JP2001238373A - 非接触電力伝達装置 - Google Patents
非接触電力伝達装置Info
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Abstract
範囲にわたって負荷電圧を定電圧化することができる安
価な非接触電力伝達装置を提供する。 【解決手段】分離可能なトランスTの2次側に2次巻線
n2の出力を全波整流する整流回路2が設けられてい
る。トランスTの2次巻線n2には、コンデンサC2が
並列接続されている。負荷5へ供給する負荷電流範囲の
最大値を規定するためにトランスTの1次巻線n1の両
端電圧の極性反転時点とコンデンサC2の両端電圧が極
大値、極小値となる時点とが略一致することを第1の条
件とし、負荷5へ供給する負荷電流範囲の最小値を規定
するために1次巻線の両端電圧の極性反転時点とコンデ
ンサC2の放電が完了する時点とが略一致することを第
2の条件とし、上記第1の条件及び上記第2の条件を同
時に満たすようにコンデンサC2の容量値を設定してあ
る。
Description
線との間が分離可能なトランスを備え、1次巻線が巻回
されたコアと2次巻線が巻回されたコアとが非接触の状
態でトランスの1次側から2次側へ電力を伝達する非接
触電力伝達装置に関するものである。
コアと2次巻線が巻回された2次側コアとで、1次巻線
と2次巻線との間が分離可能なトランスを構成し、1次
側コアと2次側コアとが非接触の状態で電磁誘導を利用
してトランスの1次側から2次側へ電力を伝達する非接
触電力伝達装置の実用化が各所で行われている。
非接触電力伝達装置は、トランスの2次側の出力端子間
に接続される負荷が特定されているものが大半であり、
出力端子間に接続可能な負荷として、複数種類の負荷を
対象としたり、1種類の負荷であっても負荷電流が大き
く変化するような負荷を対象とした非接触電力伝達装置
の実用化例は見当たらない。
は、電力供給側となる上記トランスの1次側と出力端子
間に負荷が接続される2次側との間に電気的絶縁物が介
在した状態で1次側から2次側へ電力を伝送するもので
あるから、トランスの磁気結合度が低く、2次巻線に鎖
交する磁束が1次巻線で発生する総磁束よりも少なくな
るとともに、漏れ磁束による漏れインダクタンスが生じ
ている。
線へ供給される高周波交流電圧の周波数は一般に可聴域
周波数以上の周波数(つまり、約20kHz以上の周波
数)であるが、上記分離可能なトランスは磁気結合度が
低く漏れインダクタンスがあるので、2次巻線の誘起電
圧が低下するとともに漏れインダクタンスによる誘導リ
アクタンスでの電圧降下が生じるから、結果として、負
荷へ供給される電圧(負荷電圧)が所望の負荷電圧より
も小さくなったり、負荷へ流れる電流(負荷電流)が所
望の負荷電流よりも小さくなったりすることがある。
荷電流が種々異なる複数種類の機器を負荷の対象とする
場合、負荷電流が大きな負荷ほど、負荷の両端電圧が低
下してしまい、機器本来の性能を発揮できなくなる。
離可能なトランスTの2次側に設けた整流回路2及びチ
ョークコイルLCHを通して可変抵抗よりなる負荷5へ負
荷電流Iを供給する回路について説明する。なお、整流
回路2は、周知の全波整流回路であって、トランスTの
2次巻線n2にセンタタップ10を設けるとともに、2
次巻線n2の両端をそれぞれダイオードD2,D3のア
ノードに接続し、両ダイオードD2,D3のカソード同
士を接続してある。
接続点と2次巻線n2のセンタタップ10との間にはチ
ョークコイルLCHと負荷5との直列回路が接続され、負
荷5にはコンデンサC3が並列接続されている。
クコイルLCHのインダクタンス値を100μH、負荷5
に並列接続されたコンデンサC3の容量値を100μ
F、トランスTの1次側コア8と2次側コア9との間の
ギャップgを2mmとし、1次巻線n1に図24(b)
に示すように最大振幅が70Vで周波数が略97kHz
の方形波状の高周波交流電圧を印加する場合、負荷5の
抵抗値を種々変化させて負荷電圧(出力電圧)−負荷電
流特性と、負荷電力−負荷電流特性とを測定すると、図
26に示すような特性が得られる。ここに、図26は横
軸が負荷電流I、左側の縦軸が負荷電圧V5、右側の縦
軸が負荷電力Pであって、同図中のイが負荷電圧、ロが
負荷電力を示す。
構成を有し、1次巻線n1がU型の1次側コア8の脚部
2箇所に分けて巻回され、2次巻線n2がU型の2次側
コア9の脚部2箇所に分けて巻回され、2次巻線n2の
中点にセンタタップ10が設けられている。ここに、こ
のトランスTの1次側のコイル端子A−A’側から見た
インダクタンス値は112μH、2次側のコイル端子B
−B’から見たインダクタンス値は42μH、1次巻線
n1と2次巻線n2との相互インダクタンス値は91μ
Hである。
電圧V5はほぼ単調に減少し、負荷電力Pは負荷電流I
が大きくなるにつれて増加量が小さくなっている(飽和
している)ことが分かる。
達装置では、トランスTの漏れインダクタンスによる影
響を打ち消し合ってトランスTの1次側から2次側へ取
り出す有効電力を増加させる(すなわち、負荷整合によ
る力率の改善)ためにトランスTの2次巻線n2に並列
若しくは直列にコンデンサ(整合用のコンデンサ)が接
続されている。
とによって、一定の負荷に対しては、電力伝送効率が大
幅に向上するので、装置の小型化を図ることができる。
したがって、整合用のコンデンサは非接触電力伝達装置
の実用化にあたっての重要な構成要素となっている。
を設けた非接触電力伝達装置では、負荷電流Iが大きく
変化する負荷に対しては、整合用のコンデンサを設けて
いない場合に比べて負荷電圧V5が顕著に低下してしま
うという不具合があった。
構成であって、図27(a)に示すように、分離可能な
トランスTの2次巻線n2に整合用のコンデンサC2を
並列接続したものにおいて、トランスTの1次巻線n1
へ図27(b)に示すように最大振幅が70Vで周波数
が略97kHzの方形波状の高周波交流電圧を供給し、
可変抵抗よりなる負荷5の抵抗値を種々変化させると、
図29に示すような負荷電圧(出力電圧)−負荷電流特
性と負荷電力−負荷電流特性が得られる。ここに、図2
9は横軸が負荷電流I、左側の縦軸が負荷電圧V5、右
側の縦軸が負荷電力Pであって、同図中のイが負荷電
圧、ロが負荷電力を示す。なお、以下では、(負荷電圧
V5の変化幅)/(負荷電流の変化幅)で求められる値
を電圧変化率と称す。
増加するほど電圧変化率が大きくなっていることが分か
る。また、負荷電力Pは負荷電流Iが増加すると、ある
負荷電流値でピークを持つ特性となっていることが分か
る。さらに、負荷電流Iが非常に小さい負荷電流領域で
は、負荷電圧V5が大きくなっていることが分かる。
ランスTの2次巻線n2に誘起される電圧を使った2次
側換算された等価回路は図28に示すように表すことが
できる。ここで、図27(a)における2次巻線n2の
ダイオードD2が接続された一端とセンタタップ10と
の間の部分が図28における高周波交流電源1aとイン
ダクタンスL03とで等価的に表され、2次巻線n2の
他端とセンタタップ10との間の部分が図28における
高周波交流電源1bとインダクタンスL04とで表され
ている。
達装置において、負荷電圧(入力電圧)が同じで電力が
異なる複数種類の負荷、すなわち負荷電流が異なる負荷
に対して負荷電圧を定電圧化(安定化)する方法として
は、トランスTの2次側で負荷電圧を検出し、該検出電
圧と基準値とを比較して誤差増幅し、誤差増幅された信
号をトランスTの1次側に非接触で伝送し、トランスT
の1次巻線n1に供給される高周波交流電圧の振幅や周
波数、デューティなどを制御するフィードバック制御回
路を設ける方法や、トランスTの2次側に独立した安定
化電源回路を設けてこれを負荷へ接続する方法などが考
えられる。
制御回路や安定化電源回路を設けると、部品点数が増加
するとともにコストが高くなってしまう。ここにおい
て、フィードバック制御回路や安定化電源回路を設けて
いない状態での負荷電圧の安定度が良好なほど、これら
の回路を設けたことによる効果が高まり、追加する部品
点数の削減が期待できる。
することなしに、負荷電流の広い範囲にわたって負荷電
圧(出力電圧)を一定化することができ比較的簡単な回
路構成で安価な非接触電力伝達装置の開発が望まれてい
た。
あり、その目的は、回路構成を複雑化することなく負荷
電流の広い範囲にわたって負荷電圧を定電圧化すること
ができる安価な非接触電力伝達装置を提供することにあ
る。
目的を達成するために、1次巻線と2次巻線との間が分
離可能なトランスと、該トランスの2次巻線に並列接続
されたコンデンサとを備え、トランスの1次巻線へ高周
波交流電圧を供給しトランスの2次巻線を通して負荷へ
電力を供給する非接触電力伝達装置であって、負荷へ供
給する負荷電流範囲の最大値を規定するために上記1次
巻線の両端電圧の極性反転時点と上記コンデンサの両端
電圧が極大値、極小値となる時点とが略一致することを
第1の条件とし、負荷へ供給する負荷電流範囲の最小値
を規定するために上記1次巻線の両端電圧の極性反転時
点と上記コンデンサの放電が完了する時点とが略一致す
ることを第2の条件とし、上記第1の条件及び上記第2
の条件を同時に満たすように上記コンデンサの容量値を
設定してなることを特徴とするものであり、フィードバ
ック制御回路を設けることなしに、つまり、回路を複雑
化することなしに安価な回路構成で、負荷電流の広い範
囲にわたって負荷電圧を定電圧化することができるか
ら、負荷電流が大きく変化する負荷や負荷電圧が一定で
負荷電流が異なる複数種類の負荷へ略一定の負荷電圧を
供給することができる。
て、上記トランスの2次側換算された漏れインダクタン
スをL02、上記コンデンサの容量値をC2、上記高周
波交流電圧の周波数をfとするとき、 4・π・f・(L02・C2)1/2=1 の条件式を満たすように回路定数が設定されているの
で、上記負荷電流範囲の最大値以下の負荷電流に対して
出力電圧を定電圧化することができる。
2の発明において、上記負荷電流範囲の最小値より小さ
い負荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すための
ダミー負荷を負荷が接続される出力端子間に接続してあ
るので、上記負荷電流範囲の最小値より小さい負荷電流
領域でも上記最小値以上の電流を流すことができる。
3の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧
を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷
へ流れる負荷電流が上記負荷電流範囲内のときに上記ト
ランスの2次側で負荷へ供給される出力電圧が定電圧化
されるように上記高周波交流電圧の周波数が自動的に変
化するので、負荷電流の広い範囲にわたって負荷電圧を
定電圧化することができる。
て、上記駆動回路は、負荷電流が大きいほど上記高周波
交流電圧の周波数が自動的に高くなることを特徴とし、
請求項4の発明と同様の作用を奏する。
5の発明において、上記駆動回路は、負荷電流の変化に
対応するように上記高周波交流電圧の立ち上がり時間と
立ち下がり時間との少なくとも一方が自動的に変化する
ことにより上記高周波交流電圧の周波数が変化するの
で、請求項4または請求項5の発明と同様の作用を奏す
る。
て、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列接続された共
振用コンデンサを備え、上記高周波交流電圧の立ち上が
り期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間は、
上記共振用コンデンサとインダクタンス成分とによる共
振電圧を利用して時間が決まるので、請求項6の発明と
同様の作用を奏する。
3の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧
を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷
電流範囲において上記トランスの2次側で負荷へ供給さ
れる出力電圧が定電圧化されるように上記高周波交流電
圧の波形が変化するので、請求項1ないし請求項3の発
明と同様の作用を奏する。
て、上記高周波交流電圧は、負荷電流の増減に対応して
当該高周波交流電圧の等価電圧振幅が増減するように電
圧波形が変化するので、請求項8の発明と同様の作用を
奏する。
いて、上記高周波交流電圧の電圧波形が台形波状であ
り、当該電圧波形の斜辺の傾きが負荷電流に対応して変
わることで等価電圧振幅が変化するので、請求項9の発
明と同様の作用を奏する。
おいて、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列接続され
た共振用コンデンサを備え、上記高周波交流電圧の立ち
上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間
の波形は、上記共振用コンデンサとインダクタンス成分
による共振電圧を利用して決まるので、請求項10の発
明と同様の作用を奏する。
項11の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流
電圧を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、共振
型のインバータよりなるので、請求項1ないし請求項1
1の発明と同様の作用を奏する。
おいて、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を供給する
駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列
接続され上記1次巻線との間で共振を起こす共振用コン
デンサを有する部分共振型のインバータであるので、ソ
フトスイッチングを維持しながら、負荷電流の広い範囲
にわたって負荷電圧を定電圧化することができる。
おいて、上記駆動回路は、上記1次巻線と上記1次巻線
に並列接続された共振用コンデンサとによる電圧共振回
路を備え、上記高周波交流電圧の電圧波形が正弦波状と
なるので、請求項12の発明と同様の作用を奏する。
項11または請求項13の発明において、上記駆動回路
は、当該駆動回路においてスイッチングされるスイッチ
ング素子のオン時間が一定であり、部分共振が起こって
いる期間であって上記高周波交流電圧の電圧波形の立ち
上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間
において、負荷電流に対応して当該期間の時間と当該期
間での電圧波形との少なくとも一方が変化するので、ソ
フトスイッチングを維持しながら、負荷電流の広い範囲
にわたって負荷電圧を定電圧化することができる。
おいて、上記インバータは、ハーフブリッジ型のインバ
ータなので、トランスのコアの利用効率が高くなる。
おいて、上記インバータは、プッシュプル型のインバー
タなので、トランスのコアの利用効率が高くなる。
おいて、上記インバータは、上記トランスの1次巻線に
それぞれ磁気結合した帰還巻線及び補助巻線と、帰還巻
線を通して制御端へ入力電圧が与えられる電圧駆動型の
スイッチング素子と、補助巻線の両端間に接続され上記
入力電圧を制御する充放電回路とを備え、補助巻線の誘
起電圧による充電電圧が所定電圧に達したときに上記入
力電圧を低下させて上記スイッチング素子をオフさせる
自励式のインバータなので、負荷電流に対応してスイッ
チング素子のオフ期間に生じる1次巻線の電圧の共振状
態の変化を利用して電圧の立ち上がり時間と立ち下り時
間と波形とが変化するから、広い負荷電流範囲にわたっ
て負荷電圧を定電圧化することができる。
項18の発明において、上記負荷電流範囲の最小値より
小さい負荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すた
めの抵抗を負荷が接続される出力端子間に接続してなる
ので、上記負荷電流範囲の最小値より小さい負荷電流領
域でも上記最小値以上の電流を流すことができ、すべて
の負荷電流領域において出力電圧を自動的に定電圧化す
ることができる。
の非接触電力伝達装置の要部回路図を示す。本実施形態
の非接触電力伝達装置の構成は図27(a)に示した従
来構成と同じであり、図1に示すように、分離可能なト
ランスTの2次側に2次巻線n2の出力を全波整流する
整流回路2が設けられ、整流回路2の出力端間にチョー
クコイルLCHと抵抗よりなる負荷5との直列回路が接続
され、負荷5にコンデンサC3が並列接続されている。
また、トランスTの2次巻線n2には、整合用のコンデ
ンサC2が並列接続されている。ここに、トランスTの
1次巻線n1には図示しない駆動回路から高周波交流電
圧が供給される。
であって、トランスTの2次巻線n2にセンタタップ1
0を設けるとともに、2次巻線n2の両端をそれぞれダ
イオードD2,D3のアノードに接続し、両ダイオード
D2,D3のカソード同士を接続してある。また、トラ
ンスTの構成は図25で説明した従来構成と同じであ
る。
示す回路において、負荷5の抵抗値を種々変化させて上
述の図29に示すような負荷電圧(出力電圧)−負荷電
流特性、負荷電力−負荷電流特性などの出力特性を測定
するにあたって、コンデンサC2の容量値を変化させる
と、出力特性がいろいろな形をとるが、コンデンサC2
の容量値を適宜選択することにより、負荷電流の変化に
対する負荷電圧(出力電圧)の変動を小さくできる領域
がある(つまり、上述の電圧変化率を小さくできる領域
がある)ことを発見した。このような出力特性の例を図
2、図3にそれぞれ示す。
おいて、チョークコイルLCHのインダクタンス値を10
0μH、負荷5に並列接続されたコンデンサC3の容量
値を100μF、トランスTの1次側コア8と2次側コ
ア9との間のギャップgを2mmとし、1次巻線n1に
上述の図24(b)に示すように最大振幅が70Vで周
波数が略97kHzの方形波状の高周波交流電圧を印加
し、負荷5の抵抗値を種々変化させて得られた出力特性
である。ここに、図2及び図3は、横軸が負荷電流、左
側の縦軸は負荷電圧V5、右側の縦軸は負荷電力Pであ
り、各図中のイが負荷電圧、ロが負荷電力を示す。
特性に比べて上述の電圧変化率(負荷電圧V5の変化幅
/負荷電流Iの変化幅)が比較的小さな負荷電流範囲が
存在している。ここにおいて、図2及び図3それぞれで
は、上述の電圧変化率が比較的小さな負荷電流範囲にお
ける負荷電流Iの最大値(以下、最大負荷電流値と称
す)をImax、該負荷電流範囲における負荷電流Iの最
小値(以下、最小負荷電流値と称す)をIminとして表
記してある。
流特性において最小負荷電流値Iminから最大負荷電流
値Imaxまでの負荷電流範囲における電圧変化率は約
0.6V/Aである。これに対して、上述の図29の負
荷電圧−負荷電流特性では、負荷電流値が1〜4Aの負
荷電流範囲における電圧変化率が約2.5V/A程度で
あるから、図2及び図3に示す負荷電圧−負荷電流特性
は図29に示す負荷電圧−負荷電流特性に比べて電圧変
化率が十分小さくなっていることが分かる。つまり、図
2及び図3に示す負荷電圧−負荷電流特性では、最小負
荷電流値Iminから最大負荷電流値Imaxまでの負荷電流
範囲において負荷電圧V5が略安定しているので、この
負荷電流範囲において負荷電圧を定電圧化することがで
きる。
負荷電圧−負荷電流特性において負荷電圧V5が略安定
する負荷電流範囲が得られる場合において、図4〜図6
を参照しながら説明する以下のような共通の特徴を有す
ることを見出した。なお、図4〜図6は、図28に示し
た図27(a)の回路の2次側換算の等価回路における
各部の動作波形説明図であって、図4〜図6の(a)は
1次巻線n1の両端電圧E1S、(b)は電源部1aの両
端電圧E3S、(c)はコンデンサC2の両端電圧VC2、
(d)はインダクタンスL03の両端電圧VL03、
(e)はインダクタンスL04の両端電圧VL04、
(f)は整流回路2の出力端間の電圧EL、(g)はイ
ンダクタンスL03に流れる電流IL03、(h)はイン
ダクタンスL04に流れる電流IL04、(i)はコンデ
ンサC2に流れる電流IC2、(j)はダイオードD2に
流れる電流Id2、(k)はダイオードD3に流れる
Id3、(l)は負荷5に流れる負荷電流I、をそれぞれ
示す。
値Imaxのときの回路状態では、図4(a)に示す1次
巻線n1の両端電圧ES1の極性反転時点(例えば時刻t
1,t3)と、図4(c)に示すコンデンサC2の両端
電圧VC2が極大値、極小値になる時点(時刻t1,t
3)とが略一致する。なお、この条件が非接触電力伝送
における負荷整合条件になることは、既に特願平11−
45422号に提案している。
値Iminのときの回路状態では、コンデンサC2の両端
電圧VC2が図5(c)に示すように充放電において放電
が完了する時点(つまり、コンデンサC2の充放電にお
いてコンデンサC2の両端電圧VC2が略ゼロボルトの状
態からコンデンサC2の充電が開始してコンデンサC2
の両端電圧VC2が極大値または極小値に達してコンデン
サC2の放電が開始されコンデンサC2の両端電圧VC2
が略ゼロボルトに戻った時点t1、t3)で図5(a)
に示す1次巻線n1の両端電圧E1S(及び2次側換算の
誘起電圧E3S)の極性が反転する。すなわち、負荷電流
Iの大きさが最小負荷電流値Iminのときの回路状態で
は、1次巻線n1の両端電圧E1Sの極性反転時点と、コ
ンデンサC2の充放電においてコンデンサC2の放電が
完了する時点(言い換えれば、コンデンサC2の両端電
圧VC2の振動波形の1周期が完了する時点)とが略一致
する。なお、1周期が完了とは、図5(c)に示すよう
にコンデンサC2の両端電圧VC2が略ゼロボルトから
振動を開始して極大値または極小値を1回経過して再び
略ゼロボルトに戻ることを意味している。
荷電流値Iminから最大負荷電流値Imaxまでの間の任意
の電流値となるときの動作波形は、負荷電流Iが最小負
荷電流値Iminとなる条件を満たすときの波形と負荷電
流Iが最大負荷電流値Imaxとなる条件を満たすときの
波形との間の中間的な波形となる。ところで、負荷電圧
V5の定電圧化が必要なのは、通常、負荷機器の無負荷
時から全負荷時までの領域であるから、図3に示すよう
な出力特性を持ち、負荷電流範囲を当該出力特性の最小
負荷電流値Iminから最大負荷電流値Imaxまでの範囲と
することが望ましい。この場合、負荷電流Iが最小負荷
電流値Iminに近い電流値となる回路状態(つまり、無
負荷時に近い状態)において、1次巻線n1に供給され
る高周波交流電圧の波形を方形波と見なせるとすると、
各部の動作波形が図6に示すような特徴を有することを
見出した。
サC2の両端電圧VC2の振動波形の振動が開始する時点
が図6(a)に示す1次巻線n1の両端電圧E1Sの極性
反転時(例えば時刻t1、t3)に略一致し、また図6
(a)に示す1次巻線n1の両端電圧E1Sの極性反転時
にコンデンサC2に流れる電流IC2が図6(i)に示す
ように略ゼロになっていることにある。
時点が、1次巻線n1の両端電圧E 1Sの極性反転時点に
一致するだけであれば図3に示した出力特性以外に多様
な形の出力特性が得られるが、1次巻線n1の両端電圧
E1Sの極性反転時にコンデンサC2の電流IC2も略ゼロ
となる場合は唯一存在し、これらの特徴を持つときのみ
図3に示すような略無負荷時の最小負荷電流値Iminか
ら最大負荷電流値Imaxまでの負荷電流範囲に対して負
荷電圧V5を定電圧化(安定化)できる。
ンスTの2次側換算された漏れインダクタンスをL0
2、トランスT1の1次巻線n1に供給する高周波交流
電圧の周波数(駆動周波数)をf、コンデンサC2の容
量値をC2とすると、下記(1)式を満たす場合である
ことが分かった。 4・π・f・(L02・C2)1/2=1…(1) ここに、漏れインダクタンスL02は、図28に示した
等価回路における漏れインダクタンスL03のインダク
タンス値と漏れインダクタンスL04のインダクタンス
値との和であるから、図3に示すような特性を得るため
のコンデンサC2の容量値は、下記(2)式で求めるこ
とができる。 C2=(1/L02)・{1/(4・π・f)}2…(2) また、上述のように2次巻線n2にセンタタップ10を
設けて整流を行う場合には、2次側換算の漏れインダク
タンスが図28に示すように漏れインダクタンスL03
と漏れインダクタンスL04との2つに分けて表され、
トランスTの2次巻線n2をセンタタップ10に対して
両側で均等に巻いた場合には、両漏れインダクタンスL
03,L04のインダクタンス値は略等しく、図3に示
すような出力特性を得るためのコンデンサC2の容量値
は、下記(3)式で求めることができる。 C2={1/(2・L03)}・{1/(4・π・f)}2…(3) なお、漏れインダクタンスL02のインダクタンス値
は、図25に示すトランスTの構成において、1次巻線
n1のコイル端子A−A’間を短絡して、2次巻線n2
のコイル端子B−B’側から見たインダクタンス値を測
定することで得られる。また、図示していないが、1次
巻線n1に供給される高周波交流電圧の電圧波形が方形
波と見なせない場合、例えば台形波状の電圧波形の場合
でも、これらの式(1)〜(3)の関係を満たすように
回路定数を設定することにより図3に示すような出力特
性を得ることができる。ただし、この場合には必ずしも
1次巻線n1の両端電圧E1Sの極性反転時にコンデンサ
C2の電流IC2が略ゼロになっている必要はない。
伝達装置の構成は図27(a)に示した従来構成と同じ
であって、図1に示す回路において、負荷5へ供給する
負荷電流範囲の最大値である最大負荷電流値Imaxを規
定するためにトランスTの1次巻線n1の両端電圧E1S
の極性反転時点とコンデンサC2の両端電圧VC2が極大
値、極小値となる時点とが略一致することを第1の条件
とし、負荷5へ供給する負荷電流範囲の最小値である最
小負荷電流値Iminを規定するために1次巻線の両端電
圧E1Sの極性反転時点とコンデンサC2の放電が完了す
る時点とが略一致することを第2の条件とし、上記第1
の条件及び上記第2の条件を同時に満たすようにコンデ
ンサC2の容量値を設定してある点に特徴がある。
置では、図27(a)に示した従来構成の非接触電力伝
達装置に対して上述のフィードバック制御回路や安定化
電源回路を設けることなしに、つまり、回路を複雑化す
ることなしに安価な回路構成で、負荷電流Iの広い範囲
にわたって負荷電圧V5を定電圧化することができるか
ら、負荷電流Iが大きく変化する負荷5や負荷電圧V5
が一定で負荷電流Iが異なる複数種類の負荷5へ略一定
の負荷電圧V5を供給することができる。
れた漏れインダクタンス値をL02、コンデンサC2の
容量値をC2、上記高周波交流電圧の周波数をfとする
とき、 4・π・f・(L02・C2)1/2=1 の条件式を満たすように回路定数が設定されているの
で、最大負荷電流値Imax以下の負荷電流Iに対して負
荷電圧(出力電圧)V5を定電圧化することができる。
合、無負荷領域では、負荷5にほとんど電流が流れない
ので、図29に示したように負荷電圧V5が大きい領域
が生じる場合がある。この対策としては、負荷5が接続
される出力端子間にダミー抵抗を設け、無負荷状態でも
確実に負荷最小電流値Iminの電流が流れるようにすれ
ばよい。要するに、言い換えれば、最小負荷電流値Imi
nより小さい負荷電流領域でも最小負荷電流値Imin以上
の電流を流すためのダミー負荷を負荷5が接続される出
力端子間に接続しておけば、最小負荷電流値Iminより
小さい負荷電流領域でも最小負荷電流値Imin以上の電
流を流すことができる。
非接触電力伝達装置の要部回路図を示す。図7(a)に
示した非接触電力伝達装置の構成は図1に示した実施形
態1と同じであり、出力端子間に接続される負荷5とし
て2次電池を用い、2次電池を充電する充電装置として
利用される点が相違する。なお、実施形態1と同様の構
成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
負荷5として2次電池のような定電圧負荷を接続した場
合、2次巻線n2に並列接続された整合用のコンデンサ
C2の容量値と負荷電流Iとの関係を表す特性は図8に
示すような傾向を持つ。図8に示す特性において、コン
デンサC2の容量値を変化させ負荷電流Iが最大になる
ときのコンデンサC2の容量値をC2maxと称す。要す
るに、コンデンサC2の容量値をC2maxとしたときに
負荷電流(充電電流)Iの最大値を得ることができ、コ
ンデンサC2の容量値をC2maxからずらすと充電電流
Iが減少する。
おいて1次巻線n1に供給する図7(b)に示すような
方形波の高周波交流電圧の周波数(以下、駆動周波数と
称す)を変化すると、コンデンサC2の容量値に対する
負荷電流特性は例えば図9中のイ、ロ、ハ、ニのように
変化する。ここに、図9は、イ、ロ、ハ、ニの順に駆動
周波数が低くなる(イ、ロ、ハ、ニの中ではニが最も駆
動周波数が低い)。すなわち、駆動周波数を変化させる
とC2maxも変化し、駆動周波数を高くするほどC2max
は小さな容量値となる。
波数が高いイの負荷電流特性でコンデンサC2の容量値
がC2maxになるように選ぶと、駆動周波数を低い方か
ら高い方へ変化させることにより、負荷5である2次電
池への充電電流Iを増加させることができる。また、図
11に示すように、駆動周波数が低い条件でコンデンサ
C2の容量値がC2maxになるように選ぶと、駆動周波
数を低い方から高い方へ変化させることにより、負荷5
である2次電池への充電電流Iを減少させることができ
る。
合における特性であるが、負荷5として図27に示すよ
うな抵抗負荷や、平滑コンデンサを設けた負荷などのよ
うに、負荷電流Iが増加すると負荷電圧V5が低下する
ような負荷を用いる場合には、負荷電流Iの変化に対応
させて駆動周波数を変化させれば、負荷電圧V5を略一
定値に保つことができることを示している。
において駆動周波数を最も高くし且つ無負荷条件におい
て駆動周波数を最も低くするような周波数制御を行う場
合、全負荷条件において安定化したい(所望の)負荷電
圧V5になるようにコンデンサC2の容量値をC2maxに
設定し、負荷5が軽くなるに従い駆動周波数を低くして
いくようにすれば無負荷から全負荷まで広範囲の負荷
(状態)において負荷電圧V5を略一定に保つことがで
きる。ここに、コンデンサC2の容量値C2maxは、1
次巻線n1の自己インダクタンス、2次巻線n2の自己
インダクタンス、1次巻線n1と2次巻線n2との間の
相互インダクタンス、駆動周波数(最も高い駆動周波
数)に応じて設定される。したがって、駆動周波数を負
荷電流Iに対応するように自動的に変化できる必要があ
る。
合、1次巻線n1の電圧振幅の大きさは負荷電流Iに比
例する。したがって、負荷電圧(出力電圧)V5を定電
圧化(安定化)させる方法として、負荷電流Iの変化に
よる負荷電圧V5の変化に応じて1次巻線n1の入力電
圧(高周波交流電圧)の電圧振幅を制御する方法が考え
られる。この具体的方法として、図12(a)に示すよ
うな回路において、トランスTの1次巻線n1に供給す
る高周波交流電圧の電圧波形を、図12(c)に示すよ
う方形波の電圧波形から図12(b)に示すような台形
波状の電圧波形(若しくは図示しない正弦波状の電圧波
形)まで変化させる方法がある(ここにおける電圧波形
を変化させるとは、高周波交流電圧の立ち上がり時およ
び立ち下り時の傾きを変化させることを意味する)。
圧E1S(高周波交流電圧)のように最大振幅Emaxが同
じでも電圧波形が方形波から台形波になり立ち上がり及
び立ち下りの傾きが小さくなるほど等価的な電圧平均振
幅(等価振幅電圧)が小さくなる性質を利用するもので
ある。ここに、図13に示す方形波の電圧平均振幅Ee
1は最大振幅Emaxに等しく、図14に示す台形波の電
圧平均振幅Ee2は最大振幅Emaxよりも小さい。すな
わち、負荷電流Iが小さい時は1次巻線n1の入力電圧
を台形波状にして1次巻線n1に印加される等価電圧振
幅を小さくして負荷電圧V5の上昇を抑え、負荷電流I
が大きくなるほど方形波状の波形に近づけて1次巻線n
1に印加される等価電圧振幅を大きくして負荷電圧V5
の低下を抑えることで、広い範囲の負荷電流Iに対して
負荷電圧V5の定電圧化(安定化)を図れる。この方法
は、最大振幅は同じで等価電圧振幅のみを変えることが
できればよいから、方形波から変化させる波形は台形波
には限らない。したがって、この実用化には、負荷電流
Iに対応させて自動的に波形を変化させ1次巻線n1に
印加される高周波交流電圧の等価電圧振幅が自動的に制
御される手段が必要となる。
波形を負荷電流Iの変化に対応させて自動的に変化させ
ることができる非接触電力伝達装置について説明する。
1次巻線n1へ高周波交流電圧を供給する駆動回路1を
ハーフブリッジ型のインバータにより構成した例につい
て説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同
一の符号を付してある。
は、1次巻線n1と2次巻線n2との間が分離可能なト
ランスTと、直流電源Eと、直流電源Eの出力端間に接
続され直流電源Eの電圧を高周波交流電圧に変換してト
ランスTの1次巻線n1へ供給するハーフブリッジ型の
インバータよりなる駆動回路1と、トランスTの2次巻
線n2に並列接続された整合用のコンデンサC2と、ト
ランスT2の2次巻線n2に発生する電圧を整流して負
荷5へ供給する整流回路2と、整流回路2と負荷5との
間に挿入されたチョークコイルLCHと、負荷5に並列接
続されたコンデンサC3とを備えている。
ジ型のインバータであって、一対のコンデンサCa,C
bの直列回路と一対のパワーMOSFETよりなるスイ
ッチング素子S1,S2の直列回路とが直流電源Eの出
力端間に互いに並列に接続されるとともに、両コンデン
サCa,Cbの接続点と両スイッチング素子S1,S2
の接続点との間にトランスTの1次巻線n1が挿入され
ている。なお、各スイッチング素子S1,S2に逆並列
に接続された還流用ダイオードDS1,DS2は各スイッチ
ング素子S1,S2それぞれのMOSFETのボディダ
イオードにより構成されるが、別途に設けてもよい。ま
た、直流電源Eは、例えば、商用電源を整流平滑するこ
とにより得られる。
1,S2が図示しない制御回路により交互にオンオフさ
れることでトランスTの1次巻線n1に方形波の高周波
交流電圧を印加する。
て、トランスTの2次巻線n2にセンタタップ10を設
けるとともに、2次巻線n2の両端をそれぞれダイオー
ドD2,D3のアノードに接続し、両ダイオードD2,
D3のカソード同士を接続してある。ここにおいて、ダ
イオードD2,D3のカソード同士の接続点と負荷5の
一端との間に上記チョークコイルLCHが挿入され、セン
タタップ10が負荷5の他端に接続されている。なお、
チョークコイルLCHは負荷電流Iの連続化、平滑化のた
めに必要であるが、コンデンサC3は必ずしも設ける必
要はない。
伝達装置におけるトランスTの1次巻線n1に並列接続
されたコンデンサC1を有する非接触電力伝達装置の回
路図を図16に示す。図16に示す例では、コンデンサ
C1の容量値を比較的大きくとり、1次巻線n1のイン
ダクタンス成分L1など(実際は1次巻線n1側から負
荷5側を見た回路全体が対象であり、1次巻線n1、2
次巻線n2、相互インダクタンス、さらには2次側のコ
ンデンサC2、負荷5によって共振状態は変化する)と
の共振を利用する。なお、コンデンサC1は、必ずしも
1次巻線n1に並列接続する必要はなく、等価回路的に
これと同じ構成になるものは同様とみなす。例えば、図
16に示す回路では、スイッチング素子S1とスイッチ
ング素子S2に並列にコンデンサを設けても等価回路的
に同じである。図17は図16の回路の各部の動作波形
を示し、(a)は1次巻線n1の両端電圧VL、(b)
は1次巻線n1に流れる電流IL、(c)はスイッチン
グ素子S2の両端電圧VD2、(d)はスイッチング素
子S2に流れる電流(ドレイン電流)ID2、(e)は
スイッチング素子S1の両端電圧VD1、(f)はスイ
ッチング素子S1に流れる電流(ドレイン電流)ID
1、(g)はスイッチング素子S1のオンオフ、(h)
はスイッチング素子S2のオンオフ、をそれぞれ示す。
置において、スイッチング素子S1,S2が交互にオン
オフする間に図17(g),(h)に示すように両スイ
ッチング素子S1,S2が共にオフとなる期間(この期
間の時間幅をデッドタイムと称す)を設けると、1次巻
線n1の両端電圧VLは図17(a)に示すようにデッ
ドタイムの間に1次巻線n1のインダクタンス成分L1
などとコンデンサC1の共振回路により共振電圧が発生
し、電源電圧やGNDレベルになるまで電圧が変化し、
電源電圧やGNDレベルになると、還流用ダイオードD
S1,DS2により電圧がクランプされる。これは、部分共
振技術またはソフトスイッチング技術として、各スイッ
チング素子S1,S2のターンオン損失をなくすのに有
効な周知の方法である。
ンデンサC1の容量値を大きくする必要はなく、MOS
FETよりなるスイッチング素子S1,S2の寄生容量
などを利用することで、コンデンサC1を省いても損失
低減を実現できる。
値を持つコンデンサC1を利用して上記インダクタンス
成分L1などとコンデンサC1による共振周期を大きく
することで、図17(a)に示すように1次巻線n1の
両端電圧VLの波形を台形波状とすることに特徴があ
る。そして、この台形波の立ち上がり、立ち下り(とも
にデッドタイムの期間)を形成する共振電圧を得るため
のコンデンサC1の容量値を特定の容量値に選ぶと、無
負荷では、立ち上がり時間および立ち下り時間が比較的
長く、全負荷では立ち上がり時間および立ち下り時間が
比較的短く(ただし、各スイッチング素子S1,S2の
オン期間は負荷範囲内で一定とする)なり、駆動周波数
は無負荷時では低く全負荷では高くなり、負荷電圧V5
を安定化させる方向に働く。また、1次巻線n1の両端
電圧VLの波形が台形波〜方形波で変化することで、無
負荷時の1次巻線n1に印加される電圧の等価電圧振幅
は方形波の場合よりも低下して、負荷電圧V5の上昇が
抑えられる。
がり時間、立ち下がり時間を決める共振は、上述のよう
にコンデンサC1とインダクタンス成分L1のみでは決
まらず、コンデンサC1と、インダクタンス成分L1側
から負荷側を見た1次巻線n1、2次巻線n2、相互イ
ンダクタンス、さらに2次側のコンデンサC2と負荷5
を含むた回路との共振になる。さらに整流平滑方式にも
影響を受ける。したがって、負荷5の状態変化(例え
ば、負荷5が抵抗の場合には、抵抗値の変化)が回路方
式と相互作用することによって共振周期の変化として反
映され、結果として立ち上がり時間および立ち下がり時
間と波形を自動的に変化させられるものと考えられる。
触電力伝達装置の回路図を示す。実施形態2で説明した
図17の回路における駆動回路1は他励式のハーフブリ
ッジ型のインバータであったが、本実施形態の非接触電
力伝達装置における駆動回路1は、自励式の部分共振イ
ンバータにより構成されている。すなわち、本実施形態
においてはMOSFETのような電圧駆動型のスイッチ
ング素子S1,S2をオンオフするために発振回路を備
えた制御回路を別に設ける必要がない。なお、トランス
Tの構成およびトランスTの2次巻線n2の出力を整流
する整流回路2の構成は実施形態2と同じなので、実施
形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を
省略する。
bの直列回路と一対のパワーMOSFETよりなるスイ
ッチング素子S1,S2の直列回路とが直流電源Eとス
イッチSWとの直列回路に互いに並列に接続されるとと
もに、両コンデンサCa,Cbの接続点と両スイッチン
グ素子S1,S2の接続点との間にトランスTの1次巻
線n1が挿入され、1次巻線n1にコンデンサC1が並
列接続されている。なお、各スイッチング素子S1,S
2にはMOSFETのボディダイオードよりなる還流用
ダイオード(図示せず)が逆並列に接続される。また、
直流電源Eは、例えば、商用電源を整流平滑することに
より得られる。
線n1にそれぞれ磁気結合した各2つの帰還巻線nf
1,nf2及び補助巻線ns1,ns2を備えている。
また、各スイッチング素子S1、S2の両端間には、抵
抗R7,R8とコンデンサC5,C6との直列回路が接
続されており、抵抗R7,R8とコンデンサC5,C6
との接続点とスイッチング素子S1,S2の制御端との
間に上記帰還巻線nf1,nf2と抵抗R1,R4との
直列回路が挿入されている。要するに、スイッチング素
子S1,S2は上記帰還巻線nf1,nf2を通して制
御端へ入力電圧が与えられる。また、補助巻線ns1,
ns2の両端間はスイッチング素子S1,S2の入力電
圧を制御する充放電回路が接続されている。ここに、補
助巻線ns1の両端間に接続される充放電回路は、抵抗
R2,R3,R10、ダイオードD11,D12,D1
6,D21、コンデンサC7,C8、トランジスタTr
1により構成され、ダイオードD21とトランジスタT
r1とが放電回路を構成している。また、補助巻線ns
2の両端間に接続される充放電回路は、抵抗R5,R
6,R11、ダイオードD13,D14,D17,D2
2、コンデンサC9,C10、トランジスタTr2によ
り構成され、ダイオードD22とトランジスタTr2と
が放電回路を構成している。
動作について説明する。
8を介してコンデンサC5,C6が充電される。このコ
ンデンサC5,C6の電圧はスイッチング素子S1,S
2のゲートに印加されており、コンデンサC5,C6の
いずれかの電圧がスイッチング素子S1,S2のしきい
値電圧に達すると、例えば、コンデンサC5の電圧がス
イッチング素子S1のしきい値電圧に達すると、スイッ
チング素子S1がオンし、1次巻線n1に電流ILが流
れ始める。
子S1のオンを継続する方向に誘起電圧が発生するの
で、スイッチング素子S1は安定なオン状態を保つ。こ
の誘起電圧はコンデンサC6の電位に重畳される。この
とき、抵抗R7とスイッチング素子S1との間に接続さ
れたダイオードD21によりコンデンサC5の電圧はグ
ランドレベルまで放電されるが、帰還巻線nf1の誘起
電圧だけでもスイッチング素子S1のオン状態を十分維
持することができる。ところで、帰還巻線nf1の誘起
電圧の発生とともに補助巻線ns1にも誘起電圧が発生
する。この補助巻線ns1には、上述の充放電回路が接
続されているから、補助巻線ns1に誘起電圧が発生す
ると、ダイオードD11、抵抗R2を通してコンデンサ
C7が充電されるとともに、トランジスタTr1のベー
ス・エミッタ間に接続されたコンデンサC8がダイオー
ドD15を通して充電される。
てトランジスタTr1がオンとなり、トランジスタTr
1がオンすると、スイッチング素子S1のゲート電圧が
低下するので、スイッチング素子S1がオフになる。ス
イッチング素子S1がオフになると、それまで流れてい
た1次巻線n1の電流ILはその電流を維持しようとし
てコンデンサC1へ転流し、ここでコンデンサC1と1
次巻線n1のインダクタンス成分L1側から負荷側を見
た回路との自由振動(便宜上、共振と呼ぶ)を始める。
この共振がはじまり、やがてスイッチング素子S1の両
端電圧VD1が電源電圧VEになるとスイッチング素子
S2のボディダイオードよりなる還流用ダイオード(図
示せず)を通じて電源電圧VEにクランプされる。
方向変換により、帰還巻線nf1および補助巻線ns1
には逆電圧が誘起され、スイッチング素子S1のオフを
維持するとともに、補助巻線ns1の逆誘起電圧はダイ
オードD12と抵抗R3を通じてコンデンサC7の電荷
を引き抜き略ゼロ電位にする。このときコンデンサC8
の電荷も抵抗R10を通して徐々に放電される。この動
作と同時に帰還巻線nf2と補助巻線ns2には正の誘
起電圧が発生する。帰還巻線nf2に誘起電圧が発生し
ても抵抗R4とスイッチング素子S2の入力容量とによ
り遅延時間が発生するのでスイッチング素子S2は遅れ
てオン状態となり、オン状態を維持する。この共振によ
る電圧変化期間と上記遅延とにより、スイッチング素子
S1とスイッチング素子S2とが共にオフとなる期間、
つまり、デッドタイムが設けられる。帰還巻線nf2に
誘起した電圧はダイオードD13と抵抗R5を通してコ
ンデンサC9,C10を充電していく。そして、コンデ
ンサC10の充電電圧が時間経過とともに増加してトラ
ンジスタTr2がオンし、スイッチング素子S2がオフ
となる。以後、同様の動作を繰り返し自励発振を継続す
る。この回路はデッドタイムが変化しても各スイッチン
グ素子S1,S2のオン期間の時間幅を略一定にでき
る。
も、コンデンサC2の容量値は、上述の式(1)を満た
すように設定されている。すなわち、コンデンサC2の
容量値は、 4・π・f・(L02・C2)1/2=1 の条件を満たすように設定されている。
量値C2を0.062μF、コンデンサC1の容量値を
0.022μFとして負荷5の抵抗値を変化させて負荷
電圧−負荷電流特性および負荷電力−負荷電流特性を測
定した結果を図19に示す。
値Iminから最大負荷電流値Imaxまでの負荷電流範囲に
おける電圧変化率は0.4V/A程度であり、実施形態
1で説明した図3の出力特性における電圧変化率(0.
6V/A)よりもさらに改善されていることが分かる。
この改善に関与した無負荷に近い負荷電流時の波形例と
全負荷近くの電流時の波形例とをそれぞれ図20,図2
1に示す。ここに、図20、図21の(a)は1次巻線
n1の両端電圧VL、(b)はコンデンサC2の両端電
圧VC2、(c)は負荷5に流れる負荷電流I、(d)は
負荷電圧V5、をそれぞれ示す。
巻線n1の電圧波形は台形波状で周波数が約70kHz
であり、図21の全負荷時では1次巻線n1の電圧波形
が台形波状で周波数が約80kHzになっている。要す
るに、周波数が自動的に10kHz程度変化しており、
また、波形も自動的に立ち上がり時および立ち上がり時
の傾きなどの形状の変化を実現できている。なお、この
ときの各スイッチング素子S1,S2のオン時間は略4
μsで一定であった。
ムを設け、その期間を、共振を利用してその共振電圧の
立ち上がり時間、立ち下り時間(いずれも共振の開始時
点から電源電圧またはグランド電位にクランプされる時
点までの時間)やその電圧波形を負荷に応じて自動的に
変化できるようにする各回路定数の組み合わせは試行錯
誤で見つけることができる。具体的には無負荷に近い状
態の負荷と全負荷の波形を各々観測すれば、周期的にま
たは波形的に適当に変化する定数の組み合わせを見出す
ことができる。
小負荷電流値Iminよりも小さい電流領域では負荷電圧
V5が大きくなっている。このようなことは実際よくあ
ることなので、この最小負荷電流値Iminに相当する負
荷電流が流れるように予めダミー負荷として抵抗などを
出力端子(負荷接続端子)間に接続しておけばよい。
達装置の基本構成は実施形態1および実施形態2と略同
じであって、図22に示すように、分離可能なトランス
Tの1次巻線n1へ高周波交流電圧を供給する駆動回路
1としてプッシュプル型のインバータを用いた点に特徴
がある。実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を
付して説明を省略する。
達装置の基本構成は実施形態1および実施形態2と略同
じであって、図23に示すように、スイッチング素子S
1,S2に直列且つ還流用ダイオードDS1,DS2に
逆向きに接続されるダイオードDf1,Df2を設け
て、1次巻線n1の電圧が電源電圧やグランドレベルで
クランプされないようにすることで共振電圧を正弦波状
の波形として動作させる点に特徴がある。実施形態2と
同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
が低く漏れインダクタンスが大きい特性を必然的に有す
る分離可能なトランスを電力伝達に用いる非接触電力伝
達装置に関するものであるが、磁気結合度を低下させた
状態で使う固定式のトランスを電力伝達に用いる場合に
も適用することができ、フィードバック制御回路を設け
ることなしに、広い範囲の負荷電流変化に対して負荷電
圧の安定化を図れ、フィードバック制御回路を設けても
その追加部品の数やコストアップを少なくすることがで
きる。
との間が分離可能なトランスと、該トランスの2次巻線
に並列接続されたコンデンサとを備え、トランスの1次
巻線へ高周波交流電圧を供給しトランスの2次巻線を通
して負荷へ電力を供給する非接触電力伝達装置であっ
て、負荷へ供給する負荷電流範囲の最大値を規定するた
めに上記1次巻線の両端電圧の極性反転時点と上記コン
デンサの両端電圧が極大値、極小値となる時点とが略一
致することを第1の条件とし、負荷へ供給する負荷電流
範囲の最小値を規定するために上記1次巻線の両端電圧
の極性反転時点と上記コンデンサの放電が完了する時点
とが略一致することを第2の条件とし、上記第1の条件
及び上記第2の条件を同時に満たすように上記コンデン
サの容量値を設定してなるものであり、フィードバック
制御回路を設けることなしに、つまり、回路を複雑化す
ることなしに安価な回路構成で、負荷電流の広い範囲に
わたって負荷電圧を定電圧化することができるから、負
荷電流が大きく変化する負荷や負荷電圧が一定で負荷電
流が異なる複数種類の負荷へ略一定の負荷電圧を供給す
ることができるという効果がある。
て、上記トランスの2次側換算された漏れインダクタン
スをL02、上記コンデンサの容量値をC2、上記高周
波交流電圧の周波数をfとするとき、 4・π・f・(L02・C2)1/2=1 の条件式を満たすように回路定数が設定されているの
で、上記負荷電流範囲の最大値以下の負荷電流に対して
出力電圧を定電圧化することができるという効果があ
る。
2の発明において、上記負荷電流範囲の最小値より小さ
い負荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すための
ダミー負荷を負荷が接続される出力端子間に接続してあ
るので、上記負荷電流範囲の最小値より小さい負荷電流
領域でも上記最小値以上の電流を流すことができるとい
う効果がある。
3の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧
を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷
へ流れる負荷電流が上記負荷電流範囲内のときに上記ト
ランスの2次側で負荷へ供給される出力電圧が定電圧化
されるように上記高周波交流電圧の周波数が自動的に変
化するので、負荷電流の広い範囲にわたって負荷電圧を
定電圧化することができるという効果がある。
て、上記駆動回路は、負荷電流が大きいほど上記高周波
交流電圧の周波数が自動的に高くなることを特徴とし、
請求項4の発明と同様の効果がある。
5の発明において、上記駆動回路は、負荷電流の変化に
対応するように上記高周波交流電圧の立ち上がり時間と
立ち下がり時間との少なくとも一方が自動的に変化する
ことにより上記高周波交流電圧の周波数が変化するの
で、請求項4または請求項5の発明と同様の効果があ
る。
て、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列接続された共
振用コンデンサを備え、上記高周波交流電圧の立ち上が
り期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間は、
上記共振用コンデンサとインダクタンス成分とによる共
振電圧を利用して時間が決まるので、請求項6の発明と
同様の効果がある。
3の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧
を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷
電流範囲において上記トランスの2次側で負荷へ供給さ
れる出力電圧が定電圧化されるように上記高周波交流電
圧の波形が変化するので、請求項1ないし請求項3の発
明と同様の効果がある。
て、上記高周波交流電圧は、負荷電流の増減に対応して
当該高周波交流電圧の等価電圧振幅が増減するように電
圧波形が変化するので、請求項8の発明と同様の効果が
ある。
おいて、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を供給する
駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列
接続され上記1次巻線との間で共振を起こす共振用コン
デンサを有する部分共振型のインバータであるので、回
路効率を向上させるためのソフトスイッチングを維持し
ながら、負荷電流の広い範囲にわたって負荷電圧を定電
圧化することができるという効果がある。
いて、上記高周波交流電圧の電圧波形が台形波状であ
り、当該電圧波形の斜辺の傾きが負荷電流に対応して変
わることで等価電圧振幅が変化するので、請求項9の発
明と同様の効果がある。
おいて、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列接続され
た共振用コンデンサを備え、上記高周波交流電圧の立ち
上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間
の波形は、上記共振用コンデンサとインダクタンス成分
による共振電圧を利用して決まるので、請求項10の発
明と同様の効果がある。
項11の発明において、上記1次巻線へ上記高周波交流
電圧を供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、共振
型のインバータよりなるので、請求項1ないし請求項1
1の発明と同様の効果がある。
おいて、上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を供給する
駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記1次巻線に並列
接続され上記1次巻線との間で共振を起こす共振用コン
デンサを有する部分共振型のインバータであるので、ソ
フトスイッチングを維持しながら、負荷電流の広い範囲
にわたって負荷電圧を定電圧化することができる。
おいて、上記駆動回路は、上記1次巻線と上記1次巻線
に並列接続された共振用コンデンサとによる電圧共振回
路を備え、上記高周波交流電圧の電圧波形が正弦波状と
なるので、請求項12の発明と同様の効果がある。
項11または請求項13の発明において、上記駆動回路
は、当該駆動回路においてスイッチングされるスイッチ
ング素子のオン時間が一定であり、部分共振が起こって
いる期間であって上記高周波交流電圧の電圧波形の立ち
上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一方の期間
において、負荷電流に対応して当該期間の時間と当該期
間での電圧波形との少なくとも一方が変化するので、ソ
フトスイッチングを維持しながら、負荷電流の広い範囲
にわたって負荷電圧を定電圧化することができるという
効果がある。
おいて、上記インバータは、ハーフブリッジ型のインバ
ータなので、トランスのコアの利用効率が高くなるとい
う効果がある。
おいて、上記インバータは、プッシュプル型のインバー
タなので、トランスのコアの利用効率が高くなるという
効果がある。
おいて、上記インバータは、上記トランスの1次巻線に
それぞれ磁気結合した帰還巻線及び補助巻線と、帰還巻
線を通して制御端へ入力電圧が与えられる電圧駆動型の
スイッチング素子と、補助巻線の両端間に接続され上記
入力電圧を制御する充放電回路とを備え、補助巻線の誘
起電圧による充電電圧が所定電圧に達したときに上記入
力電圧を低下させて上記スイッチング素子をオフさせる
自励式のインバータなので、負荷電流に対応してスイッ
チング素子のオフ期間に生じる1次巻線の電圧の共振状
態の変化を利用して電圧の立ち上がり時間と立ち下り時
間と波形とが変化するから、広い負荷電流範囲にわたっ
て負荷電圧を定電圧化することができるという効果があ
る。
項18の発明において、上記負荷電流範囲の最小値より
小さい負荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すた
めの抵抗を負荷が接続される出力端子間に接続してなる
ので、上記負荷電流範囲の最小値より小さい負荷電流領
域でも上記最小値以上の電流を流すことができ、負荷の
負荷電流領域において出力電圧を自動的に定電圧化する
ことができるという効果がある。
(b)は高周波交流電圧の波形図である。
サの容量値と負荷電流との関係説明図である。
サの容量値と負荷電流との関係説明図である。
ンサの容量値と負荷電流との関係説明図である。
ンサの容量値と負荷電流との関係説明図である。
図、(b)(c)は高周波交流電圧の波形図である。
は高周波交流電圧の波形図である。
(b)は高周波交流電圧の波形図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 1次巻線と2次巻線との間が分離可能な
トランスと、該トランスの2次巻線に並列接続されたコ
ンデンサとを備え、トランスの1次巻線へ高周波交流電
圧を供給しトランスの2次巻線を通して負荷へ電力を供
給する非接触電力伝達装置であって、負荷へ供給する負
荷電流範囲の最大値を規定するために上記1次巻線の両
端電圧の極性反転時点と上記コンデンサの両端電圧が極
大値、極小値となる時点とが略一致することを第1の条
件とし、負荷へ供給する負荷電流範囲の最小値を規定す
るために上記1次巻線の両端電圧の極性反転時点と上記
コンデンサの放電が完了する時点とが略一致することを
第2の条件とし、上記第1の条件及び上記第2の条件を
同時に満たすように上記コンデンサの容量値を設定して
なることを特徴とする非接触電力伝達装置。 - 【請求項2】 上記トランスの2次側換算された漏れイ
ンダクタンスをL02、上記コンデンサの容量値をC
2、上記高周波交流電圧の周波数をfとするとき、 4・π・f・(L02・C2)1/2=1 の条件式を満たすように回路定数が設定されてなること
を特徴とする請求項1記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項3】 上記負荷電流範囲の最小値より小さい負
荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すためのダミ
ー負荷を負荷が接続される出力端子間に接続してなるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の非接触電
力伝達装置。 - 【請求項4】 上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を供
給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷へ流
れる負荷電流が上記負荷電流範囲内のときに上記トラン
スの2次側で負荷へ供給される出力電圧が定電圧化され
るように上記高周波交流電圧の周波数が自動的に変化す
ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
に記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項5】 上記駆動回路は、負荷電流が大きいほど
上記高周波交流電圧の周波数が自動的に高くなることを
特徴とする請求項4記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項6】 上記駆動回路は、負荷電流の変化に対応
するように上記高周波交流電圧の立ち上がり時間と立ち
下がり時間との少なくとも一方が自動的に変化すること
により上記高周波交流電圧の周波数が変化することを特
徴とする請求項4または請求項5記載の非接触電力伝達
装置。 - 【請求項7】 上記駆動回路は、上記1次巻線に並列接
続された共振用コンデンサを備え、上記高周波交流電圧
の立ち上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一方
の期間は、上記共振用コンデンサとインダクタンス成分
とによる共振電圧を利用して時間が決まることを特徴と
する請求項6記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項8】 上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を供
給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記負荷電流
範囲において上記トランスの2次側で負荷へ供給される
出力電圧が定電圧化されるように上記高周波交流電圧の
波形が変化することを特徴とする請求項1ないし請求項
3のいずれかに記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項9】 上記高周波交流電圧は、負荷電流の増減
に対応して当該高周波交流電圧の等価電圧振幅が増減す
るように電圧波形が変化することを特徴とする請求項8
記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項10】 上記高周波交流電圧の電圧波形が台形
波状であり、当該電圧波形の斜辺の傾きが負荷電流に対
応して変わることで等価電圧振幅が変化することを特徴
とする請求項9記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項11】 上記駆動回路は、上記1次巻線に並列
接続された共振用コンデンサを備え、上記高周波交流電
圧の立ち上がり期間と立ち下がり期間との少なくとも一
方の期間の波形は、上記共振用コンデンサとインダクタ
ンス成分による共振電圧を利用して決まることを特徴と
する請求項10記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項12】 上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を
供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、共振型のイ
ンバータよりなることを特徴とする請求項1ないし請求
項11のいずれかに記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項13】 上記1次巻線へ上記高周波交流電圧を
供給する駆動回路を備え、上記駆動回路は、上記1次巻
線に並列接続され上記1次巻線との間で共振を起こす共
振用コンデンサを有する部分共振型のインバータである
ことを特徴とする請求項12記載の非接触電力伝達装
置。 - 【請求項14】 上記駆動回路は、上記1次巻線と上記
1次巻線に並列接続された共振用コンデンサとによる電
圧共振回路を備え、上記高周波交流電圧の電圧波形が正
弦波状となることを特徴とする請求項12記載の非接触
電力伝達装置。 - 【請求項15】 上記駆動回路は、当該駆動回路におい
てスイッチングされるスイッチング素子のオン時間が一
定であり、部分共振が起こっている期間であって上記高
周波交流電圧の電圧波形の立ち上がり期間と立ち下がり
期間との少なくとも一方の期間において、負荷電流に対
応して当該期間の時間と当該期間での電圧波形との少な
くとも一方が変化することを特徴とする請求項7または
請求項11または請求項13記載の非接触電力伝達装
置。 - 【請求項16】 上記インバータは、ハーフブリッジ型
のインバータであることを特徴とする請求項15記載の
非接触電力伝達装置。 - 【請求項17】 上記インバータは、プッシュプル型の
インバータであることを特徴とする請求項15記載の非
接触電力伝達装置。 - 【請求項18】 上記インバータは、上記トランスの1
次巻線にそれぞれ磁気結合した帰還巻線及び補助巻線
と、帰還巻線を通して制御端へ入力電圧が与えられる電
圧駆動型のスイッチング素子と、補助巻線の両端間に接
続され上記入力電圧を制御する充放電回路とを備え、補
助巻線の誘起電圧による充電電圧が所定電圧に達したと
きに上記入力電圧を低下させて上記スイッチング素子を
オフさせる自励式のインバータであることを特徴とする
請求項16記載の非接触電力伝達装置。 - 【請求項19】 上記負荷電流範囲の最小値より小さい
負荷電流領域でも上記最小値以上の電流を流すための抵
抗を負荷が接続される出力端子間に接続してなることを
特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載
の非接触電力伝達装置。
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DE60139512T DE60139512D1 (de) | 2000-02-24 | 2001-02-21 | Kontaktloses Leistungsübertragungssystem mit Funktion zur Konstanthaltung der Lastspannung |
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