JP2004045306A - 放射率分布測定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源を用いなくても被測定部材の表面の放射率分布を正確に測定することができる放射率分布測定方法および装置を提供する。
【解決手段】放射率分布測定装置10においては、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいてその被測定部材12の温度Tijが画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布(画素単位の温度Tij)に基づいて、画素毎の放射率εijが算出されるので、光源を用いなくても画素毎の放射率εijから被測定部材12の表面の放射率分布が正確に測定される。
【選択図】 図4
【解決手段】放射率分布測定装置10においては、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいてその被測定部材12の温度Tijが画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布(画素単位の温度Tij)に基づいて、画素毎の放射率εijが算出されるので、光源を用いなくても画素毎の放射率εijから被測定部材12の表面の放射率分布が正確に測定される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射率が不明な複数種類の材料から成る被測定部材の表面温度を測定し、その表面温度から被測定部材表面の放射率分布を測定する放射率分布測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被測定部材の表面からは、その表面温度および放射率に対応した大きさの放射光が放射される。このような被測定部材表面の放射率は、FT−IRなどの赤外線検出器を用いて波長毎の赤外線強度I2 を測定し、同じ温度の黒体炉を用いてそこから放射される赤外線強度I1 を測定し、黒体からの所定波長の赤外線強度と被測定部材からの所定波長の赤外線強度との割合である放射率をε(=I2 /I1 )とするときには、I1 ε=I2 という関係が成立するので、その関係から波長毎に放射率が算出される。また、非接触法における温度測定において、被測定部材の正確な放射率分布がわからない場合には正確な温度分布を求めることができない。このため、放射強度が既知である赤外線I3 を被測定部材に照射し、その照射点から反射された赤外線の反射強度I4 を測定し、反射率ρとしたときのI4 =ρI3 の関係から上記赤外線の波長の反射率ρが求められる。一般に、ε=(1−ρ)という関係が成立するので、その式から上記反射率ρに基づいて放射率εが求められる。たとえば、特開平5−209792号公報に記載されたものがその一例である。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
ところで、上記前者のようにFT−IRなどの赤外線検出器を用いて被測定部材の放射率を測定する場合において、1つの被測定部材の表面にさまざまな放射率が存在する場合や放射率が時々刻々に変化する場合には、表面の放射率分布を正確に求めることができない。また、上記後者のように反射率ρから放射率εを求める場合には、被測定部材に赤外光を照射する赤外光源が必要となるとともに、その赤外光源と被測定部材との間の距離や被測定部材の形状が変化した場合には、正確な反射率を求め難くなり、しかも被測定部材がセラミックスのような高温とされる場合には、そのセラミックスよりも大きい放射強度で赤外線を照射する必要が発生するだけでなく、その赤外線を入射するための別の覗き窓を炉に設置するなど、炉の構造を複雑として熱漏洩が多くなるという不都合があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、光源を用いなくても被測定部材の表面の放射率分布を正確に測定することができる放射率分布測定方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
斯かる目的を達成するための方法発明の要旨とするところは、被測定部材の表面から放射される光に基づいてその被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定方法であって、(a) 被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、該被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定工程と、(b) 予め求めた関係から該温度分布測定工程により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出工程とを、含むことにある。
【0006】
【課題を解決するための第2の手段】
また、上記発明方法を好適に実施するための放射率分布測定装置の要旨とするところは、被測定部材の表面から放射される光に基づいてその被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定装置であって、(a) 被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られたその被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、その被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定手段と、(b) 予め求めた関係から該温度分布測定手段により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出手段とを、含むことにある。
【0007】
【第1発明および第2発明の効果】
このようにすれば、被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度が画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布に基づいて、画素毎の放射率が算出されるので、光源を用いなくても被測定部材の表面の放射率分布が正確に測定されることができる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記温度分布測定工程或いは温度分布測定手段は、(c) 前記被測定部材の表面から放射される光のうちから前記第1波長の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第1波長選択工程或いは第1波長選択手段と、(d) 前記被測定部材の表面から放射される光のうちから第2波長の光を選択するために、前記高放射領域内において、前記第1波長の1/12以下であり且つ前記第1波長の半値幅および前記第2波長の半値幅の和以上の波長差以上の波長差となるように該第1波長からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第2波長選択工程或いは第2波長選択手段と、(e) 予め記憶された関係から、前記被測定部材の表面から放射される光から前記第1フィルタにより選択された第1波長の放射エネルギ強度と該被測定部材の表面から放射される光から前記第2フィルタにより選択された第2波長の放射エネルギ強度との強度比に基づいて、前記被測定部材の表面温度を画素単位で算出する温度算出工程或いは温度算出手段とを、含むものである。このようにすれば、被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、被測定部材表面の温度分布を測定するに際して、被測定部材の表面から放射される光のうちから前記第1波長の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光が透過させられ、また、被測定部材の表面から放射される光のうちから第2波長の光を選択するために、前記高放射領域内において、前記第1波長の1/12以下であり且つ前記第1波長の半値幅および第2波長の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させられることから、十分な放射強度の信号が得られてそのS/N比が高くなり、しかも互いに近接した第1波長の光および第2波長の光が得られるので、2色温度計の測定原理の前提である「近接する2波長では放射率の波長依存性は無視でき、ε1 =ε2 と近似できる」という条件に正確に該当することになり、十分に高精度の温度分布が得られる。
【0009】
また、好適には、前記放射率算出手段は、予め記憶された関係から前記温度算出手段により算出された前記被測定部材の表面温度に基づいてその被測定部材の放射強度を画素単位で算出し、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度に対してその被測定部材の放射強度の割合である放射率を画素単位で算出するものである。このようにすれば、被測定部材の表面温度から求められたその被測定部材の放射強度と、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度とから、所定波長における黒体の放射強度に対する被測定部材の放射強度の割合である放射率が画素単位で算出される。
【0010】
また、好適には、前記第1フィルタは、前記第1波長の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであり、前記第2フィルタは前記第2波長の1/20以下の半値幅の光を透過させるものである。このようにすれば、第1波長および第2波長の光が十分に単色性のあるものとされるので、2色温度計の測定原理の前提が満足され、温度分布の測定精度が十分に高められる。
【0011】
また、好適には、前記第1フィルタおよび前記第2フィルタは、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されたものである。このようにすれば、第1波長および第2波長の光のうち輝度の低い側の波長の光において、感度およびS/N比が維持されて温度分布の測定精度が得られる。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の放射率分布測定装置10の構成を説明する図である。図1において、焼成炉、加熱炉などの炉内において加熱されている被測定部材12の表面から放射された光は、ハーフミラー(ビームスプリッタ)14により第1光路16および第2光路18に2分されるようになっている。第1光路16および第2光路18はミラー20、22によって略直角に曲げられた後ハーフミラー24によって合成され、多数の光検出素子が配列された光検出面26を備えたCCD素子28と、その光検出面26に被測定部材12の画像を結像させるレンズ装置30とを有する画像検出器32に入射させられるようになっている。
【0014】
上記第1光路16および第2光路18には、たとえば中心波長が600nm且つ半値幅10nm程度の第1波長(帯)λ1 の光を通過させる第1フィルタ34、およびたとえば中心波長650nm且つ半値幅10nm程度の第2波長(帯)λ2 の光を通過させる第2フィルタ36がそれぞれ介挿されている。上記第1フィルタ34および第2フィルタ36は、光波干渉を利用して所定の波長帯を通過させる所謂干渉フィルタから構成されている。
【0015】
上記第1波長λ1 および第2波長λ2 は、たとえば以下のようにして決定されている。先ず、プランクの式により温度分布の測定温度範囲の最低温度たとえば500℃における黒体の波長と放射(輻射)強度との間の関係すなわち図2に示す曲線L1が求められ、次いで室温たとえば25℃における被測定部材12からのバックグラウンド放射強度EBGが測定される。次いで、そのバックグラウンド放射強度EBGの3倍値すなわち3×EBGを上まわる曲線L1上の任意の1点が第1波長λ1 として決定される。検出誤差以上の強度を用いて測定精度を高めるためである。次に、第1波長λ1 の1/12の波長以下の波長Δλだけたとえば第1波長λ1 を600nmとすれば50nm(=Δλ)だけ第1波長λ1 から上または下へずらした波長たとえば650nmが第2波長λ2 として決定される。後述の2色温度計の原理を示す近似式(式1)を成立させるためである。なお、第1波長λ1 および第2波長λ2 は、放射強度の測定精度を維持するために相互の波長が重ならないように、以下において決定する半値幅の2倍以上の差が設けられるようにする。そして、上記第1波長λ1 および第2波長λ2 は、単色光の性質を維持するために、その中心波長の1/20以下、たとえば20nm程度以下の半値幅が用いられる。また、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されている。透過率の差が30%よりも大きくなると、上記第1波長λ1 および第2波長λ2 のうちの輝度の低い側の波長の光において感度が低下してS/N比が下がり、表示温度の精度が低下する。
【0016】
したがって、本実施例の放射率分布測定装置10には、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1波長λ1 の光を選択するために、温度分布の測定温度範囲の最低温度付近における黒体の波長に対する放射強度曲線L1のうち、常温における放射強度EBGより十分に高い高放射領域から選択された波長であって、その波長の1/20以下の半値幅の光を通過させる第1フィルタ34と、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、上記高放射領域内において、第1波長λ1 の1/12以下であり且つ上記第1半値幅および第2半値幅の和以上の波長差だけその第1波長λ1 からずらされた波長であって、その波長の1/20以下の半値幅の光を通過させる第2フィルタ36とが設けられていることになる。
【0017】
図1の光学系において、たとえばミラー20、22によってハーフミラー24から画像検出器32までの間において第1光路16と第2光路18とが上記第1画像G1 と第2画像G2 とが相互に重複しない程度に僅かにずらされることにより、CCD素子28の光検出面26において波長の異なる2画像が結像されるようになっている。すなわち、前記画像検出器32においては、たとえば図3に示すように、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1フィルタ34により選択された第1波長λ1 の被測定部材12の第1画像G1 が光検出面26上の第1位置B1 に結像され、且つ被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2フィルタ36により選択された第2波長λ2 の被測定部材12の第2画像G2 が、光検出面26上の上記第1位置B1 とは異なる第2位置B2 に結像させられるようになっている。これにより、光検出面26に配列された多数の光検出素子により、上記第1画像G1 の各部位の放射強度および第2画像G2 の各部位の放射強度が素子単位すなわち画素単位で検出されるようになっている。たとえば、前記ミラー20、22、ハーフミラー14、24、レンズ装置30などが、被測定部材12の画像を波長毎に同時に2位置に結像させるための第1波長選択工程、第2波長選択工程、或いは光学式結像装置に対応している。
【0018】
演算制御装置40は、たとえばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、CPUは予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号、すなわち上記光検出面26に配列された多数の光検出素子からの信号を処理し、画像表示器42に被測定部材12の表面温度分布を表示させる。
【0019】
図4は、上記演算制御装置40の演算制御作動の要部を説明するフローチャートである。ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、光検出面26に配列された多数の光検出素子からの信号により、第1画像G1 の各部位の放射強度E1ij および第2画像G2 の各部位の放射強度E2ij が素子単位すなわち画素単位で読み込まれる。次に、放射強度比算出工程或いは放射強度比算出手段に対応するS2では、光検出面26内の第1位置B1 に結像された第1画像G1 および第2位置B2 に結像された第2画像G2 のうちの同じ部分に位置する光検出素子対がそれぞれ検出する第1波長λ1 の放射強度E1ij と第2波長λ2 の放射強度E2ij との放射強度比Rij(=E1ij /E2ij )が算出される。次いで、画素温度算出工程或いは画素温度算出手段に対応するS3において、たとえば図5に示す予め記憶された関係から上記画素毎に算出された実際の放射強度比Rijに基づいて、被測定部材12の画像を構成する画素毎の温度Tijが算出される。上記図5に示す関係は、たとえば式1に示す2色温度計の測定原理を示す近似式から得られるものである。式1は、放射率を用いなくても異なる2波長λ1 およびλ2 における輻射(放射)強度の比Rから被測定部材12の表面温度Tを求めることができるように導かれたものである。以下の式において、λ2 >λ1 であって、Tは絶対温度を、C1 は放射(Planck)第1定数、C2 は放射(Planck)第2定数をそれぞれ示している。
【0020】
(式1)
R=(λ2 /λ1 )5
exp〔(C2 /T)・(1/λ2 −1/λ1 )〕
【0021】
上記式1は、以下のようにして求められる。すなわち、波長λにおいて単位時間、単位面積当たりに黒体から放射される放射強度(エネルギ)Eb およびλはプランク(Planck)の式である式2に従うことが知られている。また、 exp(C2 /λT)>>1である場合には、ウイーン(Wien)の近似式である式3が成り立つことが知られている。通常の物体は灰色であるため、放射率εを入れて書き換えると、式4となる。この式4を用いて2波長λ1 およびλ2 の放射強度E1 およびE2 の比R(T)を求めると式5が導かれる。上記2波長λ1 およびλ2 が近接している場合には、放射率εの依存性を無視することができ、ε1 =ε2 となるので、前記式1が得られる。これによれば、放射率εの異なる物体であっても、それに影響なく温度Tを求めることができるのである。
【0022】
(式2)
Eb =C1 /λ5 〔exp (C2 /λT)−1〕
(式3)
Eb =C1 exp (−C2 /λT)/λ5
(式4)
E=ε・C1 exp (−C2 /λT)/・λ5
(式5)
R(T)=(ε1 /ε2 )(λ2 /λ1 )5
exp〔(C2 /T)・(1/λ2 −1/λ1 )〕
【0023】
以上のようにして被測定部材12の画像を構成する画素毎の温度Tijが算出されると、放射率算出工程或いは放射率算出手段に対応するS4において、被測定部材12の温度と放射エネルギ強度との間の予め所定波長λ毎に記憶された関係E(T)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて所定波長λの放射エネルギ強度Eijが画素毎に算出され、黒体の温度と放射エネルギ強度との予め記憶された関係(データマップ)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて所定波長λの黒体の放射エネルギ強度Eb ijが画素毎に算出され、各画素について、黒体の放射エネルギ強度Eb に対する上記被測定部材12の放射エネルギ強度Eijの割合である放射率εij(=Eij/Eb ij)が画素単位で算出される。
【0024】
そして、放射率分布表示工程或いは放射率分布表示手段に対応するS5において、予め記憶された関係から上記画素毎に算出された放射率εijに基づいて被測定部材12の表面の放射率が表示される。その関係としては、たとえば図6に示す放射率εと表示色との関係が用いられる。この場合には、被測定部材12の表面の放射率分布が予め定められた色の階調により表示される。
【0025】
以下において、図1に示す光学系を用いて本発明者等が行った実験例1を以下に説明する。図1に示す光学系において、日本光学製の望遠レンズ(AF Zoom Nikkor ED 70−300mm F4−5.6D)付CCDカメラ(Santa Barbara Instruments Group 社製ST−7)を画像検出器32として、ハーフミラー14、24はBK7から構成されたシグマ光機社製のものであり、クロムプレートによる可視光用であって30%反射、30%透過のものである。ミラー20、22は、シグマ光機製社のものであり、アルミ平面ミラーであってBK7から構成されている。第1フィルタ34および第2フィルタ36はシグマ光機社製のものであり、第1フィルタ34は600nm且つ半値幅10nm、第2フィルタ36は650nm且つ半値幅10nmである。そして、被測定部材としてアルミナ基板(50×50×0.8mm)の表面には図7に示すようにアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料を部分的に焼き付け、加熱炉の中央に配置し、室温から10℃/分の速度で1000℃まで昇温させる途中の950℃になったときの上記アルミナ基板表面の温度分布を測定した。そして、その温度分布測定により得られた画素毎の温度に基づいて放射率分布を算出した。この条件下において得られた上記アルミナ基板表面の温度分布は、図8に示すようにアルミナ基板表面の一部に放射率が異なる黒色塗料が焼き付けてあるにも拘らず全体が同じ温度として測定されたが、上記アルミナ基板表面の放射率分布は図9に示すように黒色顔料部分が高く、アルミナ基板のままの部分が低く表示される画像が得られた。
【0026】
また、実験例2では、被測定部材12として、ステンレス鋼板(SUS:200×200×1mm)を、酸素−ブタン火炎を放射するペンシルバーナを用いて局部加熱し、5分後に上記実験例1と同様に温度分布を測定するとともに放射率分布を算出したところ、画像内での温度勾配が大きくても放射率分布が得られた。
【0027】
上述のように、本実施例によれば、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいてその被測定部材12の温度Tijが画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布(画素単位の温度Tij)に基づいて、画素毎の放射率εijが算出されるので、光源を用いなくても画素毎の放射率εijから被測定部材12の表面の放射率分布が正確に測定される。
【0028】
また、本実施例によれば、前記温度分布測定工程或いは温度分布測定手段に対応するS1乃至S3は、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1波長λ1 の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタ34を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させる第1波長選択工程或いは第1波長選択手段S1と、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、高放射領域内において、第1波長λ1 の1/12以下であり且つその第1波長λ1 の半値幅および前記第2波長λ2 の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長λ1 からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタ36を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させる第2波長選択工程或いは第2波長選択手段S1と、たとえば図5に示す予め記憶された関係から、被測定部材12の表面から放射される光から第1フィルタ34により選択された第1波長λ1 の放射エネルギ強度とその被測定部材12の表面から放射される光から第2フィルタ36により選択された第2波長λ2 の放射エネルギ強度との強度比Rijに基づいて、被測定部材12の表面温度Tijを画素単位で算出する 温度算出工程或いは温度算出手段S3とを、含むものである。このため、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいて被測定部材12の温度Tijを画素単位でそれぞれ算出し、被測定部材12表面の温度分布を測定するに際して、被測定部材12の表面から放射される光のうちから前記第1波長λ1 の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタ34を用いて、被測定部材12の表面から放射される光が透過させられ、また、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、前記高放射領域内において、第1波長の1/12以下であり且つ第1波長の半値幅および第2波長の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長λ1 からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタ36を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させられることから、十分な放射強度の信号が得られてそのS/N比が高くなり、しかも互いに近接した第1波長の光および第2波長の光が得られるので、2色温度計の測定原理の前提である「近接する2波長では放射率の波長依存性は無視でき、ε1 =ε2 と近似できる」という条件に正確に該当することになり、十分に高精度の温度分布が得られる。
【0029】
また、本実施例によれば、放射率算出手段S4は、予め記憶された関係から温度算出手段S3により算出された被測定部材12の表面温度Tijに基づいてその被測定部材12の放射強度Eijを画素単位で算出し、予め記憶されたその被測定部材12の温度Tijに対応する黒体の所定波長の放射強度Ebijに対してその被測定部材12の放射強度の割合である放射率εijを画素単位で算出するものであることから、被測定部材12の表面温度Tijから求められたその被測定部材12の放射強度Eijと、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度Eb ijとから、所定波長における黒体の放射強度Eb ijに対する被測定部材12の放射強度の割合である放射率εijが画素単位で算出される。
【0030】
また、本実施例によれば、第1フィルタ34は、第1波長λ1 の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであり、第2フィルタ36は第2波長λ2 の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであることから、第1波長および第2波長の光が十分に単色性のあるものとされるので、2色温度計の測定原理の前提が満足され、温度分布の測定精度すなわち放射率分布の測定精度が十分に高められる。
【0031】
また、本実施例によれば、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されたものであることから、第1波長λ1 および第2波長λ2 の光のうち輝度の低い側の波長の光において、感度およびS/N比が維持されて温度分布の測定精度すなわち放射率分布の測定精度が得られる。
【0032】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0033】
たとえば、温度分布測定工程或いは温度分布測定手段に対応するS1乃至S3において、被測定部材12から放射される光の含まれる2波長λ1 、λ2 を用いてその被測定部材12の温度分布が測定されていたが、3波長以上の波長を用いて被測定部材12の温度分布が測定されてもよい。
【0034】
また、前述の実施例の放射率算出工程或いは放射率算出手段に対応するS4では、黒体の温度と放射エネルギ強度との予め記憶された関係(データマップ)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて黒体からの放射強度Eb ijが求められていたが、予め記憶された関数式から逐次算出されてもよい。
【0035】
また、前述の実施例の放射率分布測定装置10に用いられた光学系に代えて、図10、図11、図12に示す光学系が用いられてもよい。図10に示す光学系では、1対の可動ミラー50および52が破線に示す位置に回動させられた状態において被測定部材12の表面から放射される光を画像検出器32の光検出面26へ導く第1光路16が形成され、上記1対の可動ミラー50および52が実線に示す位置に回動させられた状態において被測定部材12の表面から放射される光を画像検出器32の光検出面26へ導く第2光路18が形成されるようになっている。前述の実施例と同様に、上記第1光路16には第1フィルタ34が介挿され、第2光路18には第2フィルタ36が介挿されており、第1波長λ1 による第1画像G1 と第2波長λ2 による第2画像G2 が所定の時間差を経て得られる。図11に示す光学系では、被測定部材12から画像検出器32の光検出面26に至る光路に、モータ54により回転駆動され且つ第1フィルタ34および第2フィルタ36が設けられた回転板56が介挿されている。この回転板56がモータ54により回転させられるとき、被測定部材12の表面から放射される光が第1フィルタ34を通過することにより第1波長λ1 による第1画像G1 が得られるとともに、被測定部材12の表面から放射される光が第2フィルタ36を通過することにより第2波長λ2 による第2画像G2 が順次得られる。図12に示す光学系では、被測定部材12の表面から放射される光がハーフミラー14によって第1光路16および第2光路18に2分され、それらの第1光路16および第2光路18毎に第1フィルタ34および画像検出器32と、第2フィルタ36および画像検出器32’ とが設けられている。それ等第1フィルタ34および第2フィルタ36は画像検出器32および32’ 内に設けられてもよい。本実施例においても、被測定部材12の表面から放射される光が第1フィルタ34を通過することにより第1波長λ1 による第1画像G1 が得られると同時に、被測定部材12の表面から放射される光が第2フィルタ36を通過することにより第2波長λ2 による第2画像G2 が得られる。
【0036】
また、前述の実施例において、第1波長λ1 および第2波長λ2 は、図2の測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線L1のうち、常温における放射強度EBGの3倍以上高い高放射領域から選択されていたが、必ずしも3倍でなくてもよい。要するに、常温における放射強度EBGよりも高い領域であれば一応の効果が得られるのである。
【0037】
また、前述の実施例において、第1波長λ1 の半値幅Δλ1 はその第1波長λ1 の1/20以下の値とされ、第2波長λ2 の半値幅Δλ2 はその第2波長λ2 の1/20以下の値とされていたが、必ずしも1/20の値とされていなくてもよく、1/20を少々越える場合であっても一応の効果が得られる。
【0038】
また、前述の実施例において、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内になるように構成されたものであったが、必ずしも30%以内でなくてもよく、30%を少々越える場合であっても一応の効果が得られる。
【0039】
また、前述の図4のS5では、被測定部材12の放射率εが色によって表示されていたが、等高線や濃淡などによって表示されても差し支えない。
【0040】
また、前述の実施例の画像検出器32では、光検出面26を備えたCCD素子28が用いられていたが、カラー撮像管など他の光検出素子が用いられてもよい。
【0041】
また、前述の実施例では、光検出素子単位と画素単位とが一致させられていたが必ずしも一致しなくてもよく、互いに隣接する複数個の光検出素子が1画素単位とされていてもよい。
【0042】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の放射率分布測定装置の構成を概略説明する図である。
【図2】図1の第1フィルタの波長λ1 と第2フィルタの波長λ2 を決定する方法を説明する図である。
【図3】図1の画像検出器32の光検出面26上に結像された第1画像G1 および第2画像G2 を説明する図である。
【図4】図1の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図5】図4の画素温度算出工程において放射強度比Rから表面温度Tを求めるために用いられる関係を示す図である。
【図6】図4の放射率分布表示工程において放射率εから表示色を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図7】図1の装置を用いて放射率分布を測定した実験例に用いられた被測定部材であるアルミナ基板を示す正面図であり、斜線領域はアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料が部分的に焼き付けられた領域を示している。
【図8】被測定部材として図7のアルミナ基板を用いて表面温度分布を測定し表示したアルミナ基板の画像を示している。一様な色調により均一な温度であることを示している。
【図9】被測定部材として図7のアルミナ基板を用いて表面温度分布を測定し表示したアルミナ基板の画像を示している。図7と同様に斜線領域はアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料が部分的に焼き付けられた領域が異なる色調で示されている。一様な温度にも拘わらず放射率が異なることを示している。
【図10】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【図11】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【図12】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【符号の説明】
10:放射率分布測定装置
12:被測定部材
34:第1フィルタ
36:第2フィルタ
S1:第1波長選択手段、第2波長選択手段
S3:温度算出手段
S1乃至S3:温度分布測定工程、温度分布測定手段
S4:放射率分布測定工程,放射率分布測定表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射率が不明な複数種類の材料から成る被測定部材の表面温度を測定し、その表面温度から被測定部材表面の放射率分布を測定する放射率分布測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被測定部材の表面からは、その表面温度および放射率に対応した大きさの放射光が放射される。このような被測定部材表面の放射率は、FT−IRなどの赤外線検出器を用いて波長毎の赤外線強度I2 を測定し、同じ温度の黒体炉を用いてそこから放射される赤外線強度I1 を測定し、黒体からの所定波長の赤外線強度と被測定部材からの所定波長の赤外線強度との割合である放射率をε(=I2 /I1 )とするときには、I1 ε=I2 という関係が成立するので、その関係から波長毎に放射率が算出される。また、非接触法における温度測定において、被測定部材の正確な放射率分布がわからない場合には正確な温度分布を求めることができない。このため、放射強度が既知である赤外線I3 を被測定部材に照射し、その照射点から反射された赤外線の反射強度I4 を測定し、反射率ρとしたときのI4 =ρI3 の関係から上記赤外線の波長の反射率ρが求められる。一般に、ε=(1−ρ)という関係が成立するので、その式から上記反射率ρに基づいて放射率εが求められる。たとえば、特開平5−209792号公報に記載されたものがその一例である。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
ところで、上記前者のようにFT−IRなどの赤外線検出器を用いて被測定部材の放射率を測定する場合において、1つの被測定部材の表面にさまざまな放射率が存在する場合や放射率が時々刻々に変化する場合には、表面の放射率分布を正確に求めることができない。また、上記後者のように反射率ρから放射率εを求める場合には、被測定部材に赤外光を照射する赤外光源が必要となるとともに、その赤外光源と被測定部材との間の距離や被測定部材の形状が変化した場合には、正確な反射率を求め難くなり、しかも被測定部材がセラミックスのような高温とされる場合には、そのセラミックスよりも大きい放射強度で赤外線を照射する必要が発生するだけでなく、その赤外線を入射するための別の覗き窓を炉に設置するなど、炉の構造を複雑として熱漏洩が多くなるという不都合があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、光源を用いなくても被測定部材の表面の放射率分布を正確に測定することができる放射率分布測定方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
斯かる目的を達成するための方法発明の要旨とするところは、被測定部材の表面から放射される光に基づいてその被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定方法であって、(a) 被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、該被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定工程と、(b) 予め求めた関係から該温度分布測定工程により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出工程とを、含むことにある。
【0006】
【課題を解決するための第2の手段】
また、上記発明方法を好適に実施するための放射率分布測定装置の要旨とするところは、被測定部材の表面から放射される光に基づいてその被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定装置であって、(a) 被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られたその被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、その被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定手段と、(b) 予め求めた関係から該温度分布測定手段により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出手段とを、含むことにある。
【0007】
【第1発明および第2発明の効果】
このようにすれば、被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度が画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布に基づいて、画素毎の放射率が算出されるので、光源を用いなくても被測定部材の表面の放射率分布が正確に測定されることができる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記温度分布測定工程或いは温度分布測定手段は、(c) 前記被測定部材の表面から放射される光のうちから前記第1波長の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第1波長選択工程或いは第1波長選択手段と、(d) 前記被測定部材の表面から放射される光のうちから第2波長の光を選択するために、前記高放射領域内において、前記第1波長の1/12以下であり且つ前記第1波長の半値幅および前記第2波長の半値幅の和以上の波長差以上の波長差となるように該第1波長からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第2波長選択工程或いは第2波長選択手段と、(e) 予め記憶された関係から、前記被測定部材の表面から放射される光から前記第1フィルタにより選択された第1波長の放射エネルギ強度と該被測定部材の表面から放射される光から前記第2フィルタにより選択された第2波長の放射エネルギ強度との強度比に基づいて、前記被測定部材の表面温度を画素単位で算出する温度算出工程或いは温度算出手段とを、含むものである。このようにすれば、被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、被測定部材表面の温度分布を測定するに際して、被測定部材の表面から放射される光のうちから前記第1波長の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光が透過させられ、また、被測定部材の表面から放射される光のうちから第2波長の光を選択するために、前記高放射領域内において、前記第1波長の1/12以下であり且つ前記第1波長の半値幅および第2波長の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させられることから、十分な放射強度の信号が得られてそのS/N比が高くなり、しかも互いに近接した第1波長の光および第2波長の光が得られるので、2色温度計の測定原理の前提である「近接する2波長では放射率の波長依存性は無視でき、ε1 =ε2 と近似できる」という条件に正確に該当することになり、十分に高精度の温度分布が得られる。
【0009】
また、好適には、前記放射率算出手段は、予め記憶された関係から前記温度算出手段により算出された前記被測定部材の表面温度に基づいてその被測定部材の放射強度を画素単位で算出し、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度に対してその被測定部材の放射強度の割合である放射率を画素単位で算出するものである。このようにすれば、被測定部材の表面温度から求められたその被測定部材の放射強度と、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度とから、所定波長における黒体の放射強度に対する被測定部材の放射強度の割合である放射率が画素単位で算出される。
【0010】
また、好適には、前記第1フィルタは、前記第1波長の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであり、前記第2フィルタは前記第2波長の1/20以下の半値幅の光を透過させるものである。このようにすれば、第1波長および第2波長の光が十分に単色性のあるものとされるので、2色温度計の測定原理の前提が満足され、温度分布の測定精度が十分に高められる。
【0011】
また、好適には、前記第1フィルタおよび前記第2フィルタは、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されたものである。このようにすれば、第1波長および第2波長の光のうち輝度の低い側の波長の光において、感度およびS/N比が維持されて温度分布の測定精度が得られる。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の放射率分布測定装置10の構成を説明する図である。図1において、焼成炉、加熱炉などの炉内において加熱されている被測定部材12の表面から放射された光は、ハーフミラー(ビームスプリッタ)14により第1光路16および第2光路18に2分されるようになっている。第1光路16および第2光路18はミラー20、22によって略直角に曲げられた後ハーフミラー24によって合成され、多数の光検出素子が配列された光検出面26を備えたCCD素子28と、その光検出面26に被測定部材12の画像を結像させるレンズ装置30とを有する画像検出器32に入射させられるようになっている。
【0014】
上記第1光路16および第2光路18には、たとえば中心波長が600nm且つ半値幅10nm程度の第1波長(帯)λ1 の光を通過させる第1フィルタ34、およびたとえば中心波長650nm且つ半値幅10nm程度の第2波長(帯)λ2 の光を通過させる第2フィルタ36がそれぞれ介挿されている。上記第1フィルタ34および第2フィルタ36は、光波干渉を利用して所定の波長帯を通過させる所謂干渉フィルタから構成されている。
【0015】
上記第1波長λ1 および第2波長λ2 は、たとえば以下のようにして決定されている。先ず、プランクの式により温度分布の測定温度範囲の最低温度たとえば500℃における黒体の波長と放射(輻射)強度との間の関係すなわち図2に示す曲線L1が求められ、次いで室温たとえば25℃における被測定部材12からのバックグラウンド放射強度EBGが測定される。次いで、そのバックグラウンド放射強度EBGの3倍値すなわち3×EBGを上まわる曲線L1上の任意の1点が第1波長λ1 として決定される。検出誤差以上の強度を用いて測定精度を高めるためである。次に、第1波長λ1 の1/12の波長以下の波長Δλだけたとえば第1波長λ1 を600nmとすれば50nm(=Δλ)だけ第1波長λ1 から上または下へずらした波長たとえば650nmが第2波長λ2 として決定される。後述の2色温度計の原理を示す近似式(式1)を成立させるためである。なお、第1波長λ1 および第2波長λ2 は、放射強度の測定精度を維持するために相互の波長が重ならないように、以下において決定する半値幅の2倍以上の差が設けられるようにする。そして、上記第1波長λ1 および第2波長λ2 は、単色光の性質を維持するために、その中心波長の1/20以下、たとえば20nm程度以下の半値幅が用いられる。また、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されている。透過率の差が30%よりも大きくなると、上記第1波長λ1 および第2波長λ2 のうちの輝度の低い側の波長の光において感度が低下してS/N比が下がり、表示温度の精度が低下する。
【0016】
したがって、本実施例の放射率分布測定装置10には、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1波長λ1 の光を選択するために、温度分布の測定温度範囲の最低温度付近における黒体の波長に対する放射強度曲線L1のうち、常温における放射強度EBGより十分に高い高放射領域から選択された波長であって、その波長の1/20以下の半値幅の光を通過させる第1フィルタ34と、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、上記高放射領域内において、第1波長λ1 の1/12以下であり且つ上記第1半値幅および第2半値幅の和以上の波長差だけその第1波長λ1 からずらされた波長であって、その波長の1/20以下の半値幅の光を通過させる第2フィルタ36とが設けられていることになる。
【0017】
図1の光学系において、たとえばミラー20、22によってハーフミラー24から画像検出器32までの間において第1光路16と第2光路18とが上記第1画像G1 と第2画像G2 とが相互に重複しない程度に僅かにずらされることにより、CCD素子28の光検出面26において波長の異なる2画像が結像されるようになっている。すなわち、前記画像検出器32においては、たとえば図3に示すように、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1フィルタ34により選択された第1波長λ1 の被測定部材12の第1画像G1 が光検出面26上の第1位置B1 に結像され、且つ被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2フィルタ36により選択された第2波長λ2 の被測定部材12の第2画像G2 が、光検出面26上の上記第1位置B1 とは異なる第2位置B2 に結像させられるようになっている。これにより、光検出面26に配列された多数の光検出素子により、上記第1画像G1 の各部位の放射強度および第2画像G2 の各部位の放射強度が素子単位すなわち画素単位で検出されるようになっている。たとえば、前記ミラー20、22、ハーフミラー14、24、レンズ装置30などが、被測定部材12の画像を波長毎に同時に2位置に結像させるための第1波長選択工程、第2波長選択工程、或いは光学式結像装置に対応している。
【0018】
演算制御装置40は、たとえばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、CPUは予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号、すなわち上記光検出面26に配列された多数の光検出素子からの信号を処理し、画像表示器42に被測定部材12の表面温度分布を表示させる。
【0019】
図4は、上記演算制御装置40の演算制御作動の要部を説明するフローチャートである。ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、光検出面26に配列された多数の光検出素子からの信号により、第1画像G1 の各部位の放射強度E1ij および第2画像G2 の各部位の放射強度E2ij が素子単位すなわち画素単位で読み込まれる。次に、放射強度比算出工程或いは放射強度比算出手段に対応するS2では、光検出面26内の第1位置B1 に結像された第1画像G1 および第2位置B2 に結像された第2画像G2 のうちの同じ部分に位置する光検出素子対がそれぞれ検出する第1波長λ1 の放射強度E1ij と第2波長λ2 の放射強度E2ij との放射強度比Rij(=E1ij /E2ij )が算出される。次いで、画素温度算出工程或いは画素温度算出手段に対応するS3において、たとえば図5に示す予め記憶された関係から上記画素毎に算出された実際の放射強度比Rijに基づいて、被測定部材12の画像を構成する画素毎の温度Tijが算出される。上記図5に示す関係は、たとえば式1に示す2色温度計の測定原理を示す近似式から得られるものである。式1は、放射率を用いなくても異なる2波長λ1 およびλ2 における輻射(放射)強度の比Rから被測定部材12の表面温度Tを求めることができるように導かれたものである。以下の式において、λ2 >λ1 であって、Tは絶対温度を、C1 は放射(Planck)第1定数、C2 は放射(Planck)第2定数をそれぞれ示している。
【0020】
(式1)
R=(λ2 /λ1 )5
exp〔(C2 /T)・(1/λ2 −1/λ1 )〕
【0021】
上記式1は、以下のようにして求められる。すなわち、波長λにおいて単位時間、単位面積当たりに黒体から放射される放射強度(エネルギ)Eb およびλはプランク(Planck)の式である式2に従うことが知られている。また、 exp(C2 /λT)>>1である場合には、ウイーン(Wien)の近似式である式3が成り立つことが知られている。通常の物体は灰色であるため、放射率εを入れて書き換えると、式4となる。この式4を用いて2波長λ1 およびλ2 の放射強度E1 およびE2 の比R(T)を求めると式5が導かれる。上記2波長λ1 およびλ2 が近接している場合には、放射率εの依存性を無視することができ、ε1 =ε2 となるので、前記式1が得られる。これによれば、放射率εの異なる物体であっても、それに影響なく温度Tを求めることができるのである。
【0022】
(式2)
Eb =C1 /λ5 〔exp (C2 /λT)−1〕
(式3)
Eb =C1 exp (−C2 /λT)/λ5
(式4)
E=ε・C1 exp (−C2 /λT)/・λ5
(式5)
R(T)=(ε1 /ε2 )(λ2 /λ1 )5
exp〔(C2 /T)・(1/λ2 −1/λ1 )〕
【0023】
以上のようにして被測定部材12の画像を構成する画素毎の温度Tijが算出されると、放射率算出工程或いは放射率算出手段に対応するS4において、被測定部材12の温度と放射エネルギ強度との間の予め所定波長λ毎に記憶された関係E(T)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて所定波長λの放射エネルギ強度Eijが画素毎に算出され、黒体の温度と放射エネルギ強度との予め記憶された関係(データマップ)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて所定波長λの黒体の放射エネルギ強度Eb ijが画素毎に算出され、各画素について、黒体の放射エネルギ強度Eb に対する上記被測定部材12の放射エネルギ強度Eijの割合である放射率εij(=Eij/Eb ij)が画素単位で算出される。
【0024】
そして、放射率分布表示工程或いは放射率分布表示手段に対応するS5において、予め記憶された関係から上記画素毎に算出された放射率εijに基づいて被測定部材12の表面の放射率が表示される。その関係としては、たとえば図6に示す放射率εと表示色との関係が用いられる。この場合には、被測定部材12の表面の放射率分布が予め定められた色の階調により表示される。
【0025】
以下において、図1に示す光学系を用いて本発明者等が行った実験例1を以下に説明する。図1に示す光学系において、日本光学製の望遠レンズ(AF Zoom Nikkor ED 70−300mm F4−5.6D)付CCDカメラ(Santa Barbara Instruments Group 社製ST−7)を画像検出器32として、ハーフミラー14、24はBK7から構成されたシグマ光機社製のものであり、クロムプレートによる可視光用であって30%反射、30%透過のものである。ミラー20、22は、シグマ光機製社のものであり、アルミ平面ミラーであってBK7から構成されている。第1フィルタ34および第2フィルタ36はシグマ光機社製のものであり、第1フィルタ34は600nm且つ半値幅10nm、第2フィルタ36は650nm且つ半値幅10nmである。そして、被測定部材としてアルミナ基板(50×50×0.8mm)の表面には図7に示すようにアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料を部分的に焼き付け、加熱炉の中央に配置し、室温から10℃/分の速度で1000℃まで昇温させる途中の950℃になったときの上記アルミナ基板表面の温度分布を測定した。そして、その温度分布測定により得られた画素毎の温度に基づいて放射率分布を算出した。この条件下において得られた上記アルミナ基板表面の温度分布は、図8に示すようにアルミナ基板表面の一部に放射率が異なる黒色塗料が焼き付けてあるにも拘らず全体が同じ温度として測定されたが、上記アルミナ基板表面の放射率分布は図9に示すように黒色顔料部分が高く、アルミナ基板のままの部分が低く表示される画像が得られた。
【0026】
また、実験例2では、被測定部材12として、ステンレス鋼板(SUS:200×200×1mm)を、酸素−ブタン火炎を放射するペンシルバーナを用いて局部加熱し、5分後に上記実験例1と同様に温度分布を測定するとともに放射率分布を算出したところ、画像内での温度勾配が大きくても放射率分布が得られた。
【0027】
上述のように、本実施例によれば、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいてその被測定部材12の温度Tijが画素単位でそれぞれ算出され、予め求めた関係からその温度分布(画素単位の温度Tij)に基づいて、画素毎の放射率εijが算出されるので、光源を用いなくても画素毎の放射率εijから被測定部材12の表面の放射率分布が正確に測定される。
【0028】
また、本実施例によれば、前記温度分布測定工程或いは温度分布測定手段に対応するS1乃至S3は、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第1波長λ1 の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタ34を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させる第1波長選択工程或いは第1波長選択手段S1と、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、高放射領域内において、第1波長λ1 の1/12以下であり且つその第1波長λ1 の半値幅および前記第2波長λ2 の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長λ1 からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタ36を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させる第2波長選択工程或いは第2波長選択手段S1と、たとえば図5に示す予め記憶された関係から、被測定部材12の表面から放射される光から第1フィルタ34により選択された第1波長λ1 の放射エネルギ強度とその被測定部材12の表面から放射される光から第2フィルタ36により選択された第2波長λ2 の放射エネルギ強度との強度比Rijに基づいて、被測定部材12の表面温度Tijを画素単位で算出する 温度算出工程或いは温度算出手段S3とを、含むものである。このため、被測定部材12の表面から放射される光のうちから選択された第1波長λ1 および第2波長λ2 を用いてそれぞれ得られた被測定部材12の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比Rijに基づいて被測定部材12の温度Tijを画素単位でそれぞれ算出し、被測定部材12表面の温度分布を測定するに際して、被測定部材12の表面から放射される光のうちから前記第1波長λ1 の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタ34を用いて、被測定部材12の表面から放射される光が透過させられ、また、被測定部材12の表面から放射される光のうちから第2波長λ2 の光を選択するために、前記高放射領域内において、第1波長の1/12以下であり且つ第1波長の半値幅および第2波長の半値幅の和以上の波長差となるようにその第1波長λ1 からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタ36を用いて、被測定部材12の表面から放射される光を透過させられることから、十分な放射強度の信号が得られてそのS/N比が高くなり、しかも互いに近接した第1波長の光および第2波長の光が得られるので、2色温度計の測定原理の前提である「近接する2波長では放射率の波長依存性は無視でき、ε1 =ε2 と近似できる」という条件に正確に該当することになり、十分に高精度の温度分布が得られる。
【0029】
また、本実施例によれば、放射率算出手段S4は、予め記憶された関係から温度算出手段S3により算出された被測定部材12の表面温度Tijに基づいてその被測定部材12の放射強度Eijを画素単位で算出し、予め記憶されたその被測定部材12の温度Tijに対応する黒体の所定波長の放射強度Ebijに対してその被測定部材12の放射強度の割合である放射率εijを画素単位で算出するものであることから、被測定部材12の表面温度Tijから求められたその被測定部材12の放射強度Eijと、予め記憶されたその被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度Eb ijとから、所定波長における黒体の放射強度Eb ijに対する被測定部材12の放射強度の割合である放射率εijが画素単位で算出される。
【0030】
また、本実施例によれば、第1フィルタ34は、第1波長λ1 の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであり、第2フィルタ36は第2波長λ2 の1/20以下の半値幅の光を透過させるものであることから、第1波長および第2波長の光が十分に単色性のあるものとされるので、2色温度計の測定原理の前提が満足され、温度分布の測定精度すなわち放射率分布の測定精度が十分に高められる。
【0031】
また、本実施例によれば、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内となるように構成されたものであることから、第1波長λ1 および第2波長λ2 の光のうち輝度の低い側の波長の光において、感度およびS/N比が維持されて温度分布の測定精度すなわち放射率分布の測定精度が得られる。
【0032】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0033】
たとえば、温度分布測定工程或いは温度分布測定手段に対応するS1乃至S3において、被測定部材12から放射される光の含まれる2波長λ1 、λ2 を用いてその被測定部材12の温度分布が測定されていたが、3波長以上の波長を用いて被測定部材12の温度分布が測定されてもよい。
【0034】
また、前述の実施例の放射率算出工程或いは放射率算出手段に対応するS4では、黒体の温度と放射エネルギ強度との予め記憶された関係(データマップ)から上記S3において画素毎の温度Tijに基づいて黒体からの放射強度Eb ijが求められていたが、予め記憶された関数式から逐次算出されてもよい。
【0035】
また、前述の実施例の放射率分布測定装置10に用いられた光学系に代えて、図10、図11、図12に示す光学系が用いられてもよい。図10に示す光学系では、1対の可動ミラー50および52が破線に示す位置に回動させられた状態において被測定部材12の表面から放射される光を画像検出器32の光検出面26へ導く第1光路16が形成され、上記1対の可動ミラー50および52が実線に示す位置に回動させられた状態において被測定部材12の表面から放射される光を画像検出器32の光検出面26へ導く第2光路18が形成されるようになっている。前述の実施例と同様に、上記第1光路16には第1フィルタ34が介挿され、第2光路18には第2フィルタ36が介挿されており、第1波長λ1 による第1画像G1 と第2波長λ2 による第2画像G2 が所定の時間差を経て得られる。図11に示す光学系では、被測定部材12から画像検出器32の光検出面26に至る光路に、モータ54により回転駆動され且つ第1フィルタ34および第2フィルタ36が設けられた回転板56が介挿されている。この回転板56がモータ54により回転させられるとき、被測定部材12の表面から放射される光が第1フィルタ34を通過することにより第1波長λ1 による第1画像G1 が得られるとともに、被測定部材12の表面から放射される光が第2フィルタ36を通過することにより第2波長λ2 による第2画像G2 が順次得られる。図12に示す光学系では、被測定部材12の表面から放射される光がハーフミラー14によって第1光路16および第2光路18に2分され、それらの第1光路16および第2光路18毎に第1フィルタ34および画像検出器32と、第2フィルタ36および画像検出器32’ とが設けられている。それ等第1フィルタ34および第2フィルタ36は画像検出器32および32’ 内に設けられてもよい。本実施例においても、被測定部材12の表面から放射される光が第1フィルタ34を通過することにより第1波長λ1 による第1画像G1 が得られると同時に、被測定部材12の表面から放射される光が第2フィルタ36を通過することにより第2波長λ2 による第2画像G2 が得られる。
【0036】
また、前述の実施例において、第1波長λ1 および第2波長λ2 は、図2の測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線L1のうち、常温における放射強度EBGの3倍以上高い高放射領域から選択されていたが、必ずしも3倍でなくてもよい。要するに、常温における放射強度EBGよりも高い領域であれば一応の効果が得られるのである。
【0037】
また、前述の実施例において、第1波長λ1 の半値幅Δλ1 はその第1波長λ1 の1/20以下の値とされ、第2波長λ2 の半値幅Δλ2 はその第2波長λ2 の1/20以下の値とされていたが、必ずしも1/20の値とされていなくてもよく、1/20を少々越える場合であっても一応の効果が得られる。
【0038】
また、前述の実施例において、第1フィルタ34および第2フィルタ36は、それらの透過率の差が30%以内になるように構成されたものであったが、必ずしも30%以内でなくてもよく、30%を少々越える場合であっても一応の効果が得られる。
【0039】
また、前述の図4のS5では、被測定部材12の放射率εが色によって表示されていたが、等高線や濃淡などによって表示されても差し支えない。
【0040】
また、前述の実施例の画像検出器32では、光検出面26を備えたCCD素子28が用いられていたが、カラー撮像管など他の光検出素子が用いられてもよい。
【0041】
また、前述の実施例では、光検出素子単位と画素単位とが一致させられていたが必ずしも一致しなくてもよく、互いに隣接する複数個の光検出素子が1画素単位とされていてもよい。
【0042】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の放射率分布測定装置の構成を概略説明する図である。
【図2】図1の第1フィルタの波長λ1 と第2フィルタの波長λ2 を決定する方法を説明する図である。
【図3】図1の画像検出器32の光検出面26上に結像された第1画像G1 および第2画像G2 を説明する図である。
【図4】図1の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図5】図4の画素温度算出工程において放射強度比Rから表面温度Tを求めるために用いられる関係を示す図である。
【図6】図4の放射率分布表示工程において放射率εから表示色を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図7】図1の装置を用いて放射率分布を測定した実験例に用いられた被測定部材であるアルミナ基板を示す正面図であり、斜線領域はアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料が部分的に焼き付けられた領域を示している。
【図8】被測定部材として図7のアルミナ基板を用いて表面温度分布を測定し表示したアルミナ基板の画像を示している。一様な色調により均一な温度であることを示している。
【図9】被測定部材として図7のアルミナ基板を用いて表面温度分布を測定し表示したアルミナ基板の画像を示している。図7と同様に斜線領域はアルミナ基板とは放射率が異なる黒色塗料が部分的に焼き付けられた領域が異なる色調で示されている。一様な温度にも拘わらず放射率が異なることを示している。
【図10】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【図11】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【図12】本発明の他の実施例において温度分布測定装置の光学系を説明する図であって、図1に相当する図である。
【符号の説明】
10:放射率分布測定装置
12:被測定部材
34:第1フィルタ
36:第2フィルタ
S1:第1波長選択手段、第2波長選択手段
S3:温度算出手段
S1乃至S3:温度分布測定工程、温度分布測定手段
S4:放射率分布測定工程,放射率分布測定表示手段
Claims (4)
- 被測定部材の表面から放射される光に基づいて該被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定方法であって、
被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、該被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定工程と、
予め求めた関係から該温度分布測定工程により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出工程と
を、含むことを特徴とする放射率分布測定方法。 - 被測定部材の表面から放射される光に基づいて該被測定部材の表面の放射率分布を測定するための放射率分布測定装置であって、
被測定部材の表面から放射される光のうちから選択された第1波長および第2波長を用いてそれぞれ得られた該被測定部材の2画像のうちの同じ部位で検出される放射強度の比に基づいて該被測定部材の温度を画素単位でそれぞれ算出し、該被測定部材表面の温度分布を測定する温度分布測定手段と、
予め求めた関係から該温度分布測定手段により測定された温度分布に基づいて、画素毎の放射率を算出する放射率算出手段と
を、含むことを特徴とする放射率分布測定装置。 - 前記温度分布測定手段は、
前記被測定部材の表面から放射される光のうちから前記第1波長の光を選択するために、測定温度範囲の最低温度における黒体の波長に対する放射強度曲線のうち、常温における放射強度より高い高放射領域から選択された波長の光を通過させる第1フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第1波長選択手段と、
前記被測定部材の表面から放射される光のうちから第2波長の光を選択するために、前記高放射領域内において、前記第1波長の1/12以下であり且つ前記第1波長の半値幅および前記第2波長の半値幅の和以上の波長差以上の波長差となるように該第1波長からずらされた波長の光を通過させる第2フィルタを用いて、前記被測定部材の表面から放射される光を透過させる第2波長選択手段と、
予め記憶された関係から、前記被測定部材の表面から放射される光から前記第1フィルタにより選択された第1波長の放射エネルギ強度と該被測定部材の表面から放射される光から前記第2フィルタにより選択された第2波長の放射エネルギ強度との強度比に基づいて、前記被測定部材の表面温度を画素単位で算出する温度算出手段と
を、含むものである請求項2の放射率分布測定装置。 - 前記放射率算出手段は、
予め記憶された関係から前記温度算出手段により算出された前記被測定部材の表面温度に基づいて該被測定部材の放射強度を画素単位で算出し、予め記憶された該被測定部材の温度に対応する黒体の所定波長の放射強度に対する該測定部材の放射強度の割合である放射率を画素単位で算出するものである請求項2の放射率分布測定装置。
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