JP2001234086A - 高分子ゲル、及びその製造方法 - Google Patents
高分子ゲル、及びその製造方法Info
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Abstract
子が、均一分散した高分子ゲル、及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 少なくとも一部の表面に非イオン性高分
子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性高分子ゲル
と、を含有してなることを特徴とする高分子ゲル、及
び、少なくとも一部の表面に非イオン性高分子を結合し
た粒子と、酸性或いはイオン性モノマと、架橋モノマ
と、を混合して分散溶液を調整し、重合せしめる、或い
は、少なくとも一部の表面に非イオン性高分子を結合し
た粒子と、酸性或いはイオン性高分子とを混合して分散
溶液を調整し、架橋せしめることを特徴とする高分子ゲ
ルの製造方法。
Description
料、高吸水性樹脂、芳香剤、アクチュエーター、ドラッ
グデリバリー(DDS)、インクジェット用紙のインク
受容層など医療、衛生用途、農業用途、種々機能用途と
して広く利用可能な高分子ゲル、及びその製造方法に関
するものである。
吸水性樹脂、芳香剤、アクチュエーター、ドラッグデリ
バリー(DDS)、インクジェット用紙のインク受容層
など医療、衛生用途、農業用途、種々機能用途として広
く利用されている。また、我々は特開平11−2365
59号公報においては、高濃度の顔料を内部に分散した
着色高分子ゲルからなる新規な発色材料を提案してい
る。この発色材料は高濃度の顔料を含有した着色高分子
ゲルの、pH、イオン強度、物質の吸着、溶液組成の変
化、熱、光、電流、電界、磁界などの外部刺激による可
逆的な体積変化(膨潤、収縮)により大きな光学濃度差
を示すものである。このような刺激により体積変化する
高分子ゲルの多くは、酸基或いはイオン性基をもった構
造のもので、代表的にはカルボン酸基、スルフォン酸
酸、リン酸、4級アミノ基やその塩などの基を有したも
のが知られている。
顔料、調光材料等)を内部に分散した着色高分子ゲル或
いは光散乱高分子ゲルからなる新規な発色材料或いは調
光材料は、液体中における体積変化(膨潤・収縮)によ
り、「光を吸収或いは散乱する面積が変化する」、「粒
子の分散状態の変化により粒子の光吸収能或いは光散乱
能が変化する」ことの相乗作用により大きな光学濃度差
を得ることができる。このような特性を得るために材料
に求められる要件として、「高分子ゲル中に粒子が保持
されていてゲル外部に流出しないこと」、「高分子ゲル
中の粒子濃度が飽和吸収或いは飽和散乱となるような高
いものであること」、「膨潤した高分子ゲル中の粒子分
散状態が良好なこと」などが挙げられる。上記のうち、
高分子ゲル中の粒子の分散性が低く凝集体を生成してい
ると、高分子ゲルの膨潤時において所望の光学濃度を得
られない、透過光の散乱により色純度が低下するなどの
問題が生じてしまう。
性高分子ゲルである酸性あるいはイオン性高分子ゲルを
用いる場合、粒子の分散性が非常に悪いという問題があ
る。これは、高分子ゲルあるいはその前駆体モノマに存
在する高い極性をもつ酸性あるいはイオン性基により、
粒子の凝集が引き起こり易いためである。
ゲルは、上記の発色材料或いは調光材料の他にも吸水性
樹脂や芳香剤としてもファッション性の観点で有用であ
り、この場合も粒子が均一に分散されていることが好ま
しい。これらの用途においても酸性あるいはイオン性高
分子ゲルは広く使用されているために、粒子の分散性向
上が必要となる。
分子ゲルと同様に、前記した医療、衛生用途、農業用
途、種々機能用途として使用される高分子ゲルでも、高
分子ゲル内部における粒子(分散材)の分散性は、共通
する重要な問題である。
題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、酸性或いはイオン性高分子ゲル内部に
おける粒子が、均一分散した高分子ゲル、及びその製造
方法を提供することを目的とする。
により解決される。即ち、本発明は、 <1>少なくとも一部の表面に非イオン性高分子を結合
した粒子と、酸性或いはイオン性高分子ゲルと、を含有
してなることを特徴とする高分子ゲルである。
が、3重量%〜80重量%であることを特徴とする前記
<1>に記載の高分子ゲルである。
高分子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性モノマ
と、架橋モノマと、を混合して分散溶液を調整し、重合
せしめることを特徴とする高分子ゲルの製造方法であ
る。
重合せしめること特徴とする前記<3>に記載の高分子
ゲルの製造方法である。
高分子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性高分子と
を混合して分散溶液を調整し、架橋せしめることを特徴
とする高分子ゲルの製造方法である。
も一部の表面に非イオン性高分子を結合した粒子(以
下、「高分子結合粒子」ということがある)と、酸性或
いはイオン性高分子ゲルと、を含有してなる。本発明の
高分子ゲルにおいて、高分子結合粒子は、その少なくと
も一部の表面に非イオン性高分子を結合させることで、
酸性或いはイオン性高分子ゲルに対して良好な分散性を
示す。このため、本発明の高分子ゲルは、高分子結合粒
子が均一に分散した高分子ゲルとなる。
光材料、高吸水性樹脂、芳香剤、アクチュエーター、ド
ラッグデリバリー(DDS)、インクジェット用紙のイ
ンク受容層、医療、衛生用途、農業用途、種々機能用途
に応じて選択されるが、例えば、顔料、光散乱材、調光
材等が挙げられる。
どが好ましい。具体例には、金属酸化物、ブロンズ粉、
カーボンブラックやアントラキノン系、アゾ系、フタロ
シアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ
系、ベンジジン系、ローダミン系などの各顔料などが挙
げられる。また、顔料の粒径は、1次粒子の平均粒径で
0.001μm〜1μmが好ましく、0.01μm〜
0.5μmが特に好ましい。この平均粒径が0.001
μm未満では高分子ゲルからの流出が起こりやすく、ま
た、1μmを超えると発色濃度が低下する虞がある。
鉛、炭酸カルシウム、石膏、クレー、シリカ、銀、ニッ
ケル、白金、高分子粒子等が挙げられる。また、光散乱
材の粒径は、1次粒子の平均粒径で0.001μm〜1
μmが好ましく、0.01μm〜0.5μmが特に好ま
しい。この平均粒径が0.001μm未満では高分子ゲ
ルからの流出が起こりやすく、また、1μmを超えると
光散乱能が低下する虞がある。
を混入した高分子微粒子等が挙げられる。また、調光材
の粒径は、1次粒子の平均粒径で0.001μm〜1μ
mが好ましく、0.01μm〜0.5μmが特に好まし
い。この平均粒径が0.001μm未満では高分子ゲル
からの流出が起こりやすく、また、1μmを超えると調
光能が低下する虞がある。
子とは、非イオン性基(例えば、芳香族基、アルキル
基、アルコキシ基、アルキルエステル基、水酸基、ハロ
ゲン基、アミノ基、アミド基等)を有する構造の高分子
を示す。具体的には、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレ
ングリコール、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ポリエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ポリビニルアミン、ポリビニルアルコール、ポリス
チレン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエーテル、又
はこれらの共重合体などが挙げられる。なお、これら化
合物における「()」は、括弧内の化合物も含むことを
示す。
平均分子量で1000〜1000万が好ましく、100
00〜500万がより好ましい。この分子量が1000
未満であると、高分子ゲル中の分散性が低下する、ま
た、1000万を超えると、高分子結合粒子を分散した
溶液の粘度が高くなる、或いは多量の高分子鎖によりか
えって分散性が低下する等の問題を生じる場合がある。
イオン性高分子の結合は、如何なる結合形態でもよく、
例えば、グラフト結合などの結合形態が挙げられる。
イオン性高分子の結合量は、その重量比(非イオン性高
分子/粒子)で2〜100%であることが好ましく、1
0〜100%がより好ましい。この結合量が2%未満で
あると、高分子ゲル中の分散性が低下する、また、10
0%を超えると、高分子結合粒子を分散した溶液の粘度
が高くなる、或いは多量の高分子鎖によりかえって分散
性が低下する等の問題を生じる場合がある。なお、ポリ
アクリル酸やその塩などのイオン性高分子を結合した粒
子を用いると、酸或いはイオン性高分子ゲルとの相互作
用により、粒子の凝集が引き起こってしまい、良好な分
散性が得られない。
度は、0.1重量%〜80重量%の範囲から目的に応じ
て適宜に選択されるが、特に発色材料に使用する場合
(粒子として顔料を用いる場合)、飽和吸収濃度以上と
なることが好適である観点から、3重量%〜80重量%
が好ましく、より好ましくは10重量%〜80重量%で
ある。高分子結合粒子は、酸或いはイオン性高分子ゲル
に対して分散性が良好なであることから、高濃度に含有
させることでき、例えば、発色材料に使用する場合(粒
子として顔料を用いる場合)には、発色濃度(着色性)
を向上させることができる。なお、飽和吸収濃度以上と
いう定義を別の特性で表現すれば、特定の光路長におけ
る顔料濃度と光学濃度(あるいは光吸収量)との関係が
一次直線の関係から大きく乖離するような顔料濃度の領
域を示す。
高分子を結合する方法、粒子表面に非イオン性高分子を
重合により生成する方法、等により製造することができ
る。前者は、粒子表面に存在する或いは導入した反応可
能な基(例えば、酸基、水酸基、アミノ基、不対電子、
エポキシ基、イソシアネート基、メラミン基、又は不飽
和二重結合基等)を利用し、これに反応性の非イオン性
高分子を結合する方法である。後者は、粒子表面に存在
する不対電子、不飽和二重結合基、解裂によりラジカル
を生成する基、酸基、アルコラート基、フェノラート
基、エポキシ基、又はアミノ基等を利用し、重合性の非
イオン性モノマ(例えば不飽和二重結合性モノマ、開環
重合性モノマ等)を重合する方法である。これ以外に
も、粒子をプラズマ処理や放射線処理し、これに反応性
の非イオン性高分子を結合すること、或いは非イオン性
モノマを重合することも可能である。このような高分子
結合粒子に関する製造方法は、粒子として顔料を用いる
場合、「色材、p46−51、Vol.71、No.1
0、1998年」、「日本ゴム協会紙、p378−38
5、Vol.70、No.7、1997年」等に記載さ
れている。
ン酸基、スルフォン酸基、硫酸基、リン酸基、或いはそ
の塩等)、又は、イオン性基(例えば4級アミノ基、そ
の4級化物或いは金属塩等)を有する構造の高分子ゲル
である。
的には、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体及びその金属
塩、(メタ)アクリル酸と他のモノマとの共重合体の架
橋体及びその金属塩、マレイン酸と他のモノマとの共重
合体の架橋体及びその金属塩、ポリビニルスルホン酸の
架橋体及びその金属塩、ビニルスルホン酸と他のモノマ
との共重合体の架橋体、ポリビニルベンゼンスルホン酸
の架橋体及びその金属塩、ビニルベンゼンスルホン酸と
他のとの共重合体の架橋体及びその金属塩、ポリアクリ
ルアミドアルキルスルホン酸の架橋体及びその金属塩、
アクリルアミドアルキルスルホン酸と他のモノマとの共
重合体の架橋体及びその金属塩、ポリビニルアルコール
とポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋体及びその
金属塩、カルボキシアルキルセルロースの架橋体及びそ
の金属塩、並びに、ポリ(メタ)アクリロニトリルの架
橋体の部分加水分解物及びその金属塩、等が挙げられ
る。ここで、共重合可能な他のモノマとしては、例えば
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル置換(メタ)ア
クリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、
スチレン誘導体、ビニルピロリドン、ビニルピリジン等
が挙げられる。
て具体的には、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミドの架橋体の4級化物、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドと他のモノマとの共重合体
の架橋体、その4級化物及び金属塩、ポリジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミドの架橋体の4級化
物、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドと
他のモノマとの共重合体の架橋体、その4級化物及び金
属塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
の架橋体の4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートと他のモノマとの共重合体の架橋体、その4
級化物及び金属塩、ポリジエチルアミノエチル(メタ)
の架橋体の4級化物、ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートと他のモノマとの共重合体の架橋体、その4
級化物及び金属塩、ポリジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合物
架橋体の4級化物、ポリジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合物
架橋体の4級化物、ポリジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレートとポリビニルアルコールとの複合物架橋体
の4級化物、並びに、ポリジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートとポリビニルアルコールとの複合物架
橋体の4級化物、等が挙げられる。ここで、共重合可能
な他のモノマとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリルアミド、N−アルキル置換(メタ)アクリルア
ミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、スチレン
誘導体、ビニルピロリドン、ビニルピリジン等が挙げら
れる。
記は代表的な材料例を示すもので、これに限定されるも
のではない。また、上記具体例における酸性或いはイオ
ン性モノマ、及びこれと共重合可能な他のモノマは、1
種単独で用いてもよいし、複数種類併用してもよい。な
お、酸或いはイオン性高分子ゲル具体例におけ
る「()」は、括弧内の化合物も含むことを示す。
(酸化防止、紫外線吸収等)を添加してもよく、これら
添加剤を、前述したような高分子結合粒子と同様に、そ
の表面に非イオン高分子を結合させて添加することも可
能である。これにより、添加剤もより均一に分散可能と
なる。
形態は特に制限はなく、粒子状、ブロック状、フイルム
状、不定形状、繊維状など種々ものが挙げられる。なか
でも、粒子状の形態は、種々の用途応用範囲が広いこと
から好ましい。粒子状における形態にも特に限定はない
が、球体、楕円体、多面体、多孔質体、星状、針状、中
空状などのものが適用できる。
用いる以外は、従来公知の方法によって製造することが
できるが、以下に示す本発明の高分子ゲルの製造方法に
より製造することが好ましい。
ゲルの製造方法は、高分子結合粒子と、酸性或いはイオ
ン性モノマと、架橋モノマと、を混合して分散溶液を調
整し、架橋重合せしめる方法(以下、重合法という)、
或いは、高分子結合粒子と、酸性或いはイオン性高分子
とを混合して分散溶液を調製し、架橋せしめる方法(以
下、架橋法という)である。
前駆体モノマ(酸性或いはイオン性モノマ及び架橋モノ
マ)溶液に、高分子結合粒子を添加して重合せしめる方
法である。酸性或いはイオン性モノマは、酸基(例えば
カルボン酸基、スルフォン酸基、硫酸基、リン酸基或い
はその塩等)、又は、イオン性基(例えば4級アミノ
基、その4級化物或いは金属塩等)を有する構造のモノ
マであり、具体的には、上記酸性或いはイオン性高分子
ゲルの具体例における各種の酸性或いはイオン性モノマ
が挙げられる。また、架橋モノマは、酸性或いはイオン
性モノマと共に重合体させ、架橋させるモノマであり、
具体的には、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ケ
イ皮酸ビニル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートが挙げられる。なお、これら化合物におけ
る「()」は、括弧内の化合物も含むことを示す。
加して、懸濁重合せしめることも可能である。分散媒と
しては、従来公知のものを用いることができるが、例え
ばシクロヘキサン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、ペンタン、トルエン、キシレン、メタノール、エタ
ノール、アセトン等の脂肪族、芳香族、アルコール類、
ケトン類が挙げられる。また、分散媒には、各種界面活
性剤(例えばソルビトール系)等の添加剤を添加しても
よい。この懸濁重合法を行うことで、得られる高分子ゲ
ルを粒子状等の形状に加工することが可能である。な
お、必要により、乳化法、分散法等を併用することもで
きる。
分子に、高分子結合粒子を分散、混合した後に架橋する
方法であり、予め架橋性モノマを共重合させた酸性或い
はイオン性高分子を用いて架橋させてもよく、架橋剤を
用いて架橋させてもよい。この架橋剤としては、従来公
知ものを用いることができるが、例えば、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、メラミン、ポリ
エチレングリコール、ジグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
酸性或いはイオン性高分子ゲル前駆体モノマ、又は、酸
性或いはイオン性高分子と、高分子結合粒子とを混合す
る際、機械的混練法、攪拌法、或いは超音波分散法を用
い、適宜、さらには分散剤等を利用することが好まし
い。これにより、高分子結合粒子を、高分子ゲル中によ
り均一に分散させることができる。
は、得られる高分子ゲルを粒子状にする場合、得られた
高分子ゲルを物理的粉砕法によって粉砕する方法、架橋
前の酸性或いはイオン性高分子を物理的粉砕法や化学的
粉砕法によって粒子化した後に架橋する方法、或いは、
前述したように懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等
の一般的な粒子化重合法によっても製造することができ
る。
ゲルの製造方法により得られる高分子ゲルは、体積変化
に基づく発色材料及び調光材料、種々の色に着色した高
吸水性樹脂、芳香剤の徐放性樹脂、並びにインクジェッ
ト用紙のコーティング剤などとして広く利用可能であ
る。
的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制
限するものではない。 <グラフト顔料(高分子結合粒子)1の調製>カーボン
ブラック(昭和キャボット:ショウブラックN762、
平均粒径0.2μm)10g、界面活性剤(花王製:エ
マルゲン909)1gを蒸留水80mlに混合し、攪拌
法および超音波法により顔料を均一に分散した溶液を調
製した。
にアクリルアミド2.0gを混合し、窒素置換した後、
重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.5gを添加し、
溶液を攪拌しながら60℃に加熱して反応させた。本反
応条件では、カーボンブラック表面に多数存在する不対
電子により、ポリアクリルアミドがグラフトされる。
を繰り返すことによりグラフト顔料を分離、洗浄した。
カーボンブラックへのポリアクリルアミドの結合量は約
19%であった。つまり、1gのカーボンブラックに対
して0.19gのポリアクリルアミドがグラフト結合さ
れていた。また、このグラフトされたポリアクリルアミ
ドの重量平均分子量は、分析から約100万であった。
し、これを超音波により分散させると、極めて均一かつ
安定な分散溶液を得ることができた。この分散溶液のグ
ラフト顔料の分散状態を顕微鏡や光散乱法により観察す
ると、ほぼ一次粒子として分散されていることがわかっ
た。
製>カーボンブラック(昭和キャボット:ショウブラッ
クN762、平均粒径0.2μm)10g、界面活性剤
(花王製:エマルゲン909)1gを蒸留水80mlに
混合し、攪拌法および超音波法により顔料を均一に分散
した溶液を調製した。
にアクリルアミド3.5gを混合し、窒素置換した後、
重合開始剤(過硫酸アンモニウム)1.0gを添加し、
溶液を攪拌しながら60℃に加熱して反応させた。本反
応条件では、カーボンブラック表面に多数存在する不対
電子により、ポリアクリルアミドがグラフトされる。
を繰り返すことによりグラフト顔料を分離、洗浄した。
カーボンブラックへのポリアクリルアミドの結合量は約
34%であった。つまり、1gのカーボンブラックに対
して0.34gのポリアクリルアミドがグラフト結合さ
れていた。また、このグラフトされたポリアクリルアミ
ドの重量平均分子量は、分析から約150万であった
超音波により分散させると、極めて均一かつ安定な分散
溶液を得ることができた。この分散溶液の顔料の分散状
態を顕微鏡や光散乱法により観察すると、ほぼ一次粒子
として分散されていることがわかった。
8mlに超音波法により均一に分散した溶液を調整し、
これを重合容器内に移した。これにアクリル酸2.0g
および架橋性モノマとしてメチレンビスアクリルアミド
0.01gを添加してモノマ溶液を調整した。グラフト
顔料1(カーボンブラック)の分散性はアクリル酸の添
加した前後で変化することはなく、良好であった。
(過硫酸アンモニウム)0.01gを添加し、60℃に
加熱して20時間、重合を行った。重合終了後、黒色の
着色高分子ゲルを得ることができた。生成した着色高分
子ゲルは蒸留水に飽和膨潤させて精製した。収率は99
%であった。
より中和した後、純水の吸水量を測定した。その結果、
吸水量は約600g/g(自重の600倍)と非常に高
いものであった。また、膨潤した高分子ゲル中の顔料の
分散状態を顕微鏡および光散乱法により評価した結果、
ほぼ一次粒子として均一に分散されていた。これらの結
果から、この高分子ゲル粒子は高い吸水性と優れた顔料
分散性(着色性)を兼ね備えた優れたものであることが
わかった。
0g、蒸留水50mlを投入し、これを窒素置換した後
に過硫酸アンモニウム0.04gを添加し、60℃、2
0時間、重合を行った。生成したポリマはメタノールを
用いて再沈澱法により精製した。得られたアクリル酸−
アクリルアミド共重合体の重量平均分子量は約50万で
あった。
に溶解し、これにクラフト顔料1(カーボンブラック)
1.0gを添加し均一に混合、分散させた。つづいて、
架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル
0.01gを添加し、攪拌混合した後に60℃で10時
間加熱して、架橋反応を行った。反応終了後、生成物は
水に不溶なゲルを形成していることが確認できた。生成
した高分子ゲルは蒸留水に飽和膨潤させて精製した。収
率は99%であった。
より中和した後、純水の吸水量を測定した。その結果、
吸水量は約500g/g(自重の500倍)と非常に高
いものであった。また、膨潤した高分子ゲル中の顔料の
分散状態を顕微鏡および光散乱法により評価した結果、
ほぼ一次粒子として均一に分散されていた。これらの結
果から、この高分子ゲル粒子は高い吸水性と優れた顔料
分散性(着色性)を兼ね備えた優れたものであることが
わかった。
によって作製した。
ルアミド3g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミ
ド0.03gを用い、グラフト顔料2(カーボンブラッ
ク)を分散した分散水溶液(固形分10wt%)25.
7gを添加し、セパラブルフラスコ内でよく攪拌混合
し、顔料分散モノマ水溶液を調製した。この、顔料分散
モノマ水溶液に窒素ガスを5分以上吹き込み、溶存酸素
を十分に除去した後、0.67wt%の過硫酸アンモニ
ウム水溶液5.94gを添加し攪拌混合した。
業製薬製:ソルゲン50)4.4gをシクロヘキサン3
リットルに溶解した溶液を、窒素置換された顔料分散モ
ノマ水溶液が入っているセパラブルフラスコに加えた。
これを、室温で、回転式攪拌羽根を用いて、窒素ガスを
吹き込みながら600rpmで10分間攪拌して安定し
た懸濁状態を得た後、70℃の水浴に浸漬し300rp
mで攪拌しながら3時間反応させ着色高分子ゲル粒子を
得た。
収し、水酸化ナトリウム水溶液で中和反応を行なった後
に、純水で繰り返し洗浄を行ない乾燥させた。その後メ
ッシュを用いて篩分することで、乾燥時の平均粒径が約
10μmの着色高分子ゲル粒子を得た。
約600g/gであった。また、本粒子はpH変化、塩
や有機溶剤の添加によって可逆的に膨潤・収縮させるこ
とができ、粒子径は約4倍、すなわち体積で約64倍程
度の変化が得られた。
12g/リットル)で含む水分散溶液を調製し、これを
光路長1cmの分光光度測定装置用セルに入れ、水酸化
ナトリウムにより調整したpH11.5のアルカリ性溶
液中における膨潤時、次に塩酸により調整したpH2.
5の酸性溶液中における収縮時の、各光学濃度(λ=6
00nm)を測定した。その結果、膨潤時は約1.5、
収縮時は約0.2であり大きく光学濃度が変化すること
が分かった。顔料の濃度はどちらも一定であることか
ら、着色高分子ゲル粒子の体積変化によって顔料が拡散
・凝集し、光吸収効率が変わることで、光学濃度が変化
すると考えられる。また、この変化は溶液のpHを酸性
とアルカリ性に変化させることで可逆的に起こることを
確認した。さらに、pHを2.5〜11.5の範囲で適
宜変化させることで、光学濃度を0.2〜1.5の範囲
で中間濃度をえることができることを確認した。
化によって大きな光学濃度変化が起こり、また光学濃度
変化を可逆的に行えることが明らかとなった。また、膨
潤した着色高分子ゲル粒子中の顔料の分散状態を顕微鏡
および光散乱法により評価した結果、ほぼ一次粒子とし
て均一に分散されていた。この結果から、この高分子ゲ
ル粒子は優れた顔料分散性(着色性)を備えたものであ
ることも確認できた。
ボット:ショウブラックN762)1.0g、界面活性
剤(花王製:エマルゲン909)0.1gを蒸留水8m
lに混合し、攪拌法および超音波法により顔料を均一に
分散した溶液を調製した。本溶液中のカーボンブラック
がの分散性は優れており、均一に分散していた。
にアクリル酸2.0gおよび架橋剤としてメチレンビス
アクリルアミド0.01gを添加した。ところがアクリ
ル酸の添加によりカーボンブラックが凝集し分散性が低
下することがわかった。さらに、この溶液を窒素置換し
た後、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.03gを
添加し、60℃、20時間、重合させた。重合終了後、
黒色の着色高分子ゲルを得ることができた。生成した高
分子ゲルは蒸留水に飽和膨潤させて精製した。収率は9
9%であった。
より中和した後、純水の吸水量を測定した。その結果、
吸水量は約500g/g(自重の500倍)と高いもの
であった。しかしながら、膨潤した高分子ゲル中の顔料
の分散状態を顕微鏡および光散乱法により評価した結
果、顔料が凝集し部分的に透明な部分を形成し、分散性
が極めて悪いことがわかった。これらの結果から、表面
処理していない顔料は、酸或いはイオン性高分子ゲル中
では十分分散することが出来ないことがわかる。
酸−アクリルアミド共重合体1.0gを蒸留水20ml
に溶解し、これにカーボンブラック(昭和キャボット:
ショウブラックN762)1.0g、界面活性剤(花王
製:エマルゲン909)0.1gを添加し均一に混合、
分散させた。この分散溶液中のカーボンブラックの分散
性を観察すると、凝集体を多く含み、均一分散が困難な
ことが分かった。
てエチレングリコールジグリシジルエーテル0.01g
を添加し、攪拌混合した後に60℃で10時間加熱し
て、架橋反応を行ったが、生成した高分子ゲル中の顔料
の分散性は非常に悪いことがわかった。これらの結果か
ら、表面処理していない顔料は、酸或いはイオン性高分
子ゲル中では十分分散することが出来ないことがわか
る。
ボット:ショウブラックN762、平均粒径0.2μ
m)10g、界面活性剤(花王製:エマルゲン909)
1gを蒸留水80mlに混合し、攪拌法および超音波法
により顔料を均一に分散した溶液を調製した。
にイオン性モノマであるアクリル酸3.5gを混合し、
窒素置換した後、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)
0.5gを添加し、溶液を攪拌しながら60℃に加熱し
て反応させた。反応終了後、遠心分離器により沈降、分
散を繰り返すことによりポリアクリル酸をグラフトした
顔料を分離、洗浄した。カーボンブラックへのポリアク
リル酸の結合量は約33%であった。つまり、1gのカ
ーボンブラックに対して0.33gのポリアクリル酸が
グラフト結合されていた。
所定量の水酸化ナトリウムを加えて中和した溶液は、超
音波分散により極めて均一かつ安定な分散溶液を得るこ
とができた。この分散溶液の顔料の分散状態を顕微鏡や
光散乱法により観察すると、ほぼ一次粒子として分散さ
れていることがわかった。
水8mlに超音波法により均一に分散した溶液を調整
し、これを重合容器内に移した。これにアクリル酸2.
0gおよび架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド
0.01gを添加した。ところがアクリル酸の添加によ
りグラフトカーボンブラックが凝集し分散性が低下する
ことがわかった。
開始剤(過硫酸アンモニウム)0.03gを添加し、6
0℃、20時間、重合させた。重合終了後、黒色の着色
高分子ゲルを得ることができた。生成した高分子ゲルは
蒸留水に飽和膨潤させて精製した。収率は99%であっ
た。
より中和した後、純水の吸水量を測定した。その結果、
吸水量は約600g/g(自重の600倍)と高いもの
であった。しかしながら、膨潤した高分子ゲル中の顔料
の分散状態を顕微鏡および光散乱法により評価した結
果、顔料が凝集し部分的に透明な部分を形成し、分散性
が極めて悪いことがわかった。これらの結果から、表面
処理していない顔料は、酸或いはイオン性高分子ゲル中
では十分分散することが出来ないことがわかる。
に示すような逆相懸濁重合によって作製した。
活性剤(花王社製:エマルゲン909)0.5gとカー
ボンブラック(昭和キャボット社製:ショウブラックN
762)10gを加え、遊星ミルで1時間分散させるこ
とで顔料分散液を作製した。
アミド3g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド
0.03gを用い、予め調製しておいた顔料分散液2
5.7gを添加し、セパラブルフラスコ内でよく攪拌混
合し、顔料分散モノマ水溶液を調製した。この、顔料分
散モノマ水溶液に窒素ガスを5分以上吹き込み、溶存酸
素を十分に除去した後、0.67wt%の過硫酸アンモ
ニウム水溶液5.94gを添加し攪拌混合した。
業製薬製:ソルゲン50)4.4gをシクロヘキサン3
リットルに溶解した溶液を、窒素置換された顔料分散モ
ノマ水溶液が入っているセパラブルフラスコに加えた。
これを、室温で、回転式攪拌羽根を用いて、窒素ガスを
吹き込みながら600rpmで10分間攪拌して安定し
た懸濁状態を得た後、70℃の水浴に浸漬し300rp
mで攪拌しながら3時間反応させ着色高分子ゲル粒子を
得た。
収し、水酸化ナトリウム水溶液で中和反応を行なった後
に、純水で繰り返し洗浄を行なった。すると、カーボン
ブラックが洗浄液中に流出し、多くの高分子ゲル粒子は
殆ど透明に近い状態となった。
で観察すると、カーボンブラックが高分子ゲル粒子の表
面に被覆した状態で、粒子の内部には殆ど入っていない
ことがわかった。したがって、表面処理していないカー
ボンブラックを用いた場合、高分子ゲル粒子中に十分に
分散することが出来ないことを確認した。これらの結果
から、表面処理していない顔料は、酸或いはイオン性高
分子ゲル中では十分分散することが出来ないことがわか
る。
に非イオン性高分子を結合させた顔料は、酸或いはイオ
ン性高分子ゲル中において、良好な分散性を示すことが
わかる。一方で、表面処理していない顔料は、高分子ゲ
ル中に十分分散することが出来ないことがわかる。
ン性高分子ゲル内部における粒子が、均一分散した高分
子ゲル、及びその製造方法を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも一部の表面に非イオン性高分
子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性高分子ゲル
と、を含有してなることを特徴とする高分子ゲル。 - 【請求項2】 粒子の高分子ゲル中における濃度が、3
重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項1に
記載の高分子ゲル。 - 【請求項3】 少なくとも一部の表面に非イオン性高分
子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性モノマと、架
橋モノマと、を混合して分散溶液を調整し、重合せしめ
ることを特徴とする高分子ゲルの製造方法。 - 【請求項4】 分散溶液を分散媒に添加して、懸濁重合
せしめること特徴とする請求項3に記載の高分子ゲルの
製造方法。 - 【請求項5】 少なくとも一部の表面に非イオン性高分
子を結合した粒子と、酸性或いはイオン性高分子とを混
合して分散溶液を調整し、架橋せしめることを特徴とす
る高分子ゲルの製造方法。
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JP2000046116A JP3870654B2 (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 高分子ゲル、及びその製造方法 |
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JP3870654B2 JP3870654B2 (ja) | 2007-01-24 |
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