JP2001251962A - アツモリソウ属植物用培養液,アツモリソウ属植物用培地及びアツモリソウ属植物の培養方法 - Google Patents

アツモリソウ属植物用培養液,アツモリソウ属植物用培地及びアツモリソウ属植物の培養方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発芽率を向上させ、また、発芽後の培養中の
褐変死の発生を抑えて生存率を高め一度に大量の苗を生
産することができるようにする。 【解決手段】 種子選別工程と、種子を培養液に混合し
て培地に播種する無菌播種工程と、発芽するまで培養す
る発芽培養工程と、発芽し器官分化したものを培地を替
えて継代培養する継代培養工程と、継代培養工程で生育
した培養苗を低温の環境下にさらす低温処理工程と、そ
の後、用土に植え替える鉢上げ工程とを備えた。上記培
養液を、当該培養液1000ml中に添加物として、サ
ッカロース0〜10gと、木酢液0.1〜2.0ml
と、ビタミン類8〜45mgと、植物活性剤0.1〜
1.0mlとを含有して構成し、上記培地を当該培地用
水溶液1000ml中に添加物として、窒素,リン及び
カリウムを含有する肥料1〜3gと、ぺプトン1〜3g
と、糖類10〜30gと、植物活性剤0.2〜1.0m
lと、ビタミン類16〜70mgとを含有して構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラン科のアツモリ
ソウ属植物を大量に増殖させ、生育させるためのアツモ
リソウ属植物用培養液,アツモリソウ属植物用培地及び
アツモリソウ属植物の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アツモリソウ属植物とは、ラン
(蘭)科の一種で、シプリペジュウム属とも言われ、例
えば、その種類として、アツモリソウ,ホテイアツモリ
ソウ,レブンアツモリソウ,カラフトアツモリソウ等が
知られている。アツモリソウ属植物は幻の山野草と言わ
れ、特にアツモリソウは、乱獲のため、絶滅の危機に瀕
していて絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等
に関する法律によって希少野生動植物に登録されている
植物である。また、アツモリソウ属植物は、増殖しにく
い植物であり、その理由のひとつに発芽率が低いという
ことが挙げられる。自然界での発芽率は、10万分の1
とも言われる。これは、普通の草花では、葉や根に成長
する部分や発芽に必要な栄養分が含まれる胚乳が存在し
ているが、アツモリソウの種子にはそれらがなく、胚が
あるのみで、この種子の構造から発芽率が低いと考えら
れている。そのため、近年、このアツモリソウ属植物の
種の保存を図るため、バイオテクノロジー技術を利用し
て発芽率を向上させて増殖させる研究が行なわれてい
る。尚、国の許可を受けアツモリソウの培養に取り組ん
でいる研究施設は、現在の所、国内で12カ所ある。
【0003】従来、アツモリソウ属植物の培養方法とし
ては、例えば、無菌播種により、寒天質の培地上に滅菌
水を流し込み種子を散らすという方法が知られている。
滅菌水としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウムを添加
した水溶液等が知られている(例えば、特開平5−14
8115号公報掲載)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のアツモリソウ属植物の培養方法にあっては、必ず
しも満足できる発芽率を達成できていないという問題が
あった。本願発明者らは、平成7年から研究に取り組ん
でおり、その間、100数種類前後の培地を用い、これ
らの培地上に上記の次亜塩素酸ナトリウムを添加した滅
菌水を使用して種子を広げて試験を行なったが、発芽率
が延びないことが分かった。また、このアツモリソウ属
植物では発芽しても苗に育つ前に植物が褐変死する確率
が高いという問題もあった。褐変死は、植物体が黒色に
変化したフェノール物質を出して褐変して死んでしまう
現象である。従って、従来の培養方法,培地,培養液で
は発芽率の向上は難しく、また、発芽しても培養中に植
物が褐変死することが多く大きな問題となっている。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、発芽率を向上させ、また、発芽後の培養中
の褐変死の発生を抑えて生存率を高め一度に大量の苗を
生産することができるアツモリソウ属植物用培養液,ア
ツモリソウ属植物用培地及びアツモリソウ属植物の培養
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため本願発明者らは、播種する際、培地上に種子を広
げるために使っていた滅菌水の代替用として栄養素を含
んだ培養液を用いることを研究し、その開発に取り組
み、褐変の発生を抑え、発芽率を向上させることのでき
る以下のアツモリソウ属植物用培養液,アツモリソウ属
植物用培地及びアツモリソウ属植物の培養方法を開発し
た。本発明のアツモリソウ属植物用培養液は、アツモリ
ソウ属植物を種子から培養する際に用いられ水に添加物
を添加してなるアツモリソウ属植物用培養液において、
当該培養液1000ml中に、添加物として、糖類0〜
10gと、木酢液0.1〜2.0mlと、ビタミン類8
〜45mgと、植物活性剤0.1〜1.0mlとを含有
した構成とした。この培養液を無菌播種に用いると、木
酢液,ビタミン類及び植物活性剤の相互作用によって、
種子が栄養分を吸収し易くなり、プロトコーム形成の促
進が図られ、発芽率が大幅に向上させられる。また、発
芽後の継代培養中に添加することにより植物体の褐変の
発生が抑えられ、褐変死させることが抑制され、更に植
物体が栄養分を良く吸収して順調に生育させられ、生存
率が大幅に向上させられる。
【0007】そして、必要に応じ、上記培養液をpH
5.5〜6.0とすることが有効である。pHをアツモ
リソウの自生地のpHに近い値にすることにより、発芽
及び培養の環境を最適にでき、発芽率の向上と生育良好
とすることができる。また、必要に応じ、上記添加物と
して糖類を含有した構成とした。この場合、上記培養液
1000ml中に糖類を1〜10g含有したことが有効
である。そして、必要に応じ、上記糖類をサッカロース
とした。そしてまた、必要に応じ、上記ビタミン類を塩
酸チアミンとした構成とした。この場合、上記塩酸チア
ミンを1〜10mg含有したことが有効である。また、
必要に応じ、上記ビタミン類をニコチン酸とした構成と
した。この場合、上記ニコチン酸を1〜5mg含有した
ことが有効である。また、必要に応じ、上記ビタミン類
を塩酸ピリドキシンとした構成とした。この場合、上記
塩酸ピリドキシンを1〜10mg含有したことが有効で
ある。更にまた、必要に応じ、上記ビタミン類をミオイ
ノシトールとした構成とした。この場合、上記ミオイノ
シトールを5〜20mg含有したことが有効である。ラ
ン科植物の培養ではビタミン類が培養を促進させる効果
があることが多く、その選択は重要であるが、上記のビ
タミンを添加することにより、発芽及び継代培養中、植
物体にビタミンがバランス良く有効に作用する。
【0008】そして、必要に応じ、上記植物活性剤は、
粗タンパク質0.05〜0.15重量%、粗脂肪0.3
〜0.5重量%、無機質として、Na35〜45mg/
l、Ca30〜35mg/l、Fe1.5〜2.0mg
/l、Mg3.0〜4.0mg/l、Si7.0〜8.
0mg/l、N90〜100mg/lを備えている。植
物活性剤の添加により、栄養バランスが良く、発芽を促
進させる効果を発揮させる。
【0009】そして、本発明のアツモリソウ属植物用培
地は、アツモリソウ属植物を種子から培養する際に用い
られ、水に添加物を添加した水溶液をゲル状にしたアツ
モリソウ属植物用培地において、上記水溶液1000m
l中に添加物として、窒素,リン及びカリウムを含有す
る肥料1〜3gと、ぺプトン1〜3gと、糖類10〜3
0gと、植物活性剤0.2〜1.0mlと、ビタミン類
16〜70mgとを含有している。この培地を無菌播種
に用いることにより、プロトコーム形成の促進を図るの
で発芽率を向上させることができる。また、必要に応
じ、上記植物活性剤の替わりにポテトキューブを培地5
0ml中0.5〜1.5g添加する構成とした。そし
て、必要に応じ、上記水溶液をpH5.5〜6.0とす
る構成とした。pHをアツモリソウの自生地のpHに近
い値とすることにより、発芽及び培養の環境を最適にで
き、発芽率の向上と生育良好とすることができる。
【0010】また、必要に応じ、上記糖類をサッカロー
スとした構成とした。そして、必要に応じ、上記ビタミ
ン類を塩酸チアミンとした構成とした。この場合、上記
塩酸チアミンを5〜20mg含有したことが有効であ
る。そしてまた、必要に応じ、上記ビタミン類をニコチ
ン酸とした構成とした。この場合、上記ニコチン酸を1
〜10mg含有したことことが有効である。更にまた、
必要に応じ、上記ビタミン類を塩酸ピリドキシンとした
構成とした。この場合、上記塩酸ピリドキシンを5〜2
0mg含有したことが有効である。また、必要に応じ、
上記ビタミン類をミオイノシトールとした構成とした。
この場合、上記ミオイノシトールを5〜20mg含有し
たことが有効である。ラン科植物の培養ではビタミン類
が培養を促進させる効果があることが多く、その選択は
重要であるが、上記のビタミンを添加することにより、
発芽及び継代培養中、植物体にビタミンがバランス良く
有効に作用する。
【0011】そして、必要に応じ、上記植物活性剤は、
粗タンパク質0.05〜0.15重量%、粗脂肪0.3
〜0.5重量%、無機質として、Na35〜45mg/
l、Ca30〜35mg/l、Fe1.5〜2.0mg
/l、Mg3.0〜4.0mg/l、Si7.0〜8.
0mg/l、N90〜100mg/lを備えている。植
物活性剤の添加により、栄養バランスが良く、発芽の促
進させる効果を発揮させる。そして、必要に応じ、上記
ゲル化剤としてゲランガムを用いた構成とした。このこ
とにより、発芽及び発育に効果がある。
【0012】また、必要に応じ、上記水溶液中に添加物
として活性炭を含有した構成とした。活性炭を添加する
ことにより、発芽後の継代培養中において植物体の褐変
の発生を抑えるので褐変死させることなく生育させて生
存率を高めることができる。この場合、上記活性炭を
0.5〜3g含有したことが有効である。
【0013】また、本発明のアツモリソウ属植物の培養
方法は、アツモリソウ属植物を種子から培養するアツモ
リソウ属植物の培養方法において、選別して使用する種
子を得る種子選別工程と、得られた種子を培養液を用い
て無菌的に固形培地に播種する無菌播種工程と、播種
後、発芽するまで培養する発芽培養工程と、発芽し器官
分化したものを培地を替えて継代培養する継代培養工程
と、培養苗がある一定の大きさに生育したら低温の環境
下にさらす低温処理工程と、低温処理終了後、用土に植
え替える鉢上げ工程とを備えた構成とした。これによ
り、培地に種子を播種した後、プロトコームが形成され
発芽率が驚異的に向上する。培地に種子を播種して無菌
播種から栄養、温度、湿度等の条件を理想的な状態で生
育して苗まで成長させたアツモリソウ属植物を自然の栽
培環境に移す鉢上げ前に低温処理が行なわれ、苗が環境
の変化に対して丈夫になり順化が順調に行なわれる。
【0014】そして、必要に応じ、上記培養液を培地と
は異なる組成の培養液とする構成とした。このことによ
り、培地の成分による要素だけでなく、培養液の成分の
要素も加わるので栄養が豊富となり、発芽を促進させる
ことができる。また、必要に応じ、上記発芽培養工程に
おいて、播種した培地を暗黒下において培養する構成と
した。アツモリソウ属植物は光に敏感で、光に当てると
褐変が発生して褐変死してしまう。また、必要に応じ、
上記発芽培養工程において、播種した培地を10〜25
℃の環境において培養する構成とした。アツモリソウ属
植物の培養において最適な温度であり、25℃より高い
と褐変が発生して褐変死してしまう。また、10℃に満
たない温度では、生育が遅く、褐変も発生して褐変死し
てしまう。
【0015】そして、必要に応じ、上記継代培養工程に
おいて、培地に培養液を添加する構成とした。種子や発
芽直後の植物体及び幼い苗において乾燥に耐えることが
できず死んでしまう危険性が高いが、培養液を添加する
ことにより乾燥することなく、また、液体のため栄養素
を吸収し易く、更には発芽後の培養中の褐変死の発生を
抑えて生存率を高めることができる。また、必要に応
じ、上記継代培養工程において、培地を10〜25℃の
環境において培養する構成とした。アツモリソウ属植物
の培養において最適な温度であり、25℃より高いと褐
変が発生して褐変死してしまう。また、10℃に満たな
い温度では、生育が遅く、褐変も発生して褐変死してし
まう。
【0016】そして、必要に応じ、上記低温処理工程に
おいて、低温処理期間を30〜90日とした構成とし
た。この場合、望ましくは、上記低温処理工程におい
て、低温処理期間を60日±5日としたことが有効であ
る。アツモリソウ属植物において、培養によって順調に
生育した苗を自然環境においても生育させるために低温
下に置く春化処理が90日以上必要とされている。しか
し、本発明の培養方法では、60日±5日程度の低温処
理工程において春化処理と同様の効果が得られる。
【0017】更にまた、必要に応じ、上記低温処理工程
において、低温処理温度を0〜10℃とした構成とし
た。0℃より低温であると、幼苗が凍り、壊死してしま
う。また、10℃より温度が高くなると、低温処理の効
果が見られず順調に成長しない。この場合、望ましく
は、上記低温処理工程において、低温処理温度を3〜5
℃としたことが有効である。
【0018】また、この培養方法において用いる培養液
は「請求項1〜14」に挙げた培養液が望ましく、同様
に培地も「請求項15〜30」に挙げた培地を用いるこ
とが望ましい。この場合、発芽率が80%以上になり、
発芽後の生存率も70%以上となり、アツモリソウ属植
物の大量増殖が可能となり、鉢上げ後の苗を供給でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係るアツモリソウ属植物用培養液,アツ
モリソウ属植物用培地及びアツモリソウ属植物の培養方
法を説明する。アツモリソウ属植物用培養液及びアツモ
リソウ属植物用培地はアツモリソウ属植物の培養方法に
おいて用いられるので、この培養方法の説明において説
明する。
【0020】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属
植物の培養方法は、図1乃至3に示すように、選別して
使用する種子を得る種子選別工程(1)と、得られた種
子を無菌的に固形培地に播種する無菌播種工程(2)
と、播種後、発芽するまで培養する発芽培養工程(3)
と、発芽し器官分化したものを培地を替えて継代培養す
る継代培養工程(4)と、培養苗がある一定の大きさに
生育したら低温の環境下にさらす低温処理工程(5)
と、低温処理終了後、用土に植え替える鉢上げ工程
(6)からなる。以下に各工程を詳しく説明する。
【0021】(1)種子選別工程 先ず、無菌播種に使用する培養に適した優良なアツモリ
ソウの種子を以下のようにして得る。 人工交配 開花から30日以内、望ましくは開花から1週間以内ま
での花を選び花粉を採取して交配先となる株の受精先に
花粉を受粉させ交配を完了させる。 さやの保護 人工交配終了後、交配が確認できたら直ちに病害虫によ
る被害から防ぐためさや全体を袋で覆う。また、袋で覆
わない場合には、定期的に殺菌剤をさやにかける。 さやの採取時期 人工交配終了後、40〜120日までのさや、望ましく
は、60〜80日のさやを採取し無菌播種の材料として
使用する。ここで、アツモリソウでは胚の形成が始まる
交配後60日前後の種子が最も発芽率が高く、望まし
い。交配後40日に満たないと胚が充分に形成されてお
らず、交配後80日を過ぎると発芽率が低下する。 種子選別 採取したさやを殺菌処理した後、さやから種子を取出
し、顕微鏡にて種子内部にある胚を観察し選別する。種
子は、発芽能力が高いものの特徴である胚の形状が丸み
を帯びていて、かつ、胚の色が白又は黄色のものを選
ぶ。胚の色が白又は黄色のものは、発芽抑制物質の影響
を受けていないため、発芽し易い。逆に胚の形状が細
く、米状のものは発芽能力が低い。また、胚の色が茶色
又は黒っぽいものは発芽能力が極めて低い。
【0022】(2)無菌播種工程 選別した種子を培養液に入れて、無菌的に発芽の際に用
いる発芽用培地に播種する。培養液中の種子を培地に流
し入れて種子が培地全体に広がるように拡散する。この
ときフラスコ内の種子は約300〜1000個である。
【0023】ここで用いる培養液は、本発明の実施の形
態に係る培養液であり、サッカロース0〜10gと、木
酢液0.1〜2.0mlと、ビタミン類として塩酸チア
ミン1〜10mg,ニコチン酸1〜5mg,塩酸ピリド
キシン1〜10mg及びミオイノシトール5〜20mg
と、植物活性剤0.1〜1.0mlとを用い、これらの
添加物に蒸留水を加え、0.1Nの塩酸や0.1Nの水
酸化ナトリウムを用いてpH5.5〜6.0に調整した
培養液1000mlを得た。その後、オートクレーブで
高圧殺菌し、無菌室内で放冷する。ここで、植物活性剤
としては、例えば、市販されている商品であるHB10
1(株式会社フローラ社製)やメネデール(株式会社メ
ネデール化学研究所社製)が用いられる。植物活性剤
は、粗タンパク質0.05〜0.15重量%、粗脂肪
0.3〜0.5重量%、無機質として、Na35〜45
mg/l、Ca30〜35mg/l、Fe1.5〜2.
0mg/l、Mg3.0〜4.0mg/l、Si7.0
〜8.0mg/l、N90〜100mg/lを備えてい
る。例えば、植物活性剤としては、市販されている商品
であるHB101(株式会社フローラ社製)やメネデー
ル(株式会社メネデール化学研究所社製)が用いられ
る。
【0024】また、ここで用いる培地は、本発明の実施
の形態に係るアツモリソウ属植物用培地であり、窒素が
6.5,リン酸が6及びカリウムが19の比率(重量
%)で含有されている肥料(市販されている商品名「ハ
イポネックス」(株式会社ハイポネックス社製))1〜
3gと、ペプトン1〜3gと、サッカロース10〜30
gと、ビタミン類として塩酸チアミン5〜20mg,ニ
コチン酸1〜10mg,塩酸ピリドキシン5〜20mg
及びミオイノシトール5〜20mgと、植物活性剤0.
1〜1.0mlとを用い、これらの添加物に蒸留水を加
え、0.1Nの塩酸や0.1Nの水酸化ナトリウムを用
いてpH5.5〜6.0に調整して1000mlの水溶
液を得る。そして、この水溶液に、ゲル化剤としてゲラ
ンガム3〜4gを加え、その後、攪拌しながら加熱して
ゲランガムを溶かし、フラスコに約50mlずつ分注
し、オートクレーブで高圧殺菌して、無菌室内で放冷し
て、凝固させる。植物活性剤としては、上述したと同様
の成分を有し、例えば、市販されている商品であるHB
101(株式会社フローラ社製)やメネデール(株式会
社メネデール化学研究所社製)が用いられる。尚、培地
に含まれるビタミン類は上述した培養液の2倍の重量と
なる。
【0025】(3)発芽培養工程 無菌播種終了後、室温を15〜20℃に設定し暗黒下に
置き培養を開始する。尚、培養を暗黒下で行なうのは、
光に当たると種子が褐変して死滅してしまうためであ
る。播種後、約2〜3カ月で、PLB(プロトコーム)
が見られ発芽する。その後、器官分化が見られるまで、
培養する。 (4)継代培養工程 発芽し器官分化したものを培地を替えて継代培養する。
ここで用いる培地は、発芽用培地に活性炭を0.5〜
3.0g加えた組成の継代培養用培地である。活性炭を
加えた継代培養用培地にピンセットを使い移して、培地
上に培養液を培地50ml中に約0.5〜1.0ml添
加した後、暗黒下に置き、室温を10〜25℃に設定し
て培養を開始する。継代培養は1〜6カ月行なう。この
間、培地の植え替えを上記と同様に1〜5回行ない、そ
の際に培養液も添加する。ここで、培養苗の生育を進め
たいとき、茎葉部の発生が見られたらごくわずかな光
(光量は、0〜2000lux(ルクス))を照射して
も差支えない。
【0026】(5)低温処理工程 培養苗が約10mm以上に成長したら、温度を3〜5℃
に設定して60日以上、低温の環境に置く。アツモリソ
ウ属植物において、培養によって順調に生育した苗を自
然環境においても生育させるために低温下に置く春化処
理が90日以上必要とされている。しかし、本発明の培
養方法では、60日以上の低温処理工程において90日
以上の春化処理と同様の効果が得られる。 (6)鉢上げ工程 低温処理終了後、用土に植え替えて鉢上げする。鉢上げ
は、培地上で生育した培養苗をピンセットを使い取り出
し、水又は殺菌剤を加えた水に浸けて苗を充分に湿らせ
る。次に、予め準備した鉢に用土を加え、その土中に深
さ約1cm程度の穴をつくり苗全体が埋没するように
(植物体を外に出さないようにする)植えつけて鉢上げ
する。栽培開始後、土から植物体が伸長し、生育を開始
する。
【0027】従って、この実施の形態に係る培養方法に
よれば、発芽率が著しく高く、また、培養中に褐変の発
生を抑えて生育させることができるので生存率も高くア
ツモリソウ属植物の大量増殖を図ることができる。ま
た、鉢上げ工程を春に行なうように培養を行なうと、ア
ツモリソウの生育サイクルと季節が一致して鉢上げ後も
アツモリソウを順調に成長させることができる。
【0028】
【実施例】(A)培養液(「遠野培養液」と命名) 本発明の実施例に係る培養液は、図4に示すように、サ
ッカロース10gと、木酢液1.0〜2.0mlと、ビ
タミン類として塩酸チアミン5mg,ニコチン酸2.5
mg,塩酸ピリドキシン5mg及びミオイノシトール1
0mgとを用い、これらの添加物に蒸留水を加えるとと
もに、植物活性剤としてのHB101(株式会社フロー
ラ社製)を0.1〜1.0ml適宜に滴下し、更に、
0.1Nの塩酸や0.1Nの水酸化ナトリウムを用いて
pH5.65に調整して、1000mlの培養液を得
た。この植物活性剤としてのHB101は、粗タンパク
質0.1%、粗脂肪0.4%、無機質として、Na41
mg/l、Ca33mg/l、Fe1.8mg/l、M
g3.3mg/l、Si7.4mg/l、N97mg/
lを備えている。水素イオン濃度(原液)は、pH4.
0である。その後、オートクレーブで高圧殺菌し、無菌
室内で放冷した。
【0029】(B)発芽用培地(「遠野培地」と命名) 本発明の実施例に係る培地は、図5に示すように、肥料
として「ハイポネックス」(株式会社ハイポネックス社
製)を用いた。ここで、「ハイポネックス」は、窒素が
6.5,リン酸が6及びカリウムが19の比率(重量
%)で含有されている肥料である。そして、「ハイポネ
ックス」2gと、ペプトン2gと、サッカロース20g
と、ビタミン類として塩酸チアミン10mg,ニコチン
酸5mg,塩酸ピリドキシン10mg及びミオイノシト
ール20mgとを用い、これらの添加物に蒸留水を加え
るとともに、植物活性剤としてのHB101(株式会社
フローラ社製)0.1〜1.0mlを適宜に滴下し、更
に、0.1Nの塩酸及び0.1Nの水酸化ナトリウムを
用いてpH5.65に調整して、1000mlの水溶液
を得た。この状態の水溶液に、ゲル化剤としてゲランガ
ム3〜4gを、攪拌しながら加熱して溶かし、フラスコ
に約50mlずつ分注し、オートクレーブで高圧殺菌し
て、無菌室内で放冷して、凝固させる。 (C)継代培養用培地(「遠野培地」と命名) 本発明の実施例に係る継代培養用培地は、上記水溶液中
に添加物として活性炭を0.5〜3.0g含有させた組
成のものを用いた。
【0030】培養方法は、上述した実施の形態に従って
行なった。尚、継代培養工程(4)において、継代培養
は1〜6カ月で、培地の植え替えを1〜5回行ない、培
養苗が約10mm以上に成長させた。そして茎葉部が発
生しても光を照射することなく培養した。また、低温処
理工程(5)においては、苗を温度を3〜5℃に設定し
て暗所に60日間、低温の環境に置いた。
【0031】
【実験例】(I−I)発芽用培地の実験 先ず、本発明の実施例に係る培地(B)について比較例
とともに以下の実験をした。発芽用培地の比較例とし
て、MS培地,ハイポネックス培地,MT培地,ナドソ
ンB培地,ナドソンC培地,リングマイヤー・スクーグ
培地,ホワイト培地,ベーシン・ベント培地,ウインバ
ー培地,Burgeft.H.Eg−1培地,カーチ
ス.J培地,山田培地,バナナ蜂蜜(唐澤)培地,フイ
ツシュ・ソリュブル培地,洋ラン用タマネギ培地,GS
培地,京都ソリューション培地,Burgeft N3
F培地,ガンボーグB5培地,ハーバース培地の計20
種類の培地を用いた。これらの培地に、アツモリソウの
種子を無菌播種した。尚、播種の際に種子の拡散のため
に用いたのは滅菌水のみであり、他の工程は、上述した
培養方法と同様である。結果を図6に示す。この結果、
本発明の培地は調整が比較的簡易に行なうことができ、
発芽,生育ともに良好であった。
【0032】(I−II)発芽用培地及び継代培養用培
地の実験 各培地による発芽と生育の違いを調べるため、本発明の
実施例に係る培地(B)及び(C)について比較例とと
もに以下の実験をした。発芽用培地及び継代培養用培地
の比較例として、本発明の培地の成分を1/2にして作
成した培地(本発明の培地の濃度の1/2の培地),ハ
ーバース培地,MT培地,MS培地の計4種類の培地に
アツモリソウの種子を無菌播種した。尚、播種用培地、
継代培養用培地以外は、上述した培養方法と同様に行な
った。そして、播種から2カ月後,4カ月後,6カ月後
の生育した苗の高さを測定した。結果を図7及び8に示
す。本発明の培地(B)及び(C)を順に使用した最終
の発芽率は82.6%と最も高く、本発明の培地の成分
を1/2にして作成した培地の発芽率は71.0%,ハ
ーバース培地の発芽率は70.5%,MT培地の発芽率
は1.4%,MS培地の発芽率は0.6%であった。ま
た、図8において、播種から2カ月後,4カ月後,6カ
月後の生育した苗の高さは、苗20〜30個の平均の値
である。この結果、本発明の培地で培養したアツモリソ
ウの苗は播種から6カ月後に平均値で50mmとなり、
他の培地で培養した苗の平均値より生育したことが分か
る。
【0033】(II)培養液の実験 各培養液による発芽と生育の違いを調べるため、本発明
の実施例に係る培養液について比較例とともに以下の実
験をした。 滅菌水とサッカロースにHB101を添加した液,
滅菌水とサッカロースに木酢液を添加した液,滅菌水
とサッカロースにHB101と木酢液を添加した液,
滅菌水とサッカロースに木酢液とビタミンを添加した液
の培養液を用いて、培養を行なった。また、の液にお
いてHB101の添加濃度を変えた液でも調べてみた。
尚、培養液以外は、上述した培養方法と同様に行なっ
た。結果を図9に示す。この結果から、滅菌水とサッカ
ロースにHB101と木酢液とビタミンを添加した本発
明の培養液が最も褐変の発生を抑え、生育が良好であっ
た。
【0034】(III)培養温度の実験 各培養温度による影響を調べるため、本発明の実施例に
係る培養方法の発芽培養工程(3)において、培養温度
を変えた比較例として以下の実験をした。培養は、10
℃,15℃,20℃,25℃,30℃の各温度で行な
い、各温度の試験数は50個として、培養中に褐変が発
生して発芽しない割合(褐変死率)を調べた。尚、培養
温度以外は、上述した培養方法と同様に行なった。結果
は図10に示すように、25℃の培養では約70%、3
0℃の培養では約95%が褐変して死んでしまい、播種
後の培養温度は10〜20℃で行なうことが最適である
ことが分かった。
【0035】(IV−I)低温処理の効果を調べる実験 低温処理の効果を調べるため、本発明の実施例に係る培
養方法と低温処理を行なわない比較例として以下の実験
をした。低温処理を行なわないで20℃の暗所で60日
間置いて鉢上げした苗と20℃の明所で60日間置いて
鉢上げした苗の生存率を調べた。実施例において低温処
理は、苗を3〜5℃の暗所で60日間であるが、この低
温処理工程において明所においた場合の苗の鉢上げした
後の生存率及びその後の生育も調べた。尚、低温処理以
外の条件は上述した培養方法と同様に行なった。低温処
理を行なわないで鉢上げしたときの苗の生存率の結果
は、図11に示すように、暗所での生存率が7%でかな
り低く、明所でも13%で生存率が低い。これに対し、
低温処理したものは、暗所、明所ともに80%以上の高
い生存率であり、わずかに明所での生存率が高かった。
また、低温処理の暗所と明所のその後の生育の結果は、
図12に示すように、暗所は明所と比較して生育は劣る
が褐変は発生せず、明所では、茎葉部の色が薄くなった
が生育は進んだ。しかし明所ではわずかに褐変が発生し
た。
【0036】(IV−II)低温処理を行なうアツモリ
ソウの成長状態の実験 次に、低温処理を行なうアツモリソウの成長状態を調べ
るために、本発明の実施例に係る培養方法と低温処理を
行なわない比較例として以下の実験をした。実施例で
は、苗が10mm以上に成長した状態で低温処理を行な
った。比較例では、発芽直後のプロトコーム,苗が5m
m程度に成長した状態で低温処理を行なった後の状態及
びその後の生育を調べた。低温処理以外の条件は上述し
た培養方法と同様に行なった。結果は図12に示すよう
に、プロトコームでは生育が止まり褐変死したものが見
られ、5mm程度の植物体では生育に変化が見られず、
10mm以上の植物体(苗)では生育が順調に進んだ。
【0037】(IV−III)低温処理を行なう期間の
実験 次に、低温処理を行なう期間を調べるために、本発明の
実施例に係る培養方法と低温処理を行なわない比較例と
して以下の実験をした。本発明の実施例では60日間低
温処理を行なったが、比較例として、15日,30日,
60日,90日の各期間、約10mmの植物体(苗)を
暗所で3〜5℃で低温処理を行なった。結果は図13に
示すように、60日間,90日間の低温処理を行なった
苗の生育が良好であったことから、60日以上行なうと
低温処理の効果が見られる。
【0038】上記低温処理に関する各実験から、低温処
理は10mm以上に生育した苗を3〜5℃で60日以上
行なうことが最適であり、明るさは、暗所、明所どちら
でも構わないということが分かった。
【0039】尚、上記実施の形態において、培地に植物
活性剤を添加したが、植物活性剤を添加することなく、
ポテトキューブを用いても良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアツモリ
ソウ属植物用培養液によれば、アツモリソウ属植物を種
子から培養する際に用いられ水に添加物を添加してなる
アツモリソウ属植物用培養液において、培養液1000
ml中に、添加物として、木酢液0.1〜2.0ml
と、ビタミン類8〜45mgと、植物活性剤0.1〜
1.0mlとを含有した構成としたことから、液体のた
め種子が栄養分を吸収し易くプロトコームを形成させて
発芽率を向上させることができ、また、発芽後の継代培
養中に添加することにより植物体の褐変の発生を抑える
ので褐変死させることなく、更に植物体が栄養分を吸収
し易いため有効に作用し、順調に生育させて生存率を高
めることができる。
【0041】そして、培養液をpH5.5〜6.0とし
た場合には、発芽及び培養の環境を最適にでき、発芽率
を向上させ生育を良好にすることができる。また、添加
物として糖類を含有した場合には、種子に栄養分を与え
ることができ発芽率が向上する。この場合、培養液10
00ml中に糖類を1〜10g含有したことが有効であ
る。そしてまた、糖類をサッカロースとし、ビタミン類
において、塩酸チアミンを1〜10mg、ニコチン酸を
1〜5mg、塩酸ピリドキシンを1〜10mg、ミオイ
ノシトールを5〜20mg含有した場合には、アツモリ
ソウ属植物の発芽率を向上させ、生育を促進させること
ができる。そして、植物活性剤が、粗タンパク質0.0
5〜0.15重量%、粗脂肪0.3〜0.5重量%、無
機質として、Na35〜45mg/l、Ca30〜35
mg/l、Fe1.5〜2.0mg/l、Mg3.0〜
4.0mg/l、Si7.0〜8.0mg/l、N90
〜100mg/lを備えている場合には、バランスが良
く、発芽促進をさせることができる。
【0042】そして、本発明のアツモリソウ属植物用培
地によれば、アツモリソウ属植物を種子から培養する際
に用いられ水に添加物とゲル化剤を添加してゲル状にし
たアツモリソウ属植物用培地において、窒素,リン及び
カリウムを含有する肥料1〜3gと、ぺプトン1〜3g
と、糖類10〜30gと、植物活性剤0.2〜1.0m
lと、ビタミン類16〜70mgとを用い、これらの添
加物を水に混合して1000mlとした水溶液をゲル状
としたので、この培地を無菌播種に用いることにより、
プロトコームを形成させて発芽率を向上させることがで
きる。また、植物活性剤の替わりにポテトキューブを培
地50ml中0.5〜1.5g添加する場合には、ポテ
トの養分を種子に与えることができる。そして、培地を
pH5.5〜6.0とした場合には、発芽及び培養の環
境を最適にでき、発芽率の向上と生育を良好にすること
ができる。
【0043】そしてまた、糖類をサッカロースとし、ビ
タミン類において、塩酸チアミンを5〜20mg、ニコ
チン酸を1〜10mg、塩酸ピリドキシンを5〜20m
g、ミオイノシトールを5〜20mg含有した場合に
は、アツモリソウ属植物の発芽率を向上させ、生育を促
進させることができる。そして、植物活性剤が、粗タン
パク質0.05〜0.15重量%、粗脂肪0.3〜0.
5重量%、無機質として、Na35〜45mg/l、C
a30〜35mg/l、Fe1.5〜2.0mg/l、
Mg3.0〜4.0mg/l、Si7.0〜8.0mg
/l、N90〜100mg/lを備えている場合には、
栄養バランスが良く、発芽を促進させることができる。
更にまた、活性炭を添加した場合には、発芽後の継代培
養において植物体の褐変の発生を抑えるので褐変死させ
ることなく生育させて生存率を高めることができる。
【0044】そして、本発明のアツモリソウ属植物の培
養方法によれば、選別して使用する種子を得る種子選別
工程と、得られた種子を培養液に混合して無菌的に固形
培地に播種する無菌播種工程と、播種後、発芽するまで
培養する発芽培養工程と、発芽培養工程において発芽し
器官分化したものを培地を替えて継代培養する継代培養
工程と、継代培養工程で生育した培養苗を低温の環境下
にさらす低温処理工程と、低温処理終了後、用土に植え
替える鉢上げ工程とを備えたので、プロトコームを形成
させることができ発芽率が驚異的に向上する。
【0045】そして、培養液を培地とは異なる組成の培
養液とした場合には、培地の成分による要素だけでな
く、培養液の成分の要素も加わり、種子の発芽に刺激を
与え発芽を促進させることができる。また、発芽培養工
程において、播種した培地を暗黒下において培養する場
合には、褐変の発生による種子の死滅を抑えるので、発
芽率を向上させることができる。また、発芽培養工程に
おいて、播種した培地を10〜25℃の環境において培
養する場合には、褐変の発生による種子の死滅を抑える
ので、発芽率を向上させることができる。
【0046】そして、継代培養工程において、培地に培
養液を添加する場合には、発芽後の培養中の褐変死の発
生を抑えて生存率を高めることができる。また、継代培
養工程において、培地を10〜25℃の環境において培
養する場合には、褐変の発生による死滅を抑えるので、
順調に生育させることができる。
【0047】更にまた、低温処理工程において、低温処
理温度を0〜10℃とした場合には0℃より低温である
と、幼苗が凍り、壊死してしまう。また、10℃より温
度が高くなると、順調に成長しない。この場合、望まし
くは、低温処理工程において、低温処理温度を3〜5℃
としたことが有効である。そして、低温処理工程におい
て、低温処理期間を30〜90日とした場合には、従来
90日以上必要とされていた期間を短縮しても、苗が環
境の変化に対して丈夫になり順化が順調に行なわれ、生
存率が向上する。更には、アツモリソウを大量増殖させ
ることができ、苗を自然環境に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
の培養方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
の培養方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
の培養方法を示す工程図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
用培養液の組成を示す表図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
用培地の組成を示す表図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
用培地に係り他の培地での発芽を比較した結果を示す表
図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
用培地に係り他の培地での発芽率を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
用培地に係り他の培地で培養した苗の生育状況を示す図
である。
【図9】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植物
の培養液に係り他の培養液による生育状況を示す図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植
物の培養方法に係り培養温度による褐変の発生状況を示
す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植
物の培養方法に係り、低温処理の効果を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植
物の培養方法に係り、低温処理を行なう時期を変えた場
合の生育状況を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るアツモリソウ属植
物の培養方法に係り、低温処理を行なう期間を変えた場
合の生育状況を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C05G 3/00 C05G 3/00 Z Fターム(参考) 2B022 AA01 DA01 DA17 DA19 DA20 EA01 4H061 AA01 AA10 BB01 BB21 BB51 DD11 DD12 EE05 EE11 EE12 EE14 EE16 EE25 EE29 EE51 EE61 EE70 FF05 FF25 KK07 KK09 LL25 LL26

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アツモリソウ属植物を種子から培養する
    際に用いられ水に添加物を添加してなるアツモリソウ属
    植物用培養液において、 当該培養液1000ml中に添加物として、 木酢液0.1〜2.0mlと、 ビタミン類8〜45mgと、 植物活性剤0.1〜1.0mlとを含有したことを特徴
    とするアツモリソウ属植物用培養液。
  2. 【請求項2】 上記培養液をpH5.5〜6.0とする
    ことを特徴とする請求項1記載のアツモリソウ属植物用
    培養液。
  3. 【請求項3】 上記添加物として糖類を含有したことを
    特徴とする請求項1または2記載のアツモリソウ属植物
    用培養液。
  4. 【請求項4】 上記培養液1000ml中に糖類を1〜
    10g含有したことを特徴とする請求項3記載のアツモ
    リソウ属植物用培養液。
  5. 【請求項5】 上記糖類をサッカロースとしたことを特
    徴とする請求項3または4記載のアツモリソウ属植物用
    培養液。
  6. 【請求項6】 上記ビタミン類を塩酸チアミンとしたこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載のア
    ツモリソウ属植物用培養液。
  7. 【請求項7】 上記塩酸チアミンを1〜10mg含有し
    たことを特徴とする請求項6記載のアツモリソウ属植物
    用培養液。
  8. 【請求項8】 上記ビタミン類をニコチン酸としたこと
    を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記
    載のアツモリソウ属植物用培養液。
  9. 【請求項9】 上記ニコチン酸を1〜5mg含有したこ
    とを特徴とする請求項8記載のアツモリソウ属植物用培
    養液。
  10. 【請求項10】 上記ビタミン類を塩酸ピリドキシンと
    したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8または9記載のアツモリソウ属植物用培養液。
  11. 【請求項11】 上記塩酸ピリドキシンを1〜10mg
    含有したことを特徴とする請求項10記載のアツモリソ
    ウ属植物用培養液。
  12. 【請求項12】 上記ビタミン類をミオイノシトールと
    したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8,9,10または11記載のアツモリソウ属植物
    用培養液。
  13. 【請求項13】 上記ミオイノシトールを5〜20mg
    含有したことを特徴とする請求項12記載のアツモリソ
    ウ属植物用培養液。
  14. 【請求項14】 上記植物活性剤は、粗タンパク質0.
    05〜0.15重量%、粗脂肪0.3〜0.5重量%、
    無機質として、Na35〜45mg/l、Ca30〜3
    5mg/l、Fe1.5〜2.0mg/l、Mg3.0
    〜4.0mg/l、Si7.0〜8.0mg/l、N9
    0〜100mg/lを備えていることを特徴とする請求
    項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,
    12または13記載のアツモリソウ属植物用培養液。
  15. 【請求項15】 アツモリソウ属植物を種子から培養す
    る際に用いられ、水に添加物を添加した水溶液をゲル化
    剤によりゲル状にしたアツモリソウ属植物用培地におい
    て、 上記水溶液1000ml中に添加物として、 窒素,リン及びカリウムを含有する肥料1〜3gと、 ぺプトン1〜3gと、 糖類10〜30gと、 植物活性剤0.2〜1.0mlと、 ビタミン類16〜70mgとを含有したことを特徴とす
    るアツモリソウ属植物用培地。
  16. 【請求項16】 上記植物活性剤の替わりにポテトキュ
    ーブを培地50ml中0.5〜1.5g添加することを
    特徴とする請求項15記載のアツモリソウ属植物用培
    地。
  17. 【請求項17】 上記水溶液をpH5.5〜6.0とす
    ることを特徴とする請求項15または16記載のアツモ
    リソウ属植物用培地。
  18. 【請求項18】 上記糖類をサッカロースとしたことを
    特徴とする請求項15,16または17記載のアツモリ
    ソウ属植物用培地。
  19. 【請求項19】 上記ビタミン類を塩酸チアミンとした
    ことを特徴とする請求項15,16,17または18記
    載のアツモリソウ属植物用培地。
  20. 【請求項20】 上記塩酸チアミンを5〜20mg含有
    したことを特徴とする請求項19記載のアツモリソウ属
    植物用培地。
  21. 【請求項21】 上記ビタミン類をニコチン酸としたこ
    とを特徴とする請求項15,16,17,18,19ま
    たは20記載のアツモリソウ属植物用培地。
  22. 【請求項22】 上記ニコチン酸を1〜10mg含有し
    たことを特徴とする請求項21記載のアツモリソウ属植
    物用培地。
  23. 【請求項23】 上記ビタミン類を塩酸ピリドキシンと
    したことを特徴とする請求項15,16,17,18,
    19,20,21または22記載のアツモリソウ属植物
    用培地。
  24. 【請求項24】 上記塩酸ピリドキシンを5〜20mg
    含有したことを特徴とする請求項23記載のアツモリソ
    ウ属植物用培地。
  25. 【請求項25】 上記ビタミン類をミオイノシトールと
    したことを特徴とする請求項15,16,17,18,
    19,20,21,22,23または24記載のアツモ
    リソウ属植物用培地。
  26. 【請求項26】 上記ミオイノシトールを5〜20mg
    含有したことを特徴とする請求項25記載のアツモリソ
    ウ属植物用培地。
  27. 【請求項27】 上記植物活性剤は、粗タンパク質0.
    05〜0.15重量%、粗脂肪0.3〜0.5重量%、
    無機質として、Na35〜45mg/l、Ca30〜3
    5mg/l、Fe1.5〜2.0mg/l、Mg3.0
    〜4.0mg/l、Si7.0〜8.0mg/l、N9
    0〜100mg/lを備えていることを特徴とする請求
    項15,16,17,18,19,20,21,22,
    23,24,25または26記載のアツモリソウ属植物
    用培地。
  28. 【請求項28】 上記ゲル化剤としてゲランガムを用い
    たことを特徴とする請求項15,16,17,18,1
    9,20,21,22,23,24,25,26または
    27記載のアツモリソウ属植物用培地。
  29. 【請求項29】 上記水溶液中に添加物として活性炭を
    含有したことを特徴とする請求項15,16,17,1
    8,19,20,21,22,23,24,25,2
    6,27または28記載のアツモリソウ属植物用培地。
  30. 【請求項30】 上記活性炭を0.5〜3g含有したこ
    とを特徴とする請求項29記載のアツモリソウ属植物用
    培地。
  31. 【請求項31】 アツモリソウ属植物を種子から培養す
    るアツモリソウ属植物の培養方法において、 選別して使用する種子を得る種子選別工程と、 得られた種子を培養液に混合して無菌的に固形培地に播
    種する無菌播種工程と、 播種後、発芽するまで培養する発芽培養工程と、 発芽培養工程において発芽し器官分化したものを培地を
    替えて継代培養する継代培養工程と、 継代培養工程で生育した培養苗を低温の環境下にさらす
    低温処理工程と、 低温処理終了後、用土に植え替える鉢上げ工程とを備え
    たことを特徴とするアツモリソウ属植物の培養方法。
  32. 【請求項32】 上記培養液を培地とは異なる組成の培
    養液とすることを特徴とする請求項31記載のアツモリ
    ソウ属植物の培養方法。
  33. 【請求項33】 上記発芽培養工程において、播種した
    培地を暗黒下において培養することを特徴とする請求項
    31または32記載のアツモリソウ属植物の培養方法。
  34. 【請求項34】 上記発芽培養工程において、播種した
    培地を10〜25℃の環境において培養することを特徴
    とする請求項31,32または33記載のアツモリソウ
    属植物の培養方法。
  35. 【請求項35】 上記継代培養工程において、培地に培
    養液を添加することを特徴とする請求項31,32,3
    3または34記載のアツモリソウ属植物の培養方法。
  36. 【請求項36】 上記継代培養工程において、培地を1
    0〜25℃の環境において培養することを特徴とする請
    求項31,32,33,34または35記載のアツモリ
    ソウ属植物の培養方法。
  37. 【請求項37】 上記低温処理工程において、低温処理
    期間を30〜90日としたことを特徴とする請求項3
    1,32,33,34,35または36記載のアツモリ
    ソウ属植物の培養方法。
  38. 【請求項38】 上記低温処理工程において、低温処理
    期間を60日±5日としたことを特徴とする請求項37
    記載のアツモリソウ属植物の培養方法。
  39. 【請求項39】 上記低温処理工程において、低温処理
    温度を0〜10℃としたことを特徴とする請求項31,
    32,33,34,35,36,37または38記載の
    アツモリソウ属植物の培養方法。
  40. 【請求項40】 上記低温処理工程において、低温処理
    温度を3〜5℃としたことを特徴とする請求項39記載
    のアツモリソウ属植物の培養方法。
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