JP2001247544A - 芳香族デンドロンを配位子とするランタノイド陽イオン錯体 - Google Patents

芳香族デンドロンを配位子とするランタノイド陽イオン錯体

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JP2001247544A
JP2001247544A JP2000061702A JP2000061702A JP2001247544A JP 2001247544 A JP2001247544 A JP 2001247544A JP 2000061702 A JP2000061702 A JP 2000061702A JP 2000061702 A JP2000061702 A JP 2000061702A JP 2001247544 A JP2001247544 A JP 2001247544A
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Manabu Kawa
学 加和
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水やアルコール類のような水酸基を有する溶
媒が存在する環境においても、蛍光能等の優れた物理化
学的性質を安定に保持するランタノイド陽イオン錯体
と、これを含む樹脂組成物、及び新規な芳香族デンドロ
ンを提供する。 【解決手段】 フォーカルポイント含窒素芳香族残基を
有する芳香族デンドロンを配位子として含有するランタ
ノイド陽イオン錯体。かかるデンドロンは通常1〜6世
代であり、アンテナ効果による錯体の輝度の点で好まし
いのは2〜5世代である。第2、第3世代の芳香族デン
ドロンをそれぞれ2,3に例示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水やアルコール類
のような水酸基を有する溶媒が存在する環境において
も、蛍光能等の優れた物理化学的性質を安定に保持する
ランタノイド陽イオン錯体と、これを含む樹脂組成物、
及び新規な芳香族デンドロンに関する。本発明のランタ
ノイド陽イオン錯体は、例えば蛍光免疫分析で用いられ
る蛍光ラベル剤等の幅広い蛍光利用用途に有用である。
また、本発明のランタノイド陽イオン錯体をアクリル系
樹脂等の透明樹脂に分散した樹脂組成物は、ランタノイ
ド元素を高濃度かつ非凝集状態で含むので、高屈折率レ
ンズ、光導波部材、あるいはレーザー発振材料等を与え
る。
【0002】
【従来の技術】ランタノイド元素は、近紫外、可視、近
赤外といった幅広い波長領域の蛍光を発するため、細胞
染色や免疫分析のような生物学的分析における蛍光マー
カー、ブラウン管の蛍光体、光通信における光増幅器等
の光導波路、あるいはレーザー発振材料等として広範な
産業分野で使用されてきた重要な発光元素群である。こ
の蛍光は、その他の遷移金属元素や有機蛍光体の発光と
比べた場合、配位子場等の外界の影響を受けにくいf軌
道電子の遷移が関与する。従って、発光帯の波長幅が原
理的に狭いことによる高い色純度、ミリ秒に及ぶ場合も
ある長い蛍光寿命等の特徴を有する。
【0003】しかし、水やアルコール類のように水酸基
を有する分子がランタノイド陽イオンに配位すると、O
−H結合の振動モードによる励起エネルギーの非発光緩
和が起こりやすいため、蛍光強度が大きく低下する欠点
があった。また、石英ガラス等の無機ガラス製造時に酸
化物等のランタノイド無機塩類をガラス原料の無機塩に
添加して溶融混合したり、あるいは既存の有機配位子に
よるランタノイド錯体を透明樹脂(例えば、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等)に混
合することにより透明マトリクスにランタノイド元素を
分散した場合、溶解度や分散性が不十分であるために凝
集が起こり、凝集したランタノイド元素間での励起エネ
ルギーの授受による非発光緩和(濃度消光)が起きる場
合があった。
【0004】前記のようなランタノイド元素の凝集によ
る濃度消光を防ぐ目的で、立体的にかさ高くしかもコン
フォーメーション変化による空間的広がりの変化が原理
的に極度に少ないデンドリマー構造によりランタノイド
陽イオンを包含する方法が検討され、M.Kawaら;
Chem.Mater.,10巻,286−296頁
(1998)においてその有効性が「シェル(Shel
l)効果」として報告されている。この場合、紫外光を
吸収するポリベンジルエーテルデンドロンを配位子とし
ているため、3価テルビウム陽イオン(Tb3+)や3価
ユウロピウム陽イオン(Eu3+)の錯体において、該デ
ンドロンが吸収する紫外光のエネルギーを効率的にTb
3+やEu3+に移動してこれを強く蛍光せしめる増感作用
が複合して生ずる。前記文献では、大きなデンドロンを
配位子とすると急激にその増感作用が増大することか
ら、これを「アンテナ効果」として報告している。
【0005】しかしこれら一連の方法は、ランタノイド
陽イオンへの配位形式として、デンドロンのフォーカル
ポイントに結合したカルボキシレート陰イオンとの相互
作用を利用しており、その相互作用が比較的弱くしかも
ランタノイド陽イオンの配位座が該カルボキシレート陰
イオンで完全に塞がれていないために、水分子等の配位
による前記の非発光緩和が起こりやすい欠点があった。
【0006】一方、含窒素芳香族残基をフォーカルポイ
ントに有するポリベンジルエーテルデンドリマーを2価
ルテニウム陽イオン(Ru2+)に配位させる一連の研究
が以下の諸文献に報告されている。即ち、フォーカルポ
イントに1,10−フェナントロリン残基を有する方法
がS.Serroniら;Gazzetta Chim
ica Italiana,124巻,423−427
(1994)に、同様に2,2’−ビピリジル残基を有
する方法がM.Plevoetsら;New.J.Ch
em.,63−69頁(1999)、およびF.Voe
gtleら;J.Am.Chem.Soc.、121
巻、6290−6298頁(1999)にそれぞれ報告
されている。Ru2+は赤色発光能を有し、前記のF.V
oegtleら著の文献には芳香族デンドロンによる増
感作用(アンテナ効果)が報告されている。しかしこれ
は、前記のランタノイド陽イオン錯体の場合に観察され
たアンテナ効果に比べてはるかに小さいものであり、産
業上の利用価値の点で満足できるものではなかった。さ
らに、同じ研究グループによりJ.Issberner
ら;Chem.Eur.J.,3巻,706−712
(1997)に報告されているように、2,2’−ビピ
リジル残基により配位を受けているRu2+は酸素による
消光を受けやすいため、産業上の利用に制限があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、水やアルコール
類のような水酸基を有する溶媒が存在する環境において
も、蛍光能等の優れた物理化学的性質を安定に保持する
ランタノイド錯体とその用途の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、フォーカルポイン
トに含窒素芳香族残基を有する芳香族デンドロンを配位
子として含有するランタノイド陽イオン錯体が非常に優
れた蛍光能等の物理化学的性質を有するものとなること
を見い出して本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明の要旨は、フォーカルポイン
トに含窒素芳香族基を結合した芳香族デンドロンを配位
子として含有するランタノイド陽イオン錯体と、これを
与える新規な芳香族デンドロン、及び該錯体を含む樹脂
組成物の3点に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。 [デンドロン]本発明におけるデンドロン(Dendr
on)とは規則的な樹枝状分岐を有する構造である。こ
れは、近年盛んになってきているデンドリマー(Den
drimer:樹枝状規則分岐を有する高分子構造の総
称)の研究において、かかる構造単位を持つ分子構築部
品という意味で広く用いられる術語と同意であり、例え
ば、G.R.Newkomeら著の成書;Dendri
tic Molecules,Concepts・Sy
nthesis・Perspectives(VCH
Verlagsgesellschaft mbH;W
einheim,Germany;1996、ISB
N:3−527−29325−6)にて用いられてい
る。そして、最初の分岐点、即ち該分岐構造の開始点
(デンドロンを模式的に扇型と見なした場合の扇の要に
相当)をフォーカルポイントと称し、分岐の次数を「世
代(Generation)」と称する(図1を参
照)。
【0011】図1の模式的デンドロンの分岐点は、例え
ば窒素原子やリン原子等の3つ以上の結合手を有する単
一原子であっても、あるいはベンゼン環等の3つ以上の
置換基結合点を有する原子団であっても構わない。ま
た、かかる分岐点を1つ有する構造(即ち第1世代)も
本発明ではデンドロンと見なす。本発明に用いられる芳
香族デンドロンとは、その構造単位に芳香環を有するも
のである。これは、該デンドロンに前記の「アンテナ効
果」を発揮せしめるためである。ここで芳香環とは、例
えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の
炭化水素芳香環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン
環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノ
リン環、キナゾリン環、キノキサリン環、1,5−ナフ
チリジン環、プリン環、アクリジン環等の含窒素芳香
環、フラン環等の含酸素芳香環、チオフェン環等の含硫
黄芳香環等を意味する。
【0012】本発明に使用可能なデンドロンの構造例と
して、具体的には、3,5−ジオキシベンジル基を繰り
返し単位とするポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエ
ーテル構造、3,5−ジオキシベンゾイル基を繰り返し
単位とするポリヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエス
テル構造、3,5−ジアミノベンゾイル基を繰り返し単
位とするポリアミノ安息香酸等の芳香族ポリアミド構
造、芳香族ポリカーボネート構造、芳香族ポリエステル
カーボネート構造、ポリフェニレンスルフィド等の芳香
族ポリスルフィド構造、芳香族ポリイミド構図、芳香族
ポリアミドイミド構造等の炭素以外の元素を高分子主鎖
に含む芳香族系高分子構造、ポリフェニレン構造、ポリ
フェニレンエチニレン構造、ポリフェニレンエチレン構
造等の炭素原子どうしの結合で主鎖が構成されている芳
香族系共役高分子構造等が挙げられる。これらのうちポ
リベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテル構造、ポリ
ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエステル構造等が好
ましく、中でもポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエ
ーテル構造がより好ましく、3,5−ジオキシベンジル
基を繰り返し単位とするポリベンジルエーテル構造
(C.J.Hawkerら;J.Am.Chem.So
c.、112巻、7638−7647頁(1990)を
参照)が最適である。なお、錯体の発光特性を大きく損
なわない限りにおいて、これらの複数種の構造が1つの
デンドロン中に共存していても差し支えない。 [含窒素芳香族残基]本発明に用いられる芳香族デンド
ロンは、そのフォーカルポイントに含窒素芳香族残基を
有する。かかる含窒素芳香族残基とは、任意数の芳香環
からを含む原子団であり、その中に少なくとも1つの含
窒素芳香環を有するものである。ここでいう含窒素芳香
環とは、前記の芳香族デンドロンの構造単位に用いられ
る芳香環の説明における用語と同一である。かかる含窒
素芳香族残基としては、ピロール残基、ピリジン残基、
ピリミジン残基、ピラジン残基、トリアジン残基、キノ
リン残基、イソキノリン残基、シノリン(Cinnol
ine)残基、フタラジン残基、キナゾリン残基、キノ
キサリン残基、1,5−ナフチリジン残基、1,8−ナ
フチリジン残基、プテリジン(Pteridine)残
基、プリン残基、アデニン残基、アクリジン(Acri
dine)残基、フェナントリジン(Phenanth
ridine)残基、フェナジン(Phenazin
e)残基、2,2’−ビピリジル残基、1,10−フェ
ナントロリン(Phenanthroline)残基、
1,9,10−アンチリジン(Anthyridin
e)残基、アロキサジン(Alloxazine)残
基、2,2’:6’,2”−テルピリジン(Terpy
ridine)残基、2,6−ピリジンジカルボン酸残
基等が例示される。これらのうち、配位能力の点で、
1,5−ナフチリジン残基、1,8−ナフチリジン残
基、2,2’−ビピリジル残基、1,10−フェナント
ロリン残基、1,9,10−アンチリジン残基、2,
2’:6’,2”−テルピリジン残基等の複数の窒素原
子が各々異なる単位芳香環に存在する構造、ピラジン残
基、キノキサリン残基、1,5−ナフチリジン残基、プ
テリジン(Pteridine)残基、プリン残基、ア
デニン残基、フェナジン残基、2,2’−ビピリジル残
基、1,10−フェナントロリン残基、アロキサジン残
基、2,2’:6’,2”−テルピリジン残基等の少な
くとも2個の窒素原子を有し且つ該窒素原子が炭素原子
2個を介して結合されてなる構造、あるいは2,6−ピ
リジンジカルボン酸残基等のカルボキシル基等の補助的
な配位官能基を窒素原子の近傍に有する構造等が好適に
用いられ、中でも2,2’−ビピリジル残基、1,10
−フェナントロリン残基、2,2’:6’,2”−テル
ピリジン残基等の複数の窒素原子が各々異なる単位芳香
環に存在し且つ該窒素原子が炭素原子2個を介して結合
されてなる構造が最適である。これら残基中の任意の位
置にデンドロン骨格が結合していて構わない。
【0013】本発明に用いられる芳香族デンドロンのフ
ォーカルポイントに位置する含窒素芳香族残基は、大別
して2種類の様式で該デンドロンを構成する。第1の様
式は、含窒素芳香族残基自体が最初の分岐点であるフォ
ーカルポイントそのものを構成する場合であり、具体的
には構造式1〜4に例示される。第2の様式は、構造式
5に例示されるようにフォーカルポイント(構造式5の
場合○印で囲ったベンゼン環)に含窒素芳香族残基が結
合する場合である。つまり、本発明におけるかかる含窒
素芳香族残基の効果は、ランタノイド陽イオンに複数の
配位点(窒素原子)で強力に配位すること、および芳香
族デンドロンのアンテナ効果によるフォーカルポイント
に集中した励起エネルギーをランタノイド陽イオンに有
効に伝達することの2点に存するため、これら2つの効
果を発現する限りにおいて前記の2種の様式のいずれで
も構わない。なお本発明においては、構造式1の例示は
第1世代、構造式2の例示は第2世代、構造式3〜5の
例示はいずれも第3世代のデンドロンに相当することに
なる。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】 かかる芳香族デンドロンの世代数に特に制限はなく、通
常1〜6世代であり、アンテナ効果による錯体の輝度の
点で好ましいのは2〜5世代、最も好ましくは2〜4世
代である。一方、第1あるいは第2世代の芳香族デンド
ロンは、錯体の輝度と製造の容易性(経済性)の点で特
に好ましいバランスを有する場合もあるので産業への応
用上重要である。 [ランタノイド陽イオン錯体]本発明に用いられるラン
タノイド陽イオンとは、原子番号が57以上71未満の
元素の陽イオンであり、その価数に制限はない。具体的
には、La3+,Ce3+,Pr3+,Nd3+,Pm3+,Sm
3+,Eu3+,Gd3+,Tb3+,Dy3+,Ho3+,E
3+,Tm3+,Yb3+、Lu3+等の3価陽イオン、Sm
2+,Eu2+,Tm2+,Yb2+,等の2価陽イオン、Nd
4+あるいはDy4+等の4価陽イオンが例示される。これ
らのうち、Pr3+,Nd3+,Sm2+,Sm3+,Eu2+
Eu3+,Gd 3+,Tb3+,Dy3+,Ho3+,Er3+,T
3+,Yb3+の各陽イオンは近紫外〜近赤外領域に蛍光
能を有することから重要であり、Pr3+,Nd3+,Sm
3+,Eu3+,Gd3+,Tb3+,Dy3+,Ho3+,E
3+,Tm3+,Yb3+の各3価陽イオンはf軌道電子遷
移の関与する発光帯の波長幅の狭い蛍光能を有するので
より重要であり、Pr3+,Nd3+,Sm3+,Eu3+,T
3+,Dy3+,Ho3+,Er 3+,Tm3+の各3価陽イオ
ンは可視〜近赤外の蛍光能を有するので更に重要であ
り、Sm3+,Eu3+,Tb3+の各3価陽イオンは最も重
要である。
【0019】本発明に用いられるランタノイド陽イオン
錯体は、陽イオンの正電荷を中和する対陰イオンを含有
する。かかる対陰イオンとしては、フッ化物イオン、塩
化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲ
ン化物イオン、フマラートイオン(蟻酸イオン)、アセ
タートイオン(酢酸イオン)、ベンゾアートイオン(安
息香酸イオン)、2−ピリジンカルボキシラートイオ
ン、3−ピリジンカルボキシラートイオン(ニコチン酸
イオン)、ナフタレンカルボン酸イオン等のカルボキシ
ラートイオン類、メトキシドイオン、エトキシドイオ
ン、tert−ブトキシドイオン、フェノキシドイオン
等のアルコキシドイオン類、ClO4 -、BF 4 -、AlF
4 -、PF6 -、AsF6 -等の複数の電気陰性度の大きな元
素を含有する陰イオン、アセチルアセトナートイオンや
構造式6に例示されるβ−ジケトナートイオン類、構造
式7に例示されるスルフォニルアミダートイオン類等が
例示される。これらのうち好ましく用いられるのは、フ
マラートイオン(蟻酸イオン)、アセタートイオン(酢
酸イオン)、2−ピリジンカルボキシラートイオン等の
カルボキシラートイオン類、ClO4 -、BF4 -、PF6 -
等の複数の電気陰性度の大きな元素を含有する陰イオ
ン、アセチルアセトナートイオンや構造式6に例示され
るβ−ジケトナートイオン類、構造式7に例示されるス
ルフォニルアミダートイオン類等であり、アセタートイ
オン(酢酸イオン)、あるいはBF4 -、PF 6 -等の比較
的小さいが溶剤溶解性に優れる陰イオンが最も好まし
い。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】 本発明に用いられるランタノイド陽イオン錯体は、前記
の芳香族デンドロンを最低1つ配位子として含有する。
場合によっては、本発明の効果を著しく阻害しない限り
において他の配位子、例えば、アニリン等の芳香族アミ
ン類、ピリジンやキノリン等の1つの窒素原子を含有す
る芳香族化合物、2,2’−ビピリジル、1,10−フ
ェナントロリン、2,2’:6’,2”−テルピリジン
等の複数の窒素原子を含有する芳香族化合物、メルカプ
トエタノールやチオフェノール等のシオール基を有する
化合物、チオフェン等の硫黄原子を含有する芳香族化合
物、トリオクチルフォスフィンオキシド、トリブチルフ
ォスフィンオキシド、トリフェニルフォスフィンオキシ
ド等のフォスフィンオキシド類、トリオクチルフォスフ
ィンやトリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフ
ィン等のフォスフィン類等を併用しても構わないが、通
常、前記の芳香族デンドロンのみを配位子として含むの
が好ましい。 [デンドロンの製造方法]本発明に好適なポリベンジルエ
ーテルデンドロン骨格は、前記のC.J.Hawker
ら著の文献に記載の合成方法を利用して製造可能であ
る。即ち、非フォーカルポイント末端の構成単位、例え
ばベンジルブロミドを、3,5−ジヒドロキシベンジル
アルコールと、適当な塩基(例えば、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩を適切なクラウ
ンエーテル類と併用するのが好適)の存在下作用させる
エーテル化反応(ウィリアムソン合成)を行うことで第
1世代のデンドリティックベンジルアルコールを得る。
次いで、同文献記載の臭素化反応(四臭化炭素/トリフ
ェニルホスフィンの使用)あるいは三臭化リンによる臭
素化反応により、第1世代のデンドリティックベンジル
ブロミドに変換する。これを用いた前記同様のエーテル
化反応により第2世代のデンドリティックベンジルアル
コールとすることができ、更に前記同様の臭素化反応に
より第2世代のデンドリティックベンジルブロミドに変
換できる。こうしたエーテル化反応と臭素化反応の繰り
返しにより、デンドロン骨格の世代数を増加できる。
【0022】該エーテル化反応(ウィリアムソン合成)
は、好ましくない酸化反応等を避けるため、乾燥した窒
素やアルゴン等の不活性気体の雰囲気下で行うのが望ま
しく、通常、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン
系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド系溶剤等の不活性溶剤を媒体として行うが、必要に応
じメタノールやエタノール等のアルコール系溶剤を加え
ても差し支えない。その反応温度は、通常20℃〜10
0℃、反応性と化合物の安定性の観点から好ましくは3
0℃〜90℃、更に好ましくは40℃〜80℃、最も好
ましくは50℃〜70℃とし、反応時間は、通常1〜9
6時間、生産性と生成物の安定性の観点から好ましくは
2〜72時間、更に好ましくは3〜48時間、最も好ま
しくは3〜24時間程度とする。また、炭酸カリウム等
の固体塩基を用いる場合2相系反応となるので、十分な
攪拌効率を確保するために機械的攪拌装置の使用が望ま
しい場合もある。
【0023】また、本発明に用いられる芳香族デンドロ
ンは、例えばビニル基等の反応性官能基を非フォーカル
ポイント末端に結合していても構わない。特に、ラジカ
ル反応性のスチレン残基や(メタ)アクリロイル基を有
する場合には、後述する樹脂組成物を得る際にスチレン
やアクリルモノマーとの共重合性が生じるため、組成物
の均質性や透明度が非常に良好になる場合がある。かか
る反応性末端を有する芳香族デンドロンは、4−クロロ
メチルスチレンを、前記の非フォーカルポイント末端の
構成単位としてベンジルブロミドの代わりに、あるいは
これと混合して用いて製造される。 [好ましいフォーカルポイント構造の導入手段] (1)フォーカルポイントに2,2’−ビピリジル残基
を有するデンドロン フォーカルポイントに2,2’−ビピリジル残基を有す
るデンドロンは、前記のM.Plevoetsら著の文
献、あるいは前記のF.Voegtleら著の文献に記
載の方法に準じて合成可能である。即ち、リチウムジイ
ソプロピルアミド(通称LDA)により活性化された
4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジンに対して、
ベンジルブロミドあるいは前記で得られる任意世代数の
デンドリティックブロミドを乾燥したテトラヒドロフラ
ン等の溶媒中で縮合させて得られる。なお、リチウムジ
イソプロピルアミドをn−ブチルリチウム等のアルキル
リチウム試薬とジイソプロピルアミンとから系中でin
situ生成させ、次いで4,4’−ジメチル−2,
2’−ビピリジンを加える方法も可能である。 (2)フォーカルポイントに1,10−フェナントロリ
ン残基を有するデンドロン フォーカルポイントに1,10−フェナントロリン残基
を有するデンドロンは、前記のS.Serroniら著
の文献に記載の方法に準じて合成可能である。即ち、
4,7−ジクロロ−1,10−フェナントロリンに対し
て、ベンジルアルコールあるいは前記で得られる任意世
代数のデンドリティックベンジルアルコールを塩基存在
下で縮合させて得られる。あるいは、4,7−ジヒドロ
キシ−1,10−フェナントロリンに対して、ベンジル
ブロミドあるいは前記で得られる任意世代数のデンドリ
ティックベンジルブロミドを塩基存在下で縮合させて得
られる。 (3)フォーカルポイントに2,2’:6’,2”−テ
ルピリジン残基を有するデンドロン フォーカルポイントに2,2’:6’,2”−テルピリ
ジン残基を有するデンドロンは、例えば4’−クロロ−
2,2’:6’,2”−テルピリジンに対して前記で得
られる任意世代数のデンドリティックベンジルアルコー
ルを適当な塩基の存在下縮合させるエーテル化反応(例
えばU.S.Schubertら;Polym.Pre
pr.(アメリカ化学会),40巻,1070−107
1頁(1999)を参照)により、該テルピリジン残基
の4’−位にデンドロンがエーテル結合した化合物が得
られる。
【0024】また、U.S.Schubertら;Sy
nthesis,779−782頁(1999)に記載
の方法により得られる5,5”−ビス(ブロモメチル)
−2,2’:6’,2”−テルピリジンを加水分解して
5,5”−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’:
6’,2”−テルピリジンに変換し、水素化ナトリウム
等の適当な塩基存在下においてベンジルアルコールある
いは前記で得られる任意世代数のデンドリティックベン
ジルアルコールを縮合させるエーテル化反応により、該
テルピリジン残基の5−及び5’−位にデンドロンがそ
れぞれエーテル結合した化合物が得られる。
【0025】あるいは、前記の5,5”−ビス(ブロモ
メチル)−2,2’:6’,2”−テルピリジンに対し
て、ベンジルブロミドあるいは前記の任意世代数のデン
ドリティックベンジルブロミドとを炭素−炭素結合によ
り縮合させるべく、いずれかの原料を無水テトラヒドロ
フラン中で金属マグネシウムと作用させGrignar
d試薬に変換し、次いでGrignard反応させるこ
とも可能である。この場合には、該テルピリジン残基の
5−位及び5’−位にデンドロンがそれぞれ2つのメチ
レン基を介して結合した化合物が得られる。有機マグネ
シウム化合物を用いるかかるGrignard反応の代
わりに、例えば有機亜鉛化合物や有機銅化合物を用いる
任意のカルボアニオン反応の適用も可能である。 (4)フォーカルポイントに2,6−ピリジンジカルボ
ン酸残基を有するデンドロン フォーカルポイントに2,6−ピリジンジカルボン酸残
基を有するデンドロンは、M.Latvaら;J.Lu
minescence,75巻,149−169頁(1
997)、あるいはH.Takaloら;Helv.C
him.Acta,76巻,877−883頁(199
3)に記載の方法に準じて合成可能である。即ち、4−
ハロゲノ−2,6−ピリジンジカルボン酸エステルを炭
素−炭素結合を生成する反応(例えばハロゲン化アリー
ルとアセチレン誘導体をパラジウム(II)触媒と銅塩の
共存下縮合する反応)によりエチニレン基を介してデン
ドロンのフォーカルポイントに結合可能である。なお、
デンドロンとエチニレン基との結合は、3,5−ジヒド
ロキシクロロベンゼンのようなヒドロキシハロゲノベン
ゼンをフォーカルポイント単位として用いた任意世代数
のデンドロンをまず製造し、ついでトリメチルシリルア
セチレンやモノナトリウムアセチリドのようなアセチレ
ン化試薬との縮合反応により得られる。 [ランタノイド錯体の製造方法]芳香族デンドロンがフォ
ーカルポイントに2,2’−ビピリジル基、1,10−
フェナントロリン残基、あるいは2,2’:6’,2”
−テルピリジン残基等の複数の窒素原子を有する含窒素
芳香族残基を有する場合、前記のS.Serroni
ら、M.Plevoetsら、F.Voegtleら、
およびJ.Issbernerら著の各文献に記載の配
位反応に準じて合成可能である。即ち、デンドロンと塩
化ユウロピウム(III)や酢酸テルビウム(III)等のラ
ンタノイド塩とを両者が適度に溶解する適当な溶媒系
(例えばクロロフォルム/エタノール混合系等)で加熱
して接触させることでデンドロンを配位させる。この場
合、一方の原料が十分に溶解せず、固−液2相反応とな
る場合もあり、このような場合には24時間〜100時
間といった長時間反応を要する場合がある。また、生成
物の溶剤溶解性を調節して精製を容易にする目的で最終
的に陰イオン交換(例えば塩化物イオンからPF6 -陰イ
オンに交換)を行うと精製の点で好適な場合がある。ラ
ンタノイド塩化物等のハロゲン化物を原料とする場合、
陰イオン交換を促進するために硝酸銀等の銀塩を併用す
ると好適な場合もある。生成物の精製は、溶剤溶解性が
よい場合にはシリカゲルクロマトグラフィ等により可能
であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C、あるいは排除容積クロマトグラフィ:SEC)によ
る精製が好ましい場合もある。
【0026】芳香族デンドロンがフォーカルポイントに
2,6−ピリジンジカルボン酸残基を結合している錯体
は、前記のM.Latvaら著の文献に記載の配位反応
に準じて合成可能である。即ち、前記のフォーカルポイ
ントに2,6−ピリジンジカルボン酸残基を有するデン
ドロンを塩化ユウロピウム(III)や酸化ユロピウム(I
II)等のユウロピウム(III)塩と適当な溶媒中で接触
させることで配位させる。 [樹脂組成物]本発明のランタノイド陽イオン錯体を、
公知の合成樹脂マトリクスと任意方法で混合した樹脂組
成物は産業上有用である。かかる樹脂組成物は、樹脂に
相溶性の良い芳香族デンドロンに包含され独立したラン
タノイド陽イオンを含むので、ランタノイド元素が高濃
度かつ非凝集状態で樹脂マトリクスに分散している。従
って、高い透明性と屈折率、該錯体が蛍光能を有する場
合には濃度消光の抑制された蛍光能、といった応用上優
れた性質を有する樹脂組成物となる。
【0027】アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の透明熱可塑性樹脂との樹脂組成物
は、例えば溶液混合や溶融混練等により製造される。あ
るいは、本発明のランタノイド陽イオン錯体を合成樹脂
のモノマー(例えば、スチレン、メタクリル酸メチルや
アクリル酸エチル等のアクリル系モノマー、4−ビニル
ピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルピロリドン等極
性モノマー等のラジカル反応性モノマー)とあらかじめ
混合し、次いで該モノマーを重合せしめるin−sit
u合成も可能である。
【0028】本発明のランタノイド陽イオン錯体の樹脂
組成物は、ビス(メタ)アクリロイル化合物による硬化
性アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の硬化性樹脂のモノマ
ーに該錯体をあらかじめ溶解しておき、次いで硬化させ
ることによっても得られる。得られる樹脂組成物に、任
意の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、あるいは光
安定剤等の各種安定剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、マ
イカ、タルク、カオリン、粘土鉱物、炭素繊維、カーボ
ンブラック、黒鉛、金属繊維、金属粉、半導体粉等の各
種フィラー、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、顔料や染
料、ゴムやエラストマー類等、必要に応じて任意の添加
物を混合することも可能である。 [用途]本発明のランタノイド陽イオン錯体が蛍光能を
有する場合には、例えば蛍光免疫分析用等の蛍光ラベル
剤として非常に好適に用いられる。具体的には、例えば
ポリスチレンやポリメチルメタクリレート等の樹脂ラテ
ックスに担持あるいは溶解させ、ここに抗原、抗体、ハ
プテン等の生体分子との特異的相互作用を有する分子を
結合したラテックス試薬として利用される。
【0029】前記の樹脂組成物は、例えば、原子番号が
大きいランタノイド元素の屈折率増加効果を利用したレ
ンズ、太さ方向の屈折率変化を持たせた光導波路、マト
リクス中に数ナノメートルレベルの微小な屈折率変化を
持たせることにより生じる光散乱現象を利用する光導波
部材、或いは近赤外領域の蛍光(1.3〜1.5μmの
波長)を有する例えばPr3+やEr3+等の陽イオンを使
用した光増幅器等の光通信用部材、レーザー発信器等の
材料として有用である。
【0030】本発明のランタノイド陽イオン錯体の優れ
た溶剤溶解性を利用して溶液を調製することができ、無
機蛍光体分散液における沈殿の生成等の問題の生じな
い、優れた保存安定性を有する蛍光性塗装材としても利
用することができる。これを例えば、平面、曲面、パイ
プ状等の任意の形状の成形体の外表面に塗布すれば、蛍
光を利用した道路標識、安全標識、ナンバープレート、
安全表示シール等の各種表示板(紙)、ヘルメット、バ
ンパー、雨具(雨合羽、傘等)等の交通安全確保のため
の保護部品や保護具、蛍光灯等の照明器具、エックス線
増感紙等の増感紙等の製品が有利に得られる。
【0031】かような薄膜塗布製品を得る方法に特に制
限はないが、例えば使用するランタノイド陽イオン錯体
の溶液を基材上に塗布及び乾燥するような汎用的な方法
(必要に応じ加熱・変形等任意の工程を付加する)によ
り好適に製造できる。この時使用される溶剤は、使用す
るランタノイド陽イオン錯体に対する必要な溶解性を有
する限りにおいて特に制限はない。使用するランタノイ
ド陽イオン錯体の溶液の濃度は特に限定されるものでは
なく、塗布方法や目的とする膜厚等により異なるが、通
常0.001〜1000mg/mL、好ましくは0.0
1〜100mg/mL程度である。この時、必要に応じ
て共溶解する合成樹脂(例えば、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンオキ
シド、ポリビニルアルコール、あるいはポリビニルピロ
リドン等の親水性高分子、等)をバインダーとして添加
しても構わない。塗布に用いられる基材には特に制限は
ないが、例えば、金属、金属酸化物、セラッミックス、
化合物半導体などの無機物質、及び各種ポリマーや紙な
どの有機物質、あるいは水やアルコール類等の液体表面
を利用したLB膜法に使用することもできる。中でも、
金属、金属酸化物、セラッミックス、化合物半導体など
の無機物質を用いるのが好ましい。ランタノイド陽イオ
ン錯体溶液の基材への塗布方法としては、スピンコーテ
ィング法、ディップコーティング法、ウェッティングフ
ィルム法、スプレーコーティング法等の一般的な方法を
用いることができる。更に、使用されるランタノイド陽
イオン錯体あるいは前記の樹脂組成物が熱可塑性を有す
る場合には、加熱押し出し製膜のような汎用的な製膜方
法も可能である。
【0032】このようにして得られる膜の膜厚、大き
さ、形状、面の性質(例えば平面、球面、曲面、凹面、
凸面、多孔質の面、平滑性、あるいは厚さの分布等の属
性)には特に制限はないが、例えば膜厚は、通常、1〜
100,000nm、好ましくは1〜10,000n
m、より好ましくは1〜1,000nm程度である。得
られる薄膜には、前記の樹脂組成物の説明で示した任意
の添加剤を加えても構わない。
【0033】
【実施例】以下に、実施例により本発明の具体的態様を
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、原料試薬や溶剤は特に記載がない限り、Aldr
ich社製のものを精製を加えず使用した。 [測定装置と条件等] (1)NMR:日本電子社製JNM−EX270型FT
−NMR(13C:67.8MHz)溶媒:CDCl3
。 (2)FT−IR:日本分光工業社製FT/IR−80
00型FT−IRを使用し、KBr法あるいは液膜法
(食塩結晶上にサンプルの塩化メチレン溶液のキャスト
フィルムを作成)にて測定。 (3)蛍光強度:日立製作所社製F−4500型蛍光光
度計。溶液サンプルを光路長さ1cmの石英セルに入れ
て測定した。 [原料となるポリベンジルエーテルデンドロンの合成]
前記のC.J.Hawkerら著の文献に記載の方法と
同様に行った。即ち、まず始めに、ベンジルブロミド
(2.05当量)、3,5−ジヒドロキシベンジルアル
コール(1.0当量)、および18−クラウン−6エー
テル(0.2当量)を乾燥アセトンに溶解し、新たに粉
砕した無水炭酸カリウム(2.5当量)を加えて乾燥窒
素雰囲気において加熱するエーテル化反応により、第1
世代のデンドリティックベンジルアルコールである3,
5−(ベンジルオキシメチル)ベンジルアルコール(該
文献に従い、以下[G−1]−OHと略記)を得た。メ
タノールからの再結晶で精製した[G−1]−OHは、
次いで四臭化炭素(1.25当量)とともに最小量の乾
燥テトラヒドロフランに溶解し、氷冷しながらトリフェ
ニルフォスフィン(1.25当量)を加える臭素化反応
により、第1世代のデンドリティックベンジルブロミド
である3,5−(ベンジルオキシメチル)ベンジルブロ
ミド(以下[G−1]−Brと略記)に変換し、メタノ
ールより再結晶して精製した。以下、前記のエーテル化
反応においてベンジルブロミドの代わりに[G−1]−
Brを用いて第2世代のデンドリティックベンジルアル
コール(以下[G−2]−OHと略記)を得、これを前
記の臭素化反応により相当する第2世代のデンドリティ
ックベンジルブロミド(以下[G−2]−Brと略記)
に変換した。更に同様に、[G−2]−Brを用いて第
3世代のデンドリティックベンジルアルコール(以下
[G−3]−OHと略記)を得た。こうした2種の反応
の繰り返しによりデンドロンの世代数を増加させること
が可能である。第2世代及び第3世代のデンドロンは、
メタノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶して精製し
必要に応じシリカゲルカラムクロマトグラフィによる精
製を併用した。これらの合成品の構造は、1H及び13
−NMRスペクトル及びFT−IRスペクトルが、前記
のC.J.Hawkerら著の文献の報告と一致したこ
とから確認した。 [フォーカルポイントに2,2’−ビピリジル基を有す
るデンドロンの合成]前記のF.Voegtleら著の
文献に記載の方法と同様に行った。即ち、ジイソプロピ
ルアミン(2.63当量)を乾燥テトラヒドロフランに
−10℃で溶解し、ここにn−ブチルリチウム(2.4
8当量)を加え、20分程度後に更に4,4’−ジメチ
ル−2,2’−ビピリジン(1当量)の乾燥テトラヒド
ロフラン溶液を加え、更に45分後に前記で合成したデ
ンドリティックベンジルブロミド[G−2]−Br
(2.81当量)を加え室温で反応を継続した。反応終
了後、反応液を氷水に投入し塩化メチレンで抽出した。
集めた有機相は乾燥後濾過し、濃縮して得た残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィで精製した。この操作に
より、該デンドロンのフォーカルポイントのベンゼン環
が−CH2−CH2−結合を介して2,2’−ビピリジ
ン核の4位と4’位にそれぞれ1つずつ結合した目的化
合物を得た(以下[G−2]2bpyと略記)。この構
造は、1H及び13C−NMRスペクトル、及びFT−I
Rスペクトルが、前記のF.Voegtleら著の文献
の報告と一致したことから確認した。 [フォーカルポイントに1,10−フェナントロリン残
基を有するデンドロンの合成]前記で合成した第2世代
のデンドリティックベンジルブロミド([G−2]−B
r、2.05当量)と4,7−ジヒドロキシ−1,10
−フェナントロリン(1当量)とを、炭酸カリウム
(2.5当量)及び18−クラウン−6エーテル(0.
2当量)の共存下乾燥テトラヒドロフラン中で加熱して
縮合させるエーテル化反応を行った。反応液は濃縮後、
水と塩化メチレンで分液し、有機相を乾燥・濾過し濃縮
した。得られた残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィにより精製した。この操作により、該デンドロンの
フォーカルポイントのベンゼン環が−CH2−O−結合
を介して1,10−フェナントロリン核の4位と7位に
それぞれ1つずつ結合した目的化合物を得た(以下[G
−2]2phnと略記)。この構造は、1H及び13C−N
MRスペクトルにおいて、ベンゼン環、ベンジル位、及
び1,10−フェナントロリン環に帰属されるシグナル
を得たことから確認した。 [フォーカルポイントにテルピリジン残基を有するデン
ドロンの合成] (1)4’−クロロ−2,2’:6’,2”−テルピリ
ジンの合成 前記のE.C.Constableら著の文献に従い合
成した。即ち、始めに2−ピリジンカルボン酸エチル
(3当量)とアセトン(1当量)の1,2−ジメトキシ
エタン溶液を、乾燥窒素雰囲気下、水素化ナトリウム
(5ミリ当量)を懸濁分散させた1,2−ジメトキシエ
タン中に加え、室温、次いで加熱還流条件で反応させ
た。濃縮した残渣に過剰量の水を注意深く加えて濾過
し、希塩酸の添加によりpHを7に調整し、析出した黄
色い固体を濾別して水洗した。得られた含水固体をジエ
ーチルエーテルに溶解し無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過次いで濃縮することにより、1,5−ビス
(2’−ピリジル)ペンタン−1,3,5−トリオンの
結晶を得た。これを過剰当量の酢酸アンモニウムととも
にエタノール中で6時間加熱還流し、半分容量まで濃縮
後冷蔵して結晶を析出させた。濾別した結晶をジエチル
エーテルで洗浄後エタノールから再結晶して2,6−ビ
ス(2’−ピリジル)−4−ピリドンの結晶を得た。こ
れを過剰当量(約2倍重量)の五塩化リン(PCl5
とともにオキシ塩化リン(POCl3)を溶媒として1
2時間加熱還流した後減圧濃縮した。得られた残渣に注
意深く過剰量の水を加えて得る酸性水溶液を水酸化カリ
ウム水溶液でアルカリ性とした。得られた懸濁液をクロ
ロフォルムで抽出し、集めた有機相を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後濾過・濃縮した。得られた固体はメタノー
ルから再結晶して、目的とする4’−クロロ−2,
2’:6’,2”−テルピリジンを得た。 (2)デンドリティックベンジルアルコールの縮合 乾燥したジメチルスルフォキシド(DMSO)中で新た
に粉砕した水酸化カリウム(1.5当量)を室温で懸濁
攪拌させ、前記で得た第3世代のデンドリティックベン
ジルアルコール[G−3]−OH(1当量)を加えて7
0℃で2時間攪拌した。ここに、前記で得た4’−クロ
ロ−2,2’:6’,2”−テルピリジン(1当量)を
加えて反応を48時間継続した。反応液は水と塩化メチ
レンの2相間で振り混ぜて分液し有機相を水洗後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥して濾過・濃縮して得た残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。こうして
得た生成物は、1H及び13C−NMRスペクトルにおい
て、ベンゼン環、ベンジル位、及びテルピリジン残基に
帰属されるシグナルを与えたことから、該デンドロンの
フォーカルポイントのベンゼン環が−CH2−O−結合
を介して2,2’:6’,2”−テルピリジン残基の
4’位に結合した目的化合物(以下[G−3]tpyと
略記)と同定した。
【0034】実施例1 [ビピリジルデンドロンを配位子とするEu3+錯体の合
成]前記で合成したフォーカルポイントに2,2’−ビ
ピリジル残基を有するデンドロン[G−2]2bpy
(3当量)に対して、酢酸ユウロピウム(III)無水
物(1当量)を、クロロホルムと無水エタノールの混合
溶媒系中で乾燥窒素雰囲気下にて加熱還流しながら5日
間接触反応させた後、濃縮して生成物を得た(以下[G
−2]2bpy3−Euと略記)。この生成物は、NMR
スペクトルにて非常にブロードなシグナルを与えたこと
から、フォーカルポイントに2,2’−ビピリジル基を
有するデンドロン配位子がEu3+イオンと錯体を形成し
ているものと考えられた。
【0035】実施例2 [フェナントロリンデンドロンを配位子とするEu3+
体の合成]前記で合成したフォーカルポイントに1,1
0−フェナントロリン残基を有するデンドロン[G−
2]2phn(3当量)に対して、酢酸ユウロピウム
(III)無水物(1当量)を、クロロホルムと無水エ
タノールの混合溶媒系中で乾燥窒素雰囲気下にて加熱還
流しながら5日間接触反応させた後、濃縮して生成物を
得た(以下、[G−2]2phn3−Euと略記)。この
生成物は、NMRスペクトルにて非常にブロードなシグ
ナルを与えたことから、フォーカルポイントに1,10
−フェナントロリン残基を有するデンドロン配位子がE
3+イオンと錯体を形成しているものと考えられた。
【0036】実施例3 [テルピリジンデンドロンを配位子とするTb3+錯体の
合成]前記で合成したフォーカルポイントに2,2’:
6’,2”−テルピリジン残基残基を有するデンドロン
[G−2]tpy(2当量)に対して、酢酸テルビウム
(III)無水物(1当量)を、クロロホルムと無水エ
タノールの混合溶媒系中で乾燥窒素雰囲気下にて加熱還
流しながら5日間接触反応させた後、濃縮して生成物を
得た(以下、[G−3]tpy2−Tbと略記)。この
生成物は、NMRスペクトルにて非常にブロードなシグ
ナルを与えたことから、フォーカルポイントに2,
2’:6’,2”−テルピリジン残基を有するデンドロ
ン配位子がTb3+イオンと錯体を形成しているものと考
えられた。
【0037】比較例1〜2 [カルボン酸デンドロンを配位子とするEu3+およびT
3+錯体の合成]カルボン酸デンドロンを配位子とする
第3世代の錯体を下記のように合成した。 (1)フォーカルポイントにカルボキシル基を有するデ
ンドロンの合成 始めに、前記で合成した第2世代のデンドリティックベ
ンジルブロミド([G−2]−Br;2.05当量)と
3,5−ジヒドロキシ安息香酸エチルとを、炭酸カリウ
ム(2.5当量)及び18−クラウン−6エーテル
(0.2当量)の共存下アセトン中で加熱して縮合させ
るエーテル化反応により、フォーカルポイントにエステ
ル基を有する第3世代のデンドロンを合成した。反応液
は濃縮後、水と塩化メチレンで分液し、有機相を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し濾過・濃縮した。得られた残渣
は、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し
た。こうして得たエステルデンドロンは、1H及び13
−NMRスペクトルにおいてエチルエステル、フェニル
基、及びベンジル位に帰属されるシグナルが見られたこ
と、及びFT−IRスペクトルにて1720cm-1付近
にエステルのカルボニル基に帰属される吸収が見られた
ことからその生成を確認した。次に、このエステルデン
ドロンをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、3倍
当量の水酸化カリウムを含む40重量%水溶液を加え更
に反応液が均一となる最小量のメタノールを加え、6時
間加熱還流した。薄層クロマトグラフィ(TLC)で反
応終了確認後、使用した水酸化カリウムに対し過剰当量
の塩酸を含む水溶液中に氷冷下攪拌しながら滴下した。
得られた析出物を塩化メチレンで抽出し、水洗後乾燥・
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製
した。こうして得た第3世代のカルボン酸デンドロン
(以下[G−3]crbと略記)は、1H及び13C−N
MRスペクトルにおいてフェニル基及びベンジル位に帰
属されるシグナルが見られしかもエチルエステル基に帰
属されるシグナルが消失していたこと、及びFT−IR
スペクトルにて1680cm-1付近のカルボニル基に帰
属される吸収帯とカルボキシル基のO−H伸縮振動に帰
属される吸収帯が見られたことから、原料のエチルエス
テル基は完全に加水分解を受け、カルボキシル基に変換
されたものと確認した。 (2)錯体の合成 前記のM.Kawaら著の文献に記載の陰イオン交換反
応方法に準じて合成した。即ち、前記で合成したカルボ
ン酸デンドロン[G−3]crb(3当量)と酢酸ユウ
ロピウム(III)無水物または酢酸テルビウム(II
I)無水物(いずれの場合も1当量)をクロロベンゼン
中攪拌しながら20分加熱還流させた後、大気圧下にて
約7割の溶媒を留去した。揮発成分は最終的に真空減圧
下で完全に除去し、ガラス状固体を得た。こうして得た
カルボン酸デンドロンを配位子とする錯体(以下[G−
3]crb3−Mと略、但しMはEuまたはTbであり
使用したランタノイド種を表す)は、NMRスペクトル
にて非常にブロードなシグナルを与え、FT−IRスペ
クトルにおいて1680cm-1付近のカルボン酸のカル
ボニル基に帰属される吸収と同じくカルボキシル基に帰
属されるO−H伸縮振動とを与えないことから、デンド
ロン配位子のカルボキシル基はカルボキシレートに変換
され錯体を形成しているものと考えられた。 [蛍光能の耐水性比較] (1)サンプル調製 錯体のモル濃度が1μMとなるよう無水テトラヒドロフ
ラン(金属ナトリウムとベンゾフェノンから新たに蒸留
して得た)に溶解した。 (2)蛍光強度測定 強度を測定した蛍光帯は、Eu3+錯体の場合612nm
付近、Tb3+錯体の場合は542nm付近の主発光帯と
し、励起波長は、励起スペクトルの最大値の波長とし
た。前記溶液の調製直後の無水状態での蛍光強度E
dと、ここに不均一溶液とならない少量の水を加え良く
混合した含水状態の蛍光強度Ewを、各実施例および比
較例についてそれぞれ比較した。比較例の錯体である
[G−3]crb 3−Euと[G−3]crb3−Tbで
はいずれもEwはEdの3〜4割程度に低下したが、実施
例の3種の錯体[G−2]2bpy3−Eu、[G−2]
2phn3−Eu、および[G−3]tpy2−Tbでは
いずれもEwはEdからほとんど変化しなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明のランタノイド陽イオン錯体は、
水やアルコール類のような水酸基を有する溶媒が存在す
る環境においても蛍光能が低下しない優れた物理化学的
安定性を有する。また、これを含む樹脂組成物は、ラン
タノイド元素を高濃度かつ非凝集状態で含むので、高い
透明性と屈折率を有し、該錯体が蛍光能を有する場合に
は濃度消光の抑制された蛍光能をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】デンドロンの世代とフォーカルポイントを示す
模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 H01S 3/16 H01S 3/16 // C07F 5/00 C07F 5/00 D Fターム(参考) 4C055 AA01 BA02 BA03 BA25 CA01 DA05 DA06 DA16 DB02 DB08 EA01 EA02 GA02 4C065 AA01 AA04 BB09 CC09 DD02 EE02 HH01 JJ03 KK01 LL03 PP03 QQ04 4H048 AA01 AB92 VA20 VA32 VA70 VA71 VB10 5F072 AB12 YY17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォーカルポイントに含窒素芳香族残基
    を有する芳香族デンドロンを配位子として含有するラン
    タノイド陽イオン錯体。
  2. 【請求項2】 含窒素芳香族残基が、複数の窒素原子が
    各々異なる単位芳香環に存在するものである請求項1に
    記載のランタノイド陽イオン錯体。
  3. 【請求項3】 含窒素芳香族残基が、少なくとも2個の
    窒素原子を有し、且つ該窒素原子が炭素原子2個を介し
    て結合されてなるものである請求項1または2に記載の
    ランタノイド陽イオン錯体。
  4. 【請求項4】 含窒素芳香族残基が、2,2’−ビピリ
    ジル残基、1,10−フェナントロリン残基、及び2,
    2’:6’,2”−テルピリジン残基のいずれかである
    請求項3に記載のランタノイド陽イオン錯体。
  5. 【請求項5】 芳香族デンドロンがポリベンジルエーテ
    ル構造を有するものである請求項1〜4のいずれかに記
    載のランタノイド陽イオン錯体。
  6. 【請求項6】 ランタノイド陽イオンが3価陽イオンで
    ある請求項1〜5のいずれかに記載のランタノイド陽イ
    オン錯体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載のランタノイド陽イ
    オン錯体を含有する樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 フォーカルポイントに2,2’:6’,
    2”−テルピリジン残基を結合してなる芳香族デンドロ
    ン。
  9. 【請求項9】 芳香族デンドロンがポリベンジルエーテ
    ル構造を有するものである請求項8に記載の芳香族デン
    ドロン。
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