JP2001247927A - V基固溶体型水素吸蔵合金 - Google Patents

V基固溶体型水素吸蔵合金

Info

Publication number
JP2001247927A
JP2001247927A JP2000059871A JP2000059871A JP2001247927A JP 2001247927 A JP2001247927 A JP 2001247927A JP 2000059871 A JP2000059871 A JP 2000059871A JP 2000059871 A JP2000059871 A JP 2000059871A JP 2001247927 A JP2001247927 A JP 2001247927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
solid solution
storage alloy
solution type
type hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000059871A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhito Matsukawa
篤人 松川
Akira Fukuno
亮 福野
Yoshimoto Odakawa
良基 小田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2000059871A priority Critical patent/JP2001247927A/ja
Publication of JP2001247927A publication Critical patent/JP2001247927A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Vの含有量に関わらず、また、他の元素を添
加することなくプラトー領域を平坦にすることができる
水素吸蔵合金及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式VTiCr(ただし、原子
比x、y、zは、0<x≦60、1.0≦z/y≦2.
0、x+y+z=100とする。)で表せる体心立方構
造を有するV基固溶体型合金を主相とし、かつ 前記主
相の平均結晶粒径が、5〜30μmであるV基固溶体型
水素吸蔵合金である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−水素2
次電池、水素貯蔵用合金として使用した場合に、良好な
水素吸放出特性を満足させることが可能なV基固溶体型
水素吸蔵合金及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は、電子技術の発展に伴
い、パソコン、携帯電話、電動工具用の電池材料として
使用されている。また、自動車業界においても、地球規
模の環境保護の必要性から低公害、クリーンエネルギー
の電気自動車用電池の電極として使用されている。さら
に、電池用の電極の素材としてだけではなく、熱エネル
ギー変換システムや水素貯蔵システム用として利用され
つつある。水素吸蔵合金に求められる特性は、水素吸蔵
合金自体が吸蔵できる水素量が絶対的に大きいこと、水
素を可逆的に安定して吸蔵放出できることである。これ
らの特性を向上させるために、組成、結晶構造、製造方
法について多面的に検討されている。水素吸蔵合金は、
その結晶構造からAB型、AB型(Laves
型)、AB型、A型(b.c.c.合金)が知
られており、現在、実用化されている水素吸蔵合金はミ
ッシュメタル系AB型水素吸蔵合金が主流である。
【0003】しかし、この系の合金は水素吸放出量が、
1.4wt%程度と低く、この系に代わる水素吸放出量の
大きい他の系の合金開発が期待されている。その中で
も、b.c.c.結晶構造を有するV基固溶体型水素吸
蔵合金は水素吸放出量が非常に大きく、原料資源的にも
豊富であることから水素の輸送、及び貯蔵用として幅広
く利用されていくことが期待されている。さらに、V
は、単金属として唯一常温、常圧付近で大量の水素を吸
蔵放出できる金属として知られており、このVの特性を
活用した水素吸蔵合金の開発が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでもV基合金を
利用した水素吸蔵合金が開発されてきた。例えば、特公
昭59−38293号公報では、V−Ti−Cr系の水
素吸蔵合金が提案されている。また合金の急冷凝固法に
よる製造方法として特開平10−310833号公報が
開示されている。しかし、これらの水素吸蔵合金は、高
水素吸放出特性を有しているが実用可能なプラトー領域
が平坦ではなく、水素吸蔵合金の高水素吸放出特性を生
かしきれていない。また、第2相の平均結晶粒径が5μ
m以下であれば微粉化が生じにくいとしているが、微粉
化抑制とプラトー領域の平坦化と両立できていない。ま
た、特開平11−106859号公報では、V−Ti−
Cr系合金に第4元素を添加してプラトーの平坦化を試
みているが、著しい効果とは言い難い。これらのことか
らV−Ti−Cr系合金では電池あるいは水素貯蔵用と
して有効に利用されていないという問題点がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されるものであり、Vの含有量に関わらず、また、他の
元素を添加することなくプラトー領域を平坦にすること
ができる水素吸蔵合金及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、一般式VTiCr
(ただし、原子比x、y、zは、0<x≦60、1.
0≦z/y≦2.0、x+y+z=100とする。)で
表せる体心立方構造を有するV基固溶体型合金を主相と
し、 かつ 前記主相の平均結晶粒径が、5〜30μm
であるV基固溶体型水素吸蔵合金である。請求項2に記
載の発明は、 請求項1に記載のV基固溶体型水素吸蔵
合金であって、 放出プラトーの傾斜Sfが、0.5以
下であるV基固溶体型水素吸蔵合金である。ただし、放
出プラトーの傾斜Sf=d(lnPd)/d(H/M)
[Pd:圧力−組成等温線上での解離圧、H/M:水素
対金属の原子数の比]とする。請求項3に記載の発明
は、 請求項1又は2に記載のV基固溶体型水素吸蔵合
金であって、 主相よりTiの多い異相を含み、 前記
異相の平均結晶粒径が、1μm以下であり、 かつ、異
相の量が、全体の10vol%以下のV基固溶体型水素吸
蔵合金である。請求項4に記載の発明は、 請求項1な
いし3のいずれかに記載のV基固溶体型水素吸蔵合金で
あって、 10〜10℃/sの凝固速度で冷却する
冷却工程と、 1,000〜1,500℃で熱処理する
熱処理工程と を有するV基固溶体型水素吸蔵合金の製
造方法である。請求項5に記載の発明は、請求項1ない
し3のいずれかに記載のV基固溶体型水素吸蔵合金であ
って、 10〜10℃/sの凝固速度で冷却し、そ
の後、1,000〜1,500℃で熱処理するV基固溶
体型水素吸蔵合金である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明は、一般式VTiCr(ただ
し、原子比x、y、zは、0<x≦60、1.0≦z/
y≦2.0、x+y+z=100とする。)で表せる体
心立方構造(b.c.c.結晶構造)を有するV基固溶
体型合金を主相とするV基固溶体型水素吸蔵合金であ
る。金属元素が、水素ガスを吸蔵するのは、水素ガスが
水素原子となって、金属元素による結晶格子中に侵入又
は固溶して侵入型水素化物を形成するからである。金属
元素の結晶構造としては、充填率の高い面心立方構造
(f.c.c.結晶構造)や最密六方構造(h.c.
p.結晶構造)よりも、充填率が低く、結晶格子内に水
素原子が占有できる空間が多数ある体心立方構造(b.
c.c.結晶構造)がよい。
【0008】V、Crは単独でb.c.c.結晶構造を
とり、また、Tiも高温で、b.c.c.結晶構造を有
している。さらに、V、Cr、Tiは、周期表上第4周
期に属し、遷移金属として原子量が小さい方である。ま
た、Ti−Cr系の2元系合金は、温度や組成により複
雑な結晶構造をとるが、VはCr、β−Tiに対して全
率固溶体を形成し、かつTi−Cr2元系にVを添加す
ることにより広い範囲でb.c.c.結晶構造の固溶体
を安定的に形成させることができる。さらに、Vは、上
述したように、単金属として唯一常温、常圧付近で大量
の水素を吸蔵放出できる金属である。したがって、V−
Ti−Cr系V基固溶体型水素吸蔵合金を用いることに
より、水素ガスの吸放出の反応性が高く、かつ水素吸放
出量の大きいb.c.c.結晶構造を有する単相の固溶
体型水素吸蔵合金を容易に得ることができる。このV基
固溶体型水素吸蔵合金の中で、Vは、とくに、凝固速度
を小さくしても、Vを含有することによりb.c.c.
結晶構造にすることができ、安定したb.c.c.結晶
構造の固溶体を形成することに寄与する。ただし、V
は、高価なのでできるだけ少量にすることが好ましく、
Vの含有量の原子比xは、多くとも60以下とする。さ
らに、好ましくは30以下がよい。
【0009】V−Ti−Cr系V基固溶体型水素吸蔵合
金においては、Crはb.c.c.結晶構造の格子寸法
を小さくし、Tiは、これを大きくする。したがって、
プラトー圧を制御するためには、CrとTiの比率z/
yを適正化する必要がある。例えば、ニッケル−水素2
次電池用としては、40℃における放出プラトー圧は、
10−2〜10−1MPa程度が好ましく、水素貯蔵用
合金としては、10 〜10MPa程度が好まし
い。そこで、プラトー圧を10−2〜10MPaに制
御するために、1≦z/y≦2とする。
【0010】ここでは、製造上不可避な不純物などを含
むものであってもよい。また、本発明のV基固溶体型水
素吸蔵合金は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、
Zn、Zr、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Al、S
i、C、N、P及びBで構成される群の中から選択され
る1種又は2種以上の元素を、0.5〜10at%の範囲
で含有するものであってもよい。これらは、Ti、V、
Crのいずれかと置換し、格子定数を変化させてプラト
ー圧を調整するのに効果的な元素であり、好ましくは、
第3、4、5周期に属する金属元素がよい。これは、T
i等が第4周期に属しており、同一周期ないしその前後
がよいからである。さらに、周期表上で近い族に属する
ことが好ましい。このために、第4周期のMn、Fe、
Co、Niと第5周期でTi等と同一族にあるZr、N
b、Moが好ましく、特に、Mn、Zr、NbとMoが
好ましい。これらの金属元素は単体でb.c.c.結晶
構造となり、かつ、Ti、V、Crと置換しやすいた
め、安定したb.c.c.結晶構造となりやすいからで
ある。
【0011】さらに、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合
金は、平均結晶粒径が5〜30μmの範囲にある。溶融
した合金の凝固速度を10〜107℃/sに制御する
と平均結晶粒径は5μm以下となるが、熱処理すること
で結晶粒成長させると、急冷歪みが除去されると共に、
結晶粒子間の組成が均一になることで、プラトー領域が
平坦になる。ただし、結晶粒径を大きくしすぎると、水
素の吸放出の繰り返しによって微粉化が促進される。こ
れらのことを考慮して、平均結晶粒径は5〜30μmの
範囲であることがよい。
【0012】また、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金
は、水素ガスによる圧力−組成等温線(PCT線)にお
ける放出プラトーの傾斜Sfの値が、0.5以下であ
る。放出プラトーの傾斜Sfは、Sf=d(lnPd)
/d(H/M)とし、ここで、PdはPCT線上での解
離圧、H/Mは水素対金属の原子数の比とする。水素吸
蔵合金は、温度と圧力を変化させることで、水素ガスを
吸蔵したり、放出したりする。プラトー領域が、平坦で
あれば、温度と圧力により吸放出される水素ガスのコン
トロールが容易になる。特に、放出プラトーの傾斜Sf
の値が小さくなると、小さな温度又は圧力変化で放出さ
れる水素ガス量が大きくなり、有効に利用できる水素ガ
ス量が増加する。
【0013】さらに、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合
金は、主相より組成として、Tiを多く含む異相を有す
ることがあるが、その大きさは1μm以下であり、その
量は10vol%以下である。このTi−richな異相
は、主相よりもプラトー圧が低く水素を吸蔵しても放出
しないと考えられ、有効に利用できる水素量を低下させ
る。また、水素吸蔵合金は、水素ガスの吸放出に際し
て、膨張・収縮を繰り返すが、異相の存在は、膨張率の
差により微粉化を促進する。このような理由で、異相の
析出は少ない程好ましいが、急速な凝固速度での冷却に
伴う内部歪みを除去すると共に、結晶粒成長させ組成を
均一にするために熱処理を施すと、Ti−richな異
相が析出することがある。異相の析出は、高純度材料を
用いるか、高温、長時間での熱処理を避けることで抑え
られる。異相の析出による有効水素吸蔵量の低下と、水
素の吸放出に伴う微粉化を抑えるために、異相の平均結
晶粒径を1μm以下とし、その量を全体の10vol%以
下とする。
【0014】本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金の応用
例の一つに二次電池が挙げられる。ニッケル−水素2次
電池は、正極、セパレータ、電解液、負極により構成さ
れており、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金は、負極
の構成材料として用いられる。この負極は、少なくとも
水素吸蔵合金粉末と結着用樹脂によって構成されてい
る。これらを混練して粘稠なペースト状にし、金属板等
の上にスクレーパ又はワイヤバーで250μm以下の厚
さのシートに成形し、このシートを、所定の大きさに切
り出して負極として用いる。このとき、水素吸蔵合金粉
末の平均粒径は、5〜30μmがよい。これにより、シ
ート表面の平滑性を良好に保ち、水素の可逆的な吸放出
を容易にすることができる。
【0015】また、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金
の製造方法は、溶融後10〜10℃/sの凝固速
度で冷却する冷却工程と、1,000〜1,500℃で
熱処理する熱処理工程とを有する。冷却工程では、溶融
しているV基固溶体型水素吸蔵合金を非常に速い冷却速
度で凝固することにより結晶粒子を微細化し、熱処理工
程では、微細な結晶粒子を粒成長させることで、結晶粒
子間の組成のバラツキを小さくする。この際、凝固速度
が10℃/sより小さいと、結晶粒子が粗大化し、そ
の後の熱処理によっても、結晶粒子間の組成の均質化効
果がなくなる。また、10℃/sに関しては、この
凝固速度以下で、十分に結晶粒子が微細化するために、
これ以上速くする必要がない。
【0016】熱処理工程では、冷却工程で得られた、5
μm以下の結晶粒子を、1,000〜1,500℃で熱
処理することにより、急冷歪みを取り除くと共に、粒成
長させることにより、結晶粒子間の組成のバラツキを小
さくする。1,000℃未満では、結晶粒成長しない
か、粒成長させるために長時間を要し実用的でない。ま
た、1,500℃を越えると合金が溶融し、冷却工程で
得られた微細結晶が消失する結果、組成の均質化効果が
なくなる。ただし、Vの含有量が10at%程度と少ない
場合、熱処理後に油中または水中にて急冷する必要があ
る。こうすることで、高温でのb.c.c.相を室温ま
で凍結することができ、大きな水素吸蔵量を得ることが
できる。このように熱処理するには、電気、赤外線、レ
ーザ光等のいずれでも加熱することができる。なお、熱
処理は非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。非酸化性
雰囲気とは、真空雰囲気、アルゴン、窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気、水素ガス雰囲気等をいい、金属の酸化を
防止する。このように、本発明のV基固溶体型水素吸蔵
合金は、溶融後、急冷して微細結晶粒子とし、熱処理で
急冷歪みを取り除くと共に、結晶粒成長させて、平均結
晶粒径を5〜30μmとすることで、結晶粒子間の組成
を均質化し、プラトーの平坦性を改善するものである。
ただし、原料純度が低い場合、高温長時間の熱処理を行
うと、Tiを多く含む異相が析出することがあるが、そ
の大きさは1μm以下で、その量は10vol%以下とす
る。
【0017】
【実施例】本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金に関する
平均結晶粒径と有効水素吸蔵量、プラトーの平坦性につ
いて評価する。合金は、V(純度99.9%)、Ti
(純度99.5%)、Cr(純度99.99%)を所定
の組成比になるように秤量する。これらを、アーク溶解
炉で溶解する。その際、合金の偏析を防止して均質化を
図るために、インゴットを上下反転させて4回溶解す
る。作製した合金を再度溶解して、単ロール法で急冷し
て薄帯を作製する。作製される薄帯の厚さは、ロール周
速によって異なるが、5〜60m/sでは、およそ15
〜200μm程度である。ここで、ロール周速5m/s
は、凝固速度10℃/sに対応し、60m/sは、凝
固速度10℃/sに対応する。この薄帯を1,000
〜1,500℃(合金の融点以下の温度)で、1分〜2
0時間、真空中又は不活性ガス中で熱処理する。その
後、この薄帯をアルゴン又は窒素雰囲気下ののグローボ
ックス中で、1mm程度に粗粉砕する。 次に、水素ガス
雰囲気における圧力−組成等温線(PCT線)の測定を
行う。測定は、JIS H 7201に従い、ジーベル
ツ法(容量法)にて行う。ただし、活性化処理は室温〜
300℃において脱気処理することにより行い、測定は
40℃にて、真空原点法(10−1Pa)にて行う。測
定は3回行い、2回目の水素吸蔵量を吸放出可能な水素
量、即ち有効水素吸蔵量とする。 また、微細組織は、熱
処理前後の急冷薄帯をHCl−HF水溶液にてエッチン
グ後、SEM(走査型電子顕微鏡)にて観察し、平均結
晶粒径を算出した。表1、図1〜4には、V30Ti
32Cr38合金での一例を示す。
【0018】<表1:熱処理条件と平均結晶粒径、ま
た、そのときの有効水素吸蔵量とプラトーの平坦性の関
係>
【表1】 表1及び図1〜4から明らかなように、実施例1ないし
4では、CrとTiの原子比の比率z/yが、1〜2の
間(=1.2)にあり、これに急冷・熱処理を施し結晶
平均粒径を5〜30μmにすることで、放出プラトーの
傾斜Sfの値を0.5以下と非常に小さくすることがで
きる。一方、本発明のV基固溶体型水素吸蔵合金と同一
組成で、鋳造しただけの比較例1や鋳造後熱処理を施し
た比較例2、さらに、ロール急冷後熱処理を施さなかっ
た比較例3、5、7、9及びロール急冷後の熱処理温度
が本発明から外れた比較例4、6、8、10(図1〜4
にPCT線を記載。)のSf値は、2.9〜5.2のよ
うに非常に大きい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のV、T
i、Crからなる体心立方構造を有するV基固溶体型水
素吸蔵合金では、溶融後、急冷、熱処理を施し、平均結
晶粒径を5〜30μmとすることで、結晶粒子間の組成
が均一になり、プラトーの平坦性が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール周速5m/sec.で急冷し、熱処理を
した本発明に係る組成がV Ti32Cr38のV基
固溶体型水素吸蔵合金と熱処理をしない同一組成のV基
固溶体型水素吸蔵合金のPCT特性を示すグラフであ
る。
【図2】ロール周速10m/sec.で急冷し、熱処理
をした本発明に係る組成がV Ti32Cr38のV
基固溶体型水素吸蔵合金と熱処理をしない同一組成のV
基固溶体型水素吸蔵合金のPCT特性を示すグラフであ
る。
【図3】ロール周速30m/sec.で急冷し、熱処理
をした本発明に係る組成がV Ti32Cr38のV
基固溶体型水素吸蔵合金と熱処理をしない同一組成のV
基固溶体型水素吸蔵合金のPCT特性を示すグラフであ
る。
【図4】ロール周速60m/sec.で急冷し、熱処理
をした本発明に係る組成がV Ti32Cr38のV
基固溶体型水素吸蔵合金と熱処理をしない同一組成のV
基固溶体型水素吸蔵合金のPCT特性を示すグラフであ
る。
【図5】本発明に係る組成がV30Ti32Cr38
V基固溶体型水素吸蔵合金の異相の平均粒径、析出量を
測定するために用いたSEM(BEI)写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 1/02 503 C22C 1/02 503F 27/06 27/06 30/00 30/00 C22F 1/11 C22F 1/11 1/18 1/18 G H H01M 4/38 H01M 4/38 A // C22C 14/00 C22C 14/00 A C22F 1/00 604 C22F 1/00 604 661 661C 681 681 682 682 691 691B 692 692A (72)発明者 小田川 良基 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5H050 AA19 BA14 CA03 CB16 FA19 GA02 GA05 HA00 HA01 HA02 HA05 HA07 HA14 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式VTiCr(ただし、原子
    比x、y、zは、0<x≦60、1.0≦z/y≦2.
    0、x+y+z=100とする。)で表せる体心立方構
    造を有するV基固溶体型合金を主相とし、 かつ 前記主相の平均結晶粒径が、5〜30μmである
    ことを特徴とするV基固溶体型水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のV基固溶体型水素吸蔵
    合金であって、 放出プラトーの傾斜Sfの値が、0.5以下であること
    を特徴とするV基固溶体型水素吸蔵合金。ただし、放出
    プラトーの傾斜Sf=d(lnPd)/d(H/M)
    [Pd:圧力−組成等温線上での解離圧、H/M:水素
    対金属の原子数の比]とする。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のV基固溶体型水
    素吸蔵合金であって、 主相よりTiの多い異相を含み、 前記異相の平均結晶粒径が、1μm以下であり、 かつ、異相の量が、全体の10vol%以下であることを
    特徴とするV基固溶体型水素吸蔵合金。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のV
    基固溶体型水素吸蔵合金であって、 10〜10℃/sの凝固速度で冷却する冷却工程
    と、 1,000〜1,500℃で熱処理する熱処理工程と
    を有することを特徴とするV基固溶体型水素吸蔵合金の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載のV
    基固溶体型水素吸蔵合金であって、 10〜10℃/sの凝固速度で冷却し、その後、
    1,000〜1,500℃で熱処理することを特徴とす
    るV基固溶体型水素吸蔵合金。
JP2000059871A 2000-03-06 2000-03-06 V基固溶体型水素吸蔵合金 Withdrawn JP2001247927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000059871A JP2001247927A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 V基固溶体型水素吸蔵合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000059871A JP2001247927A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 V基固溶体型水素吸蔵合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001247927A true JP2001247927A (ja) 2001-09-14

Family

ID=18580267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000059871A Withdrawn JP2001247927A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 V基固溶体型水素吸蔵合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001247927A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1332050C (zh) * 2005-07-05 2007-08-15 重庆大学 钒基固溶体贮氢合金的制备方法
JP2018070931A (ja) * 2016-10-27 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 負極材料および電池
CN113481417A (zh) * 2021-06-01 2021-10-08 西安理工大学 一种共晶系高熵合金及其制备方法
CN114427045A (zh) * 2021-12-10 2022-05-03 厚普清洁能源股份有限公司 一种高均匀性钒钛基储氢合金及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1332050C (zh) * 2005-07-05 2007-08-15 重庆大学 钒基固溶体贮氢合金的制备方法
JP2018070931A (ja) * 2016-10-27 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 負極材料および電池
CN113481417A (zh) * 2021-06-01 2021-10-08 西安理工大学 一种共晶系高熵合金及其制备方法
CN113481417B (zh) * 2021-06-01 2022-03-25 西安理工大学 一种共晶系高熵合金及其制备方法
CN114427045A (zh) * 2021-12-10 2022-05-03 厚普清洁能源股份有限公司 一种高均匀性钒钛基储氢合金及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5146934B2 (ja) 水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極、二次電池、および水素吸蔵合金の製造方法
JP5466015B2 (ja) ニッケル水素蓄電池および水素吸蔵合金の製造方法
JP3993890B2 (ja) 希土類金属−ニッケル系水素吸蔵合金及びその製造法、並びにニッケル水素2次電池用負極
JP3278065B2 (ja) 水素吸蔵可能な通常外サイトを高密度で有する水素吸蔵材料
JP5092747B2 (ja) 水素吸蔵合金とその製造方法、水素吸蔵合金電極、及び二次電池
JP3737163B2 (ja) 希土類金属−ニッケル系水素吸蔵合金及びニッケル水素2次電池用負極
JP5718006B2 (ja) 水素吸蔵合金およびニッケル水素二次電池
JP3432873B2 (ja) アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
JP4805816B2 (ja) Mg−REM−Ni系水素吸蔵合金の製造方法
JP3934800B2 (ja) 水素吸蔵合金および二次電池
JP3828922B2 (ja) 低Co水素吸蔵合金
WO2002081763A1 (en) Hydrogen storage alloy, production method therefor and ickel-hydrogen secondary battery-use cathode
JP4503915B2 (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法
US9450238B2 (en) Hydrogen absorption alloy, hydrogen absorption alloy electrode, and secondary battery
JP2001247927A (ja) V基固溶体型水素吸蔵合金
JP2001040442A (ja) 水素吸蔵合金
JP3266980B2 (ja) 水素吸蔵合金とその製造方法および水素吸蔵合金電極
JP5716195B2 (ja) 水素吸蔵合金及びこの水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池
JP2001279361A (ja) V基固溶体型水素吸蔵合金
JP2005133193A (ja) 低Co水素吸蔵合金
JP2000234133A (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法
JP3930638B2 (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法
JP3984802B2 (ja) 水素吸蔵合金
JPH10121180A (ja) 水素吸蔵合金およびその製造方法
JP2001181763A (ja) 水素吸蔵合金

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605