JP2001240792A - 水性塗料組成物、汚染防止方法および塗装物 - Google Patents

水性塗料組成物、汚染防止方法および塗装物

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JP2001240792A
JP2001240792A JP2000052649A JP2000052649A JP2001240792A JP 2001240792 A JP2001240792 A JP 2001240792A JP 2000052649 A JP2000052649 A JP 2000052649A JP 2000052649 A JP2000052649 A JP 2000052649A JP 2001240792 A JP2001240792 A JP 2001240792A
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aqueous coating
resin
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epoxy ester
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JP2000052649A
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Yasunori Hamada
恭典 浜田
Yasutaka Horiuchi
康敬 堀内
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防振マウント等のゴム部材に形成された塗膜
が、自動車の陸送時の振動で剥離して、自動車のルーフ
部やボンネット部等の上塗り塗膜に付着しても、上記上
塗り塗膜の黄変等を抑制する水性塗料組成物、汚染防止
方法およびこの方法により塗装された塗装物を提供す
る。 【解決手段】アクリル変性エポキシエステル樹脂、メチ
ルエーテル化メラミン樹脂またはメチルブチル混合エー
テル化メラミン樹脂、および顔料を含有し、好ましくは
上記アクリル変性エポキシエステル樹脂を得るためのエ
ポキシ樹脂(a)/脂肪酸(b)/エチレン性不飽和モ
ノマー(c)の組成固形分質量比が、0.6〜2/1/
0.3〜1.7の範囲である水性塗料組成物、この塗料
組成物を用いた汚染防止方法、この方法を用いた塗装
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料組成物、
汚染防止方法およびこの方法により塗装された塗装物に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車を構成する部品として、エンジン
を車体に搭載し車体の振動を防ぐために、防振用のゴム
部材とボルト等が一体となった部品(以下、「防振マウ
ント」という)を用いる。防振マウントのゴム部材の部
分は塗装の必要はないが、周辺の金属製部材を保護する
ためには、耐食性を目的とした塗装が必要であり、防振
マウントの形状が複雑であることから塗装時にマスキン
グをせずに塗装が行われるため、防振マウントのゴム部
材上にも塗膜が形成されることになる。このゴム部材上
に形成されたゴム部材との密着性が良好とは言えない塗
膜は、自動車を陸送する場合等の防振マウントの振動に
より剥離することがある。
【0003】この剥離した塗膜が、他の自動車のルーフ
部やボンネット部等に付着すると、付着した剥離塗膜中
に含まれるゴム部材から移行した成分の影響により、黄
変等の不具合が発生することがある。このような問題に
対して、水性塗料組成物として、これまで対策がとられ
ていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、防振マウント等のゴム部材上に形成された塗膜が、
振動で剥離して、自動車のルーフ部やボンネット部等の
上塗り塗膜(以下、「上塗り塗膜」という)に付着して
も、上記上塗り塗膜の黄変等を抑制する水性塗料組成
物、汚染防止方法およびこの方法により塗装された塗装
物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.アクリル変性エポキシエステル樹脂、メチルエーテ
ル化メラミン樹脂またはメチルブチル混合エーテル化メ
ラミン樹脂および顔料を含有する水性塗料組成物。 2.上記前記アクリル変性エポキシエステル樹脂を得る
ためのエポキシ樹脂(a)/不飽和脂肪酸(b)/エチ
レン性不飽和モノマー(c)の組成固形分質量比が、
0.6〜2/1/0.3〜1.7の範囲である上記の水
性塗料組成物。 3.上記メラミン樹脂が、アクリル変性エポキシエステ
ル樹脂固形分100質量部に対して1〜10固形分質量
部含有される上記の水性塗料組成物。 4.さらに、光安定剤、酸化防止剤、または紫外線吸収
剤の少なくとも1種を含有する上記の水性塗料組成物。 5.ゴム部材またはプラスチック部材と隣接した金属製
部材とを、上記の水性塗料組成物により一体塗装し、そ
の塗膜の一部による他の塗膜の汚染防止方法。 6.上記の塗膜形成方法によりゴム部材またはプラスチ
ック部材と隣接した金属製部材とに塗膜が形成される塗
装物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】水性塗料組成物 本発明の水性塗料組成物は、アクリル変性エポキシエス
テル樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂またはメチル
ブチル混合エーテル化メラミン樹脂および顔料を含有す
る。
【0008】上記アクリル変性エポキシエステル樹脂
は、エポキシ樹脂(a)、不飽和脂肪酸(b)およびエ
チレン性不飽和モノマー(c)から合成される。具体的
には、上記アクリル変性エポキシエステル樹脂は、エポ
キシ樹脂(a)と不飽和脂肪酸(b)からエポキシエス
テル樹脂を合成した後、後述するエチレン性不飽和モノ
マー(c)を用いて、アクリル変性して得ることができ
る。
【0009】上記エポキシ樹脂(a)としては、ビスフ
ェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA
D型、あるいはこれらを変性したものが使用できる。ま
たエポキシ樹脂のエポキシ当量は、182〜1000程
度のものが好適である。上記エポキシ樹脂としては、
「エピコート828」、「エピコート834」、「エピ
コート1001」、「エピコート1002」、「エピコ
ート1004」および「エピコート1007」(ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、シェル社製、)、「エポト
ートYD−011」、「エポトートYD−012」、
「エポトートYD−014」、「エポトートYD−12
8」および「エポトートYD−134」等(いずれもビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製、)のよ
うな市販のエポキシ樹脂が使用できる。上記エポキシ樹
脂は、1種または2種以上を同時に使用してよい。
【0010】不飽和脂肪酸(b)としては、天然または
合成の不飽和脂肪酸がいずれも使用でき、オレイン酸、
リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。また通常は
これらの混合物である各種油脂の不飽和脂肪酸が用いら
れ、それにはアマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、サフラワー
油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸あるいは脱水
ヒマシ油脂肪酸等を挙げることができるが、上記不飽和
脂肪酸は、2種以上を同時に使用してよい。
【0011】上記エポキシ樹脂(a)と不飽和脂肪酸
(b)からのエポキシエステル樹脂の合成は、公知の方
法で行うことができ、例えば、エポキシ樹脂(a)と不
飽和脂肪酸(b)とを、トルエン、キシレン等の溶媒中
で、必要に応じて窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下にお
いて、150〜250℃で、所望の酸価となるまで反応
させることができる。
【0012】次に、上記で得られたエポキシエステル樹
脂を、エチレン性不飽和モノマー(c)と反応させて、
アクリル変性エポキシエステル樹脂を得る。エチレン性
不飽和モノマー(c)としては、スチレン、(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸およびイタコン酸等の不飽和
カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル類、並びにそ
れらの混合物が挙げられる。上記アクリル系モノマー類
の内、少なくとも1つがカルボン酸基を包含していても
よく、さらに変性を容易にするためアクリル系モノマー
1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0013】エポキシエステル樹脂と上記エチレン性不
飽和モノマー(c)との反応は、窒素ガス等の不活性ガ
ス雰囲気下において、過酸化物、アゾ化合物等の重合開
始剤を用いて80〜150℃の温度範囲で、反応させる
ことができる。
【0014】上記アクリル変性エポキシエステル樹脂を
得るためのエポキシ樹脂(a)/不飽和脂肪酸(b)/
エチレン性不飽和モノマー(c)の組成固形分質量比
が、0.6〜2/1/0.3〜1.7の範囲であること
が好ましい。上記組成比において、エポキシ樹脂(a)
の量が0.6未満で、エチレン性不飽和モノマー(c)
の量が1.7を超えると、上記水性塗料組成物から形成
される塗膜の金属製部材上での耐食性が低下し、上記組
成比において、エポキシ樹脂(a)の量が2を超えて、
エチレン性不飽和モノマー(c)の量が0.3未満であ
ると、上記水性塗料組成物により形成されるゴム部材上
での塗膜が、剥離して上塗り塗膜に付着した場合の、上
塗り塗膜の黄変等の不具合が著しくなることがある。
【0015】また、上記アクリル変性エポキシエステル
樹脂は、有機溶剤による環境負荷を低減するために、水
性化を図っている。水性化するためには、酸価を調整す
るが、好ましいアクリル変性エポキシエステル樹脂の酸
価は、25〜50、より好ましくは30〜40である。
上記アクリル変性エポキシエステル樹脂の酸価が25未
満の場合、水性化が難しく、酸価が50を超えると、上
記アクリル変性エポキシエステル樹脂の水性化度が高く
なり過ぎて、形成された塗膜の耐水性等の点で問題が生
じることがある。
【0016】上記アクリル変性エポキシエステル樹脂
は、合成後アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノ−n−プロピルアミ
ン、ジメチル−n−プロピルアミン、モノエタノールア
ミン、ジメタノールアミン、トリエタノールアミン、N
−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、イソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン化合物によ
って中和され、水および親水性有機溶剤中に分散され
る。ここで使用する親水性有機溶剤は、塗膜を形成する
際に揮散するものであればよく、例えば、ブチルセロソ
ルブ、ブチルグルコール、ブチルジグリコールおよびプ
ロピレングリコール等のグリコール誘導体等が挙げられ
る。
【0017】上記メラミン樹脂は、メラミン樹脂とアル
デヒドとの反応によって得られるメチロール化メラミン
樹脂をメチルアルコールによってエーテル化したメチル
エーテル化メラミン樹脂、またはメチルアルコールおよ
びn−ブチルアルコールまたはi−ブチルアルコールに
よってエーテル化したメチルブチル混合エーテル化メラ
ミン樹脂であり、上記アルデヒドとしては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド等を
挙げることができる。
【0018】上記メラミン樹脂は、水および親水性有機
溶剤中に溶解または分散される。ここで使用する親水性
有機溶剤は、上記アクリル変性エポキシエステル樹脂で
挙げたものおよびイソプロピルアルコール、i−ブチル
アルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール系溶
剤を用いることができる。
【0019】上記メラミン樹脂としては、例えばスミマ
ールM−30W、M−50W、M−55等(いずれも住
友化学社製)、サイメル303、325、370等(い
ずれも三井サイテック社製)、ニカラックMW−22、
MW−24、MW−30等(いずれも三和ケミカル社
製)等のメチルエーテル化メラミン樹脂、またスミマー
ルM−66B等(いずれも住友化学社製)、サイメル2
54、272、285等(いずれも三井サイテック社
製)、ニカラックMX−40、MX−45等(いずれも
三和ケミカル社製)等のメチルブチル混合エーテル化メ
ラミン樹脂のような市販のメラミン樹脂が使用できる。
上記メラミン樹脂は、1種または2種以上を同時に使用
してよい。
【0020】上記水性塗料組成物は、上記メラミン樹脂
をアクリル変性エポキシエステル樹脂固形分100質量
部に対して1〜10固形分質量部含有する。上記メラミ
ン樹脂が、1質量部未満では、本発明の効果が十分得ら
れないことがあり、10質量部を超えると塗膜の耐食性
が十分でないことがある。上記メラミン樹脂は、アクリ
ル変性エポキシエステル樹脂固形分100質量部に対
し、2〜6固形分質量部含むことが好ましい。
【0021】上記水性塗料組成物は、上記アクリル変性
エポキシエステル樹脂と上記メラミン樹脂とを合計した
固形分を塗料固形分100質量部中、30〜60質量部
含有する。上記アクリル変性エポキシエステル樹脂と上
記メラミン樹脂とを合計した固形分が、30質量部未満
では、塗膜強度が十分でないことがあり、60質量部を
超えると、剥離した当該塗膜が、上塗り塗膜にこびりつ
いてしまい、本発明の効果が十分に得られないことがあ
る。より好ましくは上記合計した固形分を塗料固形分1
00質量部中、40〜50固形分質量部である。
【0022】上記水性塗料組成物の主たる塗膜形成反応
は、不飽和脂肪酸の酸化重合を利用するため、塗装後の
乾燥条件は、室温〜80℃の強制乾燥であることから、
上記メチルエーテル化メラミン樹脂またはメチルブチル
混合エーテル化メラミン樹脂は、上記水性塗料組成物中
で、上記アクリル変性エポキシエステル樹脂と反応する
可能性は低く、上記メラミン樹脂の分子構造上の特徴で
ある物理的硬さにより、ゴム部材から上塗り塗膜に黄変
等の不具合を発生させる成分が、上記水性塗料組成物に
より形成される塗膜に移行するのを抑制する作用があ
る。
【0023】上記水性塗料組成物中に含有される顔料と
しては、金属箔状顔料、着色顔料、体質顔料および防錆
顔料が挙げられる。上記金属箔状顔料としては、例えば
粒径顔料、金箔顔料、銅箔顔料、金属チタン箔顔料、ス
テンレススチール箔顔料、ニッケル箔顔料、クロム箔顔
料、および上述した金属の合金箔顔料、プラスチックで
被覆された金属箔顔料、箔状フタロシアニンブルー顔料
等や硫化コバルト、硫化マンガン、硫化チタニウム等の
顔料が挙げられる。上記着色顔料としては、例えば有機
系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系
顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノ
ン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料等、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボン
ブラック、二酸化チタンが挙げられる。上記体質顔料と
して、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク
等の顔料が挙げられる。上記防錆顔料として、クロム酸
ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウ
ム、クロム酸マグネシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸ア
ンモニウム、重クロム酸アンモニウム、鉛丹、リン酸亜
鉛、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム等の顔料が
挙げられる。顔料の含有量は、塗料固形分100質量部
中、50〜60質量部の範囲が好ましい。
【0024】さらに上記水性塗料組成物は、光安定剤、
酸化防止剤、および紫外線吸収剤の少なくとも1種を含
有することにより、移行した汚染物質の黄変をより効果
的に抑えることができる。光安定剤は、汚染物質の光に
より生成するラジカルの発生を捕捉し、光により生成す
るラジカルに起因する黄変を抑制し、本発明の汚染防止
効果をより効果的に発揮する。具体的な光安定剤とし
て、ヒンダードアミン系化合物を挙げることができる。
上記光安定剤の含有量は、上記塗料固形分100質量部
に対して、1〜3質量部が好ましく、1質量部未満で
は、より顕著な汚染防止効果を得難く、3質量部を超え
ても含有量に見合う効果が得られない。
【0025】酸化防止剤は、汚染物質の光による酸化に
起因する黄変を抑制し、本発明の汚染防止効果をより効
果的に発揮する。具体的な酸化防止剤として、ヒンダー
ドフェノール系化合物を挙げることができる。酸化防止
剤の含有量は、上記塗料固形分100質量部に対して、
1〜3質量部が好ましく、1質量部未満では、より顕著
な汚染防止効果を得難く、3質量部を超えても含有量に
見合う効果が得られない。
【0026】紫外線吸収剤は、汚染物質の紫外線による
劣化に起因する黄変を抑制し、本発明の汚染防止効果を
より効果的に発揮する。具体的な紫外線吸収剤として、
ベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。紫
外線吸収剤の含有量は、上記塗料固形分100質量部に
対して、0.5〜3質量部が好ましく、0.5質量部未
満では、より顕著な汚染防止効果を得難く、3質量部を
超えても含有量に見合う効果が得られない。
【0027】上記水性塗料組成物は、酸化重合による硬
化反応を利用するために、ドライヤーが添加される。上
記ドライヤーは、鉛、マンガン、およびコバルト系化合
物がいずれも使用できる。
【0028】上記水性塗料組成物は、表面調整剤、タレ
止め剤、増粘剤、消泡剤、皮張り防止剤、凍結防止剤等
の添加剤を使用することができる。これらの添加剤は、
アクリル変性エポキシエステル樹脂とメラミン樹脂を合
計した固形分100質量部に対して、5質量部以下の量
で配合することができる。
【0029】また、上記水性塗料組成物の粘度を調整す
るために、水および上記親水性有機溶剤を用いることが
できる。塗装時の固形分は35〜45%とすることが好
ましい。
【0030】上記各成分の分散は、通常、塗料製造に用
いられているペイントシェーカー、ディゾルバー、ロー
ルミル、サンドグラインドミル、ニーダ等の装置を用い
ることができる。
【0031】汚染防止方法および塗装物 本発明の汚染防止方法は、ゴム部材またはプラスチック
部材と隣接した金属製部材とを、上記の水性塗料組成物
により一体塗装し、その塗膜の一部による他の塗膜の汚
染を防止する方法である。本明細書における、その塗膜
の一部による他の塗膜の汚染とは、剥がれた上記の水性
塗料組成物により形成された塗膜が、他の塗膜上に付着
し、剥がれた塗膜中に含まれるゴム部材から移行した成
分の影響により、他の塗膜を汚染することをいう。
【0032】また本発明の塗装物は、上記の方法により
ゴム部材またはプラスチック部材と隣接した金属製部材
とに塗膜が形成されるものである。
【0033】上記水性塗料組成物を用いて塗装すること
ができる被塗基材としては、ゴム部材またはプラスチッ
ク部材と隣接した金属製部材である。ゴム部材は、天然
ゴムまたは合成ゴムであるが、本発明では主として天然
ゴムに好適に用いられる。またプラスチック部材は、黄
変の原因となる移行成分は少ないが、上記水性塗料組成
物により形成する塗膜がプラスチック部材から剥がれ易
い点より、黄変は少ないが、剥離塗膜が上塗り塗膜にこ
びりつかないという特性上、金属部材と隣接したプラス
チック部材に対しても効果が認められる。これらのプラ
スチック部材として、FRP、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポ
リカーボネート、ポリウレタンが挙げられ、金属部材と
して冷延鋼板、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−
マンガン、亜鉛−コバルト、亜鉛−ニッケル−クロム、
亜鉛−ニッケル−コバルト、亜鉛−ニッケル等の各種亜
鉛めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アル
ミニウムを主成分とする各種合金めっき鋼板、銅板、真
鍮板等が挙げられる。上記汚染防止方法では、好適には
ゴム部材またはプラスチック部材と隣接した金属製部材
が、一体化したものに適用する。
【0034】上記汚染防止方法は、より好適には自動車
を構成する部品である防振用のゴム部材とボルト等が一
体となった防振マウントに適用することができる。防振
マウントのゴム部材の部分は塗装の必要はないが、周辺
の金属製部材を保護するためには、上記水性塗料組成物
により塗膜を形成する必要がある。ところが金属製部材
と一体となったゴム部材の部分は、面積的に狭いことお
よび形状が複雑なためマスキングしないため、周辺の金
属製部材部に形成される上記塗膜が、防振マウントのゴ
ム部材にも形成される。また防振マウントだけでなく、
これが組み込まれる周辺部にも、上記水性塗料組成物に
より塗膜を形成することができる。
【0035】上記水性塗料組成物は、上記被塗基材を脱
脂および金属製部材については、化成処理等を施した
後、単層または複層の塗膜として形成される。
【0036】上記水性塗料組成物により形成される塗膜
の乾燥膜厚は10〜40μmの範囲が好ましく、より好
ましくは20〜30μmの範囲である。塗膜の乾燥条件
は、室温〜80℃での20分〜1週間である。
【0037】上記塗膜形成のための塗装方法は、特に限
定されず、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、
静電塗装、刷毛塗り塗装、ローラー塗装等の塗装手段を
用いることができる。
【0038】本発明に係る汚染防止に優れた塗装物は、
上記水性塗料組成物からなる塗料を、ゴム部材またはプ
ラスチック部材と隣接した金属製部が一体となった被塗
基材、好適には自動車を構成する部品である防振用のゴ
ム部材とボルト等が一体となった防振マウントに利用で
きる。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。
【0040】実施例1〜26、比較例1〜3 水性塗料組成物の調製 実施例および比較例に供した水性塗料組成物は、下記組
成のアクリル変性エポキシエステル樹脂と下記組成のメ
ラミン樹脂との合計した固形分質量で23質量部を、メ
ラミン樹脂のアクリル変性エポキシエステル樹脂100
固形分質量部に対する固形分質量部を表1に示し、溶剤
(純水/エチレングリコールモノブチルエーテル=7/
1:質量比)を47質量部、顔料(炭酸カルシウム/タ
ルク/カーボンブラック/酸化亜鉛/コロイダルシリカ
=2/2/1/1/0.5:固形分質量比)を27質量
部、添加剤(中和剤/消泡剤/皮張り防止剤/ドライヤ
ー=10/1/1/1:固形分質量比)を3質量部に調
製された黒色塗料である。ただし、光安定剤、酸化防止
剤および紫外線吸収剤を含有した実施例15〜26は、
光安定剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤の配合量を、
塗料固形分100質量部に対する固形分質量部として表
1に示した。
【0041】アクリル変性エポキシエステル樹脂: R1…エポキシ樹脂/不飽和脂肪酸/エチレン性不飽和
モノマーの組成比が1.23/1/1.10(固形分質
量比)のアクリル変性エポキシエステル樹脂 R2…エポキシ樹脂/不飽和脂肪酸/エチレン性不飽和
モノマーの組成比が0.67/1/1.67(固形分質
量比)のアクリル変性エポキシエステル樹脂 R3…エポキシ樹脂/不飽和脂肪酸/エチレン性不飽和
モノマーの組成比が2.00/1/0.33(固形分質
量比)のアクリル変性エポキシエステル樹脂
【0042】メラミン樹脂: M1…メチルエーテル化メラミン樹脂( 「スミマール
M−50W」、住友化学社製) M2…メチルブチル混合エーテル化メラミン樹脂(
「サイメル272」、三井サイテック社製)
【0043】光安定剤: LS1…ヒンダードアミン系化合物( 「サノールLS
−770」、三共社製)、 LS2…ヒンダードアミン系化合物( 「サノールLS
−292」、三共社製)
【0044】酸化防止剤: AO1…ヒンダードフェノール系化合物( 「イルガノ
ックス1010」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
社製)、
【0045】紫外線吸収剤: UVA1…ベンゾトリアゾール系化合物( 「BT−1
20」、キレスト社製)、 UVA2…ベンゾトリアゾール系化合物( 「チヌビン
900」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
【0046】基材の調製 脱脂した防振マウント用天然ゴム板に、上記の水性塗料
組成物を乾燥膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装
し、80℃雰囲気で20分間乾燥後、室温下で72時間
放置し、形成された塗膜上に40mm幅のセロハン粘着
テープを、両端部に10mm程度を残して、貼り付け
た。塗膜に貼り付けたセロハン粘着テープを、ゴム板を
曲げながら引っ張り、ゴム板から塗膜を剥がした。塗膜
はセロハン粘着テープに貼付した状態で、ゴム板から剥
がれた。次いで、予め塗装してあったアクリル・メラミ
ン樹脂系白色上塗り塗膜(「オルガG−75」、日本ペ
イント社製)上に、上記剥がした塗膜面が白色塗膜面側
となるように、剥がした塗膜が付いているセロハン粘着
テープを貼り付けた。この板を70℃に24時間保持
後、室温にて塗膜が付いているセロハン粘着テープを剥
がした。
【0047】評価方法:汚染防止性(色差:ΔE) 白色塗膜を、サンシャインウ
エザオメーター(スガ試験機社製)に4時間曝露し、未
試験の白色塗膜を標準とする曝露後の色差(ΔE)を、
汚染防止塗膜が接していた領域にて色差計(CR−30
0、ミノルタ社製)により測定した。下記の評価基準に
よる結果を表1に示した。 3…0≦ΔE<3 2…3≦ΔE<6 1…6≦ΔE
【0048】耐食性:ダル鋼板(0.8mm厚)を脱脂
し、リン酸亜鉛系化成処理「サーフダイン」(日本ペイ
ント社製)を行い、次いで上記の水性塗料組成物を乾燥
膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装し、80℃雰
囲気で20分間乾燥後、室温下で1週間放置し、素地に
達するクロスカットを入れ、塩水噴霧試験(JIS K
54009.1準拠)500時間後の、カットからの片
側フクレまたは発錆の最大幅を測定した。下記の評価基
準による結果を表1に示した。 3…0mm≦片側最大幅<1.5mm 2…1.5mm≦片側最大幅<3.0mm 1…3.0mm≦片側最大幅
【0049】
【表1】
【0050】表1に示したように実施例1〜26は、本
発明の水性塗料組成物および汚染防止方法によって塗膜
形成されたものであり、ゴム部材から剥離塗膜中への成
分の移行を抑えることにより、上塗り塗膜の汚染を防止
することが可能となった。一方比較例1〜3は、ゴム部
材から剥離塗膜中への成分の移行を十分に抑えることが
できず、上塗り塗膜の汚染を防止することができないこ
とが判明した。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る水性塗料組成物および汚染
防止方法により得られた塗装物は、防振マウント等のゴ
ム部材に形成された塗膜が陸送時の振動で剥離し、下段
や周辺場所に積載された自動車のルーフ部やボンネット
部等に剥離塗膜が付着しても、上記付着した剥離塗膜中
へのゴム部材からの成分の移行を抑えることが可能とな
り、他の塗膜の汚染を防止することが可能となる。従っ
て、本発明の汚染防止塗料組成物による塗膜が形成され
た塗装物は、その塗膜の一部による他の塗膜の汚染を防
止するため、防振マウント等のゴム部材またはプラスチ
ック部材と隣接した金属性部材等において、好ましく使
用される。とりわけ自動車を2段積みにて陸送する場合
に、効果が顕著となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CP121 DA162 GA06 HA026 HA066 HA156 HA216 HA246 HA286 HA356 HA406 JA64 JB06 JB16 JB35 JC38 KA02 KA08 KA12 MA08 NA05 PB07 PC02 PC07 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル変性エポキシエステル樹脂、メチ
    ルエーテル化メラミン樹脂またはメチルブチル混合エー
    テル化メラミン樹脂、および顔料を含有する水性塗料組
    成物。
  2. 【請求項2】前記アクリル変性エポキシエステル樹脂を
    得るためのエポキシ樹脂(a)/不飽和脂肪酸(b)/
    エチレン性不飽和モノマー(c)の組成固形分質量比
    が、0.6〜2/1/0.3〜1.7の範囲である請求
    項1記載の水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記メラミン樹脂が、アクリル変性エポキ
    シエステル樹脂固形分100質量部に対して1〜10固
    形分質量部含有される請求項1または2記載の水性塗料
    組成物。
  4. 【請求項4】さらに、光安定剤、酸化防止剤、および紫
    外線吸収剤の少なくとも1種を含有する請求項1ないし
    3いずれか1項記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】ゴム部材またはプラスチック部材と隣接し
    た金属性部材とを、請求項1ないし4いずれか1項記載
    の水性塗料組成物により一体塗装し、その塗膜の一部に
    よる他の塗膜の汚染防止方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の塗膜形成方法によりゴム部
    材またはプラスチック部材と隣接した金属製部材とに塗
    膜が形成される塗装物。
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