JP2001248925A - 冷凍サイクル装置の運転方法および冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置の運転方法および冷凍サイクル装置

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JP2001248925A
JP2001248925A JP2000061960A JP2000061960A JP2001248925A JP 2001248925 A JP2001248925 A JP 2001248925A JP 2000061960 A JP2000061960 A JP 2000061960A JP 2000061960 A JP2000061960 A JP 2000061960A JP 2001248925 A JP2001248925 A JP 2001248925A
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refrigerant
liquid
liquid refrigerant
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JP2000061960A
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Hiroari Shiba
広有 柴
Moriya Miyamoto
守也 宮本
Yasufumi Hatamura
康文 畑村
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液冷媒搬送手段によって冷媒液化手段と冷媒
気化手段間に冷媒を循環させる循環路を有する冷凍サイ
クル装置において、液冷媒搬送手段の起動時にガス冷媒
の吸入を防止し、スムーズに起動して信頼性の向上を図
る。 【解決手段】 液冷媒搬送手段と、冷媒気化手段と、冷
媒液化手段を配管で環状に接続した構成において、液冷
媒搬送手段の吸入口と冷媒液化手段を接続する吸入側冷
媒配管に冷媒を移動して液冷媒として滞溜した後に、液
冷媒搬送手段を起動する。また、吸入側冷媒配管に起動
用レシーバを設け、起動用レシーバに冷媒を移動して液
冷媒として滞溜した後に、液冷媒搬送手段を起動する。
冷媒を移動する際、移動前と移動後の場所にある冷媒の
圧力差および温度差および位置高さの高低差のうちの少
なくともいずれか1つを利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液冷媒搬送手段を
利用した冷凍サイクル装置の運転方法および冷凍サイク
ル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍サイクル装置として、例えば
特開平2−75842号公報に示された蓄熱式ヒートポ
ンプ装置の回路構成を図48に示す。このヒートポンプ
装置は蓄熱システムの多段圧縮運転方法を用いたもので
ある。
【0003】図48において、1は液冷媒搬送手段、3
a、3bは室内熱交換器、6は蓄熱槽、20a、20
b、20c、20d、20eは例えば開閉弁などの流路
切換手段、21a、21bは減圧手段、25は圧縮機、
23は室外熱交換器、24は蓄熱槽6内を通る冷媒配管
で構成された蓄熱槽熱交換器、31、32は受液器、3
3は第1冷媒循環管路、34は第2冷媒循環管路であ
る。
【0004】このヒートポンプ装置の動作のうち、液冷
媒搬送手段1を使用した冷房運転の動作例について図を
用いて説明する。これはあらかじめ蓄熱槽6に冷熱が蓄
熱されており、液冷媒搬送手段1を動作させて第2冷媒
循環管路34に冷媒を循環させる運転である。この運転
で開閉弁20a、20dは開、開閉弁20b、20c、
20eは閉、減圧手段21a、21bは全閉とする。蓄
熱槽6内に配された蓄熱槽熱交換器24で、蓄熱槽6の
冷熱によって凝縮されて液化した液冷媒は、開閉弁20
d、受液器31を通り、液冷媒搬送手段1によって室内
熱交換器3a、3bに送られる。この室内熱交換器3
a、3bで冷媒が室内空気と熱交換して蒸発する際の熱
で室内を冷房する。蒸発してガス化した冷媒は第2冷媒
循環管路34に戻り、開閉弁20aを通って蓄熱槽6内
の蓄熱槽熱交換器24に流入し、蓄熱槽6内の冷水また
は氷によって凝縮して液化する。
【0005】また、蓄熱槽6に蓄熱した冷熱が室内を冷
房するのに十分ではなくなってくると、第2冷媒循環管
路34に依らず第1冷媒循環管路33に冷媒を循環さ
せ、圧縮機25を運転して冷房を行う。この場合には、
液冷媒搬送手段1を停止し、開閉弁20a、20d、2
0eを閉、開閉弁20b、20cを開とし、減圧手段2
1bの開度を制御する。冷媒は室外熱交換器23で凝縮
し、室内熱交換器3a、3bで蒸発して室内の冷房が行
われる。また、蓄熱槽6に冷熱を蓄熱する場合には、開
閉弁20eを開、他の開閉弁を閉とし、圧縮機25を運
転する。減圧手段21aの開度は適当な開度になるよう
に制御する。圧縮機25で圧縮された低温高圧の冷媒
は、室外熱交換器23で凝縮し、減圧手段21aで減圧
され、蓄熱槽熱交換器24で蒸発する。この時の熱によ
って、例えば蓄熱槽6内の水を氷にするなどして冷熱を
蓄える。
【0006】また、別の従来の冷凍サイクル装置とし
て、例えば特開平4−306433号公報に掲載された
蓄熱冷却装置の回路構成を図49に示す。この装置も蓄
熱システムの多段圧縮運転方法を用いている。
【0007】図において、35は循環路で、水ポンプ3
7によって水が蓄熱槽6と熱交換器36とを循環するよ
うに構成されている。また、20a〜20dは各冷媒回
路に設けられた流路切換手段、21a〜21cは各冷媒
回路に設けられた開度を制御し得る減圧手段である。
【0008】この蓄熱冷却装置の動作のうち、液冷媒搬
送手段1を用いた冷却運転の動作について説明する。流
路切換手段20b、20dを操作して室内熱交換器3
a、3bと蓄熱槽6内に配置された蓄熱槽熱交換器24
とを連通し循環する冷凍サイクルを構成する。この冷媒
サイクルの冷媒は液冷媒搬送手段1の駆動により循環
し、蓄熱槽熱交換器24内を通過する際に蓄熱槽6内に
あらかじめ製氷されている冷却液と熱交換して冷却さ
れ、室内熱交換器3a、3bで室内空気と熱交換するこ
とによって室内を冷却する。また、圧縮機25を運転し
て室内を冷却する動作は、前記のヒートポンプ装置と同
様であり、圧縮機25から吐出した冷媒は、室外熱交換
器23で凝縮し、室内熱交換器3a、3bで蒸発して室
内の冷房が行われる。また、冷熱を蓄熱槽6に蓄熱する
動作は、圧縮機25を運転し、圧縮機25から吐出した
冷媒を、室外熱交換器23で凝縮、熱交換器36で蒸発
させると共に、水ポンプ37によって循環路35に水を
循環させて、熱交換器36で得た冷熱を蓄熱槽6に蓄熱
している。
【0009】この装置で、受液器31が蓄熱槽6内また
は蓄熱槽6外で蓄熱槽熱交換器24の下部に連接して設
けられており、蓄熱槽熱交換器24からの液冷媒を所定
量蓄える構成になっている。受液器31の作用は、上記
公報によれば冷媒回路を切換えた際の冷媒の急激な流れ
の変動による同回路上のいずれかの機器の破損を防ぐと
記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の冷
凍サイクル装置は、どちらも液冷媒を搬送する液冷媒搬
送手段1を運転して冷媒を循環させる循環路を構成して
いる。液冷媒搬送手段1は圧縮機25と比べて大幅に入
力が小さいのでCOP(=能力[kW]/入力[kW])を大き
くでき、省エネルギーの点で好ましい機器であるが、以
下のような課題があり、運転方法を考慮する必要があ
る。液冷媒搬送手段1は、起動時にガス冷媒を吸込む
と、冷媒循環量の低下や不安定化を招き、必要冷媒循環
量を確保できなくなる。さらには、液冷媒搬送手段1内
で昇圧するときに、キャビテーション即ち気液二相冷媒
内の気泡がつぶされるという現象が起こり、気泡がつぶ
されるときの衝撃が液冷媒搬送手段1内の部品にあたっ
て損傷を生じることもある。また、一度ガス冷媒を吸い
込むと、ガス冷媒は液冷媒より密度が十分に小さいため
に質量流量が小さくなり、冷媒がほとんど循環しなくな
り、液冷媒を再び吸込みにくくなる悪循環に陥ることに
なる。それらを回避するために、従来の冷凍サイクル装
置にはどちらも液冷媒搬送手段1の上流側に受液器31
が設けられていた。ところが、液冷媒搬送手段1の起動
前に液冷媒を受液器31に溜める運転方法については言
及していないので、液冷媒搬送手段1の起動時に受液器
31に液冷媒が滞溜している保障はない。また受液器3
1の大きさについても記載はないが、液冷媒搬送手段1
の吸入側に、内部で冷媒が気液分離した状態となる程度
の大きな受液器31を設けた場合には、受液器31出口
では飽和液冷媒となって流出する。そして、液冷媒搬送
手段1の吸入口では、途中で圧力損失を生じため、冷媒
が気液二相状態になり、液冷媒搬送手段1にガス冷媒を
吸入する可能性が高くなるなどの問題点があった。
【0011】本発明は上記のような従来の冷凍サイクル
装置の課題を解決するためになされたもので、圧縮機と
比べて省エネルギー効果の大きい液冷媒搬送手段を用
い、液冷媒搬送手段を起動する時に、ガス冷媒を吸入す
ることなく確実に液冷媒を吸入でき、液冷媒搬送手段を
安定して起動運転できる冷凍サイクル装置の運転方法お
よび冷凍サイクル装置を得ることを目的としている。ま
た、液冷媒搬送手段の動作の信頼性を向上できる冷凍サ
イクル装置の運転方法および冷凍サイクル装置を得るこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
冷凍サイクル装置の運転方法は、冷媒液化手段と、冷媒
気化手段と、前記冷媒液化手段の下流側に接続され、前
記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液
冷媒搬送手段と、を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒
気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接
続した構成において、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前
記冷媒液化手段を接続する吸入側冷媒配管と、前記冷媒
液化手段との少なくともどちらか一方に、冷媒を移動し
て液冷媒として溜めた後に、前記液冷媒搬送手段を起動
することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項2に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段
と、前記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液
化手段と冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送
手段と、を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段
と前記液冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構
成において、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷媒液
化手段とを接続する吸入側冷媒配管に起動用レシーバを
備え、前記起動用レシーバに冷媒を移動して液冷媒とし
て溜めた後に、前記液冷媒搬送手段を起動することを特
徴とするものである。
【0014】また、本発明の請求項3に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、液冷媒搬送手段を起動して所定の
時間経過後、または前記液冷媒搬送手段の冷媒搬送量が
安定後、起動用レシーバを迂回して冷媒を流通させるこ
とを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項4に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、冷媒液化手段と冷媒気化手段とを
循環する冷媒以外の冷媒を移動して、液冷媒として溜め
ることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の請求項5に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、液冷媒搬送手段を起動して所定の
時間経過後、または前記液冷媒搬送手段の冷媒搬送量が
安定後、前記冷媒の移動を停止することを特徴とするも
のである。
【0017】また、本発明の請求項6に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、液冷媒搬送手段の起動前に冷媒を
移動する際、移動前と移動後の場所にある冷媒に、圧力
差および温度差および位置高さの高低差のうちの少なく
ともいずれか1つを利用して前記冷媒を移動することを
特徴とするものである。
【0018】また、本発明の請求項7に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、液冷媒搬送手段の起動前に冷媒を
移動する際、前記液冷媒搬送手段とは別の冷媒搬送手段
を用いて前記冷媒を移動することを特徴とするものであ
る。
【0019】また、本発明の請求項8に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段
と、前記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液
化手段と冷媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手
段と、を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と
前記液冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成
において、前記液冷媒搬送手段を起動後、前記冷媒液化
手段または前記冷媒気化手段における負荷が発生してい
るときは、前記液冷媒搬送手段の運転によって前記冷媒
液化手段と前記冷媒気化手段に前記冷媒を循環させて、
前記冷媒液化手段または前記冷媒気化手段における負荷
が発生していないときは、前記液冷媒搬送手段の運転に
よって前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段を迂回して
前記冷媒を循環させることを特徴とするものである。
【0020】また、本発明の請求項9に係る冷凍サイク
ル装置の運転方法は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段
と、前記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液
化手段と冷媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手
段と、を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と
前記液冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成
において、前記液冷媒搬送手段の起動時は、前記冷媒気
化手段または前記冷媒液化手段での負荷に対応する液冷
媒搬送量より少ない搬送量で前記液冷媒搬送手段を運転
し、その後、前記搬送量を増加して運転することを特徴
とするものである。
【0021】また、本発明の請求項10に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、熱源側冷媒搬送手段と熱源側熱
交換器と減圧手段と蓄熱用熱交換器を順に接続して冷媒
を循環させる蓄熱運転と、前記蓄熱用熱交換器と液冷媒
搬送手段と利用側熱交換器を順に接続して冷媒を循環さ
せる第1利用運転と、前記熱源側冷媒搬送手段と前記熱
源側熱交換器と前記減圧手段と前記利用側熱交換器を順
に接続して冷媒を循環させる第2利用運転と、を備え、
前記蓄熱運転もしくは前記第2利用運転から前記第1利
用運転に切換える際、少なくとも第1利用運転に切換え
る前に、前記蓄熱運転で前記減圧手段と前記蓄熱用熱交
換器との間を流通している低圧二相状態の冷媒、もしく
は前記第2利用運転で前記減圧手段と前記利用側熱交換
器との間を流通している低圧二相状態の冷媒、が前記液
冷媒搬送手段の吸入口と前記蓄熱用熱交換器とを接続す
る吸入側冷媒配管に流通するように運転することを特徴
とするものである。
【0022】また、本発明の請求項11に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、吸入側冷媒配管に起動用レシー
バを備え、少なくとも第1利用運転に切換える前に、前
記蓄熱運転で減圧手段と蓄熱用熱交換器との間を流通し
ている低圧二相状態の冷媒、もしくは第2利用運転で減
圧手段と利用側熱交換器との間を流通している低圧二相
状態の冷媒、が前記起動用レシーバに流通するように運
転することを特徴とするものである。
【0023】また、本発明の請求項12に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、蓄熱運転または第2利用運転か
ら第1利用運転に切換える際、熱源側冷媒搬送手段を停
止して、熱源側熱交換器と吸入側冷媒配管とを連通した
後、液冷媒搬送手段を起動することを特徴とするもので
ある。
【0024】また、本発明の請求項13に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、一日の所定時間範囲内では、第
1利用運転で運転することを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の請求項14に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、第1利用運転で運転するとき、
蓄熱槽の底部から気泡または加圧液体を吹出すことを特
徴とするものである。
【0026】また、本発明の請求項15に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、熱源側冷媒搬送手段と熱源側熱
交換器と蓄熱用熱交換器と減圧手段と利用側熱交換器を
順に接続して冷媒を循環させる蓄熱過冷却利用運転と、
前記蓄熱用熱交換器と液冷媒搬送手段と前記利用側熱交
換器を順に接続して前記冷媒を循環させる利用運転と、
を備え、前記蓄熱過冷却利用運転から前記利用運転に切
換える際、少なくとも前記利用運転を行う前に、前記蓄
熱過冷却利用運転で前記熱源側熱交換器と前記減圧手段
との間を流通している高圧液冷媒が、前記液冷媒搬送手
段の吸入口と前記蓄熱用熱交換器とを接続する吸入側冷
媒配管に流通するように運転することを特徴とするもの
である。
【0027】また、本発明の請求項16に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、吸入側冷媒配管に起動用レシー
バを備え、少なくとも利用運転に切換える前に、蓄熱過
冷却利用運転で熱源側熱交換器と減圧手段との間を流通
している高圧液冷媒が、前記起動用レシーバに流通する
ように運転することを特徴とするものである。
【0028】また、本発明の請求項17に係る冷凍サイ
クル装置の運転方法は、蓄熱過冷却利用運転から利用運
転に切換える際、熱源側冷媒搬送手段を運転したままで
液冷媒搬送手段を起動し、所定時間経過後または前記液
冷媒搬送手段の冷媒搬送量が安定したら前記熱源側冷媒
搬送手段を停止することを特徴とするものである。
【0029】また、本発明の請求項18に係る冷凍サイ
クル装置は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷
媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷
媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、前
記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手
段とを順次接続する冷媒配管と、前記液冷媒搬送手段の
吸入口と前記冷媒液化手段とを接続する吸入側冷媒配管
に設けられ、前記液冷媒搬送手段の起動時に前記液冷媒
搬送手段に液冷媒を供給する起動用レシーバと、を備え
たものである。
【0030】また、本発明の請求項19に係る冷凍サイ
クル装置は、吸入側冷媒配管に起動用レシーバをバイパ
スするバイパス回路を備えたものである。
【0031】また、本発明の請求項20に係る冷凍サイ
クル装置は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷
媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷
媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、前
記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手
段とを順次接続する冷媒配管と、前記冷媒液化手段と前
記冷媒気化手段とを循環する循環路外に設けられた液冷
媒滞溜部と、一端を前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記
冷媒液化手段を接続する吸入側冷媒配管または前記冷媒
液化手段に接続し、他端を前記液冷媒滞溜部に接続する
接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉手段と、を備
えたものである。
【0032】また、本発明の請求項21に係る冷凍サイ
クル装置は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷
媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷
媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手段と、前記
冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段
とを順次接続する冷媒配管と、内部に蓄熱媒体と前記冷
媒液化手段を格納し前記蓄熱媒体と前記冷媒液化手段と
が熱交換する蓄熱槽と、前記蓄熱槽内の底部から気泡ま
たは加圧液体を吹出す気体または液体吹出し手段と、を
備えたものである。
【0033】また、本発明の請求項22に係る冷凍サイ
クル装置は、冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷
媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷
媒気化手段間で冷媒を搬送する冷媒搬送手段と、前記冷
媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段と
を順次接続する冷媒配管と、前記液化手段と前記液冷媒
気化手段を通過せずに前記液冷媒搬送手段の吸入側と吐
出側を接続する冷媒循環路と、を備えたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル
装置の運転方法について説明する。図1は本実施の形態
による冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図であ
る。図において、1は例えば液ポンプや熱駆動ポンプな
どの液冷媒搬送手段、2は例えば凝縮器などの冷媒液化
手段、3は例えば蒸発器などの冷媒気化手段、4は液冷
媒搬送手段1の入口側の冷媒配管で、吸入側冷媒配管と
称し、ここでは例えば液冷媒搬送手段1の吸入口と冷媒
液化手段2とを接続する冷媒配管である。Xは冷凍サイ
クル装置で、液冷媒搬送手段1、冷媒気化手段3、冷媒
液化手段2を順次冷媒配管で接続して冷媒を循環させ
る。
【0035】次にこの冷凍サイクル装置の動作について
説明する。液冷媒搬送手段1によって液冷媒は冷媒気化
手段3に搬送され、空気や他の媒体からエネルギーを吸
収して冷媒自身は蒸発してガス化する。さらに冷媒液化
手段2に搬送され、空気や他の媒体にエネルギーを与え
て冷媒自身は凝縮して液化し、吸入側冷媒配管4を通っ
て液冷媒搬送手段1に搬送される。
【0036】冷凍サイクル装置は、冷媒液化手段2と冷
媒気化手段3と液冷媒搬送手段1とを接続し、液冷媒搬
送手段1で冷媒を循環させる構成で、このような冷媒の
循環によって、冷媒気化手段3での冷媒の気化によるエ
ネルギーの吸収、または冷媒液化手段2での冷媒の液化
によるエネルギーの放出を熱として利用した場合に、室
内の冷房や暖房などの空調、食品や機器の冷却や加熱、
給湯に用いるなど、様々な用途に利用することができ
る。特に圧縮機と比べて大幅に入力が小さい液冷媒搬送
手段1を用いるため、COP(=能力[kW]/入力[kW])
を大きくでき、省エネルギー効果の大きい冷凍サイクル
装置が得られる。また、冷媒液化手段2や冷媒気化手段
3で熱交換して熱エネルギーとして用いるばかりでな
く、例えば電気エネルギーや電磁波エネルギーなど、他
のエネルギーとして用いることも可能である。
【0037】次に液冷媒搬送手段1を用いた時に問題と
なる液冷媒搬送手段1の起動時の動作について説明す
る。液冷媒搬送手段1を起動する前に、吸入側冷媒配管
4に液冷媒を移動する。これは冷凍サイクル装置X内の
液冷媒を吸入側冷媒配管4に移動する方法、冷凍サイク
ル装置X内の冷媒を吸入側冷媒配管4に移動し液化する
方法、冷凍サイクル装置X外の液冷媒を吸入側冷媒配管
4に移動する方法、冷凍サイクル装置X外の冷媒を吸入
側冷媒配管4に移動し液化する方法などがあるが、どの
ような方法でもよい。少なくとも吸入側冷媒配管4に液
冷媒を移動して滞溜させた後に液冷媒搬送手段1を起動
することで、液冷媒搬送手段1はガス冷媒を吸入するこ
となく起動される。なお、吸入側冷媒配管4に限らず、
吸入側冷媒配管4と冷媒液化手段2の少なくともいずれ
か一方に冷媒を移動して滞溜させればよい。吸入側冷媒
配管4と冷媒液化手段2の少なくともいずれか一方に冷
媒を移動して液冷媒として滞溜した後に液冷媒搬送手段
2を起動することで、起動時または起動後極めて短時間
内に液冷媒を液冷媒搬送手段1に供給できる。
【0038】図2は本実施の形態による冷凍サイクル装
置の別の構成を示す冷媒回路図である。図において、5
は起動用レシーバで、吸入側冷媒配管4の途中に設けら
れており、液冷媒搬送手段1を起動したときに液冷媒搬
送手段1の吸入側に液冷媒を供給し得る液冷媒滞溜容器
である。液冷媒搬送手段1を起動する前に、冷凍サイク
ル装置X内または冷凍サイクル装置X外から起動用レシ
ーバ5に所定量以上の液冷媒を移動して滞溜する。その
後に液冷媒搬送手段1を起動すれば、液冷媒搬送手段1
がガス冷媒を吸入するのを防止でき、安定して起動運転
できる。
【0039】以下、起動用レシーバ5の液冷媒滞溜量に
ついて説明する。液冷媒搬送手段1の起動後、液冷媒が
冷媒液化手段2から液冷媒搬送手段1の吸入口へ安定し
て供給されるまでの間に、液冷媒搬送手段1の吸入側で
液冷媒が不足した状態になる可能性がある。起動時に、
液冷媒搬送手段1がガス冷媒を吸入するのを防止するた
めには、液冷媒が冷媒液化手段2から液冷媒搬送手段1
の吸入口へ安定して供給されるまでの間に、液冷媒搬送
手段1の吸入口へ供給する必要のある冷媒量が吸入側に
滞溜していればよい。この必要液冷媒量は液冷媒搬送手
段1と冷媒液化手段2の間の配管容積と液冷媒流通速度
から決まる。例えば、液冷媒搬送手段1と冷媒液化手段
2の距離Lが3m、液冷媒質量速度Wが10[リットル
/min]、管内径dをφ15、液冷媒密度ρを120
0[kg/m3 ]とする。管内側断面積A={(d×
d)/4}×π=1.77×10-4[m2 ]なので冷媒
速度v=W/60/1000/A=0.94[m/s]
となり、冷媒液化手段2の出口の液冷媒が液冷媒搬送手
段1の入口に到達する時間T=L/v=3.2[se
c]となり、必要冷媒容積V=W×3.2=0.53
[リットル]、必要冷媒量M=V×ρ=0.64[k
g]となる。起動用レシーバ5を設けた場合は、吸入側
冷媒配管4と起動用レシーバ5内の液冷媒量の合計が上
記の計算によって得られた冷媒滞溜量以上になればよ
い。例えば必要冷媒量の2倍を確保するためには、吸入
側冷媒配管4内を満たす液冷媒量と同量、即ち640g
の液冷媒を滞溜できる起動用レシーバ5が吸入側冷媒配
管4に設けられていれば十分である。
【0040】従来の冷凍サイクル装置で、回路切換えに
よる必要冷媒量の差を吸収するために余剰冷媒を溜める
受液器を設けた構成のものがあるが、余剰冷媒用の受液
器は通常冷凍サイクル装置の充填冷媒の70%程度、1
0HP〜20HPの氷蓄熱空調機の場合、20kg程度
の量の冷媒を溜めることができるものである。これに比
べて本実施の形態の図2で設けた起動用レシーバ5は、
液冷媒搬送手段1の起動時に運転が安定するまで液冷媒
を液冷媒搬送手段1に供給することができればよいの
で、上記の例では1kg以下の液冷媒を滞溜させる程度
で十分である。
【0041】なお、起動用レシーバ5が液冷媒搬送手段
1の吸入口にできる限り近い場所に設置されていれば、
確実に液冷媒を起動前に吸入口に供給することができ、
スムーズに起動時の運転動作が可能となる。
【0042】次に、吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2
や起動用レシーバ5に液冷媒を移動する方法について説
明する。冷凍サイクル装置X内に充填されている冷媒を
吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2に移動する場合は、
例えば吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2を冷凍サイク
ル装置X内で最も低い温度にする。冷凍サイクル装置X
内の冷媒は、温度が高い部分から低い部分に移動するた
め、吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2に冷媒が流入
し、液冷媒の場合にはそのまま、ガス冷媒の場合には温
度が低いために凝縮液化し、液冷媒として滞溜する。ま
た、図2のように起動用レシーバ5を備えた構成では、
起動用レシーバ5を冷凍サイクル装置Xの他の部分より
も低い温度にすれば、冷媒は起動用レシーバ5に移動
し、凝縮液化して滞溜する。
【0043】吸入側冷媒配管4や起動用レシーバ5の温
度を冷凍サイクル装置を構成する他の部分よりも低い温
度にするには、例えば吸入側冷媒配管4や起動用レシー
バ5の周囲に低温水を流したり、冷風を吹きつけたりす
ればよい。このとき吸入側冷媒配管4や起動用レシーバ
5の温度が冷媒循環路の他の部分よりも少しでも低い温
度にするだけで吸入側冷媒配管4や起動用レシーバ5に
冷媒が移動するため、吸入側冷媒配管4や起動用レシー
バ5に液冷媒を滞溜できる。さらに、温度差が大きいほ
ど冷媒が早く吸入側冷媒配管4や起動用レシーバ5に移
動する。
【0044】ここで、吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段
2や起動用レシーバ5を低温にする際、その全部を低温
にしなくても一部を低温にしてもよい。液冷媒を滞溜さ
せたい部分に冷凍サイクル装置X内の冷媒が移動する構
成であればよい。
【0045】また、液冷媒を滞溜させたい部分を他の部
分よりも低温にして冷媒を移動する動作を行う別の構成
について、図3、図4、図5、図6に基づいて説明す
る。図3において、6は蓄熱槽で例えば内部に蓄熱媒体
を有する。この蓄熱槽6は、何らかの方法によって内部
の液体蓄熱媒体を固体蓄熱媒体にすることで冷熱を蓄え
る構成である。吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2は、
蓄熱槽6内に蓄熱されている冷熱と熱交換し得るよう
に、蓄熱槽6内の蓄熱媒体中に浸漬する。蓄熱槽6に冷
熱が蓄熱されていると、この蓄熱媒体中に浸漬されてい
る部分およびその周辺は冷凍サイクル装置Xの他の部分
よりも低い温度になる。このため、冷凍サイクル装置X
内の冷媒はこの低温部に移動して、凝縮液化する。蓄熱
槽6に冷熱を蓄熱するには、例えば冷媒液化手段2を蒸
発器として動作可能なように別の冷媒回路を構成し、蒸
発器として動作させれば、冷媒が蒸発する際に液体蓄熱
媒体から熱を吸収するため周囲の液体蓄熱媒体の温度が
下がり、固体蓄熱媒体となって冷熱を蓄えることができ
る。
【0046】また、図4、図5、図6の構成のものは、
それぞれ冷凍サイクル装置X外と連通する2本の冷媒配
管19a,19bと、流路切換手段として例えば開閉弁
20a〜20dを有する。図4の構成では、吸入側冷媒
配管4に冷媒配管19a,19bを接続し、それぞれ開
閉弁20b、20cを設ける。また、吸入側冷媒配管4
の冷媒配管19aとの接続部よりも冷媒液化手段2側に
開閉弁20a、吸入側冷媒配管4の冷媒配管19bとの
接続部よりも液冷媒搬送手段1側に開閉弁20dを設け
ている。液冷媒搬送手段1の起動前に、開閉弁20a、
20dを閉じて、開閉弁20b、20cを開く。そして
冷凍サイクル装置X外から冷凍サイクル装置X内より低
い温度の冷媒を吸入側冷媒配管4へ連通して配管を冷却
する。冷凍サイクル装置X内の他の部分よりもある程度
例えば5℃程度低くなるように吸入側冷媒配管4を冷却
した後、開閉弁20b、20cを閉じて、開閉弁20
a、20dを開く。すると、冷凍サイクル装置X内の冷
媒は低温である吸入側冷媒配管4に移動して、そこで凝
縮液化しはじめる。液冷媒が所定量以上滞溜した後、液
冷媒搬送手段1を起動する。このとき、吸入側配管4を
冷却するのに用いる低温の冷媒は、冷凍サイクル装置X
内の冷媒と同一、または冷凍サイクル装置X内の冷媒に
対して悪影響のない冷媒を用いる必要がある。冷凍サイ
クル装置X内の冷媒と同一の液冷媒を用いると、その部
分に液冷媒を供給することもでき、吸入側冷媒配管4の
温度をそれほど下げなくても、液冷媒を吸入側冷媒配管
4に滞溜させることができる。
【0047】また、図5のように吸入側冷媒配管4の途
中に起動用レシーバ5を設置し、外部から低温の冷媒が
起動用レシーバ5を循環するように構成してもよい。ま
た、図6のように外部からの低温の冷媒が冷媒液化手段
2と吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手段1を循環するよ
うに構成してもよい。図4、図5、図6の構成におい
て、開閉弁20a、20dを閉じ、開閉弁20b、20
cを開いて低温の冷媒を循環させる際、循環の方向は冷
媒配管19aが上流側でもまた冷媒配管19bが上流側
になっても、吸入側配管4を冷凍サイクル装置X内の他
の部分よりも低い温度にできればよい。なお、冷媒配管
19bから冷媒配管19aへ循環するように低温の冷媒
を流通させると、液冷媒搬送手段1に近い部分がより低
温になるため、液冷媒が液冷媒搬送手段1の近くに滞溜
するので、起動時に液冷媒搬送手段1にガス冷媒が吸入
されるのを更に確実に防止できる。
【0048】以上のように、本実施の形態では、液冷媒
搬送手段1を起動する前に、温度差を用いて吸入側冷媒
配管4または冷媒液化手段2または起動用レシーバ5に
液冷媒を移動して滞溜する。この後に液冷媒搬送手段1
を起動するので、液冷媒搬送手段1の起動時または起動
後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の
吸入口へ供給することができる。このため、ガス冷媒が
液冷媒搬送手段1に吸入されるのを防止でき、スムーズ
に冷凍サイクル装置Xを起動することができる。
【0049】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図7は本実施の形態による冷
凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。本実施
の形態では、吸入側冷媒配管4に起動用レシーバ5を設
け、さらに冷媒が起動用レシーバ5を迂回して流通可能
なバイパスを設けている。
【0050】液冷媒搬送手段1を起動する前に開閉弁2
0aを開き、開閉弁20bを閉めておき、起動用レシー
バ5を冷却するなどして起動用レシーバ5に液冷媒を滞
溜させる。所定量の液冷媒を滞溜した後に液冷媒搬送手
段1を起動する。起動後液冷媒搬送手段1の冷媒搬送量
が安定したら、開閉弁20aを閉じて開閉弁20bを開
き、起動用レシーバ5をバイパスして冷媒を流通させ
る。
【0051】液冷媒搬送手段1の吸入側に設ける起動用
レシーバ5の大きさは、実施の形態1でも記述したが、
起動後に冷媒液化手段2で液化された冷媒が液冷媒搬送
手段1に到達するまでに流通する冷媒を供給できるもの
であればよいので、それほど大きい容量ではない。起動
用レシーバ5を設けて液冷媒を滞溜させることで、起動
時に液冷媒搬送手段1がガス冷媒を吸入するのを防止で
きる。しかし、冷凍サイクル装置の運転が安定した後の
運転中に、起動用レシーバ5内が常時液冷媒で満たされ
る保障はない。運転状態によっては起動用レシーバ5内
で気液分離が生じることもある。起動用レシーバ5内で
冷媒が気液分離した状態であると、起動用レシーバ5か
ら流出する冷媒は飽和液状態となり、吸入側冷媒配管4
を流通する際に圧力損失が起こり、液冷媒搬送手段1の
吸入口では気液二相冷媒状態となる。その結果、液冷媒
搬送手段1がガス冷媒を吸入する状態に陥り、液冷媒搬
送手段1の信頼性低下および性能低下をもたらす。
【0052】そこで、本実施の形態では、起動時は液冷
媒搬送手段1の吸入口に液冷媒を確実に供給するため
に、起動用レシーバ5を使用する。そして、冷媒液化手
段2から液冷媒が安定的に流入するまでのいわばバッフ
ァとして作用させ、液冷媒搬送手段1の信頼性向上およ
び性能向上を図る。そして、起動後は起動用レシーバ5
を使用することが上記理由により液冷媒供給の妨げとな
るため、起動用レシーバ5をバイパスして迂回し、冷媒
液化手段2の出口の過冷却液冷媒を、そのままの状態で
液冷媒搬送手段1の吸入口に流通させることで、液冷媒
搬送手段1の信頼性向上および性能向上を図る。
【0053】次に、起動用レシーバ5への冷媒の流通を
止めるタイミングについて説明する。液冷媒搬送手段1
を起動後、例えば液冷媒搬送手段1の電流または電力を
測定し、その測定値が所定時間の範囲で所定範囲内に収
まっているとき、例えば測定値の変動量が測定値の絶対
値に対して±数%よりも小さくなったときに、冷媒液化
手段2から液冷媒搬送手段1への冷媒搬送量が安定した
と判断する。そして、開閉弁20a、20bによって冷
媒回路を切換えて、起動用レシーバ5を迂回して冷媒を
流通させる。このとき冷媒搬送量が検出できない場合
は、液冷媒が冷媒液化手段2の出口から液冷媒搬送手段
1に到達する時間を考慮して、その時間に基づいて液冷
媒搬送手段1起動後の起動用レシーバ5への冷媒流通時
間を設定してもよい。即ち、液冷媒搬送手段1を起動し
て所定の時間経過後、例えば数十秒程度の時間が経過し
たら、冷媒回路を切換えて起動用レシーバ5に冷媒が流
通しないようにして運転する。この所定の時間は、冷媒
液化手段2から液冷媒搬送手段1間の冷媒配管長や冷媒
気化手段3での負荷や冷媒流量によって異なるが、例え
ば実験やシュミレーションによって適当な時間を検知し
て、予め設定しておけばよい。
【0054】なお、上記冷媒回路構成では、冷媒回路を
切換えるために、2つの開閉弁20a、20bを備えて
いるが、冷媒液化手段2から起動用レシーバ5への流路
とバイパス回路への流路との分岐点に、例えば3方弁を
設ければ、1つの流路切換手段で冷媒回路を切換えるこ
とができる。
【0055】以上のように、本実施の形態によれば、起
動用レシーバ5に液冷媒を移動して溜めてから液冷媒搬
送手段1を起動するので、液冷媒搬送手段1の起動時ま
たは起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送
手段1の吸入口へ供給でき、スムーズに冷凍サイクル装
置を起動することができる。さらに、冷媒搬送量が安定
した後、起動用レシーバ5に冷媒を流通させないので、
常に液冷媒搬送手段1がガス冷媒を吸入することなく運
転でき、液冷媒搬送手段1の信頼性向上および性能向上
を図ることができる。
【0056】実施の形態3.以下、本発明の実施の形態
3による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図8は本実施の形態による冷
凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。本実施
の形態では、冷凍サイクル装置X内の冷媒を吸入側冷媒
配管4に移動して滞溜させる際、温度差を利用して冷媒
を移動する代わりに圧力差を利用するように構成したも
のである。図において、20a、20b、20cは流路
切換手段で例えば開閉弁、22は液冷媒搬送手段1とは
別の冷媒搬送手段で、例えば圧縮機などの熱源側冷媒搬
送手段で構成される。
【0057】本実施の形態における液冷媒搬送手段1を
起動する前の動作を説明する。まず、開閉弁20a、2
0bを閉じ、開閉弁20cを開ける。次に冷媒搬送手段
22を運転すると、冷媒搬送手段22の吸入口と連通し
ている配管内の圧力が低下する。図8のように冷媒搬送
手段22と開閉弁20a、20bが接続されている場
合、開閉弁20aと開閉弁20bの間の吸入側冷媒配管
4内の圧力が、冷凍サイクル装置Xの他の部分の圧力よ
りも低くなる。次に、開閉弁22cを閉じながら冷媒搬
送手段22を停止し、開閉弁20a、20bを開くと冷
凍サイクル装置X内に生じた圧力差により、冷媒回路内
の冷媒が圧力の高い部分から低い吸入側冷媒配管4へ移
動して滞溜する。この後、液冷媒搬送手段1を起動する
と、滞溜している液冷媒が液冷媒搬送手段1に供給され
る。
【0058】なお、図9、図10は、冷媒搬送手段22
で圧力を低下して液冷媒を溜める部分を、冷媒液化手段
2とその周辺の冷媒配管、起動用レシーバ5とその周辺
の冷媒配管にした構成を示すものである。液冷媒を滞溜
させたい部分の前後に開閉弁20a、20bを設け、そ
の開閉弁20a、20bの間の配管と冷媒搬送装置22
とを開閉弁20cを介して接続すればよい。このとき吸
入側冷媒配管4や冷媒液化手段2や起動用レシーバ5の
圧力を冷媒循環路の他の部分よりも少しでも低くするだ
けで、吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2や起動用レシ
ーバ5に冷媒が移動するため、吸入側冷媒配管4や起動
用レシーバ5に液冷媒を滞溜できる。さらに、圧力差が
大きいほど冷媒が早く吸入側冷媒配管4や起動用レシー
バ5に移動する。
【0059】また、図8、図9、図10の構成のもの
は、冷凍サイクル装置X内でのみ冷媒を移動して溜める
構成であるが、図11に示すように冷凍サイクル装置X
外の液冷媒が溜まっている液冷媒滞溜部9から、冷凍サ
イクル装置X内へ移動して溜めてもよい。図11におい
て、7は配管の開閉手段で例えば開閉弁、8は液冷媒滞
溜部9と冷凍サイクル装置Xとを接続する接続配管であ
る。図11に示した構成では、液冷媒搬送手段1と冷媒
液化手段2と冷媒気化手段3で構成される循環路外、即
ち冷凍サイクル装置X外にある液冷媒滞溜部9を利用し
ている。液冷媒滞溜部9と冷媒搬送手段22の周辺の冷
媒回路についての詳細は省略しているが、液冷媒滞溜部
9の圧力を高くする手段として、例えば冷媒搬送手段2
2を設けている。まず開閉弁7を閉じ、液冷媒滞溜部9
では冷媒搬送手段22を運転するなどして、冷凍サイク
ル装置X内よりも冷媒圧力を高くする。次にその状態で
開閉弁7を開くと、圧力差によって冷媒滞溜部9から冷
凍サイクル装置X内へ液冷媒が移動して滞溜する。この
とき開閉弁7を介して接続される接続配管8の冷凍サイ
クル装置X側の管端は、吸入側冷媒配管4でもよいが、
冷媒液化手段2、起動用レシーバ5でもよい。冷凍サイ
クル装置Xに移動して液冷媒として滞溜させる液冷媒滞
溜量については、実施の形態1と同様である。
【0060】また、図10に示した起動用レシーバ5を
設置した場合の、起動用レシーバ5への冷媒流通方法に
ついては、実施の形態2で述べたように構成してもよ
い。即ち、起動用レシーバ5を迂回するバイパス回路を
設けて、液冷媒搬送手段1を起動後、安定した運転状態
になったら起動用レシーバ5に冷媒を流通させないよう
にしてもよい。
【0061】以上のように、本実施の形態では、液冷媒
搬送手段1を起動する前に、圧力差を用いて吸入側冷媒
配管4または冷媒液化手段2または起動用レシーバ5に
液冷媒を移動して滞溜する。この後に液冷媒搬送手段1
を起動するので、液冷媒搬送手段1の起動時または起動
後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の
吸入口へ供給できる。このため、ガス冷媒が液冷媒搬送
手段1に吸入されるのを防止でき、スムーズに冷凍サイ
クル装置Xを起動することができる。なお、圧力差によ
る移動を利用する場合には圧力差をつける冷媒回路と液
冷媒搬送手段1を運転する冷媒回路とで切換える必要が
でてくる。上記では圧力差をつけた後に冷媒回路を切換
え、液冷媒搬送手段1の吸入側に液冷媒を滞溜させ、そ
の後に液冷媒搬送手段1を起動している。ところが圧力
差による冷媒の移動速度は、温度差による移動よりも速
いので、液冷媒搬送手段1を起動する前に圧力差をつけ
ておき、液冷媒搬送手段1を起動すると同時に冷媒回路
を切換えるように運転してもよい。
【0062】実施の形態4.以下、本発明の実施の形態
4による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図12は本実施の形態による
冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。本実
施の形態では、冷凍サイクル装置X内の冷媒を吸入側冷
媒配管4に移動して滞溜させる際、温度差や圧力差を利
用して冷媒を移動する代わりに高低差を利用するように
構成したものである。図12に示すように、冷媒液化手
段2を液冷媒搬送手段1よりも高い位置に配設し、吸入
側冷媒配管4で高い位置の冷媒液化手段2と低い位置の
液冷媒搬送手段1とを接続している。
【0063】次に、本実施の形態において、液冷媒搬送
手段1を起動する前の動作を図12に基づいて説明す
る。液冷媒を溜めたい液冷媒搬送手段1に近い吸入側冷
媒配管4を下方に、その他をできるだけ上方に備えれ
ば、特に冷凍サイクル装置が停止中の場合、ほとんどの
液冷媒が自重により吸入側冷媒配管4の液冷媒搬送手段
1に近い側に移動して滞溜する。この状態で液冷媒搬送
手段1を起動すると、滞溜している液冷媒が液冷媒搬送
手段1に供給される。
【0064】本実施の形態では高低差によって液冷媒を
少なくとも液冷媒搬送手段1の吸入側に滞溜させればよ
いので、液冷媒搬送手段1の吸入口と液冷媒搬送手段1
の吸入側にある吸入側冷媒配管4の一部は冷凍サイクル
装置のうちで最も低い位置に配設する必要がある。例え
ば、図13のように冷媒気化手段3を高い位置に設置
し、冷媒液化手段2と吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手
段1を低い位置に設置するというように高低差をつけて
各機器を配設すれば、冷凍サイクル装置の停止中に、液
冷媒は冷媒液化手段2と吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送
手段1に滞溜する。また、例えば、図14のように冷媒
液化手段2を高い位置に設置し、起動用レシーバ5と冷
媒気化手段3と吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手段1を
低い位置に設置するというように高低差をつけて各機器
を配設すれば、冷凍サイクル装置の停止中に、液冷媒は
起動用レシーバ5と吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手段
1と冷媒気化手段3に滞溜する。
【0065】また、図15に示したように、起動用レシ
ーバ5の下端の位置を液冷媒搬送手段1の吸入位置の高
さより高くしてもよい。このようにすると、起動用レシ
ーバ5に液冷媒が存在している状態では、液冷媒搬送手
段1の吸入口と起動用レシーバ5とを接続する吸入側冷
媒配管4は液冷媒で満たされており、液冷媒搬送手段1
の起動時に、より確実に液冷媒を液冷媒搬送手段1の吸
入口に供給できる。
【0066】また、液冷媒搬送手段1の吸入側に滞溜さ
せる冷媒量については、実施の形態1と同様である。ま
た、起動用レシーバ5を設置した場合の、起動用レシー
バ5への冷媒流通方法は実施の形態2と同様に構成して
もよい。
【0067】以上のように、本実施の形態によれば、高
低差を用いて吸入側冷媒配管4または冷媒液化手段2ま
たは起動用レシーバ5に液冷媒を移動して溜めた状態
で、液冷媒搬送手段1を起動するので、液冷媒搬送手段
1の起動時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実
に液冷媒搬送手段1の吸入口へ供給できる。このため、
ガス冷媒が液冷媒搬送手段1に吸入されるのを防止で
き、スムーズに冷凍サイクル装置を起動することができ
る。
【0068】なお、本実施の形態のように高低差をつけ
て各機器を設置するのは、設置場所の事情によって可能
/不可能があるが、実施の形態1〜実施の形態3のいず
れか1つまたは複数の構成と組み合わせて構成してお
き、可能な場合に少なくとも液冷媒搬送手段1の吸入側
の配管を低い位置に設置してもよい。このように液冷媒
の自重による移動を補助的に用いることで、液冷媒の移
動を短時間で確実に実現できる。
【0069】実施の形態5.以下、本発明の実施の形態
5による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図16は本実施の形態による
冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。本実
施の形態では、吸入側冷媒配管4に液冷媒を移動して滞
溜させる際、冷凍サイクル装置X内の冷媒を吸入側冷媒
配管4に移動して溜める構成ではなく、液冷媒搬送手段
1と冷媒液化手段2と冷媒気化手段3とで構成される循
環路外、即ち冷凍サイクル装置X外の液冷媒を吸入側冷
媒配管4に移動して溜める構成としたものである。図に
おいて、7は配管の開閉手段で例えば開閉弁、8は吸入
側冷媒配管4に接続する接続配管、9は液冷媒滞溜部
で、冷凍サイクル装置X外の液冷媒が溜まっている箇所
である。
【0070】図のような構成で、液冷媒搬送手段1を起
動する前に、例えば液冷媒搬送手段1の吸入口と冷媒液
化手段2を接続する吸入側冷媒配管4を液冷媒滞溜部9
よりも低い温度にする。そして開閉弁7を開けると、冷
凍サイクル装置X外の液冷媒滞溜部9に滞溜している液
冷媒は、温度が高い部分から低い部分に移動するため、
液冷媒滞溜部9から接続配管8、開閉弁7を介して液冷
媒が冷凍サイクル装置X内の吸入側冷媒配管4へ移動す
る。吸入側冷媒配管4に液冷媒が滞溜後、液冷媒搬送手
段1を起動する。開閉弁7は液冷媒が適当な量だけ滞溜
できたときに閉じてもよいし、液冷媒搬送手段1が起動
された後も開けておき、冷媒搬送手段1の冷媒搬送量が
安定した後に閉じてもよい。
【0071】液冷媒が適当な量だけ滞溜できたときに開
閉弁7を閉じる場合には、あらかじめ設定した所定の時
間だけ開閉弁7を開としてから開閉弁7を閉じ、その後
に液冷媒搬送手段1を起動するようにすればよい。この
所定の時間は、冷媒液化手段2から液冷媒搬送手段1間
の冷媒配管長や冷媒気化手段3での負荷や冷媒流量によ
って異なるが、例えば実験やシュミレーションによって
適当な時間を検知して、予め設定しておけばよい。
【0072】また、液冷媒搬送手段1の冷媒搬送量が安
定した後に閉じる場合には、例えば液冷媒搬送手段1の
電流または電力を測定し、その測定値が所定時間の範囲
で所定範囲内に収まっている時に、液冷媒搬送量が安定
したと判断する。さらに例えば電流または電力の測定値
の変動量が、測定値の絶対値に対して±数%よりも小さ
くなった場合に、電流または電力の測定値がほぼ一定で
あると見なす。液冷媒搬送手段1を起動後、例えば液冷
媒搬送手段1の電流または電力の測定値が所定時間の範
囲で所定範囲内に収まっている時に、冷媒液化手段2か
ら液冷媒搬送手段1への冷媒搬送量が安定したと判断し
て、開閉弁7を閉じる。このとき冷媒搬送量が検出でき
ない場合は、液冷媒が冷媒液化手段2の出口から液冷媒
搬送手段1に到達する時間を考慮して、その時間に基づ
いて開閉弁7を開けておく時間を設定してもよい。即
ち、液冷媒搬送手段1を起動して所定の時間経過後、例
えば数十秒程度の時間が経過したら、開閉弁7を閉じて
運転する。この所定の時間も、液冷媒滞溜量を検知する
場合と同様、冷媒液化手段2から液冷媒搬送手段1間の
冷媒配管長や冷媒気化手段3での負荷や冷媒流量によっ
て異なるが、例えば実験やシュミレーションによって適
当な時間を検知して、予め設定しておけばよい。
【0073】図17は、本実施の形態による冷凍サイク
ル装置の別の構成を示す冷媒回路図である。図17に示
した構成のものは、冷凍サイクル装置X外の冷媒を吸入
側冷媒配管4に移動して滞溜させる際、高低差を利用す
るものである。液冷媒滞溜部9を液冷媒移動先よりも高
い位置に設置すると、高低差によって液冷媒を移動でき
る。即ち、開閉弁7を開くだけで液冷媒滞溜部9の液冷
媒が、接続配管8、開閉弁7を介して冷凍サイクル装置
Xに移動できる。このため、例えば液冷媒搬送手段1な
どの冷媒を移動するための特別な機構を設ける必要がな
く、スムーズに冷凍サイクル装置Xの液冷媒搬送手段1
の吸入側に液冷媒を移動できる。
【0074】図18は、本実施の形態による冷凍サイク
ル装置の別の構成を示す冷媒回路図である。22は液冷
媒搬送手段1とは別の冷媒搬送手段で、例えば圧縮機な
どであり、冷媒搬送手段22の吐出口、液冷媒滞溜部
9、接続配管8、冷凍サイクル装置Xをこの順番に連接
する。接続配管8には開閉弁7を設けている。
【0075】液冷媒搬送手段1を起動する前に、冷媒搬
送手段22を起動すると同時に接続配管8に備えた開閉
弁7を開く。開閉弁7を開くと、冷媒搬送手段22によ
って液冷媒滞溜部9の液冷媒が接続配管8を介して冷凍
サイクル装置X内へ移動する。接続配管8の冷凍サイク
ル装置X側の管端を、液冷媒搬送手段1の吸入側に接続
しておけば、この動作によって液冷媒搬送手段1の吸入
側に液冷媒が移動して滞溜する。この後液冷媒搬送手段
1を起動すれば、液冷媒搬送手段1はガス冷媒を吸入す
ることなく吸入側に滞溜している液冷媒を吸入すること
になる。
【0076】なお、実施の形態4でも記載したが、図1
7のように高低差をつけて各機器を設置するのは、設置
場所の事情によって可能/不可能がある。そこで図16
や図18のように温度差や冷媒搬送手段22で冷媒を移
動するように構成しておき、可能な場合に少なくとも液
冷媒搬送手段1の吸入口とこれに接続する吸入側冷媒配
管4の一部を液冷媒滞溜部9よりも低い位置に設置して
もよい。このように液冷媒の自重による移動を補助的に
用いることで、液冷媒の移動を短時間で確実に実現でき
る。
【0077】また、接続配管8の冷凍サイクル装置X側
の管端は、吸入側冷媒配管4に接続するのに限らず、冷
媒液化手段2の入口や冷媒液化手段2の途中に接続して
もよい。また、図2に示した構成のように、吸入側冷媒
配管4に起動用レシーバ5を設け、接続配管8の冷凍サ
イクル装置X側の管端を起動用レシーバ5やその付近へ
接続してもよい。このときの滞溜冷媒量については実施
の形態1と同様である。また、起動用レシーバを設置し
た場合の、起動用レシーバへの冷媒流通方法については
実施の形態2と同様である。
【0078】以上のように、本実施の形態では、液冷媒
搬送手段1を起動する前に、冷凍サイクル装置X外から
吸入側冷媒配管4または冷媒液化手段2または起動用レ
シーバ5に液冷媒を移動して滞溜する。この後に液冷媒
搬送手段1を起動するので、液冷媒搬送手段1の起動時
または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬
送手段1の吸入口へ供給することができる。このため、
ガス冷媒が液冷媒搬送手段1に吸入されるのを防止で
き、スムーズに冷凍サイクル装置Xを起動することがで
きる。
【0079】実施の形態6.以下、本発明の実施の形態
6による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図19は本実施の形態による
冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。本実
施の形態は、冷媒液化手段2を格納する蓄熱槽6を備
え、冷媒液化手段2が蓄熱槽6内の蓄熱媒体の中に浸漬
されている冷凍サイクル装置においてのものである。図
19において、16は気体ポンプまたは液体ポンプなど
のポンプ、17は気体や加圧液体を搬送する搬送手段
で、例えばパイプである。蓄熱媒体としては例えば水な
どが用いられる。ポンプ16を例えば空気などの気体ポ
ンプとした場合、搬送手段17は気体が流通するパイプ
などの気体搬送手段であり、ポンプ16を例えば水など
の液体ポンプとした場合、搬送手段17は液体が流通す
るパイプなどの加圧液体搬送手段である。
【0080】蓄熱槽6の一例としては、蓄熱槽6に蓄熱
媒体として水を入れ、この水を氷にすることで冷熱を蓄
熱する。この冷熱を利用するときには、液冷媒搬送手段
1を起動して、蓄熱槽6内に浸漬されている冷媒液化手
段2に冷媒を流通させて、蓄熱槽6内で氷と冷媒液化手
段2内の冷媒とを熱交換させる。蓄熱槽6の冷熱で冷媒
液化手段2を流通する冷媒は液化し、一方の氷は融解す
る。そこで、液冷媒搬送手段1を起動する前に、まずポ
ンプ16を運転して、蓄熱槽6の底部に設置したパイプ
17によって空気などの気体や加圧液体を搬送し、気泡
または加圧液体として蓄熱槽6内の蓄熱媒体中に吹出
す。例えばパイプ17の蓄熱槽6の底部に位置する一端
を閉じると共に、その底部に位置する部分に複数の小さ
な穴を設ける。空気などの気体や加圧液体をパイプ17
に搬送すると、蓄熱槽6内の底部の複数の穴から気泡ま
たは加圧液体が吹出す。蓄熱槽6内の蓄熱媒体への気泡
または加圧液体の吹出しが安定してきた後、液冷媒搬送
手段1を起動する。
【0081】蓄熱槽6内の蓄熱媒体へ気泡または加圧液
体の吹出しを行うと、蓄熱槽6内で冷媒液化手段2との
熱交換により融解された液体蓄熱媒体に流れや渦や乱れ
を生じさせることができる。このため、冷媒液化手段2
と接する液体蓄熱媒体の温度境界層が薄くなり、熱伝達
率が向上する。その結果、冷媒液化手段2内で、冷媒の
凝縮液化が促進されて冷媒液化手段2内に液冷媒を短時
間により多く溜めることができる。
【0082】液冷媒搬送手段1が停止中でも、蓄熱槽6
に蓄熱されている場合、ポンプ16を起動することで冷
媒の凝縮液化が起こって冷媒液化手段2内に液冷媒が滞
溜する。例えば液冷媒搬送手段1が冷媒液化手段2より
も低い位置に設置されており、液冷媒搬送手段1と冷媒
液化手段2を接続する吸入側冷媒配管4が上方から下方
へスムーズに傾斜して配置されているとすると、液冷媒
は自重によって冷媒液化手段2から吸入側冷媒配管4を
通って液冷媒搬送手段1に移動する。この状態で、液冷
媒搬送手段1を起動すれば、確実に液冷媒を吸入するこ
とができる。また、蓄熱槽6に気泡または加圧液体を吹
出す機構を設けた構成は、液冷媒搬送手段1と冷媒液化
手段2の高低差が上記のように配設されている場合にの
み効果を発揮するものではない。液冷媒搬送手段1の起
動前に温度差や圧力差など他の機構によって液冷媒を液
冷媒搬送手段1の吸入側に移動する構成の冷凍サイクル
装置において、蓄熱槽6に気泡または加圧液体を吹出す
機構を設けることで、液冷媒搬送手段1の起動時または
起動直後の冷媒の液化を促進して、液冷媒をより即座に
吸入側冷媒配管4に移動できる。このため、液冷媒搬送
手段1の起動前にあらかじめ滞溜させておく必要のある
吸入側液冷媒の滞溜量を少なくできるという効果を奏す
る。
【0083】また、ポンプ16を起動してから、蓄熱槽
6内の蓄熱媒体への気泡または加圧液体の吹出しが安定
するまでの時間は短いので、液冷媒搬送手段1の起動と
同時に気体または液体ポンプ16を起動してもよい。ま
た、搬送手段17の構成として、蓄熱槽6の底部に位置
する部分を、小さい複数の小穴を有するマットで構成し
てもよい。また、蓄熱槽6の底部に網状のマットを設け
ておき、このマットの下側に気体や加圧液体を輸送する
ようにしてもよい。
【0084】以上のように、本実施の形態では、液冷媒
搬送手段1を起動する前に、気体または液体ポンプ16
を運転して、蓄熱槽6の下方に設置した気体または加圧
液体搬送手段17を介して気泡または加圧液体を蓄熱槽
6内に吹出す。これにより、冷媒液化手段2内で冷媒の
凝縮液化が促進されて、液冷媒搬送手段1の起動時、ま
たは起動後短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1
の吸入口へ供給することができ、液冷媒搬送手段1の起
動時の信頼性向上をはかるとともに、液冷媒搬送手段1
の起動後も、液冷媒搬送手段1の吸入側へ液冷媒を安定
して供給することができる。
【0085】実施の形態7.以下、本発明の実施の形態
7による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。本実施の形態は、液冷媒搬送
手段1の運転を頻繁にON/OFFすると、液冷媒搬送
手段1の起動回数が多くなって液冷媒搬送手段1の吸入
口にガス冷媒が混入する可能性が高くなることに対し、
起動回数を減らして安定した運転方法を提供するもので
ある。図20は本実施の形態による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図である。本実施の形態では、例え
ば冷媒液化手段2は蓄熱槽6内に浸漬されている構成と
している。図において、12は液冷媒搬送手段1と並列
に設けられたバイパス回路であり、20a、20b、2
0cはそれぞれ流路切換手段で、例えば開閉弁である。
液冷媒搬送手段1と並列に開閉弁20cを有するバイパ
ス回路12を備え、さらに液冷媒搬送手段1と冷媒液化
手段2の間でかつバイパス回路12への分岐部よりも冷
媒液化手段2側に開閉弁20aを設け、液冷媒搬送手段
1の吐出側でバイパス回路12への分岐部よりも冷媒気
化手段3側に開閉弁20bを設けた構成としている。開
閉弁20aは液冷媒搬送手段1と冷媒液化手段2の間の
冷媒回路を開閉し、開閉弁20bは液冷媒搬送手段1と
冷媒気化手段3の間の冷媒回路を開閉し、開閉弁20c
はバイパス回路12を開閉する。
【0086】冷凍サイクル装置において、冷媒気化手段
3で冷房負荷が発生しており、液冷媒搬送手段1だけを
運転して冷房運転を行う場合の動作について、図に基づ
いて説明する。開閉弁は20a、20bを開いて、開閉
弁20cを閉じ、液冷媒搬送手段1を運転する。液冷媒
搬送手段1から吐出した液冷媒は、開閉弁20bを介し
て冷媒気化手段3に流入し、ここで流通冷媒温度より高
い温度の周囲空気と熱交換して蒸発し、ガス冷媒となっ
て流出する。冷媒気化手段3での冷媒の蒸発によって室
内を冷房する。冷媒気化手段3から流出したガス冷媒
は、冷媒液化手段2に流入し、ここで流通冷媒温度より
低い温度の空気などの媒体と熱交換して凝縮し、液冷媒
となって流出する。この後、液冷媒は開閉弁20aを介
して液冷媒搬送手段1の吸入口に流入する。冷媒液化手
段2は蓄熱槽6内の蓄熱媒体に蓄熱されている冷熱と熱
交換するように構成してもよい。
【0087】次に、液冷媒搬送手段1だけを運転して冷
房運転を行っているときに、冷媒気化手段3で冷房負荷
が無くなった場合の動作について説明する。負荷が無く
なった状態とは、冷媒気化手段3で負荷が発生していな
い状態であり、これは冷媒気化手段3の電源が例えば利
用者によって停止されて利用されていない状態、または
室内温度が目標温度に達した時である。本実施の形態で
は、冷媒気化手段3の負荷が無くなっても、液冷媒搬送
手段1の運転を継続する。即ち、液冷媒搬送手段1の運
転を継続しながら、開閉弁20bを閉じた後、短時間内
に開閉弁20aを閉じて、開閉弁20cを開ける。液冷
媒搬送手段1を吐出した液冷媒は、開閉弁20c、バイ
パス管12を流通して液冷媒搬送手段1の吸入口へ流入
する。この後、冷媒気化手段3で冷房負荷が発生するま
で、液冷媒搬送手段1のバイパス運転を維持する。
【0088】バイパス運転中は液冷媒搬送手段1がガス
冷媒を吸込まないように、バイパス回路を液冷媒で満た
しておく必要がある。そこで、冷房運転からバイパス運
転へ切換える時、開閉弁20bを閉じた後、短時間内に
開閉弁20aを閉じるというように、開閉弁20aと開
閉弁20bを閉じるタイミングをずらしている。このた
め、バイパス回路12内に液冷媒を満たすことができ
る。この開閉弁20a、20bの閉じるタイミングのず
れ時間は、例えば実験やシュミレーションによって適当
なずれ時間を検知して、予め設定しておけばよい。
【0089】次に、冷媒気化手段3の冷房負荷が無い状
態から冷房負荷が発生した場合の動作について説明す
る。冷媒気化手段3の冷房負荷が無い状態では、先に説
明したように液冷媒搬送手段1を運転して液冷媒をバイ
パス回路12に流通させている。この液冷媒搬送手段1
のバイパス運転を継続しながら、開閉弁20a、20b
を開き、開閉弁20cを閉じる。このとき、開閉弁20
a、20b、20cを切換える前に冷凍サイクル装置X
内の冷媒を吸入側冷媒配管4や冷媒液化手段2に実施の
形態1〜5で示した方法で移動して溜める動作を付加す
ると、切換え時に液冷媒搬送手段1の吸入口への液冷媒
の供給がより確実になる。
【0090】本実施の形態のように、冷媒気化手段3で
の冷房負荷が無い場合にバイパス回路12を形成して液
冷媒搬送手段1の運転を継続することで、次のような効
果を奏する。液冷媒搬送手段1の起動時に、その吸入口
と冷媒液化手段2を連接する吸入側冷媒配管4内にガス
冷媒が流入しやすく、液冷媒搬送手段1の吸入口にガス
冷媒が混入する可能性が高くなり、液冷媒搬送手段1の
機器損傷を生じる可能性がある。このため、できるだけ
液冷媒搬送手段1の起動機会を低減することで、液冷媒
搬送量の安定化、および液冷媒搬送手段1の損傷を回避
することができる。また、バイパス回路12を構成する
ことで、冷媒気化手段3や冷媒液化手段2に冷媒を流通
させずに、冷媒気化手段3や冷媒液化手段2で熱交換作
用を発生させることなく、冷房負荷の無い状態に対応で
き、かつ液冷媒搬送手段1の起動機会を低減することが
できる。
【0091】また、冷凍サイクル装置を空調などに利用
する際、ピークカット運転と称し、ある時間帯またはあ
る条件下では他の冷媒搬送手段を起動しないという契約
を結ぶ場合がある。このような場合に液冷媒搬送手段1
の起動を失敗すると、他の冷媒搬送手段を起動すること
ができないので、場合によっては冷凍サイクル装置を動
作できない状況に陥ってしまう。そこで、バイパス回路
12を利用して液冷媒搬送手段1の起動回数を低減し、
確実に液冷媒搬送手段1を運転させる。例えば圧縮機な
どの冷媒搬送手段よりも大幅に入力の小さい液冷媒搬送
手段1を用いて冷凍サイクル装置を動作させることで、
必要電力量の少ないピークカット運転を行うことができ
る。
【0092】図21は本実施の形態による冷凍サイクル
装置の別の構成を示す冷媒回路図である。この冷凍サイ
クル装置Xは、バイパス回路12に液冷媒を滞溜するレ
シーバ13と開閉弁20dを備えている。冷媒気化手段
3で冷房負荷が無い場合には、開閉弁20a、20bを
閉じ、開閉弁20c、20dを開いて、冷媒を液冷媒搬
送手段1とバイパス回路12とレシーバ13を循環させ
る。このとき、レシーバ13に液冷媒を滞溜しておけば
液冷媒が不足するのを防ぐことができる。この構成で
も、液冷媒搬送手段1の運転を継続しながら、まず開閉
弁20bを閉じた後、短時間内に開閉弁20aを閉じ
て、開閉弁20c、20dを開けることで、バイパス回
路12内に液冷媒を満たすことができるはずである。こ
の開閉弁の開閉のタイミングがずれたりして、バイパス
回路12を循環する液冷媒が不足した状態になった場
合、レシーバ13に例えば外部から液冷媒を移動するこ
とで、この液冷媒不足で運転されるのを防止することが
できる。
【0093】なお、図20、21では冷媒の流路切換手
段として3つの開閉弁20a、20b、20cを有する
構成としたが、これに限るものではない。例えば液冷媒
搬送手段1の前後の冷媒回路の分岐部に、それぞれ三方
弁などを設けてもよい。冷媒液化手段2、液冷媒搬送手
段1、冷媒気化手段3を循環する冷媒回路と、液冷媒搬
送手段1、バイパス回路12を循環する冷媒回路とを切
換えることができればよい。また、上記説明では冷媒気
化手段3で冷房負荷が無くなった場合について説明した
が、これば冷凍サイクル装置の冷媒気化手段3での冷媒
の蒸発を冷房に利用している場合のことであり、冷凍サ
イクル装置の冷媒液化手段2での冷媒の凝縮を利用して
いる場合には、冷媒液化手段2での負荷が無くなった場
合となる。
【0094】バイパス回路12で液冷媒搬送手段1の吸
入口と吐出口とを接続するバイパス回路12を設けるこ
とに限らず、冷媒液化手段2を迂回するバイパス回路と
冷媒気化手段3を迂回するバイパス回路をそれぞれ設け
て、冷媒液化手段2または冷媒気化手段3の利用負荷が
無い時は、液冷媒搬送手段1の運転を継続したままで冷
媒液化手段2または冷媒気化手段3に冷媒を流通させな
いように構成してもよい。負荷が無い時でも液冷媒搬送
手段1を運転することで、液冷媒搬送手段1の吸入口に
ガス冷媒が混入する可能性が高くなる液冷媒搬送手段1
の起動機会を低減できる。これにより、液冷媒搬送量を
安定して運転でき、液冷媒搬送手段1の機器損傷を回避
することができ、冷凍サイクル装置として信頼性の向上
を図ることができる。
【0095】実施の形態8.以下、本発明の実施の形態
8による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。図22は本実施の形態による
冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。図に
おいて、14は冷媒搬送量の調整手段である。
【0096】調整手段14は、例えば液冷媒搬送手段1
が液ポンプである場合、その電圧を増減し得る電圧可変
装置である。調整手段14によって、電圧を下げること
で液冷媒搬送手段1の回転数を低減して、冷媒搬送量を
低減でき、逆に電圧を上げることで液冷媒搬送手段1の
回転数を増加して、冷媒搬送量を増加できる。
【0097】調整手段14を用いて、液冷媒搬送手段1
の起動時には、その時の負荷に対応する液冷媒搬送量よ
りも少ない搬送量になるように調整する。図23は本実
施の形態に係わり、負荷に対する冷媒搬送量の関係を示
すグラフで、横軸に冷媒気化手段3での負荷として、室
温−目標室内温度とした温度差(℃)を示し、縦軸は冷
媒流量である。この冷媒流量は液冷媒搬送手段1の周波
数(Hz)におきかえることもできる。このグラフで示
すように、冷媒気化手段3が置かれている室内の室温と
目標室内温度との差を冷媒気化手段3における負荷の大
きさとし、この大きさに対して必要な冷媒流量が定格流
量として決定される。冷凍サイクル装置を構成したと
き、負荷に対する冷媒流量の情報をあらかじめ試運転や
シュミレーションで設定しておく。
【0098】冷媒搬送手段1を起動した時には、冷媒搬
送量を負荷の大きさから決定される定格流量よりも少な
い冷媒搬送量で運転する。例えば定格流量の1/2程度
でもよい。冷媒搬送量を少なくすると冷媒質量速度が小
さくなるため、冷媒液化手段2において、熱交換する際
のエンタルピー差が大きくなって液化が促進される。従
って、冷媒液化手段2の出口部から液冷媒搬送手段1の
吸入口までの間で、液冷媒搬送手段1で搬送されていく
液冷媒の量に対する冷媒液化手段2の出口から流入する
液冷媒の量は、搬送量を大きくした時よりも多くなる。
このため、液冷媒搬送手段1の起動時または起動後極め
て短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の吸入口
へ供給でき、液冷媒搬送手段1をスムーズに起動するこ
とができる。液冷媒搬送手段1の冷媒搬送量が安定した
後は、調整手段14によって例えば電圧を上げ、その時
の負荷に対応する液冷媒搬送量である定格流量になるよ
うに冷媒搬送量を増加する。ここで、例えば液冷媒搬送
手段1の電流または電力を測定し、その測定値が所定時
間の範囲で所定範囲内に収まっている時に、液冷媒搬送
手段1の液冷媒搬送量が安定したと判断する。さらに例
えば電流または電力の測定値の変動量が、測定値の絶対
値に対して±数%よりも小さくなった場合に、電流また
は電力の測定値がほぼ一定であると見なす。液冷媒搬送
手段1を起動後、例えば液冷媒搬送手段1の電流または
電力の測定値が所定時間の範囲で所定範囲内に収まって
いる時に、冷媒液化手段2から液冷媒搬送手段1への冷
媒搬送量が安定したと判断して、冷媒搬送量を増加す
る。このとき冷媒搬送量が検出できない場合は、所定時
間に基づいて冷媒搬送量を増加してもよい。即ち、液冷
媒搬送手段1を起動して冷媒搬送量を定格流量の1/2
に調整する。そしてあらかじめ設定している所定時間経
過後、例えば数十秒程度の時間が経過したら、冷媒搬送
量を定格流量に増加して運転する。この所定時間は、冷
媒液化手段2から液冷媒搬送手段1間の冷媒配管長や冷
媒気化手段3での負荷や冷媒流量によって異なるが、例
えば実験やシュミレーションによって適当な時間を検知
して、予め設定しておけばよい。
【0099】なお、冷媒搬送量の調整手段14は、上記
のように電圧可変装置に限るものではなく、例えば液冷
媒搬送手段1がギア式液ポンプの場合、ギアを複数設け
ておき、運転するギア数を変えることで搬送量を調整す
ることもできる。また、液冷媒搬送手段1の吐出側に膨
張弁などを設けておき、その開度を変えることで、搬送
量を調整することもできる。
【0100】以上のように、本実施の形態では、冷媒搬
送量の調整手段14を設けて液冷媒搬送手段1での冷媒
搬送量を調整することで、液冷媒搬送手段1の運転状況
に合わせて適した量の液冷媒を搬送するように構成し、
液冷媒搬送手段1の吸入側に液冷媒をスムーズに供給で
きる。
【0101】実施の形態9.以下、本発明の実施の形態
9による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の運
転方法について説明する。本実施の形態は蒸気圧縮式の
冷凍サイクルを有する冷凍サイクル装置であり、例えば
室内の冷房を行っている。図24は本実施の形態による
冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。図に
おいて、3は冷媒気化手段で、ここでは利用側熱交換器
として動作している。20a、20b、20c、20d
は例えば開閉弁などの流路切換手段、21a、21bは
例えば膨張弁などの減圧手段、23は冷媒液化手段で、
ここでは熱源側熱交換器として動作している。24は例
えば蓄熱用熱交換器で蓄熱槽6内の蓄熱媒体に浸漬さ
れ、蓄熱槽6に冷熱を蓄熱する場合には冷媒気化手段と
なり、蓄熱槽6に蓄熱されている冷熱を利用する場合に
は冷媒液化手段となる。25は例えば圧縮機などの熱源
側冷媒搬送手段である。
【0102】蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いた冷熱の蓄
熱運転の動作について説明する。開閉弁20a、20
b、20cを開、開閉弁20dを閉とする。また、減圧
手段21aは所定の開度または冷凍サイクル運転状態に
応じてその開度を制御し、減圧手段21bは全閉にす
る。液冷媒搬送手段1は運転を停止しており、単にその
内部を冷媒が通過可能な冷媒流路を構成している。圧縮
機25で圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、熱源側熱
交換器23に流入し、例えば熱源側熱交換器23が液体
−気体熱交換器の場合には、流通冷媒温度より低い温度
の周囲空気に熱を奪われて凝縮液化される。そして熱源
側熱交換器23から流出した高圧液冷媒は、減圧手段2
1aで減圧されて低温の低圧二相状態になり、途中開閉
弁20a、液冷媒搬送手段1、吸入側冷媒配管4を介し
て、蓄熱用熱交換器24に流入する。ここで蓄熱槽6内
の蓄熱媒体が流通冷媒温度より高い温度の場合、蓄熱媒
体から熱を回収し、冷媒は蒸発して低圧ガス状態とな
る。この低圧ガス冷媒は、蓄熱用熱交換器24から流出
して、途中開閉弁20b、開閉弁20cを介して、圧縮
機25の吸入口へ流入する。一方、蓄熱槽6では、例え
ば水である蓄熱媒体が、蓄熱用熱交換器24を流通する
冷媒に熱を奪われて温度が低下し、凝固点に到達すると
凝固して氷の状態で冷熱を蓄熱する。
【0103】次に第1利用運転として、圧縮機25を停
止して液冷媒搬送手段1を運転し、利用側熱交換器3で
冷房を行う動作について説明する。開閉弁20a、20
b、20dを開、開閉弁20cを閉とする。減圧手段2
1aを全閉にして、減圧手段21bを所定の開度または
冷凍サイクルの状態に応じてその開度を制御する。液冷
媒搬送手段1から吐出した液冷媒は、開閉弁20a、減
圧手段21bを介して利用側熱交換器3へ流入し、ここ
で流通冷媒温度より高い温度の周囲空気から熱を回収し
て蒸発して気化し、ガス冷媒となる。利用側熱交換器3
は冷房を行う室内に設置されており、室内空気の熱を回
収して冷房が行われる。次に利用側熱交換器3から流出
したガス冷媒は開閉弁20d、開閉弁20bを介して蓄
熱用熱交換器24に流入し、ここで流通冷媒温度より低
い温度の蓄熱槽6内の蓄熱媒体に熱を奪われる。冷媒は
凝縮して液化し、液冷媒となって吸入側冷媒配管4を流
通して液冷媒搬送手段1の吸入口へ流入する。一方、蓄
熱槽6内の例えば氷のような固体となって冷熱を蓄熱し
ていた蓄熱媒体は、蓄熱用熱交換器24を流通する冷媒
に冷熱を奪われ、融解しはじめて水のように液体とな
り、すべての固体蓄熱媒体が液体に代わると、液体蓄熱
媒体の温度が上昇する。この運転で、減圧手段21bの
開度を制御して利用側熱交換器3の出口の冷媒過熱度を
適当な目標値に近づけると、循環している冷媒の利用側
熱交換器3での滞溜量を最適化でき、冷房装置としての
性能を向上することができる。
【0104】液冷媒搬送手段1は起動時や運転時に、液
冷媒搬送手段1の吸入側に接続されている吸入側冷媒配
管4や蓄熱用熱交換器24を液冷媒で満たしておく必要
がある。吸入側冷媒配管4に液冷媒が満たされていない
場合は、液冷媒搬送手段1の吸入側に気液二相冷媒が流
入し続ける液冷媒不足状態が発生して、冷媒循環量の低
下や不安定化を招く。さらには、液冷媒搬送手段1内で
昇圧するときに気液二相冷媒内の気泡がつぶされ、その
衝撃が液冷媒搬送手段1内の部品にあたって損傷を生じ
ることもある。また、一度ガス冷媒を吸い込むと、ガス
冷媒は液冷媒より密度が十分に小さいために質量流量が
小さくなり、冷媒がほとんど循環しなくなり、液冷媒を
再び吸込みにくくなる悪循環に陥ることになる。
【0105】蓄熱運転から圧縮機25を停止して液冷媒
搬送手段1による第1利用運転に切換える場合の動作に
ついて説明する。まず圧縮機25を停止後、すぐに減圧
手段21aを全開にして、熱源側熱交換器23から吸入
側冷媒配管4に通じる冷媒回路を開く。すると、蓄熱運
転時に高圧液冷媒が滞溜していた熱源側熱交換器23の
液管側から、蓄熱運転時に低圧二相状態の冷媒が流通し
ていた吸入側冷媒配管4と蓄熱用熱交換器24へ、減圧
手段21a、開閉弁20aを介して最初は圧力差によっ
て冷媒が移動する。次に冷媒回路内の圧力が均圧化する
と、冷媒回路内で最も温度の低い蓄熱用熱交換器24に
温度差を利用して冷媒が流入しはじめる。そして温度の
低い蓄熱用熱交換器24で凝縮液化して液冷媒として溜
まっていく。この後、減圧手段21a、21b、開閉弁
20c、20dを第1利用運転の冷媒回路に切換えた後
に、液冷媒搬送手段1を起動する。ここで、液冷媒搬送
手段1の吸入側に滞溜させる必要のある液冷媒量は、実
施の形態1と同様である。
【0106】以上の運転において、蓄熱運転中に、液冷
媒搬送手段1の吸入口と蓄熱用熱交換器24を接続する
吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24に低圧二相状態
の冷媒を流通させて、この部分を低温、低圧にしてお
く。そしてその後第1利用運転に切換えると、冷媒回路
の圧力差や温度差、場合によっては位置高さによる高低
差を利用して、吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24
に液冷媒が滞溜する。その後に液冷媒搬送手段1を起動
することで、液冷媒搬送手段1の起動時に液冷媒搬送手
段1の吸入口に液冷媒を確実に供給することができる。
また、蓄熱運転から第1利用運転に切換える際、蓄熱運
転中に液冷媒搬送手段1の吸入側を運転冷凍サイクルに
組み込まず、蓄熱運転中で液冷媒搬送手段1を起動する
直前に、吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24に低圧
二相状態の冷媒を流通させて、この部分を低温、低圧に
しても、同様の効果がある。
【0107】図25は、蓄熱運転から液冷媒搬送手段1
による冷房運転へ切換える時の運転方法の一例を示すタ
イムチャートであり、横軸は時間を示している。蓄熱運
転では、液冷媒搬送手段1はOFF、減圧手段21bを
全閉、開閉弁20dを閉、開閉弁20a、20b、20
cを開として、圧縮機25を運転し、減圧手段21aは
所定の開度に制御する。そこで、冷房運転の要求があっ
た場合、蓄熱槽6に冷熱が蓄熱されている場合には、液
冷媒搬送手段1による冷房運転を行う。この運転では必
要電力量が圧縮機25を運転するよりも大幅に少ない。
そこで、冷媒回路を切換える必要があるが、この切換え
処理をインターバルとして示している。即ち、圧縮機2
5を停止(OFF)後、すぐに減圧手段21aを全開に
する。その他の機器は切換えずに、蓄熱運転の状態を継
続する。このインターバルの間に、圧力差や温度差によ
って、吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24に液冷媒
が滞溜する。吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24に
十分な液冷媒が滞溜した後、減圧手段21bを所定開度
に制御し、開閉弁20c、20dを切換えて液冷媒搬送
手段1を起動(ON)する。
【0108】また、液冷媒搬送手段1の起動前に、液冷
媒を吸入側冷媒配管4に溜める別の方法として、図26
のように吸入側冷媒配管4の途中に起動用レシーバ5を
備えてもよい。蓄熱運転中は起動用レシーバ5も運転冷
凍サイクルに組込んで低圧二相状態の冷媒を流通させ、
図25と同様に運転して蓄熱運転から液冷媒搬送手段1
による冷房運転に切換えると、インターバルの間に液冷
媒は起動用レシーバ5にも滞溜される。また、蓄熱運転
中は起動用レシーバ5を運転冷凍サイクルに組込まず、
蓄熱運転から第1利用運転に切換える際、蓄熱運転中の
液冷媒搬送手段1を起動する前に、起動用レシーバ5に
低圧二相状態の冷媒を流通させて、この部分を低温、低
圧にしても、同様の効果がある。起動用レシーバ5を備
えると、液冷媒搬送手段1の起動時に液冷媒をより確実
に液冷媒搬送手段1の吸入口に供給することができる。
この起動用レシーバ5は蓄熱槽6中に設けられていても
よい。また、起動用レシーバ5の必要容量は、実施の形
態2と同様である。
【0109】また、液冷媒搬送手段1の起動前に吸入側
に液冷媒を溜める別の方法として、図27のように各機
器に高低差をつけてもよい。即ち、蓄熱運転時に高圧液
冷媒が溜まる熱源側熱交換器23の位置高さを液冷媒搬
送手段1の吸入口または蓄熱用熱交換器24または起動
用レシーバ5より高くする。蓄熱運転を行っている状態
から圧縮機25を停止して減圧手段21aを全開にする
と、熱源側熱交換器23内の液冷媒は、高低差があるた
め冷媒の自重によって、減圧手段21a、開閉弁20a
を介して吸入側冷媒配管4または蓄熱用熱交換器24ま
たは起動用レシーバ5へ移動する。この高低差による冷
媒の移動は、冷凍サイクル装置の設置環境によって不可
能なこともあるので、圧力差や温度差による冷媒の移動
に加えて、補助的なものとして構成するのが好ましい。
【0110】また、起動用レシーバ5を有する構成の場
合には、図28のように起動用レシーバ5を迂回するバ
イパスする回路と開閉弁20e、20fを設けてもよ
い。液冷媒搬送手段1の起動前は開閉弁20eを開き、
開閉弁20fを閉めて液冷媒を起動用レシーバ5に滞溜
させる。液冷媒搬送手段1の起動後は、液冷媒が蓄熱用
熱交換器24から安定して供給されるまでに要する時間
が経過した後、または液冷媒搬送手段1の液冷媒搬送量
が安定してきた後、開閉弁20eを閉めて、開閉弁20
fを開き、起動用レシーバ5へ冷媒を流通させることな
く液冷媒搬送手段1を運転する。液冷媒搬送手段1の起
動時に起動用レシーバ5に冷媒を流通させることで、液
冷媒搬送手段1の起動時または起動後極めて短時間内に
液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の吸入口へ供給でき、
スムーズに冷凍サイクル装置を起動することができる。
さらに、冷媒搬送量が安定した後、起動用レシーバ5に
冷媒を流通させないので、常に液冷媒搬送手段1がガス
冷媒を吸入することなく運転でき、液冷媒搬送手段1の
信頼性向上および性能向上を保持できる。
【0111】次に本実施の形態のような構成の冷凍サイ
クル装置で、蓄熱した冷熱が利用された後でも利用側熱
交換器3で冷房の要求がある場合のために、圧縮機25
を利用した冷房運転を行うことができる。以下、第2利
用運転として、液冷媒搬送手段1を停止して圧縮機25
を運転し、利用側熱交換器3で冷房を行う動作について
説明する。図24において、開閉弁20c、20dを
開、開閉弁20a、20bを閉とする。減圧手段21a
を所定の開度または冷凍サイクルの状態に応じてその開
度を制御し、減圧手段21bを全開にする。圧縮機25
で圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、熱源側熱交換器
23に流入し、例えば熱源側熱交換器23が冷媒−空気
熱交換器の場合には、流通冷媒温度より低い温度の周囲
空気に熱を奪われて凝縮液化される。そして熱源側熱交
換器23から流出した高圧液冷媒は、減圧手段21aで
減圧されて低圧二相状態になり、途中減圧手段21bを
介して利用側熱交換器3に流入する。ここで流通冷媒温
度より高い温度の室内空気と熱交換し、冷媒は蒸発して
低圧ガス状態となり、途中開閉弁20d、開閉弁20c
を介して、圧縮機25の吸入口へ流入する。
【0112】圧縮機25を運転する第2利用運転を行っ
ている間に、例えば別の冷凍サイクルを用いるなどの何
らかの方法によって蓄熱槽6に冷熱を蓄熱し、液冷媒搬
送手段1を運転する第1利用運転に切換える場合の運転
方法について説明する。この場合には、冷凍サイクル装
置を例えば図29のように構成する。この構成は、開閉
弁20fを介して減圧手段21aの下流側と吸入側冷媒
配管4とを接続する冷媒流路を設けている。第2利用運
転中に、開閉弁20f、20aを開、開閉弁20eを閉
とすると、減圧手段21aで減圧されて低圧二相状態に
なった冷媒が吸入側冷媒配管4を流通した後、利用側熱
交換器3に流入することになる。このため吸入側冷媒配
管4は低圧二相状態の冷媒によって低圧、低温になる。
そして、第1利用運転に切換える際に、まず圧縮機25
を停止後、すぐに減圧手段21aを全開とし、熱源側熱
交換器23から吸入側冷媒配管4に連通する冷媒回路を
開く。すると、第2利用運転時に高圧液冷媒が滞溜して
いた熱源側熱交換器23の液管側から、第2利用運転時
に低圧二相状態の冷媒が流通していた吸入側冷媒配管4
へ、減圧手段21a、開閉弁20fを介して最初は圧力
差によって冷媒が移動する。次に冷媒回路内の圧力が均
圧化すると、温度差を利用して冷媒が吸入側冷媒配管4
に流入して液冷媒として溜まっていく。この後、減圧手
段21a、21b、開閉弁20c、20d、20e、2
0fを第1利用運転の冷媒回路に切換えた後に、液冷媒
搬送手段1を起動する。ここで、液冷媒搬送手段1の吸
入側に滞溜させる必要のある液冷媒量は、実施の形態1
と同様である。
【0113】以上の運転において、第2利用運転中に、
液冷媒搬送手段1の吸入口と蓄熱槽熱交換器24を接続
する吸入側冷媒配管4に低圧二相状態の冷媒を流通させ
て、この部分を低温、低圧にしておく。そしてその後第
1利用運転に切換えると、冷媒回路の圧力差や温度差、
場合によっては位置高さによる高低差を利用して、吸入
側冷媒配管4に液冷媒が滞溜する。その後に液冷媒搬送
手段1を起動することで、液冷媒搬送手段1の起動時に
液冷媒搬送手段1の吸入口に液冷媒を確実に供給するこ
とができる。なお、この場合の開閉弁20fを介して接
続する冷媒流路は、その一端が第2利用運転で低圧二相
状態の冷媒が流通している部分に接続されていればよ
く、また、他端は第1利用運転での液冷媒搬送手段1の
吸入側に接続されている吸入側冷媒配管や、蓄熱槽熱交
換器24や、また起動用レシーバが設けられている場合
には起動用レシーバに接続されていてもよい。また、図
29の構成において、第2利用運転から第1利用運転に
切換える際の液冷媒搬送手段1を起動する直前に、低圧
二相冷媒が吸入側冷媒配管4を流通するように運転して
もよいし、第2利用運転で常に低圧二相冷媒が液冷媒搬
送手段1の吸入側を流通するように運転してもよい。
【0114】なお、図24、図26、図28、図29で
は冷媒の流路切換手段として開閉弁20b〜20fを有
する構成としたが、これに限るものではない。例えば開
閉弁20b、20c、20dの代わりに、その冷媒回路
の分岐部に、三方弁などを設けてもよい。圧縮機25と
熱源側熱交換器23と液冷媒搬送手段1と蓄熱用熱交換
器24とを循環する蓄熱運転の冷媒回路、蓄熱用熱交換
器24と液冷媒搬送手段1と利用側熱交換器3とを循環
する第1利用運転の冷媒回路、圧縮機25と熱源側熱交
換器23と利用側熱交換器3とを循環する第2利用運転
の冷媒回路の3パターンに冷媒回路を切換えることがで
きればよい。また、図28ではさらに2つの開閉弁20
e、20fを付加した構成としたが、これに限るもので
はない。起動用レシーバ6を流通する冷媒回路と起動用
レシーバ5を迂回するバイパス回路とを切換えることが
できればよい。
【0115】以上のように、本実施の形態では、蒸気圧
縮式の冷凍サイクルと蓄熱槽を備えた構成の冷凍サイク
ル装置において、蓄熱運転または圧縮機25による第2
利用運転から液冷媒搬送手段1による第1利用運転に切
換える際、吸入側冷媒配管4または蓄熱用熱交換器24
または起動用レシーバ5を低圧二相状態の冷媒によって
低温、低圧にする。さらに切換え時に、蓄熱運転または
第2利用運転で高圧液冷媒が滞溜していた熱源側熱交換
器23から吸入側冷媒配管4または蓄熱用熱交換器24
または起動用レシーバ5へ、圧力差または温度または高
低差を利用して液冷媒を移動して滞溜する。その後に液
冷媒搬送手段1を起動することで、液冷媒搬送手段1の
起動時または起動後短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬
送手段1の吸入口へ供給することができる。このため、
液冷媒搬送手段1の起動時の信頼性向上を図ることがで
きる。さらに、吸入側冷媒配管4に起動用レシーバ5を
備えて液冷媒搬送手段1の起動時には液冷媒を滞溜し、
液冷媒搬送手段1の起動後には起動用レシーバ5に液冷
媒を流通させないで液冷媒搬送手段1を運転すれば、液
冷媒搬送手段1の起動時および起動後に常に液冷媒搬送
手段1の吸入側へ液冷媒を安定して供給することができ
る。
【0116】実施の形態10.以下、本発明の実施の形
態10による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置
の運転方法について説明する。本実施の形態は蒸気圧縮
式の冷凍サイクルを有する冷凍サイクル装置であり、図
30は本実施の形態による冷凍サイクル装置の構成を示
す冷媒回路図である。実施の形態9の図24の構成に加
えて、圧縮機25を運転して蓄熱槽6に蓄熱されている
冷熱を利用し、利用側熱交換器3で例えば室内の冷房を
行う蓄熱過冷却利用運転ができるように構成したもので
ある。図において、20e、20fは例えば開閉弁など
の流路切換手段である。
【0117】圧縮機25を運転する蒸気圧縮式冷凍サイ
クルに、さらに蓄冷熱を利用した蓄熱過冷却利用運転の
動作について説明する。開閉弁20a、20c、20
d、20fを開、開閉弁20b、20eを閉とする。ま
た、減圧手段21aは全開、減圧手段21bは所定の開
度に設定するか、冷凍サイクルの運転状態に応じてその
開度を制御する。液冷媒搬送手段1は運転を停止してお
り、単にその内部を冷媒が通過可能な冷媒流路を構成し
ている。
【0118】圧縮機25で圧縮されて吐出した高圧ガス
冷媒は、熱源側熱交換器23に流入し、例えば熱源側熱
交換器23が液体−気体熱交換器の場合には、流通冷媒
温度より低い温度の周囲空気に熱を奪われて凝縮液化さ
れる。そして熱源側熱交換器23から流出した高圧液冷
媒は、減圧手段21a、開閉弁20fを流通して蓄熱用
熱交換器24に流入する。ここで蓄冷されている蓄熱槽
6内の蓄熱媒体に熱を奪われて、さらに凝縮して冷媒を
液化して過冷却状態の高圧液冷媒となる。そして蓄熱用
熱交換器24から流出した高圧液冷媒は、途中、吸入側
冷媒配管4、液冷媒搬送手段1、開閉弁20aを介して
減圧手段21bへ流入し、ここで減圧されて低圧二相状
態となって利用側熱交換器3へ流入する。ここで流通冷
媒温度より高い温度の周囲空気から熱を回収して蒸発し
て気化し、低圧ガス冷媒となる。利用側熱交換器3は冷
房を行う室内に設置されており、室内空気の熱を回収し
て冷房が行われる。次に利用側熱交換器3から流出した
低圧ガス冷媒は開閉弁20d、20cを介して圧縮機2
5の吸入側へ流入する。一方、蓄熱槽6内の例えば氷の
ような固体となって冷熱を蓄熱していた蓄熱媒体は、蓄
熱用熱交換器24を流通する冷媒に冷熱を奪われ、融解
しはじめて水のように液体となり、すべての固体蓄熱媒
体が液体に代わると、液体蓄熱媒体の温度が上昇する。
【0119】次に液冷媒搬送手段1を運転して、利用側
熱交換器3で冷房を行う利用運転の動作について説明す
る。開閉弁20a、20b、20dを開、開閉弁20
c、20e、20fを閉とする。減圧手段21bは所定
の開度または冷凍サイクルの状態に応じてその開度を制
御する。液冷媒搬送手段1から吐出した液冷媒は、開閉
弁20a、減圧手段21bを介して利用側熱交換器3へ
流入し、ここで流通冷媒温度より高い温度の周囲空気か
ら熱を回収して蒸発して気化し、ガス冷媒となる。利用
側熱交換器3は冷房を行う室内に設置されており、室内
空気の熱を回収して冷房が行われる。次に利用側熱交換
器3から流出したガス冷媒は開閉弁20d、開閉弁20
bを介して蓄熱用熱交換器24に流入し、ここで流通冷
媒温度温度より低い温度の蓄熱槽6内の蓄熱媒体に熱を
奪われる。冷媒は凝縮して液化し、液冷媒となって吸入
側冷媒配管4を流通して液冷媒搬送手段1の吸入口へ流
入する。一方、蓄熱槽6内の例えば氷のような固体とな
って冷熱を蓄熱していた蓄熱媒体は、蓄熱熱交換器24
を流通する冷媒に冷熱を奪われ、融解しはじめて水のよ
うに液体となり、すべての固体蓄熱媒体が液体に代わる
と、液体蓄熱媒体の温度が上昇する。
【0120】蓄熱過冷却利用運転から、圧縮機25を停
止して液冷媒搬送手段1による利用運転に切換える場合
の動作について説明する。圧縮機25を運転している状
態で液冷媒搬送手段1を起動する。蓄熱過冷却利用運転
時には熱源側熱交換器23と減圧手段21bの間には高
圧液冷媒が流通しているので、この間で冷媒が通過する
吸入側冷媒配管4と蓄熱用熱交換器24には液冷媒が存
在する。このため、この状態で液冷媒搬送手段1を起動
すれば、起動時に液冷媒搬送手段1の吸入口に液冷媒を
素早く確実に供給することができ、スムーズに起動でき
る。液冷媒搬送手段1を起動して数十秒程度の一定時間
経過後、または液冷媒搬送手段1の液冷媒搬送量が安定
したら、開閉弁20c、20fを閉じ、開閉弁20bを
開けて冷媒流路を切換えると共に、圧縮機25を停止す
る。ここで、例えば液冷媒搬送手段1の電流または電力
を測定し、その測定値が所定時間の範囲で所定範囲内に
収まっている時に、液冷媒搬送量が安定したと判断す
る。さらに例えば電流または電力の測定値の変動量が、
測定値の絶対値に対して±数%よりも小さくなった場合
に、電流または電力の測定値がほぼ一定であると見な
す。
【0121】図31は、蓄熱過冷却利用運転から液冷媒
搬送手段1による利用運転へ切換える時の運転方法の一
例を示すタイムチャートであり、横軸は時間を示してい
る。蓄熱過冷却利用運転では、液冷媒搬送手段1はOF
F、減圧手段21bを全閉、開閉弁20b、20eを
閉、開閉弁20a、20c、20d、20fを開とし
て、圧縮機25を所定容量で運転し、減圧手段21aは
所定の開度または冷凍サイクルの状態に応じてその開度
を制御する。そこで、例えばピークカットの時間帯にな
るなどして省エネルギーで運転する必要の生じた場合な
ど、蓄熱槽6に蓄熱されている冷熱を利用して液冷媒搬
送手段1による冷房運転を行う。この運転では必要電力
量が圧縮機25を運転するよりも大幅に少ない。この
時、冷媒回路を切換える必要があるが、この切換え処理
では、圧縮機25を運転しながら液冷媒搬送手段1を起
動(ON)する。蓄熱過冷却利用運転時に吸入側冷媒配
管4と蓄熱用熱交換器24には液冷媒が流通しているの
で、起動時に液冷媒搬送手段1の吸入口に液冷媒を素早
く確実に供給することができる。その後、例えば数秒か
ら数十秒の一定時間経過後、または液冷媒搬送手段1の
液冷媒搬送量が安定したら、開閉弁20bを開け、開閉
弁20c、20fを閉じ、減圧手段21aを全閉として
冷媒流路を切換えて、圧縮機25を停止(OFF)す
る。
【0122】また、液冷媒搬送手段1の起動前に、液冷
媒搬送手段1の吸入口と吸入側に接続されている蓄熱用
熱交換器24を連接する吸入側冷媒配管4内に液冷媒を
溜める別の方法として、図32に示すように、図30の
吸入側冷媒配管4の途中に起動用レシーバ5を備えた構
成にしてもよい。この冷凍サイクル装置では、蓄熱過冷
却利用運転中に起動用レシーバ5も運転冷凍サイクルに
組込んで、熱源側熱交換器23と減圧手段21bの間を
流通している高圧液冷媒を起動用レシーバ5に流通させ
る。このように運転すると、蓄熱過冷却利用運転から圧
縮機25を停止して液冷媒搬送手段1による利用運転に
切換える場合、高圧液冷媒が起動用レシーバ5にも溜ま
っているため、液冷媒搬送手段1の起動時に液冷媒をよ
り確実に液冷媒搬送手段1の吸入口に供給することがで
きる。ここで起動用レシーバ5の液冷媒の滞溜量は、実
施の形態1と同様である。
【0123】このように、液冷媒搬送手段1以外の圧縮
機25などの熱源側冷媒搬送手段を利用して、吸入側冷
媒配管4または蓄熱用熱交換器24または起動用レシー
バ5に液冷媒を滞溜してから液冷媒搬送手段1を起動す
れば、液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の吸入口に供給
することができる。特に吸入側冷媒配管4または蓄熱用
熱交換器24または起動用レシーバ5に蓄熱過冷却利用
運転時に高圧液冷媒を循環させているので、この状態で
圧縮機25を停止するよりも先に液冷媒搬送手段1を起
動すれば、液冷媒を確実に液冷媒搬送手段1の吸入口に
供給することができる。
【0124】また、さらに起動用レシーバ5を吸入側冷
媒配管4に設けた構成の場合、図33のように開閉弁2
0gを起動用レシーバ5と蓄熱用熱交換器24の間の冷
媒配管に設け、開閉弁20hを起動用レシーバ5に並列
なバイパス回路に設けてもよい。液冷媒搬送手段1の起
動前は、開閉弁20gを開いて開閉弁20hを閉めてお
くと、起動用レシーバ5に液冷媒を滞溜して起動時に吸
入口へ確実に液冷媒を供給できる。さらに起動後、液冷
媒が蓄熱用熱交換器24から安定して供給されるまでに
要する時間が経過した後、または液冷媒搬送手段1の液
冷媒搬送量が安定してきた場合は、開閉弁20gを閉め
て、開閉弁20hを開き、起動用レシーバ5へ冷媒を流
通させることなく液冷媒搬送手段1を運転する。起動用
レシーバ5を起動時だけ使用して、起動後は起動用レシ
ーバ5に液冷媒が流通しないように構成することで、実
施の形態1と同様、起動時および運転時にガス冷媒が液
冷媒搬送手段1に吸入されるのを防止できる。
【0125】なお、図30、図32、図33は、蓄熱過
冷却利用運転で吸入側冷房配管4と液冷媒搬送手段1に
常に高圧液冷媒が流通する構成であるが、蓄熱過冷却利
用運転では吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手段1を流通
しない構成の冷凍サイクル装置としてもよく、この場合
には液冷媒搬送手段1による利用運転に切換える前に、
高圧液冷媒が吸入側冷媒配管4と液冷媒搬送手段1を流
通する回路構成とし、一定時間運転すればよい。
【0126】また、図30、図32、図33では冷媒の
流路切換手段として各回路を開閉する開閉弁20a〜2
0hを有する構成としたが、これに限るものではない。
例えば図30、32、33において、開閉弁20b、2
0c、20dの代わりに、その冷媒回路の分岐部に三方
弁などを設けてもよい。また、開閉弁20e、20fの
分岐部も三方弁などでも構成できる。即ち、冷媒回路の
構成が、冷熱蓄熱運転、液冷媒搬送手段1による冷房運
転、圧縮機25による冷房運転、蓄熱過冷却利用冷房運
転を行う冷媒回路に切換えることができればよい。ま
た、図33の構成においても、起動用レシーバ5を流通
する冷媒回路と起動用レシーバ5をバイパスする冷媒回
路とを切換えることができればよい。
【0127】実施の形態11.以下、本発明の実施の形
態11による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置
の運転方法について説明する。本実施の形態は、液冷媒
搬送手段1の運転を頻繁にON/OFFすると、液冷媒
搬送手段1の起動回数が多くなって、液冷媒搬送手段1
の吸入口にガス冷媒が混入する可能性が高くなることに
対し、起動回数を減らして安定した運転方法を提供する
ものである。図34は本実施の形態による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、液冷
媒搬送手段1と並列に開閉弁20fを有するバイパス回
路12を備え、さらに液冷媒搬送手段1の吸入口と蓄熱
用熱交換器24の間でかつバイパス回路12への分岐部
よりも離れた位置に開閉弁20gを設け、液冷媒搬送手
段1の吐出側でバイパス回路12への分岐部よりも離れ
た位置に開閉弁20aを設けた構成としている。開閉弁
20gは液冷媒搬送手段1と蓄熱用熱交換器24の間の
冷媒回路を開閉し、開閉弁20aは液冷媒搬送手段1と
利用側熱交換器3の間の冷媒回路を開閉し、開閉弁20
fはバイパス回路12を開閉する。
【0128】図34に示す構成の冷凍サイクル装置で、
液冷媒搬送手段1を運転して冷房運転を行う場合の動作
について説明する。開閉弁20a、20b、20d、2
0gを開、開閉弁20c、20e、20fを閉とする。
また、減圧手段21aは任意開度、減圧手段21bは所
定の開度に設定または冷凍サイクルの運転状態に応じて
その開度を制御する。このように冷媒回路を構成して液
冷媒搬送手段1を運転すると、液冷媒搬送手段1を吐出
した液冷媒は、開閉弁20a、減圧手段21bを介して
利用側熱交換器3に流入し、ここで流通冷媒温度より高
い温度の周囲空気と熱交換して蒸発し、ガス冷媒となっ
て流出する。利用側熱交換器3での冷媒の蒸発によって
室内を冷房する。利用側熱交換器3から流出したガス冷
媒は、開閉弁20d、20bを介して蓄熱用熱交換器2
4に流入し、ここで流通冷媒温度より低い温度の蓄熱槽
6内の蓄熱媒体と熱交換して熱を奪われる。そして、冷
媒は凝縮液化して液冷媒となり、蓄熱用熱交換器24か
ら流出して、開閉弁20g、吸入側冷媒配管4を流通し
て液冷媒搬送手段1の吸入口へ流入する。
【0129】次に、液冷媒搬送手段1を運転して冷房運
転を行っているときに、利用側熱交換器3の負荷が無く
なった場合の動作について説明する。負荷が無くなった
場合とは、利用側熱交換器3で負荷が発生していない状
態であり、これは利用側熱交換器3が停止されて利用さ
れていない状態、または利用目標が達成された状態例え
ば室内温度が目標温度に達した時である。本実施の形態
では、液冷媒搬送手段1の運転を継続しながら、まず開
閉弁20aを閉じた後、短時間内に開閉弁20gを閉じ
て、開閉弁20fを開ける。液冷媒搬送手段1を吐出し
た液冷媒は、開閉弁20f、バイパス管12を流通して
液冷媒搬送手段1の吸入口へ流入する。この後、再び利
用側熱交換器3で負荷が発生するまで、利用側熱交換器
3と蓄熱槽熱交換器24を迂回して液冷媒搬送手段1を
運転する。
【0130】負荷が無くなって冷媒回路を切換える際、
開閉弁20aを閉じた後、短時間内に開閉弁20gを閉
じるというように、開閉弁20aと開閉弁20gを閉じ
るタイミングをずらしているため、バイパス回路12内
に液冷媒を満たすことができる。この開閉弁20a、2
0gの閉じるタイミングのずれ時間は、例えば実験やシ
ュミレーションによって適当なずれ時間を検知して、予
め設定しておけばよい。
【0131】次に、利用側熱交換器3の負荷が無い状態
から負荷が発生した場合の動作は、液冷媒搬送手段1の
バイパス運転を継続しながら、開閉弁20a、20gを
開き、開閉弁20fを閉じる。このとき、開閉弁20
a、20g、20fを切換える前に冷凍サイクル装置内
の冷媒を吸入側冷媒配管4や蓄熱用熱交換器24に実施
の形態1、3、4、5で示した方法で移動して溜める動
作を加えると、切換え時に液冷媒搬送手段1の吸入口へ
の液冷媒の供給がより確実になる。
【0132】本実施の形態のように、利用側熱交換器3
での負荷が無い時にバイパス回路12を形成して液冷媒
搬送手段1の運転を継続することで、次のような効果を
奏する。液冷媒搬送手段1の起動時に、その吸入口と蓄
熱用熱交換器24を接続する吸入側冷媒配管4内にガス
冷媒が流入しやすく、液冷媒搬送手段1の吸入口にガス
冷媒が混入する可能性が高くなり、液冷媒搬送手段1の
機器損傷を生じる可能性がある。このため、できるだけ
液冷媒搬送手段1の起動機会を低減することで、液冷媒
搬送量の安定化、および液冷媒搬送手段1の損傷を回避
することができる。また、バイパス回路12を構成する
ことで、冷媒気化手段3や蓄熱用熱交換器24に冷媒を
流通させずに、冷媒気化手段3や蓄熱用熱交換器24で
熱交換作用を発生させることなく、冷房負荷の無い状況
に対応でき、かつ液冷媒搬送手段1の起動機会を低減す
ることができる。
【0133】例えば冷凍サイクル装置を空調などに利用
する際、ピークカット契約を結ぶことがある。これは、
使用電力の多くなる夏季に、一日のうちの所定時間範
囲、例えば13時から16時までの間、使用電力量の大
きい圧縮機などの熱源側冷媒搬送手段25を運転しない
という契約である。このような条件下で冷房を行うに
は、使用電力の少ない液冷媒搬送手段1を運転し利用側
熱交換器3での冷媒の蒸発を利用して、冷房を行なう装
置が必要となる。このような場合に液冷媒搬送手段1の
起動を失敗すると、他の熱源側冷媒搬送手段を起動する
ことができないので、場合によっては冷凍サイクル装置
を動作できない状況に陥ってしまう。そこで、バイパス
回路12を利用して液冷媒搬送手段1の起動回数を低減
し、確実に液冷媒搬送手段1を運転させる。このように
例えば圧縮機などの熱源側冷媒搬送手段よりも大幅に入
力の小さい液冷媒搬送手段1を用いて冷凍サイクル装置
を動作させることで、必要電力量の少ないピークカット
運転を行うことができる。
【0134】図34の構成の冷凍サイクル装置に、図1
9で示したポンプ16と搬送手段17を備え、蓄熱槽6
の底部から気泡または加圧液体を吹出して、蓄熱媒体を
撹拌するように構成してもよい。これにより、液冷媒搬
送手段1による利用運転を行っている時に、蓄熱槽6内
での熱交換効率を上げて蓄熱槽熱交換器24内の冷媒の
液化を促進させることができる。図35は、一日の所定
時間範囲内、例えば13:00〜16:00の間、使用
電力量を少なくするというピークカット契約をした場合
の運転方法の一例を示すタイムチャートである。図にお
いて、横軸は時間を示している。この運転方法の例は、
気泡または加圧液体を蓄熱槽6の底部に吹出す構成を備
え、この気泡または加圧液体の吹出しを、液冷媒搬送手
段1を運転する冷房運転で利用している。ピークカット
契約時間以外の時間で利用側熱交換器3において冷房負
荷が発生した場合、圧縮機25による第2利用運転で運
転する。ピークカット契約時間に利用側熱交換器3で冷
房負荷が発生した場合、液冷媒搬送手段1による第1利
用運転で運転すると共に、気泡または加圧液体を吹出し
て蓄熱槽熱交換器24での冷媒の液化を促進する。ピー
クカット契約時間に利用側熱交換器3の冷房負荷が無く
なった場合、液冷媒搬送手段1の運転はそのままで、バ
イパス回路12に冷媒を循環させて利用側熱交換器3と
蓄熱槽熱交換器24は迂回して冷媒が流れないように運
転する。この時、蓄熱槽6内への気泡または加圧液体の
吹出しは停止する。ピークカット契約時間に再び利用側
熱交換器3で冷房負荷が発生した場合、液冷媒搬送手段
1の運転はそのままで、冷媒回路を切換えて利用側熱交
換器3と蓄熱槽熱交換器24に冷媒を循環させる。これ
と共に、蓄熱槽6内への気泡または加圧液体の吹出しを
再開する。
【0135】以上のように、本実施の形態では、蓄熱用
熱交換器24または利用側熱交換器3の利用負荷が発生
していない時は、バイパス回路を形成して液冷媒搬送手
段1の運転を継続したままで蓄熱槽熱交換器24または
利用側熱交換器3に冷媒を流通させないように構成して
いる。このため、ガス冷媒を吸入する状態に陥ったり液
冷媒搬送手段1の機器損傷を発生しやすい液冷媒搬送手
段1の起動機会を低減できる。これにより、液冷媒搬送
量を安定して運転でき、液冷媒搬送手段1の機器損傷を
回避することができ、冷凍サイクル装置として信頼性の
向上を図ることができる。さらに、使用エネルギーを大
幅に低減できる冷凍サイクル装置が得られる。
【0136】また、図36のようにバイパス回路12内
にレシーバ13と開閉弁20hを備えてもよい。これは
図21と同様、レシーバ13に外部から液冷媒を移動さ
せるなどの何らかの手段によってレシーバ13に液冷媒
を滞溜させることで、液冷媒搬送手段1とバイパス回路
12に液冷媒を循環させる運転での液冷媒不足を防止で
きる。
【0137】実施の形態12.実施の形態1〜実施の形
態9、実施の形態11のそれぞれの実施の形態では、冷
凍サイクル装置を構成する冷媒気化手段3を室内に設置
して冷房を行う装置として説明したが、冷媒液化手段を
室内に設置して暖房を行う装置の場合も同様、本発明を
適用することができる。
【0138】図37は本実施の形態による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図であり、暖房を行うもので
ある。図において、26は蓄熱槽で内部に蓄熱媒体とし
て例えば水を有する。この蓄熱槽26は、何らかの方法
によって水の温度を上げることで温熱を蓄える構成であ
る。冷媒気化手段3を蓄熱槽26内の蓄熱媒体中に浸漬
して構成しておく。蓄熱槽26に温熱が蓄熱されている
と、この蓄熱媒体中に浸漬されている部分およびその周
辺は冷凍サイクル装置の他の部分よりも高い温度にな
る。このため、冷凍サイクル装置内の冷媒は蓄熱槽26
とは隔たった部分に移動して、凝縮液化する。即ち、冷
媒液化手段2や吸入側冷媒配管4に冷媒が移動すること
になる。液冷媒搬送手段1の吸入側に所定量の液冷媒を
移動させて滞溜させた後に、液冷媒搬送手段1を起動す
る。
【0139】このように、本実施の形態では、液冷媒搬
送手段1を起動する前に、吸入側冷媒配管4または冷媒
液化手段2に液冷媒を移動して滞溜する。この後に液冷
媒搬送手段1を起動するので、液冷媒搬送手段1の起動
時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒
搬送手段1の吸入口へ供給することができる。このた
め、液冷媒搬送手段1のガス冷媒吸込みによる冷媒搬送
量の不安定化を防止でき、また液冷媒搬送手段1内での
昇圧作用によってキャビテーションが発生し、液冷媒搬
送手段1が損傷するのを回避できる。結果としてスムー
ズに液冷媒搬送手段1を起動でき、起動時の高信頼性を
確保できる。
【0140】蓄熱槽26に温熱を蓄熱するには、例えば
冷媒気化手段3を凝縮器として動作可能なように別の冷
媒回路を構成し、凝縮器として動作させれば、冷媒が凝
縮する際に水に熱を放出するため周囲の水の温度が上が
り、温熱を蓄えることができる。上記では、温度差によ
って液冷媒搬送手段1の吸入側に接続されている冷媒液
化手段2または吸入側冷媒配管4に液冷媒を移動させる
構成としたが、圧力差や高低差によって液冷媒を移動さ
せてもよく、実施の形態1〜実施の形態11のそれぞれ
を適用することができる。ただ、温熱を利用する場合に
は冷媒液化手段2を利用側に設置することになる。
【0141】実施の形態13.以下、本発明の実施の形
態13による冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置
の運転方法について説明する。本実施の形態は、実施の
形態1〜実施の形態12の構成の応用例として、室内の
冷房または暖房を行う空気調和装置として利用したもの
である。図38は本実施の形態による冷凍サイクル装置
の構成を示す冷媒回路図である。本実施の形態では、液
冷媒搬送手段として例えば液ポンプ、熱源側冷媒搬送手
段としては例えば圧縮機25で構成している。この構成
の冷凍サイクル装置で利用側熱交換器3が設置されてい
る室内の冷房を行う時の運転モードとしては、冷熱を蓄
熱槽に蓄熱する冷熱蓄熱運転、熱源側冷媒搬送手段であ
る圧縮機を運転して冷房する圧縮機冷房運転、液冷媒搬
送手段である液ポンプを運転して冷房する液ポンプ冷房
運転、圧縮機を運転して過冷却状態を利用して冷房する
蓄熱過冷却利用運転、圧縮機と液ポンプとを併用運転し
て冷房する併用冷房運転などの運転が可能であり、場合
に応じて運転モードを変更して室内の冷房を行う。冷媒
としては例えばフロン系の冷媒で、非共沸冷媒であるR
407Cや疑似共沸冷媒であるR404Aを充填する。
また、蓄熱槽6には蓄熱媒体として例えば水を充填し、
冷熱の場合には氷とし、温熱の場合には温水として蓄熱
する。
【0142】図38では、冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱運転
での回路構成を示しており、冷媒が循環する配管を太線
で示している。ここで、開閉弁、四方弁、減圧手段のそ
れぞれの開閉状態については特に説明しないが、冷媒が
太線で示す回路で循環するように構成されているとす
る。また、圧縮機25と液ポンプ1の冷媒搬送手段も太
線で示すものを運転しているとする。図において、27
は熱源側熱交換器23に外気を送風する熱源側送風機、
28は利用側熱交換器3に室内空気を送風する利用側送
風機、29は圧縮機25の吸入側に配設されたアキュム
レータで、ガス冷媒に混在している液冷媒を貯溜して液
冷媒が圧縮機25に流入しないように作用している。ま
た、20iは例えば四方弁などの流路切換手段であり、
四方弁20iを切換えることで、圧縮機25の吐出側と
吸入側とを切換えることができる。
【0143】冷熱蓄熱運転では、圧縮機25を運転し、
図に示すように、圧縮機25→四方弁20i→熱源側熱
交換器23→減圧手段21a(全開)→減圧手段21c
(開度制御)→開閉弁20g→蓄熱槽熱交換器24→開
閉弁20b→開閉弁20c→四方弁20i→アキュムレ
ータ29→圧縮機25に冷媒を循環させる。冷媒は圧縮
機25で高温高圧のガス状態となり、熱源側熱交換器2
3で外気に熱を奪われて凝縮して高圧液冷媒となり、減
圧手段21cで減圧されて低温低圧の二相状態となり、
蓄熱槽熱交換器24で蓄熱媒体から熱を回収して蒸発
し、低温低圧のガス冷媒となって圧縮機25の吸入口に
戻る。蓄熱槽6内の水は熱を回収され、氷の状態となっ
て冷熱が蓄熱される。
【0144】次に、圧縮機冷房運転について説明する。
図39は圧縮機による冷房運転の回路構成を示してい
る。圧縮機冷房運転では、圧縮機25を運転し、図に示
すように、圧縮機25→四方弁20i→熱源側熱交換器
23→減圧手段21a(開度制御)→開閉弁20e→減
圧手段21b(全開)→利用側熱交換器3→開閉弁20
d→開閉弁20c→四方弁20i→アキュムレータ29
→圧縮機25に冷媒を循環させる。冷媒は圧縮機25で
高温高圧のガス状態となり、熱源側熱交換器23で外気
に熱を奪われて凝縮して高圧液冷媒となり、減圧手段2
1aで減圧されて低温低圧の二相状態となり、利用側熱
交換器3で室内空気から熱を回収して蒸発し、低温低圧
のガス冷媒となって圧縮機25の吸入口に戻る。利用側
熱交換器3で室内空気から熱を回収されることで、室内
の冷房が行われる。
【0145】次に、液ポンプ冷房運転について説明す
る。図40は液冷媒搬送手段1として例えば液ポンプに
よる冷房運転の回路構成を示している。液ポンプ冷房運
転では、液ポンプ1を運転し、図に示すように、液ポン
プ1→開閉弁20e→減圧手段21b(開度制御)→利
用側熱交換器3→開閉弁20d→開閉弁20b→蓄熱槽
熱交換器24→開閉弁20g→吸入側冷媒配管4→開閉
弁20a→液ポンプ1に冷媒を循環させる。これと共
に、気体または液体ポンプ16と気体または加圧液体搬
送手段17によって蓄熱槽6の底部から気泡または加圧
液体を吹出す。液ポンプ1によって蓄熱槽熱交換器24
と利用側熱交換器3とを循環する冷媒は、蓄熱槽熱交換
器24で蓄熱槽6の氷に熱を奪われて凝縮して液冷媒と
なり、利用側熱交換器3で室内空気から熱を回収して蒸
発する。利用側熱交換器3で室内空気から熱を回収する
ことで、室内の冷房が行われる。この運転で、蓄熱槽6
の底部から気泡または加圧液体を吹出すことで、蓄熱槽
熱交換器24での冷媒の凝縮液化を促進している。
【0146】冷熱蓄熱運転や圧縮機冷房運転から液ポン
プ冷房運転に切換える際、実施の形態9と同様、まず、
冷熱蓄熱運転や圧縮機冷房運転中に、液ポンプ1の吸入
口と蓄熱槽熱交換器24を接続する吸入側冷媒配管4に
低圧二相状態の冷媒を流通させて、この部分を低温、低
圧にしておく。そしてその後、圧縮機25を停止して、
液ポンプ1は停止したまま、液ポンプ冷房運転用冷媒回
路に切換えると、冷媒回路内の圧力差や温度差、場合に
よっては位置高さによる高低差を利用して、吸入側冷媒
配管4に液冷媒が滞溜する。その後に液ポンプ1を起動
することで、液ポンプ1の起動時に液ポンプ1の吸入口
に液冷媒を確実に供給することができる。さらに、その
切換え手順として、圧縮機25を停止した後、熱源側熱
交換器23から吸入側冷媒配管4に通じる冷媒回路を開
く。そうすると、高圧液冷媒が滞溜していた熱源側熱交
換器23の液管側から吸入側冷媒配管4と蓄熱用熱交換
器24へ、圧力差や温度差によって冷媒が移動する。そ
の後、冷媒回路を切換えて液ポンプ1を起動すると、液
ポンプ1の吸入口に液冷媒を確実に供給でき、スムーズ
に起動できる。
【0147】次に、蓄熱過冷却利用運転について説明す
る。図41は圧縮機25による冷房運転で、蓄熱槽6に
蓄熱されている冷熱を過冷却に利用して室内の冷房を行
うときの回路構成を示している。蓄熱過冷却利用運転で
は、圧縮機25を運転し、図に示すように、圧縮機25
→四方弁20i→熱源側熱交換器23→減圧手段21a
(全開)→減圧手段21c(全開)→開閉弁20g→蓄
熱槽熱交換器24→開閉弁20h→開閉弁20e→減圧
手段21b(開度制御)→利用側熱交換器3→開閉弁2
0d→開閉弁20c→四方弁20i→アキュムレータ2
9→圧縮機25に冷媒を循環させる。圧縮機25で圧縮
されて吐出した高圧ガス冷媒は、熱源側熱交換器23に
流入して外気に熱を奪われて凝縮液化され、蓄熱用熱交
換器24に流入する。ここで蓄冷されている蓄熱槽6内
の蓄熱媒体に熱を奪われて、さらに凝縮して冷媒を液化
して過冷却状態の高圧液冷媒となる。そして蓄熱用熱交
換器24から流出した高圧液冷媒は、減圧手段21bで
減圧されて低圧二相状態となって利用側熱交換器3へ流
入する。ここで室内空気から熱を回収して蒸発して気化
し、低圧ガス冷媒となる。この室内空気の熱を回収する
ことで冷房が行われる。次に利用側熱交換器3から流出
した低圧ガス冷媒はアキュムレータ29を介して圧縮機
25の吸入側へ流入する。
【0148】蓄熱過冷却利用運転から液ポンプ冷房運転
に切換える際、実施の形態10と同様、まず、蓄熱過冷
却利用運転中に、吸入側冷媒配管4または蓄熱用熱交換
器24に蓄熱過冷却利用運転時に高圧液冷媒を循環させ
る。その後、圧縮機25を運転しながら開閉弁20aを
開けて、液ポンプ1を起動し、その後に液ポンプ冷房運
転用冷媒回路に切換えると、液ポンプ1の吸入口に液冷
媒を確実に供給することができる。この切換え手順とし
て、圧縮機25を停止するよりも先に液ポンプ1を起動
しており、液冷媒を確実に液ポンプ1の吸入口に供給す
ることができる。
【0149】次に、併用冷房運転について説明する。図
42は本実施の形態による冷凍サイクル装置の構成で運
転可能な冷房運転として、圧縮機と液ポンプとを併用運
転して冷房するときの回路構成を示している。冷媒は、
図39に示した圧縮機冷房運転と図40に示した液ポン
プ冷房運転との両方の冷媒回路を循環する。圧縮機25
から吐出し減圧手段21aを通過した冷媒が液ポンプ1
を吐出した冷媒と合流して減圧手段21bで減圧されて
利用側熱交換器3で蒸発する。このとき室内空気の熱を
回収することで冷房が行われる。利用側熱交換器3から
流出した冷媒は開閉弁20dを通過後、開閉弁20bと
開閉弁20cへの流路に分岐して流れる。この運転はピ
ークカット契約している時には契約時間外で運転するこ
とのできる冷房運転であり、圧縮機25による冷房運転
に加えて液ポンプ1よる冷房運転を行うことで、使用電
力量を削減できる。
【0150】図43は、液ポンプ冷房運転している時に
負荷が発生していない状態即ち負荷が無い場合の回路構
成を示している。負荷が発生していない状態とは、室内
温度が目標室内温度に達した時、または利用側熱交換器
3の電源が利用者によって停止状態になったときであ
る。この運転では、液ポンプ1の運転を継続し、図に示
すように、液ポンプ1→減圧手段21c(全開)→吸入
側冷媒配管4→開閉弁20a→液ポンプ1に冷媒を循環
させる。この循環で冷媒は利用側熱交換器3と蓄熱用熱
交換器24を流通しないので、冷凍サイクル装置として
の働きは停止している。液ポンプ1の運転を頻繁にON
/OFFすると、液ポンプ1の起動回数が多くなって液
ポンプ1の吸入口にガス冷媒が混入する可能性が高くな
る。そこでこのように、負荷が発生している状態から負
荷が発生していない状態になった場合に、液ポンプ1を
継続して運転状態とすることで、液ポンプ1の起動回数
を低減し、冷凍サイクル装置としての信頼性を向上でき
る。
【0151】図44は、液ポンプ冷房運転から圧縮機冷
房運転または併用冷房運転に切換えるとき運転方法の一
例における切換え途中の回路構成を示している。この構
成では、減圧手段21aの下流側で、開閉弁20fへの
分岐部と減圧手段21cへの分岐部との間に、減圧手段
21dを設けている。液ポンプ冷房運転では、液ポンプ
1→利用側熱交換器3→蓄熱用熱交換器24→液ポンプ
1のように冷媒循環路が構成されている。この状態から
圧縮機冷房運転に切換える際、まず、図に示すように、
圧縮機25→四方弁20i→熱源側熱交換器23→減圧
手段21a(開度制御)→開閉弁20f→アキュムレー
タ29→圧縮機25のように冷媒循環路を構成して循環
させる。そして、減圧手段21aの下流側の圧力が、液
ポンプ1の吐出圧になるように減圧手段21aの開度を
制御する。減圧手段21aの下流側の圧力が、液ポンプ
1の吐出圧になったら、減圧手段21dを少しずつ開く
と共に、減圧手段21aの開度を制御して熱源側熱交換
器23の熱交換性能を少しずつ上げる。そして減圧手段
21dを全開にしたと同時に、開閉弁20cを開き、開
閉弁20fを閉じる。併用冷房運転に切換えるときはこ
れで切換え終了であり、圧縮機冷房運転に切換えるとき
は開閉弁20b、開閉弁20aを閉じて液ポンプ1を停
止する。このように圧縮機を起動する時にもこのように
切換えることで、循環する冷媒状態を保持してスムーズ
に運転モードを切換えることができる。ここで、開閉弁
20fを開度制御可能な減圧手段とし、切換え途中で減
圧手段21dを徐々に開くと共に、逆にその減圧手段を
徐々に閉じるようにしてもよい。
【0152】図38〜図44は冷凍サイクル装置で室内
冷房を行う場合の運転方法について説明したが、以下、
図45〜図47では冷凍サイクル装置で室内暖房を行う
場合の運転方法について説明する。図45は本実施の形
態による冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図で、
この構成の冷凍サイクル装置で冷媒液化手段2を利用側
熱交換器とし、この利用側熱交換器2が設置されている
室内の暖房を行う。運転モードとしては、温熱を蓄熱槽
に蓄熱する温熱蓄熱運転、圧縮機を運転して暖房する圧
縮機暖房運転、液冷媒搬送手段である液ポンプを運転し
て暖房する液ポンプ暖房運転、圧縮機と液冷媒搬送手段
である液ポンプとを併用運転して暖房する併用暖房運転
などの運転が可能であり、場合に応じて運転モードを変
更して室内の暖房を行う。冷房を行う冷凍サイクル装置
の冷媒回路図と異なる点は、圧縮機25の吸入側と吐出
側および液ポンプ1の吸入側と吐出側が逆になってい
る。ここで本実施の形態では、圧縮機25は四方弁20
iによって流路を切換えることで吸入側と吐出側を逆に
し、液ポンプ1は接続向きを逆にして暖房を行うように
しているが、液ポンプ1でも圧縮機25のように流路を
切換えることで、冷房と暖房を切換える構成としてもよ
い。
【0153】図45は温熱を蓄熱する温熱蓄熱運転での
回路構成である。温熱蓄熱運転では、圧縮機25を運転
し、図に示すように、圧縮機25→四方弁20i→開閉
弁20c→開閉弁20b→蓄熱槽熱交換器24→開閉弁
20g→減圧手段21c(開度制御)→減圧手段21a
(全開)→熱源側熱交換器23→四方弁20i→アキュ
ムレータ29→圧縮機25に冷媒を循環させる。冷媒は
圧縮機25で高温高圧のガス状態となり、蓄熱用熱交換
器24で蓄熱媒体に熱を奪われて凝縮して高圧液冷媒と
なり、減圧手段21cで減圧されて低温低圧の二相状態
となり、熱源側熱交換器23で外気から熱を回収して蒸
発し、低温低圧のガス冷媒となって圧縮機25の吸入口
に戻る。蓄熱槽6内の水は熱を放出され温水の状態とな
って温熱が蓄熱される。
【0154】次に、圧縮機暖房運転について説明する。
図46は圧縮機による暖房運転の回路構成を示してい
る。圧縮機暖房運転では、圧縮機25を運転し、図に示
すように、圧縮機25→四方弁20i→開閉弁20c→
開閉弁20d→利用側熱交換器2→減圧手段21b(開
度制御)→開閉弁20e→減圧手段21a(全開)→熱
源側熱交換器23→四方弁20i→アキュムレータ29
→圧縮機25に冷媒を循環させる。冷媒は圧縮機25で
高温高圧のガス状態となり、利用側熱交換器2で室内空
気に熱を奪われて凝縮して高圧液冷媒となり、減圧手段
21bで減圧されて低温低圧の二相状態となり、熱源側
熱交換器23で外気から熱を回収して蒸発し、低温低圧
のガス冷媒となって圧縮機25の吸入口に戻る。利用側
熱交換器3で室内空気に熱を放出することで、室内の暖
房が行われる。
【0155】次に、液ポンプ暖房運転について説明す
る。図47は液冷媒搬送手段1として例えば液ポンプに
よる暖房運転の回路構成を示している。液ポンプ暖房運
転では、液ポンプ1を運転し、図に示すように、液ポン
プ1→開閉弁20a→開閉弁20g→蓄熱槽熱交換器2
4→開閉弁20b→開閉弁20d→利用側熱交換器2→
減圧手段21b(開度制御)→開閉弁20e→吸入側冷
媒配管4→液ポンプ1に冷媒を循環させる。これと共
に、気体または液体ポンプ16と気体または加圧液体搬
送手段17によって蓄熱槽6の底部から気泡または加圧
液体を吹出す。液ポンプ1によって、冷媒を蓄熱槽熱交
換器24と利用側熱交換器2とを循環する冷媒は、蓄熱
槽熱交換器24で蓄熱槽6の温水から熱を回収し蒸発し
てガス冷媒となり、利用側熱交換器2で室内空気に熱を
奪われて凝縮液化する。利用側熱交換器2で室内空気に
熱を放出することで、室内の暖房が行われる。同時にこ
の運転で、蓄熱槽6の底部から気泡または加圧液体を吹
出すことで、蓄熱槽熱交換器24での冷媒の蒸発を促進
している。
【0156】温熱蓄熱運転や圧縮機暖房運転から液ポン
プ暖房運転に切換える際、実施の形態9と同様、まず、
温熱蓄熱運転や圧縮機暖房運転中に、液ポンプ1の吸入
口と利用側熱交換器2を接続する吸入側冷媒配管4の少
なくとも一部に低圧二相状態の冷媒を流通させて、この
部分を低温、低圧にしておく。そしてその後、圧縮機2
5を停止して液ポンプ1を停止したまま液ポンプ暖房運
転用冷媒回路に切換えると、冷媒回路内の圧力差や温度
差、場合によっては位置高さによる高低差を利用して、
吸入側冷媒配管4に液冷媒が滞溜する。その後に液ポン
プ1を起動することで、液ポンプ1の起動時に液ポンプ
1の吸入口に液冷媒を確実に供給することができる。さ
らに、切換える手順において、圧縮機25を停止した
後、温熱蓄熱運転の場合には蓄熱槽熱交換器24から吸
入側冷媒配管4に通じる冷媒回路を連通し、圧縮機暖房
運転の場合には利用側熱交換器2と吸入側冷媒配管4に
通じる冷媒回路を連通し、液ポンプ1を起動する。そう
すると、高圧液冷媒が滞溜していた蓄熱槽熱交換器24
または利用側熱交換器2から吸入側冷媒配管4や蓄熱用
熱交換器24へ、圧力差及び温度差によって冷媒が移動
する。これにより、液ポンプ1の起動時に液冷媒を確実
に液ポンプの吸入口へ供給して液ポンプ1をスムーズに
起動できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られる。
【0157】この冷凍サイクル装置の構成で併用暖房運
転も可能である。その冷媒回路は図46と図47とを組
み合わせて冷媒循環路を形成すればよい。圧縮機25に
よる暖房運転に加えて液ポンプ1による暖房運転を行う
ことで、使用電力量を削減できる。
【0158】また、液ポンプ冷房運転と同様、液ポンプ
暖房運転している時に負荷が発生していない状態即ち負
荷が無い場合、液ポンプ1の運転を継続し、液ポンプ1
→開閉弁20a→減圧手段21c(全開)→吸入側冷媒
配管4→液ポンプ1に冷媒を循環させる。この循環で冷
媒は利用側熱交換器2と蓄熱用熱交換器24を流通しな
いので、冷凍サイクル装置としての働きは停止してい
る。液ポンプ1の運転を頻繁にON/OFFすると、液
ポンプ1の起動回数が多くなって液ポンプ1の吸入口に
ガス冷媒が混入する可能性が高くなる。そこでこのよう
に、負荷が発生している状態から負荷が発生していない
状態になった場合に、液ポンプ1を継続して運転状態と
することで、液ポンプ1の起動回数を低減し、冷凍サイ
クル装置としての信頼性を向上できる。
【0159】また、本実施の形態の冷媒回路構成に加え
て、吸入側冷媒配管4に起動用レシーバを備えてもよ
い。そして、少なくとも液ポンプ1を起動する前に液冷
媒が吸入側冷媒配管4に設けた起動用レシーバに流通す
るように運転すればよい。液ポンプ1を起動後、その冷
媒搬送量が安定してきたら起動用レシーバを迂回して冷
媒を循環させてもよく、その詳細に関しては実施の形態
2と同様である。
【0160】なお、実施の形態1〜実施の形態13にお
ける冷媒としては、特に限定されるものではなく、フロ
ン系の単一冷媒、フロン系の擬似共沸混合冷媒、フロン
系の非共沸冷媒、炭化水素系冷媒、およびアンモニア冷
媒など、いずれの冷媒でも用いることができる。ただ
し、冷媒にもそれぞれ特徴があり、フロン系では、例え
ばR22などのHCFC(ハイドロクロロフルオロカー
ボン)冷媒はわずかではあるがオゾン層を破壊し、HF
C(ハイドロフルオロカーボン)冷媒は地球温暖化係数
が大きく高価である。HFC冷媒としては、例えばR1
34aなどの単一冷媒、R410Aなどの擬似共沸混合
冷媒、R407Cなどの非共沸混合冷媒がある。また、
オゾン層も破壊せず地球温暖化係数も小さいHC(炭化
水素系)冷媒は可燃性を有し、アンモニア冷媒は毒性を
有するため取り扱いに注意を要し、配管接続時の安全性
確保にコストがかかる。HC冷媒としては、例えばプロ
パンやイソブタン、アンモニアなどを用いることができ
る。
【0161】また、実施の形態1〜実施の形態13で
は、冷媒液化手段および冷媒気化手段をそれぞれ1つ設
けた構成について説明したが、これに限るものではな
く、それぞれ複数有する構成においても、同様に適用で
き、同様の効果を奏する。
【0162】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化
手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化
手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、を備え、
前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送
手段とを順次冷媒配管にて接続した構成において、前記
液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷媒液化手段を接続する
吸入側冷媒配管と、前記冷媒液化手段との少なくともど
ちらか一方に、冷媒を移動して液冷媒として溜めた後
に、前記液冷媒搬送手段を起動することを特徴とするこ
とにより、液冷媒搬送手段の起動時に液冷媒を確実に液
冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送手段をスム
ーズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られ
る。
【0163】また、請求項2に係る発明によれば、冷媒
液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下流
側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で冷
媒を循環させる液冷媒搬送手段と、を備え、前記冷媒液
化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順
次冷媒配管にて接続した構成において、前記液冷媒搬送
手段の吸入口と前記冷媒液化手段とを接続する吸入側冷
媒配管に起動用レシーバを備え、前記起動用レシーバに
冷媒を移動して液冷媒として溜めた後に、前記液冷媒搬
送手段を起動することを特徴とすることにより、液冷媒
搬送手段の起動時または起動後極めて短時間内に液冷媒
を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送
手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方
法が得られる。
【0164】また、請求項3に係る発明によれば、液冷
媒搬送手段を起動して所定の時間経過後、または前記液
冷媒搬送手段の冷媒搬送量が安定後、起動用レシーバを
迂回して冷媒を流通させることを特徴とすることによ
り、液冷媒搬送手段の起動時または起動後常にガス冷媒
が液冷媒搬送手段の吸入口へ供給されるのを防止し、信
頼性を向上できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られ
る。
【0165】また、請求項4に係る発明によれば、冷媒
液化手段と冷媒気化手段とを循環する冷媒以外の冷媒を
移動して、液冷媒として溜めることを特徴とすることに
より、液冷媒搬送手段の起動時または起動後極めて短時
間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給し
て液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル
装置の運転方法が得られる。
【0166】また、請求項5に係る発明によれば、液冷
媒搬送手段を起動して所定の時間経過後、または前記液
冷媒搬送手段の冷媒搬送量が安定後、前記冷媒の移動を
停止することを特徴とすることにより、液冷媒搬送手段
の起動時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に
液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送手段をス
ムーズに起動するができると共に、起動後は、運転冷凍
サイクルを閉回路にして冷凍サイクルの短時間での安定
化を実現できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られ
る。
【0167】また、請求項6に係る発明によれば、液冷
媒搬送手段の起動前に冷媒を移動する際、移動前と移動
後の場所にある冷媒に、圧力差および温度差および位置
高さの高低差のうちの少なくともいずれか1つを利用し
て前記冷媒を移動することを特徴とすることにより、液
冷媒搬送手段の起動時または起動後極めて短時間内に液
冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して、液冷
媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置の
運転方法が得られる。
【0168】また、請求項7に係る発明によれば、液冷
媒搬送手段の起動前に冷媒を移動する際、前記液冷媒搬
送手段とは別の冷媒搬送手段を用いて前記冷媒を移動す
ることを特徴とすることにより、液冷媒搬送手段の起動
時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒
搬送手段の吸入口へ供給して、液冷媒搬送手段をスムー
ズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られ
る。
【0169】また、請求項8に係る発明によれば、冷媒
液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下流
側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で冷
媒を搬送する液冷媒搬送手段と、を備え、前記冷媒液化
手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次
冷媒配管にて接続した構成において、前記液冷媒搬送手
段を起動後、前記冷媒液化手段または前記冷媒気化手段
における負荷が発生しているときは、前記液冷媒搬送手
段の運転によって前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段
に前記冷媒を循環させて、前記冷媒液化手段または前記
冷媒気化手段における負荷が発生していないときは、前
記液冷媒搬送手段の運転によって前記冷媒液化手段と前
記冷媒気化手段を迂回して前記冷媒を循環させることを
特徴とすることにより、液冷媒搬送手段の起動回数を減
らして、液冷媒搬送手段の高信頼性を確保できる冷凍サ
イクル装置の運転方法が得られる。
【0170】また、請求項9に係る発明によれば、冷媒
液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下流
側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で冷
媒を搬送する液冷媒搬送手段と、を備え、前記冷媒液化
手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次
冷媒配管にて接続した構成において、前記液冷媒搬送手
段の起動時は、前記冷媒気化手段または前記冷媒液化手
段での負荷に対応する液冷媒搬送量より少ない搬送量で
前記液冷媒搬送手段を運転し、その後、前記搬送量を増
加して運転することを特徴とすることにより、液冷媒搬
送手段の起動時に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入
口へ供給して液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷
凍サイクル装置の運転方法が得られる。
【0171】また、請求項10に係る発明によれば、熱
源側冷媒搬送手段と熱源側熱交換器と減圧手段と蓄熱用
熱交換器を順に接続して冷媒を循環させる蓄熱運転と、
前記蓄熱用熱交換器と液冷媒搬送手段と利用側熱交換器
を順に接続して冷媒を循環させる第1利用運転と、前記
熱源側冷媒搬送手段と前記熱源側熱交換器と前記減圧手
段と前記利用側熱交換器を順に接続して冷媒を循環させ
る第2利用運転と、を備え、前記蓄熱運転もしくは前記
第2利用運転から前記第1利用運転に切換える際、少な
くとも第1利用運転に切換える前に、前記蓄熱運転で前
記減圧手段と前記蓄熱用熱交換器との間を流通している
低圧二相状態の冷媒、もしくは前記第2利用運転で前記
減圧手段と前記利用側熱交換器との間を流通している低
圧二相状態の冷媒、が前記液冷媒搬送手段の吸入口と前
記蓄熱用熱交換器とを接続する吸入側冷媒配管に流通す
るように運転することを特徴とすることにより、液冷媒
搬送手段の起動前に液冷媒を溜めたい吸入側冷媒配管を
低圧・低温状態にでき、液冷媒搬送手段の起動時に液冷
媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬
送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置の運転
方法が得られる。
【0172】また、請求項11に係る発明によれば、吸
入側冷媒配管に起動用レシーバを備え、少なくとも第1
利用運転に切換える前に、前記蓄熱運転で減圧手段と蓄
熱用熱交換器との間を流通している低圧二相状態の冷
媒、もしくは第2利用運転で減圧手段と利用側熱交換器
との間を流通している低圧二相状態の冷媒、が前記起動
用レシーバに流通するように運転することを特徴とする
ことにより、液冷媒搬送手段の起動前に液冷媒を溜めた
い起動用レシーバを低圧・低温状態にでき、液冷媒搬送
手段の起動時に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口
へ供給して液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍
サイクル装置の運転方法が得られる。
【0173】また、請求項12に係る発明によれば、蓄
熱運転または第2利用運転から第1利用運転に切換える
際、熱源側冷媒搬送手段を停止して、熱源側熱交換器と
吸入側冷媒配管とを連通した後、液冷媒搬送手段を起動
することを特徴とすることにより、液冷媒搬送手段の起
動時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷
媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送手段をスムー
ズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方法が得られ
る。
【0174】また、請求項13に係る発明によれば、一
日の所定時間範囲内では、第1利用運転で運転すること
を特徴とすることにより、使用エネルギーを低減して運
転でき、かつ冷凍サイクル装置として信頼性を保持でき
る冷凍サイクル装置の運転方法が得られる。
【0175】また、請求項14に係る発明によれば、第
1利用運転で運転するとき、蓄熱槽の底部から気泡また
は加圧液体を吹出すことを特徴とすることにより、蓄熱
槽熱交換器内での冷媒の凝縮液化を促進し、液冷媒搬送
手段の起動時または起動後極めて短時間内に液冷媒を確
実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送手段
をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方法が
得られる。
【0176】また、請求項15に係る発明によれば、熱
源側冷媒搬送手段と熱源側熱交換器と蓄熱用熱交換器と
減圧手段と利用側熱交換器を順に接続して冷媒を循環さ
せる蓄熱過冷却利用運転と、前記蓄熱用熱交換器と液冷
媒搬送手段と前記利用側熱交換器を順に接続して前記冷
媒を循環させる利用運転と、を備え、前記蓄熱過冷却利
用運転から前記利用運転に切換える際、少なくとも前記
利用運転を行う前に、前記蓄熱過冷却利用運転で前記熱
源側熱交換器と前記減圧手段との間を流通している高圧
液冷媒が、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記蓄熱用熱
交換器とを接続する吸入側冷媒配管に流通するように運
転することを特徴とすることにより、液冷媒搬送手段の
起動前に液冷媒を溜めたい吸入側冷媒配管に液冷媒を流
通させて、液冷媒搬送手段の起動時または起動後極めて
短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供
給して液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍サイ
クル装置の運転方法が得られる。
【0177】また、請求項16に係る発明によれば、吸
入側冷媒配管に起動用レシーバを備え、少なくとも利用
運転に切換える前に、蓄熱過冷却利用運転で熱源側熱交
換器と減圧手段との間を流通している高圧液冷媒が、前
記起動用レシーバに流通するように運転することを特徴
とすることにより、液冷媒搬送手段の起動前に液冷媒を
溜めたい起動用レシーバに液冷媒を流通させて、液冷媒
搬送手段の起動時または起動後極めて短時間内に液冷媒
を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬送
手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置の運転方
法が得られる。
【0178】また、請求項17に係る発明によれば、蓄
熱過冷却利用運転から利用運転に切換える際、熱源側冷
媒搬送手段を運転したままで液冷媒搬送手段を起動し、
所定時間経過後または前記液冷媒搬送手段の冷媒搬送量
が安定したら前記熱源側冷媒搬送手段を停止することを
特徴とすることにより、液冷媒搬送手段の起動時または
起動後極めて短時間内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段
の吸入口へ供給して液冷媒搬送手段をスムーズに起動で
きる冷凍サイクル装置の運転方法が得られる。
【0179】また、請求項18に係る発明によれば、冷
媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下
流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で
冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、前記冷媒液化手段
と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次接続
する冷媒配管と、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷
媒液化手段とを接続する吸入側冷媒配管に設けられ、前
記液冷媒搬送手段の起動時に前記液冷媒搬送手段に液冷
媒を供給する起動用レシーバと、を備えたことにより、
液冷媒搬送手段の起動時または起動後極めて短時間内に
液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷
媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置が
得られる。
【0180】また、請求項19に係る発明によれば、吸
入側冷媒配管に起動用レシーバをバイパスするバイパス
回路を備えたことにより、液冷媒搬送手段の起動時また
は起動後、常に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口
へ供給して液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍
サイクル装置が得られる。
【0181】また、請求項20に係る発明によれば、冷
媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下
流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で
冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、前記冷媒液化手段
と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次接続
する冷媒配管と、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段
とを循環する循環路外に設けられた液冷媒滞溜部と、一
端を前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷媒液化手段を
接続する吸入側冷媒配管または前記冷媒液化手段に接続
し、他端を前記液冷媒滞溜部に接続する接続配管と、前
記接続配管を開閉する開閉手段と、を備えたことによ
り、液冷媒搬送手段の起動時または起動後極めて短時間
内に液冷媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して
液冷媒搬送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装
置が得られる。
【0182】また、請求項21に係る発明によれば、冷
媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下
流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で
冷媒を搬送する液冷媒搬送手段と、前記冷媒液化手段と
前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次接続す
る冷媒配管と、内部に蓄熱媒体と前記冷媒液化手段を格
納し前記蓄熱媒体と前記冷媒液化手段とが熱交換する蓄
熱槽と、前記蓄熱槽内の底部から気泡または加圧液体を
吹出す気体または液体吹出し手段と、を備えたことによ
り、冷媒液化手段内での冷媒の凝縮液化を促進し、液冷
媒搬送手段の起動時または起動後極めて短時間内に液冷
媒を確実に液冷媒搬送手段の吸入口へ供給して液冷媒搬
送手段をスムーズに起動できる冷凍サイクル装置が得ら
れる。
【0183】また、請求項22に係る発明によれば、冷
媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記冷媒液化手段の下
流側に接続され、前記冷媒液化手段と冷媒気化手段間で
冷媒を搬送する冷媒搬送手段と、前記冷媒液化手段と前
記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手段とを順次接続する
冷媒配管と、前記液化手段と前記液冷媒気化手段を通過
せずに前記液冷媒搬送手段の吸入側と吐出側を接続する
冷媒循環路と、を備えたことにより、液冷媒搬送手段の
起動回数を減らして、液冷媒搬送手段の高信頼性を確保
できる冷凍サイクル装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷凍サイクル装
置の構成を示す冷媒回路図である。
【図2】 実施の形態1による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図3】 実施の形態1による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図4】 実施の形態1による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図5】 実施の形態1による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図6】 実施の形態1による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図7】 本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装
置の構成を示す冷媒回路図である。
【図8】 本発明の実施の形態3による冷凍サイクル装
置の構成を示す冷媒回路図である。
【図9】 実施の形態3による冷凍サイクル装置の別の
構成を示す冷媒回路図である。
【図10】 実施の形態3による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図11】 実施の形態3による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図12】 本発明の実施の形態4による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図13】 実施の形態4による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図14】 実施の形態4による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図15】 実施の形態4による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図16】 本発明の実施の形態5による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図17】 実施の形態5による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図18】 実施の形態5による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図19】 本発明の実施の形態6による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図20】 本発明の実施の形態7による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図21】 実施の形態7による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図22】 本発明の実施の形態8による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図23】 実施の形態8に係わり、負荷に対する冷媒
搬送量の関係を示すグラフである。
【図24】 本発明の実施の形態9による冷凍サイクル
装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図25】 実施の形態9による冷凍サイクル装置の運
転方法を示すタイムチャートである。
【図26】 実施の形態9による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図27】 実施の形態9による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図28】 実施の形態9による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図29】 実施の形態9による冷凍サイクル装置の別
の構成を示す冷媒回路図である。
【図30】 本発明の実施の形態10による冷凍サイク
ル装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図31】 実施の形態10による冷凍サイクル装置の
運転方法を示すタイムチャートである。
【図32】 実施の形態10による冷凍サイクル装置の
別の構成を示す冷媒回路図である。
【図33】 実施の形態10による冷凍サイクル装置の
別の構成を示す冷媒回路図である。
【図34】 本発明の実施の形態11による冷凍サイク
ル装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図35】 実施の形態11に係わる冷凍サイクル装置
の運転方法を示すタイムチャートである。
【図36】 実施の形態11による冷凍サイクル装置の
別の構成を示す冷媒回路図である。
【図37】 本発明の実施の形態12による冷凍サイク
ル装置の別の構成を示す冷媒回路図である。
【図38】 本発明の実施の形態13による冷凍サイク
ル装置の構成を示す冷媒回路図で、冷熱を蓄熱するとき
の回路構成を示している。
【図39】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、圧縮機による冷房運転の回路
構成を示している。
【図40】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、液冷媒搬送手段による冷房運
転の回路構成を示している。
【図41】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、圧縮機を運転して過冷却状態
を利用して冷房するときの回路構成を示している。
【図42】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、圧縮機と液冷媒搬送手段とを
併用運転して冷房するときの回路構成を示している。
【図43】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、液冷媒搬送手段による冷房運
転で負荷が無い場合の回路構成を示している。
【図44】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、液冷媒搬送手段による冷房運
転から圧縮機による冷房運転に切換えるときの回路構成
を示している。
【図45】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、温熱を蓄熱するときの回路構
成を示している。
【図46】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、圧縮機による暖房運転の回路
構成を示している。
【図47】 実施の形態13による冷凍サイクル装置の
構成を示す冷媒回路図で、液冷媒搬送手段による暖房運
転の回路構成を示している。
【図48】 従来の冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒
回路図である。
【図49】 従来の別の冷凍サイクル装置の構成を示す
冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 液冷媒搬送手段、2 冷媒液化手段、3 冷媒気化
手段、4 吸入側冷媒配管、5 起動用レシーバ、6
蓄熱槽、7 開閉手段、8 接続配管、9 液冷媒滞溜
部、12 バイパス回路、13 レシーバ、14 調整
手段、16 ポンプ、17 搬送手段、19a、19b
冷媒配管、20a〜20i 流路切換手段、21a〜
21d 減圧手段、22 冷媒搬送手段、23 熱源側
熱交換器、24 蓄熱用熱交換器、25 熱源側冷媒搬
送手段、26 蓄熱槽、X 冷凍サイクル装置。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記
    冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と
    冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、
    を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液
    冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成におい
    て、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷媒液化手段を
    接続する吸入側冷媒配管と、前記冷媒液化手段との少な
    くともどちらか一方に、冷媒を移動して液冷媒として溜
    めた後に、前記液冷媒搬送手段を起動することを特徴と
    する冷凍サイクル装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記
    冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と
    冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段と、
    を備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液
    冷媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成におい
    て、前記液冷媒搬送手段の吸入口と前記冷媒液化手段と
    を接続する吸入側冷媒配管に起動用レシーバを備え、前
    記起動用レシーバに冷媒を移動して液冷媒として溜めた
    後に、前記液冷媒搬送手段を起動することを特徴とする
    冷凍サイクル装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 液冷媒搬送手段を起動して所定の時間経
    過後、または前記液冷媒搬送手段の冷媒搬送量が安定
    後、起動用レシーバを迂回して冷媒を流通させることを
    特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置の運転方
    法。
  4. 【請求項4】 冷媒液化手段と冷媒気化手段とを循環す
    る冷媒以外の冷媒を移動して、液冷媒として溜めること
    を特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記
    載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 液冷媒搬送手段を起動して所定の時間経
    過後、または前記液冷媒搬送手段の冷媒搬送量が安定
    後、前記冷媒の移動を停止することを特徴とする請求項
    4記載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  6. 【請求項6】 液冷媒搬送手段の起動前に冷媒を移動す
    る際、移動前と移動後の場所にある冷媒に、圧力差およ
    び温度差および位置高さの高低差のうちの少なくともい
    ずれか1つを利用して前記冷媒を移動することを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の冷
    凍サイクル装置の運転方法。
  7. 【請求項7】 液冷媒搬送手段の起動前に冷媒を移動す
    る際、前記液冷媒搬送手段とは別の冷媒搬送手段を用い
    て前記冷媒を移動することを特徴とする請求項1ないし
    請求項6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置の運
    転方法。
  8. 【請求項8】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記
    冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と
    冷媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手段と、を
    備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷
    媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成におい
    て、前記液冷媒搬送手段を起動後、前記冷媒液化手段ま
    たは前記冷媒気化手段における負荷が発生しているとき
    は、前記液冷媒搬送手段の運転によって前記冷媒液化手
    段と前記冷媒気化手段に前記冷媒を循環させて、前記冷
    媒液化手段または前記冷媒気化手段における負荷が発生
    していないときは、前記液冷媒搬送手段の運転によって
    前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段を迂回して前記冷
    媒を循環させることを特徴とする冷凍サイクル装置の運
    転方法。
  9. 【請求項9】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前記
    冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段と
    冷媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手段と、を
    備え、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷
    媒搬送手段とを順次冷媒配管にて接続した構成におい
    て、前記液冷媒搬送手段の起動時は、前記冷媒気化手段
    または前記冷媒液化手段での負荷に対応する液冷媒搬送
    量より少ない搬送量で前記液冷媒搬送手段を運転し、そ
    の後、前記搬送量を増加して運転することを特徴とする
    冷凍サイクル装置の運転方法。
  10. 【請求項10】 熱源側冷媒搬送手段と熱源側熱交換器
    と減圧手段と蓄熱用熱交換器を順に接続して冷媒を循環
    させる蓄熱運転と、前記蓄熱用熱交換器と液冷媒搬送手
    段と利用側熱交換器を順に接続して冷媒を循環させる第
    1利用運転と、前記熱源側冷媒搬送手段と前記熱源側熱
    交換器と前記減圧手段と前記利用側熱交換器を順に接続
    して冷媒を循環させる第2利用運転と、を備え、前記蓄
    熱運転もしくは前記第2利用運転から前記第1利用運転
    に切換える際、少なくとも第1利用運転に切換える前
    に、前記蓄熱運転で前記減圧手段と前記蓄熱用熱交換器
    との間を流通している低圧二相状態の冷媒、もしくは前
    記第2利用運転で前記減圧手段と前記利用側熱交換器と
    の間を流通している低圧二相状態の冷媒、が前記液冷媒
    搬送手段の吸入口と前記蓄熱用熱交換器とを接続する吸
    入側冷媒配管に流通するように運転することを特徴とす
    る冷凍サイクル装置の運転方法。
  11. 【請求項11】 吸入側冷媒配管に起動用レシーバを備
    え、少なくとも第1利用運転に切換える前に、前記蓄熱
    運転で減圧手段と蓄熱用熱交換器との間を流通している
    低圧二相状態の冷媒、もしくは第2利用運転で減圧手段
    と利用側熱交換器との間を流通している低圧二相状態の
    冷媒、が前記起動用レシーバに流通するように運転する
    ことを特徴とする請求項10記載の冷凍サイクル装置の
    運転方法。
  12. 【請求項12】 蓄熱運転または第2利用運転から第1
    利用運転に切換える際、熱源側冷媒搬送手段を停止し
    て、熱源側熱交換器と吸入側冷媒配管とを連通した後、
    液冷媒搬送手段を起動することを特徴とする請求項10
    または請求項11記載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  13. 【請求項13】 一日の所定時間範囲内では、第1利用
    運転で運転することを特徴とする請求項10または請求
    項11または請求項12記載の冷凍サイクル装置の運転
    方法。
  14. 【請求項14】 第1利用運転で運転するとき、蓄熱槽
    の底部から気泡または加圧液体を吹出すことを特徴とす
    る請求項13記載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  15. 【請求項15】 熱源側冷媒搬送手段と熱源側熱交換器
    と蓄熱用熱交換器と減圧手段と利用側熱交換器を順に接
    続して冷媒を循環させる蓄熱過冷却利用運転と、前記蓄
    熱用熱交換器と液冷媒搬送手段と前記利用側熱交換器を
    順に接続して前記冷媒を循環させる利用運転と、を備
    え、前記蓄熱過冷却利用運転から前記利用運転に切換え
    る際、少なくとも前記利用運転を行う前に、前記蓄熱過
    冷却利用運転で前記熱源側熱交換器と前記減圧手段との
    間を流通している高圧液冷媒が、前記液冷媒搬送手段の
    吸入口と前記蓄熱用熱交換器とを接続する吸入側冷媒配
    管に流通するように運転することを特徴とする冷凍サイ
    クル装置の運転方法。
  16. 【請求項16】 吸入側冷媒配管に起動用レシーバを備
    え、少なくとも利用運転に切換える前に、蓄熱過冷却利
    用運転で熱源側熱交換器と減圧手段との間を流通してい
    る高圧液冷媒が、前記起動用レシーバに流通するように
    運転することを特徴とする請求項15記載の冷凍サイク
    ル装置の運転方法。
  17. 【請求項17】 蓄熱過冷却利用運転から利用運転に切
    換える際、熱源側冷媒搬送手段を運転したままで液冷媒
    搬送手段を起動し、所定時間経過後または前記液冷媒搬
    送手段の冷媒搬送量が安定したら前記熱源側冷媒搬送手
    段を停止することを特徴とする請求項15または請求項
    16記載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  18. 【請求項18】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前
    記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段
    と冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段
    と、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒
    搬送手段とを順次接続する冷媒配管と、前記液冷媒搬送
    手段の吸入口と前記冷媒液化手段とを接続する吸入側冷
    媒配管に設けられ、前記液冷媒搬送手段の起動時に前記
    液冷媒搬送手段に液冷媒を供給する起動用レシーバと、
    を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  19. 【請求項19】 吸入側冷媒配管に起動用レシーバをバ
    イパスするバイパス回路を備えたことを特徴とする請求
    項18記載の冷凍サイクル装置。
  20. 【請求項20】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前
    記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段
    と冷媒気化手段間で冷媒を循環させる液冷媒搬送手段
    と、前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒
    搬送手段とを順次接続する冷媒配管と、前記冷媒液化手
    段と前記冷媒気化手段とを循環する循環路外に設けられ
    た液冷媒滞溜部と、一端を前記液冷媒搬送手段の吸入口
    と前記冷媒液化手段を接続する吸入側冷媒配管または前
    記冷媒液化手段に接続し、他端を前記液冷媒滞溜部に接
    続する接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉手段
    と、を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  21. 【請求項21】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前
    記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段
    と冷媒気化手段間で冷媒を搬送する液冷媒搬送手段と、
    前記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送
    手段とを順次接続する冷媒配管と、内部に蓄熱媒体と前
    記冷媒液化手段を格納し前記蓄熱媒体と前記冷媒液化手
    段とが熱交換する蓄熱槽と、前記蓄熱槽内の底部から気
    泡または加圧液体を吹出す気体または液体吹出し手段
    と、を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  22. 【請求項22】 冷媒液化手段と、冷媒気化手段と、前
    記冷媒液化手段の下流側に接続され、前記冷媒液化手段
    と冷媒気化手段間で冷媒を搬送する冷媒搬送手段と、前
    記冷媒液化手段と前記冷媒気化手段と前記液冷媒搬送手
    段とを順次接続する冷媒配管と、前記液化手段と前記液
    冷媒気化手段を通過せずに前記液冷媒搬送手段の吸入側
    と吐出側を接続する冷媒循環路と、を備えたことを特徴
    とする冷凍サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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