JP2001245829A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファンモータの排気孔から排出された排気が
掃除機本体内で一気に拡大するため、空気の乱流、還流
などが生じやすく、空気の流れが阻害されて空気の流れ
が悪くなり、十分な空気量が床ノズルに届かなくなるた
めゴミ取れ性が悪くなるという問題があった。 【解決手段】 ファンモータ４に設けた排気孔１０に密
着かつ連通させた排気通路Ａ１１を掃除機本体１内に設
け、前記排気通路Ａ１１は掃除機本体１の前方部へ導く
ように設けられているので、排気の流れがスムーズにな
り床ノズル（図示せず）に戻る空気量を十分に確保して
ゴミ取れ性の低下を防止できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電気掃除機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電気掃除機の構成を図
８、図９を用いて説明する。

【０００３】図８に示すように、１は掃除機本体で、紙
袋等のフィルター２を装着できる集塵室３を有してお
り、その後方には、ファンモータ４を内蔵し前記集塵室
３と連通穴Ａ５で連通されたモータ室６と、コードリー
ル７を内蔵したコードリール室８を設けている。前記コ
ードリール７にはコード７ａが巻かれている。

【０００４】また、前記ファンモータ４は回転ファン
（図示せず）を内蔵していると共に、その前後をゴムな
どの軟体で形成されたサポートゴム９で掃除機本体１に
保持されている。

【０００５】また、掃除機本体１は、前記ファンモータ
４に設けた排気孔１０から排出された排気を掃除機本体
１の前部に導く排気通路Ａ１１を設けている。前記掃除
機本体１の前部にはホース１２、延長管１３、床ノズル
１４が着脱自在に設けられている。

【０００６】前記ホース１２、延長管１３は、掃除機本
体１内へ空気を吸い込む吸気通路１５と、ファンモータ
４の排気を床ノズル１４に戻す排気通路Ｂ１６の２つの
通路を設け、前記吸気通路１５は掃除機本体１の集塵室
３と連通し、前記排気通路Ｂ１６は掃除機本体１の排気
通路Ａ１１と連通している。

【０００７】以上の構成における動作について説明する
と、コードリール７から電力がファンモータ４に供給さ
れてファンモータ４が運転し、内蔵された回転ファン
（図示せず）が高速で回転することになる。その結果発
生した吸引される空気の気流により、空気と共にゴミが
床ノズル１４より吸い込まれ、延長管１３、ホース１２
に設けた吸気通路１５を通って集塵室３内に導かれる。
そしてゴミは集塵室３内のフィルター２で捕獲され、空
気は連通穴Ａ５よりファンモータ４内に導かれてファン
モータ４を冷却した後にファンモータ４の排気孔１０よ
り排出される。

【０００８】そして排気は掃除機本体１内の排気通路Ａ
１１を通って掃除機本体１の前方へ導かれ、ホース１
２、延長管１３の排気通路Ｂ１６を通り、床ノズル１４
へと導かれる。更にその空気は延長管１３の吸気通路１
５からホース１２を介して再び掃除機本体１内へ吸い込
まれるものである。

【０００９】なお、図中の点線と矢印は空気の流れを示
している。

【００１０】上述の様に空気が循環する構成になってお
り、掃除機本体１の外には排気が出ないので部屋の空気
を汚すことはなく、騒音も低減できるものである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】このような掃除機本体
１の場合、ファンモータ４の排気孔１０から排出された
排気が掃除機本体１内で一気に拡大するため、空気の乱
流、還流などが生じやすくなり、空気の流れを阻害する
ことになる。従って空気の流れが悪くなり十分な空気量
が床ノズルに届かなくなり、その結果ゴミ取れ性が悪く
なるという問題があった。

【００１２】また、空気を循環させるためにファンモー
タ４の冷却が不十分となり、ファンモータ４が加熱して
ファンモータ４の寿命を低下させる危険性があった。

【００１３】また、コードリール７も冷却できないた
め、コード７ａが発熱して熱劣化により断線などの不具
合を生じる危険性もあった。

【００１４】本発明は以上のような課題を解消し、床ノ
ズル１４に戻る空気量を十分に確保してゴミ取れ性の低
下を防ぐと共に、ファンモータ４とコード７ａの冷却が
できるようにして、寿命低下や熱劣化を防止できる電気
掃除機を提供することを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、集塵室と、前記集塵室の後方にファンモー
タを内蔵するモータ室と、コードリールを内蔵するコー
ドリール室を設け、前記集塵室とモータ室が連通穴で連
通された掃除機本体において、前記ファンモータに設け
た排気孔に略密着かつ連通させた排気通路を掃除機本体
内に設け、前記排気通路は掃除機本体の前方部へ導くよ
うに設けたもので、排気の流れをスムーズにして床ノズ
ルに戻る空気量を十分に確保してゴミ取れ性の低下を防
止できるものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
集塵室と、前記集塵室の後方にファンモータを内蔵する
モータ室と、コードリールを内蔵するコードリール室を
設け、前記集塵室とモータ室が連通穴で連通された掃除
機本体において、前記ファンモータに設けた排気孔に略
密着かつ連通させた排気通路を掃除機本体内に設け、前
記排気通路は掃除機本体の前方部へ導くように設けられ
ており、排気の流れをスムーズにして床ノズルに戻る空
気量を十分に確保してゴミ取れ性の低下を防止できるも
のである。

【００１７】本発明の請求項２記載の発明は、掃除機本
体内に設けられた排気通路はファンモータの排気孔から
掃除機本体の前方部へ向かうに従って除々にその通路面
積を拡大したもので、その面積増加分は前記排気通路の
単位長さ１ｍｍ当たり５〜１０ｍｍ²の範囲に設定した
もので、更に排気の流れをスムーズにできるものであ
る。

【００１８】本発明の請求項３記載の発明は、掃除機本
体の集塵室を構成する外壁に外気と連通した冷却孔を設
けてファンモータの冷却を行い、ファンモータの寿命低
下を防止できるものである。

【００１９】本発明の請求項４記載の発明は、掃除機本
体の集塵室を構成する外壁に設けた外気と連通した冷却
孔に可動弁を設け、前記可動弁はファンモータの熱を感
知する熱センサーからの信号で動作するようにしたもの
で、排気の風量を低下させずにファンモータの冷却を行
い、ファンモータの寿命低下を防止できるものである。

【００２０】本発明の請求項５記載の発明は、コードリ
ール室と集塵室を連通した連通孔を設けてコードの冷却
をできるようにし、コードの発熱による熱劣化を防止で
きるものである。

【００２１】本発明の請求項６記載の発明は、排気通路
内にタービンを設けると共に、前記タービンと連動して
回転する冷却ファンをコードリール室に設けて、更にコ
ードの冷却能力を高め、コードの発熱による熱劣化を防
止できるものである。

【００２２】

【実施例】（実施例１）以下本発明の第１の実施例を図
１を用いて説明する。なお従来例と同一構成部品につい
ては同一符号を付して、その説明を省略する。

【００２３】図１に示すように、掃除機本体１内に設け
られた排気通路Ａ１１のモータ側の入り口部１７はファ
ンモータ４に設けられた排気孔１０に密着または略密着
して設けられており、全ての排気が排気通路Ａ１１に導
かれるようにしている。また、ファンモータ４の排気孔
１０の面積と排気通路Ａ１１の入り口部１７の面積は略
同一に設定している。

【００２４】上記構成による作用は以下の通りである。

【００２５】コードリール７から電力がファンモータ４
に供給されてファンモータ４が運転し、内蔵された回転
ファン（図示せず）が高速で回転することになる。その
結果発生した吸引される空気の気流により、空気と共に
ゴミが床ノズル１４より吸い込まれ、延長管１３、ホー
ス１２に設けた吸気通路１５を通って集塵室３内に導か
れる。そしてゴミは集塵室３内のフィルター２で捕獲さ
れ、空気は連通穴Ａ５よりファンモータ４内に導かれて
ファンモータ４を冷却した後にファンモータ４の排気孔
１０より排出される。

【００２６】そして排気は、掃除機本体１内の排気通路
Ａ１１を通って掃除機本体１の前方部へ導かれ、ホース
１２、延長管１３の排気通路Ｂ１６を通り、床ノズル１
４へと導かれる。更にその空気は延長管１３の吸気通路
１５からホース１２を介して再び掃除機本体１内へ吸い
込まれるものである。

【００２７】この時、掃除機本体１内に設けられた排気
通路Ａ１１のファンモータ４側の入り口部１７はファン
モータ４に設けられた排気孔１０に密着または略密着し
て設け、かつファンモータ４の排気孔１０の面積と排気
通路Ａ１１の入り口部１７の面積を略同一に設定してい
るので、排気の急激な拡大が無くなるので空気の乱流や
環流を防止でき、全ての排気がスムーズに排気通路Ａ１
１に導かれるようになる。従って風量の低下を防止し
て、床ノズル１４に戻る空気量を十分に確保できるので
ゴミ取れ性の低下を防止できるものである。

【００２８】（実施例２）次に本発明の第２の実施例を
図２、図３を用いて説明する。なお上記実施例と同一構
成部品については同一符号を付して、その説明を省略す
る。

【００２９】掃除機本体１内に設けられた排気通路Ａ１
１は、ファンモータ４の排気孔１０から掃除機本体１の
前部へ向かうに従って除々にその通路面積を拡大したも
ので、排気通路Ａ１１の入り口部１７の面積をＳ１（ｍ
ｍ²）、掃除機本体１の前部の面積をＳ２（ｍｍ²）、通
路長をＬ（ｍｍ）とすると、通路の単位長さ当たりの面
積増加分（Ｓ２−Ｓ１）／Ｌを５〜１０（ｍｍ²）の範
囲に設定している。

【００３０】上記構成による作用は以下の通りである。

【００３１】排気通路Ａ１１の拡大については図３に示
すように通路の単位長さ当たりの面積増加分（Ｓ２−Ｓ
１）／Ｌを５〜１０（ｍｍ²）の範囲に設定すれば、通
路内での空気の剥離を防止でき最も効率よく空気を流す
ことができる。

【００３２】従って、更に排気の流れをスムーズにでき
るので風量の低下を防止して、床ノズル１４に戻る空気
量を十分に確保してゴミ取れ性の低下を防止できるもの
である。

【００３３】（実施例３）次に本発明の第３の実施例を
図４を用いて説明する。なお上記実施例と同一構成部品
については同一符号を付して、その説明を省略する。

【００３４】掃除機本体１の集塵室３を構成する外壁１
８に外気と連通した冷却孔１９を設けている。

【００３５】上記構成による作用は以下の通りである。

【００３６】外気と連通した冷却孔１９より冷たい空気
が流入してファンモータ４に吸い込まれるので、ファン
モータ４を冷却し、発熱を抑制することができるのでフ
ァンモータ４の寿命低下を防止できるものである。

【００３７】（実施例４）次に本発明の第４の実施例を
図５を用いて説明する。なお上記実施例と同一構成部品
については同一符号を付して、その説明を省略する。

【００３８】掃除機本体１の集塵室３を構成する外壁１
８に設けた外気と連通した冷却孔１９に可動弁２０を設
け、前記可動弁２０はファンモータ４の熱を感知する熱
センサー２１からの信号で動作するようにしている。

【００３９】上記構成による作用は以下の通りである。

【００４０】冷却孔１９が開きっぱなしであると、ホー
ス１２、延長管１３の吸気通路１５から吸い込まれる空
気量が低下してゴミ取れ性を低下させる恐れがある。そ
こでファンモータ４の熱を熱センサー２１で感知して、
温度が上がってきたときのみに可動弁２０を開いてファ
ンモータ４を冷却するようにしているので、吸い込みの
空気量を低下させずにファンモータ４の冷却ができる。

【００４１】（実施例５）次に本発明の第５の実施例を
図６を用いて説明する。なお上記実施例と同一構成部品
については同一符号を付して、その説明を省略する。

【００４２】コード７ａが巻かれたコードリール７を内
蔵したコードリール室８と集塵室３とを連通した連通孔
Ｂ２２が設けられていると共に、外気と連通したコード
引き出し口２３が掃除機本体１に設けられている。

【００４３】上記構成による作用は以下の通りである。

【００４４】ファンモータ４が運転されるとコード引き
出し口２３から冷たい外気が流入し、コード７ａを冷却
した後、吸い込まれた空気は連通穴Ｂ２２より集塵室３
内に導かれファンモータ４に吸い込まれる。

【００４５】従って、コード７ａの冷却ができるのでコ
ード７ａの発熱による熱劣化を防止できる。

【００４６】（実施例６）次に本発明の第６の実施例を
図７を用いて説明する。なお上記実施例と同一構成部品
については同一符号を付して、その説明を省略する。

【００４７】排気通路Ａ１１内にタービン２４を設け、
前記タービン２４と連動して回転する冷却ファン２５を
コードリール室８に設けている。

【００４８】上記構成による作用は以下の通りである。

【００４９】ファンモータ４から排出される排気の気流
により、タービン２４が回転すると共に、タービン２４
と連動した冷却ファン２５が回転してコード引き出し口
２３から冷たい外気を吸い込むので、更にコード７ａの
冷却能力を高めてコード７ａの発熱による熱劣化を防止
できる。

【００５０】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、排気通路
のモータ側の入り口部はファンモータに設けられた排気
孔に密着または略密着して設けられ、かつそれらの面積
を略同一に設定しているので、排気の急激な拡大が無く
なり空気の乱流や環流を防止でき、全ての排気がスムー
ズに排気通路Ａに導くことができるので風量の低下を防
止して、床ノズルに戻る空気量を十分に確保してゴミ取
れ性の低下を防止できる。

【００５１】請求項２記載の発明によれば、排気通路面
積の単位長さ１ｍｍ当たりの増加分を５〜１０ｍｍ²の
値に設定したので、通路内での空気の剥離を防止して最
も効率よく空気を流すことができるので、更に排気の流
れをスムーズにでき、風量の低下を防止して、床ノズル
に戻る空気量を十分に確保してゴミ取れ性の低下を防止
できる。

【００５２】請求項３記載の発明によれば、外気と連通
した冷却孔より冷たい空気が流入してファンモータに吸
い込まれるので、ファンモータを冷却し、発熱を抑制で
きるのでファンモータの寿命低下を防止できる。

【００５３】請求項４記載の発明によれば、ファンモー
タの熱を熱センサーで感知して、温度が上がってきた時
に可動弁を開いてファンモータを冷却できるので、吸い
込みの空気量を低下させずにファンモータの発熱による
寿命低下を防止できる。

【００５４】請求項５記載の発明によれば、ファンモー
タが運転されるとコード引き出し口から冷たい外気がコ
ードリール室内に流入するので、コードの冷却ができる
のでコードの発熱による熱劣化を防止できる。

【００５５】請求項６記載の発明によれば、ファンモー
タから排出される排気の気流により、タービンが回転す
ると共に、タービンと連動した冷却ファンが回転してコ
ード引き出し口から冷たい外気を吸い込むので、更にコ
ードの冷却能力を高めてコードの発熱による熱劣化を防
止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図２】本発明の第２の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図３】同電気掃除機の風量変化を示す特性図

【図４】本発明の第３の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図５】本発明の第４の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図６】本発明の第５の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図７】本発明の第６の実施例を示す電気掃除機本体の
断面図

【図８】従来の電気掃除機本体の断面図

【図９】同電気掃除機の部分断面図

【符号の説明】

１ 掃除機本体 ３ 集塵室 ４ ファンモータ ５ 連通穴Ａ ６ モータ室 ７ コードリール ７ａ コード ８ コードリール室 １０ 排気孔 １１ 排気通路Ａ １５ 吸気通路 １６ 排気通路Ｂ １７ 入り口部 １９ 冷却孔 ２０ 可動弁 ２１ 熱センサー ２２ 連通穴Ｂ ２３ コード引き出し口 ２４ タービン ２５ 冷却ファン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森下 和久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B006 AA01 AA08 BA05 BA07 3B057 CA03 CA12 DA08 DE06

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集塵室と、前記集塵室の後方にファンモ
   ータを内蔵するモータ室と、コードリールを内蔵するコ
   ードリール室を設け、前記集塵室とモータ室が連通穴で
   連通された掃除機本体において、前記ファンモータに設
   けた排気孔に略密着かつ連通させた排気通路を掃除機本
   体内に設け、前記排気通路は掃除機本体の前方部へ導く
   ように設けられてなる電気掃除機。
2. 【請求項２】 掃除機本体内に設けられた排気通路の通
   路面積を、ファンモータの排気孔から前記掃除機本体の
   前方部へ向かうに従って除々に拡大し、その面積増加分
   を前記排気通路の単位長さ１ｍｍ当たり５〜１０ｍｍ²
   の範囲に設定してなる請求項１記載の電気掃除機。
3. 【請求項３】 掃除機本体の集塵室を構成する外壁に外
   気と連通した冷却孔を設けた請求項１、２のいずれか１
   項記載の電気掃除機。
4. 【請求項４】 掃除機本体の集塵室を構成する外壁に設
   けた外気と連通した冷却孔に可動弁を設け、前記可動弁
   はファンモータの熱を感知する熱センサーからの信号で
   動作するようにした請求項１〜３のいずれか１項記載の
   電気掃除機。
5. 【請求項５】 コードリール室と集塵室を連通した連通
   穴を設けた請求項１〜４のいずれか１項記載の電気掃除
   機。
6. 【請求項６】 排気通路内にタービンを設け、前記ター
   ビンと連動して回転する冷却ファンをコードリール室に
   設けた請求項１〜４のいずれか１項記載電気掃除機。