JP2001246844A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JP2001246844A
JP2001246844A JP2000058197A JP2000058197A JP2001246844A JP 2001246844 A JP2001246844 A JP 2001246844A JP 2000058197 A JP2000058197 A JP 2000058197A JP 2000058197 A JP2000058197 A JP 2000058197A JP 2001246844 A JP2001246844 A JP 2001246844A
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layer
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infrared
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JP2000058197A
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Yukinori Yamada
幸憲 山田
Tsutomu Yamaguchi
務 山口
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造し難く、セキュリティ性の良好な感熱記
録媒体を提供する。 【解決手段】 赤外発光蛍光体を練り込んでなる短繊維
11を紙材料10の繊維間に混合させたので、赤外発光
の有無を識別することにより真贋判定が可能となり、偽
造を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録媒体に係
り、特にセキュリティ性の向上を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の紙媒体に関し、セキュリティ性
の向上を図る技術は、特開平9−160497号公報や
特開平9−258661号公報に示されている。そこで
は、紫外線が照射されると励起して可視発光する蛍光体
(以下、紫外線励起・可視発光蛍光体と称す)が紙原料
中に混合、又は紙上に塗布されてなる偽造防止ラベルが
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、紫外線励起・
可視発光蛍光体が混合または塗布されてなる紙上に、文
字や模様などを印字すると、可視発光を確認できず、誤
った判定を下す場合があった。これは、紫外線は、印字
インクに含まれる顔料に吸収され易く、蛍光体まで届か
ないことによる。また、紫外線励起・可視発光蛍光体お
よび紫外線照射装置は、比較的入手し易く、偽造は容易
であった。つまり、紫外線励起・可視発光蛍光体を用い
て偽造防止策を施しても、それらの汎用性から、偽造防
止対策は十分ではなかった。また、近年、サーマルヘッ
ドにより文字や模様を記録する感熱媒体を宝くじ券等へ
適用することが考えられているが、この種の感熱記録媒
体についてもセキュリティ性の向上を図ることが求めら
れていた。
【0004】本発明の目的は、真券であるか否かを確実
に判別し得る感熱記録媒体を提供するにある。本発明の
他の目的は、偽造し難く、セキュリティ性の良好な感熱
記録媒体を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すご
とく、基材3の表面に熱によって発色する感熱層2が設
けられてあり、この感熱層2にサーマルヘッドによっ
て、文字、模様などが記録される感熱記録媒体を対象と
する。基材3の内部に、赤外光によって励起され、赤外
光を発光する無機系の蛍光体(無機赤外発光蛍光体)を
含有させる。また、図2に示すごとく、基材5と感熱層
2との間に、赤外光によって励起され、赤外光を発光す
る無機系の蛍光体(無機赤外発光蛍光体)を含有する蛍
光層6を設けてもよい。
【0006】具体的には、基材を紙3とし、この紙3
は、繊維質である紙原料10と、この紙原料10の繊維
間に混合される短繊維11とからなり、短繊維11は、
無機赤外発光蛍光体を練り込んで紡糸したフィラメント
を短繊維状に裁断されてなるものとする。
【0007】無機赤外発光蛍光体は、可視光領域に吸収
及び発光がないものであることが望ましい。無機赤外発
光蛍光体は、ネオジム及び/又はイッテルビウムを含有
するものであることが望ましい。これら無機赤外発光蛍
光体の粒径としては、2μm以下、さらに好ましくは1
μm以下であることがが好ましい。粒径2μm以下がよ
いのは、小粒径の方が紙の繊維間に入れ易いからであ
る。
【0008】感熱層2は、ロイコ染料を用いた感熱発色
層、又は有機低分子を用いた感熱記録層、又はスズ蒸着
膜などが望ましい。
【0009】なお、本発明でいう感熱記録媒体とは、基
材上に文字等が印刷される前のものだけでなく、印刷後
のもの、感熱層上に保護コートを施したもの、さらにロ
ゴマーク等を印刷したものも含まれ、また、感熱層に文
字等が記録される前のものだけでなく、記録後のものも
含まれる。また、本発明でいう感熱記録媒体の基材に
は、紙だけでなく、例えば、プラスチックペーパーなど
も含まれる。
【0010】本発明で用いる赤外発光蛍光体には、次の
ような特性が求められる。すなわち、赤外光で励起され
て赤外光を発すること、可視光領域において吸収発光が
ないことである。このような特性を有するものとして
は、具体的には、LaPO4 :Nd,Yb、LaPO
4 :Nd、YPO4 :Nd,Yb、YPO4 :Yb、C
aMoO4 :Nd,Yb、CaMoO4 :Yb、LiP
412:Yb,Er、CaWO4 :Yb,Erなど、数
多くある。本発明では、これらのいずれも使用できる
が、光源(LED、つまり発光ダイオード)や検出器
(Si−PD、つまりシリコン製フォトダイオード)と
波長がマッチし、発光強度が高いものとして、Nd(ネ
オジム)および/またはYb(イッテルビウム)付活蛍
光体が最も優れていることから、このような蛍光体を用
いるのが望ましい。また、赤外発光蛍光体の母体材料と
しては、上述のように、LaPO4 、YPO4 、CaM
oO4 、LiP412、CaWO4 、Y42 S、Ca
TiO3 などが好ましく、特に、LaPO4 、CaMo
4 が好ましく、LaPO4 が最も好ましい。LaPO
4 :Nd,Yb、CaMoO4 :Nd,Ybが小径かつ
球形粒子となり易く、かつ発光強度が高いので、より好
ましい。
【0011】このように、無機の赤外発光蛍光体が好ま
しい理由は、有機の蛍光体と比して、耐光性、耐候性に
優れているからである。特に、本発明のごとく、サーマ
ルヘッドにより文字等を記録する感熱記録媒体の場合に
は、記録時に赤外発光蛍光体が加熱されて劣化するおそ
れがあるが、赤外発光蛍光体を無機物とすることで、劣
化を防ぐことができる。また、無機の赤外発光蛍光体
は、有機溶剤に溶けないので、感熱記録媒体形成時の溶
剤の選択が容易であり、感熱記録媒体構成材料との反応
の恐れがないという長所がある。さらに言えば、可逆式
の感熱記録媒体の場合には、サーマルヘッドによる加熱
が一度ならず、複数回行われることとなるため、赤外発
光蛍光体にも高度な耐熱性が要求されるが、赤外発光蛍
光体を無機物とすることで、それを実現できる。
【0012】このような偽造防止紙の最表面に感熱層2
を設けてもよく、これにより、偽造防止策が施された感
熱紙を実現できる。感熱層2の具体例としては、例え
ば、ロイコ染料を用いた感熱発色層、有機低分子を用い
た感熱記録層、スズ蒸着膜などが挙げられる。
【0013】ロイコ染料を形成するロイコ体としては、
クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーン
ラクトン等のトリフェニルメタン系のもの、1,2−ベ
ンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン等のフルオラン系
のもの、N−ベンゾイルオーラミン等のオーラミン系の
もの、その他フェノチアジン系のもの、スピロピラン系
のもの等を用いることで、不可逆式又は可逆式の感熱層
2を形成できる。
【0014】また、ロイコ体と加熱時に発色反応を示
し、このロイコ体を発色せしめる酸性顕色剤としては、
フェノール性水酸基を有する化合物、すなわちフェノー
ル性化合物を用いる。このようなものとしては、例え
ば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、p
−エチルフェノール、t−ブチルフェノール、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ノニルフェノ
ール、ドデシルフェノール、スチレン化フェノール、
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、α−ナフトール、β−ナフトール、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、グアヤコール、オイ
ゲノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノー
ル、o−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、
2,4,6−トリクロロフェノール、o−フェニルフェ
ノール、p−フェニルフェノール、p−(p−クロロフ
ェニル)フェノール、o−(o−クロロフェニル)フェ
ノール、サリチル酸、p−オキシ安息香酸エチル、p−
オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸オクチ
ル、p−オキシ安息香酸ドデシル、カテコール、ヒドロ
キノン、レゾルシン、3−メチルカテコール、3−イソ
プロピルカテコール、p−t−ブチルカテコール、2,
5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,4’−メチレン
ジフェノール、ビスフェノールA、1,2−ジオキシナ
フタレン、2,3−ジオキシナフタレン、クロロカテコ
ール、ブロモカテコール、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタ
レイン、プロトカテキュー酸メチル、プロトカテキュー
酸エチル、プロトカテキュー酸プロピル、プロトカテキ
ュー酸オクチル、プロトカテキュー酸ドデシル、ピロガ
ロール、オキシヒドロキノン、フロログルシン、2,
4,6−トリオキシメチルベンゼン、2,3,4−トリ
オキシメチルベンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチ
ル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ヘキ
シル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸
セチル、没食子酸ステアリル、2,3,5−トリオキシ
ナフタレン、タンニン酸、フェノール樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0015】有機低分子を用いた場合には、加熱により
透明・白濁の可逆変化を示し、可逆式の感熱層2を形成
できる。このような有機低分子としては、特に炭素数1
6以上の高級脂肪酸の少なくとも1種を用いることが好
ましい。かかる炭素数16以上の高級脂肪酸の具体例と
しては、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、
ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘ
ン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、
ヘプタコサン酸、モンタン酸、トリアコンタン酸、ノナ
コサン酸、メリシン酸、2−ヘキサデセン酸、トランス
−3−ヘキサデセン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス
−2−オクタデセン酸、シス−2−オクタデカン酸、ト
ランス−4−オクタデセン酸、シス−6−オクタデセン
酸、エライジン酸、バセニン酸、トランス−ゴンドイン
酸、エルカ酸、ブラシン酸、セラコレイン酸、トランス
−セラコレイン酸、トランス−8,トランス−10−オ
クタデカジエン酸、リノエライジン酸、α−エレオステ
アリン酸、β−エレオステアリン酸、プソイドエレオス
テアリン酸、12,20−ヘンエイコサジエン酸等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用し
てもよい。
【0016】有機低分子としては、前述の高級脂肪酸に
さらに一般式;HOOC(CH2 m −S−(CH2
n COOH[式中、mおよびnは、各々別個に1〜5の
整数]で示されるスルフィドを混合して用いるのが好ま
しい。このスルフィドを炭素数16以上の高級脂肪酸と
組合わせることにより、透明化温度領域の高温側への移
行と領域幅の拡大が実現できる。前記スルフィドとして
は、特にチオジプロピオン酸が好ましい。
【0017】高級脂肪酸とスルフィドとの配合割合は、
重量比で90:10〜10:90、好ましくは90:1
0〜30:70、さらに好ましくは85:15〜50:
50である。前記の範囲よりスルフィドが少ないと透明
温度幅が拡大せず、一方、多いとコントラストが著しく
低下する。
【0018】また、感熱層2中の有機低分子と樹脂母材
との配合割合は、有機低分子100重量部に対して、樹
脂母材50〜1600重量部程度が好ましく、100〜
500重量部が特に好ましい。母材の配合量が50重量
部未満で有る場合は、有機低分子を母材中に安定に保持
した感熱層を形成することが困難となる。一方、母材が
1600重量部を超えると、白濁する有機低分子の量が
少ないため、書き込まれた記録情報を鮮明に読み取るこ
とができず、記録材料として好ましくない。なお、有機
低分子は、母材中に均一に分散していて、しかも完全に
固定されていることが好ましく、母材と一部が相溶して
いてもよい。
【0019】感熱層2の形成に用いられる溶剤は、母材
及び有機低分子の種類によって種々選択されてよいが、
例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エ
タノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、
分散液を使用した場合だけでなく、溶液を使用した場合
も得られる感熱層2中では有機低分子物質は微粒子とし
て析出し、分散状態で存在する。
【0020】なお、感熱層2中には、さらに必要に応じ
て、滑剤、静電防止剤、可塑剤、分散剤、安定剤、界面
活性剤、無機或いは有機の充填剤などの各種添加剤を配
合してもよい。
【0021】感熱層2の膜厚は、用途によっても異なる
が、一般に1〜20μmであるのが好ましい。感熱層2
の厚さが、これより厚くなるとサーマルヘッドなどから
の熱が伝わりにくくなり、また1μm未満では、コント
ラスト(白濁度)が低下し好ましくない。ただし、サー
マルヘッド以外の加熱方法を用いる場合はかかる制限は
ない。なお、上記のような有機低分子を感熱層2に適用
した場合には、サーマルヘッドにより記録された文字等
が見難くなるのを防ぐため、感熱層2の下に、赤外線を
吸収しない着色層を設けるか、基材3を赤外線を吸収し
ない着色剤で着色する必要がある。
【0022】スズ蒸着膜で感熱層2を形成した場合や、
感熱層2と基材3との間に赤外線を吸収する着色層を設
けた場合には、感熱層2側(表面側)から赤外光を当て
ても赤外発光蛍光体からの発光をとらえることが困難で
ある。これらの場合には、偽造であるか否かの識別は裏
面から赤外光を当てて行えばよい。
【0023】本発明の偽造防止紙においては、赤外発光
蛍光体を練り込んでなる短繊維11または赤外発光体蛍
光を含有する塗膜6の有無を肉眼で確認できないよう
に、又は確認し難くしておくことも有用である。これ
は、例えば、白色紙上に塗膜層を設ける場合には、Ti
2 、ZnOのような赤外領域に吸収のない白色顔料を
混合することで実現できる。
【0024】
【発明の作用および効果】本発明の感熱記録媒体は、そ
の基材3の内部、又は基材3と感熱層2との間に、無機
の赤外発光蛍光体を有するものとする。具体的には、紙
原料10内に無機赤外発光蛍光体を練り込んでなる短繊
維11を混合、または紙5上に赤外発光蛍光体を含有す
る蛍光層6を設けて感熱記録媒体を形成する。このよう
にしてなる感熱記録媒体に対して赤外線を照射すると、
感熱記録媒体が赤外発光することを光学的に検出でき
る。つまり、赤外光を照射したときの赤外発光の有無を
識別することにより真贋判定が可能できる。赤外光は印
字インクなどによっては吸収され難いという特質を有す
る。したがって、基材3上に文字、模様等を印刷した場
合でも、それらに遮蔽されることなく、赤外発光を検出
することが可能となり、正確かつ確実に真贋判定を行う
ことが可能となる。また、この種の赤外発光蛍光体及び
赤外光検出機は、紫外線蛍光体等と比して広く世間に出
回っているものではなく、汎用的ではないので、この点
からもセキュリティ性の向上を図り得る。赤外発光蛍光
体を無機物とすることにより、耐光性、耐候性の向上を
図ることができ、本発明のごとく、サーマルヘッドによ
り感熱層2に記録を行う感熱記録媒体においては、記録
時における赤外発光蛍光体の劣化を防ぐことができる。
以上より、本発明は、文字等をサーマルヘッドで記録す
る感熱記録媒体の偽造防止策として極めて有用なものと
なる。
【0025】赤外発光蛍光体を可視光領域に吸収及び発
光がないものとすることにより、肉眼では偽造防止対策
が施されているか否かの識別が不可能または困難となる
ので、セキュリティ性に優れた感熱記録媒体を実現でき
る。
【0026】
【実施例】〈第1実施例〉本発明の第1実施例について
図1を参照して説明する。図1における符号1は、サー
マルヘッドにより文字等が記録される感熱紙(感熱記録
媒体)である。この感熱紙1は、熱に反応して不可逆的
に発色、もしくは可逆的に発色・消色する感熱層2と、
この感熱層2を下面より支持する基材(紙)3と、感熱
層2を保護すること目的として、感熱層2上に設けられ
る保護層4とからなる。感熱紙1は、サーマルヘッドに
より感熱層2に文字、模様等が記録される。
【0027】基材3は、繊維質である紙原料10と、こ
の紙原料10の繊維間に混合される短繊維11とからな
る。短繊維11は、赤外光によって励起され、赤外光を
発光する無機の蛍光体(以下、無機赤外発光蛍光体と称
す)を練り込んで紡糸したフィラメントを短繊維上に裁
断してなるものとする。この短繊維11を紙材料10に
少量混合してから、抄造・表面加工・仕上げを行って赤
外発光蛍光体が分散した基材3を形成した。すなわち、
基材3は、偽造防止対策が施された偽造防止紙である。
【0028】この感熱紙1の製造方法としては、まず、
上記方法により基材3を製造してから、基材3上に感熱
層2と保護層4を設け、基材3の表面に各種地紋やデザ
インを印刷する。なお、保護層4又は感熱層2の上に印
刷を施してもよい。
【0029】具体的には、無機赤外発光蛍光体フィラメ
ントは、粒径1μmのLaPO4 :Nd,Ybを用い
た。この無機赤外発光蛍光体フィラメントを、基材3を
通常の抄造法で形成する際にセルロースと混合した。感
熱層2は、ロイコ染料からなり、3μmの厚みでエアナ
イフコーターを使って塗布・積層した。保護層4は、変
成ポリビニルアルコールをバインダとし、潤滑剤として
ステアリン酸亜鉛、フィラーとしてSiO2 を分散させ
たものからなり、2μmの厚みでエアナイフコーターを
使って塗布・積層した。
【0030】励起用の光源として、810nmを中心波
長とする光を発するLEDと、赤外発光蛍光体からの発
光波長を検出する手段として、Si−PDを有する読み
取り装置を使用した。そして上記LEDによる810n
mを中心波長とする光により短繊維に練り込まれた赤外
発光蛍光体を励起し、900nm以下の光をカットする
シャープカットフィルタを介して上記Si−PDにより
赤外発光蛍光体の発光の有無を検出した。
【0031】このように、感熱紙1の基材3に無機赤外
発光蛍光体を分散させたので、赤外光を照射したときの
赤外発光の有無を識別することにより真贋判定が可能と
なり、感熱紙1のセキュリティ性の向上を図り、偽造を
防止することができる。また、赤外発光蛍光体を無機物
とすることで、耐光性、耐候性の向上を図り、特に、サ
ーマルヘッドによる記録時における赤外発光蛍光体の劣
化を防ぐことができる。なお、無機赤外発光蛍光体を紙
原料の表面に添着させても同様の作用・効果を得ること
ができる。また、短繊維11を部分的に混合して、部分
的に赤外発光するものとしてもよい。なお、図1には示
さなかったが、基材3と感熱層2との間に、基材3を熱
から護るための保護層を設けてもよい。
【0032】〈第2実施例〉第1実施例においては、無
機赤外発光蛍光体を練り込んでなる短繊維11を紙原料
10に混合することにより基材3を形成していたが、図
2に示すごとく、基材(紙)5上に無機赤外発光蛍光体
を含有する塗膜(蛍光層)6を形成した場合でも、同様
の作用・効果を得ることができる。すなわち、本実施例
においては、基材5は、紙原料を主成分とする通常の紙
とし、この基材5上に無機赤外発光蛍光体を含有する塗
料により塗膜6を形成し、さらにこの塗膜6上に感熱層
2と保護層4を設けた。真贋判定に際しては、上記第1
実施例と同様の読み取り装置を用いる。
【0033】具体的には、塗膜6は、YPO4 :Nd,
Ybをアクリル樹脂とMEK/MIBK溶剤に分散させ
た塗料を、2μmの厚みでグラビア方式で塗布すること
で形成される。
【0034】このように、無機赤外発光蛍光体を含有す
る塗膜6を設けたので、上記第1実施例同様、赤外光を
照射したときの赤外発光の有無を識別することにより真
贋判定が可能となり、感熱紙のセキュリティ性の向上を
図り、偽造を防止することができる。なお、塗膜6は、
基材5の上に部分的に設けてもよい。
【0035】上記第1実施例においては、基材3を紙原
料10と短繊維11とからなる紙としていたが、プラス
チックペーパーであってもよい。つまり、プラスチック
樹脂内に赤外発光蛍光体を練り混ぜてなるものとしても
よい。また、上記第2実施例においては、基材5である
紙上に赤外発光蛍光体を含有してなる塗膜6を形成して
いたが、これをプラスチックペーパーとして、このプラ
スチックペーパー上に塗膜6を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る印刷媒体を示す断面
図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る印刷媒体を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 感熱記録媒体(感熱紙) 2 感熱層 3 基材(紙) 4 保護層 5 基材(紙) 6 蛍光層(塗膜)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材3の表面に熱によって不可逆的に発
    色、もしくは可逆的に発色・消色する感熱層2が設けら
    れてあり、この感熱層2にサーマルヘッドによって、文
    字、模様などが記録される感熱記録媒体であって、 基材3の内部に、赤外光によって励起され、赤外光を発
    光する無機の蛍光体(無機赤外発光蛍光体)を含有させ
    たことを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 基材5の表面に熱によって不可逆的に発
    色、もしくは可逆的に発色・消色する感熱層2が設けら
    れてあり、この感熱層2にサーマルヘッドによって、文
    字、模様などが記録される感熱記録媒体であって、 基材5と感熱層2との間に、赤外光によって励起され、
    赤外光を発光する無機の蛍光体(無機赤外発光蛍光体)
    を含有する蛍光層6を設けたことを特徴とする感熱記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 基材を紙3とし、 この紙3は、繊維質である紙原料10と、この紙原料1
    0の繊維間に混合される短繊維11とからなり、 短繊維11は、無機赤外発光蛍光体を練り込んで紡糸し
    たフィラメントを短繊維状に裁断されてなるものとする
    請求項1記載の感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 無機赤外発光蛍光体は、可視光領域に吸
    収及び発光がないものである請求項1又は2又は3記載
    の感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 無機赤外発光蛍光体は、ネオジム及び/
    又はイッテルビウムを含有するものである請求項1又は
    2又は3又は4に記載の感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 感熱層が、ロイコ染料を用いた感熱発色
    層、又は有機低分子を用いた感熱記録層、又はスズ蒸着
    膜を用いた感熱層である請求項1又は2又は3又は4又
    は5記載の感熱記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158929A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Dainippon Printing Co Ltd 情報記録媒体、読取方法、及び印刷物

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