JP2001241405A - 流体圧アクチュエータ - Google Patents

流体圧アクチュエータ

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JP2001241405A
JP2001241405A JP2000389919A JP2000389919A JP2001241405A JP 2001241405 A JP2001241405 A JP 2001241405A JP 2000389919 A JP2000389919 A JP 2000389919A JP 2000389919 A JP2000389919 A JP 2000389919A JP 2001241405 A JP2001241405 A JP 2001241405A
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pistons
piston rod
cylinder body
piston
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JP2000389919A
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Futoshi Yamamoto
太 山本
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン2L,2Rが貫通孔1a内を移動す
る際の摩擦抵抗を小さくし、高精度での力制御や、低速
動作が可能な流体圧アクチュエータを提供する。 【解決手段】 シリンダ本体1の貫通孔1a内に配置さ
れ開口部1bの両側で軸方向移動されるピストン2L,
2Rと、その間のピストンロッド3と、このピストンロ
ッド3から開口部1bを軸方向移動自在に貫通して外部
のテーブル部材6に結合された係合部材8と、貫通孔1
aの内周面とピストンロッド3の外周面との間に介装さ
れた複数の転動体41とを備え、この転動体41によっ
てピストン2L,2Rと貫通孔1aの間を同心的かつ非
接触状態に保持する。ピストン2L,2Rの内部にはマ
グネット22が配置され、ピストン2L,2Rの外周面
に設けられた複数の環状突起25と、貫通孔1aとの間
を、磁力により保持される磁性流体でシールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機器の駆動や物体
の搬送、押圧コントロール、あるいはテンションコント
ロール等の手段として利用される流体圧アクチュエータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】ワーク等の搬送手段として用いられてい
る流体圧アクチュエータは、圧力流体の作用下にテーブ
ル部材を直線的に往復運動させることにより、前記テー
ブル部材に載置されたワークを搬送するもので、その典
型的な従来技術が、例えば特開平8−100807号公
報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術による流体圧アクチュエータにおいては、ピスト
ンと、シリンダ本体の貫通孔が面で接触しているので、
流体圧の導入によってピストンが移動する際に、ピスト
ンロッド等の自重や、シリンダ推力によるモーメントに
よって、ピストンの外周面が前記貫通孔の内周面に押し
付けられ、大きな摩擦抵抗を発生する。また、ピストン
の外周部に装着され前記貫通孔の内周面との間で適当な
締め代をもって介在するシール部材は、ピストンが移動
する際に、前記締め代によって大きな摩擦抵抗を発生す
る。通常、前記シール部材はゴム状弾性材料からなるも
のであるため摩擦抵抗が大きく、この摩擦抵抗は時間と
共に増加することが知られている。
【0004】また、移動テーブルとレール部材は、ボー
ルベアリングを介してレール部材の長手方向相対変位自
在に連結されており、ボールベアリングは摩擦抵抗が極
めて小さいものである。しかし、それにも拘らず、上述
した摩擦抵抗によって、流体圧アクチュエータとしての
軽快な動作が損なわれている。したがって、通常のワー
クの搬送や、クランプ等の用途には何ら問題なく使用可
能であるが、テンションコントロールあるいは押圧力コ
ントロール等における高精度な力の制御や低速動作を要
求されるような用途では、使用することができないとい
った問題が指摘される。
【0005】本発明は、上述のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、ピス
トンがシリンダ本体の貫通孔内を移動する際の摩擦抵抗
を小さくし、高精度での力制御や、低速動作が可能な流
体圧アクチュエータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
請求項1の発明に係る流体圧アクチュエータは、軸方向
に延びる貫通孔及びこの貫通孔の軸方向中間部に連通す
る開口部が開設されたシリンダ本体と、前記貫通孔の内
周に配置され前記開口部の両側で軸方向移動される一対
のピストンと、前記貫通孔の内周に前記一対のピストン
間に位置して軸方向移動自在に配置されたピストンロッ
ドと、このピストンロッドに設けられ前記開口部を軸方
向移動自在に貫通して外部へ突出された係合部材と、前
記貫通孔の内周面と前記ピストンロッドの外周面との間
に介装された複数の転動体とを備えるものである。
【0007】請求項2の発明に係る流体圧アクチュエー
タは、請求項1の構成において、一対のピストンの内部
にそれぞれ配置されたマグネットと、前記各ピストンの
外周面に設けられた複数の環状突起と、シリンダ本体の
貫通孔の内周面と前記各環状突起の外周端部との間に磁
力により保持される磁性流体とを備え、前記一対のピス
トンがピストンロッドの軸方向両側に係着される。
【0008】請求項3の発明に係る流体圧アクチュエー
タは、請求項2の構成において、シリンダ本体における
貫通孔が、軸方向中間に位置する第一の円筒部材と、そ
の軸方向両側に接合されピストンの移動領域にそれぞれ
位置する一対の第二の円筒部材によって形成され、前記
ピストンがそれぞれ非磁性体の軸部材によって所要の距
離をおいてピストンロッドの軸方向両側に係着され、前
記第一の円筒部材が前記第二の円筒部材より硬質の材料
からなり、前記第二の円筒部材が前記第一の円筒部材よ
り残留磁化の小さい材料からなり、前記ピストンロッド
が前記軸部材より硬質の材料からなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1乃至図6は、本発明に係る流
体圧アクチュエータを示すものである。これらの図にお
いて、符号1はシリンダ本体、2L,2Rはこのシリン
ダ本体1の貫通孔1aに軸方向移動自在に内挿されピス
トンロッド3を介して互いに一体的に連結された一対の
ピストン、4は前記貫通孔1aの内周面とピストンロッ
ド3との間に介在された有限軌道式のリニアベアリン
グ、5は前記シリンダ本体1の外周に一体的に設けられ
たシリンダ外周部材としてのレール部材、6は前記ピス
トン2L,2Rにより前記レール部材5に案内されつつ
移動されるテーブル部材である。
【0010】シリンダ本体1は、その軸方向中間に位置
する第一の円筒部材11と、その軸方向両側に接合され
ピストン2L,2Rの移動領域にそれぞれ位置する一対
の第二の円筒部材12L,12Rとで軸方向に連続した
貫通孔1aが形成され、この貫通孔1aの両端開口部、
言い換えれば前記第二の円筒部材12L,12Rにおけ
る外端開口部に、閉止部材13L,13Rが嵌合された
構造を有し、第二の円筒部材12L,12Rと閉止部材
13L,13Rとの嵌合面は、それぞれOリング14に
よって密封されている。また、前記第一の円筒部材11
には、上側となる円周方向一部に、前記貫通孔1aに連
通する開口部1bが開設されている。
【0011】シリンダ本体1における貫通孔1aは、前
記第一の円筒部材11と第二の円筒部材12L,12R
とを圧入によって互いに結合した後、その内周にホーニ
ング加工を施すことによって、連続した円筒面状に形成
されたものである。
【0012】シリンダ本体1は、第一及び第二の円筒部
材11,12L,12Rに相当する部分を磁性体金属で
単一の部材として製作しても良いが、その軸方向中間部
分は所要の強度が要求されるため、本実施形態において
は、第一の円筒部材11は、例えば熱処理が施された高
炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等の
硬質の材料で製作され、熱処理の必要のない第二の円筒
部材12L,12Rは、後述する磁性流体による良好な
シール性を得るため、例えば残留磁化の小さい電磁ステ
ンレス鋼等で製作されている。
【0013】シリンダ本体1の貫通孔1aの内周空間
は、その軸方向両端の閉止部材13L,13Rと一対の
ピストン2L,2Rとの間にシリンダ室10L,10R
が、また前記ピストン2L,2R間に中間室10Cが画
成される。前記閉止部材13L,13Rには、それぞ
れ、前記シリンダ室10L,10Rに向けて開口したオ
リフィス13a、及びこのオリフィス13aから外部へ
向けて延びる配管ポート13bが設けられている。前記
各配管ポート13b,13bは、図示されていない配管
及び切換弁を介して圧縮空気供給源に接続される。
【0014】ピストン2L,2Rは、それぞれ互いに軸
方向に対峙した、磁性体からなる一対の環状のピストン
部材21,21と、このピストン部材21,21間に挟
持され軸方向に着磁された環状のマグネット22で構成
され、ピストンロッド3の軸方向両端から同軸的に突設
された軸部材31,31に結合されている。詳しくは、
ピストン部材21,21及びマグネット22は、前記軸
部材31に外挿されると共に、その基部側の外周段差面
31aと、先端に嵌着した軸用止め輪32によって固定
されている。
【0015】また、図6に示されるように、各ピストン
2L,2Rにおけるピストン部材21,21と軸部材3
1との間、及びピストン部材21,21とマグネット2
2との間は、それぞれOリング23,24で密封され、
ピストン2L,2Rの内部のマグネット22へ、後述す
る磁性流体7等が侵入するのを防止している。
【0016】ピストンロッド3は、シリンダ本体1にお
ける第一の円筒部材11と同じく例えば熱処理が施され
た高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼
等の硬質の材料によって、ピストン2L,2Rにおける
ピストン部材21より適宜小径の円柱状に製作されてお
り、その軸方向中央部には、その軸心と直交する方向に
貫通した係合孔3aが開設されている。この係合孔3a
は、後述する係合部材8が挿入されるものである。
【0017】ピストンロッド3の軸方向両端に基部を螺
合された軸部材31,31は、例えばSUS303等の
非磁性材料で製作されている。この軸部材31,31
は、ピストンロッド3に螺合された後、旋削によって軸
端加工を行い、仕上げ加工として、ピストンロッド3を
基準に、外径がセンタレス研削盤で研削仕上げを施され
たものである。
【0018】ピストン2L,2Rにおける各ピストン部
材21の外周には複数の環状突起25が形成されてい
る。図6に拡大して示されるように、前記各環状突起2
5と、シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第
二の円筒部材12L,12Rの内周面との間の半径方向
隙間Gには、磁性流体7が充填されている。この磁性流
体7は、図6に多数の矢印φで示されるような、マグネ
ット22の磁気回路によって、前記各環状突起25と第
二の円筒部材12との間に保持され、前記半径方向隙間
Gを密封するものである。
【0019】シリンダ本体1における貫通孔1aを構成
する第一の円筒部材11の内周面と、ピストンロッド3
の外周面との間には、多数の転動体41が介在されてお
り、これによって、当該流体圧アクチュエータを大型化
することなく有限軌道式リニアベアリング4が構成され
ている。詳しくは、これらの転動体41は、図4及び図
5に示されるように、前記第一の円筒部材11とピスト
ンロッド3との間に軸方向移動自在に挿入された筒状の
保持器42の円形窓部に転動自在に保持され、これによ
って、軸方向に所定間隔で並んだ複数の転動体41から
なる4条の転動体列が、円周方向等間隔で配置された構
成となっている。前記保持器42には、その上部で互い
に隣接する2条の転動体列の間に位置して、軸方向へ延
びる開口部42aが開設されている。
【0020】上記有限軌道式リニアベアリング4は、ピ
ストンロッド3を介して、その両側のピストン2L,2
Rを、シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第
二の円筒部材12L,12Rの内周面に対して非接触状
態に支持するものである。そして、シリンダ部材1に対
してピストンロッド3が軸方向に相対移動されると、両
者間で転動体41が転動し、これに伴って、保持器42
もピストンロッド3及びシリンダ部材1に対して軸方向
へ相対移動する。そしてその軸方向移動量は、ピストン
ロッド3とシリンダ部材1の相対移動量の1/2であ
る。
【0021】また、このリニアベアリング4における転
動体41としては、外径が0.5〜1μm刻みで用意さ
れている市販のボールベアリング用のボールを使用して
いるので、この転動体41の外径によって、シリンダ本
体1の第一の円筒部材11の内周面(貫通孔1a)及び
ピストンロッド3の外周面との隙間を零にしたり、ある
いは前記転動体41を僅かに潰した状態に設定すること
ができる。
【0022】レール部材5及びテーブル部材6は、それ
ぞれ軽量で耐蝕性及び加工性に優れた、アルミニウム合
金の押出材に所要の機械加工及び表面処理を施して製作
されている。
【0023】レール部材5の上面には、長手方向全長に
わたって直線的に連続したレール本体部51が突出形成
されており、その下側には、前記長手方向に、シリンダ
保持孔5aが貫通形成されている。また、前記レール本
体部51の上面における長手方向中央部には、前記シリ
ンダ保持孔5aと交差する開口部5bが開設され、この
開口部5bは、シリンダ本体1の第一の円筒部材11に
開設された開口部1bと対応する長孔状に形成されてい
る。更に、前記レール本体部51の両側の肩部52,5
2には、当該流体圧アクチュエータを設備機器等に取り
付けるための複数の取付孔52aがそれぞれ設けられて
いる。
【0024】シリンダ本体1は、レール部材5のシリン
ダ保持孔5aに嵌入されると共に、両端の閉止部材13
L,13Rの外周段差部が、それぞれ前記シリンダ保持
孔5aの開口端部内周に嵌着された孔用止め輪53で係
止されることによって、固定されている。この状態にお
いて、レール部材5の開口部5bは、シリンダ本体1の
開口部1bと重なっており、すなわちシリンダ本体1の
内周空間における両ピストン2L,2R間の中間室10
Cが、前記開口部1b,5bを介して外部へ開放されて
いる。
【0025】テーブル部材6は、レール部材5における
レール本体部51に跨乗配置されており、すなわちその
移動方向に対して直交する方向の断面形状が、下面に前
記レール本体部51に遊嵌可能な案内凹部6aを有する
逆凹字形を呈する。このテーブル部材6の上面には、図
示されていないツールや治具等を連結するための複数の
螺子孔6bが設けられている。
【0026】テーブル部材6の天板中央部には螺子孔6
cが開設され、この螺子孔6cには、棒状の係合部材8
が、その上端に形成された雄螺子部8aにおいて螺着さ
れている。この係合部材8は、前記テーブル部材6の案
内凹部6aから下方へ垂直に延在され、レール部材5の
開口部5b、シリンダ本体1(第一の円筒部材11)の
開口部1b及びリニアベアリング4の保持器42の開口
部42aを上下に貫通して、ピストンロッド3の係合孔
3aに挿通されている。
【0027】シリンダ本体1(第一の円筒部材11)の
開口部1b及びレール部材5の開口部5bは、シリンダ
室10L,10Rへの作動流体(圧縮空気)の給排によ
るピストン2L,2R及びピストンロッド3の一体的な
軸方向往復動作に伴う係合部材8の移動を許容するもの
であり、リニアベアリング4の保持器42の開口部42
aは、前記動作に伴うシリンダ本体1及びピストンロッ
ド3と保持器42の軸方向相対移動を許容するものであ
る。そして、レール部材5の開口部5bは、シリンダ本
体1の開口部1bよりも若干短く形成されており、係合
部材8が前記開口部5bの長手方向いずれかの端壁に当
接することで、前記テーブル部材6の移動終端位置が規
制されるようになっている。
【0028】レール部材5におけるレール本体部51の
両側面には、それぞれ前記長手方向全長にわたって延び
る凹溝51aが形成されている。一方、前記レール本体
部51に跨乗配置されたテーブル部材6の案内凹部6a
における両内側面には、それぞれ前記凹溝51aと対応
する凹溝6dが、テーブル部材6の移動方向全長にわた
って形成されている。前記各凹溝51a,6d内には、
上下各一対のレール側ベアリングレース91,91及び
テーブル側ベアリングレース92,92が配置され、こ
れらベアリングレース91,91,92,92の間に所
要数の転動体93が転動自在に介装され、これによっ
て、テーブル部材6をレール本体部51に沿って往復移
動可能に支持する第二の有限軌道式リニアベアリング9
が構成されている。
【0029】詳しくは、凹溝51a,6dは、それぞれ
溝幅方向(上下方向)の両隅部が、長手方向と直交する
断面(以下、横断面という)が円弧形の円弧状凹面とな
っており、この凹溝51a,6d内に配置された上下各
一対、計4本のベアリングレース91,92は横断面が
略D形の棒状をなすものであって、すなわちその表面は
横断面円弧形の円弧状凸面及び平面部からなり、前記円
弧状凸面は凹溝51a,6dにおける上下の円弧状凹面
と互いに接触している。また、前記各円弧状凹面は、ベ
アリングレース91,92の円弧状凸面と同一の曲率半
径又は僅かに大きい曲率半径で形成されている。
【0030】レール側ベアリングレース91,91とテ
ーブル側ベアリングレース92,92の間に介在する複
数の転動体93は、互いに適当な間隔を保持された状態
にあり、各ベアリングレース91,92の平面部と接触
している。凹溝51aの底部に配置されたレール側ベア
リングレース91の長手方向両端には、それぞれ鍋小ネ
ジ94が装着され、これによって、軸方向位置が決めら
れている。また、テーブル部材6の両端部にはそれぞれ
端板61が鍋小ネジ62で固定されており、これによっ
て前記転動体93の脱落が防止されている。
【0031】上記第二の有限軌道式リニアベアリング9
における転動体93としては、リニアベアリング4の転
動体41と同様、外径が0.5〜1μm刻みで用意され
ている市販のボールベアリング用のボールを使用してい
るので、この転動体93の外径によって、凹溝51a,
6dとベアリングレース91,92との隙間、及びベア
リングレース91,92と転動体93との隙間を零にし
たり、あるいは前記転動体93を僅かに潰した状態に設
定することができる。
【0032】ベアリングレース91,92は、所要の強
度を確保するため、高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイ
ト系ステンレス鋼など硬質の材料で製作されたものであ
って、熱処理後、研磨によって精密な仕上げ加工を施さ
れており、これによって、第二のリニアベアリング9に
よる精密な直線移動を可能とするばかりでなく、剛性が
向上して、大きな外力を支持することができる。
【0033】上記第二の有限軌道式リニアベアリング9
は、レール部材5上をテーブル部材6が移動するのに伴
って、レール側ベアリングレース91,91とテーブル
側ベアリングレース92,92との間で転動体93が転
動し、これによってテーブル部材6を円滑に移動可能な
状態に支持するものである。
【0034】次に、以上のように構成された本実施形態
の流体圧アクチュエータの作動について説明する。
【0035】図1,図2及び図4においては、図示され
ていない切換弁により、圧縮空気供給源からの圧縮空気
を、閉止部材13Lに開設された配管ポート13b及び
オリフィス13aを介して、シリンダ室10Lへ供給す
ると共に、他方のシリンダ室10Rを閉止部材13Rに
開設されたオリフィス13a、配管ポート13b及び図
示されていない切換弁を介して大気開放した状態にあ
る。このため、ピストンロッド3を介して互いに一体的
に動作する一対のピストン2L,2Rは、シリンダ本体
1の貫通孔1a内の相対的に低圧であるシリンダ室10
R側に移動し、ピストンロッド3の係合孔3aに挿通・
係合された係合部材8が、レール部材5の開口部5bに
おける図中右側の端壁に当接しており、レール部材5の
レール本体部51に跨乗配置されたテーブル部材6が、
前記係合部材8と開口部5bの端壁との当接により規定
される図中右側の移動終端位置にある。
【0036】図1,図2及び図4に示された状態から、
切換弁の切換操作によって、閉止部材13Rに開設され
た配管ポート13b及びオリフィス13aを介して、シ
リンダ室10Rに圧縮空気を供給すると共に、シリンダ
室10L内の圧縮空気を、閉止部材13Lに開設された
オリフィス13a及び配管ポート13bと、切換弁を介
して大気中に開放すると、二個一組のピストン2L,2
R及びその間のピストンロッド3が、シリンダ本体1の
貫通孔1a内を相対的に低圧になるシリンダ室10L側
に移動し、これに伴い、係合部材8を介してピストンロ
ッド3に係合されたテーブル部材6が、レール部材5の
レール本体部51に案内されながら図中左側へ移動す
る。そして係合部材8が開口部5bの図中左側の端壁に
当接した時点で移動終端位置に達し、前記移動が停止す
る。
【0037】上述の動作においては、有限軌道式リニア
ベアリング4が、ピストンロッド3を介して、その両側
のピストン2L,2Rを、シリンダ本体1における貫通
孔1aを構成する第二の円筒部材12L,12Rの内周
面に対して非接触状態に支持しており、かつ第二の有限
軌道式リニアベアリング9が、テーブル部材6をレール
部材5上に円滑に移動可能な状態に支持しているので、
移動に伴う摩擦抵抗が極めて小さいものとなる。
【0038】これを、更に詳しく説明すると、有限軌道
式リニアベアリング4における各転動体41は、前記シ
リンダ本体1における第一の円筒部材11の内周面及び
前記ピストンロッド3の外周面に点接触しており、ま
た、第二の有限軌道式リニアベアリング9の各転動体9
3は、ベアリングレース91,92に点接触している。
そして、例えば従来技術において用いられている循環式
リニアベアリングの場合は、反転路で転動体同士が干渉
したり、反転路と無負荷ボール孔との段差で転動体の引
っ掛かりがあるのに対し、図示の実施形態による有限軌
道式リニアベアリング4,9は、そのようなことがない
ので、摩擦抵抗が極めて小さい。
【0039】また、上述のように、各ピストン2L,2
Rにおける環状突起25の外周縁と、シリンダ本体1に
おける第二の円筒部材12L,12Rの内周面は、僅か
な隙間Gを介して互いに非接触状態に保持されており、
前記隙間Gにマグネット22の磁気回路により保持され
た磁性流体7は、ピストン2L,2Rが軸方向移動する
と、これに伴って前記磁気回路も移動するため、前記隙
間Gを塞いだ状態で前記ピストン2L,2Rに追従す
る。
【0040】磁性流体7は液体状であるため、有限軌道
式リニアベアリング4及び第二の有限軌道式リニアベア
リング9における転動体41,93の転がり摩擦抵抗と
比較しても無視できるほど小さい。したがって、ピスト
ン2L,2Rの移動に伴う摺動抵抗は著しく小さい。
【0041】ピストン2L,2Rからのシリンダ推力
を、係合部材8を介して外部のテーブル部材6へ伝達す
るピストンロッド3が、有限軌道式リニアベアリング4
の内周に配置されているので、このピストンロッド3は
シリンダ本体1の貫通孔1aに対して偏心することがな
い。しかも前記有限軌道式リニアベアリング4は、一対
のピストン2L,2R間の軸方向中央部に位置するた
め、ピストン2L,2Rと、貫通孔1aを構成するシリ
ンダ本体1の第二の円筒部材12L,12Rとの間の半
径方向隙間も、シリンダ推力やマグネット22の磁力等
によって変化することがない。
【0042】なお、ピストンロッド3の軸方向長さは、
ストロークに応じて長くなるので、これに応じて有限軌
道式リニアベアリング4の全長を延ばしたり、転動体4
1の軸方向の数を増やしたりすれば、軸受性能を更に向
上することができる。
【0043】第一の円筒部材11及びピストンロッド3
は、先に説明したように、第二の円筒部材12L,12
Rよりも硬質の、熱処理が施された高炭素クロム軸受鋼
やマルテンサイト系ステンレス鋼等で製作されているの
で、転動体41との接触部に比較的大きな力が作用して
も容易に変形せず、したがって、容易にピストンロッド
3とシリンダ本体1との相対偏心を生じない。更に、ピ
ストン2L,2Rとシリンダ部材1の貫通孔1aとの偏
心量は、ピストン2L,2Rとピストンロッド3との偏
心量に等しいので、極めて小さいものとなる。
【0044】これらの理由から、ピストン2L,2Rの
環状突起25とシリンダ部材1の貫通孔1aとの半径方
向隙間を小さく設定することができ、その結果、磁性流
体7の保持力が高まり、この磁性流体7によるシール性
能を向上することができる。
【0045】また、ピストンロッド3の軸方向両端に突
設された軸部材31,31は非磁性材料で製作されてお
り、ピストン2L,2Rと、磁性体からなるピストンロ
ッド3は、この軸部材31を介して軸方向に所要の距離
が保たれているため、前記ピストン2L,2R内の各マ
グネット22からの磁束がシリンダ外部や軸部材31及
びピストンロッド3等へ漏れない。更に、第二の円筒部
材12L,12Rが残留磁化の小さい電磁ステンレス鋼
で製作されているので、第一の円筒部材11及び転動体
41の磁化が防がれている。したがって、ピストン2
L,2Rの環状突起25と貫通孔1aとの間での磁気回
路による磁性流体7の保持力を向上させることができ、
この点からも優れたシール性が実現される。しかも上述
のように、各マグネット22からの磁束が軸部材31及
びピストンロッド3へ漏れないため、有限軌道式リニア
ベアリング4の転動体41に磁性流体の磁気粉が介入し
て付着することがなく、したがってこの有限軌道式リニ
アベアリング4の耐久寿命の低下を防止することができ
る。
【0046】シリンダ本体1の内周面とピストン2L,
2Rとの間でのシリンダ室10L,10Rのシール手段
として、エアベアリングを採用した場合、このエアベア
リングは、半径方向の隙間が数μm以下でないと機能し
ないが、磁性流体7によるシールの場合は、数十μmの
半径方向隙間でもある程度の圧力に耐えることができ
る。このため、前記シリンダ本体1(第二の円筒部材1
2L,12R)の内周面や、ピストン2L,2Rの外径
を高精度に仕上げたり、現合で組み立てたりする必要が
なく、したがって生産性も良い。
【0047】また、磁性流体7は液体状であることによ
って、シリンダ室10L,10Rに導入された圧縮空気
の漏れが確実に防止される。このため、前記シリンダ室
10L,10Rから外部へ圧縮空気が噴出するようなこ
とがないので、クリーンルーム等でも使用することがで
き、上述のように摩擦抵抗が著しく小さいことによっ
て、駆動エネルギの損失が少なく、結果として、環境保
全にも貢献することができる。しかも、エアベアリング
の場合のように、前記シリンダ室10L,10Rに供給
する圧縮空気の質を特別に管理する必要がない。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明に係る流体圧アクチュエ
ータによると、一対のピストン間の中間位置で、シリン
ダ本体とピストンロッドとの間に転動体を介在させるこ
とによって、当該流体圧アクチュエータを大型化させる
ことなく、前記ピストンロッド及びその両側のピストン
をシリンダ本体の貫通孔に対して同心的に支持するリニ
アベアリングを構成することができる。このため、シリ
ンダ本体の貫通孔とピストンとの間の半径方向隙間が、
シリンダ推力等によって変化せず、前記ピストンを前記
貫通孔に対して非接触状態に保持することができる。
【0049】請求項2の発明に係る流体圧アクチュエー
タによると、ピストンと貫通孔との間は磁性流体でシー
ルされるので、ゴム材等からなる従来のピストンシール
を用いた場合に比較して、ピストン移動の際の摺動抵抗
が著しく小さくなる。したがって、通常のワークの搬送
や、クランプ等の用途には何ら問題なく使用可能である
ことは勿論、テンションコントロールあるいは押圧力コ
ントロール等のように、高精度な力の制御や低速動作を
要求されるような用途でも、使用することができる。
【0050】また、上述のように、ピストン外周のシー
ル手段として液体である磁性流体を用い、しかも、上記
転動体によるリニアベアリング機構によって、シリンダ
本体の貫通孔とピストンとの間の半径方向隙間を小さく
保つことができるので、磁気回路による磁性流体の保持
力を大きくして、シール対象の圧縮空気に対する耐圧性
を高めることができ、シリンダ室からの圧縮空気の漏れ
を完全に阻止することができる。
【0051】請求項3の発明に係る流体圧アクチュエー
タによると、シリンダ本体及びピストンロッドにおいて
転動体と接触する部分を硬質にしたので、シリンダ本体
とピストンロッドとの相対偏心を生じることがなく、ま
た、各マグネットからの磁束がピストンロッドへ漏れ
ず、シリンダ本体における転動体との接触部分である第
一の円筒部材が磁化されることもないので、転動体に磁
性流体の磁気粉が介入して付着することがなく、耐久寿
命の低下を防止することができる。
【0052】それらの結果、本発明の流体圧アクチュエ
ータは、クリーンルーム等でも使用することができ、シ
リンダ室に供給する圧縮空気の質を特別に管理する必要
もない。しかも、上述のように摩擦抵抗が著しく小さい
ことによって、駆動エネルギの損失が少ないため、環境
保全にも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体圧アクチュエータの一実施形
態を示す平面図である。
【図2】図1におけるII方向の矢視図である。
【図3】図1におけるIII方向の矢視図である。
【図4】図1におけるIV-IV'断面図である。
【図5】図1におけるV−V’断面図である。
【図6】上記実施形態におけるピストンとシリンダ本体
間の磁性流体によるシール部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シリンダ本体 1a 貫通孔 1b,5b,42a 開口部 10L,10R シリンダ室 11 第一の円筒部材 12L,12R 第二の円筒部材 13L,13R 閉止部材 13a オリフィス 13b 配管ポート 14,23,24 Oリング 2L,2R ピストン 21 ピストン部材 22 マグネット 25 環状突起 3 ピストンロッド 3a 係合孔 31 軸部材 32 軸用止め輪 4 有限軌道式リニアベアリング 41,93 転動体 42 保持器 5 レール部材 5a シリンダ保持孔 51 レール本体部 51a,6d 凹溝 52 肩部 53 孔用止め輪 6 テーブル部材 6a 案内凹部 6b,6c 螺子孔 61 端板 62 鍋小ネジ 7 磁性流体 8 係合部材 8a 雄螺子部 9 第二の有限軌道式リニアベアリング 91,92 ベアリングレース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びる貫通孔(1a)及びこの
    貫通孔(1a)の軸方向中間部に連通する開口部(1
    b)が開設されたシリンダ本体(1)と、 前記貫通孔(1a)の内周に配置され前記開口部(1
    b)の両側で軸方向移動される一対のピストン(2L,
    2R)と、 前記貫通孔(1a)の内周に前記一対のピストン(2
    L,2R)間に位置して軸方向移動自在に配置されたピ
    ストンロッド(3)と、 このピストンロッド(3)に設けられ前記開口部(1
    b)を軸方向移動自在に貫通して外部へ突出された係合
    部材(8)と、 前記貫通孔(1a)の内周面と前記ピストンロッド
    (3)の外周面との間に介装された複数の転動体(4
    1)と、 を備えることを特徴とする流体圧アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 一対のピストン(2L,2R)の内部に
    それぞれ配置されたマグネット(22)と、 前記各ピストン(2L,2R)の外周面に設けられた複
    数の環状突起(25)と、 シリンダ本体(1)の貫通孔(1a)の内周面と前記各
    環状突起(25)の外周端部との間に磁力により保持さ
    れる磁性流体(7)とを備え、 前記一対のピストン(2L,2R)がピストンロッド
    (3)の軸方向両側に係着されたことを特徴とする請求
    項1に記載の流体圧アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 シリンダ本体(1)における貫通孔(1
    a)が、軸方向中間に位置する第一の円筒部材(11)
    と、その軸方向両側に接合されピストン(2L,2R)
    の移動領域にそれぞれ位置する一対の第二の円筒部材
    (12L,12R)によって形成され、 前記ピストン(2L,2R)がそれぞれ非磁性体の軸部
    材(31)によって所要の距離をおいてピストンロッド
    (3)の軸方向両側に係着され、 前記第一の円筒部材(11)が前記第二の円筒部材(1
    2L,12R)より硬質の材料からなり、 前記第二の円筒部材(12L,12R)が前記第一の円
    筒部材(11)より残留磁化の小さい材料からなり、 前記ピストンロッド(3)が前記軸部材(31)より硬
    質の材料からなることを特徴とする請求項2に記載の流
    体圧アクチュエータ。
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JP2007218296A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 New-Era Co Ltd アクチュエータ

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