JP2822490B2 - 放射温度計 - Google Patents

放射温度計

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JP2822490B2
JP2822490B2 JP26247489A JP26247489A JP2822490B2 JP 2822490 B2 JP2822490 B2 JP 2822490B2 JP 26247489 A JP26247489 A JP 26247489A JP 26247489 A JP26247489 A JP 26247489A JP 2822490 B2 JP2822490 B2 JP 2822490B2
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慶郎 長井
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被測定物から放射される赤外線等の光を受
光し、その受光光量から被測定物の温度を求める放射温
度計に関するものである。
〔従来の技術〕
このような放射温度計において、放射光の測光値は、
被測定物の温度に依存するほかに、被測定物の放射率
や、被測定物以外の放射源からの放射光が被測定物で反
射されて測定系に入ってくる背景放射光によっても変化
するため、被測定物の温度を求めるためには、上記放射
率、背景放射光の影響を調べる必要がある。
従来、上記放射率等を考慮して被測定物の温度を求め
るようにした放射温度計として、例えば特開昭63−3052
27号公報または特開昭63−305228号公報に示されるよう
に、波長の異なる2以上または3以上の参照光を被測定
物に向けて照射する照光手段と、上記各波長の参照光を
測光する参照光測光手段と、上記被測定物により反射さ
れた上記各波長の参照光の反射光を測光する反射光測光
手段と、被測定物からの放射輝度を各波長別に測光する
放射輝度測光段と、演算手段とを備えたものが知られて
いる。これら公報に示された放射温度計では、放射率と
測定反射情報値および未知の係数との関係についての所
定の仮定に基づき、放射率が未知であっても、上記各測
光手段で得られる測光値から被測定物の温度が演算によ
り求められる。また、背景放射の値が既知であるか、測
定手段により測定された値である場合に、背景放射の影
響除去をも考慮するため、放射率についての上記所定の
仮定をして得られる推定放射輝度と、背景放射輝度と、
測定放射輝度とから、被測定物の温度が演算により求ま
るようにされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、放射率に加えて背景放射を考慮する場合
に、通常、測定系に入ってくる背景放射の値は未知であ
り、かつ、被測定物が収容されている炉壁の構造、被測
定物の表面条件等に左右されるものであって、測定系に
入ってくる背景放射の値を測定によって正確に知ること
も容易でない。そして、上記のような従来の放射温度計
では、背景放射の値が不明であると、背景放射の影響を
除去した真の温度を求めることができないという問題が
残されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、放射率およ
び背景放射の値が不明であっても、被測定物の真の温度
を算出することができる放射温度計を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1に記載の発明は、異なる3以上の波長を含む
参照光を被測定物に向けて照射する照光手段と、上記参
照光を上記各波長別に測光する参照光測光手段と、上記
被測定物により反射された参照光の反射光を上記各波長
別に測光する反射光測光手段と、被測定物の温度および
放射率は等しいが、背景放射源からの光が上記被測定物
へ到達して測光に寄与する割合である背景放射寄与率が
異なる2以上の状態で、背景放射光を含む放射光を上記
各波長別に測光する放射光測定手段と、上記各測光手段
で得られる測光値に基づいて被測定物の温度を演算する
演算手段とを備え、この演算手段は、上記参照光測光手
段の測光値と上記反射光測光手段の測光値とから各波長
別に反射率を求めるとともに、被測定物の温度、反射の
角度特性、背景放射源の温度および背景放射寄与率を未
知数とし、これらと放射光の測光値および反射率との関
係を表す特定の関係式に基づき、上記放射光測光手段に
よる上記2以上の状態での3以上の波長についての放射
光の測光値のデータと各波長についての上記反射率のデ
ータとを上記関係式に当てはめることにより、上記未知
数に対しそれを求めるに足る数の条件式を作成し、これ
らの条件式から上記未知数のうち少なくとも被測定物の
温度を算出するようになっているものである。
この発明において、背景放射寄与率の異なる状態を実
現させる構造としては、異なる角度をもって放射光を測
光するようにし、あるいは被測定物の異なる位置を測定
点として測光するようにし、また、背景放射源と被測定
物との間に介在して背景放射源から被測定物への光の到
達量を変化させる背景放射寄与率変更手段を用いてもよ
い。
異なる角度をもって放射光を測光する場合、例えば、
被測定物に対して参照光を射出する射出ヘッドと測光用
の複数の測定ヘッドとを配設し、かつ、各測定ヘッドは
被測定物の測定対象面の法線に関し方位角は異なるが偏
角は同じであるように配置し、上記測定ヘッドにより集
光された光からそれぞれ波長別に背景放射光を含む放射
光に対応する信号を得るように放射光測光手段を構成す
るとともに、一部の測定ヘッドにより集光された光から
それぞれ波長別に参照光の反射光に対応する信号を得る
ように反射光測光手段を構成すればよい。
被測定物の異なる位置を測定点として測光する場合、
例えば、被測定物に対して参照光を射出する射出ヘッド
と測光用の複数の測定ヘッドとを配設し、かつ、一定方
向に移動しつつ加熱される被測定物の進行方向にのみ異
なる複数位置を測定点として上記各測定ヘッドを各測定
点に向けて配置し、上記各測定ヘッドにより集光された
光からそれぞれ波長別に背景放射光を含む放射光に対応
する信号を得るように放射光測光手段を構成するととも
に、一部の測定ヘッドにより集光された光からそれぞれ
波長別に参照光の反射光に対応する信号を得るように反
射光測光手段を構成すればよい。
背景放射寄与率変更手段を用いる場合、例えば、被測
定物に対して参照光を射出する射出ヘッドと測光用の測
定ヘッドとを配設し、上記測定ヘッドにより集光された
光から波長別に背景放射光を含む放射光に対応する信号
および参照光の反射光に対応する信号を得るように放射
光測光手段および反射光測光手段を構成し、一方、背景
放射源と被測定物との間の位置に回転可能なプレートか
らなる背景放射寄与率変更手段を設けて、上記プレート
の回転により背景放射源から被測定物への光の到達量が
変化するようにしておけばよい。
請求項8に記載の発明は、異なる2以上の波長を含む
参照光を被測定物に向けて照射する照光手段と、上記参
照光を上記各波長別に測光する参照光測光手段と、被測
定物自身からの放射光と周囲の一定周囲から被測定物に
入射した背景放射の反射光とを合わせた光が受光部に入
射する第1の状態で、その受光部に入射する光を上記各
波長別に測光する第1の放射光測光手段と、上記被測定
物自身からの放射光と上記一定範囲のうちの一部分を除
く範囲から被測定物に入射した背景放射の反射光とを合
わせた光が受光部に入射するようにして、受光部への背
景放射反射光の入射量を上記第1の状態よりも減少させ
た第2の状態で、その受光部に入射する光を上記各波長
別に測光する第2の放射光測光手段と、上記第2の状態
での放射光および背景放射反射光に加えてその背景放射
反射光の第1の状態に対する減少割合に関連する割合で
上記参照光の反射光が受光部に入射するようにした第3
の状態で、その受光部に入射する光を上記各波長別に測
光する反射光等測光手段と、上記各測光手段の測光値に
基づいて被測定物の温度を算出する演算手段とを備え、
この演算手段は、上記第1の状態での放射の強さ、放射
率、被測定物と同一温度の黒体からの放射の強さ、反射
率および背景放射の強さの各要素の関係を示す第1の関
係式と、上記第2の状態での第1の状態に対する背景放
射の強さの比を第1の関係式に加味した第2の関係式
と、上記第3の状態での参照光の強さを第2の関係式に
加味した第3の関係式と、放射率と反射率との関係を示
す第4の関係式とを求め、これらの関係式に基づき、第
1,第2の放射光測光手段および反射光等測光手段による
各波長についての測定データを関係式中の該当する要素
に当てはめて、被測定物の温度を含む未知数に対しそれ
を求めるに足る条件式を作成し、これらの条件式から上
記未知数のうち少なくとも被測定物の温度を算出するよ
うになっているものである。
この請求項8に記載の発明において上記第1〜第3の
各状態での測光を実現する具体的構造としては、例え
ば、測定対象面が鏡面に近い被測定物に対し、測光用の
第1,第2の測定ヘッドと、参照光を射出する射出ヘッド
とを具備し、上記第1測定ヘッドは測定対象面と直角な
第1平面内で測定対象面の法線に対して所定角度の方向
から測定エリアに向いた状態に、上記第2測定ヘッドは
測定対象面および第1平面と直角な第2平面内で測定対
象面の法線に対して上記所定角度の方向から測定エリア
に向いた状態に、また上記射出ヘッドは上記第2平面内
で上記第2測定ヘッドとは対称的な方向から測定エリア
に向いた状態にそれぞれ配置し、上記第1測定ヘッドを
受光部としてこれに入射する光を測光することにより第
1の状態での測光を実現し、上記射出ヘッドから参照光
を射出しない状態で上記第2測定ヘッドを受光部として
これを入射する光を測光することにより第2の状態での
測光を実現し、上記射出ヘッドから参照光を射出した状
態で上記第2測定ヘッドを受光部としてこれに入射する
光を測光することにより第3の状態での測光を実現する
ように構成すればよい。
また、請求項10に記載の発明は、異なる2以上の波長
を含む参照光を被測定物に向けて照射する照光手段と、
上記参照光を各波長別に測光する参照光測光手段と、被
測定物自身からの放射光と一定の入射条件で被測定物に
入射した背景放射の反射光とを合わせた光が受光部に入
射される第1の状態で、受光部に入射される光を上記各
波長別に測光する第1の放射光測光手段と、被測定物自
身からの放射光と被測定物に入射した背景放射の反射光
が受光部に入射され、かつ、上記第1の状態とは背景放
射反射光の受光部への入射量が異なる第2の状態で、受
光部に入射される光を上記各波長別に測光する第2の放
射光測光手段と、上記第1、第2のそれぞれの状態にお
いて放射光および背景放射反射光に加えて参照光の反射
光が受光部に入射され、かつ、これらの状態における受
光部への背景放射反射光の入射割合に関連してそれぞれ
異なる割合で参照光の反射光が受光部に入射される第3,
第4の状態で、受光部に入射する光を各波長別に測光す
る第1,第2の反射光等測光手段と、上記各測光手段の測
光値に基づいて被測定物の温度を算出する演算手段とを
備え、この演算手段は、上記第1の状態および上記第2
の状態でそれぞれ、受光部に入射される光の強さ、放射
率、被測定物と同一温度の黒体からの放射の強さ、反射
光のうちで受光部に入射される割合、反射率および背景
放射の強さの各要素の関係を示す第1,第2の関係式と、
上記第3の状態および上記第4の状態でそれぞれ、参照
光の強さを第1,第2の関係式に加味した第3,第4の関係
式と、放射率と反射率との関係を示す第5の関係式とを
求め、上記第1,第2の放射光測光手段および上記第1,第
2の反射光等測光手段による各波長についての測光デー
タを上記各関係式中の該当する要素に当てはめて、被測
定物の温度を含む未知数に対しそれを求めるに足る数の
条件式を作成し、これらの条件式から上記未知数のうち
少なくとも被測定物の温度を算出するようになっている
ものである。
この請求項10に記載の発明において、第1の放射光測
光手段と第1の反射光等測光手段は同一の受光部とする
ことができ、また第2の放射光測光手段と第2の反射光
等測光手段は同一の受光部とすることができる。
この請求項10に記載の発明において上記第1〜第4の
各状態での測光を実現する具体的構造としては、例え
ば、測光用の第1,第2の測定ヘッドと、参照光を射出す
る射出ヘッドとを具備し、上記第1測定ヘッドを被測定
物の測定対象面と直角な第1平面内で測定対象面の法線
に対して傾め方向から測定エリアに向いた状態に配置す
るとともに、上記第2測定ヘッドと射出ヘッドとを測定
対象面および第1平面と直角な第2平面内で互いに対称
的に測定対象面の法線に対して斜め方向から測定エリア
に向いた状態に配置し、上記射出ヘッドから参照光を射
出しない状態で上記第1、第2測定ヘッドをそれぞれ受
光部としてこれらの測定ヘッドに入射する光を各々測光
することにより第1,第2の状態での測光を実現し、上記
射出ヘッドから参照光を射出した状態で上記第1、第2
測定ヘッドをそれぞれ受光部としてこの各測定ヘッドに
入射する光を各々測光することにより第3,第4の状態で
の測光を実現するように構成すればよい。
〔作用〕
上記請求項1に記載の発明の構成によると、被測定物
の温度に加えて上記放射率、背景放射、背景放射寄与率
等が未知であっても、後述の原理1に基づき、この発明
の構成における各測光手段による3以上の波長について
の各測光値による各未知数を解くに足るデータが得られ
る。そしてこれらの測光値から、放射率および背景放射
の影響を除去した被測定物の真の温度が算出される。
請求項8に記載の発明の構成によると、後記の原理2
に基づいて、この発明の構成における各測光手段によっ
て少なくとも2波長について各測光値が与えらると、放
射率および背景放射の影響を除去した被測定物の真の温
度が算出される。なお、この発明では、被測定物表面が
鏡面に近い場合に、例えば後述のように照光手段の参照
光照射部と各放射光測光手段および反射光等測光手段の
受光部を被測定物の周囲に所定の位置関係で設けること
により、参照光昭光部が存在する部分から背景放射が被
測定物に入射されないことを利用して、これら測光手段
での各状態での測光が実現される。
また、請求項9に記載の発明の構成によっても、後記
の原理3に基づき、少なくとも2波長について各測光値
が与えられれば被測定物の真の温度が算出される。な
お、この発明は、被測定物表面が鏡面に近い場合に限ら
ず、ある程度散乱性を有する場合にも、効果的に適用さ
れる。
〔実施例〕
本発明の実施例としては、以下のような原理1、原理
2、原理3にそれぞれ基づくものがあり、これらの実施
例をそれぞれの原理とともに、図面を参照しつつ説明す
る。
原理1 この原理は、後記の第3図乃至第11図に示す実施例に
よる場合の各測光手段による3以上の波長についての測
光に基づき、被測定物の真の温度を求めることができる
ことを示す。この原理を、第1図および第2図を参照し
つつ説明する。
被測定物が温度Tの黒体であると仮定した場合は、被
測定物から単位面積当り、単位立体角当りに放射される
波長λの光の光束、すなわち分光放射輝度L(λ,T)
は、プランクの公式によって与えられる。装置の光学系
が測定面積ΔA、測定立体角ΔΩをもっているとし、放
射光測光値がE0(λ,T)とすると、これと分光放射輝度
L(λ,T)との関係は極座標(γ,θ,ψ)を使って次
の(1−1)式のように表わされる。
E0(λ,T)=Ce・∫ ∬ ∫ S(λ) ・L(λ,T)・cosθ・sinθ ・dλdθdA …(1−1) ここで、S(λ)は光検出器と光学フィルターの総合
的な分光感度、Ceは測定装置の直流信号に関する光電変
換係数で、具体的には黒体の校正測定により決められる
定数である。ところで実際の被測定物は黒体ではないの
で、放射光測光値には放射率が関係し、さらに背景放射
の影響もある。
この背景放射の影響に関係するデータを得るため、被
測定物の温度および放射率は等しいが背景放射寄与率が
異なる2以上の状態で、背景放射を含む放射光をn個の
波長λi(i=1,2,…,n)について測光する。例えば第
1図のように、測定対象面の法線に関し、方位角は異な
るが偏角は同じであるようにm個の測定ヘッド(図では
2個の測定ヘッド11,21を示す)を配置すると、測定対
象のミクロ的構造が法線に関して対称であれば、測定ヘ
ッドに向かう方向における放射率ε(λi)は等しい。
従って、このような各測定ヘッドの配置により、放射率
ε(λi)が等しくて背景放射寄与率Kj(j=1,2,…,
m)が異なる状態を実現することができる。このように
配置して各測定ヘッドに入射される光を測光することと
したとき、j番目の放射光測光値がEj(λi)とする
と、次の(1−2)式が成立つ。
Ej(λi)=ε(λi)・E0(λi,T)+ ρ(λi)・kj・Eb(λi) …(1−2) ただし、Eb(λi)は背景放射源からの光、ρ(λ
i)は半球反射率である。
また、被測定物TGが測定波長域で非透過性の物体であ
る場合、吸収率をα(λi)とすると、 α(λi)+ρ(λi)=1 …(1−3) となる。
第2図のように単位光強度をもつ波長λの光が被測定
物TGに入射し、その光が様々な角度(θ,ψ)に光強度
Ir(θ,ψ,λ)をもって反射したとすると、半球反射
率ρ(λ)は次の(1−4)式で表わされる。
ρ(λ)=(1/2π)∫ ∫ Ir(θ,ψ,λ) ・sinθ・dθdψ …(1−4) また、射出ヘッド31から被測定物TGに参照光を照光し
つつ、後記のように参照光測定手段および反射光測光手
段による測光を行なった場合(第3図参照)、測光値M
(λi),R(λi)から求められる反射率r(λi)
は、 r(λi)=Cr・R(λi)/M(λi) =(1/2π)∬ Ir(θ,φ,λ) ・sinθ・dθdψ …(1−5) である。ここで、Crは反射光測光手段における交流信号
と参照光測光手段におけるモニター信号の光電変換効率
に関する係数で、反射の校正測定によって決められる定
数である。半球空間への全反射光と実際に測定される反
射光との比をβ(λi)とすると、次の(1−6)式が
成立つ。
r(λi)=β(λi)・ρ(λ) …(1−6) また、キルヒホッフの法則により、 α(λi)=ε(λi) であるので、これと(1−3)、(1−6)式とから、
放射率ε(λi)は次のように表わされる。
ε(λi)=1−1/β(λi)・r(λi) …(1−7) (1−6)、(1−7)式を(1−2)式に代入する
ことにより、次の条件式(1−8)が得られる。
Ej(λi)=(1−1/β(λi)・r(λi)) ・E0(λi,T)+1/β(λi) ・r(λi)・Kj・Eb(λi) …(1−8) n(m+1)個の測定値Ej(λi),r(λi)を使っ
て条件式(1−8)を解けば、温度Tおよびその他の未
知数が求められる。
この条件式(1−8)の数はn・m個となり、一方、
Ej(λi)は測定によって得ることができ、r(λi)
は測定で得られるM(λi)とR(λi)とによりr
(λi)=R(λi)/M(λi)で求めることができる
ので、未知数は1/β(λi)、Kj、Eb(λi)、Tの2n
+m+1個である。従って、n・m≧2n+m+1という
条件が満足されれば数学的に上記各未知数を求めること
ができる。
ただし上記関係を満足するには、例えばn=3とする
とm≧4でなければならにので、測光値の数が多くなっ
て測定装置や演算が複雑になる。そこで、次のように、
妥当な仮定をし、近似式を用いて未知数を減少させ、実
現性の高い手法で温度演算を行なう。
n=3とし、1/β(λi)を波長によらず一定である
と仮定して温度演算する方法は、背景放射のない場合に
は正確な温度を算出できるものであることが既に知られ
ている。また、背景放射源にタングステンランプ等が用
いられている場合に、それはほぼ黒体と考えても差支え
ない。
従って、3つの波長を測光し(n=3)、かつ背景放
射寄与率の異なる2つの状態で放射光を測光する(m=
2)こととし、 1/β(λi)=a …(1−9) Eb(λi)=E0(λi,Tb) …(1−10) と近似すると、未知数はa、K1、K2、Tb(背景放射源の
温度)およびTの5個となり、一方、条件式の数は3×
2の6個となるので、最小二乗法を導入することにより
現実的な測定装置および演算方法で正確な温度を算出す
ることができる。具体的な解法は種々考えられるが、そ
の一例を次に示す。
(1−9)式および(1−10)式を(1−8)式に代
入すると、条件式は次のようになる。
Ej(λi)=(1−a・r(λi))・E0(λi,T) +a・r(λi)・Kj・E0(λi,Tb) …(1−11) j=2の場合の条件式からj=1の場合の条件式を減
算すると、次のようになる。
E2(λi)−E1(λi) =(K2−K1)・a・r(λi)・E0(λi,Tb) …(1−12) (K2−K1)・aを1つの未知数と考えてこれをxとお
き、右辺と左辺の偏差F(Tb)を考えると、後記の(1
−13)式のようになる。
このF(Tb)を最小とするTb,xを求めればよい。ある
Tbに対し、F(Tb)を最小とするxは、次のように求め
られる。
∂F(Tb)/∂x=2xΣAi2−2ΣAi=0 ∴x=ΣAi/ΣAi2 ただし、 Ai=r(λi)・E0(λi,Tb)/(E2(λi)−E1(λi)) このxを(1−13)式に代入してF(Tb)を計算し、
この計算をTbを種々変えて繰返すことによりF(Tb)が
最小となるTbの値を探索し、この値をTbの解とする。こ
の計算は実質上Tbに対しての一次元探索であるので、複
雑な計算ではない。
こうして求められたTbを使い、条件式の中の残りの未
知数であるT,a,aK1,aK2を同様の考え方で求める。
すなわち、aK1=x1、aK2=x2とおいて、(1−11)式
の右辺と左辺の偏差を評価する後記の(1−14)式のよ
うな目的関数G(T)を考える。
あるTに対し、G(T)を最小とするa,x1,x2は、 ∂G(T)/∂a=0 ∂G(T)/∂x1=0 ∂G(T)/∂x2=0 の連立方程式を解くことにより求められ、この連立方程
式は後記の(1−15)式のように表せる。
この(1−15)式を解き、その解を(1−14)式に代
入してG(T)を計算し、この計算をTを種々変えて繰
返すことにより、G(T)が最小となるTの値を一次元
探索し、この値をTの解とする。
ただし、 Aij=r(λi)・E0(λi,T)/Ej(λi) Bij=r(λi)・E0(λi,Tb)/Ej(λi) Cij=E0(λi,T)/Ej(λi)−1 原理1に基づく実施例 第3図は原理1に基づく実施例についての放射温度計
の全体構成を示している。この図において、照光手段1
は、異なる3以上の波長λiの光を含む参照光を発生す
る光源部LSと、射出ファイバー33および射出ヘッド31で
構成され、上記光源部LSにおいて後述のように周波数f
で断続させた参照光を、射出ファイバー33、射出ヘッド
31を通して被測定物TGの測定点に照射するようになって
いる。また、反射率を計算するために、光源部LSから各
波長λiの参照光に応じた信号がモニターラインに出力
され、それぞれ増幅器Aiで増幅されてA/D変換器ADCでA/
D変換されることにより、各波長の参照光測光値M(λ
i)が得られるようにしており、増幅器Aiを含むモニタ
ーラインにより参照光測光手段2が構成されている。
図では3つの波長λ12の光を測定する場合を
示している。従って上記モニターラインでは、これらの
波長λ12についての参照光測光値M(λ),M
(λ),M(λ)が得られるように3つの増幅器A1,A
2,A3が設けられている。
一方、被測定物TGの測定点からの光に基づき、各波長
の参照光の反射光が測光されるとともに、被測定物の温
度および放射率は等しいが背景放射寄与率(背景放射源
からの光が上記被測定物TGへ到達して測光に寄与する割
合)が異なる2以上の状態で、背景放射光を含む放射光
が各波長別に測光される。第3図中に示す例では、前記
原理1の中で説明したように異なる角度をもって放射光
を測光することにより背景放射寄与率の異なる状態を実
現するように、被測定物TGからの光を集光する2個以上
(図では2個)の測定ヘッド11,21が、それぞれ異なる
角度で被測定物TGに向けられた状態に配置されている。
第1の測定ヘッド11で集光された光は、測定ファイバ
ー13を通って、光分岐部BR1で各波長λ12に分
けられ、各々後述の光検出器により電気信号に変換され
る。この信号は、参照光の反射光に対応する交流成分
と、背景放射光と被測定物TGからの放射光との和に対応
する直流成分とからなっている。このうちの交流成分
は、各波長別にそれぞれ、直流カットコンデンサC1,C2,
C3と、増幅器ACA1,ACA2,ACA3と、周波数fの信号のみを
通すバンドパスフィルタBPF1,BPF2,BPF3と、絶縁値・清
流回路ABS1,ABS2,ABS3とで構成された交流成分抽出用回
路を経てA/D変換され、反射光測光値R(λ),R(λ
),R(λ)とされる。また直流成分は、各波長別に
それぞれ、増幅器DCA11,DCA21,DCA31と、交流成分除去
のためのサンプルアンドホールド回路SH11,SH21,SH31
で構成される直流成分抽出用回路を経てA/D変換され、
放射光測光値E1(λ),E1(λ),E1(λ)とされ
る。
第2の測定ヘッド21で集光された光は、測定ファイバ
ー23を通って、光分岐部BR2で各波長λ12に分
けられ、各々後述の光検出器により電気信号に変換され
る。この信号は、各波長別にそれぞれ、増幅器DCA12,DC
A22,DCA32と、交流成分除去のためのサンプルアンドホ
ールド回路SH12,SH22,SH32とで構成される直流成分抽出
用回路を経てA/D変換され、放射光測光値E2(λ),E2
(λ),E2(λ)とされる。
こうして、第1の測定ヘッド11で集光された光を測光
する系のうちの交流成分抽出用回路により反射光測光手
段3が構成されるとともに、この系のうちの直流成分抽
出用回路と、第2の測定ヘッド21で集光された光を測光
する系とにより、放射光測光手段4,4′が構成されてい
る。
上記各測光手段2,3,4,4′により、図に示す例によれ
ばM(λ)〜M(λ),R(λ)〜R(λ),E1
(λ)〜E1(λ),E2(λ)〜E2(λ)の12個
の測光値が得られる。測定される波長の数がn、背景放
射寄与率が異なる状態の数がmであれば、n×(m+
2)個の測光値が得られる。この各測光値は演算手段5
に入力される。この演算手段5は、上記参照光測光手段
の測光値と上記反射光測光手段の測光値とから各波長別
に反射率を求めるとともに、被測定物の温度、反射の角
度特性、背景放射源の温度および背景放射寄与率を未知
数とし、これらと放射光の測光値および反射率との関係
を表す特定の関係式に基づき、上記放射光測光手段によ
る上記2以上の状態での3以上の波長についての放射光
の測光値のデータと各波長についての上記反射率のデー
タとを上記関係式に当てはめることにより、上記未知数
に対しそれを求めるに足る数の条件式を作成し、これら
の条件式から上記未知数のうち少なくとも被測定物の温
度を算出するようになっている。つまり、この演算手段
5において、前述のような解法により、温度や放射率等
が算出される。算出された値は表示部DSPおよび出力部O
Pに入力され、アナログ的またはデジタル的に表示およ
び出力が行なわれる。
上記光源部LSは、例えば第4図に示すように、ハロゲ
ンランプ等の光源1aから照射して反射鏡1bにより集光し
た参照光を、モータ1dで駆動されるチョッパ1cにより周
波数fで断続させて射出ファイバー33に送込む一方、ガ
ラスまたはハーフミラー1eで反射させた参照光を、端部
が分岐した光ファイバー20と、各々所定波長のみ通す光
学フィルター2a1,2a2,2a3とを通して各波長に分け、そ
の各波長別に光検出器2b1,2b2,2b3で光電変換し、モニ
ターラインに出力するような構造とされる。あるいは第
5図もしくは第6図のように、各波長別の半導体レーザ
ーダイオード1f1,1f2,1f3を交流電源1gに接続し、これ
らのダイオード1f1,1f2,1f3から射出される周波数fの
参照光を集合して射出ファイバー33に送る一方、各ダイ
オード1f1,1f2,1f3に接続した出力部から、参照光に応
じた信号をモニターラインに出力するような構造であっ
てもよい。
また、、上記光分岐部BR1,BR2は、例えば第7図のよ
うに、測定ファイバー11(21)の端部を分岐させ、その
各分岐された光をそれぞれ所定波長の光のみを透過させ
る光学フィルター3a1,3a2,3a3を通して光検出器3b1,3
b2,3b3に受光させるような構造とされる。あるいは第8
図に示すように、測定ファイバー11(21)を通った光
を、レンズ3cおよび回折格子3dにより各波長に分けて光
検出器3b1,3b2,3b3に受光させるような構造としてもよ
く、また第9図のように、測定ファイバー11(21)を通
った光を、レンズ3eおよびダイクロイックミラー3f,3g
により各波長に分け、光学フィルター3h1,3h2,3h3を通
して光検出器3b1,3b2,3b3に受光させるような構造でも
よい。
以上のような当実施例の構造により、前述の原理1が
実現される。つまり、被測定物TGの放射率および背景放
射の値が未知であっても、少なくとも3つの波長を測光
し、かつ背景放射寄与率の異なる少なくとも2つの状態
で放射光を測光するという条件で、前記の参照光測光手
段、反射光測光手段および放射光測光手段の各測光値に
基づき、被測定物TGの温度が正しく求められる。
第10図は背景放射寄与率の異なる状態を実現するため
の別の例を示す。この例では、鋼板等の被測定物TGが一
定方向に移動しつつ加熱源6によって加熱されるような
場合に、被測定物TGの進行方向に対してのみ異なる複数
位置が測定点として選定される。そして、各測定点に向
けた状態に複数の測定ヘッドが配置され、図では2点か
らの放射光を測定するように、第1測定ヘッド11と第2
測定ヘッド21とが、第1測定点と第2測定点とにそれぞ
れ向けた状態に配置されている。また、射出ヘッド31は
第1測定点に参照光を照射するように配置されている。
従って、第1測定ヘッド11により参照光の反射光と背景
放射光と被測定物からの放射光とが集光される一方、第
2測定ヘッド21により背景放射光を含む放射光が集光さ
れる。放射温度計全体は第3図に示したものとほぼ同様
に構成しておけばよい。ただしこの例では、第2測定ヘ
ッド21には参照光の反射光が入射されないので、第3図
中の第2測定ヘッド21に対応する系におけるサンプルア
ンドホールド回路SH12,SH22,SH32は不要である。
この例によると、移動中の被測定物TGに測温する場合
に、進行方向に対してのみ異なる位置では温度、放射
率、半球反射率が等しいと考えられるので、これらの位
置を測定点とすることにより、被測定物の温度および放
射率は等しいが背景放射寄与率が異なる状態が実現され
る。
第11図は背景放射寄与率の異なる状態を実現するため
のさらに別の例を示す。この例では、背景放射源と被測
定物との間に介在する背景放射寄与率変更手段を設けて
いる。この背景放射寄与率変更手段は、例えば背景放射
源と被測定物TGとの間に位置した一対の回転可能なプレ
ート7で構成され、このプレート7が図外の駆動手段に
より回転されることにより、背景放射源から被測定物へ
の光の到達量が変えられ、背景放射寄与率が変更される
ようになっている。そして、上記プレート7の回転によ
って背景放射寄与率が変えられた2以上の状態において
それぞれ、第3図中の第1測定ヘッド11に対応する系の
うちの直流成分を抽出する回路による放射光測光値Ej
(λ),Ej(λ),Ej(λ)が与えられるように
し、こうして放射光測光手段が構成されている。
なお、この例によると、放射温度計全体としては第3
図いおける第2測定ヘッド21とこれに対応する系を省略
することができるので、構造が簡単になる。
原理2 この原理は、後記の第16図乃至第18図に示す実施例に
よる場合の各測光手段による2以上の波長についての測
光に基づき、被測定物の真の温度を求めることができる
ことを示すもので、被測定物表面が鏡面に近い場合に有
効に適用されるものである。この原理を、第12図乃至第
15図を参照しつつ説明する。
これらの図において、放射の強さを検出する検出手段
S(の受光部)には、被測定物TGの一定の測定エリアか
らの光が集光レンズLを介して入射される。この検出手
段Sに入射される光は、上記測定エリアにおける被測定
物TG自身からの放射光と被測定物TGによって反射された
光を含むものである。上記検出手段Sによる放射の検出
は被測定物TGの法線Nに対して一定角度θの方向で行
なうものとし、また検出手段Sの大きさは充分に小さい
ものとする。
上記被測定物TGの波長λにおける分光放射率をεi
とし(i=1,2,…,n)、被測定物TGの温度をTとし、温
度Tの黒体からの波長λiにおける放射の強さをIe(λ
i,T)とすると、被測定物TG自身からの波長λiにおけ
る放射の強さはεi・Ie(λi,T)となる。そして、第1
2図のように被測定物TGの測定エリアにその周囲の入射
範囲全体から一様に背景放射(破線矢印で示す)が入射
する状態にした場合、波長λiにおける背景放射の強さ
をIb(λi)、被測定物TGの分光反射率をρiとする
と、被測定物TGの測定エリアで反射された後に検出手段
Sに入射される波長λiの背景放射の強さはρi・Ib
(λi)となり、これと被測定物TG自身からの放射の強
さとの和が、検出手段Sに入射される放射の強さとな
る。つまり、検出手段Sに入射される波長λiの放射の
強さI1(λi)は、次の(2−1)式のように表わされ
る。
I1(λi)=εi・Ie(λi,T)+ρi・Ib(λi) …(2−1) また、第13図のように被測定物TGの法線Nに対して角
度θの方向(|θ1|=|θ2|とする)の微小立体角Δ
ωの部分8からは背景放射が測定エリアに入射されない
状態にした場合、被測定物TGの測定エリアで反射された
後に検出手段Sに入射される背景放射は第12図の状態に
した場合より減少する。第12図の状態にした場合と第13
図の状態にした場合との、検出手段Sに入射される背景
放射の強さの比を(1−β)とすると、この値は波長に
よらず一定と仮定して差し支えない。そしてこの第13図
の状態にした場合の、検出手段Sに入射される波長λi
の放射の強さI2(λi)は、次の(2−2)式のように
表わされる。
I2(λi)=εi・Ie(λi,T)+(1−β)・ρi ・Ib(λi) …(2−2) また、第14図のように、被測定物TGの法線Nに対して
角度θの方向の微小立体角Δωの部分から参照光源R
の光(参照光)がレンズL′を介して被測定物TGの測定
エリアに照射される状態にした場合、この光源Rからの
波長λiの放射の強さをIref(λi)とすると、参照光
が被測定物TGの測定エリアで反射された全反射光のうち
で検出手段Sに入射する反射光はβ・ρi・Iref(λ
i)となる。つまり、第14図の状態での検出手段Sへの
入射の割合は、第13図の状態で検出手段Sに入射される
背景放射反射光の第12図の状態に対する減少の割合に対
応する。上記の(1−β)についての仮定により、βの
値は波長によらず一定である。そしてこの第14図の状態
にした場合の、検出手段Sに入射される波長λiの放射
の強さI3(λi)は次の(2−3)式のように表わされ
る。
I3(λi)=εi・Ie(λi,T)+(1−β)・ρi ・Ib(λi)+β・ρi・Iref(λi)…(2−3) 被測定物TGが光を透過しないものとすると、放射量と
反射率との間には次の(2−4)式の関係が成立する。
εi+ρi=1 …(2−4) 上記の(2−1)〜(2−4)式は[i=1,2,…,n]
であることによりそれぞれn個ずつの関係式を与えるの
で、これら4・n個の関係式が得られる。また、これら
の式におけるI1(λi),I2(λi),I3(λi),Iref
(λi)が測定に基づいて得られる値とすると、未知数
はT,β,εi,ρi,Ib(λi)であって、未知数の個数は
[2+3・n]個となる。そして、n≧2であれば、関
係式の個数が未知数の個数以上(4・n≧2+3・n)
となるので、上記各未知数を解くことができる。
つまり、少なくとも2波長について、第12図に示すよ
うな第1の状態と第13図に示すような第2の状態とで検
出手段Sに入射される光(被測定物自身からの放射に被
測定物で反射した背景放射が加わった光)の測光、第14
図に示す第3の状態での検出手段Sに入射される光の測
光、および参照光の測光をそれぞれ行なうことにより、
上記各未知数を解くことができる。なお、第14図に示す
状態での測光は、後述の実施例のように参照光の反射光
のみを抽出して測定してもよい。つまり、[β・ρi・
Iref(λi)=I3(λi)−I2(λi)]の値を測定し
ても、この値とI2(λi)とでI3(λi)が特定される
ので、I3(λi)を測定すると同様となる。
また、n≧3とすれば、未知数の個数より関係式の個
数の方が多くなるので、最小二乗法等で測定誤差の影響
を小さくしつつ各未知数を求めることができる。ここ
で、最小二乗法による解法の一例を示しておく。
前記の(2−2),(2−3)式から、 I3(Ii)−I2(λi)=β・ρi・Iref(λi) であって、 {I3(λi)−I2(λi)}/Iref(λi)=ri とおくと、 ri=β・ρi となる。そして前記の(2−1),(2−2)式より、 I1(λi)−I2(λi)=β・ρi・Ib(λi) ∴Ib(λi)=(1/ri){I1(λi)−I2(λi)} …(2−5) となる。
さらに、1/β=aとおき、(2−5)式を(2−2)
に代入すると I2(λi)=a・ri・{Ib(λi)−Ie(λi,T)} +Ie(λi,T)−ri・Ib(λi) …(2−6) となる。
この(2−6)式に基づき、その左辺と右辺の偏差を
評価する次の(2−7)式の目的関数H(T,a)を考え
る。
Xi=−ri{Ib(λi)−Ie(λi,T)}/I2(λi) Yi=1−{Ie(λi,T)−ri Ib(λi)}/I2(λi) とおくと、 となる。そして、Tを適当な値に測定した場合に目的関
数を最小にするaは ∂H(T,a)/∂a=0 を満たす。これを解くと、 となる。この(2−9)式より求めたaを(2−8)式
に代入し、H(T,a)を計算する。この計算を、Tを種
々変えて繰返すことにより、H(T,a)が最小となるT
の値を一次元探索する。こうして、被測定物の温度Tが
精度よく求められる。
第15図はこの原理を適用した測定系を示し、被測定物
TGに臨む部分には、各々集光レンズ12,22,32を有する第
1,第2の測定ヘッド11,21と射出ヘッド31が配置され、
各ヘッド11,21,31はそれぞれ、放射温度計本体10から延
びた光ファイバー13,23,33の先端に設けられている。
第1測定ヘッド11は、被測定物TGの測定対象面と直角
な第1平面P1内で測定対象面の法線Nに対して角度θ
の方向から測定エリアに向いた上体に配置され、第2測
定ヘッド21は、被測定物TGの測定対象面および第1平面
P1と直角な第2平面P2内で測定対象面の法線Nに対して
角度θの方向から測定エリアに向いた状態に配置され
ている。これら第1,第2測定ヘッド11,21は、被測定物T
Gからの光を測定するためのものであり、被測定物TGの
測定エリアから上記各方向の微小立体角Δω内を通って
第1,第2測定ヘッド11,21に入射された光が温度計本体1
0内の後述の光検出器に送られる。また、射出ヘッド31
は、上記第2平面P2内で、上記法線Nに対して第2測定
ヘッド21と対称的な角度θの方向から測定エリアに向
いた状態に配置されている。この射出ヘッド31は、温度
計本体10内の後述の光源から参照光を、上記角度θ
微小立体角Δωの範囲より被測定物TGの測定エリアに断
続的に照射するものである。
この測定系によると、各測定ヘッド11,21,31の方向の
微小立体角Δωからは測定エリアに背景放射が入射され
ない。しかし、被測定物TGの測定対象面がある程度鏡面
に近い場合、第1,第2測定ヘッド11,21に入射される背
景放射は、それぞれとは上記法線Nに対して対称的な方
向の立体角ΔΩの一定範囲(ΔΩ>Δω)から測定エリ
アに入射されて反射されたものに限られるので、第1平
面P1内の第1測定ヘッド11には、第2平面P2内のヘッド
21,31の存在に関係なく一定範囲から測定エリアに入射
されて反射された背景放射が入射される。一方、第2平
面P2内の第2測定ヘッド21には、射出ヘッド31で背景放
射が阻止された微小立体角Δωを除いてその回りの立体
角ΔΩの範囲から測定エリアに入射されて反射された背
景放射が入射される。従って、第1測定ヘッド11を用い
た放射の測定は、第12図に示した状態(第1の状態)で
の放射の測定と同等であり、また第2測定ヘッド21を用
いた放射の測定は、射出ヘッド31から参照光を照射しな
い場合に第13図に示した状態(第2の状態)での放射の
測定と同等、射出ヘッド31から参照光を照射した場合に
第14図に示した状態での放射の測定と同等である。
原理2に基づく実施例 第16図は原理2に基づく実施例についての放射温度計
の全体構成の一例を示している。この図において、照光
手段101および参照光測光手段102は前記の原理1に基づ
く実施例とほぼ同様である。つまり、照光手段101は参
照光の光源40、チョッパ41、光ファイバー33および射出
ヘッド31等で構成され、参照光をチョッパ41で断続させ
た後、射出ヘッド31から被測定物に照射するようになっ
ている。また参照光測光手段102は、n個(n≧2)の
分岐部43a1,43a2,…,43a nを有する光ファイバー43と、
各々所定波長の光のみ通す光学フィルタ44a1,44a2,…,4
4a nと、光検出器44b1,44b2,…,44b nと、DCアンプ44
c1,44c2,…,44c nとで構成され、各波長別に前記の[Ir
ef(λi)]の値に相当する参照光測光値が得られるよ
うになっている。
一方、第1測定ヘッド11より光ファイバー13を通って
導かれる放射光は、光ファイバー13の端部の各分岐部13
a1,13a2,…,13a nとこれらに対応する光学フィルタ14
a1,14a2,…,14a nとによって上記各波長λ12,…,λ
nに分光された後に、その各波長別にそれぞれ光検出器
14b1,14b2,…,14b nに受光されて電気信号に変換され、
この各信号がDCアンプ14c1,14c2,…,14c nが増幅され
て、前記の[I1(λi)]の値に相当する第1状態での
放射光測光値が得られる。こうして第1の放射光測光手
段103が構成されている。
また、第2測光ヘッド21より光ファイバー23を通って
導かれる放射光も、光ファイバー23の端部の各分岐部23
a1,23a2,…,23a nとこれらに対応する光学フィルタ24
a1,24a2,…,24a nとによって上記各波長λ12,…,λ
nに分光された後に、その各波長別にそれぞれ光検出器
24b1,24b2,…,24b nに受光されて電気信号に変換される
が、この信号は直流成分と交流成分とに分けて測定され
る。つまり、第17図に示すように、上記電気信号には、
前記の第2の状態において被測定物で反射された背景放
射光と被測定物自身からの放射光との和に相当する直流
成分と、被測定物に断続的に照射される参照光の反射光
に対応する交流成分とが含まれている。そして、DCアン
プ24c1,24c2,…,24c nで上記電気信号から直流成分が抽
出されることにより、前記の[I2(λi)]の値に相当
する第2状態での放射光測光値が得られるとともに、直
流カットコンデンサ24d1,24d2,…,24d nおよびACアンプ
24e1,24e2,…,24e nで上記電気信号から交流成分が抽出
されることにより、前記の[I3(λi)−I2(λi)=
β・ρi・Iref(λi)]の値に相当する参照光の反射
光の測光値が得られる。こうして、第2の放射光測光手
段103′と反射光等測光手段104とが構成されている。
参照光測光手段102の測光値であるDCアンプ44c1,44
c2,…,44c nの各出力と、第1の放射光測光手段103の測
光値であるDCアンプ14c1,14c2,…,14c nの各出力と、第
2の放射光測光手段103′の測光値であるDCアンプ24c1,
24c2,…,24c nの各出力と、反射光等測光手段の測光値
であるACアンプ24e1,24e2,…,24e nの各出旅は、演算手
段105に入力される。この演算手段105は、上記第1の状
態での放射の強さ、放射率、被測定物と同一温度の黒体
からの放射の強さ、反射率および背景放射の強さの各要
素の関係を示す上記(2−1)式(第1の関係式)と、
上記第2の状態での第1の状態に対する背景放射の強さ
の比を上記(2−1)式に加味した上記(2−2)式
(第2の関係式)と、上記第3の状態での参照光の強さ
を上記(2−2)式に加味した上記(2−3)式(第3
の関係式)と、放射率と反射率との関係を示す上記(2
−4)式(第4の関係式)とを求め、これらの関係式に
求づき、第1,第2の放射光測光手段および反射光等測光
手段による各波長についての測定データを関係式中の該
当する要素に当てはめて、被測定物の温度を含む未知数
に対しそれを求めるに足る条件式を作成し、これらの条
件式から上記未知数のうち少なくとも被測定物の温度を
算出するようになっている。つまり、この演算手段105
において、前述の原理2で示したような演算が行なわれ
ることにより、少なくとも被測定物の温度が算出され
る。そして算出された値は表示部106に入力され、表示
される。
以上のような当実施例の構造により、前述の原理2が
実現され、被測定物の温度が精度良く求められることと
なる。
原理3 この原理は、後記の第21図および第22図に示す実施例
による場合の各測光手段による2以上の波長についての
測光に基づき、被測定物の真の温度を求めることができ
ることを示すもので、被測定物の表面が鏡面に近い場合
に限らず、ある程度散乱性を有するような場合にも適用
可能なものである。この原理を、第18図乃至第20図を参
照しつつ説明する。
第18図および第19図において、被測定物TGからの放射
は第1検出手段S1と第2検出手段S2(の各受光部)にそ
れぞれ入射され、各検出手段S1,S2により検出される。
上記第1検出手段S1は第1平面P1上に設置され、第2
検出手段S2は第2平面P2上に設置されており、各検出手
段S1,S2には被測定物TGの測定エリアからの放射が集光
レンズL1,L2を介して入射される。また、第2平面P2
には参照光源Rが設置され、集光レンズL′を介して被
測定物TGの測定エリアに参照光が照射される。上記第1
平面P1と第2平面P2とは互いに直交し、かつ、被測定物
TGの法線Nと上記各集光レンズL1,L2,L′とのなす角θ
はそれぞれ等しく、また、測定エリアの中心から各集光
レンズL1,L2,L′を望む立体角Δωはそれぞれ等しいも
のとする。
被測定物TGの測定エリアには、上記各集光レンズL1,L
2,L′の方向の立体角Δωからは背景放射が入射されな
いが、それ以外の周囲の半球全体からは一様に背景放射
が入射するものとし、この背景放射の強さは被測定物TG
自身からの放射に比べて無視できないものとする。
このような条件下において、各波長λiにおける分光
照射率をεi、分光反射率をρiとし(i=1,2,…,
n)、また被測定物の温度をT、温度Tの黒体からの波
長λiにおける放射の強さをIe(λi,T)、波長λiに
おける背景放射の強さをIb(λi),参照光源Rから投
射される波長λiにおける放射の強さをIref(λi)と
する。また、被測定物TGの表面がある程度散乱性を有す
る場合、参照光源Rから照射されて被測定物TGで反射さ
れた光は鏡面反射方向以外にも散乱し、第2検出手段S2
だけでなく第1検出手段S1にも入射されるので、参照光
の反射光のうちで第1検出手段S1に入射する反射光の割
合をβ1(λi)、参照光の反射光のうちで第2検出手
段S2に入射する反射光の割合をβ2(λi)とする。被
測定物表面に等方散乱性を仮定すると、上記両平面P1,P
2が直交し、かつ、法線Nに対する検出手段S1,S2、参照
光源Rの各方向の角度θがすべて等しいから、上記のβ
1(λi)は、第2検出手段S2の方向の立体角Δωから
被測定物TGに光が入射した場合にその反射光のうち第1
検出手段S1に入射する割合でもあり、さらに第1検出手
段S1の方向の立体角Δωから被測定物TGに光が入射した
場合にその反射光のうち第2検出手段S2に入射する割合
でもある。
参照光源Rから被測定物TGに参照光を照射した場合
(第18図参照)を考えると、第1検出手段S1に入射する
光の強さI11(λi)と、第2検出手段S2に入射する光
の強さI12(λi)は、(3−1)式および(3−2)
式のようになる。
I11(λi)=εi Ie(λi,T)+{1-2・β1(λi)} ・ρi・Ib(λi)+β1(λi)ρi・ Iref(λi) …(3−1) I12(λi)=εi・ie(λi,T)+{1−β1(λi) −β2(λi)}・ρi・Ib(λi)+ β2(λi)ρi・Iref(λi) …(3−2) ここで、(3−1)式および(3−2)式の各右辺第
1項は被測定物TG自身からの放射の強さである。(3−
1)式の右辺第3項は参照光の反射光のうちで第1検出
手段S1に入射する成分、(3−2)式の右辺第3項は参
照光の反射光のうちで第2検出手段S2に入射する成分で
ある。また、(3−1)式の右辺第2項は背景放射が被
測定物TGで反射した後に第1検出手段S1に入射する成
分、(3−2)式の右辺第2項は背景放射が被測定物TG
で反射した後に第2検出手段S2に入射する成分である。
(3−1)式の右辺第2項中の{1−2・β1(λ
i)}は、第1検出手段S1には第2検出手段S2および参
照光源Rから背景放射が入射せずにその割合がいずれも
β1(λi)であるためにこのような係数となる。また
(3−2)式の右辺第2項中の{1−β1(λi)−β
2(λi)}は、第2検出手段S2には第1検出手段S1
よび参照光源Rから背景放射が入射せずにその割合がそ
れぞれβ1(λi),β2(λi)であるためにこのよ
うな係数となる。なお、第1検出手段S1および第2検出
手段S2にはそれぞれ自身の方向の立体角Δωからも光が
入ってこないが、被測定物表面の散乱特性があまり強く
なければ、その影響は無視できる。
次に、参照光源Rから対象面に光を照射しない場合
(第19図参照)は、第1検出手段S1に入射する光の強さ
I21(λi)と、第2検出手段S2に入射する光の強さI22
(λi)は、それぞれ次の(3−3)(3−4)式のよ
うになる。
I21(λi)=εi・Ie(λi,T)+{1-2・β1(λi)} ・ρi・Ib(λi) …(3−3) I22(λi)=εi・Ie(λi,T)+{1−β1(λi) −β2(λi)}・ρi・Ib(λi) …(3−4) 上記のI21(λi)は、被測定物自身からの放射光と
一定の入射条件で被測定物に入射した背景放射の反射光
とを合わせた光が受光部に入射される第1の状態での、
受光部に入射される光の測光値に相当し、上記のI
22(λi)は、被測定物自身からの放射光と被測定物に
入射した背景放射の反射光が受光部に入射され、かつ、
上記第1の状態とは背景放射反射光の受光部への入射量
が異なる第2の状態での、受光部に入射される光の測光
値に相当する。また(3−1)式のI11(λi)および
(3−2)式のI12(λi)は、上記第1、第2のそれ
ぞれの状態において放射光および背景放射反射光に加え
て参照光の反射光が受光部に入射され、かつ、これらの
状態における受光部への背景放射反射光の入射割合に関
連してそれぞれ異なる割合で参照光の反射光が受光部に
入射される第3,第4の状態での、受光部に入射される光
の測光値に相当する。
被測定物が光を透過しないとすると放射率と反射率と
の関係は、次の(3−5)式のようになる。
εi+ρi=1 …(3−5) 以上の(3−1)〜(3−5)式から、次のように被
測定物の真の温度を計算することができる。
(3−1),(3−3)式から I11(λi)−I21(λi) =β1(λi)ρi・Iref(λi) …(3−6) また(3−2),(3−4)式から I12(λi)−I22(λi) =β2(λi)ρi・Iref(λi) …(3−7) となる。β1(λi)とβ2(λi)の比をkiとする
と、 ki=β1(λi)/β2(λi) ={I11(λi)−I21(λi)}/{I12(λi) −I22(λi)} …(3−8) となる。また、β1(λi)・ρiをriとおくと、
(3−6)式から、 ri=β1(λi)・ρi ={I11(λi)−I21(λi)}/Iref(λi) …(3−9) となる。
(3−3),(3−4)式から、 I21(λi)−I22(λi) ={β2(λi)−β1(λi)}・ρi・ Ib(λi) =β1(λi)・(ki−1)・ρi・Ib(λi) =ri・(ki−1)・Ib(λi) ゆえに、 Ib(λi)={I21(λi)−I22(λi)}/{ri・ (ki−1)} …(3−10) となる。ki、riは(3−8)、(3−9)式より計算
されるので、背景放射の強さIb(λi)は(3−10)式
より計算される。また、(3−4)式より I22(λi)=εi・Ie(λi,T)+{1−(1+ki)
・ β2(λi)}・ρi・Ib(λi) である。ここで、β2(λi)を波長によらず一定と仮
定し、1/β2(λi)=aとおくと、これと(3−9)
式とを用いて I22(λi)=(1−a・ri)・Ie(λi,T)+{a・ ri−(1+ki)・ri}・Ib(λi) …(3−11) と表わされる。
そして、I11(λi)−I21(λi)、I21(λi)、I
12(λi)−I22(λi)、I22(λi)およびIref(λ
i)は後述の測定によって得られ、ki,ri,Ib(λi)
は(3−8)、(3−9)、(3−10)式より求まる。
従って(3−11)式における未知数はa,Tの2個であ
る。よってn≧2(2波長以上について測定)であれ
ば、各未知数を解くことができ、またn≧3であれば最
小二乗方等の手法で簡単に計算できる。
第20図はこの原理を適用した測定系を示す。この図に
おいて、第1平面P1では、測定対象面の法線Nに対して
角度θの方向の立体角Δωを通す放射がレンズ12を有す
る第1測定ヘッド11および光ファイバー13を通して放射
温度計本体10内に導かれ、放射の強さが放射される。ま
た、第1平面P1と直交する第2平面P2では、測定対象面
の法線Nに対して角度θの方向の立体角Δωを通る放射
がレンズ22を有する第2測定ヘッド21および光ファイバ
ー23を通して放射温度計本体10内に導かれ、放射の強さ
が測定される。さらに第2平面P2では、放射温度計本体
10に内蔵された光源からの参照光が、光ファイバー33と
レンズ32を有する射出ヘッド31とを通して、測定対象面
の法線Nに対して角度θの方向の微小立体角より被測定
物TGに断続的に照射される。被測定物TGの周囲からは上
記各ヘッド11,21,31の方向の立体角Δωを除いた全半球
方向から一様に背景放射が入射され、その影響は無視で
きないものとする。
このようにすると、参照光を照射しないときに第19図
の状態での第1、第2の放射光測光手段としての測光が
行なわれ、参照光を照射したときに第18図の状態での第
1,第2の反射光等測光手段としての測光が行なわれる。
原理3に基づく実施例 第21図は原理3に基づく実施例についての放射温度計
の全体構成の一例を示している。この図において、照光
手段101および参照光測光手段102は、第16図に示した実
施例と同様に構成されている。
一方、第1,第2測定ヘッド11,21および射出ヘッド31
が前記の第20図に示した配置とされた状態で、第1光学
ヘッド11より光ファイバー13を通って導かれる放射光
と、第2光学ヘッド21より光ファイバー23を通って導か
れる放射光とは、光ファイバー13,23の端部の各分岐部1
3a1,13a2,…,13a n,23a1,23a2,…,23a nとこれらに対応
する光学フィルタ14a1,14a2,…,14a n、24a1,24a2,…,2
4a nとで上記各波長λ12,…,λnに分光される。そ
して、各波長別にそれぞれ検出器14b1,14b2,…,14b n,2
4b1,24b2,…,24b nに受光されて電気信号に変換され
る。
光検出器14b1,14b2,…,14b n,の出力信号、および光
検出器24b1,24b2,…,24b nの出力信号は、いずれも、直
流成分と交流成分とに分けて測定される。つまり、第22
図に示すように、光検出器14b1,14b2,…,14b nの出力信
号、および光検出器24b1,24b2,…,24b nの出力信号に
は、それぞれ、被測定物で反射されて各測定ヘッド11,2
1に入射される背景放射光と被測定物自身からの放射光
との和に相当する直流成分と、被測定物に断続的に照射
される参照光の反射光に対応する交流成分とが含まれて
いる。そして、DCアンプ14c1,14c2,…,14c nと、DCアン
プ24c1,24c2,…,24c nとで、各光検出器の出力信号から
それぞれ直流成分が抽出されることにより、前記[I21
(λi)]および[I22(λi)]の値に相当する各放
射光測光値が得られるまた、直流カットコンデンサ14
d1,14d2,…,14d nおよびACアンプ14e1,14e2,…,14e n
と、直流カットコンデンサ24d1,24d2,…,24d nおよびAC
アンプ24e1,24e2,…,24e nとで、各光検出器の出力信号
からそれぞれ交流成分が抽出されることにより、[I11
(λi)−I21(λi)]の値および[I12(λi)−I
22(λi)]の値に相当する各参照光反射光測光値が得
られる。
こうして、第1,第2の放射光測光手段103,103′と第
1,第2の反射光等測光手段104,104′とが構成されてい
る。第1の放射光測光手段103と第1の反射光等測光手
段104とは第1測定ヘッド11を共通の受光部とし、第2
の放射光測光手段103′と第2の反射光等測光手段104,1
04′とは第2測定ヘッド21を共通の受光部としている。
各測光手段の測光値である各DCアンプおよび各ACアン
プ24e1,24e2,…,24e nの出力は演算手段105に入力され
る。この演算手段105は、上記第1の状態および上記第
2の状態でそれぞれ、受光部に入射される光の強さ、放
射率、被測定物と同一温度の黒体からの放射の強さ、反
射光のうちで受光部に入射する割合、反射率および背景
放射の強さの各要素の関係を示す上記(3−3),(3
−4)式(第1,第2の関係式)と、上記第3の状態およ
び上記第4の状態でそれぞれ、参照光の強さを第1,第2
の関係式に加味した上記(3−1),(3−2)式(第
3,第4の関係式)と、放射率と反射率との関係を示す上
記(3−5)式(第5の関係式)とを求め、上記第1,第
2の放射光測光手段および上記第1,第2の反射光等測光
手段による各波長についての測定データを上記各関係式
中の該当する要素に当てはめて、被測定物の温度を含む
未知数に対しそれを求めるに足る数の条件式に作成し、
これらの条件式から上記未知数のうち少なくとも被測定
物の温度を算出するようになっている。つまり、この演
算手段105において、前述の原理3で示したような演算
が行なわれることより、少なくとも被測定物の温度が算
出され、表示部106で表示される。
以上のような当実施例の構造により、前述の原理3が
実現され、被測定物の温度が精度良く求められることと
なる。
第23図は第16図もしくは第21図の実施例の放射温度計
の具体的な適用例として、加熱装置内の鉄板等の温度を
測定する場合を示している。この図において、鉄板等の
被測定物TGは各壁面61,62で囲われた加熱装置内部の下
方部に保持され、上方部に位置するヒータ63によって加
熱されている。加熱装置の壁面61,62は反射率が非常に
高く、ヒータ63からの放射が効率良く被測定物TGに与え
られるようになっている。上記被測定物TGに対してその
下面の温度を計るように、加熱装置の下部壁面61に第1
〜第3の光学ヘッド11,21,31が設置されており、各光学
ヘッド11,21,31は光ファイバー13,23,33を介して放射温
度計本体10に接続されている。上記各光学ヘッド11,21,
31の配置は、第15図もしくは第20図の配置と、上下が逆
になっている点を除けば同等である。
この適用例によると、放射測定のための光学ヘッド1
1,21には、被測定物TG自身からの放射のほかに、ヒータ
63からの放射が壁面61,62および被測定物TGで反射した
後に入射する。この場合、被測定物TGと壁面間の多重反
射を含めて被測定物TGの測定エリアに入射する全放射を
背景放射とみることができる。そして、前述のような測
定および演算により、上記背景放射および放射率の影響
を除去して被測定物TGの真の温度を精度良く求めること
ができる。
〔発明の効果〕
以上のように、請求項1に記載の発明によると、3以
上の波長を含む参照光を被測定物に向けて照射し、上記
参照光とその反射光をそれぞれ各波長別に測光するとと
もに、被測定物の温度および放射率は等しいが背景放射
寄与率が異なる2以上の状態で、背景放射光を含む放射
光を上記各波長別に測光し、これらの測光値に基づき、
放射率および背景放射の影響を除去して被測定物の真の
温度を求めるようにしているため、放射率に加えて背景
放射の値が未知で、かつ測定困難な場合でも、被測定物
の温度を精度良く求めることができる。上記の背景寄与
率が異なる2以上の状態では、請求項2乃至請求項7に
記載のように、異なる角度をもって放射光を測光し、ま
た被測定物の異なる位置を測定点として測光し、あるい
は、背景放射源と被測定物との間に介在して背景放射源
から被測定物への光の到達量を変化させる背景放射寄与
率変化手段を用いることにより、容易に実現することで
きる。
請求項8に記載の発明によると、異なる2以上の波長
につき、参照光の各波長別の測光と、参照光の反射光を
含む光を各波長別の測光と、被測定物自身からの放射線
と周囲の一定範囲から被測定物に入射した背景放射の反
射光とを合わせた光が受光部に入射する第1の状態での
測光と、上記被測定物自身からの反射光と上記一定範囲
のうちの一部分を除く範囲からの被測定物に入射した背
景放射の反射光とを合わせた光が受光部に入射する第2
の状態での測光と、上記第2の状態に加えてその背景放
射反射光の減少割合に関連する割合で上記参照光の反射
光が受光部に入射するようにした状態での測光とに基づ
き、放射率および背景放射の影響を除去して被測定物の
真の温度を求めるようにしているため、この発明でも、
被測定物の温度を精度良く求めることができる。とく
に、被測定物表面が鏡面に近い場合のように上記各状態
を実現することが可能な場合、少なくとも2波長につい
て上記各測光を行なえば良く、構造を簡略化することが
できる。
また、請求項10に記載の発明によると、異なる2以上
の波長につき、参照光の各波長別の測光と、参照光の反
射光を含む光の各波長別の測光と、背景放射反射光の受
光部への入射量がそれぞれ異なる第1、第2の状態で
の、被測定物自身からの放射光と背景放射反射光とを合
わせた光の各測光と、上記第1、第2のそれぞれの状態
に加えて、これらの状態における受光部への背景放射反
射光の入射割合に関連してそれぞれ異なる割合で参照光
の反射光が受光部に入射される各状態での測光とに基づ
き、放射率および背景放射の影響を除去して被測定物の
真の温度を求めるようにしているため、被測定物の表面
が鏡面に近い場合に限らずある程度散乱性を有するよう
な場合にも、被測定物の温度を精度良く求めることがで
きる。この発明において、請求項11に記載のように第1
の放射光測光手段と第1の反射光等測光手段とを同一の
受光部とし、また請求項12に記載のように第2の放射光
測光手段と第2の反射光等測光手段とを同一の受光部と
しておけば、構造を充分に簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の原理1を示す説明図、第
3図は上記原理1に基づく実施例に係る放射温度計全体
の概略構成を示すブロック図、第4図乃至第6図は光源
部の各種具体例を示すブロック図、第7図乃至第9図は
光分岐部の各種具体例を示すブロック図、第10図は背景
放射寄与率が異なる状態を実現する構造の別の例を示す
概略図、第11図は背景放射寄与率が異なる状態を実現す
る構造のさらに別の例を示す概略図、第12図乃至第15図
は本発明の原理2を示す説明図、第16図は上記原理2に
基づく実施例に係る放射温度計全体の概略構成を示すブ
ロック図、第17図は同実施例における第2の放射光測光
手段および反射光測光手段を構成する回路における検出
器出力を示す図、第18図乃至第20図は本発明の原理3を
示す説明図、第21図は上記原理3に基づく実施例に係る
放射温度計全体の概略構成を示すブロック図、第22図は
同実施例における各放射光測光手段および各反射光測光
手段を構成する回路における検出器出力を示す図、第23
図は具体的な適用例を示す断面図である。 1……照光手段、2……参照光測光手段、3……反射光
測光手段、4,4′……放射光測光手段、101……照光手
段、102……参照光測光手段、103,103′……放射光測光
手段、104,104′……反射光等測光手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有馬 二朗 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭63−305227(JP,A) 特開 昭63−305228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 5/00 G01J 5/54 G01J 5/60

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる3以上の波長を含む参照光を被測定
    物に向けて照射する照光手段と、上記参照光を上記各波
    長別に測光する参照光測光手段と、上記被測定物により
    反射された参照光の反射光を上記各波長別に測光する反
    射光測光手段と、被測定物の温度および放射率は等しい
    が、背景放射源からの光が上記被測定物へ到達して測光
    に寄与する割合である背景放射寄与率が異なる2以上の
    状態で、背景放射光を含む放射光を上記各波長別に測光
    する放射光測光手段と、上記各測光手段で得られる測光
    値に基づいて被測定物の温度を演算する演算手段とを備
    え、この演算手段は、上記参照光測光手段の測光値と上
    記反射光測光手段の測光値とから各波長別に反射率を求
    めるとともに、被測定物の温度、反射の角度特性、背景
    放射源の温度および背景放射寄与率を未知数とし、これ
    らと放射光の測光値および反射率との関係を表す特定の
    関係式に基づき、上記放射光測光手段による上記2以上
    の状態での3以上の波長についての放射光の測光値のデ
    ータと各波長についての上記反射率のデータとを上記関
    係式に当てはめることにより、上記未知数に対しそれを
    求めるに足る数の条件式を作成し、これらの条件式から
    上記未知数のうち少なくとも被測定物の温度を算出する
    ようになっていることを特徴とする放射温度計。
  2. 【請求項2】背景放射寄与率の異なる状態を、異なる角
    度をもって放射光を測光することにより実現させること
    を特徴とする請求項1記載の放射温度計。
  3. 【請求項3】被測定物に対して参照光を射出する射出ヘ
    ッドと測光用の複数の測定ヘッドとを配設し、かつ、各
    測定ヘッドは被測定物の測定対象面の法線に関し方位角
    は異なるが偏角は同じであるように配置し、上記各測定
    ヘッドにより集光された光からそれぞれ波長別に背景放
    射光を含む放射光に対応する信号を得るように放射光測
    光手段を構成するとともに、一部の測定ヘッドにより集
    光された光からそれぞれ波長別に参照光の反射光に対応
    する信号を得るように反射光測光手段を構成したことを
    特徴とする請求項2記載の放射温度計。
  4. 【請求項4】背景放射寄与率の異なる状態を、被測定物
    の異なる位置を測定点として測光することにより実現さ
    せることを特徴とする請求項1記載の放射温度計。
  5. 【請求項5】被測定物に対して参照光を射出する射出ヘ
    ッドと測光用の複数の測定ヘッドとを配設し、かつ、一
    定方向に移動しつつ加熱される被測定物の進行方向にの
    み異なる複数位置を測定点として上記各測定ヘッドを各
    測定点に向けて配置し、上記各測定ヘッドにより集光さ
    れた光からそれぞれ波長別に背景放射光を含む放射光に
    対応する信号を得るように放射光測光手段を構成すると
    ともに、一部の測定ヘッドにより集光された光からそれ
    ぞれ波長別に参照光の反射光に対応する信号を得るよう
    に反射光測光手段を構成したことを特徴とする請求項4
    記載の放射温度計。
  6. 【請求項6】背景放射寄与率の異なる状態を、背景放射
    源と被測定物との間に介在して背景放射源から被測定物
    への光の到達量を変化させる背景放射寄与率変更手段に
    より実現させることを特徴とする請求項1記載の放射温
    度計。
  7. 【請求項7】被測定物に対して参照光を射出する射出ヘ
    ッドと測光用の測定ヘッドとを配設し、上記測定ヘッド
    により集光された光から波長別に背景放射光を含む放射
    光に対応する信号および参照光の反射光に対応する信号
    を得るように放射光測光手段および反射光測光手段を構
    成し、一方、背景放射源と被測定物との間の位置に回転
    可能なプレートからなる背景放射寄与率変更手段を設け
    て、上記プレートの回転により背景放射源から被測定物
    への光の到達量が変化するようにしたことを特徴とする
    とを特徴とする請求項6記載の放射温度計。
  8. 【請求項8】異なる2以上の波長を含む参照光を被測定
    物に向けて照射する照光手段と、上記参照光を上記各波
    長別に測光する参照光測光手段と、被測定物自身からの
    放射光と周囲の一定範囲から被測定物に入射した背景放
    射の反射光とを合わせた光が受光部に入射する第1の状
    態で、その受光部に入射する光を上記各波長別に測光す
    る第1の放射光測光手段と、上記被測定物自身からの放
    射光と上記一定範囲のうちの一部分を除く範囲から被測
    定物に入射した背景放射の反射光とを合わせた光が受光
    部に入射するようにして、受光部への背景放射反射光の
    入射量を上記第1の状態よりも減少させた第2の状態
    で、その受光部に入射する光を上記各波長別に測光する
    第2の放射光測光手段と、上記第2の状態での放射光お
    よび背景放射反射光に加えてその背景放射反射光の第1
    の状態に対する減少割合に関連する割合で上記参照光の
    反射光が受光部に入射するようにした第3の状態で、そ
    の受光部に入射する光を上記各波長別に測光する反射光
    等測光手段と、上記各測光手段の測光値に基づいて被測
    定物の温度を算出する演算手段とを備え、この演算手段
    は、上記第1の状態での放射の強さ、放射率、被測定物
    と同一温度の黒体からの放射の強さ、反射率および背景
    放射の強さの各要素の関係を示す第1の関係式と、上記
    第2の状態での第1の状態に対する背景放射の強さの比
    を第1の関係式に加味した第2の関係式と、上記第3の
    状態での参照光の強さを第2の関係式に加味した第3の
    関係式と、放射率と反射率との関係を示す第4の関係式
    とを求め、これらの関係式に基づき、第1,第2の放射光
    測光手段および反射光等測光手段による各波長について
    の測定データを関係式中の該当する要素に当てはめて、
    被測定物の温度を含む未知数に対しそれを求めるに足る
    条件式を作成し、これらの条件式から上記未知数のうち
    少なくとも被測定物の温度を算出するようになっている
    ことを特徴とする放射温度計。
  9. 【請求項9】測定対象面が鏡面に近い被測定物に対し、
    測光用の第1,第2の測定ヘッドと、参照光を射出する射
    出ヘッドとを具備し、上記第1測定ヘッドは測定対象面
    と直角な第1平面内で測定対象面の法線に対して所定角
    度の方向から測定エリアに向いた状態に、上記第2測定
    ヘッドは測定対象面および第1平面と直角な第2平面内
    で測定対象面の法線に対して上記所定角度の方向から測
    定エリアに向いた状態に、また上記射出ヘッドは上記第
    2平面内で上記第2測定ヘッドとは対称的な方向から測
    定エリアに向いた状態にそれぞれ配置し、上記第1測定
    ヘッドを受光部としてこれに入射する光を測光すること
    により第1の状態での測光を実現し、上記射出ヘッドか
    ら参照光を射出しない状態で上記第2測定ヘッドを受光
    部としてこれに入射する光を測光することにより第2の
    状態での測光を実現し、上記射出ヘッドから参照光を射
    出した状態で上記第2測定ヘッドを受光部としてこれに
    入射する光を測光することにより第3の状態での測光を
    実現するように構成したことを特徴とする請求項8記載
    の放射温度計。
  10. 【請求項10】異なる2以上の波長を含む参照光を被測
    定物に向けて照射する照光手段と、上記参照光を各波長
    別に測光する参照光測光手段と、被測定物自身からの放
    射光と一定の入射条件で被測定物に入射した背景放射の
    反射光とを合わせた光が受光部に入射される第1の状態
    で、受光部に入射される光を上記各波長別に測光する第
    1の放射光測光手段と、被測定物自身からの放射光と被
    測定物に入射した背景放射の反射光が受光部に入射さ
    れ、かつ、上記第1の状態とは背景放射反射光の受光部
    への入射量が異なる第2の状態で、受光部に入射される
    光を上記各波長別に測光する第2の放射光測光手段と、
    上記第1、第2のそれぞれの状態において放射光および
    背景放射反射光に加えて参照光の反射光が受光部に入射
    され、かつ、これらの状態における受光部への背景放射
    反射光の入射割合に関連してそれぞれ異なる割合で参照
    光の反射光が受光部に入射される第3,第4の状態で、受
    光部に入射される光を各波長別に測光する第1,第2の反
    射光等測光手段と、上記各測光手段の測光値に基づいて
    被測定物の温度を算出する演算手段とを備え、この演算
    手段は、上記第1の状態および上記第2の状態でそれぞ
    れ、受光部に入射される光の強さ、放射率、被測定物と
    同一温度の黒体からの放射の強さ、反射光のうちで受光
    部に入射する割合、反射率および背景放射の強さの各要
    素の関係を示す第1,第2の関係式と、上記第3の状態お
    よび上記第4の状態でそれぞれ、参照光の強さを第1,第
    2の関係式に加味した第3,第4の関係式と、放射率と反
    射率との関係を示す第5の関係式とを求め、上記第1,第
    2の放射光測光手段および上記第1,第2の反射光等測光
    手段による各波長についての測定データを上記各関係式
    中の該当する要素に当てはめて、被測定物の温度を含む
    未知数に対しそれを求めるに足る数の条件式を作成し、
    これらの条件式から上記未知数のうち少なくとも被測定
    物の温度を算出するようになっていることを特徴とする
    放射温度計。
  11. 【請求項11】第1の放射光測光手段と第1の反射光等
    測光手段は同一の受光部であることを特徴とする請求項
    10記載の放射温度計。
  12. 【請求項12】第2の放射光測光手段と第2の反射光等
    測光手段は同一の受光部であることを特徴とする請求項
    10記載の放射温度計。
  13. 【請求項13】測光用の第1,第2の測定ヘッドと、参照
    光を射出する射出ヘッドとを具備し、上記第1測定ヘッ
    ドを被測定物の測定対象面と直角な第1平面内で測定対
    象面の法線に対して傾め方向から測定エリアに向いた状
    態に配置するとともに、上記第2測定ヘッドと射出ヘッ
    ドとを測定対象面および第1平面と直角な第2平面内で
    互いに対称的に測定対象面の法線に対して斜め方向から
    測定エリアに向いた状態に配置し、上記射出ヘッドから
    参照光を射出しない状態で上記第1、第2測定ヘッドを
    それぞれ受光部としてこれらの測定ヘッドに入射する光
    を各々測光することにより第1,第2の状態での測光を実
    現し、上記射出ヘッドから参照光を射出した状態で上記
    第1、第2測定ヘッドをそれぞれ受光部としてこの各測
    定ヘッドに入射する光を各々測光することにより第3,第
    4の状態での測光を実現するように構成したことを特徴
    とする請求項10記載の放射温度計。
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