JP2001250390A - 不揮発性半導体メモリおよびそのスレシホールド電圧制御方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリおよびそのスレシホールド電圧制御方法

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JP2001250390A JP2000393205A JP2000393205A JP2001250390A JP 2001250390 A JP2001250390 A JP 2001250390A JP 2000393205 A JP2000393205 A JP 2000393205A JP 2000393205 A JP2000393205 A JP 2000393205A JP 2001250390 A JP2001250390 A JP 2001250390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の範囲を逸脱してシフトされたセルのス
レシホールド電圧を、誤動作や誤検知の発生を抑制しつ
つ、かつ動作の高速性を損なわずに、所望の範囲に回復
させること。 【解決手段】 複数のメモリセルのスレシホールド電圧
THを、消去ベリファイ電圧VEVを上限としたある範囲
に一括してシフトさせる。この後、ある範囲に一括して
シフトされたスレシホールド電圧VTHの下限を、消去ベ
リファイ電圧VEVに近い第1の過消去ベリファイ電圧V
OEV1にシフトさせる。この後、第1の過消去ベリファイ
電圧VOEV1にシフトされたスレシホールド電圧VTHの下
限を、さらに消去ベリファイ電圧VEVに近い第2の過消
去ベリファイ電圧VOEV2にシフトさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は不揮発性半導体メ
モリのスレシホールド電圧を制御する技術に係わり、特
に過消去セルのスレシホールド電圧を、適正なスレシホ
ールド電圧の範囲にシフトする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不揮発性半導体メモリ(フラッシ
ュメモリ)では、選択されたメモリセル(以下単にセル
という)に対し、ホットエレクトロンをドレイン側から
浮遊ゲートに注入してデータを書き込み、ファウラー−
ノルドハイム(Fowler-Nordheim)トンネル電流のメカ
ニズムにより、エレクトロンを浮遊ゲートからソース拡
散層に、あるいはチャネル全面を介して基板に引き抜い
てデータを消去する方式が用いられてきた。セルは、た
とえば64kバイト(512kビット)といった単位
で、一つのブロックを構成している。消去時には、デー
タを、たとえばブロック単位で一括消去する。この一括
消去時のセルのスレシホールド電圧の分布について、図
22を参照して説明する。
【0003】図22に示すように、消去動作は、最も消
去が遅いビットが、所望のスレシホールド電圧VTHとな
るまで繰り返し行われる。この電圧を消去ベリファイ電
圧V EVと呼ぶ。消去ベリファイ電圧VEVの値は、できる
限り低くすることが望まれる。データ読み出し時に選択
ワード線に与える電圧と、消去ベリファイ電圧VEVの値
との差ΔVを大きくするためである。この電圧差ΔVが
大きい程、データ読み出し時、セルが流すオン電流が大
きくなり、データを、より高速に読み出すことができ、
不揮発性半導体メモリの性能が向上する。
【0004】ところで、ブロック単位で一括消去を行っ
た場合、消去速度がセル毎にばらついているため、一括
消去後のスレシホールド電圧VTHは、図22に示すよう
に、ある分布幅Dを有してばらつく。このようなスレシ
ホールド電圧VTHのばらつきは、いろいろな要因で起こ
るが、ゲート酸化膜中へのトラップの発生や、その消滅
も関係する。このため、書き換えを繰り返すと、突然、
あるセルの消去速度が速くなったり、それがまた元に戻
ったりする現象が起こる。
【0005】消去速度が速くて、スレシホールド電圧V
THが下がり過ぎたセル、たとえばスレシホールド電圧V
THが、データ読み出し時に非選択ワード線に与える電圧
以下に下がったセル(以下過消去セルと呼ぶ)が発生す
ると、その後の書き込み動作時や、読み出し動作時に、
いくつかの問題が発生する。
【0006】図23は、不揮発性半導体メモリ(フラッ
シュメモリ)のセルアレイを示す回路図である。
【0007】図23に示すように、セルMCは、セルア
レイ中にマトリクス状に配置され、そのドレイン端子D
は、図中横方向に走るビット線BL(BL1、BL2、
BL3、BL4、…)に接続され、その制御ゲートCG
は、図中縦方向に走るワード線WL(WL1、WL2、
WL3、WL4、…)に接続されている。また、そのソ
ース端子は、図中縦方向に走るソース線SLに接続され
ている。
【0008】ここで、過消去セルがセルアレイ中に発生
した場合の問題を、図24を参照して説明する。なお、
図24は、書き込み動作時のセルアレイのバイアス状態
を示している。
【0009】図24に示すように、過消去セル(たとえ
ば図24中のセルMC32)がセルアレイ中に発生してい
るとする。過消去セルMC32は、過大なリーク電流I
LEAKを、そのドレイン端子Dからそのソース端子Sに向
けて流す。このため、過消去セルMC32が接続されてい
るビット線BL2には、その後の動作において、過大な
リーク電流ILEAKが流れることになる。たとえばこの過
大なリーク電流ILEAKは、一般的に消去動作の次に行わ
れる書き込み動作において、ビット線BL2の電圧を降
下させる。このため、ビット線BL2に接続されてい
る、あるセル(たとえば図24中のセルMC12)にデー
タを書き込もうとしたとき、書き込み時間の増大や、場
合によっては書き込み不可能等の問題を発生させる。
【0010】また、最近の不揮発性半導体メモリでは、
書き込み動作時にビット線BLに与えるバイアス電圧
を、チャージポンプ回路を用いて、低い電源電圧から昇
圧して発生させている。このような不揮発性半導体メモ
リでは、リーク電流ILEAKに起因したビット線BLの電
圧の降下が、特に発生しやすい。
【0011】また、書き込みができたとしても、読み出
し動作時にビット線BLにリーク電流ILEAKが流れる
と、そのビット線BLにドレイン端子を接続した全ての
セルのデータが、データ“1”と誤検知されたりする。
あるいはデータ“1”と誤検知される程ひどくなくて
も、リーク電流ILEAKによって、データ“0”のセルか
らの読み出し速度が遅くなったりする問題が発生する。
【0012】このような過消去セルの発生頻度は、消去
ベリファイ電圧VEVを下げる程、高まる。
【0013】しかし、その一方で、上述したように、消
去ベリファイ電圧VEVを下げる程、不揮発性半導体メモ
リの性能を向上できるために、できる限り消去ベリファ
イ電圧VEVは下げたい、という要求がある。
【0014】そこで、不揮発性半導体メモリに、一括消
去の後、下がり過ぎたスレシホールド電圧VTHを、所望
の値まで回復させる機能を搭載することが提案されてい
る。
【0015】その一つは、スレシホールド電圧VTHが下
がり過ぎたセルが接続されているビット線BLを検知し
て、ワード線WLの電圧を例えば0V近辺の電位に固定
しつつ、そのビット線BLに高い電圧を印加する。これ
により、下がり過ぎたスレシホールド電圧VTHを、所望
の値に上昇させる、という方法である。この方法は、S.
Yamadaらにより、IEDM Tech. Dig. pp307-310(1991)に
開示されており、現在では、自己収束(Self-convergen
ce)法と呼ばれている。自己収束動作時のセルのバイア
ス状態の一例を図25に示しておく。
【0016】しかし、自己収束法では、スレシホールド
電圧VTHを所望の値に上昇させるのに、その所望のスレ
シホールド電圧が比較的高い値にある場合、たとえば通
常の書き込み動作に比較し、非常に時間がかかる。上記
文献に開示されているデータからも判るように、スレシ
ホールド電圧VTHを0V以上に上昇させるのには数ms
以下の時間で良いが、1V以上に上昇させるためには数
十ms以上といった時間がかかる事になっている。メモ
リセルのチャネル長が短い最近のセルでは、−1V〜0V
付近までは、さらに短い時間で上昇し、例えば1ms程度
で0V付近まで上昇し、−1Vであればずっと短い時間で
上昇するが、それ以上のスレシホールド電圧に上昇させ
るのは、上昇速度が飽和するので、微細化しても長い時
間がかかってしまう場合が多い。このため、スレシホー
ルド電圧VTHを上昇させなくてはいけないセルの数が多
いと、この方法のみを用いて、これら全てのセルのスレ
シホールド電圧VTHを所望の、例えば1Vあるいはそれ
以上といった値に上昇させるのには、チップ全体で、非
現実的な時間がかかることになる。
【0017】また、一つのビット線BLに、複数の過消
去セルが接続されていた場合、複数の過消去セルを介し
てリーク電流が流れる。このため、自己収束動作時にビ
ット線BLの電圧が降下し、それだけで、スレシホール
ド電圧VTHを所望の値に上昇させるまでの時間が非常に
長くなってしまうこともある。
【0018】また、他の方法として、過消去セルを、ワ
ード線WLの電圧を一定電圧でスキャンして検知し、検
知した過消去セルを選択し、選択した過消去セルに接続
されているワード線WLとビット線BLとにそれぞれ所
望の電圧を与えて、過消去セルのスレシホールド電圧V
THを所望の値になるまでデータを書き込む、という方法
がある。この方法は、S.Atsumiらにより、U.S. Patent
No.5,568,419(対応日本出願特許公開番号:特開平8−
45284号)に開示されており、一般に弱プログラム
(Weak-program)法と呼ばれている。弱プログラム動作
時の選択セルのバイアス状態の一例を図26Aに示して
おく。
【0019】この弱プログラム法では、過消去セルに接
続されているワード線WLとビット線BLとにそれぞれ
所望の電圧を積極的に与えることで、ドレインから電子
を浮遊ゲートに注入する。このため、通常の書き込み動
作と同様に、たとえばμs単位の書き込みパルスを、選
択ワード線およびビット線に対して与えることで、スレ
シホールド電圧VTHを高速に所望の値に上昇させること
ができる。
【0020】また、弱プログラム法では、自己収束法と
異なり、過消去セルを選択して弱い書き込みを行う。こ
のため、図26Bに示すように、非選択セルにおいて
は、そのワード線WL(非選択ワード線)の電圧を、た
とえば−1Vといった電圧に設定でき、同一ビット線B
Lに存在する他の過消去セルが流す電流を最小限に抑え
ることができる。
【0021】しかし、弱プログラム法では、スレシホー
ルド電圧VTHが、非常に低い値まで低下したセルが発生
した場合、実際に過消去セルの検知がうまくいかずに、
誤動作を引き起こす可能性がある。これについて、図2
7を参照して説明する。
【0022】図27に示すように、まず、非選択ワード
線(図27ではWL2、WL3、WL4、…)は、たと
えば−1Vといった電圧にされる。これにより、非選択
ワード線に接続されているセルはそれぞれ、そのスレシ
ホールド電圧VTHが−1Vを超えていれば、カットオフ
される。
【0023】一方、選択ワード線(図27ではWL1)
の電圧は、たとえば検知したいスレシホールド電圧VTH
より一定量高い値に設定し、選択ビット線(図27では
BL2)に読み出し用バイアス電圧、たとえば0.5V
を与えて読み出し動作をさせる。たとえばスレシホール
ド電圧VTHが1V以下のセルを検知したいのであれば、
選択ワード線WL1には、たとえば2Vの電圧を与え
る。また、選択ビット線BL2には、0.5Vの電圧を
与える。非選択ビット線(図27ではBL1、BL3、
BL4、…)は、たとえば開放する(OPEN)。
【0024】このようなバイアス状態により、検知しよ
うとするセル(図27ではセルMC12)が選択され、ビ
ット線BL2に規定値以上のオン電流IONが流れるか否
かを検知する。流れなければスレシホールド電圧VTH
“1Vを超える”と判断され、“弱プログラムの必要無
し”と判断される。
【0025】規定値以上のオン電流IONが流れれば、ス
レシホールド電圧VTHは“1V以下”と判断され、“弱
プログラムの必要有り”と判断される。
【0026】このようにして選択セルMC12が過消去か
否かが検知され、もし過消去であれば、選択セルMC12
に対して弱プログラムが行われる。
【0027】ところが、同じビット線BL2に、スレシ
ホールド電圧VTHが−2V未満のセルが接続されていた
とする(たとえば図27中のセルMC42)。この場合、
非選択ワード線WL4の電圧は−1Vであるため、非選
択セルMC42は、規定値以上のオン電流IONを流す。こ
の結果、検知しようとしているセルMC12のスレシホー
ルド電圧VTHの状態に係わらず、そのスレシホールド電
圧VTHは“1V以下”と判断されてしまう。
【0028】もし、選択セルMC12のスレシホールド電
圧VTHが1Vを超え、適正値であった場合、これは、選
択セルMC12のスレシホールド電圧VTHを誤検知したこ
とになる。このため、適正なスレシホールド電圧VTH
ある選択セルMC12に対して、弱プログラムが行われて
しまう。
【0029】上記誤検知に起因した弱プログラム動作
は、非選択セルMC42が規定値以上のオン電流IONを流
す限り、繰り返し続けられる。この結果、選択セルMC
12のスレシホールド電圧VTHは、どんどん上昇し、消去
ベリファイ電圧VEVを超え、やがて、そのスレシホール
ド電圧VTHは、データ読み出し時に“1”読み出しとな
る値を超えてしまう可能性がある。
【0030】スレシホールド電圧VTHが、“1”読み出
しとなる値を超えてしまえば、データを消去したにも関
わらず(データ読み出し時に“1”読み出しとなる)、
データが消去されていないこと(データ読み出し時に
“0”読み出しとなる)を意味する。このような現象が
起きてしまったチップは“不良”である。
【0031】また、図28に示すように、同じビット線
BL2に、スレシホールド電圧VTHが−2V以上ではあ
るが、−1V未満のセル(たとえば図28中のセルMC
32)が接続されていた、とする。この場合、図27を参
照して説明したような誤検知とはならないが、非選択セ
ルMC32は、リーク電流ILEAKを流す。このリーク電流
LEAKは、検知しようとしている選択セルMC12が流す
電流に加算されることになる。これもまた、選択MC12
への書き込み過ぎの原因となる。
【0032】たとえば選択ワード線WL1の電圧を2V
とし、選択ビット線BL2に流れるオン電流IONが、た
とえば10μA以下になれば、選択セルMC12のスレシ
ホールド電圧VTHが1Vを越えたとして、弱プログラム
動作を終了する設計になっていたとする。
【0033】ところが、非選択セルMC32が5μAのリ
ーク電流ILEAKを流していたとすると、選択セルMC12
のオン電流IONが5μA以下にならないと、弱プログラ
ム動作は終了しない。これは、選択セルMC12のスレシ
ホールド電圧VTHが、既に1Vを越え、適正値になって
いるのに、弱プログラム動作が終了しないことを意味す
る。これは、選択セルMC12に対して、書き込み過ぎを
発生させる可能性がある。
【0034】もし、書き込み過ぎが発生してしまうと、
上記データを消去したにも関わらず、データが消去され
ていないという現象を起こす。
【0035】また、“1”読み出しとなるスレシホール
ド電圧VTHの値を超えないまでも、スレシホールド電圧
THが消去ベリファイ電圧VEV以上になってしまうと、
それは電圧差ΔVの不足、即ち読み出し電流のマージン
不足を招く。マージン不足は、読み出し動作を遅くさせ
る。
【0036】また、非選択セルMC32がリーク電流I
LEAKを流していた場合、このリーク電流ILEAKによって
ビット線BL2の電圧は、元の設定値より下がってしま
う。
【0037】弱プログラム動作時、非選択ワード線はそ
れぞれ−1Vに固定されているが、ビット線BL2を、
選択セルMC12と共有する非選択セルMC22、MC32、
MC42、…はそれぞれ、そのドレインに電圧がかかって
いる。このため、これら非選択セルにおいては、そのス
レシホールド電圧VTHが、たとえば自己収束と同じメカ
ニズムによって上昇する。非選択セルMC32のスレシホ
ールド電圧VTHが上昇し、−1Vを超えると、非選択セ
ルMC32は“カットオフ状態”となり、リーク電流I
LEAKは突然減る。この結果、元の設定値より下がってい
たビット線BL2の電圧は、元の設定値に突然回復する
(突然上昇する)といった現象が起きる。
【0038】このようにスレシホールド電圧VTHが−1
V未満の非選択セルMC32が接続されているビット線B
L2では、その電圧が突然上昇することがあり、弱プロ
グラムの書き込み速度や、書き込み量の制御が、設計通
りにいかなくなる。ビット線BL2の電圧が突然上昇し
た結果、選択セルMC12には、データが所望のスレシホ
ールド電圧VTHを超えて書き込まれる、といった現象が
起きることもある。
【0039】この現象は、弱プログラム動作に、ステッ
プアップ(Step-up)法を併用していた場合に、特に顕
著である。ステップアップ法とは、選択セルMC12に対
して弱プログラムを繰り返すごとに、ワード線WL1の
電圧をステップアップする、という方法である。ステッ
プアップ法は、たとえばH. Shigaらにより、Symposium
of VLSI Circuit Technical digest pp33-36(1999)に開
示されている。
【0040】ステップアップ法は、選択ワード線WL1
の電圧を一定としたまま弱プログラムを繰り返す方法に
比べて、スレシホールド電圧VTHを、ずっと高速に所望
の値まで上昇させることができる。
【0041】しかし、スレシホールド電圧VTHが−1V
未満のセルMC32が接続されたビット線BL2では、リ
ーク電流ILEAKが流れるために、その電圧が元の設定値
よりも下がってしまい、弱プログラムの速度が低下す
る。このため、弱プログラム動作の繰り返し回数が増
え、選択ワード線WL1の電圧のステップアップ回数は
増加する。この結果、選択ワード線WL1の電圧は、非
常に高い値まで上昇してしまうことになる。
【0042】このようなステップアップ法を用いていた
場合、ビット線BL2の電圧が、上記メカニズムによっ
て突然上昇すると、非常に大きな書き込みが行われるこ
とになる。よって、データが所望のスレシホールド電圧
THを超えて書き込まれる、といった現象が特に顕著で
ある。
【0043】同様の現象は、複数のビット線に対して、
同時にデータを読み書きする不揮発性半導体メモリの場
合に、特に起き易い。このような不揮発性半導体メモリ
のブロック図を図29に示す。
【0044】図29に示すように、複数のビット線に対
して、同時にデータを読み書きする不揮発性半導体メモ
リは、1ブロック内に複数のI/O回路109を持つ。
これらI/O回路109にはそれぞれ、カラムセレクタ
107を介して何本かずつのビット線、たとえば16本
ずつのビット線BL1〜BL16、BL17〜BL3
2、…が接続されている。カラムデコーダ108は、カ
ラムアドレスに応じたカラム選択信号を、カラム選択線
(CSL1〜CSL16)を介して、複数のカラムセレ
クタ107それぞれに供給する。複数のカラムセレクタ
107はそれぞれ、たとえば16本のビット線のうちの
1本を、カラム選択信号に応じて選択し、選択したビッ
ト線をI/O回路109に接続する。I/O回路109
とカラムセレクタ107とを接続する接続経路にはそれ
ぞれ、一つのチャージポンプ回路104の出力が接続さ
れている。弱プログラム時、書き込み用ビット線バイア
ス電圧は、一つのチャージポンプ回路104から、複数
のビット線に対して同時に供給される。
【0045】このような不揮発性半導体メモリでは、選
択された複数のビット線のうちの一本にでも過大なリー
ク経路があれば、チャージポンプ回路104から出力さ
れた電圧が低下する。この結果、選択された複数のビッ
ト線全てにおいて、その電圧は元の設定値よりも下がっ
てしまう。
【0046】また、図29に示す不揮発性半導体メモリ
においては、自己収束法を用いた場合においても、自己
収束に要する時間の増大を招く。つまり、上述したよう
に選択された複数のビット線のうちの一本にでも過大な
リーク経路があれば、選択された複数のビット線全てに
おいて、その電圧は元の設定値よりも下がってしまうか
らである。
【0047】また、上記説明は全て、説明を簡単にする
ために、同一ビット線に、非常にスレシホールド電圧の
低いセルが1個存在した場合について説明しているが、
実際にはスレシホールド電圧が低めのセルが多数存在す
る場合でも、そのリーク電流の総和が大きくなると、同
様の誤動作問題が起きることになる。
【0048】これらに対して、Weak-programの時の誤動
作を対策する方法として、リークのあるビット線を検知
後、まず、そのビット線の全セルにWeak-program動作を
行ない、リークがなくなった後に、所望のスレシホール
ド電圧より低いセルを検知して、最初のWeak-programと
同一のバイアス条件で、Weak−programを行なう方法が
特開平8−106793号公報に高橋らにより開示され
ている。しかしながら、この方法も2つの大きな問題が
ある。一つには、Weak-programと同一のバイアス条件
で、全セルに書き込みを行なうと、もともとスレシホー
ルド電圧が消去verify電圧に近い、スレシホールドの高
いセルにも書き込み動作が行なわれる為に、そのセルも
さらに書き込みをされて、消去Verifyレベルを超えてし
まう事である。特開平8−106793号公報の図17
には、高いスレシホールド電圧のセルのスレシホールド
電圧はWeak-program動作で低下していくと示されている
が、実際のデバイスの例えば2.5V以下の消去verify電圧
と、Weak-program時のワード線電圧4Vの条件では通常
上昇してしまう場合が多い。その実際の特性は、例え
ば、H. ShigaらによるSymposium of VLSI Circuit Tech
nical digest pp33-36(1999)にも示されている。また全
セルに順次、Weak-program動作をかけると長い時間がか
かってしまう問題も発生する。1つのセルへの書き込み
時間を短くできたとしても、同一ビット線に接続される
セルは、1K〜2K個あり、どのセルに書き込みが必要かは
判別できないので、そのビット線上の全セルのワード線
を順次上げて書き込みを行なう必要がある為である。実
際のメモリセルへの印加時間に加えて、ワード線をスイ
ッチングして上げ下げするにも時間を要する。従って、
例えば最初は同一ビット線上の全てのセル、次に必要な
セルの2段階でスレシホールド電圧を一定範囲に入れよ
うとする場合も、従来開示されている両段階を同様の電
位で実行するのは、誤動作の発生の危険性及び動作速度
の両面から、望ましくないものであった。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の事
情に鑑み為されたもので、その主要な目的は、所望の範
囲を逸脱したメモリセルのスレシホールド電圧を、誤動
作や誤検知の発生を抑制しつつ、かつ動作の高速性を損
なわずに、所望の範囲に回復させることが可能な不揮発
性半導体メモリおよびそのスレシホールド電圧制御方法
を提供することにある。
【0050】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明では、複数のメモリセルのスレシホールド
電圧を、第1のレベルを上限および下限の一方としたあ
る範囲に一括してシフトさせた後、シフトされたスレシ
ホールド電圧の上限および下限の他方を、前記第1のレ
ベルに近い第2のレベルに、第2のレベルを逸脱するメ
モリセルを含む複数のメモリセルを第一のバイアス条件
で一括してまずシフトさせる。この時のバイアス条件
は、実際には第二のレベルを逸脱していないセルに印加
されても問題を引き起こさず、さらに第二のレベルを逸
脱しているセルは高速に第二のレベルに到達する適切な
バイアス条件を印加する。具体的にはワード線を0〜―
1Vといった低い電圧に設定し、第二の範囲を逸脱した
セルが含まれると検知されたビット線には4〜5V等の
電圧を印加する、いわゆる自己収束法を用いる。
【0051】なお、この動作において、回路動作を簡略
にする為、第二のレベルを逸脱するメモリセルを含まな
いビット線にもバイアスが印加される事があっても構わ
ない。
【0052】この後、前記第2のレベルにシフトされた
スレシホールド電圧の上限および下限の他方を、前記第
2のレベルよりもさらに第1のレベルに近い第3のレベ
ルに第一のバイアス条件とは異なる第二のバイアス条件
でシフトさせる。例えば、第三のレベルを逸脱したセル
のみを選択し、そのセルのワード線に2V、ドレインに
4〜5Vを印加する。このように第二のバイアス条件で
は、第一と第二で同様の電荷注入メカニズムを用いる場
合は、第一のバイアス条件よりもワード線の電圧を高く
設定する。ワード線電圧は、セルの書き込み速度をモニ
タしつつ順次上昇させていくステップアップ法を用いる
と、さらに短時間に所望の第三のレベルに入れる事がで
きる。なお、非選択ワード線には、第二のレベルに入っ
ているメモリセルであれば問題になるようなリーク電流
を発生させない電圧に固定する。例えば、−1V〜0Vと
いった電圧である。
【0053】このような不揮発性半導体メモリである
と、複数のメモリセルのスレシホールド電圧の上限およ
び下限の他方を、まず、第2のレベルに短時間で一括に
シフトさせる。このため、スレシホールド電圧の上限お
よび下限の他方を、第3のレベルにシフトさせる際、複
数のメモリセルを上記第2のレベルに基いて、非選択ワ
ード線に適切なバイアスを印加する事で確実にカットオ
フさせることが可能となる。このため、スレシホールド
電圧の上限および下限の他方を、第3のレベルにシフト
させる際、たとえば弱プログラム法を用いたとしても、
たとえば誤動作や、誤検知の発生を抑制しつつ、所望の
範囲にシフトさせることができる。
【0054】また、スレシホールド電圧の上限および下
限の他方を、段階的にシフトさせ、かつそれぞれのシフ
トに最適なバイアス条件を用いるため、一度に第3のレ
ベルまで上昇させる場合に比べて、それぞれのシフト量
は僅かで済む。このため、第2のレベルにシフトさせる
際、たとえば全ワード線を全て0Vあるいはその前後の
電位とし、同一ビット線上の全セルのビット線に一括し
て電圧をかける自己収束法を用いたとしても、スレシホ
ールド電圧をシフトさせる動作の高速性が損なわれ難
い。さらに第三のレベルから逸脱したセルを確実に検知
できる状態にした後に、第三のレベルから逸脱したメモ
リセルを検知して、このメモリセルに対しては、第二の
レベルに入れる場合とは異なったバイアス条件を設定し
て、短時間に所望の値にスレシホールド電圧をもってい
くものである。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわた
り、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0056】以下の説明では、データを読み出したと
き、ビット線に流れた電流が既定値以上(即ちセルが
“オン”)の場合をデータ“1”、あるいは“1”読み
出し、反対に既定値未満(即ちセルが“オフ”)の場合
をデータ“0”、あるいは“0”読み出しとする。な
お、データ“1”か“0”かを記憶する二値メモリを例
示するが、この発明は、多値メモリにも当然適用でき
る。
【0057】[第1の実施形態]図1Aは、この発明が
適用される不揮発性半導体メモリの一例を概略的に示す
ブロック図である。
【0058】図1Aに示すように、不揮発性半導体メモ
リは、メモリセルアレイ1(以下、単にセルアレイとい
う)を有する。セルアレイ1には、複数のメモリセル
(以下単にセルという)MCがマトリクス状に配置され
ている。図1Bにセルアレイ1の等価回路図を示す。図
1Bには、一例としてNOR型フラッシュメモリのセル
アレイ1が示されている。
【0059】図1Bに示すように、セルMCのドレイン
端子Dはビット線BLに接続され、そのソース端子Sは
ソース線SLに接続され、そのゲート(制御ゲートC
G)はワード線WLに接続されている。セルMCは、チ
ャネルと制御ゲートCGとの間に、電子を蓄積する浮遊
ゲートFGを有する。セルMCは、浮遊ゲートに蓄積す
る電子の量を変えることで、スレシホールド電圧VTH
可変に設定できる。データが“1”か“0”かは、スレ
シホールド電圧VTHに応じて設定され、セルMCに記憶
される。
【0060】制御回路2は、外部から供給されたコマン
ドCMDに基づいて、データ書き込み時、またはデータ
消去時にセルMCのスレシホールド電圧を制御する。た
とえば制御回路2は、特にビット線バイアス回路3、ソ
ース線制御回路4,およびワード線バイアス回路5など
を制御し、セルアレイ1のバイアス状態を変える。セル
アレイ1のバイアス状態を変えることで、セルMCのス
レシホールド電圧VTHが制御される。
【0061】ビット線バイアス回路3は、ビット線BL
に対してビット線バイアス電圧を供給する。ビット線バ
イアス回路3は、たとえば制御回路2からの制御信号に
基づいて、ビット線バイアス電圧を、データ読み出し時
とデータ書き込み時とで互いに切り替える。
【0062】ソース線バイアス回路4は、ソース線SL
に対してソース線バイアス電圧を供給する。ソース線バ
イアス電圧は、通常“0V”である。ただし、電子をソ
ース線SLに対して放出させてデータ消去を行う方式の
場合、たとえば制御回路2からの制御信号に基づいて、
データ消去時、ソース線バイアス電圧VSLを“0V”よ
り高い電圧とする。
【0063】ワード線バイアス回路5は、ローデコーダ
6によって選択されたワード線WL、あるいは全てのワ
ード線WLに対してワード線バイアス電圧を供給する。
ワード線バイアス回路5は、データ読み出し時、データ
書き込み時、データ消去時、たとえば制御回路2からの
制御信号に基づいて、ワード線バイアス電圧を、それぞ
れ切り替える。
【0064】カラムセレクタ7は、カラムデコーダ8に
よって選択されたビット線BLを、I/O回路9に接続
する。
【0065】I/O回路9は、たとえばデータ読み出し
時、選択されたビット線BLに流れた電流を既定値I
REFと比較し、データ“0”かデータ“1”かの判断を
行う。
【0066】アドレスバッファ10は、ローアドレスを
ローデコーダ6に供給するとともに、カラムアドレスを
カラムデコーダ8に供給する。
【0067】アドレスカウンタ11は、通常、外部から
供給されるアドレスを、チップ内部で発生させる必要が
あるとき、たとえば制御回路2からの制御信号に基づい
て、アドレスをチップ内部で発生させる。アドレスカウ
ンタ11は、アドレスをインクリメントし、異なるアド
レスを順次発生させてアドレスバッファ10に供給す
る。
【0068】ベリファイ回路12は、データ書き込み
時、データ消去時に、スレシホールド電圧VTHが所望の
レベルであるか否かを検知する回路である。たとえばベ
リファイ回路12は、データ書き込み後、またはデータ
消去後にベリファイを行った際、I/O回路9がデータ
“0”と判断したかデータ“1”と判断したかに基づい
て、スレシホールド電圧VTHが所望のレベルであるか否
かを検知する。
【0069】図2は、この発明の第1の実施形態に係る
不揮発性半導体メモリのスレシホールド電圧制御方法を
示す流れ図で、特にデータ消去シークエンスに適用した
例を示している。
【0070】まず、図2中のST.1に示すように、デ
ータ消去に先立ち、消去前プログラムを行う。消去前プ
ログラムでは、データを消去するブロック内の全て、も
しくは一部のワード線およびビット線に対して書き込み
パルスを与え、全てのセルにデータ“0”かデータ
“1”かのいずれかに揃える。図3Aは、消去前プログ
ラム終了後のスレシホールド電圧VTHの分布を示してい
る。
【0071】図3Aに示すように、本例では、全てのセ
ルのスレシホールド電圧VTHが、スレシホールド電圧V
THの分布がデータ消去後とは逆の分布となるようにデー
タ“0”の方向にシフトされる。
【0072】次に、ST.2に示すように、データ消去
(ERASE)を行う。これにより、全てのセルのスレシホ
ールド電圧は、データ“0”からデータ“1”の方向に
シフトされる。
【0073】本例では、データ消去に自動消去(AUTO-E
RASE)と呼ばれる方式を採用している。自動消去では、
データを消去した後(ST.21)、消去ベリファイを
行い(ST.22)、セルのスレシホールド電圧VTH
消去ベリファイ電圧VEV未満か否かを判断する(ST.
23)。スレシホールド電圧VTHが消去ベリファイ電圧
EV以上である場合(NO.)には、データ消去を繰り
返す。図3Bは自動消去中のスレシホールド電圧VTH
分布を示し、図3Cは自動消去終了後のスレシホールド
電圧VTHの分布を示している。
【0074】このように消去ベリファイとデータ消去と
を繰り返すことで、図3Cに示すように、全てのセルの
スレシホールド電圧VTHは、まず、“VTH<VEV”に規
定される。
【0075】ここまでの工程は、周知の方法を使用する
ことが可能である。
【0076】また、消去前プログラムについては必ずし
も行う必要は無いので、必要に応じて行われれば良い。
【0077】次に、ST.3に示すように、スレシホー
ルド電圧VTHの分布幅を縮小化する。ここで、第1の実
施形態では、スレシホールド電圧VTHの下限値VTHMIN
を、少なくとも2段階以上に分けて段階的に上昇させ、
その分布幅を縮小化していく。
【0078】その一例として本例では、図2に示すよう
に、下限値VTHMINを第一のバイアス条件で第1の下限
値に上昇させる第1の工程(ST.31)と、この第1
の下限値を、第二のバイアス条件でさらに消去ベリファ
イ電圧VEVに近い、第2の下限値に上昇させる第2の工
程(ST.32)とを具備している。
【0079】以下、第1の工程(ST.31)、および
第2の工程(ST.32)の具体例を説明する。
【0080】第1の工程(ST.31)では、スレシホ
ールド電圧VTHの下限値VTHMINを、第1の過消去ベリ
ファイ電圧VOEV1以上に規定する。これにより、全ての
セルのスレシホールド電圧VTHは“VOEV1<VTH
EV”に規定される。
【0081】このように規定するための一例は、データ
が消去されるブロック内の全てのワード線に、ある一定
のバイアス電圧を印加した状態で、ビット線に流れるビ
ット線電流を、既定値IREF-LEAK以下に減らすことであ
る。
【0082】全てのワード線に印加する、ある一定のバ
イアス電圧の例は、第1の過消去ベリファイ電圧VOEV1
であり、その数値例は“−1V”である。このとき、ス
レシホールド電圧VTHを“−1V”以上にするために
は、既定値IREF-LEAKを、データ読み出し時の既定値I
REFより小さく設定すると良い。
【0083】たとえばワード線の電圧がセルのスレシホ
ールド電圧VTHより“1V”以上高くなったとき、ビッ
ト線に“10μA”以上の電流が流れる、とする。この
“10μA”を、データ読み出し時に、“0”読み出し
か“1”読み出しかを区別するための既定値IREFとす
る。この場合、ビット線電流が“10μA”以上の電流
が流れれば“1”読み出しとなり、反対に“10μA”
未満ならば“0”読み出しとなる。
【0084】このように読み出し時の既定値IREF
“10μA”としたとき、リーク電流検知時(以下リー
クビット線チェックという)の既定値IREF-LEAKを“1
0μA”未満、たとえば“1μA”に設定される。即
ち、リークビット線チェック時、ビット線に“1μA”
以上の電流が流れれば“1”読み出しとなり、反対に
“1μA”未満であれば“0”読み出しとなる。この状
態を目視化したものが図4Aであり、これを実現するた
めの一回路構成例が図4Bである。
【0085】図4Bに示すように、既定値発生回路13
は、たとえばI/O回路9に対して既定値を供給する。
既定値発生回路13には、たとえば制御回路2から出力
されたリークビット線チェックを制御する信号SLEAK
受けたとき、既定値を“10μA”から“1μA”に切
り替える。
【0086】いま、ワード線に印加される、ある一定の
バイアス電圧は“−1V”であるから、ビット線電流I
が“I≧10μA”であれば、セルのスレシホールド電
圧V THは“VTH≦−2V”である、と想定できる。
【0087】また、ビット線に流れる電流Iが“10μ
A>I≧1μA”であれば、セルのスレシホールド電圧
THは“−2V<VTH≦−1V”である、と想定でき
る。
【0088】よって、ビット線に流れる電流Iを“I<
1μA”とすれば、セルのスレシホールド電圧VTH
“VTH>−1V”にできる。
【0089】このように“0”読み出しか“1”読み出
しかを区別するための既定値を、リークビット線チェッ
ク時に、読み出し時よりも厳しくし、たとえばビット線
に流れる電流を“1μA”未満とする。これにより、ス
レシホールド電圧VTHを、たとえば第1の過消去ベリフ
ァイ電圧VOEV1以上にすることができる。
【0090】なお、既定値IREF-LEAKは“1μA”に設
定したが、この値は、ビット線の容量等、いくつかの要
素を勘案して適切に設定されればよい。
【0091】ビット線に流れる電流を“1μA”未満と
する方法としては、自己収束法を好ましく用いることが
できる。以下、ST.31に自己収束法を用いた場合の
一例を説明する。
【0092】図2中のST.31-1において、まず、カ
ラムアドレスを初期化する。
【0093】次に、ST.31-2において、リークビッ
ト線チェックを行う。これは、初期化されたカラムアド
レスによってビット線BL1を選択し、この選択ビット
線BL1のリーク電流を検知する。このときの既定値I
REF-LEAKは、読み出し時の既定値IREF未満の、たとえ
ば“1μA”とする。図5Aに、リーク電流検知時のセ
ルアレイ1のバイアス状態を示す。
【0094】図5Aに示すように、データが消去される
ブロック内の全てのワード線WL1、WL2、WL3、
WL4、…は非選択とされ、たとえば非選択バイアス電
圧が印加されている。非選択バイアス電圧の数値例は
“−1V”である。選択ビット線BL1には、読み出し
用バイアス電圧が印加されている。読み出し用バイアス
電圧の数値例は“0.5V”である。非選択ビット線B
L2、BL3、BL4、…は開放状態(OPEN)か、ある
いは“0V”とする。また、ソース線SLは“0V”と
する。
【0095】次に、ST.31-3において、図5Aに示
すバイアス状態で、選択ビット線BL1に流れたリーク
電流が“1μA”未満か否かを判断する。これは、選択
ビット線BL1に流れたリーク電流を、既定値I
REF-LEAKと比較して、“0”読み出しか“1”読み出し
かで判断する。
【0096】この判断の結果、“0”読み出し、即ちリ
ーク電流は“1μA”未満と判断された場合(YE
S.)、ST.31-4に進む。
【0097】ST.31-4では、カラムアドレスが最終
カラムアドレスであるか否かが判断される。ST.31
-4において、“最終カラムアドレスではない”と判断さ
れた場合(NO.)、ST.31-5に進む。
【0098】ST.31-5では、カラムアドレスがイン
クリメントされる。これは、たとえば現在のカラムアド
レスに“+1”すれば良い。カラムアドレスをインクリ
メントした後、再度、ST.31-2に戻る。
【0099】ST.31-2では、図5Bに示すように、
ビット線BL1に代わって、ビット線BL2が、インク
リメントされたカラムアドレスによって選択され、選択
ビット線BL2には読み出し用バイアス電圧(0.5
V)が印加される。
【0100】次に、ST.31-3において、図5Bに示
すバイアス状態で、選択ビット線BL2に流れたリーク
電流が、“1μA”未満か否かを判断する。
【0101】この判断の結果、“1”読み出し、即ちリ
ーク電流が“1μA”以上と判断された場合(N
O.)、ビット線BL2には、図5Bに示すようにスレ
シホールド電圧VTHが“−1V”以下のセル(図5Bで
はMC32)が接続されている、と想定することができ
る。
【0102】よって、リーク電流は“1μA”以上と判
断された場合(NO.)、ST.31-6に進む。
【0103】ST.31-6では、自己収束動作を行う。
図5Cに、自己収束動作時のセルアレイ1のバイアス状
態を示す。
【0104】図5Cに示すように、ビット線BL2に、
読み出し用バイアス電圧よりも高い自己収束用バイアス
電圧(自己収束パルス)を印加する。自己収束用バイア
ス電圧の例は、たとえば書き込み用バイアス電圧と同じ
電圧であり、その数値例は“5V”である。
【0105】なお、ワード線WL1、WL2、WL3、
WL4、…には、自己収束に最適なバイアス電圧、たと
えば実際には“0V〜−1V”といった電圧を印加し、
非選択ビット線BL1、BL3、BL4、…は開放状態
(OPEN)か、あるいは“0V”、ソース線SLは“0
V”とする。
【0106】図5Cに示すバイアス状態とすることで、
セルMC32に対して自己収束がかかり、そのスレシホー
ルド電圧VTHは、一般に自己収束スレシホールド電圧V
TH *と呼ばれる値に向かって上昇していく。
【0107】ここで、自己収束スレシホールド電圧VTH
*について説明しておく。この自己収束スレシホールド
電圧VTH *は、たとえば紫外線消去後のセルのスレシホ
ールド電圧VTH-UVに比例する。つまり、自己収束スレ
シホールド電圧VTH *は、たとえばセルのチャネルの不
純物濃度を調節することで制御することが可能である
(参考文献: S.Yamada et al,“A SELF-CONVERGENCE E
RASING SCHEME FOR A SINPLE STACKED GATE FLASH EEPR
OM”, IEDM Tech. Dig. pp307-310(1991))。
【0108】この第1の実施形態では、セルの自己収束
スレシホールド電圧VTH *が、第1の過消去ベリファイ
電圧VOEV1以上になるように、チャネルの不純物濃度が
調節されることが好ましい。これにより、スレシホール
ド電圧VTHが“−1V”以下であるセルについては、自
己収束のメカニズムによって、第1の過消去ベリファイ
電圧VOEV1を上回る値に上昇する。
【0109】なお、自己収束スレシホールド電圧VTH *
は、第1の過消去ベリファイ電圧VO EV1以上、かつ消去
ベリファイ電圧VEV未満の範囲内に設定されるのが好ま
しい。自己収束のメカニズムによって、セルのスレシホ
ールド電圧VTHが、消去ベリファイ電圧VEV以上になっ
てしまうことを防ぐ観点からである。
【0110】自己収束動作を終えた後、再度、ST.3
1-2に進み、再度、図5Bに示すバイアス状態とする。
【0111】次に、ST.31-3において、図5Bに示
すバイアス状態で、選択ビット線BL1に流れたリーク
電流が、“1μA”未満か否かを判断する。
【0112】この判断の結果、再度“1”読み出し、即
ちリーク電流が“1μA”以上と判断された場合(N
O.)には、再度、自己収束動作を繰り返す。
【0113】また、反対に“0”読み出し、即ちリーク
電流は“1μA”未満と判断された場合(YES.)に
は、ST.31-4に進む。
【0114】ST.31-4では、最終カラムアドレスか
否かが判断される。“最終カラムアドレスではない”
(NO.)と判断されたとき、ST.31-5に進み、カ
ラムアドレスをインクリメントしたうえで、ST.31
-2以降の動作を繰り返す。
【0115】また、反対に“最終カラムアドレスであ
る”(YES.)と判断されたとき、第1の工程(S
T.31)が終了する。図3Dに第1の工程(ST.3
1)終了後のスレシホールド電圧VTHの分布を示す。
【0116】図3Dに示すように、第1の工程(ST.
31)終了後、全てのセルのスレシホールド電圧VTH
“VOEV1<VTH<VEV”に規定される。
【0117】次に、第2の工程(ST.32)に進む。
【0118】この第2の工程(ST.32)には、弱プ
ログラム法を好ましく用いることができる。以下、第2
の工程(ST.32)に、弱プログラム法を用いた場合
の一例を説明する。
【0119】まず、図2に示すST.32-1において、
アドレスを初期化する。
【0120】次に、ST.32-2において、過消去ベリ
ファイを行う。図6Aに、リーク電流検知時のセルアレ
イ1のバイアス状態を示す。
【0121】これには、まず、図6Aに示すように、初
期化されたアドレスによって選択されたワード線WL1
に、過消去ベリファイ用バイアス電圧を印加する。過消
去ベリファイ用バイアス電圧の数値例は、第2の過消去
ベリファイ電位VOEV2を“1.5V”としたとき、これ
に“1V”を付加した“2.5V”である。“1V”を
付加する理由は、ワード線の電圧がセルのスレシホール
ド電圧VTHよりも“1V”以上高くなったときに、ビッ
ト線に流れる電流を“10μA”とし、これを過消去ベ
リファイ時の既定値IREFとするからである。この既定
値IREFは、読み出し時と同じである。
【0122】なお、非選択ワード線WL2、WL3、W
L4、…には非選択バイアス電圧を印加しておく。非選
択バイアス電圧の数値例は、たとえば“−1V”であ
る。
【0123】次に、初期化されたアドレスによって選択
されたビット線BL1に、読み出し用バイアス電圧
(0.5V)を印加する。これにより、セルMC11は、
過消去ベリファイの対象セルとして選択される。
【0124】なお、非選択ビット線BL2、BL3、B
L4、…は開放状態(OPEN)か、あるいは“0V”と
し、ソース線は“0V”とする。
【0125】次に、ST.32-3において、図6Aに示
すバイアス状態で、選択ビット線BL1に流れるオン電
流が、たとえば“10μA”未満か否かを判断する。こ
れは、選択ビット線BL1のオン電流を、既定値IREF
と比較して、“0”読み出しか“1”読み出しかで判断
する。
【0126】この判断の結果、“0”読み出し、即ちオ
ン電流は“10μA”未満と判断された場合(YE
S.)、ST.32-4に進む。
【0127】ST.32-4では、アドレスが最終アドレ
スであるか否かが判断される。“最終アドレスではな
い”と判断された場合(NO.)、ST.32-5に進
む。
【0128】ST.32-5では、アドレスがインクリメ
ントされる。これは、たとえば現在のアドレスに“+
1”すれば良い。アドレスをインクリメントした後、再
度、ST.32-2に戻る。
【0129】このST.32-2では、図6Bに示すよう
に、ビット線BL1に代わって、インクリメントされた
アドレスによって選ばれた選択ビット線BL2に、読み
出し用バイアス電圧(0.5V)を印加する。これによ
り、セルMC12が、過消去ベリファイの対象セルとして
選択される。
【0130】次に、ST.32-3において、図6Bに示
すバイアス状態で、ビット線BL2に流れたオン電流
が、“10μA”未満か否かを判断する。
【0131】この判断の結果、“1”読み出し、即ちオ
ン電流が“10μA”以上と判断された場合(N
O.)、選択セルMC12のスレシホールド電圧VTH
“1.5V”以下である、と想定することができる。
【0132】したがって、オン電流は“10μA”以上
と判断された場合(NO.)、ST.32-6に進む。
【0133】ST.32-6では、弱プログラム動作が行
われる。図6Cに、弱プログラム動作時のセルアレイ1
のバイアス状態を示す。
【0134】図6Cに示すように、選択ワード線WL1
に、弱プログラム用ワード線バイアス電圧(弱プログラ
ムパルス)を印加する。弱プログラム用バイアス電圧の
数値例は“3V”である。
【0135】また、選択ビット線BL2には弱プログラ
ム用ビット線バイアス電圧(弱プログラムパルス)を印
加する。弱プログラム用ビット線バイアス電圧の例は、
書き込み用バイアス電圧と同じであり、その数値例は5
Vである。また、非選択ワード線WL2、WL3、WL
4、…には非選択バイアス電圧(−1V)を印加し、非
選択ビット線BL1、BL3、BL4、…は、開放状態
(OPEN)か、あるいは“0V”とし、ソース線SLは
“0V”とする。
【0136】図6Cに示すバイアス状態とすることで、
選択セルMC12に対して弱プログラムが行われ、そのス
レシホールド電圧VTHが上昇する。このような弱プログ
ラム動作では、選択セルMC12に接続されたワード線W
L1とビット線BL2とに積極的に電圧を加えて、その
ドレインから電子を書き込む。このため、選択ワード線
WL1に印加される弱プログラム用バイアス電圧、およ
び選択ビット線BL2に印加される書き込み用バイアス
電圧はそれぞれ、通常の書き込み動作と同様にμs単位
のパルスで与えられれば良い。
【0137】なお、弱プログラム用バイアス電圧は、通
常のプログラム用バイアス電圧未満の値とされる。たと
えば通常のプログラム用バイアス電圧の数値例は“9
V”である。これにより、弱プログラム時、選択セルM
C12の浮遊ゲートに対して、たとえば単位時間当たりに
注入される電子の量は、通常のプログラム時よりも少な
くなる。よって、選択セルMC12のスレシホールド電圧
THの上昇量は、通常のプログラム時に比べて小さくな
り、スレシホールド電圧VTHを、わずかな量上昇させる
ことができる。
【0138】弱プログラム動作を終えた後、再度、S
T.32-2に進み、再度、図6Bに示すバイアス状態と
して、ビット線BL2に流れたオン電流が、“10μ
A”未満か否かを判断する。
【0139】この判断の結果、再度“1”読み出し、即
ちオン電流が“10μA”以上と判断された場合(N
O.)には、再度、弱プログラム動作を繰り返す。
【0140】また、反対に“0”読み出し、即ちオン電
流は“10μA”未満と判断された場合(YES.)に
は、ST.32-4に進む。
【0141】ST.32-4では、最終アドレスか否かが
判断される。“最終アドレスではない”(NO.)と判
断されたとき、ST.32-5に進み、アドレスをインク
リメントしたうえで、ST32-2以降の動作を繰り返
す。
【0142】ここで、アドレスのうち、カラムアドレス
が最終までインクリメントされた後は、カラムアドレス
は初期値に戻り、続いてローアドレスがインクリメント
され、ワード線WL1に代わって、ワード線WL2が選
択される。このようにして、データが消去されるブロッ
ク内の全てのセルに対して一つ一つ、弱プログラム動作
が必要か否かが判断され、必要ならば弱プログラム動作
が行われる。そして、最後のセルである、即ち“最終ア
ドレスである”(YES.)と判断されたとき、第2の
工程(ST.32)が終了する。図3Eに第2の工程
(ST.32)終了後のスレシホールド電圧VTHの分布
を示す。
【0143】図3Eに示すように、第2の工程(ST.
32)終了後、全てのセルのスレシホールド電圧V
THは、“VOEV2<VTH<VEV”に規定される。
【0144】このように第2の工程(ST.32)が終
了することで、この発明の第1の実施形態を用いたデー
タ消去シークエンスが終了する。
【0145】このような第1の実施形態であると、第1
の工程(ST.31)において、全てのセルのスレシホ
ールド電圧VTHが、たとえば“−1V”以上にシフトさ
れる。
【0146】このため、第2の工程(ST.32)にお
いて、弱プログラム法を用いた場合、非選択ワード線に
印加する電圧を“−1V”とすれば、これら非選択ワー
ド線に接続される非選択セルは、全て十分にカットオフ
することができる。
【0147】したがって、非選択セルが選択ビット線に
対して、既定値IREF以上のリーク電流を流してしまう
事情を抑制でき、これに起因した、選択セルのスレシホ
ールド電圧VTHの誤検知を抑制することができる。
【0148】また、非選択セルが選択ビット線に対して
流すリーク電流が減るので、選択ビット線に流れる電流
は、ほぼ選択セルが流す電流に対応するように規定でき
る。このため、非選択セルが流す電流が、選択セルが流
す電流に加算されることに起因した選択セルに対する書
き込み過ぎの発生を抑制することができる。
【0149】さらに、非選択セルが選択ビット線に対し
て流すリーク電流が減るので、選択ビット線の電圧が、
元の設定値よりも低くなる事情も抑制できる。このた
め、低下した選択ビット線の電圧が、突然元の設定値に
上昇する、という現象に起因した、選択セルに対する書
き込み過ぎの発生についても抑制することができる。
【0150】また、第1の工程(ST.31)におい
て、スレシホールド電圧VTHの上昇量は、わずかで済
む。このため、自己収束法を第1の工程(ST.31)
に用いた場合でも、第1の工程(ST.31)に要する
時間は、わずかで済む。さらには、非選択セルが流すリ
ーク電流に起因した選択ビット線の電圧の低下を抑制で
き、たとえば弱プログラム動作の繰り返し回数の減少を
図れる。
【0151】したがって、第1の実施形態によれば、動
作の高速性を損なうことなく、所望の範囲を逸脱したス
レシホールド電圧を、誤動作や誤検知の発生を抑制しつ
つ、かつ動作の高速性を損なわずに、所望の範囲に回復
できる。
【0152】このような第1の実施形態に係るスレシホ
ールド電圧制御方法を、データ消去シークエンスとし
て、図1に示すような不揮発性半導体メモリの、たとえ
ば制御回路2に組み込む。
【0153】このような不揮発性半導体メモリによれ
ば、データ消去時、所望の範囲を逸脱したスレシホール
ド電圧を、誤動作や誤検知の発生を抑制しつつ、かつ動
作の高速性を損なわずに、所望の範囲に回復できる。
【0154】また、この発明は、図7に示すように、1
ブロック内に複数のI/O回路9を持ち、複数のビット
線に対して同時にデータを読み書きする不揮発性半導体
メモリに、特に有効である。
【0155】図7に示す不揮発性半導体メモリでは、複
数の選択ビット線のうちの一本にでも過大なリーク電流
が流れれば、ビット線バイアス回路3から出力された書
き込み用バイアス電圧が低下する。
【0156】また、図7に示すように、特に書き込み用
バイアス電圧を、たとえばチャージポンプ回路14を用
い、電源電圧を昇圧して得ている場合には、上記書き込
み用バイアス電圧の低下はさらに顕著である。
【0157】この発明では、たとえば第2の工程(S
T.32)において、非選択セルが選択ビット線に流す
リーク電流を低下できるので、この発明は、図7に示す
ような1ブロック内に複数のI/O回路9を持ち、複数
のビット線に対して同時にデータを読み書きする不揮発
性半導体メモリに、特に有効である。
【0158】また、図7に示すように、書き込み用バイ
アス電圧を、チャージポンプ回路14を用い、たとえば
電源電圧を昇圧して得ている不揮発性半導体メモリに
も、有効である。
【0159】なお、後で変形例としても一部記述される
が、メモリセルのスレシホールド電圧の検知方法は一例
を示しているので、バイアス条件や検知方法に多くの変
形例がある事は勿論である。また、スレシホールド電圧
をシフトさせる2段階でのセルに対するバイアス条件に
ついても、セルの特性に応じて、その最適な絶対値は変
化する事は勿論である。
【0160】[第1の実施形態の第1の変形例]上記第
1の実施形態では、まず、自己収束を全カラムに対して
実行した後、先頭カラムに戻ってから弱プログラムシー
クエンスに入っている。
【0161】しかし、カラム毎に自己収束を終了した
ら、引き続いて弱プログラムを行い、最終的にセルMC
のスレシホールド電圧VTHを第2の過消去ベリファイ電
圧VOE V2を上回るようにした後に、カラムアドレスをイ
ンクリメントしても良い。
【0162】この第1の変形例は、そのようにシークエ
ンスを変形したものである。
【0163】図8は、第1の実施形態の第1の変形例を
示す流れ図である。
【0164】図8に示すように、第1の変形例に係るシ
ークエンスは、ST.31-3までは図1に示すシークエ
ンスと同様であるが、ST.31-3において、“0”読
み出し、即ちリーク電流が“1μA”未満と判断された
場合(YES.)以降のシークエンスが異なる。
【0165】即ち、図8に示すように、ST.31-3に
おいて、選択ビット線に流れるリーク電流が“1μA”
未満と判断された場合(YES.)、最終カラムアドレ
スか否かを判断せずに、第2の工程(ST.32)のS
T.32-2に進むようにしている。そして、選択セルに
対して過消去ベリファイを行う。
【0166】過消去ベリファイの後、ST.32-3にお
いて、選択セルがビット線に流すオン電流が“10μ
A”未満か否かを判断する。
【0167】この判断の結果、選択セルが流すオン電流
が“10μA”未満と判断された場合(NO.)、第1
の実施形態と同様にST.32-6に進み、弱プログラム
を行った後、ST.32-2に戻る。反対に、オン電流が
“10μA”以上と判断された場合(YES.)、S
T.32-4’に進み、最終ローアドレスか否かを判断す
る。
【0168】この判断の結果、“最終ローアドレスでは
ない”と判断された場合(NO.)、ST32-5'に進
み、ローアドレスをインクリメントした後、ST.32
-2に戻る。
【0169】反対に“最終ローアドレスである”と判断
された場合(YES.)、ST.32-7に進み、最終カ
ラムアドレスか否かを判断する。
【0170】この判断の結果、“最終カラムアドレスで
はない”と判断された場合(NO.)、ST32-8に進
み、ローアドレスを初期化するとともに、カラムアドレ
スをインクメントする。この後、第1の工程(ST.3
1)のST.31-2に戻り、インクリメントされたカラ
ムアドレスによって選択されたビット線に対し、リーク
ビット線チェックを行う。
【0171】反対に“最終カラムアドレスである”と判
断された場合(YES.)には、消去終了となる。
【0172】このような第1の変形例であると、カラム
アドレスをスキャン(インクリメント)していくシーク
エンスを、第1の実施形態の2回から1回に減らすこと
ができ、消去シークエンスの簡単化を図ることができ
る。
【0173】[第1の実施形態の第2の変形例]次に、
第1の実施形態の第2の変形例を説明する。
【0174】この第2の変形例は、リークビット線チェ
ック時(ST.31-2)におけるバイアス状態の変形に
関する。
【0175】図9は、第2の変形例に係るリークビット
線チェック時のセルアレイのバイアス状態を示す図であ
る。
【0176】図9に示すように、データが消去されるブ
ロック内の全てのワード線WL1、WL2、WL3、W
L4、…に対して印加する非選択バイアス電圧を、第1
の過消去ベリファイ電圧VOEV1よりも高い電圧としても
良い。その数値例は、第1の過消去ベリファイ電圧V
OEV1を“−1V”としたとき、それよりも“1V”高い
“0V”とすることである。
【0177】このような第1の変形例では、リークビッ
ト線チェック時にワード線に与える非選択バイアス電圧
を、第1の過消去ベリファイ電圧VOEV1よりも“1V”
高くする。
【0178】このため、リークビット線チェック時の既
定値IREF-LEAKを、通常の読み出し既定値IREFと同
じ、たとえば“10μA”としても、スレシホールド電
圧VTHが“−1V”以下のセルを検知することができ
る。ワード線のバイアス電圧が“0V”のとき、ビット
線に“10μA”の電流が流れれば、セルのスレシホー
ルド電圧VTHは“−1V”以下である、と想定できるか
らである。
【0179】このような第2の変形例による利点は、リ
ークビット線チェック時と、読み出し時とで、“0”読
み出しか“1”読み出しかを区別するための既定値を切
り替える必要がないことである。このため、たとえば図
4Bに示すような、既定値発生回路13から、リークビ
ット線チェック時とデータ読み出し時とで既定値を切り
替える回路や、この既定値切り替えを制御する信号S
LEAKを発生する回路等を省略することができる。
【0180】よって、第2の変形例によれば、第1の実
施形態から得られる効果に加えて、回路の簡素化を図
れ、集積度の向上や、歩留りの向上に有利である、とい
う効果を得ることができる。
【0181】[第1の実施形態の第3の変形例]次に、
第1の実施形態の第3の変形例を説明する。
【0182】第1の工程(ST.31)における過消去
ビットの検知シークエンス(ST.31-1〜ST.31
-6)は、第2の工程(ST.32)における過消去セル
の検知シークエンス(ST.32-1〜ST.32-6)と
可能な限り合わせられるのが好ましい。制御の煩雑さを
解消して、素子数の削減、および動作の高速化等を図る
観点からである。
【0183】図10は、第1の実施形態の第3の変形例
に係るリークビット線チェック時のセルアレイ1のバイ
アス状態を示す図である。
【0184】図10に示すように、リークビット線チェ
ック時、たとえば先頭のワード線WL1の電圧を過消去
ベリファイ電圧、たとえば“2.5V”とし、他のワー
ド線WL2、WL3、WL4、…、の電圧をそれぞれ非
選択電圧、たとえば“−1V”としておく。このバイア
ス状態は、第1の実施形態で説明した過消去ベリファイ
時のバイアス状態(たとえば図6A)と同じバイアス状
態と同じである。
【0185】図10に示すバイアス状態で、たとえば第
1の実施形態と同様に、選択ビット線BL1に流れたリ
ーク電流が、“1μA”未満か否かを判断する。
【0186】この判断の結果、“1”読み出し、即ちリ
ーク電流が“1μA”以上と判断された場合、少なくと
も次の2つのケースが考えられる。
【0187】[ケース1]先頭のワード線WL1に接続
されたセルMC11のスレシホールド電圧VTHが“2.5
V”以下である。
【0188】[ケース2]非選択ワード線WL2、WL
3、WL4、…に接続されたセルMC21、MC31、MC
41、…の少なくとも一つに、スレシホールド電圧VTH
“−1V”以下のものが存在する。
【0189】“ケース1”の場合には、セルMC11のス
レシホールド電圧VTHが“−1V”以下であれば、その
スレシホールド電圧VTHを上昇させる必要がある。
【0190】“ケース2”の場合には、セルMC21、M
C31、MC41、…の少なくとも一つのスレシホールド電
圧VTHを上昇させる必要がある。
【0191】したがって、第1の実施形態と同様に、
“1”読み出し、即ちリーク電流が“1μA”以上と判
断された場合には、自己収束動作を行えば良い。
【0192】なお、セルMC12のスレシホールド電圧V
THが“−1V”を上回っていれば、“2.5V”以下で
あっても、この段階でスレシホールド電圧VTHを上昇さ
せる必要はない。しかしながら、上昇動作を行ったとし
ても、それによって不良が発生することはない。
【0193】ただし、セルMC12のスレシホールド電圧
THが、“2.5V”を上回るまで、自己収束動作を行
うと、非常に長い時間がかかってしまう場合が起こり得
る。
【0194】このため、第3の変形例においては、たと
えば自己収束動作を、セルMCのスレシホールド電圧V
THが“−1V”を上回るレベルまで上昇するであろう条
件にて行い、自己収束動作後の再チェックでは、リーク
電流が、たとえ既定値以上であったとしても、そのビッ
ト線の自己収束動作は、強制的に終了させてしまうよう
にしても良い。このようなシークエンスの一例を、図1
1に示す。
【0195】図11に示すように、第3の変形例に好ま
しいシークエンスは、ST.31-3までは図1に示すシ
ークエンスと同様であるが、ST.31-3において、
“1”読み出し、即ちリーク電流が“1μA”以上と判
断された場合(NO.)以降のシークエンスが異なる。
【0196】即ち、図11に示すように、ST.31-3
において、リーク電流が“1μA”以上と判断された場
合(NO.)、ST.31-7に進み、サイクルが“0”
か否かを判断する。なお、ここでいうサイクルとは、選
択されたビット線の自己収束動作の履歴を示すもので、
“サイクル=0”ならば履歴無し、“サイクル=0”以
外ならば履歴有りを表す。
【0197】ST.31-7において、“サイクル=0で
ある”と判断された場合(YES)、ST.31-6に進
み、自己収束動作を行う。
【0198】次に、ST.31-8に進み、サイクルに
“+1”した後、再度ST.31-2に進み、リーク電流
を再度チェックする。再度のチェックにおいて、リーク
電流が“1μA”以上と判断された場合(NO.)、S
T.31-7に進む。このときのST.31-7では、“サ
イクル=1”となっている。このため、ST.31-7で
は“サイクル=0ではない”と判断され、ST.31-9
に進み、たとえばST.31-9においてサイクルを
“0”に戻した後、ST.31-4に進む。
【0199】以降は、図1に示すシークエンスと同様で
ある。
【0200】このようなシークエンスであると、たとえ
ば2.5Vにバイアスされた先頭ワード線WL1に接続
されているセルMCのスレシホールド電圧が2.5Vを
上回るまで、自己収束動作を繰り返さずに済む。このた
め、特に第2の変形例において、第1の工程(ST.3
1)に要する時間を短縮することが可能となる。
【0201】以上のような第3の変形例においても、選
択ビット線BL1中のどのセルが過消去セルであるかを
特定せずに収束動作をかける、ということで、第1の実
施形態と基本的には同じ考え方である。
【0202】このような第3の変形例によれば、第1の
実施形態に比較して、リークビット線チェック時、全て
のワード線を、たとえば“−1V”とする制御が必要な
い。よって、全てのワード線を、たとえば“−1V”と
するような回路等を省略でき、素子数の削減、および動
作の高速化等を図ることができる。
【0203】[第1の実施形態の第4の変形例]次に、
第1の実施形態の第4の変形例を説明する。
【0204】上記第3の変形例では、リーク電流検知時
のバイアス状態を、過消去ベリファイ時のバイアス状態
と同じとすることで、制御の煩雑さを解消した。
【0205】この第4の変形例は、バイアス状態ばかり
でなく、さらにリークビット線チェック時の検知方法
を、過消去ベリファイ時の検知方法と同じとし、制御の
煩雑さを、さらに解消しようとするものである。
【0206】図12は、第4の変形例に係るリークビッ
ト線検知時のバイアス状態を示す図である。
【0207】図12に示すバイアス状態は、図10に示
したバイアス状態と同じである。ただし、“0”読み出
しか“1”読み出しかを区別する既定値は、たとえば
“1μA”に代えて、過消去ベリファイ時の既定値と同
じ、たとえば“10μA”とする。
【0208】図12に示すバイアス状態で、たとえば選
択ビット線BL1に流れたリーク電流が、通常の読み出
し時と同じ“10μA”未満か否かを判断する。
【0209】この判断の結果、“1”読み出し、即ちリ
ーク電流が“10μA”以上と判断された場合、少なく
とも次の2つのケースが考えられる。
【0210】[ケース1]先頭のワード線WL1に接続
されたセルMC11のスレシホールド電圧VTHが“1.5
V”以下である。
【0211】[ケース2]非選択ワード線WL2、WL
3、WL4、…に接続されたセルMC21、MC31、MC
41、…の少なくとも一つに、スレシホールド電圧VTH
“−2V”以下のものが存在する。
【0212】第4の変形例の場合、第3の変形例と異な
り、非選択ワード線WL2、WL3、WL4、…に接続
されたセルMC21、MC31、MC41、…のスレシホール
ド電圧VTHが“−2V”を上回り“−1V”以下のもの
は検知できない。
【0213】しかし、スレシホールド電圧VTHが“−2
V”以下、即ち過消去セルの検知シークエンス(ST.
32-1〜ST.32-6)において、過消去ベリファイ時
に、既定値以上の電流を流してしまうようなセルの発生
は抑制できる。
【0214】また、スレシホールド電圧VTHが“−2
V”を上回り“−1V”以下のセルが存在することによ
る誤動作の確率が少なくなるように配慮すれば、何等問
題はない。
【0215】あるいは、第3、第4の変形例の図10、
20の場合共に、過消去ベリファイ時も含めて非選択ワ
ード線の電位を−1Vではなく0Vに設定したり、あるい
は、多少の回路の複雑さは許容して、リークビット線チ
ェック時のみ非選択ワード線電位を0Vとする等のバイ
アス条件の変形例がある事は勿論である。これらは各動
作のマージンをどの程度確保するかにも依存する。
【0216】このような第4の変形例においても、選択
ビット線BL1中のどのセルが過消去セルであるかを特
定せずに収束動作をかける、ということで、第1の実施
形態と基本的には同じ考え方である。
【0217】このような第4の変形例によれば、第3の
変形例と比較して、リークビット線検知時の既定値を、
過消去ベリファイ時の既定値と同じとすることで、さら
に制御の煩雑さを抑制することができる。よって、リー
クビット線チェックの制御に必要な回路をさらに省略で
き、素子数の削減、および動作の高速化等を、より図る
ことができる。
【0218】なお、第1の過消去ベリファイ電圧VOEV1
は当然、第2の過消去ベリファイ電圧VOEV2より低い値
に設定されるが、その設定にあたっては、設定が高すぎ
たり、低すぎたりすると以下の問題が発生するので、セ
ルMCの特性を見極めて適正な値に設定する。
【0219】まず、設定を低くする場合には、次の弱プ
ログラムシークエンスでの誤動作を避けるため、弱プロ
グラム時に非選択ワード線に印加する負の電圧をより低
くしなければならない。
【0220】しかし、設定が低すぎると、負電圧を発生
させるチャージポンプ回路の必要能力を高めなければな
らないので、チャージポンプ回路の面積増を招く。ま
た、負電圧切り替え回路で高い耐圧が必要な場所ができ
てしまう場合もある。
【0221】したがって、不必要に設定を低くすること
は望ましくない。
【0222】また、反対に設定が高すぎると、そこまで
自己収束でスレシホールド電圧VTHが上昇するのに、非
常に時間がかかってしまったり、逆に消去ベリファイ電
圧V EVとの差が少ないと、消去ベリファイ電圧VEVを飛
び越えてしまう恐れがでてくる。
【0223】したがって、第1の過消去ベリファイ電圧
OEV1は、セルMCの特性をチェックして、第2の過消
去ベリファイ電圧VOEV2より低い最適な値を設定するよ
うにする。
【0224】[第2の実施形態]上記第1の実施形態の
第1の工程(ST.31)では、リーク電流が比較的大
きいビット線を検知する。そして、検知されたビット線
に、たとえば自己収束用バイアス電圧を印加すること
で、検知されたビット線に接続されたセルに対して自己
収束動作を行っている。
【0225】しかし、この発明のように第1の工程(S
T.31)の後に、第2の工程(ST.32)を行う場
合には、第1の工程(ST.31)では、スレシホール
ド電圧VTHは、たとえば“−1V”程度といった、比較
的低いレベルまで回復させれば良い。このため、短時間
のパルス(書き込み用バイアス電圧)をビット線に与え
るだけで、スレシホールド電圧VTHは所望のレベルま
で、確実に回復できる場合が多い。
【0226】この場合には、たとえばリークビット線チ
ェックは行わずに、全ビット線に、電圧をスキャンしな
がら加えて回復させてしまう方法がある。いちいちリー
クビット線チェックを行う場合に比較して、第1の工程
(ST.31)を制御するための回路を簡単にできる利
点がある。
【0227】このような第1の工程(ST.31)の流
れ図を図13に示す。
【0228】まず、図13に示すST.31-1におい
て、カラムアドレスを初期化する。
【0229】次に、ST.31-6に進み、初期化された
カラムアドレスによって選択されたビット線に、自己収
束用バイアス電圧、たとえば5Vを印加する。これによ
り、選択ビット線に接続されたセルに対して自己収束が
かかり、これらセルのスレシホールド電圧VTHは、たと
えば“−1V”以上に上昇される。
【0230】次に、ST.31-4に進み、カラムアドレ
スが最終カラムアドレスであるか否かを判断する。S
T.31-4において、“最終カラムアドレスではない”
と判断された場合(NO.)、ST.31-5に進む。
【0231】ST.31-5では、カラムアドレスをイン
クリメントする。カラムアドレスをインクリメントした
後、再度、ST.31-6に戻る。
【0232】ST.31-6では、インクリメントされた
カラムアドレスによって選択されたビット線に対して、
自己収束用バイアス電圧、たとえば5Vを印加する。こ
れにより、次に選択されたビット線に接続されたセルに
対して自己収束がかかり、これらセルのスレシホールド
電圧VTHは、たとえば“−1V”以上に上昇される。
【0233】次に、ST.31-4に進み、カラムアドレ
スが最終カラムアドレスであるか否かを判断する。S
T.31-4において、“最終カラムアドレスではない”
と判断された場合(NO.)、ST.31-5に進む。
【0234】また、反対に“最終カラムアドレスであ
る”(YES.)と判断されたとき、第1の工程(S
T.31)が終了し、第2の工程(ST.32)に進
む。
【0235】このような第2の実施形態によれば、いち
いちリークビット線チェックを行わないので、第1の実
施形態に比べて、第1の工程(ST.31)を制御する
ための回路を簡単にできる、という利点を得ることがで
きる。
【0236】[第2の実施形態の第1の変形例]また、
リーク電流検知は行うが、自己収束動作の後の判断を省
略することも可能である。
【0237】この場合には、第1の工程(ST.31)
に要する時間を短縮できる、という利点がある。
【0238】以下、これを第2の実施形態の第1の変形
例として説明する。
【0239】図14は、第2の実施形態の第1の変形例
を示す流れ図である。
【0240】まず、図14に示すST.31-1におい
て、カラムアドレスを初期化する。
【0241】次に、ST.31-2に進み、リークビット
線チェックを行い、初期化されたカラムアドレスによっ
て選択されたビット線に、読み出し用バイアス電圧
(0.5V)を印加する。
【0242】次に、ST.31-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0243】この判断の結果、“0”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値未満と判断された場合(Y
ES.)、ST.31-4に進み、カラムアドレスが最終
カラムアドレスであるか否かを判断する。
【0244】ST.31-4において、“最終カラムアド
レスではない”と判断された場合(NO.)、ST.3
1-5に進み、カラムアドレスをインクリメントする。
【0245】次に、再度、ST.31-2に戻り、インク
リメントされたカラムアドレスによって選択されたビッ
ト線に、読み出し用バイアス電圧(0.5V)を印加す
る。
【0246】次に、ST.31-3に進み、ビット線に流
れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0247】この判断の結果、“1”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値以上判断された場合(N
O.)、ST.31-6に進む。
【0248】ST.31-6では、インクリメントされた
カラムアドレスによって選択されたビット線に対して、
自己収束用バイアス電圧、たとえば5Vを印加する。こ
れにより、選択ビット線に接続されたセルに対して自己
収束がかかり、これらセルのスレシホールド電圧V
THは、たとえば“−1V”以上に上昇される。
【0249】次に、ST.31-4に進み、カラムアドレ
スが最終カラムアドレスであるか否かを判断する。S
T.31-4において、“最終カラムアドレスではない”
と判断された場合(NO.)、ST.31-5に進む。
【0250】また、反対に“最終カラムアドレスであ
る”(YES.)と判断されたとき、第1の工程(S
T.31)が終了し、第2の工程(ST.32)に進
む。
【0251】このような第2の実施形態の第1の変形例
によれば、リークビット線チェックは行うが、自己収束
動作の後の判断を省略するので、第1の実施形態に比べ
て、第1の工程(ST.31)に要する時間を短縮でき
る、という利点を得ることができる。
【0252】[第3の実施形態]第1、第2の実施形態
における第1の工程(ST.31)では、既定値以上の
電流が流れたビット線を検知し、検知されたビット線に
自己収束用バイアス電圧(自己収束パルス)を印加し
て、検知されたビット線に接続されているセルに対し
て、自己収束をかける。
【0253】このとき、検知されたビット線の電圧が、
セルが流すリーク電流によって低下することを抑制する
ために、全てのワード線をたとえば“−1V”等、負の
バイアス電圧としておくと、セルのスレシホールド電圧
THの上昇速度が低下することがある。
【0254】第3の実施形態は、自己収束動作時におけ
るスレシホールド電圧VTHの上昇速度の低下を抑制する
ことを目的とする。
【0255】図15A、図15Bはそれぞれ、第3の実
施形態に係る自己収束動作時のセルアレイ1のバイアス
状態を示す図である。
【0256】図15Aおよび図15Bにはそれぞれ、1
024本のワード線WL1〜WL1024が示されてい
る。リークビット線チェック(ST.31-2)後の判定
(ST.31-3)において、既定値以上の電流が流れた
ビット線(図示せず)が検知した後、自己収束動作(S
T.31-6)を行う。
【0257】このとき、図15Aに示すように、ワード
線WL1を“−1V”から、それよりも高い電圧、たと
えば“0V”とする。
【0258】次いで、所定時間、たとえば100μs経
過後、図15(B)に示すように、ワード線WL1に代
えて、ワード線WL2を“−1V”から、それよりも高
い電圧、たとえば“0V”とする。
【0259】このような動作をワード線WL1024ま
で順次行う。
【0260】たとえばセル1個当たり、100μs程度
で自己収束がかかる、とすると、図15A、図15Bに
示すように、ワード線が1024本あるブロックでも、
ビット線1本当たりの自己収束動作は、100μs×1
024本≒100ms程度で終了することができる。
【0261】このような第3の実施形態によれば、ワー
ド線に印加するバイアス電圧を1本ずつ、たとえば“−
1V”より高いバイアス電圧、好ましくは0V以上のバ
イアス電圧とする。このため、全てのワード線をたとえ
ば“−1V”等、負のバイアス電圧としておく場合に比
べて、セルのスレシホールド電圧VTHの上昇速度の低下
を抑制することができる。
【0262】なお、第3の実施形態に係る動作は、第1
の工程(ST.31)において、軽い弱プログラム動作
を行っている、とも言える。第2の工程(ST.31)
における弱プログラム動作との違いは、ワード線に印加
するバイアス電圧が小さいこと、およびセルのアドレス
を特定せず、流れた電流が既定値以上と検知されたビッ
ト線に接続されている全てのセルに対して、軽く弱プロ
グラムを行うことである。
【0263】[第4の実施形態]上記第3の実施形態で
は、セルのスレシホールド電圧VTH上昇速度の低下を抑
制することができる例を説明した。しかし、ワード線が
1024本あるブロックの場合、ビット線1本当たりの
自己収束動作に要する時間は、ほぼ100msであり、
自己収束動作を行うビット線の数が多いと、第1の工程
(ST.31)にかなりの時間を要することがある。
【0264】第4の実施形態は、スレシホールド電圧の
上昇速度の低下の抑制しつつ、かつ第1の工程(ST.
31)に要する時間を短縮することを目的としている。
【0265】図16A、図16Bはそれぞれ、第4の実
施形態に係る自己収束動作時のセルアレイ1のバイアス
状態を示す図である。
【0266】図16Aおよび図16Bにはそれぞれ、1
024本のワード線WL1〜WL1024が示されてい
る。リークビット線チェック(ST.31-2)後の判定
(ST.31-3)において、既定値以上の電流が流れた
ビット線(図示せず)が検知した後、自己収束動作(S
T.31-6)を行う。
【0267】このとき、図16Aに示すように、102
4本のワード線のうちの1/8本のワード線WL1〜W
L128を“−1V”から、それよりも高い電圧、たと
えば“0V”とする。
【0268】次いで、所定時間、たとえば100μs経
過後、図16Bに示すように、ワード線WL1〜WL1
28に代えて、ワード線WL129〜WL256を“−
1V”から、それよりも高い電圧、たとえば“0V”と
する。
【0269】このような動作をワード線WL897〜W
L1024からなるグループまで順次行う。
【0270】このような第4の実施形態によれば、ワー
ド線の電圧を1本ずつではなく、複数本ずつ“−1”V
よりも高くする。たとえば図16A、図16Bに示すよ
うに128本ずつ高くした場合、たとえばセル1個当た
り、100μs程度で自己収束がかかる、とすると、ワ
ード線が1024本あるブロックでも、ビット線1本当
たりの自己収束動作は、100μs×8個≒800μs
程度で終了することができる。
【0271】このように第4の実施形態では、第3の実
施形態のようにスレシホールド電圧VTHの上昇速度の低
下を、ワード線の電圧をたとえば“−1”Vよりも高く
することで抑制できる。かつワード線の電圧を複数本ず
つ高くしていくので、たとえば第3の実施形態に比べ
て、第1の工程(ST.31)に要する時間を短縮する
ことができる、という利点を得ることができる。
【0272】[第5の実施形態]弱プログラム動作にお
いては、その動作を高速に行うための方法が提案されて
いる。たとえばH.Shigaらにより、Symposium of VLSI C
ircuit Technical digest pp33-36(1999)に開示された
ステップアップ法である。
【0273】ステップアップ法とは、選択セルに対して
弱プログラムを繰り返すごとに、選択ワード線の電圧を
ステップアップするものである。
【0274】ステップアップ法では、選択ビット線、お
よび選択ワード線に弱プログラムパルスを印加し、その
後、過消去ベリファイを行ってセルのスレシホールド電
圧V THが所望のレベルに回復しているかチェックする。
この後、弱プログラムしたにも係わらず、スレシホール
ド電圧VTHが所望のレベルになっていない場合には、次
のパルスを印加する時に、ワード線の電圧を一定量づつ
上げる。
【0275】このステップアップ法の場合、ビット線の
電圧が安定していないと、書き込み量がステップアップ
の前後で急に変わってしまうことがある。ステップアッ
プ法は、基本的には、ドレイン電圧が一定の場合に、ワ
ード線をステップアップしていった時、書き込み量がい
つも同じ量増加していくことを利用して、スレシホール
ド電圧VTHを所望の範囲内に入れるものである。リーク
電流がビット線に流れていると、選択セルのドレイン電
圧が不安定になる。選択セルへの書き込み量は、そのド
レイン電圧に依存する。このため、ドレイン電圧が不安
定であると、選択セルへの書き込み量が一定にならず、
例えば突然、書き込み量が増大して、スレシホールド電
圧VTHが所望の値をオーバーしたりする。
【0276】この発明では、非選択セルがビット線に対
して流すリーク電流を減らすことができる。このため、
上記リーク電流に起因したビット線の電圧変動を抑制で
き、選択セルのドレインに対して非常に安定した電圧を
供給できる。
【0277】よって、第2の工程(ST.32)に、弱
プログラム法を用いた場合、ステップアップ法を好まし
く併用することができる。
【0278】図17は、第5の実施形態に係る制御方法
を示す流れ図である。
【0279】まず、図17に示すST.32-10におい
て、アドレスを初期化するとともに、弱プログラム繰り
返し回数(サイクル)を“0”とする。
【0280】次に、ST.32-2に進み、過消去ベリフ
ァイを行う。まず、初期化されたアドレスによって選択
されたワード線に、過消去ベリファイ用バイアス電圧、
たとえば3Vを印加する。次に、初期化されたアドレス
によって選択されたビット線に、読み出し用バイアス電
圧(0.5V)を印加する。
【0281】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0282】この判断の結果、“0”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値未満と判断された場合(Y
ES.)、ST.32-11に進む。
【0283】ST.32-11では、サイクルが“0”と
される。
【0284】次に、ST.32-4に進み、アドレスが最
終アドレスであるか否かを判断する。
【0285】ST.32-4において、“最終アドレスで
はない”と判断された場合(NO.)、ST.32-5に
進む。
【0286】ST.32-5では、アドレスをインクリメ
ントする。
【0287】次に、再度、ST.31-2に戻り、過消去
ベリファイを行う。このST.32-2では、インクリメ
ントされたアドレスによって選ばれた選択ビット線、選
択ワード線に接続されたセルが、過消去ベリファイの対
象となる。
【0288】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0289】この判断の結果、“1”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値以上と判断された場合(N
O.)、ST.32-12に進む。
【0290】ST.32-12では、サイクルが“0”か
否かを判断する。
【0291】この判断の結果、サイクルが“0”であ
る、と判断された場合(YES.)、ST.32-6に進
む。また、サイクルが“0”ではない、と判断された場
合(NO.)、ST.32-13に進み、選択ワード線の
バイアス電圧をステップアップした後、ST.32-6に
進む。
【0292】ST.32-6では、選択セルに対して弱プ
ログラムを行う。
【0293】次に、ST32-14に進み、サイクルを
“+1”する。
【0294】次に、再度、ST.31-2に戻り、過消去
ベリファイを行う。
【0295】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0296】この判断の結果、再度“1”読み出し、即
ち選択ビット線に流れた電流が既定値以上と判断された
場合(NO.)には、再度、ST.32-12、ST.3
2-13、ST.32-6、ST32-14の工程を繰り返す。
【0297】また、反対に“0”読み出し、即ち選択ビ
ット線に流れた電流が既定値未満と判断された場合(Y
ES.)には、ST.32-11に進み、サイクルを
“0”に戻した後、ST.32-4に進み、最終アドレス
か否かを判断する。
【0298】この判断の結果、“最終アドレスである”
(YES.)と判断されたとき、第2の工程(ST.3
2)が終了する。
【0299】この発明は、非選択セルがビット線に対し
て流すリーク電流を減らすことができるので、図17に
示すように、第2の工程に、弱プログラム法を用いた場
合には、この弱プログラム法に、ステップアップ法を好
ましく併用することができる。
【0300】[第6の実施形態]第1の実施形態の、た
とえば第3の変形例において、第1の工程(ST.3
1)における過消去ビットの検知シークエンス(ST.
31-1〜ST.31-6)を、第2の工程(ST.32)
における過消去セルの検知シークエンス(ST.32-1
〜ST.32-6)と可能な限り合わせることで、制御回
路を簡単に構成できることを説明した。
【0301】第6の実施形態は、過消去ビット線の検知
と自己収束シークエンスを過消去セルの検知を弱プログ
ラムシークエンスに組み込んでしまうことで、制御回路
を、さらに簡単に構成することを目的とする。
【0302】第6の実施形態では、過消去セルの検知シ
ークエンスにおいて、先頭ワード線、かつ最初の弱プロ
グラムパルスである場合に限り、自己収束パルスに切り
替える。これにより、弱プログラムを制御する回路に対
して、最小限の機能追加で、この発明に係る制御方法を
実現できる。
【0303】図18は、第6の実施形態に係る過消去ベ
リファイ時のセルアレイ1へのバイアス状態を示す図で
ある。
【0304】図18に示すように、まず、先頭のワード
線WL1を“2.5V”に設定、非選択ワード線を“−
1V”として、“1”読み出しチェックを行う。既定値
RE Fは、たとえば10μAである。
【0305】この“1”読み出しチェックで、“1”読
み出しとなる条件は、少なくとも次の2つのケースが考
えられる。
【0306】[ケース1]選択セルMC11のスレシホー
ルド電圧VTHが“1.5V”以下である。
【0307】[ケース2]非選択セルMC21、MC31、
MC41、…の少なくとも一つに、スレシホールド電圧V
THが“−2V”以下のものが存在する。
【0308】“1”読み出しとなった場合、弱プログラ
ムが必要である、との判定になる。
【0309】このまま、弱プログラムを行ってしまう
と、“ケース1”の場合なら問題ないが、もし“ケース
2”の場合ならば、選択セルMC11が過消去セルである
と誤検知され、選択セルMC11に弱プログラムが行われ
る、という誤動作を招く。
【0310】したがって、先頭のワード線WL1、かつ
最初の弱プログラムパルスである場合に限り、自己収束
のバイアス条件、つまり全ワード線を0〜−1Vといっ
た電圧でビット線BL1に比較的高い電圧をパルス状に
印加する。その条件は、非選択ワード線に存在するセル
のスレシホールド電圧が、例えば“−1V”以上に達す
る条件であり、その電圧例は“5V”である。次に、こ
の電圧(パルス)印加後に、再度“1”読み出しチェッ
クを行う。
【0311】この時点で、非選択セルMC21、MC31、
MC41、…のスレシホールド電圧はそれぞれ−1V以上
になる、とすれば、再度の“1”読み出しチェックで
は、上記“ケース2”の条件が含まれなくなる。このた
め、再度の“1”読み出しチェックで“2”読み出しさ
れた場合には、“ケース1”となる。そこで、今度は、
選択セルMC11に対して、通常の弱プログラムを行えば
良い。
【0312】このシークエンスだと、通常の弱プログラ
ムのシークエンスと同一で、最初の弱プログラム電圧
(パルス)印加時のバイアス条件を、自己収束プログラ
ム電圧(パルス)に変更するだけでよい。
【0313】よって、弱プログラムを制御する回路に対
して、最小限の機能追加で、この発明に係る制御方法を
実現できる。
【0314】図19は、第6の実施形態に係る制御方法
の一例を示す流れ図であり、特にステップアップ法を併
用した例を示している。
【0315】まず、図19に示すST.32-10におい
て、アドレスを初期化するとともに、弱プログラム繰り
返し回数(サイクル)を“0”とする。
【0316】次に、ST.32-2に進み、過消去ベリフ
ァイを行う。初期化されたアドレスによって選択された
ワード線に、過消去ベリファイ用バイアス電圧、たとえ
ば2.5Vを印加する。次に、初期化されたアドレスに
よって選択されたビット線に、読み出し用バイアス電圧
(0.5V)を印加する。このとき、非選択ワード線の
バイアスは、例えば−1Vである。
【0317】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0318】この判断の結果、“1”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値以上と判断された場合(N
O.)、ST.32-20に進む。
【0319】ST.32-20では、ローアドレスが
“0”か否かが判断される。ここで、ローアドレス
“0”とは、先頭のワード線のローアドレスに対応す
る。
【0320】この判断の結果、ローアドレスは“0”で
ある、と判断された場合(YES.)、ST.32-21
に進む。
【0321】ST.32-21では、サイクルが“0”か
否かを判断する。
【0322】この判断の結果、サイクルが“0”であ
る、と判断された場合(YES.)、ST.32-6に進
み、選択ビット線に対して自己収束動作を行う。
【0323】次に、ST.32-14に進み、サイクルを
“+1”する。
【0324】次に、ST.32-2に戻り、過消去ベリフ
ァイを行った後、ST.32-3に進み、再度、選択ビッ
ト線に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0325】ST.32-3における判断の結果、“1”
読み出し、即ちビット線に流れた電流が既定値以上と判
断された場合(NO.)、ST.32-20に進み、ロー
アドレスが“0”か否かを判断する。
【0326】ST.32-20における判断の結果、ロー
アドレスは“0”である、と判断された場合(YE
S.)、ST.32-21に進み、サイクルが“0”か否
かを判断する。
【0327】ST.32-21における判断の結果、サイ
クルが“0”ではない、と判断された場合(NO.)、
ST.32-13に進み、選択ワード線を自己収束ではな
く弱プログラム用の電圧に設定する。図ではこれを“ス
テップアップ”と表現している。
【0328】次に、ST.32-6に進み、選択セルに対
して弱プログラムを行う。
【0329】次に、ST32-14に進み、サイクルを
“+1”する。
【0330】次に、再度、ST.32-2に戻り、過消去
ベリファイを行った後、ST.32-3に進み、再度、選
択ビット線に流れた電流が既定値未満か否かを判断す
る。
【0331】ST.32-3における判断の結果、“0”
読み出し、即ちビット線に流れた電流が既定値未満と判
断された場合(YES.)、ST.32-11に進み、サ
イクルを“0”とする。
【0332】次に、ST.32-4に進み、アドレスが最
終アドレスであるか否かを判断する。
【0333】ST.32-4において、“最終アドレスで
はない”と判断された場合(NO.)、ST.32-5に
進む。
【0334】ST.32-5では、アドレスをインクリメ
ントする。
【0335】次に、再度、ST.32-2に戻り、過消去
ベリファイを行う。このST.32-2では、インクリメ
ントされたアドレスによって選ばれた選択ビット線、選
択ワード線に接続されたセルが過消去ベリファイの対象
となる。
【0336】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0337】この判断の結果、“1”読み出し、即ちビ
ット線に流れた電流が既定値以上と判断された場合(N
O.)、ST.32-20に進む。
【0338】ST.32-20における判断の結果、ロー
アドレスは“0”ではない、と判断された場合(N
O.)、ST.32-22に進み、サイクルが“0”か否
かを判断する。
【0339】ST.32-22における判断の結果、サイ
クルが“0”である、と判断された場合(YES.)、
ST.32-6に進む。また、サイクルが“0”ではな
い、と判断された場合(NO.)、ST.32-13に進
み、選択ワード線をステップアップした後、ST.32
-6に進む。
【0340】以下、ST.32-6で、選択セルに対して
弱プログラムを行った後、ST32-14に進み、サイク
ルを“+1”して、再度、ST.32-2に戻り、過消去
ベリファイを行う。
【0341】次に、ST.32-3に進み、選択ビット線
に流れた電流が既定値未満か否かを判断する。
【0342】この判断の結果、“0”読み出し、即ち選
択ビット線に流れた電流が既定値未満と判断された場合
(YES.)、ST.32-11に進み、サイクルを
“0”とした後、ST.32-4に進み、最終アドレスか
否かを判断する。
【0343】この判断の結果、“最終アドレスである”
(YES.)と判断されたとき、スレシホールド電圧V
THの分布幅を縮小する工程(ST.3)が終了する。
【0344】このような第6の実施形態であると、過消
去ビットの検知シークエンスを、過消去セルの検知シー
クエンスに組み込むので、制御回路を、さらに簡単に構
成することができる。
【0345】[第6の実施形態の第1の変形例]上記第
6の実施形態では、一例として、ステップアップを併用
した例を説明した。しかし、ステップアップ法を併用し
なくても良いことはもちろんである。
【0346】以下、そのような一例を第6の実施形態の
第1の変形例として説明する。
【0347】図20は、第6の実施形態の第1の変形例
を示す流れ図である。
【0348】図20に示すように、第1の変形例に係る
シークエンスは、図19に示したシークエンスと、サイ
クルを加算するステップが無いことが異なり、これ以外
は、ほぼ同様である。
【0349】即ち、図20に示すように、ST.32-2
において、過消去ベリファイを行った後、ST.32-3
において、選択セルがビット線に流すオン電流が“10
μA”未満か否かを判断する。
【0350】この判断の結果、選択セルが流すオン電流
が“10μA”未満と判断された場合(NO.)、第6
の実施形態と同様にST.32-20に進み、ローアドレ
ス=0で、サイクル=0かどうかを判断する。
【0351】この判断の結果、“ローアドレス=0で、
かつサイクル=0である”と判断された場合(YE
S.)ST.31-6に進み、自己収束動作を行った後、
ST.32-2に戻る。
【0352】反対に、“ローアドレス=0ではない”と
判断された場合(NO.)ST.32-6に進み、弱プロ
グラム動作を行った後、ST.32-2に戻る。
【0353】このような第1の変形例においても、先頭
ワード線、かつ最初の弱プログラムパルスである場合に
限り、自己収束パルスに切り替えられるので、第6の実
施形態と同様の効果を得ることができる。
【0354】[第7の実施形態]第1〜第6の実施形態
では、特にST.31-6(自己収束)に対応する制御と
して、ドレインからのキャリア注入による自己収束法を
用いた。
【0355】しかし、ST.31-6に対応する制御に
は、たとえばST.2(消去)でセルMCに与えられる
電界とは逆向きの電界をトンネル絶縁膜に印加し、浮遊
ゲートからソース、あるいはドレイン、あるいは基板の
少なくともいずれかに向かってトンネル電流を流し、そ
れによってキャリア(電子)を浮遊ゲートに注入する。
このような方法を用いて、スレシホールド電圧VTHを収
束させることもできる。
【0356】つまり、ST.31-6において、消去時に
トンネル絶縁膜に流れるトンネル電流とは逆向きのトン
ネル電流を流して、スレシホールド電圧VTHを、所望の
範囲に収束させる。このような方法は、たとえばK.Oyam
aらにより、IEDM Digest ofTechnical Papers, pp607-6
10(1992),“A Novel Erasing Technology for 3.3VFlas
h Memory with 64Mb Capacity and Beyond”に開示され
ている。以下、この種を、トンネル電流収束法と呼ぶ。
トンネル電流収束動作時のセルのバイアス状態の一例を
図21に示しておく。
【0357】トンネル電流収束法では、ホットキャリア
注入電流に比較して、流れる電流が非常に少ない。この
ため、消去しているブロック全体のワード線に、同時に
たとえば正の比較的高い電圧を印加することが可能、と
いう利点がある。
【0358】この反面、単独で短時間にスレシホールド
電圧VTHを大きくシフトさせ、狭い範囲に収束させよう
とすると、より高い電圧を必要とし、さらにはホットキ
ャリア注入による自己収束と異なり、電圧印加時間とと
もにスレシホールド電圧VTHが飽和せずに上昇していく
ため、過消去されたセルMCだけでなく、正常なセルM
Cのスレシホールド電圧VTHも上昇してしまう、という
事情がある。
【0359】しかしながら、トンネル電流収束法は、最
適なストレス条件を設定すれば、この発明の、たとえば
ST.31-6のように、大きく過消去されたセルMCの
スレシホールド電圧VTHを、ある範囲まで戻すことに適
した方法の一つである。
【0360】このようなトンネル電流収束法を、第1〜
第6の実施形態のST.31-6において、自己収束法に
代えて用いても良い。
【0361】ST.31-6にトンネル電流収束法を用い
た場合には、まず、消去ブロック内において、ビット線
リークチェックを行う。次に、リーク電流がたとえば既
定値以上のビット線が見つかった段階で、たとえば消去
ブロックのセルMCの全てを、浮遊ゲートからソース、
あるいはドレイン、あるいは基板の少なくともいずれか
一つに向かってトンネル電流が流れるバイアス状態(ト
ンネル注入バイアス状態と呼ぶ)とする。これにより、
浮遊にキャリア(電子)が注入され、そのスレシホール
ド電圧VTHが上昇する。
【0362】この後、再度ビット線リークチェックを行
い、リーク電流がたとえば既定値未満となれば、次のビ
ット線に対してリークチェックを行う。
【0363】このような動作を繰り返し、最後のビット
線まで、リーク電流がたとえば既定値未満となった段階
で、第1の工程(ST.31)を終了するようにすれば
良い。
【0364】また、トンネル電流収束法は、全てのビッ
ト線のリークチェックを行った後に行い、再度全ビット
線のリークチェックを行う、というシークエンスを繰り
返す方法に適用されても構わない。
【0365】また、トンネル電流収束法は、自己収束法
の場合と同様に、そのトンネル注入バイアス状態の電圧
条件や、印加時間を最適化することで、再度のリークチ
ェックを省略することも可能である。
【0366】本発明は2段階で、それぞれを異なったバ
イアス条件でメモリセルのスレシホールド電圧を狭い範
囲に入れていくものである。第一の段階と第二の段階で
同様の例えばホットエレクトロン注入を用いる場合は、
ワード線のバイアス電位を、第二段階で第一段階より高
くするという方法が有効である。しかしながら、第七の
実施形態のように第一と第二の段階で違うメカニズムを
用いる場合は、当然の事ではあるが、必ずしも第二のバ
イアス条件の電圧の絶対値が高くなるとは限らない。第
七の実施形態では、第一の段階でのワード線は例えば15
Vといった値になる場合があり第二の段階のワード線電
圧より高くなる。
【0367】以上、この発明を第1〜第7の実施形態に
より説明した。これら全ての実施形態を通じて、ワード
線の電圧が“0V”、“−1V”等の表記をしている
が、これは、基本的にセルの存在する基板(あるいはウ
ェル)の電位を“0V”とした場合のワード線の電位を
示している。動作上、セルの基板(あるいはウェル)の
電位が変わる場合においては、その変わった電位を基準
に、ワード線の電位をシフトさせて適用しても良いこと
は勿論である。
【0368】また、Nチャネル型のセルで説明したが、
セルはPチャネル型であっても良い。この場合には、適
宜、電圧の極性を変えれば良い。
【0369】また、全ての実施形態を通じて、たとえば
“VOEV1<VTH<VEV”等の表記をしているが、これは
“VOEV1≦VTH≦VEV”、あるいは“VOEV1<VTH≦V
EV”、あるいは“VOEV1≦VTH<VEV”等に変更されて
も良い。
【0370】また、実施形態としていくつかのシークエ
ンスの組み合わせ例を示したが、本願の主旨を変えない
範囲で適宜、組み合わせを変更したり、バイアス電位の
かけ方等を変更しても良いことはもちろんである。例え
ば、本願の実施例では消去ベリファイレベルまで消去動
作を行った後に、過消去セルの救済を行っている。しか
しながら例えば、消去パルス印加後、消去ベリファイレ
ベルに達していない状態においてもリーク電流のチェッ
クを行い、既定値以上の電流が流れた場合には消去動作
を一旦中止して過消去状態にあるセルに書き込みを行
い、再度、消去を開始するといった方法により、消去ベ
リファイレベルまで消去した場合の過消去セルの発生頻
度を下げる方法があり、それらを適宜、組み合わせる事
も可能である。
【0371】以上述べてきた全発明は、消去シークエン
スに特に有効なものであるが、書き込みシークエンスに
用いても良い。たとえば多値メモリのように、書き込み
後のスレシホールド電圧VTHを、ある所定の範囲内にシ
フトさせる必要が場合に、この発明と類似の動作を用い
て狭い範囲にスレシホールド電圧を制御する事が可能な
場合もある。
【0372】また、この発明は、類似の動作を行う他の
種類のフラッシュメモリにも、必要に応じて適用できる
ことはもちろんである。
【0373】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、所望の範囲を逸脱したメモリセルのスレシホールド
電圧を、誤動作や誤検知の発生を抑制しつつ、かつ動作
の高速性を損なわずに、所望の範囲に回復させることが
可能な不揮発性半導体メモリおよびそのスレシホールド
電圧制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aはこの発明が適用される不揮発性半導体
メモリのブロック図、図1Bはそのセルアレイの等価回
路図。
【図2】図2はこの発明の第1の実施形態に係る不揮発
性半導体メモリのスレシホールド電圧制御方法を示す流
れ図。
【図3】図3A〜図3Eはそれぞれスレシホールド電圧
の分布の変化を示す図。
【図4】図4Aは既定値と“0”/“1”読み出しとの
関係を示す図、図4Bは既定値切り替えを示すブロック
図。
【図5】図5A、図5Bはリークビット線チェック時の
セルアレイのバイアス状態を示す図、図5Cは自己収束
時のセルアレイのバイアス状態を示す図。
【図6】図6A、図6Bは過消去ベリファイ時のセルア
レイのバイアス状態を示す図、図6Cは弱プログラム時
のセルアレイのバイアス状態を示す図。
【図7】図7はこの発明が適用される他の不揮発性半導
体メモリのブロック図。
【図8】図8は第1の実施形態の第1の変形例に係る制
御方法を示す流れ図。
【図9】図9は第1の実施形態の第2の変形例に係るリ
ークビット線チェック時のセルアレイのバイアス状態を
示す図。
【図10】図10は第1の実施形態の第3の変形例に係
るリークビット線チェック時のセルアレイのバイアス状
態を示す図。
【図11】図11は第1の実施形態の第3の変形例に好
適な制御方法を示す流れ図。
【図12】図12は第1の実施形態の第4の変形例に係
るリークビット線チェック時のセルアレイのバイアス状
態を示す図。
【図13】図13はこの発明の第2の実施形態に係る制
御方法を示す流れ図。
【図14】図14は第2の実施形態の第1の変形例に係
る制御方法を示す流れ図。
【図15】図15A、図15Bはそれぞれこの発明の第
3の実施形態に係る自己収束時のワード線のバイアス状
態を示す図。
【図16】図16A、図16Bはそれぞれこの発明の第
4の実施形態に係る自己収束時のワード線のバイアス状
態を示す図。
【図17】図17はこの発明の第5の実施形態に係る制
御方法を示す流れ図。
【図18】図18はこの発明の第6の実施形態に係る過
消去ベリファイ時のセルアレイのバイアス状態を示す
図。
【図19】図19は第6の実施形態に係る制御方法を示
す流れ図。
【図20】図20は第6の実施形態の第1の変形例に係
る制御方法を示す流れ図。
【図21】図21はトンネル電流収束動作時のセルのバ
イアス状態を示す図。
【図22】図22はデータ消去のスレシホールド電圧の
分布を示す図。
【図23】図23は不揮発性半導体メモリのセルアレイ
の等価回路図。
【図24】図24は書き込み時のセルアレイのバイアス
状態を示す図。
【図25】図25は自己収束動作時のセルのバイアス状
態を示す図。
【図26】図26Aは弱プログラム動作時の選択セルの
バイアス状態を示す図、図26Bは弱プログラム動作時
の非選択セルのバイアス状態を示す図。
【図27】図27は従来の問題点を説明するための図。
【図28】図28は従来の問題点を説明するための図。
【図29】図29は不揮発性半導体メモリのブロック
図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ、 2…制御回路、 3…ビット線バイアス回路、 4…ソース線バイアス回路、 5…ワード線バイアス回路、 6…ローデコーダ、 7…カラムセレクタ、 8…カラムデコーダ、 9…I/O回路、 10…アドレスバッファ、 11…アドレスカウンタ、 12…ベリファイ回路、 13…規定値発生回路、 14…チャージポンプ回路。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 栄俊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝マイクロエレクトロニクスセン ター内 (72)発明者 佐々木 啓行 三重県四日市市山之一色町800番地 株式 会社東芝四日市工場内 Fターム(参考) 5B025 AA03 AB01 AC01 AD03 AD04 AD05 AD08 AD09 AE05 AE08

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワード線、複数のビット線、およ
    び前記ビット線の電位をドレインに受け、前記ワード線
    の電位をゲートに受けるスレシホールド電圧を可変に設
    定可能な複数のメモリセルを有するメモリセルアレイ
    と、 前記複数のメモリセルのスレシホールド電圧を、第1の
    レベルを上限および下限の一方としたある範囲に一括し
    てシフトさせる第1の制御、 前記ある範囲に一括してシフトされたスレシホールド電
    圧の上限および下限の他方を、前記第1のレベルに近い
    第2のレベルに、第2のレベルを逸脱するメモリセルを
    含む複数のメモリセルを第一のバイアス条件で一括して
    シフトさせる第2の制御、及び前記第2のレベルにシフ
    トされたスレシホールド電圧の上限および下限の他方
    を、前記第2のレベルよりも前記第1のレベルにさらに
    近い第3のレベルに、第一のバイアス条件とは異なる第
    二のバイアス条件でシフトさせる第3の制御を行う制御
    回路とを具備することを特徴とする不揮発性半導体メモ
    リ。
  2. 【請求項2】 前記第3の制御は、スレシホールド電圧
    が前記前記第2のレベルと前記第3のレベルとの間にあ
    るメモリセルを検知し、検知されたメモリセルに対して
    選択的に行われることを特徴とする請求項1に記載の不
    揮発性半導体メモリ。
  3. 【請求項3】 前記第3の制御に用いられる第二のバイ
    アス条件の選択セルのワード線に印加される電圧は、第
    2の制御に用いられる第一のバイアス条件のワード線に
    印加される電圧よりも高いことを特徴とする請求項1に
    記載の不揮発性半導体メモリ。
  4. 【請求項4】 前記第3の制御は、選択されたメモリセ
    ルに接続されたワード線とビット線に、通常のプログラ
    ムより弱いバイアスの電圧を印加する制御であることを
    特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ。
  5. 【請求項5】 前記通常のプログラムより弱いバイアス
    の電圧は、前記スレシホールド電圧が少なくとも前記第
    2のレベルと前記第3のレベルとの間にある、と検知さ
    れたメモリセルに接続されたワード線およびビット線に
    対して選択的に印加されることを特徴とする請求項4に
    記載の不揮発性半導体メモリ。
  6. 【請求項6】 前記通常のプログラムより弱いバイアス
    の電圧を印加する時、非選択ワード線の電圧は、前記第
    2のレベルの電圧以下とすることを特徴とする請求項4
    に記載の不揮発性半導体メモリ。
  7. 【請求項7】 前記通常のプログラムより弱いバイアス
    の電圧を印加する時、選択ワード線の電圧は、選択され
    たメモリセルに対する弱プログラム電圧の印加回数に応
    じて、メモリセルのスレシホールド電圧が第三のレベル
    に入るまで、ステップアップされることを特徴とする請
    求項4に記載の不揮発性半導体メモリ。
  8. 【請求項8】 前記第2の制御は、前記複数のビット線
    に、自己収束電圧を印加する制御であることを特徴とす
    る請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ。
  9. 【請求項9】 前記自己収束電圧は、ビット線に流れる
    電流が既定値を超えている、と検知されたビット線に対
    して選択的に印加されることを特徴とする請求項8に記
    載の不揮発性半導体メモリ。
  10. 【請求項10】 前記自己収束電圧は、前記複数のビッ
    ト線全てに対して順次印加されることを特徴とする請求
    項8に記載の不揮発性半導体メモリ。
  11. 【請求項11】 前記複数のワード線の電圧を少なくと
    も1本ずつ順次、さらに上昇させることを特徴とする請
    求項10に記載の不揮発性半導体メモリ。
  12. 【請求項12】 前記第2の制御は、前記複数のビット
    線に、自己収束電圧を印加する制御であることを特徴と
    する請求項4に記載の不揮発性半導体メモリ。
  13. 【請求項13】 前記自己収束電圧は、ビット線に流れ
    たリーク電流が既定値を超えている、と検知されたビッ
    ト線に対して選択的に印加されることを特徴とする請求
    項12に記載の不揮発性半導体メモリ。
  14. 【請求項14】 前記自己収束電圧は、前記複数のビッ
    ト線全てに対して順次印加されることを特徴とする請求
    項12に記載の不揮発性半導体メモリ。
  15. 【請求項15】 前記自己収束電圧は、前記スレシホー
    ルド電圧が少なくとも前記第2のレベルと前記第3のレ
    ベルとの間にある、と検知されたメモリセルに接続され
    た選択ビット線に対して印加されることを特徴とする請
    求項12に記載の不揮発性半導体メモリ。
  16. 【請求項16】 前記自己収束電圧は各ビット線に対す
    る最初のスレシホールド電圧検知時に印加され、前記弱
    プログラム電圧は前記最初のスレシホールド電圧検知時
    を除いて印加されることを特徴とする請求項15に記載
    の不揮発性半導体メモリ。
  17. 【請求項17】 前記自己収束電圧印加時、前記複数の
    ワード線の電圧は、前記スレシホールド電圧検知時と同
    じ電圧にされることを特徴とする請求項12に記載の不
    揮発性半導体メモリ。
  18. 【請求項18】 前記複数のワード線の電圧を少なくと
    も1本ずつ、さらに上昇させることを特徴とする請求項
    17に記載の不揮発性半導体メモリ。
  19. 【請求項19】 前記第2の制御は、前記ワード線に、
    前記第1の制御とは逆方向の電界がメモリセルにかかる
    ような電圧を印加し、トンネル電流によりスレシホール
    ド電圧をシフトする制御であることを特徴とする請求項
    1に記載の不揮発性半導体メモリ。
  20. 【請求項20】 前記第3のレベルは、前記データ消去
    が完全に終了した後のスレシホールド電圧分布の下限で
    あることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体
    メモリ。
  21. 【請求項21】 前記複数のメモリセルのスレシホール
    ド電圧を、第1のレベルを上限および下限の一方とした
    ある範囲に一括してシフトさせ、 前記ある範囲に一括してシフトされたスレシホールド電
    圧の上限および下限の他方を、前記第1のレベルに近い
    第2のレベルに、第2のレベルを逸脱するセルを含む複
    数のセルを第一のバイアス条件で一括してシフトさせ、 前記第2のレベルにシフトされたスレシホールド電圧の
    上限および下限の他方を、前記第2のレベルよりも前記
    第1のレベルにさらに近い第3のレベルに第一のバイア
    スとは異なる第二のバイアス条件でシフトさせることを
    特徴とする不揮発性半導体メモリのスレシホールド電圧
    制御方法。
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