A
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cells
microchip
cell culture
measurement
cell function
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JP2002094067A
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Kenji Kawamura
健司 河村
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養細胞からの微量物質の抽出が簡便で効率
よく可能で、試料に液性物質を供給できること容器を提
供すること。 【解決手段】細胞機能測定用のマイクロチップであっ
て、細胞培養部及び測定チップ部からなり、該細胞培養
部には細胞が培養されていることを特徴とする細胞機能
測定用マイクロチップであり、該細胞培養部はプラスチ
ック成型品よりなり、かつ凍結保存することが可能であ
ることを特徴とする細胞機能測定用マイクロチップであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、創薬やバイオテク
ノロジー分野などに用いられる細胞機能測定用マイクロ
チップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にマイクロチップは、DNAの解
析や微量物質の測定、モニタリングなどの化学測定をマ
イクロチップ上に集積、微細化して、検体の微量かつ迅
速な反応に利用できることが期待されている。すでにD
NAの高速分析を志向したマイクロ電気泳動チップやD
NAアレイチップの研究がなされており、欧米では既に
市場に出ている。また、日本においても微量迅速測定の
可能性から、種々のアプローチがなされているが、その
多くは化学測定の微量が主体の研究である。
【0003】こうした微量分析の対象として重要なもの
が生体由来成分があり、細胞を用いたマイクロチップの
研究も多数なされている。例えば、RBL−2H3細胞
をポリジメチルシロキサナン上で培養し細胞のアレルギ
ー応答の検出を行うチップの研究(松原泰孝ら、化学と
マイクロシステム研究会講演要旨、Vol.3、P71
(2001))や、神経細胞のマイクロチップ上での培
養(火原彰秀ら、固体物理、Vol.36、P883−
889(2001))等がある。
【0004】以上のような培養細胞を用いたマイクロチ
ップの最大の問題は、用いる細胞が生きているというこ
とであり、その生存には栄養や酸素の補給が不可欠であ
ると言うことと、栄養状態が良好である細胞は増殖する
性質を持っており細胞数が増えつづけることである。一
般的に細胞は増殖しつづけると培養容器一杯になり増殖
停止しやがて死滅する。薬品処理などにより細胞の増殖
を停止することは可能であるが、そうした場合、細胞が
正常な状態であるとは言いがたく、その細胞を用いて得
られた結果は正常な細胞機能を反映しているとは考えら
れない。正常な状態で細胞を用いたチップを用いる場合
は培養細胞の状態を確認しながら測定に用いるしか方法
がない。従っていかに細胞を正常な状態でチップ上に保
持するか、または保存してできるかが細胞を用いたマイ
クロチップの開発のポイントとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、創薬やバイ
オテクノロジー分野などに用いられるマイクロチップに
関するものであり、培養細胞からの微量物質の抽出が簡
便で効率よく可能で、試料に液性物質を供給できること
容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、細胞
機能測定用のマイクロチップであって、細胞培養部及び
測定チップ部からなり、該細胞培養部には細胞が培養さ
れていることを特徴とする細胞機能測定用マイクロチッ
プであり、好ましくは該細胞培養部はプラスチック成型
品よりなり、かつ凍結保存することが可能である細胞機
能測定用マイクロチップである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるマイクロチッ
プは、細胞を培養ための部分とそれを利用する測定部の
二つの部分からなるマイクロチップであり、その二つの
部分は別々に分けても、また一体の構造でもどちらでも
良い。まず、細胞を培養ための部分に必要な特性は細胞
が培養可能であることと、雑菌等の分析結果に悪影響を
及ぼすと考えられる汚染が無いこと、さらに必要な時に
使用できるよう細胞が生きている状態で保存できること
が重要である。細胞を培養するためには、ポリスチレン
等の樹脂成形品の表面をコロナ放電処理やプラズマ処理
によって親水化処理することで細胞が接着培養できるよ
うになる。また、これらの成形品はエチレンオキサイド
ガス滅菌や、放射線滅菌をほどこすことが可能で、クリ
ーンベンチなどの雑菌のいないクリーンな環境下で使用
することで、雑菌汚染を防ぐことが可能である。ガラス
製の容器の場合も同様であるが、この場合の表面親水化
処理は硫酸などの強酸で培養面を処理することが有効で
あり、さらに滅菌に関しては最も簡便な蒸気滅菌を用い
ることが可能である。
【0008】必要時まで保存するための方法は、細胞の
場合、凍結保存しか方法がない。細胞の凍結保存は−8
0℃以下の冷凍庫でおよそ3ヶ月であるが、液体窒素中
(−197℃)では、半永久的に保存が可能であり、解
凍後の細胞は保存開始前の細胞機能をほぼ100%維持
している。従って細胞培養部分は凍結保存ができるよう
に設計する必要がある。凍結保存するためには、細胞の
凍結保存に用いるジメチルスルホキシドなどの細胞内の
水の結晶化を防ぐための試薬に対する耐性が必要である
が、細胞培養容器に一般的に使用されるポリスチレン樹
脂を用いれば良い。さらに凍結保存した細胞は、解凍
時、時間をかけずにすばやく解凍することが解凍後の細
胞生存率に重要なことであるとされている。これを満足
するためには細胞培養部の熱の伝わり方が早いことが必
要である。そのためには細胞培養部の容器部分の肉が薄
く扁平な形状など表面積が大きく熱の伝わり易い形状で
あれば良い。そういった点でマイクロチップの形状その
ものが解凍には有利な形状である。細胞培養部と化学分
析部が分離可能であることが望ましいのは、培養部だけ
で解凍するほうが早く解凍でき効率的であるからであ
る。
【0009】細胞培養は、一般的な細胞培養容器である
シャーレを小さくした形状のものが簡便であるが、これ
に限定されるものではなくマイクロプレート上に収まり
をよくするため楕円形や多角形であってもよい。細胞培
養のためには図1に示すようにマイクロプレート形状を
したものが便利である。こうしたマイクロプレート形状
の下部の細胞培養部のみを取り外しできるようにすれば
測定部に管単に取り付けることができ便利である。ま
た、解凍にも有利である。細胞からの分泌物や抽出物を
測定に用いるためには培養部から溶液を取り出す必要が
あり、そのためには細胞培養部の一部に切り欠けを設け
たり、溶液は通過するが細胞は通過できない孔を持つフ
ィルターを設けたりすることが重要である。
【0010】もう一方の測定部は、化学分析のための反
応溶液を流すための流路や測定のための反応部を具えて
いることが必須の条件である。溶液を流すための流路は
細胞から回収される微量な物質を確実に測定に使用でき
るように物質吸着しない表面処理がなされていることが
好ましい。例えば、シリコン処理などの超撥水処理や、
逆にリン脂質コートなどによる超親水化処理である。測
定のための反応部は逆に微量物質を吸着させる必要があ
り、コロナ放電処理やプラズマ処理等の表面処理がほど
こされている必要がある。また、表面を酸化処理した
後、アミノシランカップリング剤で処理して表面に反応
性の高いアミノ基を導入したりすることや、表面酸素プ
ラズマ処理してカルボキシル基を導入することも可能で
あり有効である。また、測定する手法に応じて測定部を
ガラスクリアな状態にしたり、黒色や白色などの着色を
ほどこしても良い。
【0011】
【実施例】(実施例1)底面の直径が13.5mm、高
さ3mmで側面の一部を底面から1mmの位置まで切り
欠いた透明ポリスチレン樹脂製のカップを成形した。細
胞培養用24ウェルプレート(住友ベークライト製MS
−80240)の内側に挿入し、放射線滅菌したものを
準備した。上記の容器にヒト肝癌由来のHepG2細胞
を5x105細胞/1mLの濃度で10%ウシ胎児血清
を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に分散
させた細胞分散液を分種した後、37℃、5%炭酸ガス
条件で培養した。3日間培養した後、培地を10%ジメ
チルスルホキシド含有のDMEMに交換し、24ウェル
プレートよりカップを取り出し滅菌済みのアルミ蒸着袋
に入れ、さらに発泡スチロールケースの中に入れて−8
0℃の冷凍庫に入れ徐冷し細胞培養部を凍結した。1週
間―80℃の冷凍庫中で保存した後、37℃の温水中で
急速解凍した。アルミ包剤より細胞培養部を取り出し、
測定チップに乗せて培地をDMEMに交換し、24時間
培養後、培地中に細胞より分泌されたアルブミン及びα
−フェトプロテインを抗アルブミン抗体を固定化した測
定チップ及び抗α−フェトプロテイン抗体を固定したチ
ップを用いてELISAで測定した。
【0012】(比較例1)実施例1と同じ容器を用い
て、HepG2細胞を実施例と同じ条件で培養、3日間
培養後、培地中に分泌されたアルブミン及びα−フェト
プロテインを実施例と同様にELISA法で測定した。
【0013】(結果)旧光度測定結果を表1に示す。結
果より明らかなように、凍結前後でアルブミン及びα―
フェトプロテインの分泌量に差は見られず、細胞培養部
の凍結が良好であることが証明された。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明の容器の使用により、培養細胞を
用いたマイクロチップを用いた化学測定が任意の時間に
必要量、実施することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の細胞機能測定用マイクロチップの概
略図
【図2】 培養時の細胞培養部
【符号の説明】
11 細胞培養部 11 測定部 12 検出部 13 試薬導入部 14 ドレーン 15 24ウェルプレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞機能測定用のマイクロチップであっ
    て、細胞培養部及び測定チップ部からなり、該細胞培養
    部には細胞が培養されていることを特徴とする細胞機能
    測定用マイクロチップ。
  2. 【請求項2】 細胞培養部はプラスチック成型品または
    ガラスよりなり、かつ凍結保存することが可能である請
    求項1の細胞機能測定用マイクロチップ。
JP2002094067A 2002-03-29 2002-03-29 細胞機能測定用マイクロチップ Pending JP2003294741A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145341A1 (ja) * 2006-06-16 2007-12-21 Absize Inc. 細胞配列用マイクロチップ及び細胞配列方法
WO2007145342A1 (ja) * 2006-06-16 2007-12-21 Absize Inc. 細胞分取用マイクロチップ及び細胞分取方法
WO2011000572A1 (de) 2009-07-02 2011-01-06 Patenthandel Portfoliofonds I Gmbh & Co. Kg Verfahren und vorrichtung zum nachweis von biologischen langzeiteffekten in zellen
JP2020130152A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 ヤマト科学株式会社 保存容器および解凍装置

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JP2020130152A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 ヤマト科学株式会社 保存容器および解凍装置
JP7266796B2 (ja) 2019-02-26 2023-05-01 ヤマト科学株式会社 保存容器および解凍装置

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