JP2001243902A - ビームプロファイルモニタ - Google Patents

ビームプロファイルモニタ

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JP2001243902A
JP2001243902A JP2000051606A JP2000051606A JP2001243902A JP 2001243902 A JP2001243902 A JP 2001243902A JP 2000051606 A JP2000051606 A JP 2000051606A JP 2000051606 A JP2000051606 A JP 2000051606A JP 2001243902 A JP2001243902 A JP 2001243902A
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Japan
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voltage
wire electrode
electrode
suppressor
wire
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JP2000051606A
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Toshio Kimura
寿男 木村
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Nissin High Voltage Co Ltd
Original Assignee
Nissin High Voltage Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サプレッサ電極を設けることなく、簡単な構造
でビームプロファイルを高感度で正確に検出できるビー
ムプロファイルモニタを提供する。 【解決手段】ワイヤ電極X1 ,X2 ,…Y10と接地間に
直流サプレッサ電圧を印加するサプレッサ電源E1 また
はE2 を設けるとともに、各ワイヤ電極と接地間の電圧
により充電されるコンデンサC1 〜C3 と該コンデンサ
の電荷を放電させる抵抗R2 とを設けて、コンデンサC
1 〜C3 の端子電圧を電圧測定部23により測定するこ
とにより、サプレッサ電極を設けるとなく、各ワイヤ電
極の電位を正確に測定し得るようにした。コンデンサC
1 〜C3 の電荷を抵抗R2 を通して放電させて、その端
子電圧を低下させてから測定することにより、測定する
電圧のレンジを下げて、高分解能での電圧の測定を容易
に行ない得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンビーム応用
機器において、イオンビームのプロファイル(輪郭また
は広がり)をモニタするために用いるビームプロファイ
ルモニタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオンビームを用いて物質の組成分析や
改質を行うイオンビーム応用機器においては、ビームダ
クト内を進行するイオンビームの良否を判断するため、
ビームの断面(ビームの進行方向と直交する平面)上に
おけるイオンビームの輪郭または広がり(荷電粒子分
布)を検出するようにしている。またビームの質の良否
を判断する指標として、検出したビームのプロファイル
からエミッタンス(ビームの進行方向と直交する平面上
における荷電粒子の運動方向の広がりを示す閉曲線によ
り囲まれた面積をπで割った値)を求めるようにしてい
る。
【0003】イオンビームのプロファイルをモニタする
装置として、ビームラインと交わる平面上に並ぶように
配列された複数のワイヤ電極を有するモニタヘッドと、
荷電粒子が各ワイヤ電極に捕獲された際に(衝突した際
に)生じる各ワイヤ電極の対地電位の変化を検出する電
極電位検出部とを備えたビームプロファイルモニタが用
いられている。
【0004】この種のモニタにおいて、荷電粒子が各ワ
イヤにより捕獲されると、捕獲された荷電粒子の数に比
例して各ワイヤ電極の電位が変化する。このワイヤ電極
の電位の変化を検出することにより、各ワイヤ電極によ
り捕獲された荷電粒子の数を検出することができる。し
たがって、ビームラインと直交する平面上に複数のワイ
ヤ電極を並べて設けて、各ワイヤ電極により捕獲された
荷電粒子の数を検出することにより、イオンビームの断
面のビームプロファイルを検出することができる。
【0005】この種のビームプロファイルモニタにおい
て、各ワイヤ電極から放出された二次電子が隣接のワイ
ヤに流入すると、二次電子の放出による各ワイヤ電極の
電位の変化を正確に検出することができないため、ビー
ムプロファイルを高感度で正確に検出することができな
い。
【0006】特に検出するビームがパルスビームである
場合には、その持続時間が短く、1つのパルスビームが
ワイヤにより捕獲される数が少ないため、ビームプロフ
ァイルを高感度で検出することが困難である。
【0007】そのため、従来は、ワイヤ電極の前面側
に、接地回路に対して負電位に保たれたサプレッサ電極
を設けて、荷電粒子の衝突により各ワイヤ電極から放出
された二次電子をサプレッサ電極により元のワイヤに押
し返すことにより、各ワイヤ電極から発生した二次電子
のランダムな放出により計測誤差が発生するのを防止す
るようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ワイヤ
電極の前面側にサプレッサ電極を配置した場合には、サ
プレッサ電極により覆われるワイヤ電極の面積の関係
で、1つのモニタヘッドで1軸方向の荷電粒子分布しか
測定することができなかった。そのため、ビームの断面
のX,Y2軸方向の荷電粒子分布を測定してビームプロ
ファイルを求めるためには、2軸方向に独立して動作す
る2つのモニタヘッドを設けることが必要になり、構造
が複雑になるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、互いに交差する2軸方向
にそれぞれ複数個ずつワイヤ電極を配置した1つのモニ
タヘッドを用いて、2軸方向の荷電粒子分布を測定する
ことができるようにしたビームプロファイルモニタを提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオンビーム
の中心軸線に沿うビームラインと交わる平面上で互いに
交差する2軸方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配置
された複数のワイヤ電極を備えたモニタヘッドと、この
モニタヘッドの各ワイヤ電極の電位を検出する電極電位
検出部とを備えたビームプロファイルモニタに係わるも
ので、本発明においては、上記電極電位検出部に、各ワ
イヤ電極と接地間に一定の直流サプレッサ電圧を印加す
るサプレッサ電源を設けた。
【0011】上記のように構成すると、例えば、サプレ
ッサ電源から各ワイヤ電極に接地電位に対して負の電位
を与えておくことにより、荷電粒子の衝突によって各ワ
イヤ電極から放出された二次電子が各ワイヤ電極に戻っ
たり、隣接のワイヤ電極に流れ込んだりするのを防ぐこ
とができるため、各ワイヤ電極から生じた二次電子の全
てを放出させることができる。この場合、各ワイヤ電極
から放出される二次電子の数は各ワイヤ電極に捕獲され
た荷電粒子の数に比例しているため、各ワイヤ電極に
は、捕獲した荷電粒子の数に比例した電位の変化が生じ
る。したがって、一連のワイヤ電極の電位の変化(サプ
レッサ電圧に対する変化)を検出することにより、ビー
ムプロファイルを正確に検出することができる。
【0012】このように負のサプレッサ電圧を印加する
場合には、出て行く二次電子の数の影響がそのまま計測
される電位に反映されるので、計測される電位は各ワイ
ヤ間の相対値としてのみ評価できる。
【0013】また各ワイヤ電極に接地電位に対して正極
性のサプレッサ電圧を与えた場合には、各ワイヤ電極に
荷電粒子が捕獲された際に二次電子が放出されるのを阻
止することができるため、各ワイヤ電極に正確に捕獲さ
れた荷電粒子の数に比例したビーム電流を流して、各ワ
イヤ電極の電位を捕獲した荷電粒子の数に比例した分だ
け変化させることができ、これにより、入射絶対粒子数
を含めたビームプロファイルを正確に検出することがで
きる。
【0014】但し、正のサプレッサ電圧を印加した場合
には、一般に電位差を大きくすることはできないため、
その測定には精度を必要とする。
【0015】また上記のように、各ワイヤ電極にサプレ
ッサ電圧を印加するようにすると、ワイヤ電極の前面側
に独立のサプレッサ電極を配置する必要がないため、2
軸方向に複数個ずつ並ぶワイヤ電極を1つのモニタヘッ
ドに設けることができる。そのため、1つのモニタヘッ
ドで2軸方向の荷電粒子分布を測定することができ、ビ
ームプロファイルモニタの構造を簡単にすることができ
る。
【0016】上記電極電位検出部にはまた、各ワイヤ電
極毎に設けられて各ワイヤ電極と接地間の電圧により第
1の抵抗を通して充電されるコンデンサと、該コンデン
サの両端にスイッチ手段を介して並列接続された第2の
抵抗と、各コンデンサの端子電圧を測定する電圧測定部
とを設けるのが好ましい。
【0017】上記電圧測定部は各ワイヤ電極毎に設けて
もよいが、電極電位検出部の構成を簡単にするために
は、上記電圧測定部を、複数のワイヤ電極に対して共通
に1つだけ設けて、複数のワイヤ電極のそれぞれに対し
て設けられたコンデンサの端子電圧を順次キャナ回路に
より検出して電圧測定部に与えるようにするのが好まし
い。
【0018】上記のように構成すると、各ワイヤ電極の
対地電圧により各ワイヤ電極に対して設けられたコンデ
ンサを充電した後、電圧測定部により各コンデンサの端
子電圧を測定することにより、ビームプロファイルを検
出することができる。
【0019】上記サプレッサ電圧は例えば−300
[V]程度のかなり高い電圧に選定する必要がある。一
方、一般には、二次電子の放出により各ワイヤ電極の電
位に生じる変化は僅か(通常mVないし数Vのオーダ
ー)であり、各ワイヤ電極に捕獲された荷電粒子の数を
正確に検出するためには、高いサプレッサ電圧に重畳さ
れた僅かな電圧変化分を正確に検出することが必要にな
る。ところが、高い電圧を高精度で測定し得る電圧計を
入手することは困難であるため、各ワイヤ電極と接地間
の高い電圧をそのまま測定することにより、二次電子の
放出による僅かな電位の変化を正確に求めることは困難
である。
【0020】この問題を解決するためには、コンデンサ
の両端にスイッチ手段を介して第2の抵抗を接続して、
該第2の抵抗を通してコンデンサを放電させ得るように
しておくのが好ましい。このように構成しておくと、コ
ンデンサの端子電圧の測定に先立って、コンデンサの電
荷を第2の抵抗を通して放電させることにより、コンデ
ンサの端子電圧を、高精度の電圧計により測定できる範
囲まで低下させることができるため、コンデンサの端子
電圧を高い分解能をもって測定して、ビームプロファイ
ルを正確に求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるビームプロ
ファイルモニタの構成例を示したもので、同図において
1はフランジ2の中央に設けられた孔を貫通した状態で
設けられてフランジ2に一端が溶接等により気密に接合
されたベローズである。ベローズ1は、図示しないビー
ムダクトの側面に設けられた開口部を通してビームダク
ト内に挿入された状態で配置され、フランジ2がビーム
ダクトの側面に固定される。ビームダクト内に挿入され
るベローズ1の他端側の開口部を気密に閉じるようにフ
ランジ板4が取り付けられ、ビームラインに対して直角
な方向に伸びる支柱5がフランジ板4に取り付けられて
いる。フランジ板4の中央部には、後記するワイヤ電極
と同数の雌形コネクタ6aを取り付けたセラミック製の
コネクタボディ6が固定されている。
【0022】支柱5の先端にはモニタヘッド支持板7が
固定され、該支持板7にモニタヘッド8が取り付けられ
ている。
【0023】16はフランジ2のベローズ1と反対側の
面に固定されたモニタ駆動部で、このモニタ駆動部内に
は、ベローズの先端のフランジ板4をスライド自在に支
持する支持機構と、電動機を駆動源としてフランジ板4
を駆動することによりモニタヘッド8を往復直線駆動す
る駆動機構とが設けられている。
【0024】モニタヘッド8は、支持板7に接続された
フランジ部8aと、セラミック等の絶縁物からなってい
てフランジ部8aに固定された枠体8bと、枠体8bに
支持されたワイヤ電極群9とを備えていて、フランジ板
4の移動により、図示のように枠体8bの内側の中心部
をイオンビーム10の中心軸線(ビームライン)Bが通
る状態になる測定位置と、枠体8bがビームラインBか
ら退避した状態になる退避位置との間を変位させられ
る。
【0025】ワイヤ電極群9は、図2に示すように、ビ
ームラインBと直交する平面に沿ってX軸方向に直線的
に伸びるように設けられてX軸に対して直角なY軸方向
に等間隔をおいて平行に並べて配置された10本のワイ
ヤ電極X1 〜X10と、これらのワイヤ電極と直交するよ
うに配置されてX軸方向に等間隔で平行に並ぶように配
置されたワイヤ電極Y1 〜Y10からなっている。これら
のワイヤ電極に一連の番号を付して識別するため、ワイ
ヤ電極X1 ないしX10にそれぞれNO.1ないしNO.10 の番
号が付され、ワイヤ電極Y1 ないしY10にそれぞれNO.1
1 ないしNO.20の番号が付されている。各ワイヤ電極
は、他の電極に対して絶縁された状態で設けられてその
両端が枠体8bに支持されている。
【0026】なおワイヤ電極の数は図示の例に限定され
るものではなく、任意に設定することができる。
【0027】ビームプロファイルを検出する際には、図
示しない駆動機構により、フランジ板4及び支柱5とと
もにモニタヘッド8が移動させられて、ワイヤ電極群9
が配置された平面(ワイヤ電極面という。)の中心位置
OをビームラインBが通るように、モニタヘッド8の位
置が調整される。
【0028】ワイヤ電極群9を構成する各ワイヤには、
リード線11を介してコネクタピン12が接続され、各
ワイヤ電極に接続されたコネクタピン12が、コネクタ
ボディ6に設けられた対応するコネクタ6aに接続され
ている。
【0029】モニタ駆動部16のフランジ2と反対側の
端部には箱形のケーシング15が取り付けられていて、
該ケーシング15内に、後記するI/V変換器の構成部
品が収納されている。
【0030】なおI/V変換器の構成部品は別の箇所に
設けるようにしてもよい。
【0031】図3は、本発明に係わるモニタにおいて、
各ワイヤ電極の対地電位を検出する電極電位検出部20
の構成例を示したもので、同図において21は各ワイヤ
電極を通して流れる電流Iを電圧Vに変換するI/V変
換器、22はI/V変換器21を通して検出される各ワ
イヤ電極の対地電位を順次選択するスキャナ回路、23
はスキャナ回路により選択された電圧を測定する電圧測
定部である。
【0032】I/V変換器21はNO.1ないしNO.20 のワ
イヤ電極にそれぞれ対応する入力端子t1 ないしt20と
出力端子t1 ´ないしt20´とを有している。各ワイヤ
電極に対して設けられた入力端子及び出力端子は同軸形
のコネクタからなっていて、それぞれの接地側の端子は
接地回路に接続されている。入力端子t1 ないしt20の
非接地側の端子は切換えスイッチSW1 を通して接地回
路とNO.1ないしNO.20のワイヤ電極に対してそれぞれ設
けられた分圧回路21A1ないし21A20 の非接地側入力
端子A1 ないしA21とに切り換え接続されるようになっ
ている。
【0033】各ワイヤ電極に対応する分圧回路は、その
入力端子に一端が接続された第1の抵抗R1 と、第1の
抵抗R1 の他端と接地間に接続されたコンデンサC1 な
いしC3 と、これらのコンデンサの両端にスイッチSW
2 を介して接続された第2の抵抗R2 とを備えた回路か
らなっている。図示の例では、コンデンサC1 ないしC
3 の少なくとも一つを予め選択して第1の抵抗R1 に接
続することができるようにするために、コンデンサC1
ないしC3 と第1の抵抗R1 との間にそれぞれジャンパ
ピンF1 ないしF3 が取り付けられている。図示の例で
は、全てのジャンパピンF1 〜F3 が取り付けられて、
コンデンサC1 ないしC3 が抵抗R1 に接続されてい
る。
【0034】なおジャンパピンを設けることなく、特定
のコンデンサを第1の抵抗R1 に固定的に接続しておく
ようにしてもよい。
【0035】スイッチSW2 は切換えスイッチからなっ
ていて、NO.1ないしNO.20 のワイヤ電極に対してそれぞ
れ設けられた分圧回路のコンデンサC1 〜C3 の非接地
側の端子が切換えスイッチSW2 を介して第2の抵抗R
2 と出力端子t1 ´〜t20´の非接地側端子とに切換え
接続されるようになっている。
【0036】また本発明に係わる電極電位検出部におい
ては、各ワイヤ電極に直流サプレッサ電圧を印加するサ
プレッサ電源E1 及びE2 が設けられている。サプレッ
サ電源E1 及びE2 はそれぞれ正極端子及び負極端子を
接地した状態で設けられていて、サプレッサ電源E1 の
負極端子及びサプレッサ電源E2 の正極端子はそれぞれ
スイッチSWa及びSWbを通して電源供給ラインLに
接続されている。電源供給ラインLはNO.1ないしNO.20
のワイヤ電極に対してそれぞれ設けられた分圧回路21
A1ないし21A20 の入力端子A1 ないしA20に抵抗R3
とスイッチSW3 とを通して接続され、サプレッサ電源
E1 またはE2 からスイッチSWaまたはSWbとスイ
ッチSW3 とスイッチSW1 とを通して各ワイヤ電極
に、接地に対して負極性または正極性のサプレッサ電圧
を印加することができるようになっている。
【0037】I/V変換器21の出力端子t1 ´ないし
t20´はそれぞれ同軸ケーブル24を介してスキャナ回
路22の入力端子T1 ないしT20に接続されている。ス
キャナ回路22は入力端子T1 ないしT20を通して検出
した分圧回路21A1ないし21A20 のそれぞれのコンデ
ンサC1 〜C3 の端子電圧を選択するスイッチS1 ない
しS20を備えていて、これらのスイッチにより選択した
分圧回路21A1ないし21A20 のコンデンサの端子電圧
をそれぞれチャンネルCH1 ないしCH20の電位情報と
して出力端子22aを通して出力するようになってい
る。
【0038】スキャナ回路22の出力端子22aは同軸
コネクタからなっていて、同軸ケーブル25を通して電
圧測定部23の入力端子23aに接続されている。
【0039】電圧測定部23は、前置増幅器23Aと、
増幅器23Aの出力をデジタル出力に変換するA/D変
換器23Bと、A/D変換器23Bの出力を図示しない
ホストコンピュータに送り出す通信用インタフェエース
(GPIB)23Cと、A/D変換器23Bによりデジ
タル信号に変換されたチャンネルCH1 ないしCH20の
電位情報をそれぞれのチャンネル番号を示すチャンネル
情報とともに図示しないホストコンピュータに伝送する
ように、A/D変換器23Bと通信用インターフェース
23Cとを制御するCPU23Dとにより構成されてい
る。この電圧測定部は、市販されているデジタル直流電
圧計により構成することができる。
【0040】本発明に係わるビームプロファイルモニタ
によりビームプロファイルを検出する際の手順をパルス
ビームを検出する場合を例にとって説明する。
【0041】測定に当たっては、先ずモニタヘッド8を
測定位置に位置決めし、スイッチSWaまたはSWbに
よりサプレッサ電圧の極性を選択した後、スイッチSW
3 を閉じる。次いでスイッチSW2 を出力端子t1 ´〜
t20´側に切り換えた状態でスイッチSW1 を分圧回路
の入力端子側に切り換えて、サプレッサ電源E1 または
E2 からNO.1ないしNO.20 のワイヤ電極に一定のサプレ
ッサ電圧を印加する。ここでは、スイッチSWaを閉じ
てサプレッサ電源E1 を選択することにより、各ワイヤ
電極に接地に対して負極性の電圧を印加するものとす
る。サプレッサ電圧の大きさは例えば300[V]に設
定される。
【0042】この状態でパルスビームを発生させ、各ワ
イヤ電極と接地間の電圧により、各ワイヤ電極に対応す
るコンデンサC1 〜C3 を充電する。
【0043】上記のように、各ワイヤ電極に接地電位に
対して負極性のサプレッサ電圧を印加した場合には、各
ワイヤ電極に荷電粒子が捕獲された際に生じる二次電子
が各ワイヤ電極に戻ったり、隣接のワイヤ電極に流入し
たりするのを防ぐことができるため、各ワイヤ電極から
生じた二次電子を全て放出させて、正確に捕獲された荷
電粒子の数に比例した分だけ各ワイヤ電極の対地電位を
変化させることができる。
【0044】所定個数のパルスビームを発生させ、コン
デンサC1 〜C3 の充電が完了した後、スイッチSW1
を接地側に切り換えてコンデンサC1 〜C3 をワイヤ電
極から切り離す。次いで、スイッチSW2 を抵抗R2 側
に切り換えて、コンデンサC1 〜C3 の電荷の一部を抵
抗R2 を通して放電させることにより、コンデンサC1
〜C3 の端子電圧を、高精度の測定が可能な範囲の値ま
で(例えば300[V]を10[V]とする範囲まで)
低下させる。
【0045】コンデンサの電荷を一定の時定数で放電さ
せてその端子電圧を低下させた場合、サプレッサ電圧分
が低下すると同時に、捕獲された荷電粒子数に相当する
電圧変化分も同じ割合で低下するので、捕獲された荷電
粒子数の測定を行なう上でなんら支障を来さない。
【0046】次いでスイッチSW2 を出力端子t1 ´な
いしt20´側に切り換え、スキャナ回路22により出力
端子t1 ´ないしt20´から得られる出力を順次選択し
て電圧測定部23に与える。電圧測定部23では、入力
された電圧を高分解能でデジタル信号に変換し、その変
換値をチャンネル番号とともに図示しないホストコンピ
ュータに伝送する。ホストコンピュータは、伝送されて
きたチャンネル番号と電圧値とに基いて各ワイヤ電極が
荷電粒子を捕獲したことにより生じた電圧の変化分を求
めて、その電圧の変化分から捕獲した荷電粒子数を求
め、ビームの断面上における荷電粒子数の分布をビーム
プロファイルとしてCRTディスプレイ上に表示させ
る。また必要に応じて、求められたビームプロファイル
からエミッタンスを演算する。
【0047】実験では、ピーク値が20mA、パルス幅が
100μsec 、周波数が0.5Hzのパルスビームを発
生させ、サプレッサ電圧を−300[V]として、10
0パルスを入射した後、ビームの入射を止めた。100
パルスを入射した後のコンデンサC1 〜C3 の端子電圧
は−313.0681[V]であった。次いでコンデン
サC1 〜C3 に第2の抵抗R2 を並列に接続して放電時
定数4.7sec でコンデンサを放電させることにより、
コンデンサC1 〜C3 の端子電圧を下げ、電圧測定回路
23により各ワイヤ電極に対応するコンデンサの端子電
圧を測定した。
【0048】ワイヤ電極に荷電粒子が捕獲された際に生
じる電位の変化から捕獲された荷電粒子数を検出するた
めには、電圧測定部23で有効桁数を8桁程度として電
圧の測定を行なうことが必要である。現在8桁程度の有
効桁数で電圧を測定できる高分解能の電圧計を比較的安
価に入手し得るのは、測定対象電圧の最大値が20
[V]程度までであるので、実験では、第2の抵抗R2
を通してコンデンサの電荷を放電させることにより、該
コンデンサの端子電圧を10[V]のレンジまで(サプ
レッサ電圧300[V]を10[V]とするまで)低下
させた。
【0049】一連の測定動作を自動的に行なわせるた
め、図3に示した電極電位検出部に設ける各スイッチと
しては、リレーの接点を用いるのが好ましいが、その場
合、測定誤差を抑えるため、接点を通して流れるリーク
電流が少ない水銀リレーを用いるのが好ましい。
【0050】上記の説明では、各ワイヤ電極に接地電位
に対して負極性のサプレッサ電圧を印加するとしたが、
各ワイヤ電極に接地電位に対して正極性のサプレッサ電
圧を印加しつつビームプロファイルの測定を行なうよう
にしてもよい。各ワイヤ電極に接地電位に対して正極性
のサプレッサ電圧を与えた場合には、各ワイヤ電極によ
り荷電粒子が捕獲された際に発生する二次電子が全て各
ワイヤ電極に戻されるため、各ワイヤ電極には、捕獲さ
れた荷電粒子の数に比例したビーム電流が流れ、このビ
ーム電流によりワイヤ電極の電位が変化させられる。
【0051】上記の例では、全てのワイヤ電極に対して
共通に1つの電圧測定部23を設けるとともに、一連の
ワイヤ電極の対地電位を順次選択するスキャナ回路22
を設けて、このスキャナ回路により順次選択されるワイ
ヤ電極の対地電位を電圧測定部23により測定するよう
にしたが、各ワイヤ電極毎に電圧測定部23を設けて、
各ワイヤ電極の対地電位を個別に測定するようにしても
よい。このように構成すれば、一連のワイヤ電極の対地
電位の測定を高速で、かつ高精度で行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、サプレ
ッサ電源から各ワイヤ電極にサプレッサ電圧を印加する
ことにより、独立のサプレッサ電極を設けることなく、
正確に各ワイヤ電極が捕獲した荷電粒子の数に比例した
分だけ各ワイヤ電極の電位を変化させて、ビームプロフ
ァイルを正確に検出することができる。
【0053】このように、本発明によれば、ワイヤ電極
の前面側に独立のサプレッサ電極を配置する必要がない
ため、2軸方向に複数個ずつ並ぶワイヤ電極を1つのモ
ニタヘッドに設けて、1つのモニタヘッドで2軸方向の
荷電粒子分布を同時に測定することができ、ビームプロ
ファイルモニタの構造を簡単にすることができる利点が
ある。
【0054】また本発明において、各ワイヤ電極と接地
間の電圧により充電されるコンデンサと該コンデンサの
両端にスイッチ手段を介して接続された抵抗とを設けた
場合には、コンデンサの電荷を該抵抗を通して放電させ
ることにより、測定する電圧のレンジを下げることがで
きるため、比較的安価な電圧計を用いて各ワイヤ電極の
電位の変化を高分解能で測定することができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるビームプロファイルモニタの機
械的構成の一例を示した斜視図である。
【図2】図1のモニタに用いられているモニタヘッドに
設けられたワイヤ電極群の構成を示した構成図である。
【図3】本発明で用いる電極電位検出部の構成例を示し
た回路図である。
【符号の説明】
8…モニタヘッド、9…ワイヤ電極群、X1 〜X10,Y
1 〜Y10…ワイヤ電極、21…I/V変換器、22…ス
キャナ回路、23…電圧測定部、C1 〜C3 …コンデン
サ、E1 ,E1 …直流サプレッサ電源。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームの中心軸線に沿うビームラ
    インと交わる平面上で互いに交差する2軸方向にそれぞ
    れ複数個ずつ並ぶように配置された複数のワイヤ電極を
    備えたモニタヘッドと、前記モニタヘッドの各ワイヤ電
    極の電位を検出する電極電位検出部とを備えたビームプ
    ロファイルモニタにおいて、 前記電極電位検出部は、各ワイヤ電極と接地間に一定の
    直流サプレッサ電圧を印加するサプレッサ電源を備えて
    いることを特徴とするビームプロファイルモニタ。
  2. 【請求項2】 イオンビームの中心軸線に沿うビームラ
    インと交わる平面上で互いに交差する2軸方向にそれぞ
    れ複数個ずつ並ぶように配置された複数のワイヤ電極を
    備えたモニタヘッドと、前記モニタヘッドの各ワイヤ電
    極の電位を検出する電極電位検出部とを備えたビームプ
    ロファイルモニタにおいて、 前記電極電位検出部は、 各ワイヤ電極と接地間に一定の直流サプレッサ電圧を印
    加するサプレッサ電源と、 前記各ワイヤ電極毎に設けられて各ワイヤ電極と接地間
    の電圧により第1の抵抗を通して充電されるコンデンサ
    と、 前記コンデンサの両端にスイッチ手段を介して並列に接
    続された第2の抵抗と、 各ワイヤ電極に対して設けられたコンデンサの端子電圧
    を測定する電圧測定部とを備えていることを特徴とする
    ビームプロファイルモニタ。
  3. 【請求項3】 前記電圧測定部は、前記複数のワイヤ電
    極に対して共通に1つだけ設けられ、 前記複数のワイヤ電極のそれぞれに対して設けられたコ
    ンデンサの端子電圧を順次検出して前記電圧測定部に与
    えるスキャナ回路が更に設けられていることを特徴する
    請求項2に記載のビームプロファイルモニタ。
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