JP2001232705A - 剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材 - Google Patents
剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材Info
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Abstract
具、スポーツ用具、家庭用雑貨品などの用途に使用され
る、剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材を提
供する。 【解決手段】 目付20〜500g/m2のウエッブ材
料に、ジアリルフタレート樹脂および/または不飽和ポ
リエステル樹脂と発泡性熱可塑性微小球とを含有する有
機溶剤系分散液を、ウエッブ材料に対する樹脂量20〜
200重量%で含浸し乾燥させる。得られた熱硬化性樹
脂含浸発泡性シート材料の片面または両面に、予め5〜
50μmの熱可塑性プラスチックシートを接着剤を介し
て載置し、該含浸発泡性シート材料の厚さの50〜20
0%の厚さに熱圧成型する。
Description
テリヤ備品、鞄、靴、文房具、スポーツ用具、家庭用雑
貨品などの用途に使用される軽量複合材に関する。
樹脂含浸発泡複合材料の製造方法としては、特公平2−
9933号公報、特開平7−126425号公報などが
知られている。しかし従来の方法で得られた軽量複合材
は、剛性および靭性が不十分で実用上満足すべきものは
得られなかった。また上記特開平7−126425号公
報の改良にかかる特開平9−52971号公報では、熱
硬化性樹脂含浸発泡性シート材料を、その厚さの50〜
200%の厚さに熱圧成型することにより、剛性および
靭性、特に靭性にすぐれた軽量複合材が得られたが、防
汚性が不十分で実用上なお制約があった。
52971号公報で開示した先願をさらに改良したもの
であり、熱硬化性樹脂含浸発泡性シート材料の片面また
は両面に、予め熱可塑性プラスチックシートを接着剤を
介して載置し、該含浸発泡性シート材料の厚さの50〜
200%の厚さに熱圧成型することにより、剛性、靭性
および防汚性にすぐれた軽量複合材が容易に得られるこ
とを見出して、本発明に至ったものである。
よび防汚性にすぐれた軽量複合材において、目付20〜
500g/m2のウエッブ材料に、ジアリルフタレート
樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂と発泡性熱
可塑性微小球とを含有する有機溶剤系分散液を、ウエッ
ブ材料に対する樹脂量20〜200重量%で含浸し乾燥
させた熱硬化性樹脂含浸発泡性シート材料の片面または
両面に、予め5〜50μmの熱可塑性プラスチックシー
トを接着剤を介して載置し、該含浸発泡性シート材料の
厚さの50〜200%の厚さに熱圧成型されたことを特
徴とする。
成繊維、化学繊維、天然繊維、無機繊維の単独あるいは
複合化された織物、編物、不織布などが使用される。ウ
エッブ材料は、発泡性熱可塑性微小球を含有する有機溶
剤系熱硬化性樹脂分散液が含浸できるように十分な多孔
性と、乾燥温度に耐える耐熱性、および該微小球の発泡
時に膨張し得る程度のZ軸方向の強度を有していること
が望ましい。ウエッブ材料の目付は、20〜500g/
m2、好ましくは50〜200g/m2である。目付
が、20g/m2未満では得られる軽量複合材の強度が
弱く、また500g/m2を超えると樹脂分散液の含浸
および乾燥が困難となり、熱圧成型性が悪くなるため好
ましくない。
ト樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂が使用さ
れる。ジアリルフタレート樹脂は、通常ジアリルフタレ
ートを部分重合させ、アリル型不飽和結合を側鎖に有す
るプレポリマーの形で使用される。不飽和ポリエステル
樹脂は、不飽和多塩基酸または不飽和多塩基酸と飽和多
塩基酸との混合物と多価アルコールとを、常法に従って
反応させることによって得ることができる。
る不飽和多塩基酸は、通常フマール酸、無水マレイン酸
などであり、また不飽和度を任意の割合で調節すること
のできる飽和多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット
酸、テトラブロム無水フタル酸などであり、特に無水フ
タル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸が好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキシド付加物、ジブロムネオペ
ンチルグリコールなどであり、特にプロピレングリコー
ルまたはこれと他の多価アルコールとの混合物が好まし
い。
開始剤を含み、さらに必要に応じて重合禁止剤、重合促
進剤、内部離型剤、充填剤、着色剤などを含有してもよ
い。重合開始剤としては、ジクミルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブ
チルパーベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシ
ドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルな
どのアゾ化合物などが使用される。
れないが、望ましくはアクリロニトリルのポリマーを殻
とし、発泡剤として液体イソブタンを内包したものであ
る。該微小球の平均粒径は、通常200μm以下、好ま
しくは40〜60μmであり、また添加量は、熱硬化性
樹脂固形分に対して通常50重量%以下、好ましくは1
0〜40重量%である。
塑性微小球の混合物を含浸させるために使用される有機
溶剤は、ジアリルフタレート樹脂および/または不飽和
ポリエステル樹脂を溶解し、かつ該微小球の殻を溶解や
膨潤で破壊させないものであり、一般にトルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素溶剤、またはこれとメタノー
ルを除くアルコール溶剤との混合溶剤が望ましい。特に
沸点の低いこととコストの安いことから、トルエン単独
またはトルエンとイソプロピルアルコールとの混合溶剤
が望ましい。
を含有する有機溶剤系熱硬化性樹脂分散液にウエッブ材
料を浸漬後、スクイズロールなどで樹脂量が所定量にな
るように絞るか、あるいはウエッブ材料の片面または両
面に該分散液を塗布することによって行われる。ウエッ
ブ材料に対する樹脂量は、20〜200重量%、好まし
くは50〜150重量%である。樹脂量が、20重量%
未満では剛性および発泡性が悪くなり、また200重量
%を超えると軽量化がそこなわれるため好ましくない。
しては、使用する有機溶剤が蒸発し、かつ発泡性熱可塑
性微小球を発泡させない温度以下で適宜選択される。
料の片面または両面に接着剤を介して載置される熱可塑
性プラスチックシートとしては、特に好ましいのはポリ
エチレンテレフタレートシートであり、二軸延伸されて
いることが望ましく、その厚さは5〜50μm、好まし
くは10〜20μmである。厚さが5μm未満では、シ
ートの取り扱いおよび裏面に接着剤を塗布することが困
難となり、また50μmを超えると、得られる複合材の
軽量化がそこなわれるとともにコストが高くなるため好
ましくない。介在させる接着剤は、通常熱可塑性プラス
チックシートの裏面にホットメルト接着剤またはポリウ
レタン接着剤を塗布するか、あるいは接着フィルム、接
着不織布または基材に接着剤を含浸させた接着シートを
挿入する形で使用される。
して載置した熱硬化性樹脂含浸発泡性シート材料は、通
常120〜170℃の金型内で該含浸発泡性シート材料
の厚さの50〜200%、好ましくは70〜150%の
厚さに熱圧成型することにより、剛性、靭性および防汚
性にすぐれた軽量複合材を容易に製造することができ
る。50%未満の厚さでは外観や剛性がそこなわれ、ま
た200%の厚さを超えると剛性および靭性、特に靭性
が低下するため好ましくない。なお熱圧成型において、
該含浸発泡性シート材料を複数枚積層してもよい。
ッブ材料に、ジアリルフタレート樹脂および/または不
飽和ポリエステル樹脂と、平均粒径40〜60μmの発
泡性熱可塑性微小球20〜30重量%を含有する有機溶
剤系分散液を、ウエッブ材料に対する樹脂量20〜20
0重量%で含浸処理し乾燥させる。得られた熱硬化性樹
脂含浸発泡性シート材料の片面または両面に、予め5〜
50μmの熱可塑性プラスチックシートを接着剤を介し
て載置し、120〜170℃の金型内で該含浸発泡性シ
ート材料の厚さの50〜200%の厚さに熱圧成型する
ことにより、剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複
合材を容易に製造することができる。
下記の試験方法で測定する。試料の大きさを長さ300
mm×幅50mmとし、置き台の上に半円を描き、両端
の間隔が150mmになるように試料を置く。上から荷
重を加えて、試料が折れた時の重りの値(g)を剛性値
とする。また試料が折れた時の試料の頂点から置き台と
の距離(mm)を靭性値とする。
パンボンド6551N、東洋紡績社製)に、下記組成の
樹脂分散液を該不織布に対する樹脂量135〜145重
量%となるように含浸し、乾燥炉内温度80〜100℃
で乾燥したところ、未発泡の取り扱いが容易な熱硬化性
樹脂含浸発泡性シート材料が得られた。 ジアリルフタレート樹脂 (ダイソーダップ、ダイソー社製) 10 重量部 不飽和ポリエステル樹脂 (ユピカ8554、日本ユピカ社製) 90 〃 発泡性熱可塑性微小球 (エクスパンセル461、エクスパンセル社製) 27 〃 ベンゾイルパーオキシド(固形分 75重量%) 3.5 〃 トルエン 270 〃 イソプロピルアルコール 135 〃
脂含浸発泡性シート材料2枚を重ね、裏面にホットメル
ト接着剤を10g/m2塗布した12μmのポリエチレ
ンテレフタレートシート(ミリオンフィルム74マッ
ト、ヤスハラケミカル社製)を載置し、1.3mmのク
リアランスを有する離型処理された金型内で、150
℃、1分間熱圧成型した。得られた軽量複合材は、表面
がポリエチレンテレフタレートシートで覆われているた
め防汚性にすぐれており、剛性値は600gおよび靭性
値は55mmであった。
度の熱硬化性樹脂含浸発泡性シート材料2枚を重ね、
1.3mmのクリアランスを有する離型処理された全型
内で、150℃、1分間熱圧成型した。得られた軽量複
合材は、表面に汚染物質がしみこむため汚れ易く、剛性
値は450gおよび靭性値は48mmであり、実施例と
比較していずれも低い値を示した。
ルフタレート樹脂および/または不飽和ポリエステル樹
脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸発泡性シート材料の片
面または肉面に、予め5〜50μmの熱可塑性プラスチ
ックシートを接着剤を介して載置し、該含浸発泡性シー
ト材料の厚さの50〜200%の厚さに熱圧成型するこ
とにより、剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合
材が容易に得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 目付20〜500g/m2のウエッブ材
料に、ジアリルフタレート樹脂および/または不飽和ポ
リエステル樹脂と発泡性熱可塑性微小球とを含有する有
機溶剤系分散液を、ウェッブ材料に対する樹脂量20〜
200重量%で含浸し乾燥させた熱硬化性樹脂含浸発泡
性シート材料の片面または両面に、予め5〜50μmの
熱可塑性プラスチックシートを接着剤を介して載置し、
該含浸発泡性シート材料の厚さの50〜200%の厚さ
に熱圧成型されたことを特徴とする剛性、靭性および防
汚性にすぐれた軽量複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108716A JP2001232705A (ja) | 2000-02-24 | 2000-02-24 | 剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108716A JP2001232705A (ja) | 2000-02-24 | 2000-02-24 | 剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001232705A true JP2001232705A (ja) | 2001-08-28 |
Family
ID=18621512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000108716A Pending JP2001232705A (ja) | 2000-02-24 | 2000-02-24 | 剛性、靭性および防汚性にすぐれた軽量複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001232705A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009184239A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Du Pont Toray Co Ltd | 繊維強化複合材及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-02-24 JP JP2000108716A patent/JP2001232705A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009184239A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Du Pont Toray Co Ltd | 繊維強化複合材及びその製造方法 |
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