JP2001237877A - 伝送システムとそのトラフィック制御方式および伝送装置 - Google Patents

伝送システムとそのトラフィック制御方式および伝送装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】冗長切り替えの際にミスコネクトの発生を防止
し、サービストラフィックの漏洩の虞を無くす。 【解決手段】現用系伝送路SLの障害時におけるサービ
ストラフィックの予備系伝送路PLへの迂回処理の際、
P/Tトラフィックの存在するパスについてはAU−A
ISの挿入によりP/Tトラフィックを切断すると共
に、P/Tトラフィックの存在しないパスについても、
UNEQを挿入するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばSDH(Sy
nchronous Digital Hierarchy)またはSONET(Syn
chronous Optical Network)などに準拠する伝送システ
ムとその伝送装置に関し、特に冗長切替方式の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の多様化する通信システムに対し
て、各種の高速サービスや既存の低速サービスを統一的
に多重化するための規格、すなわちSONET/SDH
が標準化されている。SDHは米国ではSONETと称
され、両者は155.52Mbps以降のステージでは
相互接続が可能である。
【0003】SONET/SDH伝送路は、通信事業者
がサービスするあらゆるトラフィックを運んでおり、こ
のネットワークが止まることは許されない。そこでSO
NET/SDH伝送システムでは、伝送路や装置内イン
タフェース機器などに現用系および予備系を備えた二重
化構成を採用して信頼性を高めるようにしている。また
近年では、無障害時に空きとなる予備系伝送路パスを利
用してパートタイムトラフィック(以下煩雑を避けるた
め、P/Tトラフィックと記載する)と呼ばれる信号を
収容し、回線の収容効率を高めるようにしたシステムが
提案されている。なおP/Tトラフィックとは、勧告上
はExtra Trafficと記載されたトラフィックに相当する
もので、障害発生の際にはやむ終えず切断されても構わ
ないものとして取り扱われる。
【0004】この種のシステムにおける障害発生時の現
用/予備切り替え機能は、SDHにおいてはAPS(Au
tomatic Protection Switching)と称され、その詳細は
ITU−T勧告G.841(最新10/98版)に規定
されている。障害が発生すると各ノードは上記勧告に従
い、SDH伝送フレームのオーバーヘッドに定義された
K1・K2バイト(以下Kバイトと称する)の書き換え
および授受を行って、自律的に冗長切り替えを実行す
る。
【0005】ところで、障害発生の際には、サービスト
ラフィックを現用系伝送路側パスから対応する予備系伝
送路側パスに迂回させることにより上記サービストラフ
ィックを救済するが、その際、サービストラフィックの
誤接続(いわゆるミスコネクト)を避ける必要がある。
もしミスコネクトを生じると、予期せぬ相手先にサービ
ストラフィックが漏洩する虞が有り、セキュリティなど
の観点から極めて好ましくない事態を生じるからであ
る。
【0006】このため上記ITU−T勧告G.841に
おいては、サービストラフィックの予備系伝送路への迂
回に先立ち、P/Tトラフィックの存在するパスに関し
てはAU−AIS(Administrative Unit-Alarm Indica
tion Signal)と呼ばれる固定信号を強制的に挿入する
ことにより、P/Tトラフィックを切断する旨が規定さ
れている。P/Tトラフィックを切断した上でサービス
トラフィックの迂回処理を行うことにより、少なくとも
P/Tトラフィックの伝送先に関してはサービストラフ
ィックの漏洩を防ぐことができる。
【0007】ところが、上記勧告には、P/Tトラフィ
ックの存在しない予備系伝送路に関する規定が無い。す
なわち、冗長切り替えの際にP/Tトラフィックの存在
しないパスに関して、何らの処理も行わないことが許さ
れている。
【0008】しかしながら、だからといってP/Tトラ
フィックの存在しない予備系伝送路にそのままサービス
トラフィックを迂回させると、これもサービストラフィ
ックの漏洩を引き起こす虞の有ることが発明者によって
指摘されている。
【0009】図9〜図12を参照して、このことを詳し
く説明する。今、リング状接続された4ファイバSDH
伝送システム内に複数の伝送装置(ノード)C〜Eが存
在し、各ノード間に図のようなパスが設定されていると
する。凡例では、サービストラフィックを伝送している
パスを細線で、P/Tトラフィックを伝送しているパス
を太線で、P/Tトラフィックの無いパスを点線で示
す。すなわち全ての現用系伝送路にサービストラフィッ
クが設定されると共に、予備系伝送路に関してはノード
C〜DにP/Tトラフィックが設定されているとする。
【0010】図9の定常状態からノードC〜D間の現用
系伝送路に障害が発生すると、図10に示すごとく、I
TU−T勧告G.841に従ってまずパスの低次群側に
AU−AISが挿入されてP/Tトラフィックの切断の
のち、サービストラフィックが迂回されてレストレーシ
ョンに至る。
【0011】しかしながら、図9からノードD〜E間の
現用系伝送路に障害が発生した場合、この区間の予備系
伝送路にはP/Tトラフィックが設定されていないた
め、格別の処理のなされないままサービストラフィック
の迂回処理がなされる。このため図11に示すように、
ノードEにて挿入されたサービストラフィックがノード
Dに伝達されるまでに、ノードD,Eの予備系側に漏洩
してしまうことになる。
【0012】さらに同じ区間の現用系および予備系伝送
路に障害が発生した場合には、事態はより深刻なものと
なる。すなわち図12に示すように、ノードD〜E間の
現用系および予備系伝送路に障害が発生すると、ノード
Dにて挿入されたサービストラフィックが定常時と逆方
向を辿ってノードEに至るまでに、ノードD自身、ノー
ドC、ノードEなる全てのノードの予備系側に漏洩して
しまうことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
の伝送システムにおけるトラフィック制御方式では、冗
長切り替えの際にP/Tトラフィックの存在しないパス
に関して何らの処理も行わないことが許されているため
に、サービストラフィックのミスコネクトの虞が有っ
た。
【0014】本発明は上記事情によりなされたもので、
その目的は、冗長切り替えの際にミスコネクトの発生を
防止し、サービストラフィックの漏洩の虞を無くした伝
送システムとそのトラフィック制御方式および伝送装置
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数のパスが多重化された現用系伝送路お
よび予備系伝送路を介して互いに接続され、定常時に
は、前記現用系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝
送される主トラフィックと異なる副トラフィックを、前
記予備系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝送する
伝送装置、または当該伝送装置を備えた伝送システム、
あるいは当該伝送システムにおけるトラフィック制御方
式にあって、例えば障害の発生に対して主トラフィック
を救済するためなどの必要に応じて、前記現用系伝送路
パスの主トラフィックを前記予備系伝送路の対応するパ
スにそれぞれ迂回させる際に、この迂回処理に先立ち、
主トラフィックの迂回先となるパスにおける副トラフィ
ックの有無に対応付けて例えばAU−AISまたはUN
EQなどの互いに異なる固定信号を前記予備系伝送路パ
スのドロップ側にそれぞれ挿入するようにしたものであ
る。
【0016】このような手段を講じることにより、ミス
コネクトとなるパスの接続パターンが主トラフィック迂
回処理の際に生じても、伝送装置のドロップ側すなわち
低次群側への信号出口において、主トラフィックに載せ
られた情報が固定信号のビットパターンに書き換えられ
ることになる。すなわち、低次群側に達した信号からは
主トラフィックの運んでいた情報がもはや失われてお
り、その結果、ミスコネクトを防止することができるよ
うになり、サービストラフィックの漏洩の虞を無くすこ
とが可能となる。
【0017】また本発明では、挿入する固定信号を副ト
ラフィックの有無に応じて異ならせるようにしているの
で、低次群側に接続された多重化装置などの通信装置は
トラフィックの上流側で生じた事態を容易に区別でき
る。特にSDHにおいては、AU−AISは障害の検出
の旨を示すことが多いので、これとそうでない状態とを
区別できることは重要である。
【0018】なお、本発明は冗長切り替えの際の処理手
順に新たなステップを加えようとするものであり、その
意味で本発明は伝送システムにおける新たな規定を提案
するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。ここではSTMに則して説
明するが、SONETに関してもほぼ同様である。なお
本明細書中、サービストラフィック、P/Tトラフィッ
クなる語はそれぞれ特許請求の範囲で述べた主トラフィ
ック、副トラフィックに相当する。
【0020】図1に、本発明の実施の形態に係わる伝送
システムの構成を示す。このシステムは複数のノード
(Node:伝送装置)A〜Fを、STM−16などの
高速同期多重化回線としてなる高速回線OFを介してリ
ング状に接続したものである。高速回線OFは、それぞ
れ時計回り(Clockwise :CW)回線および反時計回り
(Counter Clockwise :CCW)回線からなる現用系伝
送路SL(Service Line:実線)、および予備系伝送路
PL(Protection Line:点線)を備えた二重化構成と
なっている。このような構成は、いわゆる4ファイバリ
ングシステムと称される。
【0021】図1において、現用系伝送路SLおよび予
備系伝送路PLにはそれぞれ複数のパスが時分割多重さ
れている。各ノードA〜Fは両伝送路SL,PLに張ら
れた任意のパスを取り出して低次群側の多重化装置(符
号付さず)などにドロップすると共に、低次群側からの
パスを両伝送路SL,PLにアッドする。
【0022】システムに障害の無い状態では、サービス
トラフィックは現用系伝送路を介して伝送され予備系伝
送路PLが空きとなるので、これを利用して予備系伝送
路PLの任意のパスを介してP/Tトラフィックが伝送
される。サービストラフィックの予備系伝送路PLへの
迂回処理の際には、迂回先パスに有ったP/Tトラフィ
ックは切断される。
【0023】ここで、現用系伝送路SLのどのパスにサ
ービストラフィックを設定するか、予備系伝送路PLの
どのパスにP/Tトラフィックを設定するかは任意であ
る。また通常の場合、サービスパス(サービストラフィ
ックの伝送されるパス)の迂回先は予備系伝送路PL上
の同じタイムスロット位置に設定される。このため予備
系伝送路PLには、サービストラフィックの迂回の際に
P/Tトラフィックが既に有るパスと、サービストラフ
ィックの迂回の際にP/Tトラフィックが無いパスとが
混在することになる。
【0024】図2に、本実施形態に係わる伝送装置A〜
Fの構成を示す。すなわち伝送装置A〜Fはサービスラ
インSLを終端する現用系高速インタフェース部(HS
I/F)1−0と、プロテクションラインPLを終端
する予備系高速インタフェース部1−1を備える。現用
系高速インタフェース部1−0および予備系高速インタ
フェース部1−1を介して装置内部に引き込まれたST
M−16信号は、タイムスロット交換部(TSA:Time
Slot Assignment)2−0に与えられる。タイムスロッ
ト交換部2−0は、上記与えられたSTM−16信号に
時分割多重されたタイムスロットのうち所定のタイムス
ロットをドロップして低速インタフェース部(LS I
/F)3−1〜3−kに与える。
【0025】逆に、低速インタフェース部3−1〜3−
kからの低次群信号はタイムスロット交換部2−0に与
えられ、STM−16フレームの所定のタイムスロット
にアッドされて高速回線OFを介して送出される。この
ようにして、各ノード間に任意のパスが設定される。上
記システムにおける低次群信号の多重化レベルはSTM
−1、STM−4、STM−0またはSTM−16のい
ずれかとなることが多いが、システムの拡張によっては
これに限るものではない。
【0026】なお、タイムスロット交換部2−0はタイ
ムスロット交換部2−1と対を成して二重化されてお
り、定常時にはタイムスロット交換部2−0が現用系と
して動作し、またタイムスロット交換部2−0に障害を
生じた際にはタイムスロット交換部2−1を予備系とし
て運用すべく装置内切り替えが実行される。タイムスロ
ット交換部2−1の動作はタイムスロット交換部2−0
の動作と同様である。
【0027】ここで、高速インタフェース部1−0,1
−1、タイムスロット交換部2−0、2−1、低速イン
タフェース部3−1〜3−kは、それぞれサブコントロ
ーラ4H,4T,4Lを介して主制御部5に接続されて
いる。サブコントローラ4H,4T,4Lは主制御部5
により様々な動作制御を与える際の補助となるもので、
サブコントローラ4H,4T,4Lと主制御部5とによ
り、冗長切り替え制御などの各種制御が階層的に実行さ
れる。
【0028】主制御部5は、各種制御プログラムなどを
記憶した記憶部6と、管理網インタフェース(I/F)
7とに接続される。主制御部5は、高速インタフェース
部1−0,1−1および低速インタフェース部3−1〜
3−kで終端されたSTM信号の品質データの集計など
を行い、その結果を管理網インタフェース7を介して図
示しない監視制御装置などに通知する。
【0029】先に延べたサービストラフィックの現用系
伝送路SLから予備系伝送路PLへの迂回処理は、主制
御部5を中核として高速インタフェース部1−0,1−
1、タイムスロット交換部2−0、2−1、低速インタ
フェース部3−1〜3−k、サブコントローラ4H,4
T,4Lなどとの協調動作により実行される。例えば伝
送路や装置内部に障害が発生したり、あるいは監視制御
装置から、また使用者の指示により冗長切り替えを実行
する場合などに、迂回処理を行う必要が生じる。この種
の機能は、SDHにおいてはいわゆるAPSと称して広
く知られているものである。
【0030】このほか伝送装置A〜Fは、図示しない網
内クロック供給装置(DCS)からクロックの供給を受
け、自装置内部の動作クロックを生成するタイミング生
成部8と、電源部9とを備える。
【0031】ところで、主制御部5は上記APSなどの
種々の制御機能に加え、固定信号挿入手段5aを備え
る。この固定信号挿入手段5aは、APSによるサービ
ストラフィックの迂回処理に先立ち、サービストラフィ
ックの迂回先となるパスにP/Tトラフィックが有る場
合には当該パスの低次群へのドロップ側にAU−AIS
を挿入するとともに、サービストラフィックの迂回先と
なるパスにP/Tトラフィックが無い場合には当該パス
の低次群へのドロップ側にUNEQを挿入するものであ
る。
【0032】この固定信号挿入手段5aは、専用の言語
で記述され記憶部6に格納されている既知の動作プログ
ラムに、例えばパッチを当てることなどにより新たに実
装される機能オブジェクトである。固定信号挿入手段5
aが実行する処理手順に基づき、主として低速インタフ
ェース部3−1〜3−kが低次群側へのドロップ信号の
ビットパターンを書き換えることで、AU−AISまた
はUNEQの挿入処理が実現される。
【0033】図3に、SDHシステムにおける信号フレ
ームフォーマットを示す。SDHにおける伝送信号フレ
ームは、SOH(Section Over Head)と呼ばれるヘッ
ダ部およびPayloadと呼ばれるデータ格納部分か
らなり、図のSTM−1においてはSOHが9行9列
(9行×9バイト)、Payloadが9行291列
(9行×261バイト)となっている。STM−1から
STM−N(N=4,16,64など)への多重化の際
にはNに応じてSOHが再構成されるが、Payloa
dについてはバイト単位に順次多重化され、いわゆるバ
イトインタリーブと呼ばれる方法が採られる。
【0034】SOHは、厳密には先頭から4行目のAU
ポインタ(AU PTR)を除く部分を称し、これらは上3行
の中継セクションオーバーヘッド(RSOH:Regenerator
Section Over Head)と端局セクションセクションオー
バーヘッド(MSOH:MultiplexSection Over Head)とに
別れる。AU PTRは、SOHにより規定されるフレ
ームと、ペイロードに多重化される情報のフレームとの
時間位相関係を、ペイロードのアドレス値として示すも
のである。
【0035】図4に、SDHにおけるUNEQの信号パ
ターンを示す。すなわちUNEQとは、STM−Nフレ
ームのうちペイロードのビットをすべて0としたものと
して定められる。逆にペイロード部分のビットがすべて
0であるSTMフレームを受信した装置は、これをUN
EQとして認識することになる。なおSDHにおいては
伝送信号にスクランブルがかけられるため、UNEQ伝
送の際に0レベルが長期間連続することはない。
【0036】図5に、SDHにおけるAU−AISの信
号パターンを示す。すなわちAU−AISとは、STM
−NフレームのうちペイロードおよびAU−PTRのビ
ットをすべて1で記述したものとして定められる。これ
らの部分がすべて1であれば、受信した装置はこれをA
U−AISとして認識する。
【0037】次に、図6〜図8を参照して上記構成にお
ける動作を説明する。図6は、本実施形態におけるノー
ドA〜Fの主制御部5の処理手順を示すフローチャート
である。図7、図8は、図9の定常状態から図11、図
12と同じ箇所に障害の発生した場合の本実施形態での
レストレーション状態を示す図である。
【0038】図6において、主制御部5は現用系高速イ
ンタフェース部1−0、予備系高速インタフェース部1
−1などからの通知をモニタし、現用系伝送路SLにお
ける障害の発生を監視する(ステップS1)。
【0039】ステップSで障害を検出すると、主制御部
5は予備系伝送路PL側に張られた複数のパスにつき、
それぞれ例えばタイムスロットの先頭から順にこの時点
でのP/Tトラフィックの有無を検証する。スパン切り
替えに及ぶ障害の際には、障害発生区間の予備系伝送路
PLだけにつき検証すれば良いが、リング切り替えに及
ぶ障害の際には、全区間の予備系伝送路PLにつきP/
Tトラフィックの有無を確かめる。そして、P/Tトラ
フィックの有るパスにはその低次群へのドロップ側でA
U−AISを挿入し、P/Tトラフィックを切断する。
一方、P/Tトラフィックの無いパスには、その低次群
へのドロップ側でUNEQを挿入する。以上の処理を、
切り替え対象となる予備系伝送路PLの全てのパスにつ
き実行する(ステップS2〜ステップS5の処理ルー
プ)。
【0040】ステップS2〜ステップS5のループが完
了したのちに、主制御部5はステップS6〜ステップS
8でKバイトの送受および切り替え制御を行い、すなわ
ち既知の処理手順に基づくAPSを実行してサービスト
ラフィックを予備系伝送路PLに迂回させる。以上のよ
うな処理手順を踏むことで、次に図示するような箇所に
AU−AISおよびUNEQが挿入される。
【0041】図7は、図11に相当する箇所に障害が発
生した場合の本実施形態でのレストレーション状態を示
す。この図に示すように、ノードE,Dの低次群側の信
号出口にUNEQ(太い矢印で示す)が挿入され、サー
ビストラフィックの漏洩が防がれている。
【0042】図8は、図12に相当する箇所に障害が発
生した場合の本実施形態でのレストレーション状態を示
す。AU−AISの挿入箇所は図12と同様であるが、
図8ではさらにサービストラフィックが繋がれてしまう
低次群側の信号出口で全てUNEQが挿入され、図7と
同様にサービストラフィックの漏洩が防がれている。
【0043】以上述べたように本実施形態においては、
現用系伝送路SLの障害時におけるサービストラフィッ
クの予備系伝送路PLへの迂回処理の際、P/Tトラフ
ィックの存在するパスについてはAU−AISの挿入に
よりP/Tトラフィックを切断すると共に、P/Tトラ
フィックの存在しないパスについても、UNEQを挿入
するようにしている。
【0044】このようにしたので、APS切り替えの際
にミスコネクトとなるパスの接続パターンが生じても、
ノードの低次群側への信号出口においてサービストラフ
ィックに載せられた情報がAU−AISまたはUNEQ
のビットパターンに書き換えられる。これにより、たと
えサービストラフィックの経路が低次群側に達したとし
てもその情報はもはや失われ、従ってサービストラフィ
ックの漏洩を防止することが可能となる。
【0045】また本発明では、P/Tトラフィックの有
るパスにはAU−AISを、P/Tトラフィックの無い
パスにはUNEQをそれぞれ挿入するようにしている。
このようにしたので、ノードの低次群側に接続される多
重化装置などの通信装置は、ノードにおいて生じている
事態を区別して把握することが容易になる。
【0046】さらに本実施形態では、主として主制御部
5から低速インタフェース部3−1〜3−kに指示を与
えることによりAU−AISまたはUNEQの挿入処理
を実現するようにしている。このようにしたので、本発
明思想の実現のためにパスの低次群側出口に新たにハー
ドウェアを付加する必要が無く、既存のシステム構成を
そのまま流用することが可能である。
【0047】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば上記実施形態ではシステム構成
を4ファイバリング型としたが、これに限らず、例えば
複数のノードが鎖状に接続されたシステムについても本
発明は適用できる。また上記実施形態ではSDHに即し
て説明したが、ほぼ同様のシステム構成を持つSONE
Tに対しても本発明は適用できる。また上記実施形態で
はサービストラフィックの迂回後の処理については延べ
なかったが、サービストラフィック迂回後に可能ならば
P/Tトラフィックを再接続(リエスタブリッシュ)す
るシステムに対しても、本発明は適用できる。その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施を行う
ことができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、主トラフ
ィックの予備系伝送路への迂回処理に先立ち、副トラフ
ィックの有るパスについてはAU−AISなどの固定信
号を挿入し、副トラフィックの無いパスについては、U
NEQなどの固定信号を挿入するようにしている。ま
た、副トラフィックの有無に応じて挿入する固定信号を
互いに異ならせるようにしている。
【0049】このようにしたので、冗長切り替えの際に
ミスコネクトの発生を防止でき、これによりサービスト
ラフィックの漏洩の虞を無くした伝送システムとそのト
ラフィック制御方式および伝送装置を提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる伝送システムの
システム構成図。
【図2】 本発明の実施の形態に係わる伝送装置A〜F
の主要部構成を示す機能ブロック図。
【図3】 SDHシステムにおける信号フレームフォー
マットを示す図。
【図4】 SDHにおけるUNEQの信号パターンを示
す図。
【図5】 SDHにおけるAU−AISの信号パターン
を示す図。
【図6】 本発明の実施形態におけるノードA〜Fの主
制御部5の処理手順を示すフローチャート。
【図7】 図9からノードD〜E間の現用系伝送路に障
害が生じた場合の本発明の実施形態でのレストレーショ
ン状態を示す図。
【図8】 図9からノードD〜E間の現用系および予備
系伝送路に障害が生じた場合の本発明の実施形態でのレ
ストレーション状態を示す図。
【図9】 SDH伝送システムにおける定常状態の一例
を示す図。
【図10】 図9の状態から、ノードC〜Dの現用系伝
送路に障害が生じた場合のレストレーション状態を示す
図。
【図11】 図9からノードD〜E間の現用系伝送路に
障害が生じた場合の従来でのレストレーション状態を示
す図。
【図12】 図9からノードD〜E間の現用系および予
備系伝送路に障害が生じた場合の従来でのレストレーシ
ョン状態を示す図。
【符号の説明】
A〜F…伝送装置 OF…高速回線 SC…低速回線 SL…現用系伝送路 PL…予備系伝送路 1−0…現用系高速インタフェース部(HS I/F) 1−1…予備系高速インタフェース部 2−0,2−1…タイムスロット交換部(TSA) 3−1〜3−k…低速インタフェース部(LS I/
F) 4H,4T,4L…サブコントローラ 5…主制御部 5a…固定信号挿入手段 6…記憶部 7…管理網インタフェース(I/F) 8…タイミング生成部 9…電源部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパスが多重化された現用系伝送路
    および予備系伝送路を介して互いに接続され、定常時に
    は、前記現用系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝
    送される主トラフィックと異なる副トラフィックを、前
    記予備系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝送する
    複数の伝送装置を備えた伝送システムにおいて、 前記伝送装置は、 必要に応じて、前記現用系伝送路パスの主トラフィック
    を前記予備系伝送路側の対応するパスにそれぞれ迂回さ
    せる切替手段と、 この切替手段による前記主トラフィックの迂回処理に先
    立ち、主トラフィックの迂回先となるパスにおける副ト
    ラフィックの有無に対応付けて、互いに異なる第1また
    は第2の固定信号を前記予備系伝送路側のパスのドロッ
    プ側にそれぞれ挿入する固定信号挿入手段を具備するこ
    とを特徴とする伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記固定信号挿入手段は、 副トラフィックが有る予備系伝送路パスのドロップ側に
    AU−AIS(Administrative Unit-Alarm Indication
    Signal)を、副トラフィックが無い予備系伝送路パス
    のドロップ側にUNEQ(Unequipped)をそれぞれ挿入
    することを特徴とする請求項1に記載の伝送システム。
  3. 【請求項3】 複数のパスが多重化された現用系伝送路
    および予備系伝送路を介して互いに接続され、定常時に
    は、前記現用系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝
    送される主トラフィックと異なる副トラフィックを、前
    記予備系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝送する
    複数の伝送装置を備えた伝送システムで、必要に応じて
    前記現用系伝送路パスの主トラフィックを前記予備系伝
    送路側の対応するパスにそれぞれ迂回させる際のトラフ
    ィック制御方式において、 前記現用系伝送路パスの主トラフィックを前記予備系伝
    送路側の対応するパスにそれぞれ迂回させる前に、主ト
    ラフィックの迂回先となるパスにおける副トラフィック
    の有無に対応付けて、互いに異なる固定信号を前記予備
    系伝送路パスのドロップ側にそれぞれ挿入することを特
    徴とするトラフィック制御方式。
  4. 【請求項4】 副トラフィックが有る予備系伝送路パス
    のドロップ側にAU−AIS(Administrative Unit-Al
    arm Indication Signal)を、副トラフィックが無い予
    備系伝送路パスのドロップ側にUNEQ(Unequipped)
    をそれぞれ挿入することを特徴とする請求項3に記載の
    トラフィック制御方式。
  5. 【請求項5】 複数のパスが多重化された現用系伝送路
    および予備系伝送路を介して互いに接続され、定常時に
    は、前記現用系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝
    送される主トラフィックと異なる副トラフィックを、前
    記予備系伝送路の任意のパスを介してそれぞれ伝送する
    伝送装置において、 必要に応じて、前記現用系伝送路パスの主トラフィック
    を前記予備系伝送路の対応するパスにそれぞれ迂回させ
    る切替手段と、 この切替手段による前記主トラフィックの迂回処理に先
    立ち、主トラフィックの迂回先となるパスにおける副ト
    ラフィックの有無に対応付けて、互いに異なる固定信号
    を前記予備系伝送路パスのドロップ側にそれぞれ挿入す
    る固定信号挿入手段を具備することを特徴とする伝送装
    置。
  6. 【請求項6】 前記固定信号挿入手段は、 副トラフィックが有る予備系伝送路パスのドロップ側に
    AU−AIS(Administrative Unit-Alarm Indication
    Signal)を、副トラフィックが無い予備系伝送路パス
    のドロップ側にUNEQ(Unequipped)をそれぞれ挿入
    することを特徴とする請求項5に記載の伝送装置。
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