JP2001240976A - 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板 - Google Patents

無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板

Info

Publication number
JP2001240976A
JP2001240976A JP2000053437A JP2000053437A JP2001240976A JP 2001240976 A JP2001240976 A JP 2001240976A JP 2000053437 A JP2000053437 A JP 2000053437A JP 2000053437 A JP2000053437 A JP 2000053437A JP 2001240976 A JP2001240976 A JP 2001240976A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
catalyst
substrate
forming
plating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000053437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4523106B2 (ja
Inventor
Kazunari Katsuumi
一成 勝海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP2000053437A priority Critical patent/JP4523106B2/ja
Publication of JP2001240976A publication Critical patent/JP2001240976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4523106B2 publication Critical patent/JP4523106B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な位置におけるメッキ膜の成膜速度を均
一にすることができる無電解メッキ方法を得る。 【解決手段】 第1の触媒核13aとこの第1の触媒核
13aの近傍に配置された第1または第2の触媒核13
a、13bとの間の間隙を全ての第1の触媒核13aに
ついて略同一する第2の触媒核13bを形成した。これ
によって、電極形成工程に際しては第1の触媒核上での
化学的な反応エネルギーの活性度をほぼ等しくすること
が可能になるので、必要な位置におけるメッキ膜の成膜
速度を均一にすることができる無電解メッキ方法を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解メッキ方
法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、基板の表面に電極を形成する方
法の一つとして、電極を形成したい部分に金属を析出さ
せることで電極を形成するようにした無電解メッキ方法
がある。この無電解メッキ方法は量産性に優れている。
無電解メッキ方法により電極を形成した電極基板は、例
えば、インクジェットプリンタのインクジェットヘッド
やサーマルプリンタのサーマルヘッド等に使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無電解メッ
キ方法におけるメッキ膜の成長速度(以降、成膜速度と
する)は、形成するメッキ膜のパターンの密度に左右さ
れ、パターンの密度が低い部分である程成膜速度が遅く
なることが一般的に知られている。これは、パターンの
集中している部分の方が、化学的な反応エネルギーの活
性度が高くなって反応が容易に進行するためである。同
一基板上においては、形成するメッキ膜のパターン同士
の間隔が広い部分は、パターン同士の間隔が狭い部分よ
りも成膜速度が遅くなる。
【0004】ここで、図7(a)は基板上に形成される配
線パターンの一例を示す平面図であり、図7(b)は無電
解メッキ方法により図7(a)に示すパターンでメッキ膜
を形成した電極基板の各位置毎のメッキ膜の膜厚分布を
図示したものである。各位置とは、図7(a)の配線パタ
ーンでの各メッキ膜の形成位置に対応している。図7
(b)からは、電極基板30の端部側あるいは隣接するメ
ッキ膜との間隔が広い部分に形成されるメッキ膜32の
膜厚は、形成するパターンの密度が高い位置のメッキ膜
31の膜厚より明らかに薄いことがわかる。
【0005】このような電極基板30では、各電極のメ
ッキ膜の膜厚の差異に応じて電気抵抗の差が生じる。こ
のため、このような電極基板30を使用した種々の装置
では、制御にばらつきが生じ、良好な制御を行うことが
できない。
【0006】本発明は、必要な位置におけるメッキ膜の
成膜速度を均一にすることができる無電解メッキ方法を
得ることを目的とする。
【0007】本発明は、電極として機能させるメッキ膜
における成膜速度を均一にすることができるインクジェ
ットヘッド製造方法を得ることを目的とする。
【0008】本発明は、必要な電極におけるメッキ膜の
膜厚が均一な電極基板を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の無
電解メッキ方法は、基板に対してセンシタイジング−ア
クチベーション法またはキャタライジング−アクセラレ
ーティング法による前処理を施すことにより前記基板表
面に複数の第1の触媒核を形成する触媒核形成工程と、
前記第1の触媒核上にメッキ膜を形成する成膜工程とを
含んでなる無電解メッキ方法において、前記メッキ膜を
形成する前に、前記基板に対してセンシタイジング−ア
クチベーション法またはキャタライジング−アクセラレ
ーティング法による前処理を施すことにより第2の触媒
核を形成することで前記第1の触媒核と前記第1または
第2の触媒核との間の間隙を全ての前記第1の触媒核に
ついて略同一とし、前記成膜工程に際しては前記第1お
よび第2の触媒核上に前記メッキ膜を形成する。
【0010】したがって、第2の触媒核が形成されるこ
とにより、第1の触媒核と第1または第2の触媒核との
間の間隙が全ての第1の触媒核について略同一とされ
る。これによって、メッキ膜の形成に際しては第1の触
媒核上での化学的な反応エネルギーの活性度をほぼ等し
くすることが可能になる。
【0011】請求項2記載の発明のインクジェットヘッ
ドの製造方法は、板厚方向に分極された圧電部材を形成
する基板形成工程および支柱により両側を仕切られて平
行に延出する複数の溝を前記基板に形成する溝形成工程
を経た前記基板に対してセンシタイジング−アクチベー
ション法またはキャタライジング−アクセラレーティン
グ法による前処理を施すことにより前記基板表面に複数
の第1の触媒核を形成する触媒核形成工程と、前記第1
の触媒核上にメッキ膜を形成する電極形成工程と、前記
電極形成工程を経た前記基板に対してインク吐出口を有
するノズル板と蓋部材とを設けることにより前記溝を閉
塞してインク室を形成するインク室形成工程とにより形
成するインクジェットヘッドの製造方法において、前記
メッキ膜を形成する前に、前記基板に対してセンシタイ
ジング−アクチベーション法またはキャタライジング−
アクセラレーティング法による前処理を施すことにより
第2の触媒核を形成することで、前記第1の触媒核と前
記第1または第2の触媒核との間の間隙を全ての前記第
1の触媒核について略同一とし、前記電極形工程に際し
ては前記第1および第2の触媒核上に前記メッキ膜を形
成する。
【0012】したがって、第2の触媒核が形成されるこ
とにより、第1の触媒核と第1または第2の触媒核との
間の間隙が全ての第1の触媒核について略同一とされ
る。これによって、メッキ膜の形成に際しては第1の触
媒核上での化学的な反応エネルギーの活性度をほぼ等し
くすることが可能になる。
【0013】請求項3記載の発明の電極基板は、請求項
1記載の無電解メッキ方法により成膜されて、前記第1
の触媒核上に形成される前記メッキ膜を電極として機能
させる第1の電極とし、前記第2の触媒核上に形成され
る前記メッキ膜を電極として機能させない第2の電極と
する。
【0014】したがって、この電極基板を、例えば、イ
ンクジェットプリンタヘッドに適用し、第1の電極のみ
に配線等を接続して正規の電極として使用することによ
り、各電極において電気抵抗を等しくできるので充電さ
れた電荷の充電または放電時間のばらつきを低減するこ
とが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1ない
し図6に基づいて説明する。本実施の形態は、無電解メ
ッキ方法により形成した電極基板を使用したインクジェ
ットプリンタへの適用例を示すものである。従来の技術
として説明した部分と同一部分は同一符号で示し、一部
説明を省略する。
【0016】図1は、インクジェットプリンタの一部を
示す斜視図である。金属により形成された底板としての
ベース基板1には、表面に銅線等により形成された回路
(図示せず)を有する駆動回路基板2と、圧電素子により
形成される基板としてのヘッド基板3とが取り付けられ
ている。本実施の形態では、ヘッド基板3が圧電部材と
されており、その分極方向は板厚方向に沿っている。
【0017】駆動回路基板2上には、複数のIC回路チ
ップ4が設けられている。このIC回路チップ4に形成
された回路(図示せず)は、駆動回路基板2に形成された
回路にリード端子5により接続されている。また、駆動
回路基板2に形成された回路には、図示しない制御部や
電源に接続されたフレキシブルケーブル6が接続されて
いる。このフレキシブルケーブル6を介して、駆動パル
ス電圧や印字信号等が駆動回路基板2に入力される。
【0018】ヘッド基板3には、上側および前面側に向
けて開口する複数の溝7が平行に形成されている。これ
らの溝7は、それぞれが支柱8により仕切られている。
溝7の内面およびヘッド基板3の表面には、無電解メッ
キ方法の一つである無電解ニッケルメッキ法により形成
された複数の電極9が設けられている。
【0019】本実施の形態では、ヘッド基板3の表面に
形成される電極9には、リード端子10を介して対応す
るIC回路チップ4へ接続されて使用される第1の電極
としての正規の電極9aと、駆動回路基板2に接続され
ない第2の電極としての補助電極9bとが設けられてい
る。正規の電極9aは、複数のブロックに分割されてお
り、各ブロック毎に対応するIC回路チップ4へ接続さ
れている(図6(a)参照)。
【0020】溝7のヘッド基板3の前面側に向けて開口
している前面開口部7aは、複数のインク吐出口16が
形成されたノズル板17により閉塞されている。溝7の
ヘッド基板3の上側に向けて開口している上側開口部7
bは、蓋部材19により閉塞されている。これにより、
ヘッド基板3の溝7の開口部分7a、7bが閉塞されて
溝7部分にインク室20が形成される。蓋部材19に
は、各インク室20にインクを供給するインク供給管2
1が接続されるインク供給路22が形成されている。
【0021】このようなインクジェットヘッドでは、圧
電素子により形成されるヘッド基板3自体が誘電体を形
成している。印字に際しては、インク室20内にインク
を供給した状態で所定の電極9へ電圧を印加する。電圧
が印加された電極9に対応する支柱8は、インク室20
の容積を大きくする方向へシェアモード変形する。この
電極9に印加する電圧の極性を逆転させると、支柱8が
急激に初期位置に復帰する。支柱8が初期位置に復帰し
た際に、インク室20内のインクが加圧されて、インク
室20内のインクの一部がインク滴となってインク吐出
口16から吐出する。
【0022】インクジェットヘッドの各電極9へ駆動電
圧を印加し、支柱8を変形させることによりインク室2
0に圧力を発生させ、インク吐出口16よりインク滴を
吐出させる場合、インクジェットヘッドの各電極9への
駆動電圧の印加時間は、支柱8における誘電体自体の静
電容量と、駆動回路基板2に形成された回路の内部抵抗
およびヘッド基板3での配線抵抗との和で決定される駆
動源のインピーダンスとの積により取得される。支柱8
における誘電体自体の静電容量が一定と仮定すると、印
加時間は、駆動源のインピーダンスが低い場合には充電
または放電時間が短くなり、駆動源のインピーダンスが
高い場合には充電または放電時間が長くなる。この充電
または放電時間はインクの吐出速度や吐出体積等に影響
を及ぼす。したがって、前記メッキ膜の膜厚を均一にす
ることによりインクの吐出のばらつきをなくする効果を
有するものである。
【0023】ここで、図2ないし図5を参照して、電極
9の製作工程について説明する。本実施の形態では、無
電解メッキ方法の一つである無電解ニッケルメッキ法に
より電極9を製作している。無電解メッキ方法は、析出
する金属の平衡電位と、溶液中の還元剤の酸化還元電位
との差を駆動力としてメッキの形成反応が進行し、電気
エネルギー等の外部からのエネルギーを必要としないメ
ッキ方法である。なお、ここでは、インク室20(溝7)
部分を省略してヘッド基板3の上面の電極9についての
み示している。
【0024】まず、無電解ニッケルメッキ法によるメッ
キ膜の形成を開始する前に、純水を用いた超音波洗浄を
行ってヘッド基板3上の研削粉を落す。次いで、ヘッド
基板3上の埃やゴミや有機物の除去、及び、親水化を図
るための純水を用いた超音波洗浄を行う。さらに、エタ
ノール等の有機溶剤を用いた超音波洗浄を行った後この
エタノールを置換するために純水での十分な流水洗浄を
行い、120℃で乾燥させる。
【0025】このような洗浄,乾燥処理が終了した後、
DFRラミネータを用いてヘッド基板の表面全体にドラ
イフィルム11を貼り付ける(図2参照)。
【0026】次に、所定のパターンを形成するためのパ
ターニング処理を行う。ここで、図3はリード端子10
が接続されて正規に使用される電極9aの配線パターン
Aの一部を示す斜視図、図4は本実施の形態のインクジ
ェットプリンタに適用される正規の電極9aおよび補助
電極9bの配線パターンBの一部を示す斜視図である。
【0027】従来のパターニング処理では、ヘッド基板
3の表面に貼り付けたドライフィルム11の上にレジス
ト用マスク(図示せず)を載せて露光、現像処理を行うこ
とで、ヘッド基板3のメッキ膜を形成したい配線パター
ンAの部分以外を覆うパターンレジスト膜12を形成す
る(図3参照)。
【0028】本実施の形態のパターニング処理では、ヘ
ッド基板3の表面に貼り付けたドライフィルム11の上
にレジスト用マスク(図示せず)を載せて露光、現像処理
を行うことで、インクジェットプリンタにおいて電極9
として使用される正規の電極9aが形成される配線パタ
ーンAで示される部分のヘッド基板3を露出させる正規
電極部12aと、補助電極9bが形成される部分のヘッ
ド基板3を露出させる補助電極部12bが形成されたパ
ターンレジスト膜12を形成する(図4参照)。
【0029】なお、補助電極9bとは、電極9の形成後
にリード端子10を介して駆動回路基板2に形成された
回路に接続されない擬似的な電極を意味する。この補助
電極9bは、各正規電極部12aと正規電極部12aま
たは補助電極部12bとの間のドライフィルム11の幅
を、全ての正規電極部12aについて略同一とする位置
に形成される。
【0030】次に、無電解ニッケルメッキ法の前処理と
して、センシタイジング−アクチベーション処理を行
う。センシタイジング処理は、所定の濃度のSnF2と
HFとの混合溶液の中へパターンレジスト膜12を形成
したヘッド基板3を所定時間撹拌しながら浸漬させるこ
とにより行う。この処理により、ヘッド基板3における
パターンレジスト膜12に覆われていない部分に対して
Snの吸着とエッチングとが行われる。
【0031】本来、メッキで析出した金属はそれ自体の
アンカー効果によって母体(ここではヘッド基板3)との
密着性を保っているが、本実施の形態では、ヘッド基板
3の表面をエッチングで所定の粗さにして表面積を広げ
ることで、ヘッド基板3の表面においてもよりメッキ膜
の密着性を強固にすることができる。
【0032】センシタイジング処理が終了した後、アク
チベーション処理を二段階に分けて行う。一段階目のア
クチベーション処理は、センシタイジング処理が終了し
たヘッド基板3を所定濃度のAgNO3の溶液中に撹拌
しながら所定時間浸漬させることにより行う。この処理
により、センシタイジング処理で吸着されたSnとAg
との置換反応が起こり、ヘッド基板3にAgが吸着す
る。さらに、二段階目のアクチベーション処理は、一段
階目のアクチベーション処理が終了したヘッド基板3を
所定濃度のPdCl2とHClとの混合溶液中に撹拌し
ながら所定時間浸漬させることにより行う。この処理に
より、AgとPdとの置換反応が起こり、正規の電極9
aの配線パターン部分および補助電極9bの配線パター
ン部分にニッケルメッキの触媒核となるPdが吸着す
る。
【0033】以上のようにしてセンシタイジング−アク
チベーション処理が終了した後、このヘッド基板3をN
aOH溶液に浸漬させてパターンレジスト膜12を剥離
すると、図5に示すように、ヘッド基板3の表面に、正
規の電極9aおよび補助電極9bを形成する部分に無電
解ニッケルメッキの触媒核となるPdが吸着した第1お
よび第2の触媒核13a、13bが形成される。これに
よって、第2の触媒核13bにより第1の触媒核13a
と第1または第2の触媒核13a、13bとの間の間隙
は全ての第1の触媒核13aについて略同一とされる。
また、本実施の形態では、第1の触媒核13aと第1ま
たは第2の触媒核13a、13bとの間の間隙とは、第
1の触媒核13aと第1または第2の触媒核13a、1
3bとの間に位置して、第1あるいは第2の触媒核13
a、13bのいずれも形成されず、ヘッド基板3が露出
される部分を意味する。
【0034】次に、上述した前処理が終了したヘッド基
板3をメッキ液に浸漬させることによりPd上にNiの
メッキ膜を成膜する。
【0035】ここで、メッキ液は、金属塩として所定濃
度のニッケル塩、錯化剤として所定濃度の酒石酸塩また
はグリシン、還元剤として所定濃度のジメチルアミンボ
ランを含む。さらに、pHを5.0〜7.0に調整する
ための水酸化ナトリウムを含む。
【0036】このメッキ液は活性度が高いため、メッキ
膜の析出速度は早くなる。また、Pdを吸着させること
により形成した第1および第2の触媒核13a、13b
においては、第2の触媒核13bにより第1の触媒核1
3aと第1または第2の触媒核13a、13bとの間の
間隙が全ての第1の触媒核13aについて略同一とされ
ているため、Pdを触媒核としたメッキ膜の析出におけ
る化学的な反応エネルギーの活性度が第1の触媒核13
a上でほぼ等しくなる。これによって、必要とする正規
の電極9aの基礎となる第1の触媒核13aにおけるN
iのメッキ膜の成膜速度をヘッド基板3全体で均一にす
ることができる。
【0037】なお、Niのメッキ膜の形成に際して、メ
ッキ膜となる金属の析出反応に伴って水素ガスが発生す
る。この水素ガスが反応表面に吸着していると析出反応
を阻害してピンホールの原因となるため、本実施の形態
では、メッキ液にヘッド基板3を浸漬させている際に、
定期的にヘッド基板3に振動を与えて水素ガスの除去を
行った。
【0038】これによって、正規の電極9aとして使用
されるメッキ膜の膜厚がヘッド基板3の全体に亘って均
一に形成された電極基板3aを製作することができる
(図6参照)。
【0039】ここで、図6(a)は本実施の形態の電極基
板3aの配線パターンBの一部を示す平面図であり、図
6(b)は配線パターンBの電極基板3aを無電解ニッケ
ルメッキ法により形成した場合の各位置毎のメッキ膜の
膜厚分布を示す図である。各位置とは、図6(a)の配線
パターンBで形成された電極基板3aの各電極9a、9
bに対応している。図6(b)からも分かるように、補助
電極9bとして形成したメッキ膜の膜厚は正規の電極9
aよりも薄くなっているが、リード端子10が接続され
る正規の電極9aとして形成したメッキ膜の膜厚は、ヘ
ッド基板3上でほぼ等しくなる。
【0040】このような電極基板3aを使用したインク
ジェットヘッドでは、正規の電極9aにおけるメッキ膜
の膜厚が等しいために駆動源のインピーダンスが均一と
なるので電荷の充放電時間が等しくなる。つまり、いず
れのインク吐出口16からインクを吐出させる場合に
も、インクの吐出速度や吐出体積を均一にすることがで
き、良好な印字を得ることができる。
【0041】また、本実施の形態では、上述のように作
成した電極基板3aをインクジェットプリンタのインク
ジェットヘッドに適用したが、これに限るものではな
く、例えば、サーマルプリンタのサーマルヘッドに適用
してもよい。
【0042】なお、本実施例においては、無電解ニッケ
ルメッキ法の前処理としてセンシタイジング−アクチベ
ーション処理を行った場合を例に挙げて説明したが、こ
のセンシタイジング−アクチベーション処理に代えてキ
ャタライジング−アクセラレーティング処理を行っても
よい。
【0043】また、本実施の形態では無電解メッキ方法
の1つとして無電解ニッケルメッキ法について説明した
が、これに限るものではなく、無電解メッキ方法全般に
適用することが可能である。
【0044】さらに、本実施の形態では上述した無電解
メッキ方法により電極基板3aを形成したが、これに限
るものではなく、無電解メッキ方法により形成したメッ
キ膜を必要とし、そのパターンが所定の方向へ断続的に
連なるものであれば適宜適用することが可能である。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明の無電解メッキ方法
によれば、第2の触媒核を形成することにより第1の触
媒核と第1または第2の触媒核との間の間隙を全ての第
1の触媒核について略同一とすることで、メッキ膜の形
成に際しては第1の触媒核上での化学的な反応エネルギ
ーの活性度をほぼ等しくすることが可能になるので、必
要な位置におけるメッキ膜の成膜速度を均一にすること
ができる無電解メッキ方法を得ることができる。
【0046】請求項2記載の発明のインクジェットヘッ
ド製造方法によれば、第2の触媒核を形成することによ
り第1の触媒核と第1または第2の触媒核との間の間隙
を全ての第1の触媒核について略同一とすることで、メ
ッキ膜の形成に際しては第1の触媒核上での化学的な反
応エネルギーの活性度をほぼ等しくすることが可能にな
るので、電極として機能させるメッキ膜における成膜速
度を均一にすることができるインクジェットヘッド製造
方法を得ることができる。
【0047】請求項3記載の発明の電極基板によれば、
請求項1記載の無電解メッキ方法により成膜された第1
の電極および第2の電極を有する電極基板を、例えば、
インクジェットプリンタヘッドに適用し、第1の電極の
みを正規の電極として使用することにより、必要な電極
におけるメッキ膜の膜厚が均一な電極基板を得ることが
でき、各電極において、電荷の充電または放電時間を等
しくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインクジェットプリン
タの一部を示す斜視図である。
【図2】表面全体にドライフィルムを貼り付けたヘッド
基板の一部を示す斜視図である。
【図3】第1の触媒核を形成するためにパターンレジス
ト膜を形成した状態のヘッド基板の一部を示す斜視図で
ある。
【図4】第1および第2の触媒核を形成するためにパタ
ーンレジスト膜を形成した状態のヘッド基板の一部を示
す斜視図である。
【図5】正規の電極および補助電極を形成する部分に、
無電解ニッケルメッキの触媒核となるPdが吸着された
ヘッド基板の一部を示す斜視図である。
【図6】(a)は本実施の形態の電極基板の配線パターン
の一部を示す平面図であり、(b)はこの配線パターンの
電極基板を無電解ニッケルメッキ法により形成した場合
の各位置毎のメッキ膜の膜厚分布を示す図である。
【図7】(a)は従来のインクジェットヘッドの電極パタ
ーンの一部を示す平面図であり、(b)はこのパターンで
メッキ膜を形成した電極基板の各位置毎のメッキ膜の膜
厚分布を図示したものである。
【符号の説明】
1 底板(ベース基板) 3 基板、圧電部材(ヘッド基板) 7 溝 8 支柱 9a 第1の電極(正規の電極) 9b 第2の電極(補助電極) 13a 第1の触媒核 13b 第2の触媒核 16 インク吐出口 17 ノズル板 19 蓋部材 20 インク室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に対してセンシタイジング−アクチ
    ベーション法またはキャタライジング−アクセラレーテ
    ィング法による前処理を施すことにより前記基板表面に
    複数の第1の触媒核を形成する触媒核形成工程と、前記
    第1の触媒核上にメッキ膜を形成する成膜工程とを含ん
    でなる無電解メッキ方法において、 前記メッキ膜を形成する前に、前記基板に対してセンシ
    タイジング−アクチベーション法またはキャタライジン
    グ−アクセラレーティング法による前処理を施すことに
    より第2の触媒核を形成することで前記第1の触媒核と
    前記第1または第2の触媒核との間の間隙を全ての前記
    第1の触媒核について略同一とし、前記成膜工程に際し
    ては前記第1および第2の触媒核上に前記メッキ膜を形
    成することを特徴とする無電解メッキ方法。
  2. 【請求項2】 板厚方向に分極された圧電部材を形成す
    る基板形成工程および支柱により両側を仕切られて平行
    に延出する複数の溝を前記基板に形成する溝形成工程を
    経た前記基板に対してセンシタイジング−アクチベーシ
    ョン法またはキャタライジング−アクセラレーティング
    法による前処理を施すことにより前記基板表面に複数の
    第1の触媒核を形成する触媒核形成工程と、前記第1の
    触媒核上にメッキ膜を形成する電極形成工程と、前記電
    極形成工程を経た前記基板に対してインク吐出口を有す
    るノズル板と蓋部材とを設けることにより前記溝を閉塞
    してインク室を形成するインク室形成工程とにより形成
    するインクジェットヘッドの製造方法において、 前記メッキ膜を形成する前に、前記基板に対してセンシ
    タイジング−アクチベーション法またはキャタライジン
    グ−アクセラレーティング法による前処理を施すことに
    より第2の触媒核を形成することで前記第1の触媒核と
    前記第1または第2の触媒核との間の間隙を全ての前記
    第1の触媒核について略同一とし、前記電極形工程に際
    しては前記第1および第2の触媒核上に前記メッキ膜を
    形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の無電解メッキ方法により
    成膜されて、前記第1の触媒核上に形成される前記メッ
    キ膜を電極として機能させる第1の電極とし、前記第2
    の触媒核上に形成される前記メッキ膜を電極として機能
    させない第2の電極とする電極基板。
JP2000053437A 2000-02-29 2000-02-29 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板 Expired - Fee Related JP4523106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053437A JP4523106B2 (ja) 2000-02-29 2000-02-29 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053437A JP4523106B2 (ja) 2000-02-29 2000-02-29 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001240976A true JP2001240976A (ja) 2001-09-04
JP4523106B2 JP4523106B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=18574824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000053437A Expired - Fee Related JP4523106B2 (ja) 2000-02-29 2000-02-29 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4523106B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096573A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Citizen Watch Co Ltd 無電解めっき皮膜の形成方法
JP2009102675A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Konica Minolta Holdings Inc めっき方法、めっき処理液及び導電性パターンシート
JP2013059916A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド
JP2022094222A (ja) * 2020-12-14 2022-06-24 日東電工株式会社 配線回路基板集合体シート

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221752A (ja) * 1988-02-29 1989-09-05 Hoya Corp パターン形成方法
JPH0437550A (ja) * 1990-06-01 1992-02-07 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ用ヘッド
JPH04217387A (ja) * 1990-12-18 1992-08-07 Nippon Chemicon Corp 導体パターンの無電解めっき方法及び無電解めっき用治具
JPH05269994A (ja) * 1992-03-26 1993-10-19 Tokyo Electric Co Ltd インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JPH09286103A (ja) * 1996-04-19 1997-11-04 Seiko Epson Corp インクジェット式記録ヘッド

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221752A (ja) * 1988-02-29 1989-09-05 Hoya Corp パターン形成方法
JPH0437550A (ja) * 1990-06-01 1992-02-07 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ用ヘッド
JPH04217387A (ja) * 1990-12-18 1992-08-07 Nippon Chemicon Corp 導体パターンの無電解めっき方法及び無電解めっき用治具
JPH05269994A (ja) * 1992-03-26 1993-10-19 Tokyo Electric Co Ltd インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JPH09286103A (ja) * 1996-04-19 1997-11-04 Seiko Epson Corp インクジェット式記録ヘッド

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096573A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Citizen Watch Co Ltd 無電解めっき皮膜の形成方法
JP4647159B2 (ja) * 2001-09-21 2011-03-09 シチズンホールディングス株式会社 無電解めっき皮膜の形成方法
JP2009102675A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Konica Minolta Holdings Inc めっき方法、めっき処理液及び導電性パターンシート
JP2013059916A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド
JP2022094222A (ja) * 2020-12-14 2022-06-24 日東電工株式会社 配線回路基板集合体シート
JP7184865B2 (ja) 2020-12-14 2022-12-06 日東電工株式会社 配線回路基板集合体シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP4523106B2 (ja) 2010-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960012756B1 (ko) 압전부재를 사용한 프린터 헤드의 제조방법
JPH0213909B2 (ja)
JPH04357037A (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2798845B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
US7367118B2 (en) Method for forming metal wires by microdispensing pattern
JP2006283165A (ja) 膜パターン形成方法及びデバイス製造方法並びに液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2001240976A (ja) 無電解メッキ方法、インクジェットヘッドの製造方法および電極基板
JP2015171804A (ja) ヘッドチップの製造方法、液体噴射ヘッド、液体噴射装置
US20070148420A1 (en) Method of making a substrate using laser assisted metallization and patterning with electroless plating without electrolytic plating
JP3299431B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
US20070222079A1 (en) Method of manufacturing wiring substrate, and liquid ejection head manufactured by same
US5649346A (en) Manufacturing method for ink jet printer head
TW200529279A (en) Method of forming electrode for flat display panel
JP6450079B2 (ja) ヘッドチップの製造方法、液体噴射ヘッド、液体噴射装置
JP2006346962A (ja) パターンの形成方法及び液滴吐出ヘッド
JP3314125B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP2007290162A (ja) 成膜方法、デバイスの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2009102693A (ja) 導電膜パターンの形成方法、無電解めっき装置
JP2005135975A (ja) 電極の形成方法、並びに圧電体デバイス、強誘電体デバイス、及び電子機器
JP2007107058A (ja) パターン形成方法及び液滴吐出ヘッド
JP2006225224A (ja) 陽極接合用治具及び陽極接合装置
JP2853634B2 (ja) 静電吸引型インクジェットプリンタのノズル製造方法
JP2008277580A (ja) 導電膜パターンの形成方法、デバイスの製造方法、及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2006161116A (ja) 無電解めっきによる電極形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法
JP2017094682A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090629

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091028

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4523106

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140604

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees