JP2001249049A - 溶融スラグの温度計測方法 - Google Patents
溶融スラグの温度計測方法Info
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- JP2001249049A JP2001249049A JP2000061318A JP2000061318A JP2001249049A JP 2001249049 A JP2001249049 A JP 2001249049A JP 2000061318 A JP2000061318 A JP 2000061318A JP 2000061318 A JP2000061318 A JP 2000061318A JP 2001249049 A JP2001249049 A JP 2001249049A
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- Radiation Pyrometers (AREA)
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 煤塵濃度が高い炉であっても、溶融スラグの
液面温度を確実に測定することができる溶融スラグの温
度計測装置を提供する。 【解決手段】 炉内に収容された溶融スラグ5の液面5
aから放射される輻射光8のうち、2〜20μmの波長
域の輻射光8を複数集光し、この輻射光8を焦電素子2
8に間欠的に当てることによって、入射する輻射光8の
強度に応じた振幅の出力電圧を焦電素子28から発生さ
せ、この出力電圧値とプランクの輻射則から上記溶融ス
ラグ5の液面温度を推定する溶融スラグの温度計測方法
である。
液面温度を確実に測定することができる溶融スラグの温
度計測装置を提供する。 【解決手段】 炉内に収容された溶融スラグ5の液面5
aから放射される輻射光8のうち、2〜20μmの波長
域の輻射光8を複数集光し、この輻射光8を焦電素子2
8に間欠的に当てることによって、入射する輻射光8の
強度に応じた振幅の出力電圧を焦電素子28から発生さ
せ、この出力電圧値とプランクの輻射則から上記溶融ス
ラグ5の液面温度を推定する溶融スラグの温度計測方法
である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤塵濃度が高い炉
内においても溶融スラグの液面温度を確実に測定するこ
とができる温度計測方法に関する。
内においても溶融スラグの液面温度を確実に測定するこ
とができる温度計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炉内に収容された溶融スラグの液
面温度を測定するには、この液面から放射される、1〜
2μm程度の波長を有する近赤外域輻射光の強度や、異
なる波長を有する2種類以上の輻射光の強度比から、ス
ラグ液面5aの温度を推定している。しかし、炉内の煤
塵は、径が1〜2μm程度で上記近赤外域の輻射光の波
長とほぼ同一寸法であるため、炉内の煤塵濃度が非常に
高い炉、例えばプラズマ灰溶融炉においては、溶融スラ
グの近赤外域輻射光は煤塵によって散乱してしまう。こ
のため、炉の天井に配設した窓まで該近赤外域輻射光が
到達せず、スラグ液面の温度を推定することができな
い。従って、プラズマ灰溶融炉では、炉の出滓口から排
出される溶融スラグの温度を熱電対等によって測定し、
この測定値によって炉内温度を推定している。しかし、
この方法では、溶融スラグの液面温度を正確に推定する
ことは困難である。
面温度を測定するには、この液面から放射される、1〜
2μm程度の波長を有する近赤外域輻射光の強度や、異
なる波長を有する2種類以上の輻射光の強度比から、ス
ラグ液面5aの温度を推定している。しかし、炉内の煤
塵は、径が1〜2μm程度で上記近赤外域の輻射光の波
長とほぼ同一寸法であるため、炉内の煤塵濃度が非常に
高い炉、例えばプラズマ灰溶融炉においては、溶融スラ
グの近赤外域輻射光は煤塵によって散乱してしまう。こ
のため、炉の天井に配設した窓まで該近赤外域輻射光が
到達せず、スラグ液面の温度を推定することができな
い。従って、プラズマ灰溶融炉では、炉の出滓口から排
出される溶融スラグの温度を熱電対等によって測定し、
この測定値によって炉内温度を推定している。しかし、
この方法では、溶融スラグの液面温度を正確に推定する
ことは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決し、煤塵濃度が高い炉であっても、溶融スラグの液
面温度を確実に測定することが可能な溶融スラグの温度
計測装置を提供することを目的とする。
解決し、煤塵濃度が高い炉であっても、溶融スラグの液
面温度を確実に測定することが可能な溶融スラグの温度
計測装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融スラグ
の温度計測方法は、上記目的を達成するため、炉内に収
容された溶融スラグの液面から放射される輻射光のう
ち、中間赤外域又は遠赤外域の輻射光を光電気素子に集
光し、入射する輻射光の強度に応じた振幅の出力電圧を
光電気素子から発生させ、この出力電圧値とプランクの
輻射則から上記溶融スラグの液面温度を決定する方法で
ある。
の温度計測方法は、上記目的を達成するため、炉内に収
容された溶融スラグの液面から放射される輻射光のう
ち、中間赤外域又は遠赤外域の輻射光を光電気素子に集
光し、入射する輻射光の強度に応じた振幅の出力電圧を
光電気素子から発生させ、この出力電圧値とプランクの
輻射則から上記溶融スラグの液面温度を決定する方法で
ある。
【0005】ここで、中間赤外域において用いることが
できる光電気素子としては焦電素子がある。焦電素子
は、間欠的に入射される輻射光に同期した交流信号を出
力し、この交流信号の振幅は光量に比例した大きさにな
る。これによって、各波長の出力信号の振幅値に、炉内
の煤塵及び炉壁に設けられた集光窓の透過率を考慮して
真の光強度比を算出し、プランクの輻射則から溶融スラ
グの液面温度を推定することができる。通常は、煤塵の
径が1〜2μmであり、この径とほぼ同じ大きさの波長
を有する近赤外域の輻射光は煤塵によって散乱され、炉
の天井部等にまで到達することが困難である。このた
め、溶融スラグの表面から放射される輻射光のうち、近
赤外域の輻射光によっては、溶融スラグの液面温度を推
定することができない。しかし、本発明によれば、煤塵
の径よりも大きい波長域の中間赤外域又は遠赤外域の輻
射光を用いるため、炉内の煤塵濃度が非常に高い場合で
あっても、煤塵の径よりも大きい波長を有する中間赤外
域又は遠赤外域の輻射光は煤塵によって散乱されること
なく炉壁まで到達し、確実に溶融スラグの表面温度を推
定することができる。また、溶融スラグの輻射光を用い
て直接的に温度を計測するため、正確な温度を測定する
ことができ、輻射光の種類は、2波長以上あれば良い。
なお、焦電素子は、通常、人体検出等に用いる汎用素子
であり、遠赤外用CCD素子等に比較して低コストで、
かつ、冷却等の付帯設備も必要ない。
できる光電気素子としては焦電素子がある。焦電素子
は、間欠的に入射される輻射光に同期した交流信号を出
力し、この交流信号の振幅は光量に比例した大きさにな
る。これによって、各波長の出力信号の振幅値に、炉内
の煤塵及び炉壁に設けられた集光窓の透過率を考慮して
真の光強度比を算出し、プランクの輻射則から溶融スラ
グの液面温度を推定することができる。通常は、煤塵の
径が1〜2μmであり、この径とほぼ同じ大きさの波長
を有する近赤外域の輻射光は煤塵によって散乱され、炉
の天井部等にまで到達することが困難である。このた
め、溶融スラグの表面から放射される輻射光のうち、近
赤外域の輻射光によっては、溶融スラグの液面温度を推
定することができない。しかし、本発明によれば、煤塵
の径よりも大きい波長域の中間赤外域又は遠赤外域の輻
射光を用いるため、炉内の煤塵濃度が非常に高い場合で
あっても、煤塵の径よりも大きい波長を有する中間赤外
域又は遠赤外域の輻射光は煤塵によって散乱されること
なく炉壁まで到達し、確実に溶融スラグの表面温度を推
定することができる。また、溶融スラグの輻射光を用い
て直接的に温度を計測するため、正確な温度を測定する
ことができ、輻射光の種類は、2波長以上あれば良い。
なお、焦電素子は、通常、人体検出等に用いる汎用素子
であり、遠赤外用CCD素子等に比較して低コストで、
かつ、冷却等の付帯設備も必要ない。
【0006】また、本発明に係る溶融スラグの温度計測
方法の一態様では、上記煤塵の径が1〜2μmであり、
溶融スラグの表面から放射される複数の輻射光が2〜2
0μmの波長域を有する遠赤外域の輻射光である。炉内
に充満する煤塵の径よりも溶融スラグから放射される輻
射光の波長の方が大きく、該輻射光は煤塵による散乱の
影響をあまり受けないため、確実に溶融スラグの液面温
度を推定することができる。
方法の一態様では、上記煤塵の径が1〜2μmであり、
溶融スラグの表面から放射される複数の輻射光が2〜2
0μmの波長域を有する遠赤外域の輻射光である。炉内
に充満する煤塵の径よりも溶融スラグから放射される輻
射光の波長の方が大きく、該輻射光は煤塵による散乱の
影響をあまり受けないため、確実に溶融スラグの液面温
度を推定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
る溶融スラグの温度計測方法に用いる計測装置につい
て、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、複数波長
の遠赤外光を検出し、該遠赤外光の煤塵に対する透過率
の波長依存性から各波長の光強度を補正した上で、プラ
ンクの輻射則から溶融スラグの液面温度を測定する方法
である。また、煤塵の影響を取り除くため、主灰単独、
混合灰、灰投入無の各運転状況に応じた輻射光の煤塵透
過率及び輻射率をパソコンを用いて校正したり、集光窓
の汚れによる透過光の減衰の影響を取り除くため、複数
波長域の強度域の強度比を求める。図1は、この溶融ス
ラグの温度計測装置及び該温度計測装置が配設されたプ
ラズマアーク溶融炉を示す概略図である。
る溶融スラグの温度計測方法に用いる計測装置につい
て、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、複数波長
の遠赤外光を検出し、該遠赤外光の煤塵に対する透過率
の波長依存性から各波長の光強度を補正した上で、プラ
ンクの輻射則から溶融スラグの液面温度を測定する方法
である。また、煤塵の影響を取り除くため、主灰単独、
混合灰、灰投入無の各運転状況に応じた輻射光の煤塵透
過率及び輻射率をパソコンを用いて校正したり、集光窓
の汚れによる透過光の減衰の影響を取り除くため、複数
波長域の強度域の強度比を求める。図1は、この溶融ス
ラグの温度計測装置及び該温度計測装置が配設されたプ
ラズマアーク溶融炉を示す概略図である。
【0008】プラズマアーク溶融炉1(以下、単に溶融
炉ともいう。)内部の中心には、上下方向に沿って主電
極2及び炉底電極3が配設されており、溶融炉1の底部
には溶融スラグ5が収容されている。上記主電極2の下
端からはプラズマアーク7が炉底電極3に向けて放射さ
れ、溶融スラグ5の液面5aからは上方に向けて輻射光
8が放射されている。この輻射光8の波長は、図2に示
すように、散乱のない場合は2μm程度であるものが多
く、散乱を考慮した場合は5〜10μm程度のものが多
い。また、溶融炉1の天井部10には、集光窓11を介
して上記輻射光8を集光し、これを用いて溶融スラグ5
の液面温度を推定する温度計測装置15が配設されてい
る。
炉ともいう。)内部の中心には、上下方向に沿って主電
極2及び炉底電極3が配設されており、溶融炉1の底部
には溶融スラグ5が収容されている。上記主電極2の下
端からはプラズマアーク7が炉底電極3に向けて放射さ
れ、溶融スラグ5の液面5aからは上方に向けて輻射光
8が放射されている。この輻射光8の波長は、図2に示
すように、散乱のない場合は2μm程度であるものが多
く、散乱を考慮した場合は5〜10μm程度のものが多
い。また、溶融炉1の天井部10には、集光窓11を介
して上記輻射光8を集光し、これを用いて溶融スラグ5
の液面温度を推定する温度計測装置15が配設されてい
る。
【0009】この集光窓11は、その材質がZnSeで
あり、横方向にスライド可能に構成されているため、集
光窓11が汚れた場合に取り替えることが容易にでき
る。従って、スライド方式でなく、ワイピングによって
集光窓11の汚れを除去するようにしても良い。また、
図示していないが、窓ホルダー16は冷却水によって冷
却されており、集光窓11の炉内側はN2ガスによって
パージされている。この集光窓11の上部にはZnSe
製集光レンズ20が配設され、集光窓11からの輻射光
8を集光することができ、該集光レンズ20の上部には
ライトチョッパー22が配設されている。該ライトチョ
ッパー22は、DC電源24に接続されたDCモーター
(減速機)25に取り付けられ、該DCモーター25に
よって自由に回転させることができる。
あり、横方向にスライド可能に構成されているため、集
光窓11が汚れた場合に取り替えることが容易にでき
る。従って、スライド方式でなく、ワイピングによって
集光窓11の汚れを除去するようにしても良い。また、
図示していないが、窓ホルダー16は冷却水によって冷
却されており、集光窓11の炉内側はN2ガスによって
パージされている。この集光窓11の上部にはZnSe
製集光レンズ20が配設され、集光窓11からの輻射光
8を集光することができ、該集光レンズ20の上部には
ライトチョッパー22が配設されている。該ライトチョ
ッパー22は、DC電源24に接続されたDCモーター
(減速機)25に取り付けられ、該DCモーター25に
よって自由に回転させることができる。
【0010】このライトチョッパー22の上部には、焦
電素子(パイロエレクトリック素子ともいう。)28が
設けられており、増幅器29を介してパソコン30、及
び制御装置に接続されている。ここで、上記焦電素子2
8は、遠赤外域の輻射光8が当たると温度が上昇して分
極値が変化し、輻射光8の強度に比例する量の電荷を放
出するため、増幅器29でこの電荷量を増幅させたの
ち、パソコン30に送ることができる。しかし、焦電素
子28は一定の強度の光である定常光を一定時間以上当
てると反応しなくなる、いわゆる飽和性と呼ばれる性質
を有するため、輻射光8を上記ライトチョッパー22に
よって断続的に遮った間欠的な状態で焦電素子28に照
射する必要がある。図1では、焦電素子28が1つの場
合の温度計測装置18を示したが、これに限定されず、
2つ以上の焦電素子28を配設し、各々の焦電素子28
ごとに波長の異なる輻射光28を照射させても良い。
電素子(パイロエレクトリック素子ともいう。)28が
設けられており、増幅器29を介してパソコン30、及
び制御装置に接続されている。ここで、上記焦電素子2
8は、遠赤外域の輻射光8が当たると温度が上昇して分
極値が変化し、輻射光8の強度に比例する量の電荷を放
出するため、増幅器29でこの電荷量を増幅させたの
ち、パソコン30に送ることができる。しかし、焦電素
子28は一定の強度の光である定常光を一定時間以上当
てると反応しなくなる、いわゆる飽和性と呼ばれる性質
を有するため、輻射光8を上記ライトチョッパー22に
よって断続的に遮った間欠的な状態で焦電素子28に照
射する必要がある。図1では、焦電素子28が1つの場
合の温度計測装置18を示したが、これに限定されず、
2つ以上の焦電素子28を配設し、各々の焦電素子28
ごとに波長の異なる輻射光28を照射させても良い。
【0011】
【実施例】次いで、上記構成を有する温度計測装置15
を実証炉に配設して行った実施例によって、本発明を更
に詳細に説明する。 [温度計測装置の概要]まず、温度計測装置15の構成
を説明する。本実施例で用いた計測装置15は、図1に
示すような構成を有するものであり、その波長域が2〜
20μm、5〜20μm、7〜20μmのバンドパスフ
ィルターを有する3個の焦電素子28が配設されてい
る。この焦電素子28は、温度によって誘電率が変化す
る強誘電体結晶であり、感度は、最大1000V/Wで
ある。集光レンズ20は凸レンズであり、輻射光8が該
集光レンズ20によって焦電素子28の受光面に結像
し、他の光を検出し難くしている。
を実証炉に配設して行った実施例によって、本発明を更
に詳細に説明する。 [温度計測装置の概要]まず、温度計測装置15の構成
を説明する。本実施例で用いた計測装置15は、図1に
示すような構成を有するものであり、その波長域が2〜
20μm、5〜20μm、7〜20μmのバンドパスフ
ィルターを有する3個の焦電素子28が配設されてい
る。この焦電素子28は、温度によって誘電率が変化す
る強誘電体結晶であり、感度は、最大1000V/Wで
ある。集光レンズ20は凸レンズであり、輻射光8が該
集光レンズ20によって焦電素子28の受光面に結像
し、他の光を検出し難くしている。
【0012】[光学系の構成]溶融スラグ5の液面5a
からは、図3に示すように、遠赤外域の輻射光8が放射
されており、該輻射光8は、集光レンズ20を介して焦
電素子28に集光される。この焦光レンズ20の径はφ
50mmであり、焦点距離はf=50mmであるため、
焦光レンズ20から溶融スラグ5の液面5aまでの距離
aが約1500mmの場合、焦光レンズ20と焦光素子
28との距離bが以下の(式1)で算出される51.7
mmのときに結像する。
からは、図3に示すように、遠赤外域の輻射光8が放射
されており、該輻射光8は、集光レンズ20を介して焦
電素子28に集光される。この焦光レンズ20の径はφ
50mmであり、焦点距離はf=50mmであるため、
焦光レンズ20から溶融スラグ5の液面5aまでの距離
aが約1500mmの場合、焦光レンズ20と焦光素子
28との距離bが以下の(式1)で算出される51.7
mmのときに結像する。
【0013】
【数1】
【0014】ただし、スラグ面は下がることがあるた
め、b≒52〜53[mm]に設定する。また、焦電素
子28の受光面の径は、dp=2[mm]であるため、
焦電素子28に入射するスラグ面5aの領域は、 ds=dp・a/b=2×1500/53=56.6≒
57[mm]となる。スラグ面5aから見た焦光レンズ
20の立体角は、以下のとおりである。 ω=2π(1−cosθ)=2π[1−cos(0.0
167)]=8.8×10-4 [srad] θ=arctan(25/1500) =0.0167[rad]
め、b≒52〜53[mm]に設定する。また、焦電素
子28の受光面の径は、dp=2[mm]であるため、
焦電素子28に入射するスラグ面5aの領域は、 ds=dp・a/b=2×1500/53=56.6≒
57[mm]となる。スラグ面5aから見た焦光レンズ
20の立体角は、以下のとおりである。 ω=2π(1−cosθ)=2π[1−cos(0.0
167)]=8.8×10-4 [srad] θ=arctan(25/1500) =0.0167[rad]
【0015】[スラグ面の輻射エネルギー]スラグ面5
aの単位面積から放射される、単位波長当たりの輻射エ
ネルギーは、以下の(式2)から算出される。
aの単位面積から放射される、単位波長当たりの輻射エ
ネルギーは、以下の(式2)から算出される。
【0016】
【数2】
【0017】ここで、ε・τは輻射率×透過率、 hは
プランクの定数、kはボルツマン定数、Cは光速度、ν
は輻射光の周波数である。ε・τ=1とした場合の(E
λ/C)は図4のグラフのようになる。
プランクの定数、kはボルツマン定数、Cは光速度、ν
は輻射光の周波数である。ε・τ=1とした場合の(E
λ/C)は図4のグラフのようになる。
【0018】焦電素子28の感度波長範囲を2〜20μ
m、5〜20μm、7〜20μmとすると、1800
[k]では、スラグ面5aから放射される輻射エネルギ
ーは、以下の(式3)〜(式5)のようになる。
m、5〜20μm、7〜20μmとすると、1800
[k]では、スラグ面5aから放射される輻射エネルギ
ーは、以下の(式3)〜(式5)のようになる。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】
【数5】
【0022】[輻射強度の煤塵による減衰]実証炉にお
けるHe−Neレーザーを用いた煤塵による光の散乱特
性計測結果からσ・n=3.5[m-1]とする。ここ
で、σは煤塵の散乱断面積、nは煤塵の密度である。ス
ラグ面5aから放射された輻射光8が計測用集光窓11
に到達するまでに減衰する割合は、 η=exp(−σ・n・L)=exp(−3.5×1
5)=5.2×103 但し、Lはスラグ面5aから集光窓11までの距離であ
り、図3のaとほぼ等しいとした。
けるHe−Neレーザーを用いた煤塵による光の散乱特
性計測結果からσ・n=3.5[m-1]とする。ここ
で、σは煤塵の散乱断面積、nは煤塵の密度である。ス
ラグ面5aから放射された輻射光8が計測用集光窓11
に到達するまでに減衰する割合は、 η=exp(−σ・n・L)=exp(−3.5×1
5)=5.2×103 但し、Lはスラグ面5aから集光窓11までの距離であ
り、図3のaとほぼ等しいとした。
【0023】[焦電素子に入射する輻射エネルギー]溶
融スラグ5の輻射率ε=0.1、集光窓11及び焦光レ
ンズ20等の総合透過率τ=0.1とするとε・τ=
0.01である。図3のdsで示した領域の面積は、S
=π・(ds/2)2=π・(57×103 /2)2 =
2.6×10-3 [m-2]であるから、焦電素子28に
入射する輻射エネルギーは、それぞれ波長域ごとに以下
のようになる e2〜20 =ω/2π・E2〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×1.42×106×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=1.4×10-7[W] e5〜20 =ω/2π・E5〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×1.42×105×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=2.6×10-8[W] e7〜20 =ω/2π・E7〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×2.56×105×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=1.1×10-8[W]
融スラグ5の輻射率ε=0.1、集光窓11及び焦光レ
ンズ20等の総合透過率τ=0.1とするとε・τ=
0.01である。図3のdsで示した領域の面積は、S
=π・(ds/2)2=π・(57×103 /2)2 =
2.6×10-3 [m-2]であるから、焦電素子28に
入射する輻射エネルギーは、それぞれ波長域ごとに以下
のようになる e2〜20 =ω/2π・E2〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×1.42×106×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=1.4×10-7[W] e5〜20 =ω/2π・E5〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×1.42×105×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=2.6×10-8[W] e7〜20 =ω/2π・E7〜20・S・ε・τ・η =8.8×10-4/2π×2.56×105×2.64×10-3 ×0.01×2.75×10-5=1.1×10-8[W]
【0024】[焦電素子の出力電力]焦電素子28の感
度は、 ρ2〜20 =ρ2〜20・e2〜20 =1500×1.4×
10-7=2.1×10-4[V] ρ5〜20 =ρ5〜20・e5〜20 =1500×2.6×
10-8=3.9×10-5[V] ρ7〜20 =ρ7〜20・e7〜20 =1500×1.4×
10-8=1.4×10-5[V] 従って、計測装置には、103〜104倍の増幅器が必要
である。
度は、 ρ2〜20 =ρ2〜20・e2〜20 =1500×1.4×
10-7=2.1×10-4[V] ρ5〜20 =ρ5〜20・e5〜20 =1500×2.6×
10-8=3.9×10-5[V] ρ7〜20 =ρ7〜20・e7〜20 =1500×1.4×
10-8=1.4×10-5[V] 従って、計測装置には、103〜104倍の増幅器が必要
である。
【0025】[スラグ温度の推定]次いで、プランクの
放射則から、輻射エネルギーの強度比を求める。
放射則から、輻射エネルギーの強度比を求める。
【0026】
【数6】
【0027】
【数7】
【0028】
【数8】
【0029】各温度におけるE5〜7/E2〜5、E7〜20
/E2〜5 の値を図5に示す。各波長域のε・τの値
は、別途、実機試運転時に熱電対による計測値と焦電素
子28の出力値から求める。焦電素子出力は、V2〜2
0、V5〜20、V7〜20 であるから、以下のようにな
る。 V2〜5 ∝ε2・τ2・E2〜5 V5〜7 ∝ε5・τ5・E5〜7 V7〜20 ∝ε7・τ7・E7〜20 従って、以下の式が導かれる。
/E2〜5 の値を図5に示す。各波長域のε・τの値
は、別途、実機試運転時に熱電対による計測値と焦電素
子28の出力値から求める。焦電素子出力は、V2〜2
0、V5〜20、V7〜20 であるから、以下のようにな
る。 V2〜5 ∝ε2・τ2・E2〜5 V5〜7 ∝ε5・τ5・E5〜7 V7〜20 ∝ε7・τ7・E7〜20 従って、以下の式が導かれる。
【0030】
【数9】
【0031】
【数10】
【0032】焦電素子出力が、V'2〜5 、V'5〜7 、
V'7〜20 と得られた場合、補正されたスペクトル強度
比は、以下の式のとおりである。
V'7〜20 と得られた場合、補正されたスペクトル強度
比は、以下の式のとおりである。
【0033】
【数11】
【0034】
【数12】
【0035】これらのスペクトル強度比を用い、図5か
らスラグ液面5aの温度を求めることができる。
らスラグ液面5aの温度を求めることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、煤塵濃度が高い炉内に
おいても溶融スラグの液面温度を正確にかつ安価なコス
トで推定することができる。
おいても溶融スラグの液面温度を正確にかつ安価なコス
トで推定することができる。
【図1】本発明に係る温度計測装置を配設した溶融炉を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】煤塵による散乱がある場合とない場合におけ
る、輻射光の波長と強度との関係を示すグラフである。
る、輻射光の波長と強度との関係を示すグラフである。
【図3】輻射光を集光する状態を示す概略図である。
【図4】輻射光の波長と輻射エネルギーとの関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図5】温度と輻射スペクトル強度比との関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
1 プラズマアーク溶融炉 2 主電極 3 炉底電極 5 溶融スラグ 7 プラズマアーク 8 輻射光 10 天井部 11 集光窓 15 温度計測装置 16 窓ホルダー 20 集光レンズ 22 ライトチョッパー 24 DC電源 25 DCモーター 28 焦電素子 29 増幅器 30 パソコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 5/10 G01J 5/10 A (72)発明者 西川 進 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 池 稔 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 井上 敬太 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2G066 AA04 AC01 AC11 BA01 BA35 BB05 BC15 4K056 AA05 BA01 BB08 CA09 FA12 4K063 AA04 BA06 FA56
Claims (4)
- 【請求項1】 炉内に収容された溶融スラグの液面から
放射される輻射光のうち、中間赤外域又は遠赤外域の輻
射光を光電気素子に集光し、入射する輻射光の強度に応
じた振幅の出力電圧を光電気素子から発生させ、この出
力電圧値とプランクの輻射則から上記溶融スラグの液面
温度を決定することを特徴とする溶融スラグの温度計測
方法。 - 【請求項2】 2以上の異なる波長の輻射光を用いて上
記溶融スラグの液面温度を決定することを特徴とする請
求項1に記載の溶融スラグの温度計測方法。 - 【請求項3】 上記煤塵の径が1〜2μmであり、溶融
スラグの液面から放射される輻射光が2〜20μmの波
長域を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
溶融スラグの温度計測方法。 - 【請求項4】 上記光電気素子が焦電素子であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融スラグ
の温度計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000061318A JP2001249049A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | 溶融スラグの温度計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000061318A JP2001249049A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | 溶融スラグの温度計測方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004137021A Division JP3820259B2 (ja) | 2004-05-06 | 2004-05-06 | 溶融スラグの温度計測方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001249049A true JP2001249049A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=18581467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000061318A Pending JP2001249049A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | 溶融スラグの温度計測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001249049A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006145122A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 灰溶融炉の運転方法及び耐火物の残存量予測方法 |
JP2007171112A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | プラズマ溶融炉におけるスラグ温度計測方法及び装置 |
KR20160135235A (ko) | 2014-03-17 | 2016-11-25 | 미츠비시 마테리알 가부시키가이샤 | 분진이 존재하는 분위기 중의 물체의 온도를 계측하는 방법 |
KR20180054700A (ko) | 2015-09-16 | 2018-05-24 | 미츠비시 마테리알 가부시키가이샤 | 피측정물의 온도, 분진의 온도 및 분진의 농도를 계측하는 방법 |
-
2000
- 2000-03-07 JP JP2000061318A patent/JP2001249049A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3121572A4 (en) * | 2014-03-17 | 2017-12-27 | Mitsubishi Materials Corporation | Method for measuring temperature of object in atmosphere having dust |
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US10852195B2 (en) | 2015-09-16 | 2020-12-01 | Mitsubishi Materials Corporation | Method of measuring temperature of an object to be measured, dust temperature and dust concentration |
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---|---|---|---|
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