JP2001239242A - 消臭装置および消臭方法 - Google Patents

消臭装置および消臭方法

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JP2001239242A
JP2001239242A JP2000057350A JP2000057350A JP2001239242A JP 2001239242 A JP2001239242 A JP 2001239242A JP 2000057350 A JP2000057350 A JP 2000057350A JP 2000057350 A JP2000057350 A JP 2000057350A JP 2001239242 A JP2001239242 A JP 2001239242A
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Munehiko Kuwa
宗 彦 桑
Soichiro Kuwa
総一郎 桑
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PURASERAMU KK
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    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】処理反応槽で発生する臭気ガスが開口箇所か
ら、特に、処理反応槽へ汚泥や生ゴミを投入する際に投
入口から外部に漏洩することがなく、消臭効果が高い有
機性廃棄物の処理装置における消臭装置および消臭方法
を提供する。 【解決手段】有機性廃棄物を反応槽内で少なくとも好気
性発酵および通性嫌気性発酵を行って処理する有機性廃
棄物の処理方法において、反応槽内で発生する臭気ガス
などの発生ガスに含まれる水蒸気を熱交換器により除去
し、水蒸気が除去された臭気ガスなどの発生ガスを反応
槽に接続した吸引経路を介して吸引し、吸引装置で吸引
された発生ガスを排出経路外部に排出するとともに、吸
引装置によって吸引された発生ガスの一部を、還流経路
を介して反応槽に還流して反応槽のばっ気に用いる。水
蒸気が除去された臭気ガスを含んだばっ気後の空気は、
木質チップ及び炭化木質チップを充填した微生物消臭装
置で効率良く消臭される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃棄物の処
理装置に関するもので、より詳細には、一般家庭、レス
トラン、食品工場などから排出される生ゴミ、食品工場
などの廃水処理施設から排出される汚泥などの有機性廃
棄物を、土壌菌などのバクテリアにより分解消滅させる
有機性廃棄物の処理装置および有機性廃棄物の処理方法
における消臭装置および消臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭、レストラン、食品工場
などから排出される生ゴミ、食品工場などの廃水処理施
設から排出される汚泥などの有機性廃棄物(以下、単に
これらを総称して「有機性廃棄物」と言う)は、焼却
法、活性汚泥法、ならびに堆肥化法などの種々の処理方
法によって処理している。
【0003】すなわち、焼却法では、固定床焼却炉、ロ
ータリーキルン焼却炉などの焼却炉を用いてこのような
有機性廃棄物を焼却処理する方法である。この焼却法で
は、焼却の際に、ダイオキシンや二酸化炭素などが発生
し、大気汚染、環境汚染などの原因となり、しかも焼却
灰が発生するので、これを埋め立て最終処分場などに運
搬廃棄しなければならず、輸送費がかかるとともに、環
境汚染をきたすことになっている。また、この方法で
は、焼却のために重油やガスなどの補助燃料が必要であ
り、処理費用がかさむことにもなっている。
【0004】また、活性汚泥法は、有機性廃棄物から固
形分を取り除いて、固形分を焼却などしてコンポスト化
して飼料、肥料などにするとともに、固形分を取り除い
た栄養分を含んだ水を、活性汚泥により有機性廃棄物を
分解処理する方法である。この活性汚泥法では、活性汚
泥に含まれる微生物が、栄養分を含んだ水中の栄養分を
栄養源として増殖する際に消費されるエネルギー分だけ
しかその固形分を減量できず効率が良くなかった。ま
た、この方法では、微生物を常に生存させるのが難し
く、微生物が死滅した場合には、取り替えなければなら
ず操業効率が悪い。しかも、処理対象が栄養分を含んだ
水であるため、大部分が活性汚泥に含まれる微生物の死
骸、すなわち、汚泥として残存するため、これを焼却処
分するか、発酵させて堆肥にする等の二次処理が必要と
なる。
【0005】さらに、堆肥化法(コンポスト化)は、有
機性廃棄物を微生物によって発酵させて、堆肥化して農
業肥料、園芸肥料などとする方法である。しかしなが
ら、昨今では、専業農家の数が減少してきており、その
需要が減少しているのが実状である。また、この堆肥化
法においては、生ゴミ、汚泥などの種類によっては処理
できないものもある。また、最近では、自然志向から有
機栽培の野菜などの需要が増えており、これにともない
有害物質を含まない堆肥が、農家側から要求されるよう
になっているが、このための品質管理は困難であった。
【0006】このため、特公平2−34679号公報、
特公平2−30760号公報では、沈砂、最初沈殿池汚
泥、散水炉処理後の沈殿汚泥、活性汚泥処理後の余剰汚
泥、嫌気性消化汚泥、好気性消化汚泥などの各種汚泥
を、木質細片を含む微生物培養基材としての処理媒質を
含んだ処理槽にて、好気性処理と嫌気性処理を順に経時
的に反復して実施して、廃水中の生物化学的酸素要求量
(BOD)、化学的酸素要求量(COD)およびSS
(固形分、浮遊物質)を低減させる方法および処理装置
が開示されている。
【0007】また、特公平3−73358号公報、特公
平4−10398号公報には、家庭用雑廃水、産業廃
水、食品加工廃水等の各種廃水を、木質細片を含む微生
物培養基材としての処理媒質を含んだ処理槽にて微生物
処理する方法およびそのための撹拌機能付きの連続処理
槽が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が発明した有機性廃棄物の処理装置においても、ま
た上記した従来の方法においてもいずれも、処理反応槽
で発生する臭気ガスが、開口箇所から、特に、処理反応
槽へ汚泥や生ゴミを投入する際に投入口から外部に、ア
ンモニア、メルカプタンなどの臭気ガスが漏洩して、環
境汚染などの原因となっている。
【0009】特に、処理反応槽が好気性発酵を行うばっ
気処理を伴う場合には、処理反応槽内へばっ気処理のた
めの空気を導入しているため、処理反応槽内の圧力が上
昇しており、外部への臭気の漏洩が顕著である。本発明
は、このような実情に鑑み、一般家庭、レストラン、食
品工場などから排出される生ゴミ、食品工場などの廃水
処理施設から排出される汚泥などの多種多様の有機性廃
棄物を処理する際に、処理反応槽で発生する臭気ガスが
開口箇所から、特に、処理反応槽へ汚泥や生ゴミを投入
する際に投入口から外部に漏洩することがなく、消臭効
果が高い有機性廃棄物の処理装置における消臭装置およ
び消臭方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
および目的を達成するために発明なされたものであっ
て、本発明の消臭装置は、生ゴミ、汚泥などの有機性廃
棄物を反応槽内で少なくとも好気性発酵および通性嫌気
性発酵を行って処理する有機性廃棄物の処理装置におい
て、前記反応槽内で発生する臭気ガスなどの発生ガス
を、吸引する反応槽に接続した吸引経路と、前記吸引装
置で吸引された発生ガスを外部に排出する排出経路と、
前記吸引装置によって吸引された発生ガスの一部を、前
記吸引装置に接続された送給装置によって、前記反応槽
のばっ気装置に還流する還流経路と、前記反応槽からの
発生ガスに含まれる水蒸気を除去する熱交換器とを備え
ることを特徴とする。
【0011】また、本発明の消臭方法は、生ゴミ、汚泥
などの有機性廃棄物を反応槽内で少なくとも好気性発酵
および通性嫌気性発酵を行って処理する有機性廃棄物の
処理方法において、前記反応槽内で発生する臭気ガスな
どの発生ガスに含まれる水蒸気を熱交換器により除去
し、前記水蒸気が除去された臭気ガスなどの発生ガスを
反応槽に接続した吸引経路を介して吸引し、前記吸引装
置で吸引された発生ガスを排出経路外部に排出するとと
もに、前記吸引装置によって吸引された発生ガスの一部
を、還流経路を介して反応槽に還流して反応槽のばっ気
に用いることを特徴とする。
【0012】このように構成することによって、反応槽
内で発生した臭気ガスを消臭装置を通して吸引してその
一部を還流経路を介して反応槽に還流して反応槽のばっ
気に用いる場合、反応槽内の臭気ガスの臭気濃度が希釈
化され、臭気が低減されることになる。また、消臭装置
で消臭された発生ガスをリサイクルすることができるた
め、ばっ気処理による好気性発酵および通性嫌気性発酵
を効率よく実施することが可能である。
【0013】しかも、熱交換器によって、各反応槽内で
発生した臭気を含んだ発生ガスを吸引した際に、これら
の臭気に含まれる水蒸気が除去されるようになってい
る。これによって、従来では、臭気に含まれる水蒸気に
よって、ブロワーの性能が低下することになるととも
に、消臭装置に充填された活性炭、炭化木質チップなど
の多孔質微生物処理媒質などが水分を含み、ブロワーか
らのエアーの通気性が低下して、ブロワーに負荷がかか
り、しかも、十分な吸引排気ができなくなるが、本発明
によれば、これを防止することが可能となる。また、熱
交換器を通して、発生ガスの水蒸気を除去することによ
って、ある程度臭気成分を除去することもできる。
【0014】また、本発明の有機性廃棄物の処理装置
は、前記吸引装置による吸引量と、送給装置による還流
量とを制御して反応槽内が負圧状態となるように構成さ
れていることを特徴とする。また、本発明の有機性廃棄
物の処理方法は、前記吸引量と、還流量とを制御して反
応槽内が負圧状態となるようにすることを特徴とする。
【0015】これにより、反応槽内が負圧の状態となる
ので、反応槽で発生する臭気ガスが開口箇所から、特
に、処理反応槽へ汚泥や生ゴミを投入する際に投入口か
ら外部に漏洩することがなく、周囲への環境汚染を防止
することが可能となる。また、吸引装置で吸引された発
生ガスを外部に排出する排出経路を設けてあるので、発
生ガスを還流経路を介して、反応槽内で必要とするばっ
気量分だけ還流できるので反応槽内での好気性発酵を効
率よく実施できる。また、消臭された発生ガスの余剰分
を排出経路を介して外部に排出することになるので、外
部に排出するガス量を極力抑えることができるととも
に、この外部へ排出されるガスは消臭装置で消臭されて
いるので、臭気による周囲の環境汚染を防止することが
できる。
【0016】また、本発明の有機性廃棄物の処理装置
は、前記送給装置に空気を導入する空気導入経路を設け
て、前記還流する発生ガスとともに空気をばっ気装置に
導入するように構成したことを特徴とする。さらに、本
発明の有機性廃棄物の処理方法は、前記還流経路を介し
て反応槽に還流する発生ガスとともに空気を導入して反
応槽のばっ気に用いることを特徴とする。
【0017】このように構成することによって、反応槽
内で好気性発酵によって消費された酸素を補ってばっ気
処理することが可能であるので、好気性発酵の効率が低
下することがなく効率よく処理を実施することが可能で
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の有機性廃棄物の
処理装置を示した平面図、図2は、図1のI−I線での
縦断面図である。図示しないが、一般家庭、レストラ
ン、食品工場などから排出される、例えば、漬け物、ス
パゲッティー、米、野菜、残飯、その他の生ゴミ、食品
工場などの廃水処理施設から排出される汚泥などの有機
性廃棄物が、ゴミ収集車トラックなどで運搬され、本発
明の有機性廃棄物の処理装置(以下、単に「処理装置」
と言う)1の消滅槽10の上部壁11に配置された投入
口12の開閉蓋14を開閉することにより、図示しない
シュート(ホッパー)によって、消滅槽10内に投入さ
れるようになっている。
【0019】消滅槽10は、図1に示したように、横方
向に並列に4ラインA〜Cの消滅槽から構成されてお
り、それぞれの消滅槽10は、上流側から下流側に直列
に配置した第1の消滅槽10aと第2の消滅槽10bと
から構成されている。なお、この場合には、例えば、4
ラインA〜Cにて処理する有機性廃棄物の種類を違える
ようにすればよい。
【0020】また、消滅槽10の第1の消滅槽10aに
は、その投入口12の側部に、有機性廃棄物を粉砕する
粉砕装置(ディスポーザー)15が配置されている。こ
れによって、原型をある程度とどめたサイズの大きい有
機性廃棄物のサイズを、例えば、最低φ25×30mm
程度に小さく破砕することができ、このような物でも処
理効率良く処理することができるようになっている。
【0021】この消滅槽10内には、予め、多孔質微生
物処理媒質が、処理水とともに導入されている。この多
孔質微生物処理媒質としては、特公平2−34697号
公報に開示されるような粒径0.2〜5mmの木質細片
(チップ)、その炭化木質細片、ならびに、ゼオライ
ト、多孔質セラミックなどが使用可能である。この中で
も、例えば、杉などの針葉樹から作製した木質細片が、
後述する微生物の棲息条件として好ましい。
【0022】このような多孔質材料を用いることによっ
て、好気性微生物および嫌気性微生物が共存して棲息
し、交互に作用して、有機性廃棄物を分解、消化できる
ためである。すなわち、このような木質細片、炭化木質
細片は、多孔質体で表面積が非常に大きく、微生物がこ
の多孔質内に棲息する優れた環境にあり、孔質微生物処
理媒質への微生物の棲息率が高く、特に、炭化していな
いものは、栄養分を含んでいるから微生物が棲息しやす
い。しかも、このような孔質微生物処理媒質内に微生物
が棲息するため、ばっ気を停止したとしても好気性微生
物が死滅することがなく、効率的な分解、消化が可能と
なる。
【0023】また、処理水としては、後述する最終工程
である最終反応槽60で処理され、回収された処理水を
還流して使用することができる。なお、ゴミ収集車トラ
ックなどで運搬された有機性廃棄物が放水により投入口
12から流し込まれるようになっており、この分の水も
処理水として含まれる。さらに、この処理水が不足する
場合には、別途、水道水などが添加される。
【0024】さらに、消滅槽10内には、常時、例え
ば、約90トン程度の容量の処理水、有機性廃棄物、お
よび多孔質微生物処理媒質が存在するように調整されて
いる、その割合は、例えば、水分100:有機性廃棄物
10:多孔質微生物処理媒質20の割合で添加するのが
望ましいが、これに特に限定されるものではなく、有機
性廃棄物の種類によって適宜その割合を変更すればよ
い。
【0025】そして、消滅槽10内には、図2及び図3
に示したように、撹拌装置19が配置されている。この
撹拌装置19は、消滅槽10の底部近傍に位置する上下
二段のプロペラ16と、プロペラ16に接続した駆動シ
ャフト18と、消滅槽10の上部壁11に配置され駆動
シャフト18に回転力を与えるモータ20から構成され
ている。この撹拌装置19の回転数としては、例えば、
27rpmとすればよい。
【0026】また、消滅槽10内には、図2〜図4に示
したように、散気装置22が配設されている。この散気
装置22は、後述する図11に示したように、吸引還流
装置200の第1還流配管230を介して、図示しない
空気供給源、送給装置224(ブロワーに)接続されて
いる。また、この散気装置22は、図1〜図4、ならび
に図11に示したように、消滅槽10のそれぞれ四隅に
配置したマンホール13に取り付けた、SUS304な
どの金属製の配管取付けボックス21の配管等接続部2
1bを介して、消滅槽10内を消滅槽10の底部近傍ま
で垂直に延びる散気管本管24と、この散気管本管24
に接続された散気装置本体26とを備えている。この散
気装置本体26は、図示しないが、目詰まりが生じにく
く、均一で細かい気泡を発生するタイプのものである。
このようなタイプの散気装置本体26としては、例え
ば、「OHR式エアレータAE−130FS」(西華産
業株式会社製)などが使用可能である。なお、散気管本
管24の基端接続部には、図4に示したように、流量調
整バルブ23と逆流防止用の逆止弁25が設けられてい
る。
【0027】なお、配管取付けボックス21は、図5〜
図6に示したように、円柱形状のボックス本体21a
と、その側面に設けられた複数の配管等接続部21b
と、マンホール13との接続部をシールするパッキン2
1cと、開閉蓋21dと取っ手21eと、開閉蓋21d
に取り付けたパッキン21fとを備えている。そして、
各種配管(液移送用チューブ)およびセンサー類が、こ
の配管取付けボックス21を介して、マンホール13を
介して消滅槽10内に配設されるようになっており、こ
れにより、消滅槽10内に設置する散気装置22や各種
配管、センサー類のメンテナンスが容易となっている
(以下において同様である)。
【0028】また、消滅槽10内にはそれぞれ、図7
(A)に示したように、加熱装置27が配設されてい
る。この加熱装置27は、配管取付けボックス21の別
の配管等接続部21bを介して、図示しない加熱水蒸気
(スチーム)を発生するボイラーに接続したL字形状の
スチーム本管29を備えている。そして、このスチーム
本管29の先端29aの開口部29bは、撹拌装置19
のプロペラ16の回転方向と同一の方向にスチームを放
出するように位置し、これにより、消滅槽10内の撹拌
作用に影響を及ぼさないようになっている。また、図7
(B)に示したように、スチーム本管29の先端29a
には、ジョイント29d、29eを介して、液体混合型
のサイレンサー29cが接続されている。このサイレン
サー29は、図7(B)に示したように、二重のノズル
通路29f、29gが形成されており、これによって、
騒音が発生するのが防止されるとともに、局部的に消滅
槽10内が加熱されて微生物へ影響を少なくするように
構成されている。
【0029】この場合、加熱装置27によって加熱され
た消滅槽10内の温度が、中高温菌の至適温度、好まし
くは、30〜80℃、より好ましくは、35〜60℃と
なるように、加熱装置27のスチーム本管29から放出
されるスチームの供給が制御されるようになっている。
すなわち、スチームの供給は常時行われるのではなく、
消滅槽10内に配設した図示しない温度センサーの検知
結果に基づいて、予め設定された温度範囲となるよう
に、制御装置(図示せず)を介して、スチーム本管29
に接続した電磁弁(図示せず)を開閉することによって
実施するように構成されている。
【0030】なお、このような中高温菌としては、例え
ば、Zoogloea属、Pseudomonas属、Flavobacterium属、C
orynebacterium属、Bacillus属、Micrococcus属、Sulfe
r Bacteria属などの細菌類、Candia属、Saccharomyces
属、Trichosporon属、Geotrichum属などの真菌類などが
あるが、本発明は何らこれらに限定されるものではな
い。
【0031】このように構成される消滅槽10では、投
入口12から投入された有機性廃棄物が、処理水と多孔
質微生物処理媒質とともに、撹拌装置19のプロペラ1
6によって撹拌され懸濁状態になるとともに、散気装置
22の散気装置本体26から空気が、消滅槽10内に供
給されることによってばっ気され、多孔質微生物処理媒
質に棲息する好気性微生物の分解、消化作用によって、
好気性微生物が栄養源とする有機性廃棄物が分解され消
化される。なお、上記散気装置本体26から空気は、初
期段階では空気であるが、操業中には、必要に応じて、
後述する図11に示したように、吸引還流装置200を
介して還流される分解消臭された発生ガスと必要に応じ
て新鮮な空気である。なお、この際、好気性微生物の分
解、消化作用だけでなく、嫌気性微生物の分解、消化作
用も生じている。
【0032】この場合、中高温菌の至適温度に加熱しば
っ気を行うので、多孔質微生物処理媒質中に棲息する好
気性微生物および通性嫌気性微生物によって、これらの
微生物が栄養源とする有機性廃棄物が消化されることに
なる。しかも、一般的に知られる微生物のうちで、中高
温菌と呼ばれる微生物が成育・活動する際に分泌する酵
素の量は、低温菌が分泌する酵素よりも多く、本発明に
おいては、中高温菌の至適温度に加熱しばっ気を行うの
で、これらの耐熱性酵素によって、有機性廃棄物の可溶
化が効率化される。
【0033】また、中高温菌の至適温度に加熱しばっ気
を行うので、消滅槽内の投入物がスラリー状で熱的な分
解が促進されるため、微生物による分解がより一層向上
されることになる。この際のばっ気量としては、特に限
定されるものではなく、有機性廃棄物の種類、消滅槽1
0のサイズによって適宜その割合を変更すればよいが、
例えば、3.57m3/minとするのが望ましい。
【0034】また、この消滅槽10は、上流側の第1の
消滅槽10aの加熱温度が、下流側の第2の消滅槽10
bの加熱温度よりも高く設定されているのが望ましい。
例えば、第1の消滅槽10aでは、有機物の構造組織を
液状化させる目的で、60℃以上にし、第2の消滅槽1
0bでは、中高温菌による分解、消化を促進させるため
に、40〜50℃に設定することができる。
【0035】すなわち、このようにすることによって、
消滅槽に投入した有機性廃棄物が、上流側の第1の消滅
槽10aにて加熱されることによって、その構造組織が
破壊され、破壊または低分子化された有機物が、下流側
の第2の消滅槽10bにて、中高温菌の代謝機能を高め
て、中高温菌による消滅、すなわち、分解、消化が促進
されることになる。なお、この際、好気性微生物の分
解、消化作用だけでなく、嫌気性微生物の分解、消化作
用も生じている。
【0036】すなわち、本発明では、好気性菌および通
性嫌気性菌を利用するものであり(「誰でもわかる抗菌
の基礎知識」西村民男監修、1999年8月27日、初
版、(株)テクノシステム発行、第38〜55頁参
照)、ばっ気状態および掬い撹拌(切り返し)が実施さ
れ、酸素が存在する条件下では、偏性好気性菌(好気性
菌)の生育、通性嫌気性菌の酸化的代謝、および微好気
性菌の生育が行われる。一方、ばっ気状態および掬い撹
拌を実施せず、酸素不十分な条件下では、通性嫌気性の
嫌気的代謝(発酵)が行われる。そして、偏性嫌気性菌
の活動を極力抑制し、硫化水素、メルカプタン等の悪臭
成分の発生とメタンガスの発生が行われないようにして
いる。
【0037】なお、好気性菌は、遊離酸素を必要とし、
エネルギーは呼吸によって獲得する微生物であり、例え
ば、カビ、産膜酵母、Acetobacter、Pseudomonas、Xant
homonas、Alcaligenes、Micrococcus、Bacillusの一
部、Achromobacter、Flavobacter、Rhizobium、Azotoba
cter、Thiobacillusなどがある。また、通性嫌気性菌
は、遊離酸素の有無にかかわらず生育でき、酸素のある
方が生育が良く、酸化的代謝、嫌気的代謝の両方を行う
ことができる微生物であり、例えば、大部分の酵母、大
部分の細菌、すなわち腸内細菌、Staphlococcus、Strep
tococus、Aeromonas、Vibrioなどがある。さらに、微好
気性菌は、大気圧より低い酸素分圧下で生育が最も良
く、例えば、乳酸菌、水素細菌がある。
【0038】また、この実施例では、消滅槽10とし
て、二つの消滅槽を直列に配置したが、3個以上の複数
の消滅槽を上流側から下流側に直列に配置して構成し
て、上流側の消滅槽の加熱温度が、下流側の消滅槽の加
熱温度よりも高く設定することも勿論可能である。さら
に、第1の消滅槽10a、または、第1の消滅槽10a
の前に前処理槽を設けて、スティームによる高温加熱を
行ってもよい。例えば、80℃以上の高温条件を短時間
から長時間保持することで、処理対象物が液状化され、
後の工程での微生物代謝を利用した分解プロセス、およ
びばっ気による直接的な酸化プロセスにおける処理対象
物の分解効率を向上することができる。また、このよう
な高温処理中でばっ気を行うことによって、酸化プロセ
スも同時に行えるとともに、高温菌の培養にもつながる
とともに、悪臭の元となるいわゆる「悪臭菌」が死滅す
るため、消臭効率が非常に大きくなる。さらに、処理対
象物中には、有機系凝集剤、消泡剤、沈降剤などの薬品
類を含む場合があるが、このような熱的化学プロセスに
よって酸化されやすくなり、このような薬品類がガス化
除去可能となる。
【0039】そして、一定時間、例えば、2〜12時間
ばっ気処理を実施した後、第1の消滅槽10aで分解処
理された有機物を含む処理水は、図1のの矢印で示し
たように、送給装置(図示せず)によって、第2の消滅
槽10b内に送給されるようになっている。なお、この
際には、図示しないが、配管取付けボックス21を介し
て接続した供給配管(図示せず)を介して、上澄み液が
ポンプ35によって移送されるようになっている。ま
た、この供給配管の消滅槽10a内の先端には、図示し
ないがフロートが取付けられており、常に消滅槽10a
の液面近傍から処理水を移送するようになっている(基
本的には、以下の送給装置においても同様である)。
【0040】さらに、第2の消滅槽10bで分解処理さ
れた有機物を含む処理水は、図1のの矢印で示したよ
うに、同様な送給装置によって、沈降槽30に移送され
るようになっている。なお、沈降槽30の上部にも、配
管取付けボックス21が取付けられており、配管取付け
ボックス21を介して接続した供給配管を介して第2の
消滅槽10bの上澄み液がポンプ35によって沈降槽3
0に移送されるようになっている。
【0041】なお、この消滅槽10で分解処理された有
機物を含む処理水を沈降槽30へ排出する排出量として
は、消滅槽10の大きさに従って設定すればよく、例え
ば、多いときで10〜15トンである。また、消滅槽1
0では、この実施例では、常時ばっ気と撹拌を実施して
おり、そのため、図1に示したように、1ライン当た
り、並列に配置した2つの沈降槽30を備えており、消
滅槽10より交互に連続的に処理水が搬送されるように
なっている。しかしながら、沈降槽30へ処理水を移送
した後、ばっ気と撹拌を停止して、次の被処理物を導入
するように、回分式で実施してもよいことは勿論であ
る。
【0042】このように、分解処理された有機物を含む
処理水が沈降槽30へと排出された後、消滅槽10の上
部壁11に配置された投入口12の開閉蓋14を開け、
ゴミ収集車トラックなどで運搬された新たな有機性廃棄
物が投入されるとともに、最終工程である最終反応槽6
0で処理されて回収された処理水が、図示しない還流経
路によって還流されて消滅槽10内に導入され、上記サ
イクルが繰り返されるようになっている。
【0043】なお、この場合の追加量としては、沈降槽
30への排出量にもよるが、処理水も含めて、例えば5
トン程度であり、日に3回程度の追加が行われる。ま
た、この追加の際には、ばっ気を停止して行ってもよい
が、後述するように吸引還流装置200によって、常に
負圧の状態に維持されているので、投入口12からの臭
いが外部に流出して周囲への環境汚染とならないように
なっている。従って、ばっ気を停止せずに行ってもよ
い。
【0044】なお、最初に稼働する際には、予め消滅槽
10内に土壌菌を導入しておくのが多孔質微生物処理媒
質に好気性微生物および嫌気性微生物が棲息するために
は望ましいが、いったん消滅槽10が稼働した後には、
これらの土壌細菌ならびに多孔質微生物処理媒質を、常
に追加する必要はなく、分解能力が低下した際に適宜追
加すればよい。
【0045】一方、沈降槽30では、消滅槽10で分解
処理された有機物を含む処理水が供給され、静置するこ
とによって比重差によって、SS(固形分、浮遊物
質)、SSを含まない上澄み液、および沈降物に分離す
るように構成されている。なお、この際、嫌気性微生物
の分解、消化作用も生じている。そして、沈降槽30の
底部に沈降した沈降物は、別途図示しない配管取付けボ
ックス21を介して接続した排出管により取り出され、
消滅槽10(第1の消滅槽10aまたは第2の消滅槽1
0b)に戻されるようになっている。
【0046】また、この沈降槽30で沈降分離された上
澄み液(処理水)は、図1のの矢印で示したように、
前述と同様な送給装置(図示せず)によって、第1のば
っ気処理槽32に取付けられた配管取付けボックス21
に接続した供給配管を介して、第1のばっ気処理槽32
内に送給されるようになっている。なお、この場合も、
送給装置は、沈降槽30内の供給配管の先端には、図示
しないフロートが取付けられており、常に沈降槽30の
液面近傍から処理水を移送し、SSを、極力吸い上げな
いようになっている。
【0047】第1のばっ気処理槽32には、図2に示し
たように、消滅槽10の多孔質微生物処理媒質と同様な
多孔質微生物処理媒質が予め投入されている。また、こ
の第1のばっ気処理槽32には、図2に示したように、
消滅槽10と同様な散気装置22が配設されている。こ
の散気装置22は、後述する図11に示したように、吸
引還流装置200の第2還流配管234を介して、図示
しない空気供給源、送給装置224(ブロワー)に接続
されている。
【0048】このように構成される第1のばっ気処理槽
32では、沈降槽30で沈降分離された有機物を含む処
理水が投入されて、この処理水と多孔質微生物処理媒質
とともに、散気装置22の散気装置本体26の散気孔か
ら導入される空気(初期段階では空気であるが、操業中
には、後述する図11に示したように、吸引還流装置2
00を介して還流される分解消臭された発生ガスと必要
に応じて新鮮な空気)の作用によって、第1のばっ気処
理槽32内で、撹拌され懸濁状態になりばっ気され、多
孔質微生物処理媒質に棲息する好気性微生物および通性
嫌気性微生物の分解、消化作用によって、これらの微生
物が栄養源とする有機性廃棄物が分解され消化される。
【0049】なお、この際のばっ気量としては、特に限
定されるものではなく、有機性廃棄物の種類によって適
宜その割合を変更すればよいが、例えば、3.57m3
/minとするのが望ましい。そして、一定時間、例え
ば、2〜12時間ばっ気処理を実施した後、ばっ気処理
槽32で分解処理された有機物を含む処理水は、図1の
の矢印で示したように、前述と同様な送給装置(図示
せず)によって、第1の沈降処理槽40の上部に取付け
られた配管取付けボックス21に接続した供給配管を介
して、第1の沈降処理槽40内に送給されるようになっ
ている。
【0050】なお、この場合も、送給装置は、ばっ気処
理槽32内の供給配管の先端には、図示しないフロート
が取付けられており、常に第1のばっ気処理槽32の液
面近傍から処理水を移送し、SSを、極力吸い上げない
ようになっている。また、この第1のばっ気処理槽32
で分解処理された有機物を含む処理水を沈降処理槽40
へ排出する排出量としては、沈降処理槽40の大きさに
従って設定すればよく、例えば、多いときで一度に5〜
10トンである。
【0051】一方、沈降処理槽40は、第1のばっ気処
理槽32で分解処理された有機物を含む処理水が供給さ
れ、静置することによって比重差によって、処理水中に
含まれる例えば、無機物、砂などの不純物を沈降処理槽
40の底部に堆積するように構成されている。なお、こ
の際、嫌気性微生物の分解、消化作用も生じている。す
なわち、沈降処理槽40では、沈降分離処理が行われ、
未分解の有機物、木質チップ、炭化木質チップなどの多
孔質微生物処理媒質、カチオン系凝集剤、アルミ凝集
剤、無機物、砂などからなる沈降固形分と、水、分解し
た有機物、微生物、無機物などの非沈降固形分含有液と
に分離される。そして、沈降固形分は下記のように回収
されるか、または前段階のばっ気処理槽32、消滅槽1
0などの処理槽にもどされて、再び分解プロセスの使用
される。
【0052】また、必要に応じて、この沈降処理槽40
の底部に堆積した無機物、砂などの不純物は、図示しな
いドレイン孔から抜き出されて回収され、別途、農業用
無機物肥料などに利用されるようになっている。そし
て、一定時間、例えば、4〜24時間、沈降処理槽40
にて沈降処理を実施した後、沈降処理槽40で無機物、
砂などの沈降固形分が沈降分離されて除去された有機物
を含む非沈降固形分含有液が、図1のの矢印で示した
ように、前述と同様な送給装置(図示せず)によって、
第2のばっ気処理槽42に取付けられた配管取付けボッ
クス21に接続した供給配管を介して、第2のばっ気処
理槽42に導入されるようになっている。
【0053】この第2のばっ気処理槽42で分解処理さ
れた有機物を含む処理水は、図1のの矢印で示したよ
うに、送給装置(図示せず)によって、第3のばっ気処
理槽44に取付けられた配管取付けボックス21に接続
した供給配管を介して、第3のばっ気処理槽44に導入
されるようになっている。なお、この第2のばっ気処理
槽42、第3のばっ気処理槽44の構造ならびにその作
用は、第1のばっ気処理槽32と同様な構造を有し、同
じばっ気処理が行われるので、その詳細な説明は省略す
る。
【0054】また、上記の第1のばっ気処理槽32、第
2のばっ気処理槽42、第3のばっ気処理槽44は、本
実施例では、加熱を行わずに実施するが、上述した消滅
槽10と同様に加熱しても良いことは勿論である。この
第3のばっ気処理槽44において分解処理された有機物
を含む処理水、すなわち上層部の上澄み液は、図1の
の矢印で示したように、最終反応槽60に送給されるよ
うになっている。
【0055】すなわち、図8、および図9に示したよう
に、第3のばっ気処理槽44に取り付けた配管取付けボ
ックス21に、最終反応槽60の上部に配管された供給
本管54、58が接続されている。そして、この供給本
管54、58に、垂直方向下方に供給本管54、58の
長手方向にわたって一定間隔離間した供給管51が配設
されており、この供給管51には複数の供給孔53が形
成されている。
【0056】これにより、第3のばっ気処理槽44にお
いて分解処理された有機物を含む処理水、すなわち上層
部の上澄み液が、供給管51の供給孔53を介して、満
遍なく最終反応槽60内に導入されるようになってい
る。なお、図8に示したように、最終反応槽60の底壁
62上には、下流側に向かって傾斜するように、骨材に
炭がらを加えたシンダーコンクリート64が塗設され
て、下流側に傾斜する傾斜底面66が形成されており、
この傾斜底面66に多孔質微生物処理媒質と同様な多孔
質微生物処理媒質が、200〜500cm程度の厚さに
敷き詰められている。
【0057】また、最終反応槽60の上部68は大気に
開放されており、植生用ネット(野芝)が張設されてい
る。これは、第3のばっ気処理槽44において分解処理
された有機物を含む処理水は、既に相当程度まで、生物
化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CO
D)およびSS(固形分、浮遊物質)が低減されてお
り、臭気がほとんどない状態であるからである。また、
反応槽の上方部分では、好気性発酵も同時に行われるこ
とになり、微生物による消化分解が促進されるととも
に、水が蒸発していくとともに微生物が浸入して、常に
多孔質微生物処理媒質に棲息するようにして、微生物に
よる分解、消化作用を常に維持するようにするためであ
る。
【0058】なお、最終反応槽60は、本実施例では、
3個並列に設けられており、2個の最終反応槽が、それ
ぞれ、ラインAとB、ラインCとD用に、残りの一つが
処理能力を超えた場合のための予備槽となっている。こ
のように、第3のばっ気処理槽44において分解処理さ
れた有機物を含む処理水は、最終反応槽60内に導入さ
れ、多孔質微生物処理媒質に棲息する嫌気性微生物の分
解、消化作用によって、嫌気性微生物が栄養源とする有
機性廃棄物が分解され消化される。また、最終反応槽6
0の上方部分では、好気性発酵も同時に行われることに
なり、好気性微生物による消化分解が促進される。
【0059】これによって、原水が最終反応槽60内で
処理され、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸
素要求量(COD)およびSS(固形分、浮遊物質)が
低くなった処理水が得られる。この場合、特に、原水が
一般汚水のように有機物の絶対濃度が比較的低く、水分
量が多い場合には、排水基準レベル(例えば、BODが
排水基準レベルである20ppmを大きく下回る6pp
m以下)を下回る処理水が得られることになる。
【0060】そして、このように清浄化された処理水
は、図8および図9に示したように、最終反応槽60の
下流側に配設された複数のフィルター排出孔81が形成
された排出管82内に配設された排出ポンプ84を介し
て吸引され、排出本管86から図示しない還流経路を介
して還流されて消滅槽10内に導入されるようになって
いる。
【0061】なお、この排出ポンプ84を介して吸引さ
れた清浄化された処理水は、余剰分が生じた場合には、
別途排出経路(図示せず)を介して排出したり、他の分
野、例えば、発電装置の冷却水用などに利用してもよ
い。また、原水または最初に投入する汚泥や生ゴミ中の
有機物総量が多く(濃度が高く)、水分量が少ない場合
には、全工程で1週間の処理では、生物化学的酸素要求
量(BOD)が1000ppm前後もあるので、河川等
の外部への排出基準に達しない。しかしながら、本発明
の処理装置では、最終反応槽60で処理された処理水を
消滅槽10に還流することになるので、外部に排出する
必要がないので問題はない。また、逆に最終反応槽60
の上部の開放部から水分の蒸発量が多くなり、還流水が
不足する場合には、別途図示しない補給水供給経路から
補給水を供給するようにすればよい。
【0062】また、この最終反応槽60には、図16に
示したように、最終反応槽60の上部に設けたレール9
1上を図示しない駆動モータによって、矢印のように往
復動するとともに、駆動プーリ92、93に掛け渡され
たベルトコンベア94の駆動により、ベルトコンベア9
5に設けた掬い部材96によって、最終反応槽60内を
上下に掬い撹拌する掬い撹拌装置90を設けてもよい。
【0063】このようにすることによって、最終反応槽
60を、従来のコンポスト化の技術を応用することがで
き、最終反応槽60の前工程の各処理槽で生じた用済み
の微生物群の処理槽として有効に利用することができ
る。すなわち、最終反応槽60の前工程の各処理槽で生
じた用済みの微生物群(すなわち、各処理槽底部に沈降
するヘドロ状の固形分)を最終反応槽に移送し、効率良
く好気性分解および嫌気性分解することができる。
【0064】最終反応槽60は、深さが、5m程度あ
り、上記掬い撹拌装置90にて、上層2〜3mの部分を
撹拌するようにすれば、多孔質微生物処理媒質と水分の
混合が行われる。従って、水分が最終反応槽全体に浸透
して、多孔質微生物処理媒質で有機分が吸着され、有機
分が嫌気性発酵が促進される。また、固形分は、掬い撹
拌によって最終反応槽の上層部で効率の良い好気性発酵
および嫌気性発酵が実施されることになる。
【0065】この場合、上層部2m程度を一定の使用頻
度にて取り除き、従来のコンポスト法のように、コンポ
スト化することによって、除去困難な無機物を取り除く
ことが可能である。なお、処理速度を向上するために
は、最終反応槽以前の工程で、処理水を、例えば、BO
D5000ppm以下まで処理し、残りを最終反応槽6
0にて好気性発酵および嫌気性発酵させることで処理能
力を向上することができる。
【0066】また、上記掬い撹拌装置90は、上記のよ
うなコンベア式の他、羽根状のものを回転させて掬い撹
拌するタイプ、また、最終反応槽の周囲を周回するタイ
プなど、その他の掬い撹拌装置またはコンポスト化の際
に使用する切り返し装置を用いることができる。なお、
本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、
例えば、消滅槽10、沈降槽30、第1のばっ気処理槽
32、第2のばっ気処理槽42、第3のばっ気処理槽4
4、沈降処理槽40、および最終反応槽60を、上記実
施例のように並列に4ラインとする他、複数ライン、単
数ラインにするなどその配置を変更することも勿論可能
である。
【0067】また、図示しないが、消滅槽10、第1の
ばっ気処理槽32、第2のばっ気処理槽42、ならびに
第3のばっ気処理槽44では、表面に泡が発生してしま
い、反応を阻害することがあるが、消泡のために、スチ
ームを液面に吹きかけるようにすることもできる。ま
た、消滅槽10、沈降槽30、第1のばっ気処理槽3
2、第2のばっ気処理槽42、第3のばっ気処理槽4
4、沈降処理槽40、および最終反応槽60は、コンク
リートで地中に埋設しているが、この槽内面を保護する
ために、合成樹脂などで被覆しておくことも可能であ
る。
【0068】ところで、このように構成される本発明の
処理装置1では、消滅槽10、沈降槽30、第1のばっ
気処理槽32、第2のばっ気処理槽42、第3のばっ気
処理槽44、沈降処理槽40のこれらの開口部から、特
に、消滅槽10の上部壁11に配置された投入口12の
開閉蓋14を開け、ゴミ収集車トラックなどで運搬され
た新たな有機性廃棄物を投入する際に、この投入口12
から、例えば、アンモニア、メルカプタンなどの臭気ガ
スが漏洩すれおそれがあり、これが漏洩することになれ
ば、周囲の環境汚染などの原因となる。
【0069】このため、本発明の処理装置1では、図1
0および図11に示したように、消滅槽10、沈降槽3
0、第1のばっ気処理槽32、第2のばっ気処理槽4
2、第3のばっ気処理槽44、および沈降処理槽40か
ら、これらの各槽内で発生した臭気を含んだ発生ガスを
吸引して、消滅槽10、第1のばっ気処理槽32、第2
のばっ気処理槽42、および第3のばっ気処理槽44の
ばっ気装置である散気装置22に還流する吸引還流装置
200が設けられている。
【0070】なお、図10および図11では、説明の便
宜上、一つの消滅槽10と、沈降槽30と、第1のばっ
気処理槽32のみを模式的に示している。この吸引還流
装置200は、図10に示したように、消滅槽10の配
管取付けボックス21から、コンプレッサー室202の
内部に配置されたブロワーなどの吸引装置201に至る
吸引経路204を備えている。
【0071】この吸引経路204には、消滅槽10の上
部壁11に配設された熱交換器100が接続されてい
る。この熱交換器100では、消滅槽10、沈降槽3
0、第1のばっ気処理槽32、第2のばっ気処理槽4
2、第3のばっ気処理槽44、および沈降処理槽40か
ら、これらの各槽の上部に配設した配管取付けボックス
21を介して接続した臭気収集配管(図示せず)を介し
て、これらの各槽内で発生した臭気を含んだ発生ガスを
吸引した際に、これらの臭気に含まれる水蒸気が除去さ
れるようになっている。
【0072】これは、臭気に含まれる水蒸気によって、
ブロワーの性能が低下することになるとともに、後述す
る消臭装置205、消臭装置240、消臭装置250に
充填された活性炭、炭化木質チップなどの多孔質微生物
処理媒質などが水分を含み、ブロワーからのエアーの通
気性が低下して、ブロワーに負荷がかかり、しかも、十
分な吸引排気ができなくなるため、これを防止するため
である。
【0073】なお、このように臭気に含まれる水蒸気を
除去することによって、ある程度臭気が除去されるとと
もに、消臭装置205、消臭装置240、消臭装置25
0によって、消臭効率を飛躍的に向上することができ
る。すなわち、図12および図13に示したように、熱
交換器100は、円管状の熱交換器本体102と、その
内部に配設した複数の冷却管104と、熱交換器本体1
02の両端部に設けた端部接続部106、108と、こ
れら端部接続部に設けられた冷媒接続部入口110およ
び冷媒接続部出口114と臭気管接続部112とを備え
ている。
【0074】なお、この熱交換器100は、凝縮水が下
部槽に流下して、戻りやすいように、通常、右下がりの
状態に設置されるか、または縦型配置としている。そし
て、各槽内で発生した臭気を含んだ発生ガスは、一方の
臭気管接続部112を介して熱交換器本体102内の冷
却管104を流れ、他方の臭気管接続部112から吸引
経路204に流れるようになっている。
【0075】この際、一方の冷媒接続部入口110を介
して、冷却装置120からポンプ122により冷媒供給
ライン124を介して冷却水などの冷媒が供給され、熱
交換器本体102内部に配設した複数の冷却管104の
間を流れる間に、臭気を含む空気と熱交換されることに
よって、空気またはばっ気後の空気に含まれる水蒸気が
液化し、空気から水蒸気が除去されるようになってい
る。そして、熱交換された冷媒は、他方の冷媒接続部出
口114を介して、冷媒還流ライン126を介して再び
冷却装置120に還流されるようになっている。なお、
液化した水蒸気は、熱交換器100に設けたドレイン1
12から下部槽に戻されるようになっている。
【0076】なお、冷却装置120は、冷媒を水とした
場合の例で、冷却用水を収容する冷却水プール130上
に配置され、冷却タワー128内で水の蒸発によって水
を冷却するように構成されている。さらに、処理槽内に
導入される非分解性物質、例えば、ビニール、紙、サイ
ズの大きい塵埃などの吸い込みを防止するために、図示
しないが、熱交換器100の入り口と出口には、粗めの
フィルターを設置するのが望ましい。
【0077】また、従来のシステムでは、ブロワーの集
塵フィルターのきめが細かいのでブロワーの吸引性能を
制限しており、フィルターが水蒸気によって湿った場合
には、フィルターが閉塞された状態となり吸引性能が低
下するが、本装置では、熱交換器を設けてあるため、乾
燥状態であり、ブロワーに与える影響が少ないようにな
っている。
【0078】なお、臭気の発生がひどい場合には、図1
0に示したように、還流経路または吸引経路204に消
臭装置205を配置しても良い。また、吸引経路204
は、ブロワーなどの吸引装置201に接続され、この吸
引装置201の出口には、出口配管216が接続され、
この出口配管216には、排出経路220が接続されて
いる。一方、この出口配管216は、分岐配管218に
よって分岐して、流量制御バルブ222を介して、ブロ
ワーなどの送給装置224に接続されている。
【0079】そして、この送給装置224には、図11
に示したように、還流経路226が接続されており、還
流経路226は、流量制御バルブ228から、第1還流
配管230を介して、消滅槽10の散気装置22に接続
されているとともに、流量制御バルブ232を介してか
ら第2還流配管234を介して、第1のばっ気処理槽3
2の散気装置22に接続されている。
【0080】また、分岐配管218の流量制御バルブ2
22の下流側には、図11に示したように、図示しない
空気供給源に接続された空気供給配管236が接続さ
れ、この空気供給配管236には流量制御バルブ238
が設けられており、還流経路226から、配管取付けボ
ックス21を介して、消滅槽10および第1のばっ気処
理槽32に還流されるガスに、これらのばっ気処理、す
なわち好気性発酵に必要な新鮮な空気を補充するように
なっている。
【0081】さらに、図11に示したように、図示しな
い空気供給源に接続された空気供給配管260、ブロワ
ーなどの送給装置262、流量制御バルブ264、なら
びに空気導入配管266を介して、消滅槽10の別の配
管取付けボックス21を介して、消滅槽10内に新鮮な
空気を導入するようになっている。なお、この場合、空
気供給配管236を介して、新鮮な空気を導入したが、
酸素を導入することも、また、消滅槽10および第1の
ばっ気処理槽32に棲息する微生物に応じて、これらの
空気若しくは酸素の代わりに、または空気若しくは酸素
とともに、例えば、微生物の増殖、若しくは増殖抑制に
有効となるその他の気体若しくは成分を導入するように
することも勿論可能である。
【0082】一方、排出経路220には、その途中に第
1の消臭装置240が配設されている。この第1の消臭
装置240としては、例えば、図10〜図11および図
14に示したように、地中や施設の地下部に埋設された
円筒形状のパイプ本体242に多数の小孔244を形成
し、その周囲に、活性炭からなる粉炭、および消滅槽1
0で使用したと同様な多孔質微生物処理媒質からなる消
臭材241をその周囲に敷設して構成することができ
る。この場合、粉炭の粒子サイズとしては、0.1〜1
0mmとするのが消臭除去効果からすれば望ましいこの
中を臭気を含んだ発生ガスを通過させることによって、
臭気を活性炭に吸着させるとともに、この活性炭に自然
に発生し棲息する微生物によって、発生ガスの臭気成分
が分解・消臭されるようになっている。なお、この場
合、この活性炭とともに、同様な多孔質微生物処理媒質
を用いてもよい。この場合には、活性炭粉炭と微生物処
理媒質の充填割合としては、3:1〜1:3(体積)の
割合で充填するのが、消臭効率からすれば望ましい。
【0083】この第1の消臭装置240は、臭気成分
を、小孔244を介してこれらの粉炭などによってさら
に消臭して、外部に排出するためのものである。さら
に、この第1の消臭装置240のパイプ本体242の出
口端は、図15に示したように、第2の消臭装置250
に接続されている。この第2の消臭装置250は、第1
の消臭装置240のパイプ本体242の小孔244を介
して外部に排出されなかった発生ガスの臭気成分を分解
・消臭して、最終的に第2の消臭装置250に形成され
た排出口252を介して外部に排出するように構成され
ている。この第2の消臭装置250は、円筒タワー形状
のタワー本体254内に、上述した第1の消臭装置24
0で用いたと同様な活性炭からなる粉炭、および消滅槽
10で使用したと同様な多孔質微生物処理媒質からなる
消臭材256を充填して構成されている。この場合に
は、活性炭粉炭と微生物処理媒質の充填割合としては、
3:1〜1:3(体積)の割合で充填するのが、消臭効
率からすれば望ましい。
【0084】このように構成される吸引還流装置200
は、別途図示しない制御装置によって制御されて、以下
のように作動するようになっている。すなわち、装置の
初期稼働状態において、消滅槽1内に投入口12から投
入された有機性廃棄物を、処理水と多孔質微生物処理媒
質とともに、撹拌装置19のプロペラ16を作動させる
ことによって撹拌して懸濁状態になるようにされる。
【0085】これと同時に、送給装置224を作動する
とともに、空気供給配管236の流量制御バルブ238
を制御して、図示しない空気供給源から還流経路226
の第1還流配管230を介して、散気装置22より消滅
槽10内に新鮮な空気を導入して、ばっ気処理にて消滅
槽10内で好気性発酵処理を実施する。なお、この際、
必要に応じて、空気供給配管260、ブロワーなどの送
給装置262、流量制御バルブ264、ならびに空気導
入配管266を介して、消滅槽10の別の配管取付けボ
ックス21を介して、消滅槽10内に新鮮な空気を導入
するようになっている。
【0086】また、この際には、第1のばっ気処理槽3
2への第2還流配管234の流量制御バルブ232と、
分岐配管218の流量制御バルブ222とは閉止されて
いる状態である。そして、流量制御バルブ222を開放
するとともに、吸引装置201を作動させて、消滅槽1
0内で発生した臭気を含んだ発生ガスを吸引経路204
を介して吸引する。
【0087】なお、この場合、消滅槽10だけでなく、
沈降槽30、第1のばっ気処理槽32、第2のばっ気処
理槽42、第3のばっ気処理槽44、および沈降処理槽
40を含めた全ての処理槽からの臭気を含んだ発生ガス
を吸引経路204を介して吸引される。これによって、
各槽内で発生した臭気を含んだ発生ガスは、熱交換器中
の冷却管104内を流れ、熱交換器本体102の冷却管
104の間を流れる冷媒と熱交換されることによって、
臭気に含まれる水蒸気が液化し、臭気から水蒸気が除去
されるようになっている。
【0088】そして、水蒸気が除去された発生ガスは、
出口配管216を介して排出経路220に排出される。
この際、流量制御バルブ222を調整することによっ
て、分岐配管218から送給装置224にその一部が還
流され、空気供給配管236からの新鮮な空気とともに
水蒸気が除去され、ある程度臭気が分解・消臭された発
生ガスが、消滅槽10内に還流されるようになってい
る。
【0089】この際には、図示しない制御装置によっ
て、空気供給配管236の流量調整バルブ238を調整
することによって、消滅槽10のばっ気処理に必要な新
鮮な空気の導入量が調整されるようなっている。また、
第1還流配管230の流量制御バルブ228、分岐配管
218の流量制御バルブ222を制御することによっ
て、消滅槽10内が負圧、好ましくは、10〜100mm
2Oの負圧となるように制御されており、これによ
り、消滅槽10の開口部などから臭気が外部に漏洩しな
いようになっている。特に、消滅槽10の上部壁11に
配置された投入口12の開閉蓋14を開け、ゴミ収集車
トラックなどで運搬された新たな有機性廃棄物を投入す
る際に臭気が外部に漏洩しないようになっている。
【0090】そして、装置の稼働が進んで、上述するよ
うに、第1のばっ気処理槽32および沈降処理槽40に
おけるそれぞれの処理が行われる際には、第2還流配管
234の流量制御バルブ232を調整して、第1のばっ
気処理槽32の散気装置22への水蒸気が除去され、あ
る程度臭気が分解・消臭された発生ガスと新鮮な空気が
供給されるようになっている。なお、この際にも、第1
のばっ気処理槽32および沈降処理槽40は、消滅槽1
0と同様に吸引還流装置200によって、負圧となるよ
うに制御されており、これにより、第1のばっ気処理槽
32および沈降処理槽40の開口部などから臭気が外部
に漏洩しないようになっている。
【0091】一方、臭気成分が分解・消臭され塵埃が除
去された発生ガスの残部は、出口配管216を介して排
出経路220に排出される。すなわち、第1の消臭装置
240の小孔244を介して、その周囲の活性炭からな
る粉炭、多孔質微生物処理媒質第によってその臭気が分
解・消臭されて外部に排出される。そして、第1の消臭
装置240を介して外部に排出されなかった発生ガス
は、第2の消臭装置250に供給されて、そのタワー本
体254内に充填された活性炭からなる粉炭、多孔質微
生物処理媒質によってその臭気成分が分解・消臭され、
排出口252を介して外部に排出されるようになってい
る。
【0092】なお、上記実施例の消臭装置205、消臭
装置240、250のように、活性炭からなる粉炭、多
孔質微生物処理媒質を利用した消臭装置の他に、例え
ば、オゾンを用いた消臭装置、酸化チタンなどの光触媒
を用いた消臭装置を用いることも可能である。以上、本
発明の実施例を説明したが、本発明は実施例に限定され
るものでなく、例えば、上記実施例では、加熱装置27
として加熱水蒸気(スチーム)を利用した加熱装置を用
いたが、灯油、ガスなど水中で燃焼させる水中燃焼ヒー
タ、またスケールを考慮しない小規模の場合にはシーズ
ヒータなどの電気ヒータ、太陽熱温水器などでも良いこ
とは勿論である。
【0093】また、本発明の有機性廃棄物の処理装置に
おいて、吸引経路204の吸引装置201と反応槽との
間に、集塵装置を兼ねた脱臭装置205を設けておく。
なお、この集塵装置としては、粗めの濾布、フェルトか
らなる集塵フィルター、多孔質濾過材、木質細片、炭化
木質細片などが使用可能である。これにより、発生ガス
中に含まれる塵埃を除去することが可能であり、これに
より、反応槽に還流するガス中に塵埃が含まれないの
で、ばっ気効率および好気性発酵の効率が向上するとと
もに、排出経路にて装置外部に排出される場合にもガス
中に塵埃が含まれないので、周囲の環境汚染を防止する
ことができる。
【0094】なお、本発明の請求項における反応槽と
は、消滅槽10、沈降槽30、第1のばっ気処理槽3
2、第2のばっ気処理槽42、第3のばっ気処理槽4
4、および沈降処理槽40を含めた全ての処理槽を言
う。さらに、本発明では、吸引還流装置200を従来の
処理装置のように単一の反応槽からなる処理槽に適用し
ても良いことは勿論である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る有機
性廃棄物の処理装置および処理方法によれば、反応槽内
で発生した臭気ガスを吸引してその一部を還流経路を介
して反応槽に還流して反応槽のばっ気に用いるので、発
生ガスをリサイクルすることができるため、ばっ気処理
による好気性発酵および通性嫌気性発酵を効率よく実施
することが可能である。
【0096】しかも、熱交換器によって、各反応槽内で
発生した臭気を含んだ発生ガスを吸引した際に、これら
の臭気に含まれる水蒸気が除去されるようになってい
る。また、熱交換器を通して、発生ガスの水蒸気を除去
することによって、ある程度臭気成分を除去することも
できる。これにより、従来では、臭気に含まれる水蒸気
によって、ブロワーの性能が低下することになるととも
に、消臭装置に充填された活性炭、炭化木質チップなど
の多孔質微生物処理媒質などが水分を含み、ブロワーか
らのエアーの通気性が低下して、ブロワーに負荷がかか
り、しかも、十分な吸引排気ができなくなるが、本発明
によれば、これを防止することが可能となる。
【0097】また、本発明では、吸引装置による吸引量
と、送給装置による還流量とを制御して反応槽内が負圧
状態となるように構成されているので、反応槽で発生す
る臭気ガスが開口箇所から、特に、処理反応槽へ汚泥や
生ゴミを投入する際に投入口から外部に漏洩することが
なく、周囲への環境汚染を防止することが可能となる。
【0098】また、本発明では、還流経路を介して反応
槽に還流する発生ガスとともに空気を導入して反応槽の
ばっ気に用いるため、反応槽内で好気性発酵および通性
嫌気性発酵によって消費された酸素を補ってばっ気処理
することが可能であるので、好気性発酵の効率が低下す
ることがなく効率よく処理を実施することが可能であ
る。
【0099】さらに、本発明では、吸引装置で吸引され
た発生ガスを外部に排出する排出経路を設けたので、発
生ガスを還流経路を介して、反応槽内で必要とするばっ
気量分だけ還流できるので反応槽内での好気性発酵を効
率よく実施できる。また、吸引された発生ガスの余剰分
を排出経路を介して外部に排出することになるので、外
部に排出するガス量を極力抑えることができるととも
に、この外部へ排出されるガスは消臭装置で消臭されて
いるので、臭気による周囲の環境汚染を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の有機性廃棄物の処理装置を示
した平面図である。
【図2】図2は、図1の有機性廃棄物の処理装置の縦断
面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線での断面図で
ある。
【図4】図4は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の消
滅槽の散気装置の配置を説明する概略図である。
【図5】図5は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の配
管取付けボックスの平面図である。
【図6】図6は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の配
管取付けボックスの側面図である。
【図7】図7は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の消
滅槽の加熱装置の配置を説明する概略図である。
【図8】図8は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の最
終反応槽の縦断面図である。
【図9】図9は、本発明の有機性廃棄物の処理装置の最
終反応槽の横断面図である。
【図10】図10は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の吸引側要部概略説明図である。
【図11】図11は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の送給側要部概略説明図である。
【図12】図12は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の熱交換器の側面図である。
【図13】図13は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の熱交換器の断面図である。
【図14】図14は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の第1の消臭装置の概略断面図である。
【図15】図15は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の第2の消臭装置の概略断面図である。
【図16】図16は、本発明の有機性廃棄物の処理装置
の最終反応槽の別の実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 処理装置 10 消滅槽 10a 消滅槽 10b 消滅槽 11 上部壁 12 投入口 13 マンホール 14 開閉蓋 16 プロペラ 18 駆動シャフト 19 撹拌装置 20 モータ 21 ボックス 21a ボックス本体 21b 配管等接続部 21c パッキン 21d 開閉蓋 21e 取っ手 21f パッキン 22 散気装置 23 流量調整バルブ 24 散気管本管 25 逆止弁 26 散気装置本体 27 加熱装置 29 スチーム本管 29a 先端 29b 開口部 29c サイレンサー 29d、29e ジョイント 29f、29g ノズル通路 30 沈降槽 32 ばっ気処理槽 35 ポンプ 40 沈降処理槽 42 ばっ気処理槽 44 ばっ気処理槽 51 供給管 53 供給孔 54 供給本管 60 最終反応槽 64 シンダーコンクリート 66 傾斜底面 68 上部 81 フィルター排出孔 82 排出管 84 排出ポンプ 86 排出本管 90 掬い撹拌装置 100 熱交換器 102 熱交換器本体 104 冷却管 106、108 端部接続部 110 冷媒接続部入口 112 臭気管接続部 114 冷媒接続部出口 120 冷却装置 122 ポンプ 124 冷媒供給ライン 126 冷媒還流ライン 128 冷却タワー 130 冷却水プール 200 吸引還流装置 201 吸引装置 202 コンプレッサー室 204 吸引経路 205 消臭装置 216 出口配管 218 分岐配管 220 排出経路 222 流量制御バルブ 224 送給装置 226 還流経路 228 流量制御バルブ 228 流量調整バルブ 230 還流配管 232 流量制御バルブ 234 還流配管 236 空気供給配管 238 流量制御バルブ 240 消臭装置 241 消臭材 242 パイプ本体 244 小孔 250 消臭装置 252 排出口 254 タワー本体 256 消臭材 260 空気供給配管 262 送給装置 264 流量制御バルブ 266 空気導入配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/02 B09B 3/00 D 11/04 Fターム(参考) 4D002 AB02 AC10 BA04 BA13 CA20 DA41 EA05 HA06 4D004 AA03 AC05 CA04 CA19 4D040 BB42 4D059 AA03 BA03 BA11 BK02 BK11 CA15 CA16 CA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生ゴミ、汚泥などの有機性廃棄物を反応
    槽内で少なくとも好気性発酵および通性嫌気性発酵を行
    って処理する有機性廃棄物の処理装置において、 前記反応槽内で発生する臭気ガスなどの発生ガスを、吸
    引する反応槽に接続した吸引経路と、 前記吸引装置で吸引された発生ガスを外部に排出する排
    出経路と、 前記吸引装置によって吸引された発生ガスの一部を、前
    記吸引装置に接続された送給装置によって、前記反応槽
    のばっ気装置に還流する還流経路と、 前記反応槽からの発生ガスに含まれる水蒸気を除去する
    熱交換器とを備えることを特徴とする消臭装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引装置による吸引量と、送給装置
    による還流量とを制御して反応槽内が負圧状態となるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    消臭装置。
  3. 【請求項3】 前記送給装置に空気を導入する空気導入
    経路を設けて、前記還流する発生ガスとともに空気をば
    っ気装置に導入するように構成したことを特徴とする請
    求項1又は2のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理装
    置。
  4. 【請求項4】 生ゴミ、汚泥などの有機性廃棄物を反応
    槽内で少なくとも好気性発酵および通性嫌気性発酵を行
    って処理する有機性廃棄物の処理方法において、 前記反応槽内で発生する臭気ガスなどの発生ガスに含ま
    れる水蒸気を熱交換器により除去し、 前記水蒸気が除去された臭気ガスなどの発生ガスを反応
    槽に接続した吸引経路を介して吸引し、 前記吸引装置で吸引された発生ガスを排出経路外部に排
    出するとともに、 前記吸引装置によって吸引された発生ガスの一部を、還
    流経路を介して反応槽に還流して反応槽のばっ気に用い
    ることを特徴とする消臭方法。
  5. 【請求項5】 前記吸引量と、還流量とを制御して反応
    槽内が負圧状態となるようにすることを特徴とする請求
    項4に記載の消臭方法。
  6. 【請求項6】 前記還流経路を介して反応槽に還流する
    発生ガスとともに空気を導入して反応槽のばっ気に用い
    ることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の
    消臭方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111908751A (zh) * 2020-08-10 2020-11-10 深圳绿百洲环保生物科技有限公司 一种基于多层微生物复合菌填料的污泥除臭处理方法
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