JP2001239570A - 雨樋の製造方法 - Google Patents

雨樋の製造方法

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JP2001239570A
JP2001239570A JP2000055815A JP2000055815A JP2001239570A JP 2001239570 A JP2001239570 A JP 2001239570A JP 2000055815 A JP2000055815 A JP 2000055815A JP 2000055815 A JP2000055815 A JP 2000055815A JP 2001239570 A JP2001239570 A JP 2001239570A
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cooling
hollow
die
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resin extruded
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JP2000055815A
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English (en)
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Riyouta Kitagawa
良太 喜多河
Hitoshi Hayashi
仁司 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混練押出機より押出された中空部を有する樹
脂押出体が、冷却金型により冷却バランスの調整ができ
て、所定の形状に成形できる雨樋の製造方法を提供す
る。 【解決手段】本発明に係る雨樋の製造方法は、結晶性熱
可塑性樹脂製で、断面が中空部32と面部35とで構成
される雨樋31Aとなる樹脂押出体31を冷却金型24
を用いて製造する際、前記冷却金型24において前記中
空部32を前記面部35より先に冷却するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性熱可塑性樹
脂により押出成形される雨樋の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、雨樋は、硬質塩化ビニール樹脂で
形成されて広く用いられているが、塩化ビニール樹脂は
耐熱性や熱安定性が低く、夏季には熱変形したり冬季に
は脆くなって破損したりして見栄えが悪くなる虞があ
る。そのため、耐熱性が高く熱安定性の有る、結晶性熱
可塑性樹脂のオレフィン系樹脂を用いた雨樋が採用され
つつある。
【0003】しかし、このオレフィン系樹脂は結晶性で
あるため、成形時の体積変化率が大きく成形が難しい。
したがって、雨樋の成形に広く使用されている、樹脂押
出装置1による押出成形においては、図7〜図9に示す
ように、溶融状態で押出された高温の樹脂押出体6を、
結晶化温度域まで大幅に冷却する第2冷却金型4での冷
却をバランスよく行われないと、樹脂押出体6が湾曲、
そり等の変形を起こし、所定の形状に成形できない虞が
ある。
【0004】この所定の形状に成形させる雨樋の製造方
法については、特願平11−115200号公報に記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載されて
いる図7に示す混練押出機1は、オレフィン系樹脂を溶
融し押出金型2より樹脂押出体6を押出させて、第1冷
却金型3、第2冷却金型4及び冷却水槽5の各冷却装置
により冷却固化させる構成としている。
【0006】また、冷却バランスの重要な第2冷却金型
4においては、図8に示すように、樹脂押出体6の外周
面部6aに負圧部Avを設け真空吸引して形状を規制
し、内周面部6bには冷却水Waを注入して水膜部Wf
を形成させて押圧冷却する構成としている。したがっ
て、図9に示す断面形状の樹脂押出体6を成形すると、
湾曲等の変形を起こすことなく所定の形状に成形でき
る。
【0007】しかるに、同様の成形条件で、図6に示す
中空部32を有する樹脂押出体31を成形すると、第2
冷却金型の出口での樹脂温度が、中空部32と面部35
とでは約10℃にもなって、その後冷却水槽のサイジン
グを経ても樹脂押出体31として湾曲量は約7mmとな
った。
【0008】このように、前記の第2冷却金型4の構成
では、中空部32の冷却速度は遅く、その他の面部35
は高速に冷却され、その冷却速度の差が湾曲等の変形に
つながり、所定の形状に成形できないことが分かった。
【0009】それで、この発明は、混練押出機より押出
された中空部を有する樹脂押出体が、第2冷却金型によ
り冷却バランスの調整ができて、所定の形状に成形でき
る雨樋の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された発明は、雨樋の製造方法にお
いて、結晶性熱可塑性樹脂製で、断面が中空部と面部と
で構成される雨樋となる樹脂押出体を冷却金型を用いて
製造する際、前記冷却金型において前記中空部を前記面
部より先に冷却するようにしたことを特徴としている。
【0011】この様なものにあっては、面部よりも先に
中空部のみが冷却できるようにしたので、中空で冷え難
く冷却速度の遅い中空部が先に冷却されて、面部の冷却
とバランスを取ることができるようになる。
【0012】ここで、結晶性熱可塑性樹脂とは、結晶化
する特性を有する熱可塑性樹脂を総称しており、押出成
形が可能で有れば特に種類を限定するものではないが、
具体的には、オレフィン系樹脂であるポリプロピレン
(PP)、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフ
タレート(PET)やポリアミド(PA)やポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)等を指している。
【0013】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の雨樋の製造方法において、前記冷却金型は、前記
樹脂押出体の中空部を保形し冷却させる中空部冷却ダイ
スと、前記雨樋の面部を保形し冷却させる面部冷却ダイ
スとをこの順に組み付けて設けたことを特徴としてい
る。
【0014】この様なものにあっては、2つのダイスを
組み付けたので、中空部冷却ダイスでは面部の冷却を行
わせることなく、面部の冷却の開始を遅らせることがで
きるようになる。
【0015】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載の雨樋の製造方法において、前記中空部冷却
ダイスは、中央部に前記樹脂押出体を通過させる中空部
ダイスリットを設け、このダイスリットの面に前記中空
部外面及び内面に対応させて複数の負圧部を形成させ、
該負圧部を介して真空吸引されて前記中空部が中空形状
に保持された状態で、前記面部冷却ダイスへ向けて通過
できるようにしたことを特徴としている。
【0016】この様なものにあっては、中空部は、中空
部ダイスリットの内面に密着させて形状を保持しなが
ら、面部冷却ダイスへ向けて通過できるようにしたの
で、中空部形状は保持された状態のまま、面部冷却ダイ
スへ移動させることができる。
【0017】請求項4に記載された発明は、請求項1、
2又は3に記載の雨樋の製造方法において、前記面部冷
却ダイスは、中央部に前記樹脂押出体を通過させる面部
ダイスリットを設け、このダイスリットの面に前記中空
部外面及び内面に対応させて複数の負圧部を形成させ、
該負圧部を介して、前記中空部冷却ダイスを通過してき
た前記樹脂押出体の前記中空部を保持させると共に、前
記樹脂押出体の面部の外面と対応する前記面部ダイスリ
ットの面に沿って、複数の負圧部を形成させて真空吸引
ができるようにし、かつ前記面部の内面に沿って、複数
の注入口を設けて冷却水を注入し、該冷却水により前記
面部の内面と前記面部ダイスリットの面との間に水膜部
を形成させるようにしたことを特徴としている。
【0018】この様なものにあっては、中空部は中空部
冷却ダイスから続けて冷却され、面部の外面は真空吸引
されて面部ダイスリットの面に密着され、面部の面部は
水膜部で押圧冷却ができるようにしたので、樹脂押出体
の外面は平滑になると同時に、吸引と水膜部からの押圧
とで、形状規制がされながら冷却されて、所定の形状と
なる。
【0019】請求項5に記載された発明は、請求項1、
2、3又は4に記載の雨樋の製造方法において、前記冷
却金型は、混練押出機により結晶性熱可塑性樹脂が溶融
され押出された樹脂押出体を、第1冷却金型の冷却に続
けて、結晶化温度域まで冷却する第2冷却金型としたこ
とを特徴としている。
【0020】この様なものにあっては、第1冷却金型で
冷却され高温のまま押出される樹脂押出体を、結晶化温
度域まで大幅に冷却させる第2冷却金型としたので、冷
却精度が向上して湾曲等の形状変形が抑えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る雨樋の製造
方法の発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明す
る。
【0022】図1において、20は樹脂を溶融させ押出
させる樹脂押出装置であり、この混練装置21の先端部
に装着し断面ほぼU字状に樹脂押出体31を押出す押出
金型22と、この押出金型22より押出された樹脂押出
体31に向けて冷媒を噴出させて冷却させながら通過さ
せる第1冷却金型23と、樹脂押出体31の中空部を冷
却させる中空部冷却ダイス24aと、面部を冷却させる
面部冷却ダイス24bとをこの順に組み付けてなる第2
冷却金型24と、冷媒である水等を充填させ樹脂押出体
31が冠水されて通過し固化温度以下に冷却される冷却
水槽25との各冷却装置をこの順に配設している。そし
てその配設された各冷却装置の後部に、引取機201を
設置し、この引取機201に装着した回動するキャタピ
ラ202により、樹脂押出体31を挟持して引き取り、
所定の長さにカッタ203を介して切断し、雨樋30A
を形成させる構成としている。
【0023】図2においては、第2冷却金型24を構成
する中空部冷却ダイス24aは、樹脂押出体31の中空
部32(図6参照)の中空部外面36と中空部内面37
iに沿わせてそれぞれ外面負圧部26hと内面負圧部2
6iとを形成させている。
【0024】この各負圧部26h,26iは、樹脂押出
体31が摺動して通過する中空部ダイスリット28aの
面に、複数の通気孔を有する金属ピース等を、中空部3
2の内外面の双方から対向するように面一に埋設されて
いる。
【0025】したがって、この負圧部26hに連結して
設けた中空部内外面真空配管h、iから真空吸引され
て、樹脂押出体31の中空部外面36及び中空部内面3
7iは中空部ダイスリット28aの面に吸着され形状が
規制されながら、このダイスリット28aの面から冷却
される。
【0026】図3においては、第2冷却金型24を構成
する中空部冷却ダイス24aを、樹脂押出体31の押出
し方向と交差する断面を示したものであって、各種形状
の金型ブロックA1〜A10を組み付けて形成させた中
空部冷却ダイス28aの中央部には、樹脂押出体31を
冷却させながら通過させる中空部ダイスリット28aを
設けている。この樹脂押出体31の側面である中空部3
2の中空部外面36(図6参照)には、中空部ダイスリ
ット28aの外面36に沿う中空部外面負圧部26hを
金型ブロックA7に設け、この外面負圧部26hからは
外面真空配管hを金型ブロックA6,A7を介して連結
させ、真空吸引ができる構成としている。
【0027】また、この負圧部26hが設けられている
金型ブロックA7は、その裏面側から冷却水配管を連通
させた金型ブロックA6と組み付けられているので、樹
脂押出体31は真空吸引されながら金型ブロックA6,
A7で冷却されることになる。
【0028】同様に、中空部内面負圧部26iは、中央
部に設けられた中空部ダイスリット28aの内面37i
に沿う中空部内面負圧部26iを金型ブロックA8に設
け、この内面負圧部26iに内面真空配管iが連結され
るように金型ブロックA4,A8に設けられ、真空吸引
ができる構成としている。
【0029】また、この負圧部26iが設けられている
金型ブロックA4,A5,A8内には、冷却水配管を通
して各ブロックA4,A5,A8毎に冷却し、通過する
樹脂押出体31は、真空吸引されながら金型ブロックA
4,A5,A8により冷却されることになる。
【0030】図4に示す第2冷却金型24を構成する面
部冷却ダイス24bは、樹脂押出体31の面部35(図
6参照)の面部外面33と面部内面34に沿わせて、そ
れぞれ外面負圧部26と内面水膜部27を形成させてい
る。
【0031】この負圧部26は、樹脂押出体31の摺動
して通過する面部ダイスリット28bの面に、通気孔を
有する金属ピース等を面一に埋設させて複数の外面負圧
部26を形成させ、この負圧部26から面部外面真空配
管b(c)(図5参照)を介して真空吸引し、樹脂押出
体31の外面33は、面部ダイスリット28bの面に吸
引されながら摺動して通過できる構成としている。
【0032】また、樹脂押出体31の面部内面34側に
は冷却水Waを注入し、面部内面34と面部ダイスリッ
ト28bとの面の間に水膜部27を形成させている。
【0033】したがって、樹脂押出体31は、その面部
外面33を外面負圧部26で吸引されて形状が規制さ
れ、同時に摺動する接面で冷却されることになる。
【0034】また、樹脂押出体31は、面部内面34の
水膜部27で押圧され、さらに形状が規制されると同時
に、水膜部27で冷却されるので、面部35は内外の両
面33,34から冷却されることになる。
【0035】図5においては、第2冷却型24を構成す
る面部冷却ダイス24bを、樹脂押出体31の押出方向
と交差する断面として示したものであり、各種形状の金
型ブロックB1〜B10を組み付けて形成させた面部冷
却ダイス24bの中央部には、樹脂押出体31を冷却さ
せながら通過させる面部ダイスリット28bを設けてい
る。そして、この樹脂押出体31の底面から一部側面に
亘る面部35の面部外面33側には(図6参照)、外面
真空配管b、cを設けて真空吸引ができ、一方、面部3
5の面部内面34側には(図6参照)、内面直接冷却水
配管d、e、gを設け、内外両面から冷却できる構成と
している。
【0036】さらに、詳述すると、樹脂押出体31の面
部外面33に沿う面部ダイスリット28bの外面側を形
成させ、複数の外面負圧部26(図4参照)を設けた金
型ブロックB2を、金型ブロックB1の下面側に嵌合さ
せている。そして、このブロックB2内には外面真空配
管bを設けて、金型ブロックB1側から真空吸引できる
構成としている。また金型ブロックB1には、上面側に
冷却水の配管を連通させた冷却ブロックB3を嵌合さ
せ、金型ブロックB1を経由して金型ブロックB2から
熱伝導させて冷却可能な構成としている。
【0037】同様に、面部35から立ち上がるように連
なっている側面部は、金型ブロックB9に外面負圧部2
6(図4参照)を設け、外面真空配管cに連通させて真
空吸引可能にしている。また、この金型ブロックB9の
外側には冷却水配管を連通させた金型ブロックB10を
当接させて組み付け、金型ブロックB9から熱伝導させ
て、樹脂押出体31の側面部37を冷却可能にしてい
る。
【0038】また、樹脂押出体31の側面部37に至る
面部内面34には、面部ダイスリット28bの内面の形
状に沿う金型ブロックB8内に設けた内面直接冷却水配
管d、e、gから、面部ダイスリット28bの内面に向
けて複数の注入口27aを設け、この各注入口27aか
ら冷却水Waが、樹脂押出体31の内面34側に注入さ
れて、樹脂押出体31の底面・側面・中空部の各面部3
5,36h,37に内面水膜部27(図4参照)が形成
され、押圧を受けながら冷却されることになる。この
時、樹脂押出体31は冷却されて収縮するので、その分
冷却水Waは余計に注入されて水膜は厚くなり、変形を
抑えながら樹脂押出体31を冷却することになる。
【0039】また、金型ブロックB8には、このブロッ
クB8内を連通させて、内面冷却配管wpが埋設されて
おり、樹脂押出体31からの熱量を冷却水Waで伝導さ
せて冷却させることができる。
【0040】さらに、この面部冷却ダイス24bにおけ
る樹脂押出体31の中空部32の冷却は、前述の図3に
示す中空部冷却ダイス24aに続けて同様の構成で冷却
を行うようにしている。
【0041】すなわち、中空部32の中空部外面36
(図6参照)には、この外面36に沿う中空部ダイスリ
ット28bの中空部外面36に中空部外面負圧部26h
(図2参照)を金型ブロックB7に設け、この外面負圧
部26hからは外面真空配管aを設け、金型ブロックB
6,B7に連通させた配管を介して、真空吸引ができる
構成としている。
【0042】また、この負圧部26hが設けられている
金型ブロックB7は、その外側に冷却水配管を連通させ
た金型ブロックB6と、熱伝導するように組付けられて
いるので、樹脂押出体31は真空吸引されながら金型ブ
ロックB6,B7を介して冷却されることになる。
【0043】また、中空部内面37の負圧部26i(図
2参照)は、中空部ダイスリット28bの内面に沿う中
空部内面37iの負圧部26iを金型ブロックB8に設
け、この負圧部26iに内面真空配管iが連結されるよ
うに金型ブロックB4,B8に設けられ、真空吸引がで
きる構成としている。
【0044】また、この負圧部26iが設けられている
金型ブロックB4,B5,B8内には、冷却水配管を連
通させて各ブロックB4,B5,B8内に設け、中空部
ダイススリット28bを通過する樹脂押出体31は、真
空吸引されながら金型ブロックB4,B5,B8により
冷却されることになる。
【0045】したがって、第2冷却金型24では、樹脂
押出体31の中空部32は、内外面ともに、中空部冷却
ダイス24aから面部冷却ダイス24bへ通過しなが
ら、連続的に真空間接冷却される。
【0046】一方、樹脂押出体31の面部35,36
h,37は、面部冷却ダイス24bを通過しながら、外
面は真空間接冷却・内面は水冷直接冷却・中空部内の面
部は真空間接冷却が行われる。
【0047】この時の冷却温度は、結晶化温度よりも5
〜20℃高い温度まで冷却される。
【0048】すなわち、通常、ポリプロピレン(PP)
では110〜130℃、ポリエチレンテレフタレート
(PET)では230〜240℃程度まで冷却される。
【0049】図6において、31は樹脂押出体である雨
樋31Aの断面図であり、面部35から側面部37と中
空部32とをほぼU字状に立ち上げたものであって、両
側面32,37には方形や三角形等に分割された断面を
有する中空部32を設けている。なお、この33,34
は面部35の外面および内面、36は中空部外面、36
hは中空部内の面部および37iは中空部内面と称して
いる。
【0050】
【実施例】(実施例1)図1,図2,図3,図4及び図
5に示す装置を用い、図6の断面形状の雨樋を成形し
た。このときの成形条件は、表1に示す。
【0051】●雨樋の成形材料 ・結晶性熱可塑性樹脂:PP樹脂(三菱化学製ポリプロ
EB9) ・樹脂押出体の厚さ:約1.5mm
【0052】
【表1】
【0053】●成形結果: b…外面真空配管により吸引され、e…内面直接冷水配
管からの冷却水により冷却された樹脂押出体の面部が、
やや高速に冷却されているが、その他の部位は全く同じ
冷却速度となり、湾曲量=0mm(良好)となった。
【0054】(実施例2)図1,図2,図3,図4及び
図5に示す装置を用い、図6の断面形状の雨樋を成形し
た。このときの成形条件は、表2に示す。
【0055】●雨樋の成形材料 ・結晶性熱可塑性樹脂:PP樹脂(三菱化学製ポリプロ
EB9) ・炭素繊維チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHT
B−C6−SR)をPP樹脂に5vol%混入した。
【0056】・樹脂押出体の厚さ:約1.5mm ●成形法 ・混練押出成形法
【0057】
【表2】
【0058】●成形結果:炭素繊維強化して成形した樹
脂押出体の各部位の冷却速度は、ほぼ同じで、湾曲量=
0mm(良好)となった。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る雨樋の製造方法は、請求項
1の発明によれば、面部よりも先に中空部のみが冷却で
きるようにしたので、中空で冷えにくく冷却速度の遅い
中空部が先に冷却されて、面部の冷却とバランスを取る
ことができるようになる。
【0060】したがって、樹脂押出体の冷却がバランス
よく冷却されて、樹脂材料が強化未強化(実施例1,
2)に拘わらず、湾曲やそり等の成形上の不具合が生じ
なくなり、雨樋としての商品性の向上が図れる。
【0061】請求項2〜4の発明によれば、中空部は、
中空部ダイスリットの内面に密着させて形状を保持しな
がら、面部冷却ダイスへ向けて通過できるようにしたの
で、中空部形状は保持された状態で冷却され、また、外
面部は真空吸引されて面部ダイスリットの面に密着さ
れ、内面部は水膜部で押圧冷却ができるようにしたの
で、樹脂押出体の外面部は平滑になると同時に、吸引と
押圧とで形状規制ができて所定の形状となる。
【0062】したがって、樹脂押出体は平滑で形状精度
がよく、商品性の高いものとなる。
【0063】請求項5の発明によれば、第1冷却金型で
冷却され高温のまま押出される樹脂押出体を、結晶化温
度域まで大幅に冷却させる第2冷却金型としたので、樹
脂押出体の冷却のバランスがとれて成形でき、湾曲等の
形状変形が抑えられ成形精度の高い冷却金型が確立でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雨樋の製造方法を示す樹脂押出装
置図である。
【図2】図1の第2冷却金型の中空部冷却ダイスの側面
を示す説明図である。
【図3】図1の第2冷却金型の中空部冷却ダイスの押出
方向に交差する要部断面図である。
【図4】図1の第2冷却金型の面部冷却ダイスの側面を
示す説明図である。
【図5】図1の第2冷却金型の面部冷却ダイスの押出方
向に交差する要部断面図である。
【図6】本発明に係る樹脂押出体を示す端面図である。
【図7】従来技術に係る雨樋の製造方法を示す説明図で
ある。
【図8】図7の第2冷却金型による冷却状態を示す説明
図である。
【図9】従来技術に係る樹脂押出体を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
24…冷却金型 31…樹脂押出体 31A…雨樋 32…中空部 35…面部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性熱可塑性樹脂製で、断面が中空部
    と面部とで構成される雨樋となる樹脂押出体を冷却金型
    を用いて製造する際、前記冷却金型において前記中空部
    を前記面部より先に冷却するようにしたことを特徴とす
    る雨樋の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却金型は、前記樹脂押出体の中空
    部を保形し冷却させる中空部冷却ダイスと、前記雨樋の
    面部を保形し冷却させる面部冷却ダイスとをこの順に組
    み付けて設けたことを特徴とする請求項1に記載の雨樋
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中空部冷却ダイスは、中央部に前記
    樹脂押出体を通過させる中空部ダイスリットを設け、こ
    のダイスリットの面に前記中空部外面及び内面に対応さ
    せて複数の負圧部を形成させ、該負圧部を介して真空吸
    引されて前記中空部が中空形状に保持された状態で、前
    記面部冷却ダイスへ向けて通過できるようにしたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の雨樋の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記面部冷却ダイスは、中央部に前記樹
    脂押出体を通過させる面部ダイスリットを設け、このダ
    イスリットの面に前記中空部外面及び内面に対応させて
    複数の負圧部を形成させ、該負圧部を介して、前記中空
    部冷却ダイスを通過してきた前記樹脂押出体の前記中空
    部を保持させると共に、 前記樹脂押出体の面部の外面と対応する前記面部ダイス
    リットの面に沿って、複数の負圧部を形成させて真空吸
    引ができるようにし、かつ前記面部の内面に沿って、複
    数の注入口を設けて冷却水を注入し、該冷却水により前
    記面部の内面と前記面部ダイスリットの面との間に水膜
    部を形成させるようにしたことを特徴とする請求項1、
    2又は3に記載の雨樋の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記冷却金型は、混練押出機により結晶
    性熱可塑性樹脂が溶融され押出された樹脂押出体を、第
    1冷却金型の冷却に続けて、結晶化温度域まで冷却す
    る、いわゆる第2冷却金型としたことを特徴とする請求
    項1、2、3又は4に記載の雨樋の製造方法。
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