JP2001235902A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2001235902A JP2000048466A JP2000048466A JP2001235902A JP 2001235902 A JP2001235902 A JP 2001235902A JP 2000048466 A JP2000048466 A JP 2000048466A JP 2000048466 A JP2000048466 A JP 2000048466A JP 2001235902 A JP2001235902 A JP 2001235902A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低温低湿環境下でも初期から良好な現像性、
転写性、並びに安定した帯電性を有するトナーの製造方
法を提供する。 【解決手段】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
る混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、
冷却物を粉砕手段によって粉砕して微粉砕物を得、得ら
れた該微粉砕物を分級してトナーを製造する方法におい
て、該粉砕手段は、少なくとも中心回転軸312に取り
付けられた回転体である回転子314と、該回転子表面
と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固
定子310とを有し、且つ該間隔を保持することによっ
て形成される環状空間が気密状態となるように構成され
ている機械式粉砕機であり、前記回転子及び/又は固定
子の粉砕面の表面粗さが、中心線平均粗さ:Ra≧2.
0μm、最大粗さ:Ry≧25.0μm、十点平均粗
さ:Rz≧20.0μmを満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結着樹脂を有する
トナーの粉砕を効率良く行って、表面形状がコントロー
ルされたトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電写真法及び静電印刷法
の如き画像形成方法では、静電荷像を現像する為のトナ
ーが使用される。
【0003】一般にトナーの製造方法としては、被転写
材に定着させる為の結着樹脂、トナーとしての色味を出
させる各種着色剤、粒子に電荷を付与させる為の荷電制
御剤を原料とし、或いは特開昭54−42141号公報
及び特開昭55−18656号公報に示される様な所謂
一成分現像法においては、これらに加えてトナー自身に
搬送性等を付与する為の各種磁性材料が用いられ、更に
必要に応じて、例えば、離型剤及び流動性付与剤等の他
の添加剤を加えて乾式混合し、しかる後、ロールミル、
エクストルーダー等の汎用混練装置にて溶融混練し、冷
却固化した後、混練物をジェット気流式粉砕機、機械衝
突式粉砕機等の各種粉砕装置により微細化し、得られた
粗粉砕物を各種風力分級機に導入して分級を行うことに
より、トナーとして必要な粒径に揃えられた分級品を
得、更に、必要に応じて流動化剤や滑剤等を外添し乾式
混合して、画像形成に供するトナーとしている。また、
二成分現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キ
ャリアと上記トナーとを混ぜ合わせた後、画像形成に供
される。
【0004】粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いら
れるが、結着樹脂を主とするトナー粗砕物の粉砕には、
図7に示す如きジェット気流を用いたジェット気流式粉
砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられている。
【0005】ジェット気流の如き高圧気体を用いた衝突
式気流粉砕機は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、加
速管の出口より噴射し、粉体原料を加速管の出口の開口
面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、そ
の衝撃力により粉体原料を粉砕している。
【0006】例えば、図7に示す衝突式気流粉砕機で
は、高圧気体供給ノズル161を接続した加速管162
の出口163に対向して衝突部材164を設け、加速管
162に供給した高圧気体により、加速管162の中途
に連通させた粉体原料供給口165から加速管162内
に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴出
して衝突部材164の衝突面166に衝突させ、その衝
撃によって粉砕し、粉砕物を粉砕室168内から粉砕物
排出口167より排出させている。
【0007】しかしながら、上記の衝突式気流粉砕機
は、粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材の衝
突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成
のため、小粒径のトナーを生産するためには多量のエア
ーを必要とする。そのため電力消費が極めて多く、エネ
ルギーコストという面において問題を抱えている。
【0008】特に近年、環境問題への対応から、装置の
省エネルギー化が求められている。
【0009】そこで、従来の衝突式気流粉砕機に代わ
り、多量のエアーを必要せず、電力消費の少ない機械衝
突式粉砕機が着目されている。
【0010】例えば、図1に示す機械式粉砕機では、少
なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体である回転
子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲
に配置されている固定子とを有し、且つ該間隔を保持す
ることによって形成される環状空間が気密状態となるよ
うに構成されている。
【0011】このような機械式粉砕機は、従来の衝突式
気流粉砕機に比べ電力消費が少ないため、近年叫ばれて
いる装置の省エネルギー化に対応できる。また、機械式
粉砕機により粉砕されたトナーは、機械的衝撃力により
その形状は丸みを帯びるので、クリーナーレスや廃トナ
ー量削減といった環境問題にも対応できる。
【0012】しかしながら、近年、複写機やプリンター
等の高画質化・高精細化に伴い、現像剤としてのトナー
に要求される性能も一段と厳しくなり、トナーの粒子径
は小さくなり、トナーの粒度分布としては、粗大な粒子
が含有されず且つ超微粉体の少ないシャープなものが要
求される様になってきている。また、そのトナー表面形
状においても、高いレベルでの環境安定性の要求に伴
い、更なるトナー表面形状のコントロールが求められて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決したトナーが得られるトナーの製造方法を
提供することにある。
【0014】本発明の目的は、機械式粉砕機においてト
ナーの表面形状をコントロールすることにより、低温低
湿環境下でも初期から良好な現像性、転写性、並びに安
定した帯電性を有する、長寿命なトナーが得られるトナ
ーの製造方法を提供することにある。
【0015】更に本発明の目的は、機械式粉砕機におい
てトナーの表面形状をコントロールすることにより、低
温低湿環境下において、非画像部にカブリがないか又は
カブリの発生が抑制されており、トナーを現像剤担持体
上に均一に塗布し得、トナー粒子を効率良く、均一に摩
擦帯電し得るトナーが得られるトナーの製造方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂及び
着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得ら
れた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粉
砕して微粉砕物を得、得られた該微粉砕物を分級してト
ナーを製造する方法において、該粉砕手段は、少なくと
も中心回転軸に取り付けられた回転体である回転子と、
該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置
されている固定子とを有し、且つ該間隔を保持すること
によって形成される環状空間が気密状態となるように構
成されている機械式粉砕機であり、前記回転子及び/又
は固定子の粉砕面の表面粗さが下記条件 中心線平均粗さ:Ra≧2.0μm 最大粗さ :Ry≧25.0μm 十点平均粗さ :Rz≧20.0μm を満足し、前記回転子及び/又は固定子の粉砕面は、表
面粗さを制御するために表面処理されており、製造され
たトナーは、該トナーのBET法によって測定された単
位体積あたりの比表面積Sb(m2/cm3)と、トナー
を真球と仮定した際の重量平均径から算出した単位体積
あたりの比表面積St(m2/cm3)の関係が下記条件 Sb/St≧1.8 を満足していることを特徴とするトナーの製造方法に関
する。
【0017】本発明者は、上記した従来技術の課題を解
決すべく鋭意検討の結果、機械式粉砕機内の回転子及び
固定子の粉砕面の表面粗さと、該機械式粉砕機で粉砕さ
れたトナーの表面形状の間に関連があることを知見し
て、上記構成の本発明を導き出した。
【0018】即ち、機械式粉砕機において、粉砕処理室
内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転
子と、表面に多数の溝が設けられている固定子の粉砕面
の表面粗さを、適切な状態に制御して機械式粉砕機を運
転することにより、トナーの表面形状を任意にコントロ
ールでき、低温低湿環境下でも初期から良好な現像性、
転写性、並びに安定した帯電性を有する、長寿命なトナ
ーが得られ、更には、非画像部にカブリがないか又はカ
ブリの発生が抑制されており、トナーを現像剤担持体上
に均一に塗布し得、トナー粒子を効率良く、均一に摩擦
帯電し得るトナーが得られることを知見して本発明に到
った。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。
【0020】まず、本発明で使用する少なくとも結着樹
脂及び着色剤を含むトナー粒子について説明する。本発
明で使用するトナーを構成する結着樹脂としては、通常
トナーに用いられるあらゆる樹脂を使用することができ
るが、例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0021】加熱定着用トナーの場合は、例えば、ポリ
スチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトル
エンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレ
ン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチ
レン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−α
−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテ
ル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合体など
のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹
脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸
樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テンペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。これ
らの中でも、スチレン系共重合体が好ましい。ラジカル
重合反応により得られる樹脂は比較的それ自身の主鎖の
極性が低く、トナー母体の帯電を安定させるものと考え
られる。
【0022】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのよう
な二重結合を有するモノカルボン酸、もしくはその置換
体;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル
酸、クロトン酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ
−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン
酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導
体または無水マレイン酸などが挙げられる。このような
モノマーを単独、或いは混合して、スチレンモノマーと
共重合させることにより所望の共重合体が得られる。
【0023】これらの中でも、特に不飽和ジカルボン酸
のモノエステル誘導体のモノエステル誘導体を用いるこ
とが好ましい。より具体的には、例えば、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、
マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル
酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェ
ニルなどのようなα−,β−不飽和ジカルボン酸のモノ
エステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オ
クテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モ
ノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−
ブテニルアジピン酸モノメチルエステルなどのようなア
ルケニルジカルボン酸のモノエステル類;フタル酸モノ
メチルエステル、フタル酸モノエチルエステル、フタル
酸モノブチルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸
のモノエステル類;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸
ビニルなどのようなビニルエステル類、エチレン、プロ
ピレン、ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン
類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどの
ようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのよう
なビニルエーテル類;などのビニル単量体が単独もしく
は組み合わせて用いられる。
【0024】重合の際に用いることのできる架橋剤とし
ては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する
化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物、;エ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリ
レートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エ
ステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニ
ルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合
物、及び3個以上のビニル基を有する化合物が単独もし
くは混合物として使用できる。また、これら結着樹脂の
製造方法などは、いかなるものでもかまわない。
【0025】本発明で用いるトナー粒子は、上記に挙げ
た結着樹脂と共に着色剤を含有するが、着色剤として
は、カーボンブラック、チタンホワイトの他、あらゆる
顔料及び/又は染料を用いることができる。
【0026】本発明のトナー製造方法において、磁性体
を着色剤として用いた磁性トナーを製造する場合は、以
下に挙げるような磁性体を使用することができる。即
ち、トナーに含有させる磁性体としては、強磁性の元素
を含む合金又は化合物の粉末が好ましい。例えば、マグ
ネタイト、マグヘマイト、フェライト、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、亜鉛などの合金や化合物、その他
の強磁性合金など、従来より磁性材料として知られてい
るものを挙げることができる。
【0027】本発明で使用する磁性体としては、窒素ガ
ス吸着法によるBET比表面積としては、1〜40m2
/g、さらには2〜30m2/gのものが好ましい。ま
た、平均粒径が0.05〜1μm、好ましくは0.1〜
0.6μmのものが好ましい。更に、これらの磁性体
は、結着樹脂100部に対して、60〜200質量部、
さらに好ましくは80〜150質量部含有させることが
好ましい。
【0028】本発明で使用するトナー粒子には、必要に
応じて荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、または
トナー粒子と混合(外添)することができる。荷電制御
剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コント
ロールが可能となる。特に、粒度分布と荷電量とのバラ
ンスを更に安定させたトナーとすることが可能とある。
【0029】この際に使用するトナーを負帯電性に制御
するものとして、例えば、下記の物質が挙げられる。ま
ず、トナーが磁性トナーである場合は、有機金属錯体、
キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセ
チルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン
酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。
その他、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及
びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル
類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等が挙げら
れる。
【0030】本発明のトナー製造方法で製造するトナー
がカラートナーである場合は、特に、無色でトナーの帯
電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持でき
る荷電制御剤が好ましい。このような具体的な化合物と
しては、ネガ系としてサリチル酸,ナフトエ酸,ダイカ
ルボン酸,それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸,
カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合
物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等
が挙げられる。ポジ系のものでは、四級アンモニウム
塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合
物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物等が挙げら
れる。
【0031】これらの荷電制御剤は、樹脂100質量部
に対し0.5〜10質量部が好ましい。しかしながら、
本発明において、荷電制御剤の添加は必須ではない。例
えば、二成分現像方法の画像形成方法に用いられるトナ
ーは、トナーの帯電に、キャリアとの摩擦帯電を利用さ
れるし、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法に
用いられるトナーの場合も、トナーと、ブレード部材や
スリーブ部材との摩擦帯電が積極的に利用されてトナー
を帯電させるので、トナー中には必ずしも荷電制御剤を
含ませる必要はない。
【0032】本発明のトナー製造方法においては、トナ
ーの構成材料として、必要に応じて1種ないし2種以上
のワックスを用いても構わない。この際用いることので
きるワックスとしては次のものが挙げられる。例えば、
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイ
クロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの
脂肪族炭化水素ワックス、また、酸化ポリエチレンワッ
クスなどの脂肪族炭化水素ワックスの酸化物、または、
それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾー
ルワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸
エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバ
ワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱
酸化したものなどが挙げられる。
【0033】更に、パルチミン酸、ステアリン酸、モン
タン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオ
ステアリン酸、バリナン酸などの不飽和脂肪酸類;ステ
アリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルア
ルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコー
ル、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソル
ビトールなどの多価アルコール類;リノール類アミド、
オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミ
ド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス
カプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘ
キサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸
ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサ
メチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイル
アジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸ア
ミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスス
テアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル
酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カ
ルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に
金属石鹸と言われているもの)、また、脂肪族炭化水素
系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノ
マーを用いてグラフト化させたワックス類、また、ベヘ
ニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの
部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などに
よって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル
化合物などが挙げられる。
【0034】本発明においてこれらのワックスを用いる
場合の量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜4
5質量部が望ましい。
【0035】更に、本発明のトナー製造方法において製
造されるトナーは、示差熱分析によって吸熱ピークを測
定した際に、吸熱ピークが120℃以下に1つ以上ある
ように構成することが好ましい。このような態様とすれ
ば、画像安定性により一層効果があるトナーが得られ
る。即ち、示差熱分析における吸熱ピークが120℃以
下にあるトナーは、その製造方法における溶融混練工程
において結着樹脂中の磁性体/荷電制御剤等の分散の状
態が、吸熱ピークが120℃以下に有しないトナーとは
異なったある特異な状態になるものと推測され、このた
めに特性の優れたトナーが得られるものと考えている。
【0036】この場合に、示差熱分析における吸熱ピー
クは、120℃以下に少なくとも一つあれば足り、ま
た、更に吸熱ピークが120℃を超えるところにあって
も同様の効果が得られる。但し、示差熱分析における吸
熱ピークが、60℃未満(好ましくは70℃未満)に存
在しないように構成することが好ましい。即ち、示差熱
分析における吸熱ピークが60℃未満に存在するような
トナーを画像形成に用いると、画像濃度が低くなる傾向
がある。また、トナーの保全性も不安定になるという傾
向もある。
【0037】本発明のトナー製造方法において製造され
るトナーを、示差熱分析における吸熱ピークが120℃
以下に有する形態にする手段としては、トナー中に示差
熱分析における吸熱ピークが120℃以下に有する化合
物を用い、該化合物がトナー中に内添される構成とする
ことが好ましい。
【0038】この際用いる示差熱分析における吸熱ピー
クが120℃以下にひとつ以上有する物質としては、樹
脂あるいはワックスを挙げることができる。樹脂として
は、結晶性を有するポリエステル樹脂、シリコーン樹脂
等を挙げることができる。また、ワックスとしては、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペ
トロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モン
タンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ
法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレ
ンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導
体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然
ワックス及びそれらの誘導体等で誘導体には酸化物や、
ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物
も含む。高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステア
リン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸
アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導
体、植物ワックス、動物ワックス等を挙げることができ
る。いずれにおいても、示差熱分析における吸熱ピーク
を120℃以下に有しているものであれば用いることが
できる。
【0039】これらの中でも、ポリオレフィンもしくは
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもし
くは石油系ワックスもしくは高級脂肪族アルコールをト
ナーの構成材料に使用し、これらが含有されたトナーを
製造することが特に好ましい。本発明のトナー製造方法
においては、上記の中でも、更に、ポリオレフィンもし
くはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス
もしくは石油系ワックスをトナーの構成材料に使用する
ことが好ましい。
【0040】本発明のトナー製造方法においては、上記
で説明したような結着樹脂、着色剤等からなるトナー粒
子に、通常、平均粒径が50nm以下の無機微粒子を外
添剤として外添混合する。このような無機微粒子をトナ
ー粒子に外添すると、トナーの流動性を向上させること
ができる。
【0041】この際用いることのできる無機微粒子とし
ては、以下のものが挙げられるが、これらは単独あるい
は併用して用いることができる。例えば、マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジ
ルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、
アンチモン、チタンなどの金属酸化物;チタン酸カルシ
ウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタ
ン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネ
シウムなどの金属塩;カオリンなどの粘度鉱物;アパタ
イトなどのリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケ
イ素などのケイ酸化合物などが挙げられる。
【0042】以上に挙げた無機微粒子の中でも、特にシ
リカが流動性向上に効果がある。シリカとしては、例え
ば、硅素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたい
わゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリ
カ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ
の両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内
部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-
等の製造残滓の少ない乾式シリカを用いることが好まし
い。更に、乾式シリカにおいては、製造工程において、
例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハ
ロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることに
よって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得るこ
とも可能であり、それらも包含する。
【0043】本発明において使用するシリカ粒子として
は、更に、その表面を疎水化処理されたものが好まし
い。疎水化処理するには、シリカ微粒子と反応あるいは
物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的にシリカ微
粒子表面を処理すればよい。疎水化処理の好ましい方法
としては、例えば、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化
により生成された乾式シリカ微粒子をシランカップリン
グ剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処
理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合
物で処理する方法が挙げられる。
【0044】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、
及び、1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有
し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のケイ素原子に
結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンなど
が挙げられる。
【0045】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが好ましい。また、好ましいシリコーンオイルとし
ては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セ
ンチストークスのものが用いられる。具体的には、例え
ば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロロフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等を使用することができる。
【0046】これらのシリコーンオイルを用いて行なう
シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカ
ップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオ
イルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混
合してもよいし、べースとなるシリカにシリコーンオイ
ルを噴射する方法によってもよい。あるいは適当な溶剤
にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベ
ースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去する方法で
もよい。
【0047】更に、本発明においては、上記で説明した
ような無機微粒子のうち、その平均径が50nm以下で
あるものを用いる。更に、5〜30nm程度のものを用
いることが好ましい。本発明における無機微粒子の平均
粒径は、以下の方法で求めたものである。まず、無機微
粒子を透過電子顕微鏡にて、1×106以上の倍率で観
察し、写真をとる。そして画像上の無機微粒子を100
個無作為にサンプリングし、これらの粒子の像の粒径を
測定し、その平均を求める。
【0048】次に、上記に挙げたようなトナー粒子の形
成材料及び外添剤などを用いて、本発明のトナーの製造
方法でトナーを製造する手順について説明する。
【0049】まず、原料混合工程では、トナー内添剤と
して、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合
し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・
ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパー
ミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等が
ある。
【0050】次に、上記で配合し、混合したトナー原料
を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を
分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニー
ダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続
式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産
できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流と
なっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出
機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケ
イ社製2軸押出機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出機、
ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、
トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹
脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水
冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
【0051】上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物
は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フ
ェザーミル等で粗粉砕され、更に、機械式粉砕機で細粉
砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のト
ナー粒度まで粉砕される。更に、粉砕後、慣性分級方式
のエルボージェット、遠心力分級方式のミクロプレック
ス、DSセパレーター等の分級機を用い、トナーを分級
して平均粒子径3〜15μmのトナーを得る。この中
で、分級機として、多分割気流式分級機が特に好まし
い。
【0052】好ましい多分割気流式分級機の一例とし
て、図4(断面図)に示す形式の装置を一具体例として
例示する。
【0053】図4において、側壁22及びGブロック2
3は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック24及
び25は分級エッジ17及び18を具備している。Gブ
ロック23は左右に設置位置をスライドさせることが可
能である。また、分級エッジ17及び18は、軸17a
及び18aを中心にして、回動可能であり、分級エッジ
を回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。
各分級エッジブロック24及び25は左右に設置位置を
スライドさせることが可能であり、それにともなってそ
れぞれのナイフエッジ型の分級エッジ17及び18も左
右にスライドする。この分級エッジ17及び18によ
り、分級室32の分級域30は3分画されている。
【0054】原料粉体を導入するための原料供給口40
を原料供給ノズル16の最後端部に有し、該原料供給ノ
ズル16の後端部に高圧エアー供給ノズル41と原料粉
体導入ノズル42とを有し且つ分級室32に開口部を有
する原料供給ノズル16を側壁22の右側に設け、該原
料供給ノズル16の下部接線の延長方向に対して長楕円
弧を描く様にコアンダブロック26が設置されている。
分級室32の左部ブロック27は、分級室32の右側方
向にナイフエッジ型の入気エッジ19を具備し、更に分
級室32の左側には分級室32に開口する入気管14及
び15を設けてある。
【0055】分級エッジ17,18、Gブロック23及
び入気エッジ19の位置は、被分級処理原料であるトナ
ーの種類及び所望の粒径により調整される。
【0056】また、分級室32の上面にはそれぞれの分
画域に対応させて、分級室内に開口する排出口11,1
2及び13を有し、排出口11,12及び13にはパイ
プの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ
手段のごとき開閉手段を設けてよい。
【0057】原料供給ノズル16は直角筒部と角錘筒部
とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い箇所
の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1
から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
【0058】以上のように構成してなる多分割分級域で
の分級操作は、例えば次のようにして行なう。即ち、排
出口11,12及び13の少なくとも1つを介して分級
室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズ
ル16中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供
給ノズル41から噴射される圧縮エアーのエゼクター効
果により、好ましくは流速10〜350m/secの速
度で粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に噴出
し、分散する。
【0059】分級室に導入された粉体中の粒子は、コア
ンダブロック26のコアンダ効果による作用と、その際
流入する空気のごとき気体の作用とにより湾曲線を描い
て移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応
じて、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分
級エッジ18の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッ
ジ18と17の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ
17の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒
子は排出口11より排出され、分級された中間の粒子は
排出口12より排出され、分級された小さい粒子は排出
口13よりそれぞれ排出される。
【0060】上記の粉体の分級において、分級点は、粉
体が分級室32内へ飛び出す位置であるコアンダブロッ
ク26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエ
ッジ先端位置によって主に決定される。さらに、分級点
は、分級気流の吸引流量あるいは原料供給ノズル16か
らの粉体の噴出速度等の影響を受ける。
【0061】以上説明した多分割気流式分級機は、特に
電子写真法による画像形成方法に用いられるトナー又は
トナー用着色樹脂粉体を分級する場合に有効である。
【0062】更に、図4に示す形式の多分割気流式分級
機では、原料供給ノズル、原料粉体導入ノズル及び高圧
エアー供給ノズルを多分割気流式分級機の上面部に具備
し、該分級エッジを具備する分級エッジブロックが、分
級域の形状を変更できるようにその位置を変更し得るよ
うにしたため、従来の気流式分級装置よりも分級精度を
飛躍的に向上させることができる。
【0063】尚、分級工程で分級されて発生したトナー
粗粉は、再度粉砕工程に戻して粉砕する。また分級工程
で発生した微粉は、トナー原料の配合工程に戻して再利
用してもよい。
【0064】更に、上記のようにして得られたトナー粒
子に、平均粒径が50nm以下の無機微粒子を外添剤と
して外添する。トナーに外添剤を外添処理する方法とし
ては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配
合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体
にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、
撹拌・混合することが好ましい。この際、外添機内部で
発熱を生じ、凝集物を生成し易くなるので、外添機の容
器部周囲を水で冷却する等の手段で温度調整をする方が
好ましい。
【0065】本発明のトナー粒子の粉砕工程で使用され
る機械式粉砕機及び該機械式粉砕機を利用したトナーの
製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0066】図1は、本発明に使用する機械式粉砕機を
組込んだトナー粒子の粉砕装置システムの一例を示し、
図2は図1におけるD−D’面での概略的断面図を示
し、図3は図1において高速回転する回転子の斜視図を
示す。
【0067】図1に示す機械式粉砕機では、ケーシング
313、ケーシング313内にあって冷却水を通水でき
るジャケット316、ケーシング313内にあって中心
回転軸312に取り付けられた回転体からなる高速回転
する表面に多数の溝が設けられている回転子314、回
転子314の外周に一定間隔を保持して配置されている
表面に多数の溝が設けられている固定子310、更に、
被処理原料を導入する為の原料投入口311、処理後の
粉体を排出する為の原料排出口302とから構成されて
いる。
【0068】以上のように構成してなる機械式粉砕機で
は、図1に示した定量供給機315から機械式粉砕機の
原料投入口311へ所定量の粉体原料が投入されると、
粒子は、粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高
速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子31
4と、表面に多数の溝が設けられている固定子310と
の間に発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速
渦流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動に
よって瞬間的に粉砕される。その後、原料排出口302
を通り、排出される。トナー粒子を搬送しているエアー
(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パ
イプ219、補集サイクロン229、バグフィルター2
22、及び吸引フィルター224を通って装置システム
の系外に排出される。本発明においては、この様にし
て、粉体原料の粉砕が行われる為、微粉及び粗粉を増や
すことなく所望の粉砕処理を容易に行うことができる。
【0069】このような機械式粉砕としては、例えば、
ホソカワミクロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重
工業(株)製粉砕機クリプトリン、ターボ工業(株)製
ターボミルのP−型、M−型、E−型、R−型、EX−
型、RS−型などを挙げることができる。
【0070】本発明の機械式粉砕機の特徴は、回転子及
び/又は固定子の粉砕面の表面粗さが、下記条件 中心線平均粗さ:Ra≧2.0μm 最大粗さ :Ry≧25.0μm 十点平均粗さ :Rz≧20.0μm を満足し、前記回転子及び/又は固定子の粉砕面は、表
面粗さを制御するために表面処理されており、製造され
たトナーは、該トナーのBET法によって測定された単
位体積あたりの比表面積Sb(m2/cm3)と、トナー
を真球と仮定した際の重量平均径から算出した単位体積
あたりの比表面積St(m2/cm3)の関係が下記条件 Sb/St≧1.8 を満足していることである。
【0071】即ち、本発明者が検討した結果、前記回転
子及び/又は固定子の粉砕面の中心線平均粗さRaを
2.0μm以上(より好ましくは2.0乃至10.0μ
m)、また、最大粗さRyを25.0μm以上(より好
ましくは25.0乃至60.0μm)、また、十点平均
粗さRzを20.0μm以上(より好ましくは20.0
乃至40.0μm)とすることが好ましい。回転子及び
固定子の粉砕面の中心線平均粗さRa、最大粗さRy及
び十点平均粗さRzを上記値に規定することにより、ト
ナーの表面形状を任意にコントロールでき、低温低湿環
境下でも初期から良好な現像性、転写性、並びに安定し
た帯電性を有する、長寿命なトナーが得られ、更には、
非画像部のカブリの発生が抑制され、トナーを現像剤担
持体上に均一に塗布し得、トナー粒子を効率良く、均一
に摩擦帯電し得るトナーを得ることができる。
【0072】ここで、表面粗さの解析パラメータの値
は、非接触で測定が可能なレーザーフォーカス変位計L
F8100((株)キーエンス製)及び表面形状計測ソ
フトTres−Valle Lite(三谷商事(株)
社製)を使用して測定し、測定ポイントをランダムにず
らしてそれぞれ数回測定し、その平均値から求めた。ま
た、この時、基準長さの設定を8mm、カットオフ値の
設定を0.8mmとして測定した。
【0073】なお、表面粗さの解析パラメータの中で、
「中心線平均粗さRa」は、粗さ曲線からその中心線の
方向に基準長さLの部分を抜き取り、その抜き取り部分
の中心線をX軸、縦倍率の方向をZ軸とし、粗さ曲線を
Z=f(x)で表した時、以下の式で求めることにより
決定する。
【0074】Ra=(1/L)・∫│f(x)│dx
【0075】また、「最大粗さRy」は、粗さ曲線から
その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取
り部分の山頂部と谷底部との間隔を粗さ曲線の縦倍率の
方向に測定することによって決定する。また、「十点平
均粗さRz」は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準
長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍
率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山
頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底部から5番
目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和を求めるこ
とによって決定する。
【0076】更に、本発明のトナーの製造方法において
は、該機械式粉砕機の回転子及び/又は固定子の粉砕面
に表面処理を施すことにより、回転子及び固定子の粉砕
表面の表面粗さを上式の条件に制御でき、低温低湿環境
下でも初期から良好な現像性、転写性、並びに安定した
帯電性を有する、長寿命なトナーが得られ、更には、非
画像部のカブリの発生が抑制され、トナーを現像剤担持
体上に均一に塗布し得、トナー粒子を効率良く、均一に
摩擦帯電し得るトナーが得られることがわかった。
【0077】前記表面処理方法としては公知の方法が用
いられるが、この中で溶射による表面処理が最も好まし
い。
【0078】前記「溶射」とは、熱プラズマが有する高
熱エネルギーを利用して粉末材料を溶融し、それを素材
面に吹き付けて皮膜を形成する表面加工技術である。
【0079】溶射方法としては、高速フレーム溶射、セ
ラミック溶射、アルミ溶射、プラズマ溶射、アーク溶射
等が挙げられるが、この中で回転子及び固定子の粉砕表
面の表面粗さを上式の条件に制御できる溶射方法とし
て、高速フレーム溶射が最も好ましいことがわかった。
【0080】前記高速フレーム溶射法は、溶射用粉末を
窒素気流に乗せて炭化水素(プロピレン、アセチレン+
プロピレン、プロパン等)と酸素とを混合した燃料ガス
中に供給し、溶融した状態で母材に向けて高速度で噴射
し、被覆層を形成する方法である。
【0081】更に、本発明のトナーの製造方法において
は、上記回転子及び/又は固定子の粉砕面の表面粗さを
制御した機械式粉砕機で粉砕し、図4に示す形式の多分
割気流式分級機により分級したトナーが、該トナーのB
ET法によって測定された単位体積あたりの比表面積S
b(m2/cm3)と、トナーを真球と仮定した際の重量
平均径から算出した単位体積あたりの比表面積St(m
2/cm3)の関係が、Sb/St≧1.8を満足してお
り、更には1.8≦Sb/St≦2.5を満足している
ことが好ましい。
【0082】即ち、該機械式粉砕機で粉砕し、図4に示
す形式の多分割気流式分級機により分級したトナーのB
ET法によって測定された単位体積あたりの比表面積S
bと、トナーを真球と仮定した際の重量平均径(D4)
から算出した単位体積あたりの比表面積St(St=6
/D4)の関係が、Sb/St≧1.8であり、更には
1.8≦Sb/St≦2.5を満足させることにより、
低温低湿環境下でも初期から良好な現像性、転写性、並
びに安定した帯電性を有する、長寿命なトナーが得ら
れ、更には、非画像部のカブリの発生が抑制され、トナ
ーを現像剤担持体上に均一に塗布し得、トナー粒子を効
率良く、均一に摩擦帯電し得るトナーが得られる。
【0083】ここで、比表面積はBET法に従って、比
表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社
製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多
点法を用いて比表面積を算出した。
【0084】また、トナーの平均粒径及び粒度分布はコ
ールターカウンターTA−II型あるいはコールターマ
ルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布,
体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び
PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を
接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−
II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)
が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくは
アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加
え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁し
た電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行な
い、前記コールターカウンターTA−II型によりアパ
ーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μ
m以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数
分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布
から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布
から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0085】次に、回転子及び/又は固定子の粉砕面の
表面粗さを上式の条件に制御した機械式粉砕機で粉砕原
料を粉砕する際には、冷風発生手段321により、粉体
原料と共に、機械式粉砕機内に冷風を送風することが好
ましい。更に、その冷風の温度は、0乃至−18℃であ
ることが好ましい。更に、機械式粉砕機本体の機内冷却
手段として、機械式粉砕機はジャケット構造316を有
する構造とし、冷却水(好ましくはエチレングリコール
等の不凍液)を通水することが好ましい。更に、上記の
冷風装置及びジャケット構造により、機械式粉砕機内の
粉体導入口に連通する渦巻室212内の室温T1を0℃
以下、より好ましくは−5〜−15℃、更に好ましくは
−7〜−12℃とすることがトナー生産性という点から
好ましい。粉砕機内の渦巻室の室温T1を0℃以下、よ
り好ましくは−5〜−15℃、更に好ましくは−7〜−
12℃とすることにより、熱によるトナーの表面変質を
抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することが
できる。粉砕機内の渦巻室の室温T1が0℃を超えるの
場合、粉砕時に熱によるトナーの表面変質や機内融着を
起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくな
い。
【0086】また、上記冷風発生手段321で使用する
冷媒としては、地球全体の環境問題という点から代替フ
ロンが好ましい。
【0087】代替フロンとしては、R134A、R40
4A、R407C、R410A、R507A、R717
等が挙げられるが、この中で省エネルギー性や安全性と
いう点から、特にR404Aが好ましい。
【0088】なお、冷却水(好ましくはエチレングリコ
ール等の不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケッ
ト内部に供給され、冷却水排出口318より排出され
る。
【0089】また、機械式粉砕機内で生成した微粉砕物
は、機械式粉砕機の後室320を経由して粉体排出口3
02から機外へ排出される。その際、機械式粉砕機の後
室320の室温T2が30乃至60℃であることがトナ
ー生産性という点から好ましい。機械式粉砕機の後室3
20の室温T2を30乃至60℃とすることにより、熱
によるトナーの表面変質を抑えることができ、効率良く
粉砕原料を粉砕することができる。機械式粉砕機の温度
T2が30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパ
スを起こしている可能性があり、トナー性能という点か
ら好ましくない。また、60℃より大きい場合、粉砕時
に過粉砕されている可能性があり、熱によるトナーの表
面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性とい
う点から好ましくない。
【0090】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室3
20の室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を40〜7
0℃とすることが好ましく、より好ましくは42〜67
℃、更に好ましくは45〜65℃とすることがトナー生
産性という点から好ましい。機械式粉砕機の温度T1と
温度T2とのΔTを40〜70℃、より好ましくは42
〜67℃、更に好ましくは45〜65℃とすることによ
り、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効
率良く粉砕原料を粉砕することができる。機械式粉砕機
の温度T1と温度T2とのΔTが40℃より小さい場
合、粉砕されずにショートパスを起こしている可能性が
あり、トナー性能という点から好ましくない。また、7
0℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されている可能性
があり、熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こし
やすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
【0091】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、45乃至7
5℃、更には、55乃至65℃が好ましい。また、機械
式粉砕機の渦巻室212の室温T1は、Tgに対して、
0℃以下であり且つTgよりも60乃至75℃低くする
ことがトナー生産性という点から好ましい。機械式粉砕
機の渦巻室212の室温T1を0℃以下であり且つTg
よりも60乃至75℃低くすることにより、熱によるト
ナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料
を粉砕することができる。また、機械式粉砕機の後室3
20の室温T2は、Tgよりも5乃至30℃、更には、
10乃至20℃低いことが好ましい。機械式粉砕機の後
室320の室温T2をTgよりも5乃至30℃、より好
ましくは10乃至20℃低くすることにより、熱による
トナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原
料を粉砕することができる。
【0092】なお、本発明において、結着樹脂のガラス
転移点Tgは示差熱分析装置(DSC測定装置)、DS
C−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件で
測定した。 試料:5〜20mg、好ましくは10mg 温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.) 降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.) 昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.) 昇温IIで測定されるTgを測定値とする。 測定法:試料をアルミパン中にいれ、リファレンスとして空のアルミパンを用い る。吸熱ピークが出る前と出た後のべースラインの中間点の線と示差熱 曲線との交点をガラス転移点Tgとした。
【0093】また、回転する回転子314の先端周速と
しては80〜180m/secであることが好ましく、
より好ましくは90〜170m/sec、更に好ましく
は100〜160m/secとすることがトナー生産性
という点から好ましい。回転する回転子314の周速を
80〜180m/sec、より好ましくは90〜170
m/sec、更に好ましくは100〜160m/sec
とすることで、トナーの粉砕不足や過粉砕を抑えること
ができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回
転子の周速が80m/secより遅い場合、粉砕されず
にショートパスを起こしやすいのでトナー性能という点
から好ましくない。また、回転子314の周速が180
m/secより速い場合、装置自体の負荷が大きくなる
のと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面
変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という
点から好ましくない。
【0094】また、回転子314と固定子310との間
の最小間隔は0.5〜10.0mmであることが好まし
く、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましく
は1.0〜3.0mmとすることが好ましい。回転子3
14と固定子310との間の間隔を0.5〜10.0m
m、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましく
は1.0〜3.0mmとすることで、トナーの粉砕不足
や過粉砕を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕
することができる。回転子314と固定子310との間
の間隔が10.0mmより大きい場合、粉砕されずにシ
ョートパスを起こしやすいのでトナー性能という点から
好ましくない。また回転子314と固定子310との間
の間隔が0.5mmより小さい場合、装置自体の負荷が
大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるト
ナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生
産性という点から好ましくない。
【0095】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に具体的に説明する。
【0096】 [実施例1] ・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100質量部 (Tg59℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価30mgKOH/g、分子量 :Mp6800、Mn2900、Mw53000) ・磁性酸化鉄 90質量部 (平均粒子径0.20μm、795.8kA/m磁場での特性:Hc9.1kA /m、σs82.1Am2/kg、σr11.4Am2/kg) ・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤) 2質量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 3質量部 上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75
型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用粉体原料である粉体原料(粗粉砕物)を得た。
【0097】得られた粉体原料を、図1に示す機械式粉
砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS
型を以下の通り改造した改造機)で微粉砕し、得られた
微粉砕品を、図4に示す多分割気流式分級機1にて分級
した。
【0098】本実施例では、機械式粉砕機301の回転
子314及び固定子310の粉砕面を高速フレーム溶射
により耐摩耗性処理を行ない、その表面粗さを、中心線
平均粗さRa=3.1μm、最大粗さRy=27.7μ
m、十点平均粗さ=25.0μmとし、また、回転子3
14の周速を115m/s、回転子314と固定子31
0の間隙を1.5mm、粉砕供給量を15kg/hrと
して粉砕した。
【0099】なお、この際、冷風温度は−15℃、機械
式粉砕機内の渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度
T2は41℃、T1とT2のΔTは51℃であった。ま
た、Tg−T1は69℃、Tg−T2は18℃であっ
た。また、この時に機械式粉砕機301で粉砕されて得
られた微粉砕品は、重量平均径が7.4μmであった。
【0100】次に、上記の機械式粉砕機301で粉砕さ
れて得られた微粉砕品を図4の構成を有する気流式分級
機1に導入し分級することで、重量平均粒径が7.3μ
mのトナーを得た。
【0101】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.75m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.82m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.1であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0102】このトナー100質量部に対して、ヘキサ
メチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理され
た一次粒径12nmの乾式シリカを1.0質量部添加
し、ヘンシェルミキサーにて外添混合して評価用トナー
1とした。
【0103】このトナーを用いて、キヤノン製のNP6
350に搭載して画出し試験を行ない、以下の項目の評
価を行なった。
【0104】<評価−1>評価用トナーを現像器中に3
30g入れ、低温低湿室(15℃,50%)に一晩(1
2時間以上)放置する。外部駆動装置を用いて、現像剤
担持体ギアを回転させる。目視にて現像剤担持体表面の
トナー塗布状態を回転開始から10分間観察する。評価
レベルは以下に示す。本実施例においては、表2に示し
たように、担持体表面状態は極めて均一であった。 ○ :担持体表面状態は極めて均一である。 ○△:担持体表面状態は均一であるが、極一部にさざ波
模様が見える。 △ :担持体表面の一部分にさざ波模様が見える。 △×:担持体表面全体にさざ波模様が見える。 × :担持体表面のさざ波が成長して、一部凹凸がはっ
きりわかる。 ××:担持体表面の凹凸が全面に広がりはっきりわか
る。
【0105】<評価−2>評価用トナーを現像器中に3
30g入れ、低温低湿室(15℃,50%)に一晩(1
2時間以上)放置する。濃度評価用チャートを使用して
200枚の画出しを行なう。この前後でベタ白画像にお
けるカブリを測定する。評価レベルは以下に示す。
【0106】カブリ測定用反射測定器REFLECTM
ETER(東京電色(株))にて、上記の白画像及び未
使用紙の反射率を測定し、両者の差をカブリとする。本
実施例においては、表2に示したように、カブリの差は
0.1%以下であった。 未使用紙反射率−ベタ白反射率=カブリ% ○ :カブリ0.1%以下 ○△:カブリ0.1〜0.5% △ :カブリ0.5〜1.0% △×:カブリ1.0〜1.5% × :カブリ1.5〜2.0% ××:カブリ2.0%以上
【0107】「運転終了後の機内融着」については、目
視で確認し、下記の基準で判断した。本実施例において
は、運転終了後機内点検したところ、回転子及び固定子
に融着は発生していなかった。 ○:機内融着なし △:機内融着がやや見られるが実用可 ×:機内融着が顕著に見られ実用不可
【0108】[実施例2]機械式粉砕機301の回転子
314及び固定子310の粉砕面の表面粗さを、中心線
平均粗さRa=6.2μm、最大粗さRy=41.1μ
m、十点平均粗さ=32.5μmとし以外は実施例1と
同様にしてトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕
機で粉砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内
の渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は42
℃、T1とT2のΔTは52℃であった。また、Tg−
T1は69℃、Tg−T2は17℃であった。また、こ
の時に機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕
品は、重量平均径が7.4μmであり、分級工程で分級
された中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.3μm
であった。
【0109】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.72m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.82m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.1であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0110】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー2とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0111】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0112】[実施例3]機械式粉砕機301の回転子
314及び固定子310の粉砕面の表面粗さを、中心線
平均粗さRa=8.0μm、最大粗さRy=54.3μ
m、十点平均粗さ=38.2μmとし以外は実施例1と
同様にしてトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕
機で粉砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内
の渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は44
℃、T1とT2のΔTは54℃であった。また、Tg−
T1は69℃、Tg−T2は15℃であった。また、こ
の時に機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕
品は、重量平均径が7.6μmであり、分級工程で分級
された中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.5μm
であった。
【0113】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.77m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.80m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.2であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0114】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー3とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0115】また、運転終了後機内点検したとこう、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0116】[実施例4]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を20kg/hrとした以外は実施例1と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は53℃、T
1とT2のΔTは63℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は6℃であった。また、この時に機
械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、重
量平均径が7.8μmであり、分級工程で分級された中
粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.7μmであっ
た。
【0117】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.45m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.78m2/cm3であった。従って、S
b/Stは1.9であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0118】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー4とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0119】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0120】[実施例5]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を20kg/hrとした以外は実施例2と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は53℃、T
1とT2のΔTは63℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は6℃であった。また、この時に機
械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、重
量平均径が7.8μmであり、分級工程で分級された中
粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.8μmであっ
た。
【0121】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.51m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.77m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.0であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0122】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー5とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0123】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0124】[実施例6]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を20kg/hrとした以外は実施例3と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は54℃、T
1とT2のΔTは64℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は5℃であった。また、この時に機
械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、重
量平均径が7.9μmであり、分級工程で分級された中
粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.8μmであっ
た。
【0125】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.49m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.77m2/cm3であった。従って、S
b/Stは1.9であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0126】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー6とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0127】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0128】[実施例7]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を10kg/hrとした以外は実施例1と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は31℃、T
1とT2のΔTは41℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は28℃であった。また、この時に
機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、
重量平均径が6.8μmであり、分級工程で分級された
中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.5μmであっ
た。
【0129】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは2.08m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.88m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.4であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0130】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー7とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0131】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0132】[実施例8]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を10kg/hrとした以外は実施例2と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は32℃、T
1とT2のΔTは42℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は27℃であった。また、この時に
機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、
重量平均径が7.1μmであり、分級工程で分級された
中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.0μmであっ
た。
【0133】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.96m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.86m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.3であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0134】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー8とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0135】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0136】[実施例9]機械式粉砕機への粉体原料の
供給量を10kg/hrとした以外は実施例3と同様に
してトナーを得た。なお、粉体原料を機械式粉砕機で粉
砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕機内の渦巻
室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は33℃、T
1とT2のΔTは43℃であった。また、Tg−T1は
69℃、Tg−T2は26℃であった。また、この時に
機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品は、
重量平均径が7.2μmであり、分級工程で分級された
中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.0μmであっ
た。
【0137】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは1.98m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.86m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.3であった。これは、機械式粉砕機30
1の回転子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さ
を適度に制御したためと考えられる。
【0138】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー9とした。その結果、表2
に示すように、評価1、評価2共良好な結果が得られ
た。
【0139】また、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0140】[実施例10]機械式粉砕機301の回転
子314及び固定子310の粉砕面の表面粗さを、中心
線平均粗さRa=13.6μm、最大粗さRy=69.
3μm、十点平均粗さ=42.1μmとし以外は実施例
1と同様にしてトナーを得た。なお、粉体原料を機械式
粉砕機で粉砕した際、冷風温度は−15℃、機械式粉砕
機内の渦巻室内温度T1は−10℃、後室内温度T2は
45℃、T1とT2のΔTは55℃であった。また、T
g−T1は69℃、Tg−T2は14℃であった。ま
た、この時に機械式粉砕機301で粉砕されて得られた
微粉砕品は、重量平均径が8.2μmであり、分級工程
で分級された中粉体(分級品)は、重量平均粒径が7.
6μmであった。
【0141】得られたトナーの体積当りのBET比表面
積Sbは2.05m2/cm3であり、体積当りの理論比
表面積Stは0.79m2/cm3であった。従って、S
b/Stは2.6であった。
【0142】得られたトナーを実施例1と同様に外添混
合処理を行い、評価用トナー10とした。その結果、表
2に示すように、評価1、評価2共実施例1に比べ、レ
ベルダウンしているものの実用範囲内であるという結果
が得られた。
【0143】なお、運転終了後機内点検したところ、回
転子及び固定子に融着は発生していなかった。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】[比較例1]実施例で使用した粉体原料
を、図5に示す装置システムで粉砕及び分級を行った。
即ち、粉砕手段として図7に示した衝突式気流粉砕機を
用い、第1分級手段及び第2分級手段は図6の構成のも
のを用いた。
【0147】図6において、401は筒状の本体ケーシ
ングを示し、402は下部ケーシングを示し、その下部
に粗粉排出用のホッパー403が接続されている。本体
ケーシング401の内部は、分級室404が形成されて
おり、この分級室404の上部に取り付けた環状の案内
室405と中央部が高くなる円錐状(傘状)の上部カバ
ー406によって閉塞されている。
【0148】分級室404と案内室405の間の仕切壁
に円周方向に配列する複数のルーバー407を設け、案
内室405に送り込まれた粉体材料とエアーを各ルーバ
ー407の間より分級室404に旋回させて流入させ
る。
【0149】案内室405の上部は、円錐状の上部ケー
シング413と円錐状の上部カバー406の間の空間か
らなっている。
【0150】本体ケーシング401の下部には円周方向
に配列する分級ルーバー409を設け、外部から分級室
404へ旋回流を起こす分級エアーを分級ルーバー40
9を介して取り入れている。
【0151】分級室404の底部に、中央部が高くなる
円錐状(傘状)の分級板410を設け、該分級板410
の外周囲に粗粉排出口411を形成する。また、分級板
410の中央部には微粉排出シュート412を接続し、
該シュート412の下端部をL字形に屈曲し、この屈曲
端部を下部ケーシング402の側壁より外部に位置させ
る。さらに該シュートはサイクロンや集塵機のような微
粉回収手段を介して吸引ファンに接続しており、該吸引
ファンにより分級室404に吸引力を作用させ、該ルー
バー409間より分級室404に流入する吸引エアーに
よって分級に要する旋回流を起こしている。
【0152】気流分級機は上記の構造からなり、供給筒
408より案内室405内に上記のトナー製造用の粗砕
物を含むエアーを供給すると、この粗砕物を含むエアー
は、案内室405から各ルーバー407間を通過して分
級室404に旋回しながら均一の濃度で分散されながら
流入する。
【0153】分級室404内に旋回しながら流入した粗
砕物は、微粉排出シュート412に接続した吸引ファン
により生起された、分級室下部の分級ルーバー409間
より流入する吸引エアー流にのって旋回を増し、各粒子
に作用する遠心力によって粗粉と微粉とに遠心分離さ
れ、分級室404内の外周部を旋回する粗粉は粗粉排出
口411より排出され、下部のホッパー403より排出
される。
【0154】また、分級板410の上部傾斜面に沿って
中央部へと移行する微粉は、微粉排出シュート412に
より排出される。
【0155】図5のテーブル式の第1定量供給機121
にて粉砕原料を15.0kg/hrの割合でインジェク
ションフィーダー135にて、供給管408を介して図
6に示した気流分級機に供給し、分級された粗粉は粗粉
排出ホッパー403を介して、図7に示した衝突式気流
粉砕機の被粉砕物供給口165より供給され、圧力6.
0kg/cm2(G),6.0Nm3/minの圧縮空気
を用いて、粉砕された後、原料導入部にて供給されてい
るトナー粉砕原料と混合されながら、再び該気流分級機
に循環し、閉回路粉砕を行い、分級された細粉は排気フ
ァンからの吸引エアーに同伴されながら図6の第2分級
手段に導入させ、サイクロン131にて捕集される。
【0156】その結果、重量平均径7.4μmの中粉体
を得た。得られたトナーの体積当りのBET比表面積S
bは2.43m2/cm3であり、体積当りの理論比表面
積Stは0.81m2/cm3であった。従って、Sb/
Stは3.0であった。
【0157】この中粉体を実施例1と同様に外添混合処
理を行ない、比較評価用トナー1を得た。その結果、表
3に示すように評価1、評価2共実施例1と比較すると
大きく劣る結果であり、満足な結果は得られなかった。
【0158】[比較例2]テーブル式の第1定量供給機
121からの粉砕原料の供給量を20.0kg/hrと
した以外は比較例1と同様にして図5に示す装置システ
ムで粉砕及び分級を行った。即ち、粉砕手段として図7
に示した衝突式気流粉砕機を用い、第1分級手段及び第
2分級手段は図6の構成のものを用いた。
【0159】本比較例においては、テーブル式の第1定
量供給機121にて粉砕原料を20.0kg/hrの割
合でインジェクションフィーダー135にて、供給管4
08を介して図6に示した気流分級機に供給し、分級さ
れた粗粉は粗粉排出ホッパー403を介して、図7に示
した衝突式気流粉砕機の被粉砕物供給口165より供給
され、圧力6.0kg/cm2(G),6.0Nm3/m
inの圧縮空気を用いて、粉砕された後、原料導入部に
て供給されているトナー粉砕原料と混合されながら、再
び該気流分級機に循環し、閉回路粉砕を行い、分級され
た細粉は排気ファンからの吸引エアーに同伴されながら
図6の第2分級手段に導入させ、サイクロン131にて
捕集される。
【0160】その結果、重量平均径7.9μmの中粉体
を得た。得られたトナーの体積当りのBET比表面積S
bは2.29m2/cm3であり、体積当りの理論比表面
積Stは0.81m2/cm3であった。従って、Sb/
Stは3.0であった。
【0161】この中粉体を実施例1と同様に外添混合処
理を行ない、比較評価用トナー2を得た。その結果、表
3に示すように評価1、評価2共実施例1と比較すると
大きく劣る結果であり、満足な結果は得られなかった。
【0162】[比較例3]テーブル式の第1定量供給機
121からの粉砕原料の供給量を10.0kg/hrと
した以外は比較例1と同様にして図5に示す装置システ
ムで粉砕及び分級を行った。即ち、粉砕手段として図7
に示した衝突式気流粉砕機を用い、第1分級手段及び第
2分級手段は図6の構成のものを用いた。
【0163】本比較例においては、テーブル式の第1定
量供給機121にて粉砕原料を10.0kg/hrの割
合でインジェクションフィーダー135にて、供給管4
08を介して図6に示した気流分級機に供給し、分級さ
れた粗粉は粗粉排出ホッパー403を介して、図5に示
した衝突式気流粉砕機の被粉砕物供給口165より供給
され、圧力6.0kg/cm2(G),6.0Nm3/m
inの圧縮空気を用いて、粉砕された後、原料導入部に
て供給されているトナー粉砕原料と混合されながら、再
び該気流分級機に循環し、閉回路粉砕を行い、分級され
た微粉は排気ファンからの吸引エアーに同伴されながら
図6の第2分級手段に導入され、サイクロン31にて捕
集される。
【0164】その結果、重量平均径6.9μmの中粉体
を得た。得られたトナーの体積当りのBET比表面積S
bは2.77m2/cm3であり、体積当りの理論比表面
積Stは0.81m2/cm3であった。従って、Sb/
Stは3.2であった。
【0165】この中粉体を実施例1と同様に外添混合処
理を行ない、比較評価用トナー3を得た。その結果、表
3に示すように評価1、評価2共実施例1と比較すると
大きく劣る結果であり、満足な結果は得られなかった。
【0166】
【表3】
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
機械式粉砕機を用いてトナーを製造する方法において、
該機械式粉砕機内の回転子と、固定子の粉砕面の表面粗
さを適切な状態に制御して機械式粉砕機を運転すること
により、トナーの表面形状をコントロールすることがで
き、低温低湿環境下でも初期から良好な現像性、転写
性、並びに安定した帯電性を有する、長寿命なトナーが
得られるトナーの製造方法が提供される。
【0168】更に、該機械式粉砕機においてトナーの表
面形状をコントロールすることにより、特に低温低湿環
境下において、非画像部にカブリがないか又はカブリの
発生が抑制されており、トナーを現像剤担持体上に均一
に塗布し得、トナー粒子を効率良く、均一に摩擦帯電し
得るトナーが得られるトナーの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの粉砕工程において使用される
一例の機械式粉砕機の概略断面図である。
【図2】図1におけるD−D’面での概略的断面図であ
る。
【図3】図1に示す回転子の斜視図である。
【図4】本発明のトナーの分級工程に好ましく用いられ
る多分割気流式分級装置の概略断面図である。
【図5】従来の製造方法を示すシステム図である。
【図6】従来の第1分級手段又は第2分級手段に用いら
れる分級機の一例の概略断面図である。
【図7】従来の衝突式気流粉砕機の概略断面図である。
【符号の説明】
11,12,13 排出口 14,15 入気管 16 原料供給ノズル 17,18 分級エッジ 19 入気エッジ 22,23 側壁 24,25 分級エッジブロック 26 コアンダブロック 27 左部ブロック 30 分級域 32 分級室 40 原料供給口 41 高圧エアー供給ノズル 42 原料粉体導入ノズル 212 渦巻室 219 パイプ 220 ディストリビュータ 222 バグフィルター 224 吸引フィルター 229 捕集サイクロン 301 機械式粉砕機 302 粉体排出口 310 固定子 311 粉体投入口 312 回転軸 313 ケーシング 314 回転子 315 第1定量供給機 316 ジャケット 317 冷却水供給口 318 冷却水排出口 320 後室 321 冷風発生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 恒雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 東 真佐己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA15 AB04 EA03 EA05 EA07 EA10 FA06 4D067 CF06 CF13 CF23 GA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    る混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、
    冷却物を粉砕手段によって粉砕して微粉砕物を得、得ら
    れた該微粉砕物を分級してトナーを製造する方法におい
    て、 該粉砕手段は、少なくとも中心回転軸に取り付けられた
    回転体である回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持
    して回転子の周囲に配置されている固定子とを有し、且
    つ該間隔を保持することによって形成される環状空間が
    気密状態となるように構成されている機械式粉砕機であ
    り、 前記回転子及び/又は固定子の粉砕面の表面粗さが下記
    条件 中心線平均粗さ:Ra≧2.0μm 最大粗さ :Ry≧25.0μm 十点平均粗さ :Rz≧20.0μm を満足し、 前記回転子及び/又は固定子の粉砕面は、表面粗さを制
    御するために表面処理されており、 製造されたトナーは、該トナーのBET法によって測定
    された単位体積あたりの比表面積Sb(m2/cm3
    と、トナーを真球と仮定した際の重量平均径から算出し
    た単位体積あたりの比表面積St(m2/cm3)の関係
    が下記条件 Sb/St≧1.8 を満足していることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記回転子及び/又は固定子の粉砕表面
    を表面処理することにより、表面粗さが下記条件 中心線平均粗さRa:2.0≦Ra≦10.0μm 最大粗さRy :25.0≦Ry≦60.0μm 十点平均粗さRz :20.0≦Rz≦40.0μm を満足することを特徴とする請求項1に記載のトナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記回転子及び/又は固定子の粉砕表面
    の表面粗さを制御するための表面処理は、溶射であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記回転子及び/又は固定子の粉砕表面
    の表面処理における溶射は、高速フレーム溶射であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 該トナーが結着樹脂100質量部に対
    し、磁性体60〜200質量部を含有する磁性トナーで
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のトナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粉体原料を冷風と共に機械式粉砕機
    内に導入する請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 冷風の温度が0乃至−18.0℃である
    請求項6に記載のトナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記機械式粉砕機は、機内冷却用の冷却
    手段を具備している請求項1乃至7のいずれかに記載の
    トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記機械式粉砕機は、機内冷却用のジャ
    ケットを具備しており、ジャケット内に冷却水を通しな
    がら粉体原料を粉砕する請求項1乃至8のいずれかに記
    載のトナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記機械式粉砕機は粉体導入口に連通
    して渦巻室を有し、渦巻室の室温T1が0℃以下である
    請求項1乃至9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記機械式粉砕機の渦巻室の室温T1
    が−5乃至−15℃である請求項10に記載のトナーの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記機械式粉砕機の渦巻室の室温T1
    が−7乃至−12℃である請求項10に記載のトナーの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記機械式粉砕機内で生成した微粉砕
    物は、機械式粉砕機の後室を経由して粉体排出口から機
    外へ排出され、該後室の室温T2が30乃至60℃であ
    る請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記室温T2と室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が30乃至80℃である請求項10乃
    至13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記室温T2と室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が35乃至75℃である請求項10乃
    至13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記室温T2と室温T1との温度差Δ
    T(T2−T1)が37乃至72℃である請求項10乃
    至13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記結着樹脂のガラス転移点Tgが4
    5乃至75℃であり、機械式粉砕機の渦巻室の室温T1
    が0℃以下であり且つTgよりも60乃至75℃低くな
    るよう温調する請求項1乃至16のいずれかに記載のト
    ナーの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記結着樹脂のガラス転移点Tgが4
    5乃至75℃であり、機械式粉砕機の後室の室温T2が
    Tgよりも5乃至30℃低くなるよう温調する請求項1
    乃至17のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記回転子の先端周速が80乃至18
    0m/secであり、回転子と固定子との間の最小間隙
    が0.5乃至10.0mmである請求項1乃至18のい
    ずれかに記載のトナーの製造方法。
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JP2016166127A (ja) * 2006-05-13 2016-09-15 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 改良された黄色酸化鉄顔料

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