JP2001240746A - インサート成形用もしくは2色成形用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

インサート成形用もしくは2色成形用シリコーンゴム組成物

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JP2001240746A
JP2001240746A JP2000362770A JP2000362770A JP2001240746A JP 2001240746 A JP2001240746 A JP 2001240746A JP 2000362770 A JP2000362770 A JP 2000362770A JP 2000362770 A JP2000362770 A JP 2000362770A JP 2001240746 A JP2001240746 A JP 2001240746A
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rubber composition
group
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JP2000362770A
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Inventor
Yuichi Tsuji
裕一 辻
Taido Shigehisa
泰道 重久
Takayoshi Otomo
孝嘉 大伴
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機樹脂に対しては接着性に優れており、成
形用金型に対しては離型性が優れるインサート成形用も
しくは2色成形用シリコーンゴム組成物を提供する。 【解決手段】 一分子中に少なくとも1個のアルコキシ
基と少なくとも1個のアルケニル基を有するフェノール
化合物を0.1〜10重量%含有することを特徴とする
インサート成形用もしくは2色成形用シリコーンゴム組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーンゴム組成
物に関し、詳しくは、有機樹脂に対しては接着性に優れ
ており、成形用金型に対して離型性に優れているシリコ
ーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機樹脂にシリコーンゴムを接着させる
方法としては、有機樹脂成形体の表面をシランカップリ
ング剤を主成分とするプライマー組成物で前処理した
後、未硬化のシリコーンゴム組成物を密着させて硬化さ
せる方法が採られている。しかし、この方法ではプライ
マー組成物による前処理工程としての塗布工程と乾燥工
程が必要であり、作業効率が低いという問題点があっ
た。また、このプライマー組成物による前処理が不十分
であると、シリコーンゴムの有機樹脂成形体への接着性
が低下する等の問題点があった。
【0003】従来、このような問題点を解消するため、
シリコーンゴム組成物に各種の接着促進剤を配合して自
己接着性能を高めたシリコーンゴム組成物が提案されて
いる(例えば、特開平6−171021号公報、特開平
6−171022号公報および特開平6−171023
号公報参照)。しかし、このような自己接着性シリコー
ンゴム組成物をインサート成形方法(金型のキャビティ
内に予め成形した有機樹脂成形体をセットしておき、こ
のキャビティ内にシリコーンゴム組成物を射出して硬化
させることにより、有機樹脂成形体とシリコーンゴム成
形体が一体化した複合成形体を得る方法)とか2色成形
方法(金型のキャビティ内に有機樹脂を一次射出し、次
いで、このキャビティ上部に新たにキャビティを形成
し、この中にシリコーンゴム組成物を二次射出して硬化
させることにより、有機樹脂成形体とシリコーンゴム成
形体が一体化した複合成形体を得る方法)に適用した場
合には、シリコーンゴム成形体が成形用金型に接着ある
いは密着して完成した成形体として取出すことができな
くなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記の問
題点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達
した。即ち、本発明の目的は、有機樹脂成形体に対して
は接着性に優れており、成形用金型に対しては離型性に
優れているシリコーンゴム組成物であり、インサート成
形用もしくは2色成形用として好適とされるシリコーン
ゴム組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、一分子中に
少なくとも1個のアルコキシ基と少なくとも1個のアル
ケニル基を有するフェノール化合物を0.1〜10重量
%含有するインサート成形用もしくは2色成形用シリコ
ーンゴム組成物により達成される。
【0006】これを説明すると、本発明に使用される一
分子中に少なくとも1個のアルコキシ基と少なくとも1
個のアルケニル基を有するフェノール化合物は、シリコ
ーンゴムを有機樹脂へ接着させるための接着促進剤であ
る。このようなフェノール化合物は、一分子中に少なく
とも1個のアルコキシ基と少なくとも1個のアルケニル
基を有することが必要である。ここで、アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基が例示され、好ましくはメトキシ基である。アル
ケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、
ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、好ましくはビ
ニル基とアリル基である。このようなフェノール化合物
としては、次に示すような有機化合物が例示される。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0007】本成分のシリコーンゴム組成物中に占める
割合は、0.01〜10重量%であり、0.05〜5重
量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。こ
れは、この含有量が0.01未満になると有機樹脂への
接着性の発現が認められず、10重量%を超えるとシリ
コーンゴム特有の性質、例えば、耐熱性が低下すること
があるからである。
【0008】本発明の組成物は、上記のようなフェノー
ル化合物を0.01〜10重量%含有するシリコーンゴ
ム組成物であるが、ここで使用されるシリコーンゴム組
成物としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を
含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素
原子を含有するオルガノポリシロキサンを主成分として
白金系触媒の存在下に硬化する付加反応硬化型シリコー
ンゴム組成物、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を
含有するオルガノポリシロキサンを主成分として、有機
過酸化物の存在下に硬化する有機過酸化物硬化型シリコ
ーンゴム組成物が挙げられる。これらの中でも、付加反
応硬化型シリコーンゴム組成物が好ましい。
【0009】本発明の組成物は、付加反応硬化型シリコ
ーンゴム組成物の中でも、次に示す組成からなるシリコ
ーンゴム組成物が特に好ましい。 (A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリジオ ルガノシロキサン 100重量部、 (B)一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノ シロキサン{本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と、(A)成分中のケイ 素原子結合アルケニル基のモル数と(C)成分中のアルケニル基のモル数の和の 比が0.5:1〜20:1となる量}、 (C)一分子中に少なくとも1個のアルコキシ基と少なくとも1個のアルケニル基 を有するフェノール化合物(本組成物中に占める割合が0.01〜10重量%と なる量) (D)補強性充填剤 5〜100重量部 および (E)白金系触媒(本組成物を硬化させ得る量)
【0010】以下、このシリコーンゴム組成物について
詳細に説明する。(A)成分はこの組成物の主成分であ
り、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケ
ニル基を有するポリジオルガノシロキサンである。(A)
成分の分子構造は実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一
部が多少分岐していてもよい。(A)成分中のケイ素原子
結合アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテ
ニル基、ヘキセニル基が例示される。このアルケニル基
の結合位置は限定されず、分子鎖末端、分子鎖側鎖、あ
るいはその両方であってもよいが、得られるシリコーン
ゴムの機械的特性が優れることから、一般には、分子鎖
末端に存在することがことが好ましい。(A)成分中のア
ルケニル基以外のケイ素原子結合の基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の
アルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基で例
示される一価炭化水素基;3−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン原子置換
アルキル基が例示される。(A)成分の粘度は特に限定さ
れないが、25℃において10〜1,000,000mPa・
sの範囲内であることが好ましい。
【0011】このような(A)成分のポリジオルガノシロ
キサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニル
シロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端
トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
ビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニ
ルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシ
ロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサ
ン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフル
オロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメ
チルヘキセニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサ
ン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体、分子
鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体、分子
鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖
両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロ
キサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)
シロキサン共重合体が挙げられる。
【0012】(B)成分は架橋剤であり、一分子中に少な
くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオル
ガノシロキサンである。(B)成分の分子構造は限定され
ず、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、環
状、樹脂状が例示される。(B)成分中のケイ素原子結合
水素原子以外のケイ素原子結合の有機基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基等の一価炭化水素;クロロ
メチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等のハロゲン原子置換アルキル基が例
示される。(B)成分の粘度は限定されないが、25℃に
おける粘度が3〜10,000mPa・sの範囲内にあること
が好ましい。
【0013】このような(B)成分としては、例えば、分
子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイド
ロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ
基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロ
キサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェン
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン・メ
チルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチ
ルハイドロジェンシロキサンが挙げられる。
【0014】この組成物において、(B)成分の配合量
は、本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と、上
記(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基のモル数と
後記する(C)成分のアルケニル基のモル数の和との比
が、モル比で(0.5:1〜20:1)となる量であ
り、好ましくは、この比が(1:1〜3:1)となる量
である。これは、(B)成分の配合量が上記範囲の下限未
満であると、得られる組成物が十分に硬化しなくなる傾
向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超える
と、得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下する傾
向があるからである。
【0015】(C)成分は本発明組成物の特徴をなす成分
であり、前記で説明した通りである。
【0016】(C)成分の配合量は本組成物中に占める割
合が0.01〜10重量%となる量であり、好ましくは
0.05〜5重量%となる量であり、より好ましくは
0.01〜3重量%となる量である。これは、(C)成分
の配合量が上記範囲の下限未満であると、有機樹脂に十
分に接着しなくなる傾向があるからであり、一方、上記
範囲の上限を超えるとシリコーンゴムの機械的強度が低
下する傾向があるからである。
【0017】(D)成分の補強性充填剤は、この組成物を
硬化して得られるシリコーンゴム成形体の機械的強度を
向上させるためのものである。このような(D)成分と
しては、ヒュームドシリカ、煙霧質シリカなどと呼称さ
れる乾式法シリカ;沈降法シリカなどと呼称されている
湿式法シリカ;これらの表面がヘキサオルガノジシラザ
ン、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン
等で表面処理された疎水性シリカ;カーボンブラック;
コロイダル炭酸カルシウムがある。これらの中でも、B
ET法比表面積が50m2/g以上の微粉末状シリカが
好ましい。本成分の配合量は、(A)成分100重量部
に対して5〜100重量部であり、好ましくは5〜40
重量部である。
【0018】(E)成分の白金系触媒は、この組成物を
硬化させるための触媒である。このような(E)成分と
しては、微粒子状白金、塩化白金酸、塩化白金酸のアル
コール変性物、白金のキレート化合物、白金とジケトン
の錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸
とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体、およびこ
れらをアルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に
担持させたもの、白金系触媒を白金金属原子として0.
01重量%以上含有する熱可塑性樹脂微粒子触媒が例示
される。これらの中でも塩化白金酸とジビニルテトラメ
チルジシロキサンの錯体が好ましく、白金系触媒を白金
金属原子として0.01重量%以上含有する熱可塑性樹
脂微粒子触媒がより好ましい。
【0019】この組成物において、(E)成分の添加量
は本発明組成物を硬化させるのに十分な量であるが、通
常は、(A)成分100万重量部に対して、白金金属とし
て0.1〜200重量部の範囲内であり、好ましくは1
〜100重量部の範囲内である。
【0020】また、この組成物には、その取扱作業性や
貯蔵安定性を向上させるために、硬化抑制剤を配合する
ことが好ましい。硬化抑制剤としては、2−メチル−3
−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2
−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、
1,5−ヘキサジイン、1,6−ヘプタジイン、1−エ
チニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレン化合
物;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,
3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメ
チルジシロキサン等アルケニルシロキサンオリゴマー;
トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベ
ンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;トリフェニルホ
スフィン等のリン含有化合物;その他、硫黄含有化合
物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体が例
示される。これらの硬化抑制剤の添加量は、(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して0.005〜10
重量部の範囲内であることが好ましい。
【0021】この組成物は、硬化抑制剤に加えてシリコ
ーンゴム組成物に配合することが公知とされる各種添加
剤を配合することは、本発明の目的を損なわない限り差
し支えない。このような添加剤としては、酸化鉄、酸化
セリウム等の耐熱剤;炭酸マンガン、炭酸亜鉛、ヒュー
ムド二酸化チタン等の難燃剤;石英粉末、けいそう土、
重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化マグネ
シウム、カーボンブラック等の増量性充填剤;ベンガ
ラ;二酸化チタン等の顔料が例示される。
【0022】この組成物は、上記(A)成分〜(E)成
分、あるいは必要に応じてシリコーンゴムに添加配合さ
れることが公知とされる各種添加剤をさらに加えて均一
に混合することによって容易に製造できる。製造装置と
してはニーダーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキ
サー等のシリコーンゴム組成物を製造するために公知と
される装置が使用可能である。また、本組成物の室温付
近での貯蔵安定性を向上させ、貯蔵後に優れた硬化性を
保持するためには、(A)成分、(C)成分、(D)成分
および(E)成分からなる主剤組成物と、(A)成分、
(B)成分および(D)成分からなる架橋剤組成物とに分
けて貯蔵しておき、インサート成形あるいは2色成形に
際して、両者を混合してシリコーンゴム組成物とするこ
とが好ましい。
【0023】以上のような本発明の組成物は、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PETやPBT等の飽
和ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、A
BS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂等の有機樹脂に対しては接
着性が優れ、成形用金型に対しては離型性が優れている
ので、有機樹脂とのインサート成形用シリコーンゴム組
成物もしくは2色成形用シリコーンゴム組成物として極
めて好適である。
【0024】
【実施例】以下に、本発明のシリコーンゴム組成物を実
施例により詳細に説明する。実施例中、粘度は25℃に
おける値である。なお、実施例1、実施例2および比較
例1において、複合成形体のシリコーンゴム成形体と有
機樹脂成形体の接着性と成形用金型に対する離型性の評
価は次のようにして行なった。 <接着性の評価>複合成形体を構成するシリコーンゴム
成形体と有機樹脂成形体の間の接着部において、シリコ
ーンゴム成形体を有機樹脂成形体から爪剥離させたとき
の破断状態を評価した。評価結果は次のように示した。 ○印:シリコーンゴム層で破断した(凝集破壊率100
%)。 △印:一部シリコーンゴム層と有機樹脂との界面で剥離
した(凝集破壊率70〜90%)。 ×印:シリコーンゴム層と有機樹脂との界面で剥離した
(凝集破壊率0%)。 <離型性の評価>複合成形体(シリコーンゴム成形体と
有機樹脂成形体が一体化した成形体)を成形用金型キャ
ビティから取り出す際の取出し易さを評価した。評価結
果は次のように示した。 ○印:離型性良好(複合成形体を成形用金型のキャビテ
ィから容易に取出すことができた。) ×印:離型性不良(複合成形体のうちのシリコーンゴム
成形体部分が成形用金型の壁面に密着し、複合成形体を
成形用金型のキャビティから簡単に取出すことができな
かった。または、シリコーンゴム成形体が破壊した。)
【0025】
【実施例1】粘度20Pa・sの分子鎖両末端ジメチルビニ
ルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量
部、BET法比表面積200m2/gの乾式法シリカ3
0重量部、シリカの表面処理剤としてヘキサメチルジシ
ラザン5重量部、および水2重量部を、ニーダーミキサ
ーに投入して均一に混合した後、さらに、真空下、17
0℃で2時間加熱混合してシリコーンゴムベースコンパ
ウンドを製造した。冷却後、得られたシリコーンゴムベ
ースコンパウンド100重量部に対して、下記式(1)
で表されるフェノール化合物2.0重量部、粘度5mPa・
sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体
2.6重量部(この共重合体中のケイ素原子結合水素原
子のモル数対、上記のポリジメチルシロキサン中のケイ
素原子結合ビニル基のモル数と下記式(1)で表される
フェノール化合物中のアリル基のモル数の和の比が1.
5:1となる量)、3−メチル−1−ヘキシン−3−オ
ール0.06重量部、および塩化白金酸と1,3−ジビ
ニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を白金金属量と
して7ppm(重量)となる量を混合してシリコーンゴ
ム組成物を製造した。
【0026】次に、ナイロン樹脂(東レ株式会社製ナイ
ロン6樹脂)の成形体をインサート成形用金型のキャビ
ティ内に置き、その上から上記のシリコーンゴム組成物
を射出して、120℃で10分間加熱して硬化させた。
得られた複合成形体(シリコーンゴムと有機樹脂が一体
化した成形体)について、シリコーンゴムのナイロン樹
脂に対する接着性と成形用金型に対する離型性を評価し
た。同様に、上記において、ナイロン樹脂成形体の替り
にポリプロピレン樹脂成形体、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂成形体、ポリカーボネート樹脂成形体を使用し
た以外は上記と同様にして複合体(シリコーンゴム硬化
物と有機樹脂が一体化した成形体)を製造した。これら
の複合成形体について、上記と同様に評価した。これら
の評価結果を後記する表1に示した。
【0027】
【比較例1】実施例1において、下記式(1)で示され
るフェノール化合物を配合しなかった以外は実施例1と
同様にしてシリコーンゴム組成物を製造した。このシリ
コーンゴム組成物の有機樹脂に対する接着性、および成
形用金型に対する離型性を実施例1と同様にして評価
し、これらの結果を後記する表1に併記した。 式(1):
【化5】
【0028】
【実施例2】実施例1で製造したシリコーンゴムベース
コンパウンド100重量部、下記(2)で表されるフェ
ノール化合物1.5重量部、粘度5mPa・sの分子鎖両末端
トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
ハイドロジェンシロキサン共重合体4.7重量部(この
共重合体中のケイ素原子結合水素原子のモル数対、上記
のポリジメチルシロキサン中のケイ素原子結合ビニル基
のモル数と下記(2)で表されるフェノール化合物中の
アリル基のモル数の和の比が1.5:1となる量)、3
−メチル−1−ヘキシン−3−オール0.06重量部、
熱可塑性樹脂微粒子触媒(白金金属を0.4重量%含有
し、平均粒子径が1μm)を白金金属として7ppm
(重量)となる量を配合してシリコーンゴム組成物を製
造した。このシリコーンゴム組成物の有機樹脂に対する
接着性、および成形用金型に対する離型性を実施例1と
同様にして評価して、それらの結果を下記表1に示し
た。 式(2):
【化6】
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例3】分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基
で封鎖された粘度40Pa・sのジメチルポリシロキサ
ン(ビニル基含有量0.10重量%)100重量部にB
ET法比表面積200m2/gのヘキサメチルジシラザ
ンで表面処理された乾式法シリカ30重量部を加えて1
80℃条件下で1時間混合してシリコーンゴムベースコ
ンパウンドを製造した。このシリコーンゴムベースコン
パウンド100重量部に下記式(3)で表されるフェノ
ール化合物2.0重量部、塩化白金酸のイソプロピルア
ルコール溶液[白金金属含有量3重量%]0.1重量部
を加えて混合して、500Pa・sの粘度を有する混合
物を得た(混合物A)。次に上記と同じシリコーンゴム
ベースコンパウンド100重量部に粘度5mPa・sの分子
鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体6.2重量
部(この共重合体中のケイ素原子結合水素原子のモル数
対、上記のポリジメチルシロキサン中のケイ素原子結合
ビニル基のモル数と下記式(3)で表されるフェノール
化合物中のアリル基のモル数の和の比が1.5:1とな
る量)を加えて混合して上記と同様な混合物を得た(混
合物B)。この混合物Aを貯蔵用タンクに入れ、同様に
混合物Bを別の貯蔵用タンクに入れた。次にこれらの混
合物を予め冷媒循環装置で−5℃に冷却されたスタチッ
クミキサーに圧送ポンプを使用して送り込み、混合物A
と混合物Bを1:1の比率(重量比)で混合し、液状シ
リコーンゴム組成物を得た。一方、ナイロン樹脂(東レ
株式会社製ナイロン66樹脂)を熱可塑性樹脂用射出成
形機に投入し、温度230〜250℃にて溶融した。次
に、成形凹部を有する第1下方固定金型、第1下方固定
金型と同一の成形凹部を有する第2下方固定金型、一次
射出材料通路およびゲートを有する第1上方移動金型、
成形凹部と二次射出通路およびゲートを有する第2上方
移動金型からなり、2つの上方移動金型は2つの下方固
定金型に交互に密着嵌合可能であり、また第1上方移動
金型は下方固定金型の成形凹部を閉ざしてキャビテイを
部分的に成形し、第2上方移動金型は下方固定金型を嵌
合して主体部成形キャビテイが生ずべく構成された2色
成形用連続射出成形装置を用意した。この装置を用い
て、上記のナイロン樹脂を70℃に設定された第1上方
移動金型および第1下方固定金方を嵌合してなる部分的
に形成されたキャビテイ内部に一次射出した。成形条件
は、射出時間10秒、固定時間40秒であった。次に第
1移動金型を開き、ナイロン樹脂成形体を含む第1下方
固定金型を第2上方移動金型と嵌合せしめ、新たに形成
された主体部キャビティ内部に、上記で得られた液状シ
リコーンゴム組成物を射出して硬化させた。その射出条
件は射出時間10秒、加熱時間30秒であり、キャビテ
ィ内部の温度は70℃であった。得られた複合体はシリ
コーンゴムとナイロン樹脂が強固に一体化した成形体で
あった。そしてその境界面は平坦であり、寸法精度は非
常に優れており生産性も高かった。また、シリコーンゴ
ムとナイロン樹脂のそれぞれの端部を引張強さ測定試験
機の治具に固定し、引張試験を行い、その破断強さを測
定したところ、30kg/cm2であった。また、その
破断状態を肉眼にて観察したところ、この破断は全てシ
リコーンゴム部分で破断(100%凝集破壊)してい
た。 式(3):
【化7】
【0031】
【発明の効果】本発明のインサート成形用もしくは2色
成形用シリコーンゴム組成物は、(A)成分〜(E)成
分からなる付加反応硬化性シリコーンゴム組成物であ
り、(B)成分の、一分子中に少なくとも1個のアルコ
キシ基と少なくとも1個のアルケニル基を有するフェノ
ール化合物を0.1〜10重量%含有しているので、有
機樹脂に対しては接着性に優れており、成形用金型に対
しては離型性が優れるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/16 B29C 45/16 B29K 19:00 B29K 19:00 (72)発明者 大伴 孝嘉 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コ−ニング・シリコ−ン株式会社研究開発 本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に少なくとも1個のアルコキシ
    基と少なくとも1個のアルケニル基を有するフェノール
    化合物を0.01〜10重量%含有することを特徴とす
    る、インサート成形用もしくは2色成形用シリコーンゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴム組成物が付加反応硬化型
    である請求項1記載のインサート成形用もしくは2色成
    形用シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンゴム組成物が下記組成を有す
    るものである請求項1に記載のインサート成形用もしく
    は2色成形用シリコーンゴム組成物。 (A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリジオ ルガノシロキサン 100重量部、 (B)一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノ シロキサン{本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と、(A)成分中のケイ 素原子結合アルケニル基のモル数と(C)成分中のアルケニル基のモル数の和の 比が0.5:1〜20:1となる量}、 (C)一分子中に少なくとも1個のアルコキシ基と少なくとも1個のアルケニル基 を有するフェノール化合物(本組成物中に占める割合が0.01〜10重量%と なる量) (D)無機質充填剤 5〜100重量部 および (E)白金系触媒(本組成物を硬化させるのに十分な量)
  4. 【請求項4】 (E)成分が、白金系触媒を白金金属原
    子として0.01重量%以上含有する熱可塑性樹脂微粒
    子触媒(ここで、熱可塑性樹脂の軟化点は50〜200
    ℃であり、熱可塑性樹脂微粒子触媒の平均粒子径は0.
    01〜10μmである。)であることを特徴とする、請
    求項3に記載のシリコーンゴム組成物。
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