JP2001234727A - 排気消音装置 - Google Patents

排気消音装置

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JP2001234727A
JP2001234727A JP2000049894A JP2000049894A JP2001234727A JP 2001234727 A JP2001234727 A JP 2001234727A JP 2000049894 A JP2000049894 A JP 2000049894A JP 2000049894 A JP2000049894 A JP 2000049894A JP 2001234727 A JP2001234727 A JP 2001234727A
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Japan
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exhaust
silencer
secondary sound
muffler
pipe
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JP2000049894A
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Inventor
Takeharu Tanaka
丈晴 田中
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SHIP RES INST MINISTRY OF LAND
Ship Research Institute Ministry Of Land Infrastructure & Transport
Original Assignee
SHIP RES INST MINISTRY OF LAND
Ship Research Institute Ministry Of Land Infrastructure & Transport
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排気騒音を十分に減衰させることができ、車両
への搭載性を良くすることができるようにする。 【解決手段】エンジンを駆動することによって発生させ
られた排気ガスを排出するための排気管11と、該排気
管11に配設され、消音器本体12、及び二次音波を発
生させる二次音源を備えた消音器と、前記二次音源を駆
動するための駆動信号を発生させる駆動信号発生手段と
を有する。この場合、排気騒音と二次音波とが消音器本
体12内において重ねられるので、二次音波の分だけ排
気騒音が減衰させられる。また、消音器の寸法を小さく
することができるので、排気消音装置の配設位置及び配
設状態における自由度を高くすることができ、車両への
搭載性を良くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気消音装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両においては、エンジンを駆動
することによって、排気ガスが発生させられ、それに伴
って、音波、すなわち、排気騒音が発生させられるよう
になっている。この場合、該排気騒音は、排気管内を送
られ、大気中に放出される。
【0003】そこで、前記排気騒音を減衰させて消音を
行う消音器が提供されている。
【0004】図2は従来の拡張型の消音器の概念図であ
る。
【0005】図において、31は、図示されないエンジ
ンと接続され、エンジンを駆動することによって発生さ
せられた排気ガスを排出するための排気管、32は該排
気管31に配設された消音器本体、33は該消音器本体
32において消音が行われた後の排気ガスを排出するた
めの出口管である。前記排気管31と出口管33とは同
一軸上に配設され、断面積が等しくされる。また、前記
消音器本体32は、排気ガスの流れ方向に対して直角の
方向に配設された第1、第2の端壁34、35、及び該
第1、第2の端壁34、35間を連結し、排気ガスの流
れ方向に延びる環状壁36を備え、前記第1、第2の端
壁34、35及び環状壁36によって消音室37が形成
される。そして、該消音室37の断面積は排気管31及
び出口管33の断面積より大きくされる。
【0006】この場合、排気管31を介して消音室37
に進入した排気騒音は、第1、第2の端壁34、35に
当たって反射波になり、該反射波は消音室37に進入し
てくる排気騒音を減衰させる。
【0007】図3は従来の拡張共振型の消音器の概念図
である。
【0008】図において、31は排気管、32は消音器
本体、33は出口管である。前記排気管31と出口管3
3とは同一軸上に配設され、断面積が等しくされる。ま
た、前記消音器本体32は、排気ガスの流れ方向に対し
て直角の方向に配設された第1、第2の端壁34、3
5、及び該第1、第2の端壁34、35間を連結し、排
気ガスの流れ方向に延びる環状壁36を備え、前記第
1、第2の端壁34、35及び環状壁36によって消音
室37が形成され、該消音室37の断面積は排気管31
及び出口管33の断面積より大きくされる。そして、排
気管31の一部は消音室37内に突出させられて突出壁
38を構成し、環状壁36と突出壁38との間に分岐管
として機能する領域39が形成される。
【0009】この場合、排気管31を介して消音室37
に進入した排気騒音は、第1、第2の端壁34、35に
当たって反射波になり、該反射波は消音室37に進入し
てくる排気騒音を減衰させる。また、消音室37に進入
した後、領域39に進入した排気騒音は、第1の端壁3
4に当たって反射波になり、該反射波は領域39に進入
してくる排気騒音を減衰させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
消音器において、排気騒音は、第1、第2の端壁34、
35において形成された反射波によって減衰させるよう
にしているので、第1、第2の端壁34、35間の距離
をLとし、排気騒音の波長をλとしたとき、前記距離L
を L=λ/4 にする必要がある。したがって、排気騒音の周波数が低
い場合には、波長λが長くなり、消音器をその分長くす
る必要が生じるので、車両への搭載性が悪くなってしま
う。
【0011】本発明は、前記従来の消音器の問題点を解
決して、排気騒音を十分に減衰させることができ、車両
への搭載性を良くすることができる排気消音装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の排
気消音装置においては、エンジンを駆動することによっ
て発生させられた排気ガスを排出するための排気管と、
該排気管に配設され、消音器本体、及び二次音波を発生
させる二次音源を備えた消音器と、前記二次音源を駆動
するための駆動信号を発生させる駆動信号発生手段とを
有する。
【0013】本発明の他の排気消音装置においては、さ
らに、前記排気ガスの流れ方向における前記消音器より
上流側に副消音器が配設される。
【0014】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記排気ガスの排気に伴う排気騒音と前記
二次音波とを重ねた後のエラーを検出するエラー検出手
段を有する。
【0015】そして、前記駆動信号発生手段は、前記エ
ラーに基づいて前記駆動信号を発生させる。
【0016】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記二次音源は、前記排気管に隣接させて
少なくとも二つ配設される。
【0017】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記エラー検出手段は、前記各二次音源と
の間の距離を互いに異ならせて配設される。
【0018】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記二次音源に隣接する部分において、前
記排気管は伝熱防止管によって包囲される。
【0019】そして、前記排気管と伝熱防止管との間に
空気流路が形成される。
【0020】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記消音器本体は、排気ガスを排出するた
めの排出口を備える。
【0021】そして、該排出口の断面積は前記排気管の
断面積より大きくされる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態における主消音
器の平面図、図4は本発明の実施の形態における主消音
器の断面図、図5は本発明の実施の形態における主消音
器の正面図、図6は本発明の実施の形態における車両の
温度特性を示す図である。なお、図6において、横軸に
エンジンを駆動する前の温度を、縦軸にエンジンを駆動
した後の温度を採ってある。
【0024】図において、10は第1の消音器としての
主消音器、11は、一次音源としての図示されないエン
ジンと接続され、エンジンを駆動することによって発生
させられた排気ガスを排出するための円筒状の排気管で
あり、該排気管11の所定の箇所、例えば、先端(図1
及び4における右端)に前記主消音器10が配設され、
排気管11上の前記排気ガスの流れ方向(図1における
矢印A方向)における主消音器10より上流側に第2の
消音器としての図示されない副消音器が配設される。
【0025】そして、前記主消音器10は、前記排気管
11の先端を包囲して配設された箱状の消音器本体1
2、及び該消音器本体12に取り付けられた第1、第2
の二次音源としての第1、第2のスピーカ25、26を
備える。この場合、第1、第2のスピーカ25、26
は、消音室としてのチャンバー17内における排気ガス
の流れ方向、すなわち、排気騒音の伝達方向における下
流側に向けて、第1の端壁14に取り付けられ、アクテ
ィブに消音を行う。本実施の形態においては、排気管1
1に隣接させて第1、第2のスピーカ25、26が配設
されるが、排気管11に隣接させて3個以上のスピーカ
を配設することもできる。
【0026】前記消音器本体12は、排気ガスの流れ方
向に対して直角の方向に配設された第1、第2の端壁1
4、15、及び該第1、第2の端壁14、15間を連結
し、排気ガスの流れ方向に延びる環状壁16を備え、前
記第1、第2の端壁14、15及び環状壁16によって
前記チャンバー17が形成され、該チャンバー17の断
面積は排気管11の断面積より大きくされる。なお、前
記消音器本体12は、排気ガスの流れ方向における長さ
が400〔mm〕に、排気ガスの流れ方向に対して直角
の方向における幅が510〔mm〕に、高さが200
〔mm〕にされる。
【0027】また、前記環状壁16は、頂壁16a、側
壁16b、16c及び底壁16dから成り、頂壁16a
及び底壁16dに「L」字状の補強用のリブ18が取り
付けられる。該リブ18は、排気ガスの流れ方向に対し
て直角の方向に延在させられ、頂壁16a及び底壁16
dが前記排気騒音によって振動させられるのを防止す
る。
【0028】そして、前記排気管11の一部はチャンバ
ー17内に突出させられて突出壁21を構成し、環状壁
16と突出壁21との間に分岐管として機能する領域2
2が形成される。また、前記第2の端壁15は、図5に
示されるように、消音器本体12の左端及び右端に形成
され、第2の端壁15間に排気ガスを排出するための排
出口23が形成される。
【0029】ところで、前記主消音器10として拡張型
又は拡張共振型の消音器を使用した場合、排気騒音の波
長が長くなると、消音器をその分長くする必要が生じ、
車両への搭載性が悪くなってしまう。
【0030】そこで、本実施の形態においては、主消音
器10として、アクティブノイズコントロール法を利用
した消音器が使用される。すなわち、前述されたよう
に、前記主消音器10において、第1の端壁14におけ
る排気管11に隣接させて、かつ、排気管11を中心と
して左右対称の位置に、第1、第2のスピーカ25、2
6が配設され、該第1、第2のスピーカ25、26によ
って排気騒音とは逆相の音波から成る二次音波が発生さ
せられる。したがって、前記排気騒音と二次音波とが消
音器本体12内において重ねられるので、二次音波の分
だけ排気騒音が減衰させられる。その結果、排気騒音を
十分に減衰させることができる。
【0031】また、前記第2の端壁15における排出口
23の内周縁に、第1、第2のスピーカ25、26との
間の距離を互いに異ならせてエラー検出手段としてのエ
ラーマイク30が配設され、該エラーマイク30によっ
て、排気騒音と二次音波とが重ねられた後のエラー(残
差)が検出される。そして、図示されない制御装置の駆
動信号発生手段は、検出されたエラーに基づいて駆動信
号を発生させ、前記第1、第2のスピーカ25、26を
駆動する。なお、第1、第2のスピーカ25、26の直
径は200〔mm〕にされ、主消音器10の中心と各第
1、第2のスピーカ25、26の中心との距離は150
〔mm〕にされる。
【0032】ところで、排気騒音のトラッキング解析を
行った結果、車両を加速する際の排気騒音は、気筒数を
Zとし、エンジン回転速度をmとしたときの燃焼周波数
00 =(Z/τ)×(m/60)〔Hz〕 (τは定数であり、この場合、2である。) を基本周波数とする高調波成分のうち、主として、周波
数の低い周期音である低次のエンジン回転次数成分、例
えば、基本周波数である三次成分、及びその2倍の六次
成分から成ることが分かる。そこで、本実施の形態にお
いては、前記三次成分及び六次成分が制御対象とされ
る。
【0033】なお、周波数の高い周期音である高次のエ
ンジン回転次数成分については、前記副消音器によって
減衰させられる。そのために、副消音器として拡張型又
は拡張共振型の消音器が使用される。
【0034】このように、主消音器10において、排気
騒音における低次のエンジン回転次数成分について、二
次音波を発生させることによって減衰させることができ
るので、主消音器10の寸法を小さくすることができ
る。また、前記副消音器においては、排気騒音における
高次のエンジン回転次数成分についてだけ減衰させれば
よいので、副消音器の寸法を小さくすることができる。
その結果、排気消音装置の配設位置及び配設状態におけ
る自由度を高くすることができ、車両への搭載性を良く
することができる。
【0035】また、エンジン回転速度m、アクセル開度
(エンジン負荷)等が変動し、排気騒音の周波数が変化
しても、二次音波の周波数を排気騒音の周波数に対応さ
せて変化させることによって、確実に消音を行うことが
できる。
【0036】この場合、実験室内に配設された台の上に
平坦(たん)な道路勾(こう)配に相当する道路を形成
し、該道路上で実車を使用し、エンジン回転速度mを1
200〜2400〔rpm〕の範囲で変化させ、100
〔rpm/sec〕の目標回転速度で車両を加速走行さ
せた。その結果、エンジン回転次数成分の全体値(オー
バーオール値)で、排気騒音の騒音強度を約3〜10
〔dB〕程度小さくすることができた。
【0037】また、チャンバー17によって拡張共振型
の消音器の機能が付加される。したがって、排気管11
を介してチャンバー17に進入した排気騒音は、第1、
第2の端壁14、15に当たって形成された反射波によ
って減衰させられるとともに、領域22に進入する排気
騒音と第1の端壁14に当たって形成された反射波との
干渉によって更に減衰させられる。すなわち、第1、第
2の端壁14、15によってパッシブに消音が行われ
る。
【0038】したがって、第1、第2のスピーカ25、
26によって排気騒音が減衰させられる分だけ第1、第
2の端壁14、15によって排気騒音を減衰させる必要
がなくなる。その結果、前記排出口23の断面積をその
分大きくし、消音器本体12によって発生させられる背
圧を低くすることができるので、エンジンの出力を大き
くすることができるとともに、燃費を良くすることがで
きる。
【0039】ところで、前記第1、第2のスピーカ2
5、26は排気管11に隣接させて配設されるので、排
気管11内を流れる高温の排気ガスの熱の影響を受けや
すい。そこで、排気ガスの熱が第1、第2のスピーカ2
5、26に伝達されるのを阻止するために、第1、第2
のスピーカ25、26に隣接する部分において、前記排
気管11は円筒状の伝熱防止管28によって包囲され、
前記排気管11と伝熱防止管28との間に環状の空気流
路29が形成される。本実施の形態において、排気管1
1の直径を80〔mm〕としたとき、伝熱防止管28の
直径は90〔mm〕にされ、空気流路29の径方向寸法
は5〔mm〕にされる。前記伝熱防止管28は、後端
(図1及び4における左端)が第1、第2のスピーカ2
5、26より上流側に位置し、第1の端壁14を貫通し
てチャンバー17内に突出させられ、前端(図1及び4
における右端)が突出壁21の先端と同じ箇所に位置す
るとともに、両端にそれぞれ環状の空気入口51及び空
気出口52が形成される。
【0040】この場合、排気管11と伝熱防止管28と
は独立に支持され、それぞれ図示されない車体フレーム
に固定されるとともに、前記伝熱防止管28は第1の端
壁14に固定される。
【0041】したがって、車両が走行させられるのに伴
って、空気は、前記空気入口51を介して空気流路29
内に入り、空気出口52を介して排出され、その間に排
気管11及び排気ガスを冷却する。
【0042】このように、排気管11と第1の端壁14
とが熱的に遮断されるとともに、排気管11及び排気ガ
スが空気によって冷却されるので、排気ガスの熱が第
1、第2のスピーカ25、26に伝達されるのを阻止す
ることができる。しかも、低温の空気をチャンバー17
内に導入することができるので、チャンバー17内の温
度を低くすることができる。
【0043】図6において、L1は副消音器の入口の温
度を表す線、L2は排気管11の先端の温度を表す線、
L3はエンジンを駆動する前の温度とエンジンを駆動し
た後の温度が等しいことを表す線、L4はチャンバー1
7内の温度を表す線、L5は第1、第2のスピーカ2
5、26が配設された位置の温度を表す線である。この
場合、前記台の上に5〔%〕の道路勾配に相当する登坂
路を形成し、該登坂路上で走行実験を行い、前記主消音
器10の各部における飽和温度を測定した結果を表す。
【0044】排気管11の先端の飽和温度は、約320
〔℃〕であるのに対して、チャンバー17内又は第1、
第2のスピーカ25、26が配設された位置の飽和温度
は約50〔℃〕になった。
【0045】このように、前記第1、第2のスピーカ2
5、26が排気ガスの熱の影響を受けるのを防止するこ
とができる。そして、前記第1、第2のスピーカ25、
26として耐熱処理が施されたスピーカを使用する必要
がなくなるので、排気消音装置のコストを低くすること
ができる。例えば、標準的なスピーカにおいては、取付
部及びコアの耐熱温度は80〜90〔℃〕であるので、
標準的なスピーカを二次音源として使用することができ
る。
【0046】なお、前記突出壁21の内周面を鏡面にす
ることによって反射面として輻(ふく)射による熱伝達
を防止したり、突出壁21の内周面に断熱材を被覆した
りすることもできる。
【0047】次に、第1、第2のスピーカ25、26に
よって二次音波を発生させるための制御装置について説
明する。
【0048】図7は本発明の実施の形態における排気消
音装置の制御装置の概念図、図8は本発明の実施の形態
における排気消音装置の制御ブロック図である。
【0049】図において、10は主消音器、11は排気
管、25、26は第1、第2のスピーカ、30はエラー
マイク、55はエンジン、56は副消音器、57は、エ
ンジン55の回転に伴う入力信号としてのパルスを検出
し、パルス信号SGを発生させるパルス検出装置であ
る。該パルス検出装置57は、エンジン回転速度mを検
出するエンジン回転速度検出手段としても機能する。
【0050】また、59は、インパルス列x(n)が入
力され、フィルタ係数wi (n)に基づいてフィルタ出
力y(n)を算出して発生させ、該フィルタ出力y
(n)を駆動信号として出力する駆動信号発生手段とし
てのFIRフィルタ、60は、前記インパルス列x
(n)、及びエラーマイク30によって検出されたエラ
ーを表すエラー信号e(n)に基づいてフィルタ係数w
i (n)を算出するLMSアナライザである。なお、n
は時間を表す。前記エラーマイク30によって検出され
るエラーは、排気騒音を表す排気騒音信号d(n)から
前記フィルタ出力y(n)を減算することによって得ら
れるエラー信号e(n)と等価である。
【0051】前記制御装置においては、車両を加速させ
るときの制御の収束性及び安定性を確保するために、ス
テップサイズパラメータを可変にして収束させる制御方
式、すなわち、時間ベースのサンプリングによる同期式
適応フィルタ法(SFX−TB法)で制御が行われる。
【0052】この場合、前記インパルス列x(n)は、
パルス信号SGに基づいて仮想参照入力として基本周期
に同期させて発生させられる。したがって、リファレン
ス信号の計算を簡略化することができるので、収束計算
を大幅に短縮することができ、制御装置の応答性を向上
させることができる。
【0053】また、前記LMSアナライザ60におい
て、フィルタ係数wi (n)を算出するに当たり、ステ
ップサイズパラメータを変化させる必要があるが、該ス
テップサイズパラメータを小さく設定すると、制御の安
定性を高くすることができるのに対して、制御の収束性
がその分低くなってしまう。一方、ステップサイズパラ
メータを大きく設定すると制御の収束性を高くすること
ができるのに対して、制御の安定性がその分低くなって
しまう。
【0054】そこで、本実施の形態においては、エラー
信号e(n)に基づいてステップサイズパラメータを変
化させるようにしている。したがって、制御の収束性及
び安定性のいずれも高くすることができる。
【0055】次に、前記エラーマイク30を配設する位
置について説明する。
【0056】図9は本発明の実施の形態におけるチャン
バーの周波数特性を示す図、図10は本発明の実施の形
態における第1、第2のスピーカとエラーマイクとの間
の音響伝達関数を表す図である。なお、図において、横
軸に周波数を、縦軸に騒音強度を採ってある。
【0057】前記チャンバー17内(図4)において、
第1、第2のスピーカ25、26(図1)のうちの一
方、本実施の形態においては、第1のスピーカ25を駆
動したとき、図9に示されるように、350〔Hz〕付
近の周波数で騒音強度にピークPkが発生する。すなわ
ち、チャンバー17内における気柱共鳴周波数は、制御
周波数(約500〔Hz〕以下)の範囲内において35
0〔Hz〕付近の周波数になる。 ところで、前述され
たように、前記エラーマイク30は、第2の端壁15に
おける排出口23の内周縁において前記第1、第2のス
ピーカ25、26の中心に対応する位置に配設され、第
1のスピーカ25とエラーマイク30との間の距離(経
路)M1と、第2のスピーカ26とエラーマイク30と
の間の距離M2とは互いに異ならせられる。したがっ
て、前記第1、第2のスピーカ25、26に、同一のフ
ィルタ出力y(n)(図8)を送って二次音波を発生さ
せると、各二次音波間に、前記距離M1と距離M2との
差(経路差)分だけ位相差が生じる。
【0058】その結果、350〔Hz〕付近で前記気柱
共鳴周波数が発生するのを抑制することができる。すな
わち、前記第1、第2のスピーカ25、26とエラーマ
イク30との間の音響伝達関数は、図10に示されるよ
うに、制御周波数の範囲内において共鳴が発生するのが
抑制され、比較的平坦な周波数特性を有することにな
る。本実施の形態において、エラーマイク30は前記内
周縁における第2のスピーカ26側に配設されるが、第
1のスピーカ25側に配設することもできる。
【0059】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、排気消音装置においては、エンジンを駆動するこ
とによって発生させられた排気ガスを排出するための排
気管と、該排気管に配設され、消音器本体、及び二次音
波を発生させる二次音源を備えた消音器と、前記二次音
源を駆動するための駆動信号を発生させる駆動信号発生
手段とを有する。
【0061】この場合、排気騒音と二次音波とが消音器
本体内において重ねられるので、二次音波の分だけ排気
騒音が減衰させられる。したがって、排気騒音を十分に
減衰させることができる。
【0062】また、消音器の寸法を小さくすることがで
きるので、排気消音装置の配設位置及び配設状態におけ
る自由度を高くすることができ、車両への搭載性を良く
することができる。
【0063】本発明の他の排気消音装置においては、さ
らに、前記排気ガスの流れ方向における前記消音器より
上流側に副消音器が配設される。
【0064】この場合、消音器において、排気騒音にお
ける低次のエンジン回転次数成分について、二次音源を
発生させることによって減衰させることができるので、
消音器の寸法を小さくすることができる。また、副消音
器においては、排気騒音における高次のエンジン回転次
数成分についてだけ減衰させればよいので、副消音器の
寸法を小さくすることができる。
【0065】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記エラー検出手段は、前記各二次音源と
の間の距離を互いに異ならせて配設される。
【0066】この場合、前記各二次音源に同一の駆動信
号を送って二次音波を発生させると、各二次音波間に前
記各距離の差分だけ位相差が生じる。したがって、消音
器本体内で気柱共鳴周波数が発生するのを抑制すること
ができる。
【0067】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記二次音源に隣接する部分において、前
記排気管は伝熱防止管によって包囲される。
【0068】そして、前記排気管と伝熱防止管との間に
空気流路が形成される。
【0069】この場合、排気管と伝熱防止管とが熱的に
遮断されるとともに、排気管及び排気ガスが空気によっ
て冷却されるので、排気ガスの熱が二次音源に伝達され
るのを阻止することができる。しかも、低温の空気を消
音器本体内の消音室に導入することができるので、消音
室の温度を低くすることができる。
【0070】したがって、二次音源が排気ガスの熱の影
響を受けるのを防止することができる。そして、前記二
次音源として耐熱処理が施されたスピーカを使用する必
要がなくなるので、排気消音装置のコストを低くするこ
とができる。
【0071】本発明の更に他の排気消音装置において
は、さらに、前記消音器本体は、排気ガスを排出するた
めの排出口を備える。
【0072】そして、該排出口の断面積は前記排気管の
断面積より大きくされる。
【0073】この場合、消音器本体によって発生させら
れる背圧を低くすることができるので、エンジンの出力
を大きくすることができるとともに、燃費を良くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における主消音器の平面図
である。
【図2】従来の拡張型の消音器の概念図である。
【図3】従来の拡張共振型の消音器の概念図である。
【図4】本発明の実施の形態における主消音器の断面図
である。
【図5】本発明の実施の形態における主消音器の正面図
である。
【図6】本発明の実施の形態における車両の温度特性を
示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における排気消音装置の制
御装置の概念図である。
【図8】本発明の実施の形態における排気消音装置の制
御ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるチャンバーの周波
数特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における第1、第2のス
ピーカとエラーマイクとの間の音響伝達関数を表す図で
ある。
【符号の説明】
10 主消音器 11 排気管 12 消音器本体 23 排出口 25、26 第1、第2のスピーカ 28 伝熱防止管 29 空気流路 30 エラーマイク 55 エンジン 56 副消音器 59 FIRフィルタ y(n) フィルタ出力

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エンジンを駆動することによって
    発生させられた排気ガスを排出するための排気管と、
    (b)該排気管に配設され、消音器本体、及び二次音波
    を発生させる二次音源を備えた消音器と、(c)前記二
    次音源を駆動するための駆動信号を発生させる駆動信号
    発生手段とを有することを特徴とする排気消音装置。
  2. 【請求項2】 前記排気ガスの流れ方向における前記消
    音器より上流側に副消音器が配設される請求項1に記載
    の排気消音装置。
  3. 【請求項3】 (a)前記排気ガスの排気に伴う排気騒
    音と前記二次音波とを重ねた後のエラーを検出するエラ
    ー検出手段を有するとともに、(b)前記駆動信号発生
    手段は、前記エラーに基づいて前記駆動信号を発生させ
    る請求項1に記載の排気消音装置。
  4. 【請求項4】 前記二次音源は、前記排気管に隣接させ
    て少なくとも二つ配設される請求項1に記載の排気消音
    装置。
  5. 【請求項5】 前記エラー検出手段は、前記各二次音源
    との間の距離を互いに異ならせて配設される請求項1に
    記載の排気消音装置。
  6. 【請求項6】 (a)前記二次音源に隣接する部分にお
    いて、前記排気管は伝熱防止管によって包囲され、
    (b)前記排気管と伝熱防止管との間に空気流路が形成
    される請求項1に記載の排気消音装置。
  7. 【請求項7】 (a)前記消音器本体は、排気ガスを排
    出するための排出口を備え、(b)該排出口の断面積は
    前記排気管の断面積より大きくされる請求項1に記載の
    排気消音装置。
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