JP2001235321A - 集束イオンビーム装置,集束イオンビーム装置の制御方法及び接触検出方法 - Google Patents

集束イオンビーム装置,集束イオンビーム装置の制御方法及び接触検出方法

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JP2001235321A
JP2001235321A JP2000346703A JP2000346703A JP2001235321A JP 2001235321 A JP2001235321 A JP 2001235321A JP 2000346703 A JP2000346703 A JP 2000346703A JP 2000346703 A JP2000346703 A JP 2000346703A JP 2001235321 A JP2001235321 A JP 2001235321A
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fib
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English (en)
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Yukinori Hirose
幸範 廣瀬
Kazuhito Honda
和仁 本田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブと試料との接触を検出するために新
たな電源を設けることなく、当該接触を確実に検出しう
るFIB装置を提供する。 【解決手段】 FIB装置101のプローブ2は電流計
12を介して接地されている。駆動装置22の制御によ
りプローブ2と試料5とを接近させていく際に、試料5
にFIB1Bを照射する。このとき、プローブ2が試料
5に接触していない場合、FIB1Bの照射により試料
5に生じた電流は試料5の内部に向かって流れる。これ
に対して、プローブ2が試料5に接触している場合、試
料5に生じた電流はプローブ2へ向かって流れる。この
ため、プローブ2と試料5とが接触した時点でプローブ
2に流れる電流が増大する。プローブ2に流れる電流を
電流計12でモニタすることによって、当該電流の変化
量からプローブ2と試料5との接触を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、透過型電子顕微
鏡(Transmission Electron Microscopy;以下、「TE
M」とも呼ぶ)等による観察で用いる試料(以下、「T
EM用試料」とも呼ぶ)を作製するための集束イオンビ
ーム(Focused Ion Beam;以下、「FIB」とも呼ぶ)
装置に関し、更にはFIB装置の制御方法及びFIB装
置における試料とプローブとの接触を検出する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、半導体装置の評価・解析の一
つとしてTEMによる観察が行われている。このとき、
TEM用試料は以下のように作製される。即ち、まず、
半導体装置又は半導体装置が多数作り込まれたウエハ等
の試料から所望の解析部分を含むある程度の大きさの部
分を、劈開やダイシング加工等を用いて切り出す。その
後、当該切り出した部分をTEMによる観察に適した厚
さまでFIBによって薄くする。このような2段階の方
法により、解析部分を含むTEM用試料が作製される。
【0003】また、上述の劈開等による切り出しを行わ
ず、FIBのみで以て試料からTEM用試料を作製する
方法が、例えば特開平11−108813号公報や特開
平11−258130号公報に開示されている。また、
これらの公報には、当該試料作製方法で利用されるマイ
クロサンプリング技術又はマイクロマニピュレーション
技術と呼ばれる技術が開示されている。
【0004】マイクロサンプリング技術では、試料から
TEM用試料を完全に切り離す前に、後にTEM用試料
となる部分の一部にプローブの先端部を結合させる。こ
のため、TEM用試料を試料から完全に切り離した後で
も当該TEM用試料はプローブで支持・保持可能であ
る。更に、かかる支持状態により、TEM用試料を例え
ばTEMの試料ステージへ移送することができる。この
とき、TEM用試料となる部分とプローブの先端部との
結合は以下のように行われる。即ち、当該部分とプロー
ブの先端部とを接触させた後に、かかる接触部分に局所
的にデポジション用ガスとFIBとを供給する。形成さ
れたデポジション膜によって上記部分とプローブとが結
合する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、マイクロサンプ
リング技術では、TEM用試料となる部分とプローブの
先端部とを結合する前に、当該両部分を接触させる必要
がある。かかる接触の検出は、例えば走査イオン顕微鏡
(Scanning Ion Microscopy;以下、「SIM」とも呼
ぶ)により得られる像で確認しながら行う。なお、SI
M像は例えばFIBの照射による2次電子像として得ら
れる。
【0006】しかしながら、かかる検出方法では作業者
がモニタ上に映し出されるSIM像を目視して接触の判
断を行うので、検出が曖昧である。例えば、TEM用試
料となる部分とプローブの先端部とが接触しているにも
かかわらずSIM像による確認ないしは検出が遅れる場
合がある。このような検出の遅れによってプローブの先
端部で以てTEM用試料を傷付けてしまい、その結果、
所望の解析部分を切り出すことができない場合が生じう
る。
【0007】本発明は、かかる問題点を解消するために
なされたものであり、プローブと試料との接触の検出精
度が向上された集束イオンビーム装置を提供することを
第1の目的とする。
【0008】更に、本発明の第2の目的は、簡単で且つ
安価な構成で以て上記第1の目的を実現しうる集束イオ
ンビーム装置を提供することにある。
【0009】更に、本発明の第3の目的は、プローブと
試料との接触検出時に試料へ与える損傷等を低減しうる
集束イオンビーム装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の第4の目的は、上記第1乃
至第3の目的を実現しうる集束イオンビーム装置の制御
方法を提供することにある。
【0011】更に、本発明の第5の目的は、プローブと
試料との接触の検出感度を向上させる接触検出方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1に記載の
発明に係る集束イオンビーム装置は、少なくとも集束イ
オンビームを発生可能な荷電粒子ビーム発生装置と、試
料と対面して配置されるプローブと、前記プローブと前
記試料との距離を制御する駆動装置と、前記プローブと
前記試料との少なくとも一方に電気的に接続され、前記
荷電粒子ビーム発生装置が発生する所定の荷電粒子ビー
ムを少なくとも前記試料に照射しつつ前記プローブと前
記試料との前記距離を縮める際に、前記プローブと前記
試料との少なくとも一方に流れる電流を測定する電流計
とを備えることを特徴とする。
【0013】(2)請求項2に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置は、請求項1に記載の集束イオンビーム
装置であって、前記電流計は、測定した前記電流の値に
対応する信号を出力し、前記集束イオンビーム装置は、
前記信号を受信し、前記信号の変化に基づいて前記プロ
ーブと前記試料との前記距離の制御を前記駆動装置を介
して停止する制御装置を更に備えることを特徴とする。
【0014】(3)請求項3に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置は、請求項1又は2に記載の集束イオン
ビーム装置であって、前記所定の荷電粒子ビームは前記
集束イオンビームであることを特徴とする。
【0015】(4)請求項4に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置は、請求項1又は2に記載の集束イオン
ビーム装置であって、前記荷電粒子ビーム発生装置は電
子ビームをも発生可能であり、前記所定の荷電粒子ビー
ムは前記電子ビームであることを特徴とする。
【0016】(5)請求項5に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の
集束イオンビーム装置であって、前記試料の前記所定の
荷電粒子ビームが照射される領域付近に酸素を供給する
酸素供給設備を更に備えることを特徴とする。
【0017】(6)請求項6に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置は、荷電粒子ビームを発生可能であり、
前記荷電粒子ビームを試料に照射する荷電粒子ビーム発
生装置と、導電部及び絶縁部を有し、前記試料と対面し
て配置されるプローブとを備え、前記絶縁部は、前記プ
ローブの内で前記荷電粒子ビームが照射される部分に配
置されている一方で、前記プローブの内で前記試料に接
触させる部分には配置されていないことを特徴とする。
【0018】(7)請求項7に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置の制御方法は、少なくとも集束イオンビ
ームを発生可能な荷電粒子ビーム発生装置と、試料と対
面して配置されるプローブと、前記プローブと前記試料
との距離を制御する駆動装置とを備えた集束イオンビー
ム装置の制御方法であって、前記荷電粒子ビーム発生装
置が発生する所定の荷電粒子ビームを少なくとも前記試
料に照射しつつ前記プローブと前記試料との前記距離を
縮める際に、前記プローブと前記試料との少なくとも一
方に流れる電流を測定し、前記電流の変化に基づいて前
記プローブと前記試料との前記距離の制御を停止するこ
とを特徴とする。
【0019】(8)請求項8に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置の制御方法は、請求項7に記載の集束イ
オンビーム装置の制御方法であって、前記所定の荷電粒
子ビームは前記集束イオンビームであることを特徴とす
る。
【0020】(9)請求項9に記載の発明に係る集束イ
オンビーム装置の制御方法は、請求項7に記載の集束イ
オンビーム装置の制御方法であって、前記荷電粒子ビー
ム発生装置は電子ビームをも発生可能であり、前記所定
の荷電粒子ビームは前記電子ビームであることを特徴と
する。
【0021】(10)請求項10に記載の発明に係る接
触検出方法は、試料とプローブとの接触を検出する方法
であって、(a)試料を準備するステップと、(b)前
記試料の表面上に導電性を有するコーティング膜を形成
するステップと、(c)荷電粒子ビームを少なくとも前
記コーティング膜に照射しつつ前記コーティング膜とプ
ローブとの距離を縮めると共に、前記コーティング膜と
前記プローブとの少なくとも一方に流れる電流を測定す
るステップとを備えることを特徴とする。
【0022】(11)請求項11に記載の発明に係る接
触検出方法は、請求項10に記載の接触検出方法であっ
て、前記コーティング膜は金属膜を含むことを特徴とす
る。
【0023】(12)請求項12に記載の発明に係る接
触検出方法は、請求項11に記載の接触検出方法であっ
て、前記ステップ(c)を酸素を含む雰囲気中で実施す
ることを特徴とする。
【0024】(13)請求項13に記載の発明に係る接
触検出方法は、請求項10又は11に記載の接触検出方
法であって、前記コーティング膜は金属酸化膜を含むこ
とを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】<実施の形態1> A.FIB装置の構成 図1に実施の形態1に係るFIB装置101の構成を説
明するための模式図を示す。図1に示すように、FIB
装置101は真空チャンバ50を有しており、当該真空
チャンバ50内に例えば複数の半導体装置が作り込まれ
たウエハ等の試料5を載置するための試料ステージ6
と、プローブ2とが配置されている。特に試料ステージ
6及びプローブ2は導電性の材料から成る。このため、
試料ステージ6と試料5とは電気的に接続される。試料
ステージ6は接地されている。
【0026】プローブ2は当該プローブ2用の駆動装置
22により各種の方向に可動であり、かかる駆動装置2
2によってプローブ2と試料5との間の距離を制御する
ことができる。駆動装置22として、例えば水平方向及
び鉛直方向への直線移動のための各種の周知な機構が適
用可能である。また、例えば圧電素子等を用いることに
より、プローブ2の微小な移動も制御することができ
る。
【0027】特に、FIB装置101ではプローブ2は
電流計12を介して接地されており、電流計12によっ
てプローブ2に流れる電流を測定することができる。
【0028】更に、FIB装置101は試料5を介して
試料ステージ6と対面配置されたFIB発生装置ないし
はFIB光学系1を備える。FIB発生装置1は、例え
ばガリウム(Ga)のイオン源1a,収束レンズや対物
レンズ等を含むレンズ系1b等を有しており、試料5に
対してFIB1Bを発生・照射することができる。FI
B発生装置1として周知の各種のFIB発生装置が適用
可能である。なお、図1ではFIB発生装置1の全体が
真空チャンバ50内に配置されている場合を図示してい
るが、FIB1Bを真空チャンバ50内に導入可能であ
ればFIB発生装置1の一部又は全部が真空チャンバ5
0の外部に配置されていても構わない。
【0029】また、FIB装置101は、FIB1Bの
照射により発生する2次電子や2次イオン等の2次粒子
検出器51と、堆積膜を形成するためのデポジション用
ガスをFIB1Bの照射領域に供給するガス導入管52
とを備える。
【0030】B.FIB装置におけるプローブと試料と
の接触の検出の原理 次に、FIB装置101においてプローブ2と試料5と
の接触を検出する方法の原理を、図1に加えて図2及び
図3を参照しつつ説明する。図2はプローブ2が試料5
に接触していない状態を示す模式図であり、図3はプロ
ーブ2が試料5に接触した時点での模式図である。
【0031】FIB装置101では、駆動装置22を制
御してプローブ2と試料5との距離を縮める際に、試料
5にFIB1Bを照射する。詳細には、試料5の内でプ
ローブ2の先端部2Tを接触させる部分近傍の走査領域
ないしは照射領域5AをFIB1Bで走査する。このと
き、TEM用試料を切り出す場合よりも低いエネルギー
のFIBを用いる。なお、図2及び図3では、かかる走
査の様子を、試料5に照射されるFIB1Baと、プロ
ーブ2に照射されるFIB1Bbとの2本のFIBで以
て模式的に図示している。
【0032】まず、かかる走査においてプローブ2が試
料5に未だ接触していない状態にある場合を説明する。
このとき、FIB1Bが試料5の表面に照射されている
場合(図2のFIB1Baを参照)、試料5に電流I5
が生じ、当該電流I5は試料5の内部に向かって流れ
る。この電流I5は最終的に吸収電流ないしは試料電流
となる。
【0033】他方、上記走査においてFIB1Bがプロ
ーブ2に照射されている場合(図2のFIB1Bbを参
照)、プローブ2を通して電流計12をパスする方向に
電流I2が生じる。
【0034】次に、駆動装置22の制御によりプローブ
2と試料5との距離を縮めて行き、プローブ2が試料5
とが接触した時点を説明する。このとき、上記走査にお
いてFIB1Bがプローブ2に照射されている場合(図
3のFIB1Bbを参照)、上述の非接触時と同様にプ
ローブ2に電流I2が流れる。
【0035】これに対して、FIB1Bが試料5の表面
に照射されている場合(図3のFIB1Baを参照)、
上述の非接触時とは異なり、試料5に発生する電流I5
はプローブ2に向かって流れる。このため、プローブ2
に流れる電流は、プローブ2と試料5とが接触状態にあ
る場合の方が非接触時よりも大きい。逆に、プローブ2
と試料5とが接触状態にある場合に試料5及び試料ステ
ージ6に流れる電流は、非接触時のそれよりも小さくな
る。
【0036】そこで、FIB装置101では、プローブ
2に流れる電流を電流計12でモニタすることによっ
て、その電流値の変化からプローブ2と試料5との接触
を検出する。なお、上述の説明ではFIB1Bを走査さ
せる場合を述べたが、これはプローブ2と試料5との大
まかな位置関係をSIM像で確認するためである。従っ
て、プローブ2と試料5との接触を検出するためには、
少なくとも試料5にFIB1Bを照射すれば良い。ま
た、プローブ2の内で少なくとも試料5に接触する部分
と電流計12が接続される部分との間が導電性材料で構
成されていれば、プローブ2に流れる電流を電流計12
で検出することが可能である。
【0037】ここで、表1に、FIB1Bの電流ないし
は1次ビーム電流(primary beam currennt)及びFI
B1Bの照射条件を種々に設定した場合における、プロ
ーブ2に流れる電流の測定結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、条件(a)は、FIB
1Bの電流が1.5×10-9A,アパーチャサイズが1
(表1中では「Ap1」のように表記),スキャン速度
が0.2秒/Frame,上述のプローブ2と試料5と
の大まかな位置関係を確認するためのSIM像の観察倍
率が1000倍である。なお、アパーチャサイズを示す
数値は相対的な値であり、その数値が小さいほどアパー
チャサイズが大きい。条件(b)は、FIB1Bの電流
が1.5×10-9A,アパーチャサイズが1,スキャン
速度がTVモード(上述の0.2秒/Frameよりも
速い),観察倍率が1000倍である。また、条件
(c)は、FIB1Bの電流が4.0×10 -10A,ア
パーチャサイズが2(Ap1よりもアパーチャが小さ
い),スキャン速度がTVモード,観察倍率が2000
倍である。
【0040】条件(a)では、プローブ2と試料5とが
非接触状態にある時にプローブ2に流れる電流は1.0
×10-9Aであり、接触時のそれは1.4×10-9Aで
あり、その変化量ないしは差ΔIは4.0×10-10
であった。条件(b)では、非接触状態での電流は7.
0×10-10Aであり、接触時のそれは9.5×10- 10
Aであり、その変化量ΔIは2.5×10-10Aであっ
た。条件(c)では、非接触状態での電流は2.0×1
-10Aであり、接触時のそれは3.0×10- 10Aであ
り、その変化量ΔIは1.0×10-10Aであった。
【0041】また、図4に、表1の測定結果をグラフと
して図示する。なお、図4中の白丸(○),黒丸(●)
及び黒三角(▲)はそれぞれ表1中の条件(a),
(b)及び(c)に対応する。
【0042】C.接触検出のためのFIB装置の制御方
法 次に、プローブ2と試料5との接触を検出する際のFI
B装置101の制御方法ST0の一例を、図5のフロー
チャートを参照しつつ説明する。
【0043】まず、FIBの照射を開始する(ステップ
ST1)。その後、駆動装置22を制御してプローブ2
と試料5との距離を縮めていく(ステップST2)。そ
して、電流計12でモニタしている電流値が変化したか
否かを判定する(ステップST3)。即ち、当該ステッ
プST3においてプローブ2と試料5とが接触したか否
かを判定する。ステップST3において電流値の変化が
認められず、プローブ2と試料5とが未だ接触していな
いと判定された場合、ステップST2を続行する。これ
に対して、ステップST3において電流値が変化し、プ
ローブ2と試料5とが接触したと判定された場合、駆動
装置22の動作を例えば手動により停止させる(ステッ
プST4)。
【0044】なお、プローブ2と試料5とが接触する前
にFIBの照射を開始する限り、ステップST1とステ
ップST2との開始順序を逆にしても良い。また、両ス
テップST1,ST2を同時に開始しても構わない。即
ち、両ステップST1,ST2により、FIB1Bを少
なくとも試料5に照射しつつプローブ2と試料5との距
離を縮めていくことができれば良い。
【0045】FIB装置101によれば、以下の効果を
得ることができる。即ち、プローブ2に流れる電流を電
流計12でモニタすることによって、当該電流の変化か
らプローブ2と試料5との接触を検出する。このため、
従来のFIB装置のようにSIM像により接触を検出す
る場合と比較して、接触の検出の遅れを大幅に低減して
検出精度を向上することができる。これにより、試料
5、特にTEM試料と成るべき部分への損傷を格段に低
減することができる。その結果、切り出されたTEM試
料で以て正確な解析を行うことが可能である。
【0046】しかも、FIB装置101では、プローブ
2と試料5との距離を縮める際にFIB1Bを照射し、
当該照射により生じた電流を測定するので、プローブと
試料との間の導通状態で以て接触を検出する際に両者の
間に接続する電源を別途に必要としない。このため、F
IB装置101によれば、簡単で且つ安価な構成で以て
接触検出を行うことができる。
【0047】<実施の形態1の変形例1>なお、プロー
ブ2用の駆動装置22に変えて、図6に示すFIB装置
101bのように試料ステージ6用の駆動装置26を設
けても良い。かかる駆動装置26によってもプローブ2
と試料5との距離を制御することができる。駆動装置2
6として、例えば上述の直線移動のための機構等が適用
可能であり、更に、試料ステージ6の水平面内における
回転や水平方向に対する傾き等を制御するための周知の
各種機構を付加しても良い。また、図7に示すFIB装
置101cのように、駆動装置22,26の双方を備え
る構成であっても構わない。
【0048】<実施の形態2>次に、実施の形態2に係
るFIB装置102を図8を参照しつつ説明する。な
お、FIB装置101(図1参照)との相違を中心に説
明するものとし、既述の構成要素と同等のものには同一
の符号を付して、その説明を援用する。かかる点は以下
の説明においても同様とする。
【0049】図8と既述の図1を比較すれば分かるよう
に、FIB装置102では、試料ステージ6が電流計1
6を介して接地されている。即ち、試料5と電流計16
とは電気的に接続されている。電流計16は既述の電流
計12と同等のものである。他方、プローブ2は電流計
を介することなく接地されている。
【0050】既述のように、FIB1Bが試料5の表面
に照射されている場合(図3のFIB1Baを参照)、
プローブ2と試料5とが接触している時に試料5及び試
料ステージ6に流れる電流は、非接触時のそれよりも小
さい。かかる点に着目し、FIB装置102では、試料
5及び試料ステージ6に流れる電流を電流計16でモニ
タすることによって、当該電流の変化からプローブ2と
試料5との接触を検出する。FIB装置102によって
も、FIB装置101と同様の効果を得ることができ
る。
【0051】ここで、試料ステージ6の内で少なくとも
試料5に接する部分と電流計16が接続される部分との
間が導電性材料で構成されていれば、試料5に流れる電
流を電流計16で検出することが可能である。
【0052】なお、図9に示すFIB装置102bのよ
うに2つの電流計12,16を設けても良い。また、F
IB装置101b,101cに対して、電流計12に変
えて又は電流計12に加えて電流計16を適用しても良
い。
【0053】<実施の形態3>次に、実施の形態3に係
るFIB装置103を図10を参照しつつ説明する。図
10と既述の図1とを比較すれば分かるように、FIB
装置103は、FIB装置101に対して電子ビーム発
生装置ないしは電子ビーム光学系11を更に備える。
【0054】詳細には、電子ビーム発生装置11は試料
5を介して試料ステージ6と対面配置されている。電子
ビーム発生装置11は電子銃ないしはカソード11a,
収束レンズ等のレンズ系11b等を有しており、試料5
に対して電子ビーム11Bを発生・照射することができ
る。電子ビーム発生装置11として周知の各種の電子ビ
ーム発生装置が適用可能である。なお、図10では電子
ビーム発生装置11の全体が真空チャンバ50内に配置
されている場合を図示しているが、電子ビーム11Bを
真空チャンバ50内に導入可能であれば電子ビーム発生
装置11の一部又は全部が真空チャンバ50の外部に配
置されていても構わない。
【0055】既述のFIB装置101等とは異なり、F
IB装置103では、プローブ2と試料5との距離を縮
めて行き、プローブ2と試料5との接触を検出するステ
ップにおいてFIB1B(図1参照)ではなく電子ビー
ム11Bを照射する。このとき、FIB1Bを照射する
場合と同様に、プローブ2に流れる電流は、プローブ2
と試料5とが接触している時と非接触時とで異なる。そ
こで、プローブ2に流れる電流を電流計12でモニタす
ることによって、当該電流の変化からプローブ2と試料
5との接触を検出する。
【0056】なお、プローブ2に流れる電流ないしは電
流計12に流れる電流の向きは、加速電圧や電子ビーム
の入射角等の電子ビーム11Bの照射条件によって変わ
る場合があるが、接触検出のステップにおいて一定の照
射条件を用いることによってプローブ2に流れる電流の
変化を検出することは可能である。
【0057】図11に、プローブ2と試料5との接触を
検出する際のFIB装置103の制御方法ST0Aを説
明するためのフローチャートの一例を示す。図11に示
すように、本制御方法ST0Aは、既述の図5のステッ
プST1に相当するステップST1aにおいて電子ビー
ムの照射を開始する。引き続くステップST2〜ST4
は図5の制御方法ST0と同様である。このとき、両ス
テップST1a,ST2により、電子ビーム11Bを少
なくとも試料5に照射しつつプローブ2と試料5との距
離を縮めていくことができれば良い。
【0058】FIB装置103によれば、FIB装置1
01が奏する既述の効果に加えて、以下の効果を得るこ
とができる。即ち、荷電粒子ビームの違いに起因して、
電子ビーム11Bの方がFIB1Bよりも試料5をスパ
ッタする度合いが小さい。更に、FIB11Bの照射で
は、FIB11中のイオン例えばGaイオンが試料5に
注入されて、TEM試料の解析の際の不純物となりうる
場合があるのに対して、電子ビーム11Bによればその
ような不純物が注入されることがない。従って、試料5
から切り出したTEM試料に対する解析をより正確に行
うことが可能である。
【0059】なお、FIB装置103においても、既述
のFIB装置101等と同様にプローブ2と試料5との
接触を検出する際にFIBを照射しても構わない。
【0060】また、図12に示すFIB装置103bの
ように、既述のFIB装置102(図8参照)に対して
電子ビーム発生装置11を設けても同様の効果が得られ
る。また、既述の各FIB装置101b,101c,1
02b等に対して電子ビーム発生装置11を設けても良
い。
【0061】ここで、実施の形態3に係るFIB装置1
03,103bのようにFIB装置がFIB発生装置及
び電子ビーム発生装置の双方を備える場合、当該FIB
発生装置及び電子ビーム発生装置から成る構成が「荷電
粒子ビーム発生装置」に相当する。なお、既述の各実施
の形態1,2に係るFIB装置101,102等の場
合、FIB発生装置自体が「荷電粒子ビーム発生装置」
に当たる。このとき、各実施の形態1,2に係るFIB
装置101,102等の荷電粒子ビーム発生装置の方が
構成が簡単である。
【0062】<実施の形態4>次に、実施の形態4に係
るFIB装置104を図13を参照しつつ説明する。図
13と既述の図1とを比較すれば分かるように、FIB
装置104は、電流計12に変えて、測定した電流の値
に対応する信号S12を出力可能な電流計12bを有す
る。更に、FIB装置104は、FIB装置101に対
して例えばマイクロコンピュータ等から成る制御装置2
0を備えており、当該制御装置20によるインタロック
機能を有する。詳細には、制御装置20は、信号S22
によって駆動装置22を制御してプローブ2の動作を制
御する。更に、制御装置20は電流計12bが出力する
上記信号S12を受信して、当該信号S12の変化に基
づいてプローブ2と試料5との接触を検出する。そし
て、当該接触を検出した時点で駆動装置22を停止させ
る。即ち、駆動装置22を介してプローブ2と試料5と
の距離の制御を停止させる。
【0063】図14に、プローブ2と試料5との接触を
検出する際のFIB装置104の制御方法ST0Bを説
明するためのフローチャートの一例を示す。図14に示
すように、本制御方法ST0Bでは、既述の図5のステ
ップST4に相当するステップST4aにおいて上述の
インタロック機能により駆動装置22の動作を停止させ
る。ステップST1〜ST3は図5の制御方法ST0と
同様である。
【0064】FIB装置104は制御装置20によるイ
ンタロック機能を有するので、例えば手動で駆動装置2
2を制御する場合と比較して、プローブ2と試料5との
接触検出時における駆動装置22の停止を確実に行うこ
とができる。このため、試料5、特にTEM試料と成る
べき部分への損傷を一層、低減することができる。その
結果、切り出されたTEM試料で以てより正確な解析を
行うことが可能である。
【0065】なお、図15に示すFIB装置104bの
ように、図6のFIB装置101bに対してインタロッ
ク機能を付与した構成としても良い。詳細には、制御装
置20は、信号S26により駆動装置22を制御して試
料ステージ6の動作を制御すると共に、電流計12bが
出力する上記信号S12を受信してプローブ2と試料5
との接触を検出した時点で駆動装置22の動作を停止さ
せる。FIB装置104bによっても、FIB装置10
4と同様の効果を得ることができる。また、図7のFI
B装置101cに対して制御装置20によるインタロッ
ク機能を設けても構わない。
【0066】<実施の形態4の変形例1>なお、図16
に示すFIB装置104cによっても、FIB装置10
4と同様の効果を得ることができる。
【0067】図16と既述の図8とを比較すれば分かる
ように、FIB装置104cは、電流計16に変えて、
測定した電流の値に対応する信号S16を出力可能な電
流計16bを有する。更に、FIB装置102に対して
制御装置20を備えており、当該制御装置20によるイ
ンタロック機能を有する。詳細には、制御装置20は、
信号S22によって駆動装置22を制御してプローブ2
の動作を制御する。更に、制御装置20は電流計16b
が出力する上記信号S16を受信して、当該信号S16
の変化に基づいてプローブ2と試料5との接触を検出す
る。そして、当該接触を検出した時点で駆動装置22を
停止させる。即ち、駆動装置22を介してプローブ2と
試料5との距離の制御を停止させる。
【0068】また、図17に示すFIB装置104dの
ように、図16のFIB装置104cの駆動装置22に
変えて駆動装置26を設け、当該駆動装置26を制御装
置20によってFIB装置104cと同様に制御しても
良い。
【0069】<実施の形態4の変形例2>次に、実施の
形態4の変形例2に係る第1〜第4のFIB装置104
e〜104hを図18〜図21を参照しつつ説明する。
【0070】まず、図18に示すように、第1のFIB
装置104eは、図10のFIB装置103の電流計1
2を電流計12bに変え、更に制御装置20を設けた構
成を有する。また、図19に示す第2のFIB装置10
4fのように、第1のFIB装置104eの駆動装置2
2に変えて駆動装置26を設けても良い。
【0071】更に、図20に示すように、第3のFIB
装置104gは、図12のFIB装置103bの電流計
16を電流計16bに変え、更に制御装置20を設けた
構成を有する。また、図21に示す第4のFIB装置1
04hのように、第3のFIB装置104gの駆動装置
22に変えて駆動装置26を設けても良い。
【0072】各FIB装置104e〜104hにおいて
も、制御装置20のインタロック機能に起因した上述の
効果を得ることができる。また、FIB装置10c等の
既述の他の各FIB装置にインタロック機能を設けれ
ば、上述の効果を得ることができる。
【0073】<実施の形態5>図22に実施の形態5に
係る、試料とプローブとの接触検出方法を説明するため
の模式図を示す。実施の形態5では、図22に示すよう
に、FIB装置101において、TEM用試料となる部
分を含んだ試料5の表面5S上に金属膜(導電性を有す
るコーティング膜)31が形成されて成る試料531を
扱う。金属膜31として真空中で安定であれば種々の材
料を用いることができ、例えば、Pt,Au,Cu,A
l,W,Ag,Co,In,Sn,Zn等が適用可能で
ある。
【0074】試料531はプローブ2及びFIB発生装
置1に金属膜31を対面させて配置される。このとき、
試料ステージ6と試料5,531とは電気的に接続され
ている(従って試料ステージと試料531の金属膜31
とが電気的に接続されている)。
【0075】図22に示すように金属膜31が形成され
ている場合、プローブ2と試料531とが、より詳細に
はプローブ2と金属膜31とが接触している状態におい
てプローブ2に流れる電流I2を増大させることができ
る。
【0076】ここで、表2に、FIB1Bの電流ないし
は1次ビーム電流(primary beam currennt)及びFI
B1Bの照射条件を種々に設定した場合における、プロ
ーブ2に流れる電流の測定結果を示す。また、表2の内
容を図23にグラフ化して示す。ここでは、試料5とし
てメモリデバイスを用い、金属膜31として膜厚30n
mのPtを用いた。
【0077】
【表2】
【0078】表2に示すように、条件(d)は、FIB
1Bの電流が5.5×10-9A,アパーチャサイズが
1,スキャン速度が0.2秒/Frame,既述の観察
倍率が500倍である。条件(e)は、FIB1Bの電
流が1.5×10-9A,アパーチャサイズが2であり、
また、条件(f)は、FIB1Bの電流が3.4×10
-10A,アパーチャサイズが3である。なお、条件
(e)及び(f)でのスキャン速度及び観察倍率は条件
(d)と同じである。
【0079】条件(d)において、金属膜31が無い場
合、プローブ2と試料5とが接触状態にある時にプロー
ブ2に流れる電流は3.0×10-10Aであった。これ
に対して、金属膜31を設けることによって、プローブ
2と試料531の金属膜31とが接触状態にある時にプ
ローブ2に流れる電流は4.0×10-9Aに増大した。
なお、金属膜31の有無によらず、プローブ2と試料5
又は試料531とが非接触状態にある時の上記電流は
1.4×10-10Aであった。
【0080】同様に、金属膜31を設けることによっ
て、条件(e)では接触状態における上記電流が8×1
-11Aから1.3×10-9Aに増大し、又、条件
(f)では上記電流が1.6×10-11Aから3.4×
10-10Aに増大した。
【0081】なお、図23では、条件(d),(e)及
び(f)をそれぞれ白丸(○),黒丸(●)及び黒三角
(▲)で示し、金属膜31が有る場合の電流変化を実線
で又金属膜31が無い場合の電流変化を破線で示してい
る。
【0082】ここで、プローブ2と金属膜31とが接触
している時及び接触していない時のプローブ2に流れる
各電流量をIon,Ioffとし、接触検出感度SをS
=Ion/Ioffと定義する。このとき、表2によれ
ば、金属膜31が無い場合は接触検出感度Sは約2であ
るのに対して、金属膜31が有る場合には接触検出感度
Sは約30に増大することが分かる。即ち、接触検出感
度Sに1桁以上の大幅な向上が認められる。
【0083】この感度向上、即ち上述のプローブ2に流
れる電流の増大には試料表面での電気抵抗が関与してい
る。つまり、試料5の表面5Sに金属膜31を形成する
ことによって、FIB1Bが照射されている位置からプ
ローブ2の先端2Tが接触する位置までの経路の抵抗が
下がり、その結果、金属膜31が無い場合と比較して上
記経路での電流損失が抑えられるのである。
【0084】次に、試料531を用いる場合において試
料531とプローブ2との接触を検出する方法ST10
の一例を、図24のフローチャートを参照しつつ説明す
る。
【0085】まず、試料5を準備し(ステップST1
1)、試料5の表面5S上に金属膜31を例えば蒸着法
を用いて形成することにより試料531を作製する(ス
テップ12)。このとき、金属膜31はプローブ2の接
触位置を含むFIB1Bの走査領域ないしは照射領域5
Aに少なくとも形成すれば良い。そして、金属膜31を
プローブ2及びFIB発生装置1の側に向けて試料53
1を試料ステージ6上へ載せ、試料531をチャンバ5
0内へセッティングする(ステップST13)。
【0086】次に、FIBの照射を開始する(ステップ
ST14)。その後、駆動装置22を制御してプローブ
2と試料531との距離を縮めていく(ステップST1
5)。そして、電流計12でモニタしている電流値が変
化したか否かを判定する(ステップST16)。即ち、
当該ステップST16においてプローブ2と試料531
の金属膜31とが接触したか否かを判定する。ステップ
ST16において電流値の変化が認められず、プローブ
2と試料531の金属膜31とが未だ接触していないと
判定された場合、ステップST15を続行する。これに
対して、ステップST16において電流値が変化し、プ
ローブ2と試料531の金属膜31とが接触したと判定
された場合、駆動装置22の動作を停止させる(ステッ
プST17)。
【0087】なお、プローブ2と試料531とが接触す
る前にFIBの照射を開始する限り、ステップST14
とステップST15との開始順序を逆にしても良い。ま
た、両ステップST14,ST15を同時に開始しても
構わない。即ち、両ステップST14,ST15によ
り、FIB1Bを少なくとも試料531に照射しつつプ
ローブ2と試料531との距離を縮めていくことができ
れば良い。
【0088】このように金属膜31を有する試料531
を用いることによって、金属膜31を有さない試料5を
用いる場合と比較して、プローブ2と試料531(の金
属膜31)との接触/非接触に起因したプローブ2に流
れる電流の変化を大きくすることができる。従って、プ
ローブ2と試料531(詳細には試料5上の金属膜3
1)との接触/非接触をより高感度に検出することがで
きる。これにより、試料531、特にTEM試料と成る
べき部分への損傷を格段に低減することができる。その
結果、いわゆるマイクロサンプリング技術で以て試料か
ら解析部分(TEM試料)を切り出して正確な解析を行
うことが可能となる。
【0089】なお、試料表面を低抵抗化可能であれば、
金属膜31に変えて例えばカーボン(C)膜等の導電性
を有するコーティング膜を試料5の表面5S上に形成し
ても同様の効果が得られる。
【0090】<実施の形態6>さて、プローブ2と試料
とが接触している時及び接触していない時のプローブ2
に流れる各電流量をIon,Ioffとすると、その差
ないしは変化量ΔIは、 ΔI=Ion−Ioff =k(I0+I0×δse)/Rsurf で与えられる。ここで、k,I0,δse,Rsurfはそれ
ぞれ定数,FIB(1次イオンビーム)の電流量,FI
B1Bの照射時の試料表面の2次電子発生効率,試料表
面の電気抵抗である。なお、電流量I0は例えば10-8
〜10-12A程度である。かかる式によれば、FIB1
Bの電流量I0及び試料表面の2次電子発生効率δse
大きいほど及び/又は試料表面の電気抵抗Rsurfが小さ
いほど、電流変化量ΔIをより大きくすることができる
ことが分かる。なお、2次電子発生効率δseの増大、即
ち2次電子の増大に伴って、FIB照射により試料に生
じる電流自体は大きくなるが、上述の式に示されるよう
に電流変化量ΔIは試料表面の抵抗Rsurfに依存する。
【0091】論文”Contrast Mechanisms in Focused I
on Beam Imaging(ISTFA '92:The 18th International
Symposium for Testing & Failure Analysisの373〜382
頁)”によれば、金属膜よりも金属酸化膜にFIBを照
射した方が2次電子発生効率δseが高いことが開示され
ている。かかる点を利用すれば、(FIB1Bの電流量
0及び試料表面の抵抗Rsurfを調整すると共に)試料
5の表面5S上に金属酸化膜を形成することによって、
試料5に直にFIBを照射する場合と比較して電流変化
量ΔIをより大きくすることが可能である。
【0092】そこで、実施の形態6では、図25の模式
図に示すように、既述のFIB装置101において試料
5の表面5S上に金属酸化膜(導電性を有するコーティ
ング膜)32が形成されて成る試料532を扱う。即
ち、図22に示す金属膜31の代わりに金属酸化膜32
が形成されている。金属酸化膜32として真空中で安定
であれば種々の材料を用いることができ、例えば、Cu
2O,Fe23,Al2 3,In23,SnO2,ZnO
等が適用可能である。このとき、金属酸化膜32の導電
性が高いほど上述の抵抗Rsurfを低くすることができる
ので、金属酸化膜32として例えばIn23,Sn
2,ZnO等を用いることがより好ましい。
【0093】次に、図26のフローチャートに試料53
2を用いる場合において試料532とプローブ2との接
触を検出する方法ST10Aの一例を示す。図26と既
述の図24とを比較すれば分かるように、試料の相違に
伴って本接触検出方法ST10AはステップST12
(図24参照)に変えてステップST12aを備える。
即ち、ステップST12aにおいて、試料5の表面5S
上に金属酸化膜32を例えば蒸着法を用いて形成するこ
とにより試料532を作製する。このとき、金属酸化膜
32はプローブ2の接触位置を含むFIB1Bの走査領
域ないしは照射領域5Aに少なくとも形成すれば良い。
接触検出方法ST10Aのその他のステップは図24に
示す接触検出方法ST10と同様である。
【0094】このように金属酸化膜32を有する試料5
32を用いることによって、金属酸化膜32を有さない
試料5の場合と比較して、プローブ2と試料532(詳
細には試料5上の金属酸化膜32)との接触/非接触に
起因したプローブ2に流れる電流の変化を大きくするこ
とができる。従って、プローブ2と試料532との接触
/非接触をより高感度に検出することができる。これに
より、試料532の損傷を低減することができ、正確な
解析を行うことができる。
【0095】<実施の形態5及び6の変形例1>なお、
既述のFIB装置102等においても試料531,53
2を取り扱うことは可能である。
【0096】<実施の形態7>図27に実施の形態7に
係るFIB装置111の構成を説明するための模式図を
示す。図27に示すように、FIB装置111は図1に
示すFIB装置101の構成に加えて、配管53,酸素
ガス供給源54及びバルブ55を含む酸素供給設備を更
に備える。詳細には、配管53の一端はチャンバ50内
へ、より好ましくはFIB1Bの照射領域へ酸素ガスを
導入可能に設けられている。そして、配管53の他端は
バルブ55を介して酸素ガス供給源54へ繋がってい
る。FIB装置111のその他の構成は図1に示すFI
B装置101と同様である。なお、図27に示すよう
に、FIB装置111では金属膜31が形成された試料
531を用いる。
【0097】次に、図28のフローチャートにFIB装
置111及び試料531を用いる場合において試料53
1とプローブ2との接触を検出する方法ST10Bの一
例を示す。まず、既述のステップST11〜ST13を
実行して、試料531を作製し、チャンバ50内へセッ
ティングする。次に、配管53を介してチャンバ50内
へ酸素ガスを導入し、少なくとも試料531の金属膜3
1の露出表面を酸素雰囲気中に置く(ステップST1
8)。その後は既述のステップST14〜ST17を実
施する。即ち、本接触検出方法ST10Bは既述の図2
4に示す接触検出方法ST10のステップST13,S
T14間に上述の酸素ガス導入ステップST18を更に
備える。なお、両ステップST18,ST14を同時に
開始しても構わない。
【0098】接触検出方法ST10Bでは試料531の
金属膜31が酸素ガスに曝されるので、金属酸化膜31
が酸化する。このため、試料531を用いる場合であっ
ても、金属酸化膜32を有する試料532(図25参
照)と同様の接触検出を実施することができる。従っ
て、接触検出方法ST10Bによっても、上述の実施の
形態6に係る接触検出方法ST10Aと同様の効果が得
られる。
【0099】なお、上述の説明では酸素ガスを用いる場
合を説明したが、酸素を含むガスであれば金属膜31を
酸化することは可能である。また、既述のFIB装置1
02等に酸素供給設備を設けることによっても同様の効
果が得られる。
【0100】また、FIB1Bの照射領域内の金属膜3
1の表面全体が酸化されておらず金属膜31と金属酸化
膜とが混在していても構わない。なぜならば、金属膜3
1の内で酸化されていない部分は、金属膜31が無い場
合よりも試料表面を低抵抗化して電流損失を抑えるとい
う既述の働きをするからである。かかる点に鑑みれば、
図24の接触検出方法ST10のステップST12にお
いて又は図26の接触検出方法ST10AのステップS
T12aにおいて、金属膜31と金属酸化膜32との少
なくとも一方を含んだコーティング膜を試料5の表面5
S上に形成しても良いと言える。
【0101】<実施の形態8>図29に実施の形態8に
係るFIB装置112の構成を説明するための模式図を
示す。図29に示すように、FIB装置112は図1に
示すFIB装置101においてプローブ2の代わりにプ
ローブ2Aを備える。FIB装置112のその他の構成
はFIB装置101と同様である。なお、ここでは図2
9に示すようにFIB装置112において試料5を取り
扱う場合を説明するが、FIB装置112は試料53
1,532にも対応可能である。換言すれば、FIB装
置112は、既述の接触検出方法ST10,ST10A
(図24及び図26を参照)及び接触検出方法ST10
からステップST12を除いた接触検出方法のいずれも
に対応可能である。
【0102】図30にプローブ2Aの模式的な断面図を
示す。図30に示すように、プローブ2Aは、既述のプ
ローブ2に相当する導電部2aと、導電部2aを被覆す
る絶縁部2bとから成る。絶縁部2bは例えばSi
2,Si34,エポキシ樹脂やハイドロカーボン樹脂
で形成される。なお、図31の断面図に示すように、プ
ローブ2Aの内で試料5に接触させる部分(ここではプ
ローブ2Aの先端)には絶縁部2bが形成されておら
ず、導電部2aが露出している。FIB装置112では
プローブ2Aの導電部2aが電流計12を介して接地さ
れている。
【0103】次に、図32及び図33に、FIB装置1
12における試料5とプローブ2Aとの接触を検出する
方法の原理を説明するための模式図を示す。図32はプ
ローブ2Aが試料5に接触していない状態での模式図で
あり、図33はプローブ2Aの露出している導電部2a
が試料5に接触した時点での模式図である。
【0104】まず、図32を参照しつつ、プローブ2A
が試料5に未だ接触していない状態にある場合を説明す
る。このとき、FIB1Bが試料5の表面に照射されて
いる場合(図32のFIB1Baを参照)、プローブ2
の場合と同様に(図2参照)、試料5に電流I5が生
じ、当該電流I5は試料5の内部に向かって流れる。こ
の電流I5は最終的に吸収電流ないしは試料電流とな
る。他方、プローブ2の場合とは異なり(図2参照)、
FIB1Bがプローブ2Aに照射されている場合であっ
ても(図32のFIB1Bbを参照)、絶縁部2bがF
IB1Bを遮るのでプローブ2Aには電流が生じない。
【0105】次に、図33を参照しつつ、プローブ2A
の導電部2aが試料5と接触した時点を説明する。この
とき、FIB1Bが試料5の表面5Sに照射されている
場合(図33のFIB1Baを参照)、プローブ2の場
合と同様に(図2参照)、試料5に発生する電流I5
(図32参照)がプローブ2Aに向かって流れ、従って
プローブ2Aの導電部2aに電流I2が流れる。これに
対して、FIB1Bがプローブ2Aに照射されている場
合(図33のFIB1Bbを参照)、上述の非接触時と
同様にプローブ2Aには電流が生じない。
【0106】つまり、プローブ2Aによれば、接触検出
感度Sを表す既述の式S=Ion/Ioffにおいて、
プローブ2Aの導電部2aと試料5とが接触していない
時のプローブ2Aに流れる電流量Ioffを限りなく0
に近づけることができる。このため、プローブ2の場合
と比較して接触検出感度Sを向上することができる。こ
れにより、試料5、特にTEM試料と成るべき部分への
損傷を格段に低減することができる。その結果、切り出
されたTEM試料で以て正確な解析を行うことが可能で
ある。
【0107】<実施の形態8の変形例1>なお、絶縁部
2bは導電部2aへのFIB1Bの照射を遮蔽可能であ
れば良い。即ち、絶縁部2bはプローブ2Aの内でFI
Bが照射される部分に配置されていれば良い。このた
め、図34の断面図に示すプローブ2Bのように、(プ
ローブ全体において)絶縁部2bを導電部2aの内でF
IB1Bが照射される側の表面上のみに設けても良い。
【0108】また、図35の断面図に示すプローブ2C
のように、(プローブ全体において)例えば円形の断面
の内でFIB1Bが照射される側の半円部分に絶縁部2
bを形成し、残る半円部分に導電部2aを形成しても良
い。
【0109】なお、プローブ2A〜2CをFIB装置1
02等に適用することも可能である。
【0110】<実施の形態1〜8の変形例1>なお、荷
電粒子ビーム(具体的にはイオンビームや電子ビーム)
が集束されていなくても或いは集束の度合いが低くて
も、試料5,531,532とプローブ2,2A〜2C
との接触を検出することは可能である。
【0111】
【発明の効果】(1)請求項1に係る発明によれば、荷
電粒子ビーム発生装置が発生する所定の荷電粒子ビーム
を少なくとも試料に照射しつつプローブと試料との距離
を縮める際に、電流計が電気的に接続されたプローブ又
は/及び試料に流れる電流を当該電流計で以て測定す
る。このとき、プローブと試料とが接触している場合と
接触していない場合とでは上記電流の値が異なるので、
電流計で測定された電流をモニタすることによってプロ
ーブと試料との接触/非接触を検出することができる。
従って、SIM像により上記接触を検出する場合と比較
して、接触の検出の遅れを大幅に低減して検出精度を向
上することができる。かかる精度の高い検出を用いてプ
ローブと試料との接触時に両者の距離の制御を停止する
ことによって、試料への損傷を格段に低減することがで
きる。その結果、いわゆるマイクロサンプリング技術で
以て試料から解析部分を切り出して正確な解析を行うこ
とが可能となる。
【0112】しかも、電流計が測定する電流は上記所定
の荷電粒子ビームの照射によって試料に生じる電流に相
当する。このため、請求項1に係る発明によれば、プロ
ーブと試料との間の導通状態により両者の接触/非接触
を検出する場合とは異なり、導通状態の検出のための電
源を別途に必要としない。従って、簡単で且つ安価な構
成で以て上述の効果を得ることができる。
【0113】(2)請求項2に係る発明によれば、制御
装置が、電流計が出力する信号を受信して当該信号の変
化に基づいてプローブと試料との距離の制御を停止す
る。このため、プローブと試料との接触を検出した時点
でプローブと試料との距離の制御を停止することができ
る。従って、かかる距離制御の停止を、例えば手動で行
う場合と比較して、より確実に行うことができる。これ
により、上述の試料への損傷を一層、低減することがで
きる。その結果、上述の試料から切り出された解析部分
に対してより正確な解析を行うことが可能となる。
【0114】(3)請求項3に係る発明によれば、荷電
粒子ビームとして、荷電粒子ビーム発生装置が少なくと
も発生可能な集束イオンビームを用いる。このため、荷
電粒子ビーム発生装置にプローブと試料との接触検出の
ために別途の荷電粒子ビームの発生機構を設ける必要が
ない。従って、簡単な構成によって上記(1)の効果を
得ることができる。
【0115】(4)請求項4に係る発明によれば、所定
の荷電粒子ビームに電子ビームを用いる。電子ビームの
方が集束イオンビームよりも試料をスパッタする度合い
が小さい。更に、集束イオンビームの照射では、集束イ
オンビーム中のイオンが試料に注入されて解析の際に不
純物となりうる場合があるのに対して、電子ビームによ
ればそのような不純物の注入が起こることがない。従っ
て、上述の試料から切り出された解析部分に対してより
正確な解析を行うことが可能となる。
【0116】(5)請求項5に係る発明によれば、金属
膜が形成された試料を用いる場合において当該金属膜を
酸化して金属酸化膜とすることができる。金属酸化膜の
高い2次電子発生効率に起因して、プローブと試料上の
金属酸化膜とが接触している場合に測定される電流を金
属酸化膜が無い場合よりも増大することができる。これ
により、上述の電流の変化を確実に大きくすることがで
き、プローブと試料(上の金属酸化膜)との接触/非接
触をより高感度に検出することができる。
【0117】(6)請求項6に係る発明によれば、荷電
粒子ビームがプローブに照射されてもプローブには電流
が生じない。このため、絶縁部を有さない場合と比較し
て、試料と接触していない状態でのプローブに流れる電
流を低減することができる。即ち、プローブと試料との
接触/非接触による電流の変化を大きくすることができ
る。従って、プローブと試料との接触/非接触をより高
感度に検出することができる。このため、プローブと試
料とが接触した時点で両者の接近を停止することによっ
て、プローブによる試料の損傷を低減することができ
る。その結果、いわゆるマイクロサンプリング技術で以
て試料から解析部分を切り出して正確な解析を行うこと
が可能となる。
【0118】(7)請求項7に係る発明によれば、荷電
粒子ビーム発生装置が発生する所定の荷電粒子ビームを
少なくとも試料に照射しつつプローブと試料との距離を
縮める際に、プローブ又は/及び試料に流れる電流を測
定する。このとき、プローブと試料とが接触している場
合と接触していない場合とでは上記電流の値が異なるの
で、測定された電流をモニタすることによってプローブ
と試料との接触/非接触を検出することができる。従っ
て、SIM像により上記接触を検出する場合と比較し
て、接触の検出の遅れを大幅に低減して検出精度を向上
することができる。また、かかる精度の高い検出を用い
てプローブと試料との接触時に両者の距離の制御を停止
するので、試料への損傷を格段に低減することができ
る。その結果、いわゆるマイクロサンプリング技術で以
て試料から解析部分を切り出して正確な解析を行うこと
が可能となる。
【0119】(8)請求項8に係る発明によれば、上記
(3)と同様の効果を得ることができる。
【0120】(9)請求項9に係る発明によれば、上記
(4)と同様の効果を得ることができる。
【0121】(10)請求項10に係る発明によれば、
試料に導電性を有するコーティング膜を形成することに
よって、プローブと試料上のコーティング膜との接触/
非接触による電流の変化をコーティング膜が無い場合よ
りも大きくすることができる。従って、プローブと試料
(上のコーティング膜)との接触/非接触をより高感度
に検出することができる。このため、プローブと試料
(上のコーティング膜)とが接触した時点で両者の接近
を停止することによって、プローブによる試料の損傷を
低減することができる。その結果、いわゆるマイクロサ
ンプリング技術で以て試料から解析部分を切り出して正
確な解析を行うことが可能となる。
【0122】(11)請求項11に係る発明によれば、
試料表面の抵抗をコーティング膜が無い場合よりも低く
することができる。このため、荷電粒子ビームの照射に
よって試料(上のコーティング膜)に生じる電流の損失
を低減することができる。これにより、プローブと試料
上のコーティング膜とが接触している場合に測定される
電流を増大することができる。これにより、上述の電流
の変化を確実に大きくすることができるので、上記(1
0)の効果が得られる。
【0123】(12)請求項12に係る発明によれば、
金属膜を酸化して金属酸化膜とすることができる。金属
酸化膜の高い2次電子発生効率に起因して、プローブと
試料上のコーティング膜とが接触している場合に測定さ
れる電流をコーティング膜が無い場合よりも増大するこ
とができる。これにより、上述の電流の変化を確実に大
きくすることができるので、上記(10)の効果が得ら
れる。
【0124】(13)請求項13に係る発明によれば、
金属酸化膜の高い2次電子発生効率に起因して、プロー
ブと試料上のコーティング膜とが接触している場合に測
定される電流をコーティング膜が無い場合よりも増大す
ることができる。これにより、上述の電流の変化を確実
に大きくすることができるので、上記(10)の効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るFIB装置の構成を示す
模式図である。
【図2】 実施の形態1に係るFIB装置の動作原理を
説明するための模式図である。
【図3】 実施の形態1に係るFIB装置の動作原理を
説明するための模式図である。
【図4】 実施の形態1に係るFIB装置における、プ
ローブと試料との状態と、プローブに流れる電流との関
係を示すグラフである。
【図5】 実施の形態1に係るFIB装置の制御方法を
説明するためのフローチャートである。
【図6】 実施の形態1の変形例1に係るFIB装置の
構成を示す模式図である。
【図7】 実施の形態1の変形例1に係るFIB装置の
他の構成を示す模式図である。
【図8】 実施の形態2に係るFIB装置の構成を示す
模式図である。
【図9】 実施の形態2に係るFIB装置の他の構成を
示す模式図である。
【図10】 実施の形態3に係るFIB装置の構成を示
す模式図である。
【図11】 実施の形態3に係るFIB装置の制御方法
を説明するためのフローチャートである。
【図12】 実施の形態3に係るFIB装置の他の構成
を示す模式図である。
【図13】 実施の形態4に係るFIB装置の構成を示
す模式図である。
【図14】 実施の形態4に係るFIB装置の制御方法
を説明するためのフローチャートである。
【図15】 実施の形態4に係るFIB装置の他の構成
を示す模式図である。
【図16】 実施の形態4の変形例1に係るFIB装置
の構成を示す模式図である。
【図17】 実施の形態4の変形例1に係るFIB装置
の他の構成を示す模式図である。
【図18】 実施の形態4の変形例2に係るFIB装置
の第1の構成を示す模式図である。
【図19】 実施の形態4の変形例2に係るFIB装置
の第2の構成を示す模式図である。
【図20】 実施の形態4の変形例2に係るFIB装置
の第3の構成を示す模式図である。
【図21】 実施の形態4の変形例2に係るFIB装置
の第4の構成を示す模式図である。
【図22】 実施の形態5に係る、試料とプローブとの
接触検出方法を説明するための模式図である。
【図23】 実施の形態5に係る、プローブと試料との
状態と、プローブに流れる電流との関係を示すグラフで
ある。
【図24】 実施の形態5に係る、試料とプローブとの
接触検出方法を説明するためのフローチャートである。
【図25】 実施の形態6に係る、試料とプローブとの
接触検出方法を説明するための模式図である。
【図26】 実施の形態6に係る、試料とプローブとの
接触検出方法を説明するためのフローチャートである。
【図27】 実施の形態7に係るFIB装置の構成及び
FIB装置における試料とプローブとの接触検出方法を
説明するための模式図である。
【図28】 実施の形態7に係る、試料とプローブとの
接触検出方法を説明するためのフローチャートである。
【図29】 実施の形態8に係るFIB装置の構成及び
FIB装置における試料とプローブとの接触検出方法を
説明するための模式図である。
【図30】 実施の形態8に係るプローブの模式的な断
面図である。
【図31】 実施の形態8に係るプローブの模式的な断
面図である。
【図32】 実施の形態8に係るFIB装置における試
料とプローブとの接触を検出する方法の原理を説明する
ための模式図である。
【図33】 実施の形態8に係るFIB装置における試
料とプローブとの接触を検出する方法の原理を説明する
ための模式図である。
【図34】 実施の形態8の変形例1に係るプローブの
模式的な断面図である。
【図35】 実施の形態8の変形例1に係る他のプロー
ブの模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 集束イオンビーム発生装置、1B,1Ba,1Bb
集束イオンビーム、1a イオン源、1b,11b
レンズ系、2,2A〜2C プローブ、2T先端部、
5,531,532 試料、5A 走査領域、5S 表
面、6 試料ステージ、11 電子ビーム発生装置、1
1a 電子銃、11B 電子ビーム、12,12b,1
6,16b 電流計、20 制御装置、22,26 駆
動装置、31 金属膜(コーティング膜)、32 金属
酸化膜(コーティング膜)、53配管、54 酸素ガス
供給源、101〜104,101b,101c,102
b,103b,104b〜104h,111,112
集束イオンビーム装置、I2,I5 電流、S12,S
16,S22,S26 信号、ST0,ST0A,ST
0B 制御方法、ST1〜ST4,ST1a,ST4
a,ST11〜ST17,ST12a ステップ、ST
10,ST10A,ST10B 接触検出方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 G01N 1/32 B 1/32 1/28 G F

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも集束イオンビームを発生可能
    な荷電粒子ビーム発生装置と、 試料と対面して配置されるプローブと、 前記プローブと前記試料との距離を制御する駆動装置
    と、 前記プローブと前記試料との少なくとも一方に電気的に
    接続され、前記荷電粒子ビーム発生装置が発生する所定
    の荷電粒子ビームを少なくとも前記試料に照射しつつ前
    記プローブと前記試料との前記距離を縮める際に、前記
    プローブと前記試料との少なくとも一方に流れる電流を
    測定する電流計とを備えることを特徴とする、集束イオ
    ンビーム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の集束イオンビーム装置
    であって、 前記電流計は、測定した前記電流の値に対応する信号を
    出力し、 前記集束イオンビーム装置は、 前記信号を受信し、前記信号の変化に基づいて前記プロ
    ーブと前記試料との前記距離の制御を前記駆動装置を介
    して停止する制御装置を更に備えることを特徴とする、
    集束イオンビーム装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の集束イオンビー
    ム装置であって、 前記所定の荷電粒子ビームは前記集束イオンビームであ
    ることを特徴とする、集束イオンビーム装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の集束イオンビー
    ム装置であって、 前記荷電粒子ビーム発生装置は電子ビームをも発生可能
    であり、 前記所定の荷電粒子ビームは前記電子ビームであること
    を特徴とする、集束イオンビーム装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の集束
    イオンビーム装置であって、 前記試料の前記所定の荷電粒子ビームが照射される領域
    付近に酸素を供給する酸素供給設備を更に備えることを
    特徴とする、集束イオンビーム装置。
  6. 【請求項6】 荷電粒子ビームを発生可能であり、前記
    荷電粒子ビームを試料に照射する荷電粒子ビーム発生装
    置と、 導電部及び絶縁部を有し、前記試料と対面して配置され
    るプローブとを備え、 前記絶縁部は、前記プローブの内で前記荷電粒子ビーム
    が照射される部分に配置されている一方で、前記プロー
    ブの内で前記試料に接触させる部分には配置されていな
    いことを特徴とする、集束イオンビーム装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも集束イオンビームを発生可能
    な荷電粒子ビーム発生装置と、試料と対面して配置され
    るプローブと、前記プローブと前記試料との距離を制御
    する駆動装置とを備えた集束イオンビーム装置の制御方
    法であって、 前記荷電粒子ビーム発生装置が発生する所定の荷電粒子
    ビームを少なくとも前記試料に照射しつつ前記プローブ
    と前記試料との前記距離を縮める際に、前記プローブと
    前記試料との少なくとも一方に流れる電流を測定し、 前記電流の変化に基づいて前記プローブと前記試料との
    前記距離の制御を停止することを特徴とする、集束イオ
    ンビーム装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の集束イオンビーム装置
    の制御方法であって、 前記所定の荷電粒子ビームは前記集束イオンビームであ
    ることを特徴とする、集束イオンビーム装置の制御方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の集束イオンビーム装置
    の制御方法であって、 前記荷電粒子ビーム発生装置は電子ビームをも発生可能
    であり、 前記所定の荷電粒子ビームは前記電子ビームであること
    を特徴とする、集束イオンビーム装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 試料とプローブとの接触を検出する方
    法であって、 (a)試料を準備するステップと、 (b)前記試料の表面上に導電性を有するコーティング
    膜を形成するステップと、 (c)荷電粒子ビームを少なくとも前記コーティング膜
    に照射しつつ前記コーティング膜とプローブとの距離を
    縮めると共に、前記コーティング膜と前記プローブとの
    少なくとも一方に流れる電流を測定するステップとを備
    えることを特徴とする、接触検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の接触検出方法であ
    って、 前記コーティング膜は金属膜を含むことを特徴とする、
    接触検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の接触検出方法であ
    って、 前記ステップ(c)を酸素を含む雰囲気中で実施するこ
    とを特徴とする、接触検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項10又は11に記載の接触検出
    方法であって、 前記コーティング膜は金属酸化膜を含むことを特徴とす
    る、接触検出方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7511269B2 (en) * 2004-08-25 2009-03-31 Sii Nanotechnology Inc. Method of approaching probe and apparatus for realizing the same
US8525537B2 (en) 2008-08-14 2013-09-03 Hitachi High-Technologies Corporation Method and apparatus for probe contacting
WO2014061524A1 (ja) * 2012-10-15 2014-04-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置および試料作製法
CN103946756A (zh) * 2011-11-17 2014-07-23 生物梅里埃公司 操纵采样工具移动的光学方法

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