JP2001232391A - 硝化脱窒装置 - Google Patents

硝化脱窒装置

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JP2001232391A
JP2001232391A JP2000051720A JP2000051720A JP2001232391A JP 2001232391 A JP2001232391 A JP 2001232391A JP 2000051720 A JP2000051720 A JP 2000051720A JP 2000051720 A JP2000051720 A JP 2000051720A JP 2001232391 A JP2001232391 A JP 2001232391A
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denitrification
nitrification
nitration
microorganism
denitrification apparatus
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Takahiro Kanekawa
貴博 金川
Hideyuki Takahashi
英之 高橋
Satoshi Tamaki
聡史 玉木
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sekisui Chemical Co Ltd
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝化手段と脱窒手段とを連結し、硝化手段か
らの排出液を脱窒手段に、脱窒手段の排出液を硝化手段
に流し、両手段間を循環させることにより、アンモニア
ガスを無害な窒素ガスにまで処理し、なおかつコンパク
トで外部環境に排出液を出さない硝化脱窒装置を提供す
る。 【解決手段】 硝化手段と脱窒手段とを有し、前記硝化
手段と前記脱窒手段との間を循環液が循環する硝化脱窒
装置であって、前記硝化手段は、アンモニアから微生物
(A)により硝酸及び/又は亜硝酸を生成する反応を行
う硝化装置からなり、前記脱窒手段は、硝酸及び/又は
亜硝酸から微生物(B)により窒素を生成する反応を行
う脱窒装置からなる硝化脱窒装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンポスト施設、肥
料工場、養鶏場、養豚場等の畜産業施設、下水処理場、
し尿処理場、生ごみ処理施設、生ごみ処理装置等の悪臭
発生源から発生するアンモニアガスを生物学的に処理す
る硝化脱窒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンポスト施設、肥料工場、養鶏
場、養豚場等の畜産業施設、下水処理場、し尿処理場、
生ごみ処理施設、生ごみ処理装置等の悪臭発生源から排
出される悪臭ガスの処理法として、活性炭吸着法、薬液
洗浄法、生物脱臭法が知られており、なかでも微生物の
分解能力を利用した生物脱臭法は、維持管理の容易さ、
低ランニングコストであることから、近年広く普及しつ
つある。
【0003】生物脱臭法は、悪臭ガスであるアンモニ
ア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫
化メチル等を好気性微生物によって酸化し、硝酸イオ
ン、硫酸イオン等にして無臭化する方法である。近年
は、各種生物脱臭法の中でも高効率に悪臭を分解処理し
うるので、担体に悪臭を分解する微生物を担持させた、
担体充填塔方式が主流を占めつつある。しかし、アンモ
ニアガスを分解する硝化細菌は生育が遅く、充填塔式生
物脱臭装置によっても、高濃度処理は困難である。
【0004】特開平6−226035号公報には、悪臭
ガスから水洗塔にてアンモニアガスを除去し、後段に生
物脱臭塔を設けて処理を行う方法が開示されている。ま
た、実験レベルではピートに好気性消化し尿汚泥を散布
することで、0.1kg−窒素/m3 (担体当たり)/
日処理することに成功している(最新防脱臭技術集成、
1997年、エヌティーエス)。
【0005】上記のどの方法においても、脱臭装置から
の排出液には、亜硝酸、硝酸等が含まれている。これら
は、河川や湖沼での富栄養化の原因の一つと考えられ
る。そのため、排出液は再処理されることが好ましい。
しかしながらそのためには新規設備の導入や既設設備の
改修が必要となる。このことは過大な費用、設置場所の
問題を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、硝化手段と脱窒手段とを連結し、硝化手段からの
排出液を脱窒手段に、脱窒手段からの排出液を硝化手段
に流し、両手段間を循環させることにより、アンモニア
ガスを無害な窒素ガスにまで処理し、なおかつコンパク
トで外部環境に排出液を出さない硝化脱窒装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、硝化手段と脱
窒手段とを有し、前記硝化手段と前記脱窒手段との間を
循環液が循環する硝化脱窒装置であって、前記硝化手段
は、アンモニアから微生物(A)により硝酸及び/又は
亜硝酸を生成する反応を行う硝化装置からなり、前記脱
窒手段は、硝酸及び/又は亜硝酸から微生物(B)によ
り窒素を生成する反応を行う脱窒装置からなる硝化脱窒
装置である。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の硝化脱窒装置は、硝化手段と脱窒
手段とを有する。上記硝化手段は、アンモニアから微生
物(A)により硝酸及び/又は亜硝酸を生成する反応を
行う硝化装置からなる。上記アンモニアとしては特に限
定されず、例えば、コンポスト施設、肥料工場、養鶏
場、養豚場等の畜産業施設、下水処理場、し尿処理場、
生ごみ処理施設、生ごみ処理装置等から排出される悪臭
ガス等に含まれるアンモニアが挙げられる。
【0009】上記微生物(A)は、上記硝化装置におい
て、アンモニアを酸化することにより、アンモニアから
硝酸及び/又は亜硝酸を生成する。上記微生物(A)と
しては、アンモニア又は亜硝酸の酸化作用を有する細菌
及び細菌群(フローラ)であれば特に限定されない。し
かし、脱窒に必要とされる有機物量の低減及び装置内に
他の菌を生育させ難くすることに有効であると考えられ
ることから、独立栄養性の硝化作用を有する細菌及び細
菌群(フローラ)が好ましい。上記微生物(A)として
は、例えば、Nitrosomonas、Nitros
ococcus、Nitrosopira等が挙げられ
る。
【0010】上記硝化装置は、アンモニアから微生物
(A)により硝酸及び/又は亜硝酸を生成する機能を有
する。上記硝化装置の方式としては一般的に生物脱臭装
置で用いられる方式であれば特に限定されないが、例え
ば、曝気方式、スクラバー方式、担体固定化方式等が挙
げられる。なかでも、設置面積の低減やメンテナンスの
容易性から担体固定化方式が好ましい。
【0011】上記担体固定化方式において用いる担体と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリプロピレ
ンとポリ塩化ビニリデンとの混合物、ポリ塩化ビニリデ
ンとポリビニルアルコール又はウレタン系発泡体との混
合物等の合成樹脂;シリカ系の多孔質セラミック;ゼオ
ライト、ピート等の天然材料;木質系破砕炭、木質系成
形炭、石炭系破砕炭、石炭系成形炭等のカーボン等が挙
げられる。上記微生物(A)が従属栄養性である等、上
記硝化装置に有機物を添加することが必要な場合、有機
物としては上記微生物(A)が利用可能なものであれば
特に限定されないが、例えば、酢酸、蟻酸、グルコース
等が挙げられる。上記硝化装置に有機物を添加する場合
は、上記硝化装置に有機物供給装置が必要となる。
【0012】上記脱窒手段は、硝酸及び/又は亜硝酸か
ら微生物(B)により窒素を生成する反応を行う脱窒装
置からなる。上記微生物(B)としては脱窒作用を有す
る細菌及び細菌群(フローラ)であれば特に限定され
ず、例えば、Pseudomonas denitri
ficans、Paradococcus denit
rificans、Alcaligenes faec
alis等が挙げられる。
【0013】上記微生物(B)はグラニュール、即ち、
菌塊を形成していることが好ましい。本明細書におい
て、グラニュールとは、上向流式汚泥床方式のリアクタ
ー等により形成される直径数mm程度の菌の塊を意味す
る。微生物をグラニュール化することにより、一般的な
活性汚泥法に対して、容積当たりの微生物の保持量を数
十倍にすることができる。このため、同能力のリアクタ
ーをより小さく作ることが可能となる。本発明の硝化脱
窒装置においては、上記微生物(B)をグラニュール化
することにより、高効率な脱窒反応を行うことができ、
脱窒装置を小型化することが可能となり、ひいては硝化
脱窒装置全体のコンパクト化が可能となる。また硝化脱
窒装置全体のコンパクト化が可能となると、設置費用及
び設置場所の選定においても有利である。上記微生物
(B)のグラニュールを使用する場合、装置の立ち上げ
時間の短縮を目的として、別途調製したグラニュールを
用いてもよい。
【0014】上記脱窒装置は、脱窒作用を有する微生物
(B)の働きにより、硝酸及び/又は亜硝酸から窒素を
生成する機能を有する。上記脱窒装置の方式としては一
般に廃水処理に用いられる方式であれば特に限定され
ず、例えば、活性汚泥方式、上向流式汚泥床(Upfl
ow Sludge Blanket:USB)方式、
流動床方式等が挙げられる。設置面積の低減が必要であ
る場合には、上記微生物(B)のグラニュール化が可能
なUSB方式が好ましい。上記微生物(B)が従属栄養
性である等、脱窒作用に有機物を必要とする場合、有機
物としては上記微生物(B)が利用可能なものであれば
特に限定されないが、例えば、酢酸、クエン酸、エタノ
ール、メタノール、グルコース等が挙げられる。なかで
もメタノールは、工業的に安価であることから好まし
い。上記脱窒装置に有機物を添加する場合は有機物供給
装置も必要となる。
【0015】本発明の硝化脱窒装置においては、循環液
が上記硝化手段と上記脱窒手段との間を循環する。上記
硝化手段と上記脱窒手段との間で循環液を循環させるこ
とにより、1つの装置によりアンモニアガスを窒素ガス
にまで酸化することができ、再処理が不要である。更
に、循環液が外部環境に流出することがないので、装置
内部で用いる薬剤の選択の幅を広げることができる。ま
た循環液排出用の配管を必要としないことから、装置設
置場所の選択の幅が大きくなる。
【0016】上記循環液の循環速度は、窒素の生成速度
が硝酸及び/又は亜硝酸の生成速度以上になるように設
定されることが好ましい。硝化装置における硝酸及び/
又は亜硝酸の生成速度が脱窒装置での窒素の生成速度を
上回ると、系内に硝酸及び/又は亜硝酸等が蓄積して、
装置の運転が困難となる。
【0017】上記循環液としては、微生物の生育及び活
性に負の影響を与えないものであれば特に限定されない
が、pH緩衝液が好適に用いられる。循環液にpH緩衝
液を用いない場合は、循環液にpH調整剤を別途添加す
ることが必要となる。循環液にpH緩衝液を使用するこ
とにより、本発明の硝化脱窒装置の運転時のpH調整剤
の使用量の低減が可能となる。
【0018】上記pH緩衝液としては特に限定されず、
生化学分野等で公知の種々の緩衝液を用いることができ
るが、そのなかでも微生物に対する影響が少なく、容易
に入手できるものとしてリン酸緩衝液が挙げられる。上
記循環液のpHは、7以下であることが好ましい。常温
でpH7を超えると硝化脱窒装置内部でアンモニアの揮
発が認められるようになる。
【0019】上記pH緩衝液は、pH7における緩衝能
力が1.35g−NaOH/L以下であることが好まし
い。本明細書において、pH7における緩衝能力とは、
イオン交換水を用いて目的とする緩衝液を調製し、緩衝
液単独の状態でNaOH水溶液を加えた際に、pHが7
となるまでに必要なNaOHの量を意味する。pH7に
おける緩衝能力が1.35g−NaOH/Lを超える
と、pH緩衝液が微生物の活性に負の影響を及ぼす可能
性があり、コスト的にも高価となるので好ましくない。
また、pH7における緩衝能力が1.35g−NaOH
/L以下であれば、運転時にpH調整剤を使用する必要
がないので、設置費の低減及び低コストでの運転も可能
となる。
【0020】本発明の硝化脱窒装置の構成としては、上
記硝化装置及び上記脱窒装置を組み合わせたものであ
り、上記硝化装置の排出管が上記脱窒装置に接続され、
脱窒装置の排出管が硝化装置に接続され、循環液がポン
プ等で循環するもの等が挙げられる。本発明において、
上記微生物(A)及び/又は微生物(B)は、馴養培養
によって高濃度化して各処理槽に保持させてもよい。馴
養培養することにより、運転開始当初から高濃度のアン
モニア処理が可能となる。
【0021】本明細書に添付した図1は本発明の硝化脱
窒装置の1態様を示す図である。以下において図1を用
いて本発明についてより詳しい説明を行う。なお、本発
明は図1により何ら限定されるものではない。図1に示
す硝化脱窒装置は、担体固定型の硝化装置1及びUSB
型の脱窒装置4からなる。
【0022】硝化装置1は、独立栄養性の硝化細菌が担
体に固定化された硝化部2と、散水に必要な水を貯める
液だめ部3からなる。硝化部2は、被処理ガス中のアン
モニアの硝化、及び、散水液中に含まれるアンモニウム
イオンの硝化を行う。硝化部2に固定された硝化細菌に
対して散水することは、硝化細菌周囲の塩濃度を下げ、
水分を供給するために必須である。このため液だめ部3
に水が貯められる。担体に固定された硝化細菌により生
成した硝酸及び/又は亜硝酸は、散水により液だめ部3
に集められる。この際、散水に溶け込んだアンモニウム
イオンも液だめ部3に貯まる。
【0023】散水量は、硝化装置1の能力及び被処理ガ
スの条件等により変化するので、一概に決定することは
できない。しかし、多すぎるとアンモニアガスと硝化細
菌の接触が妨げられること及び運転費が嵩むことから好
ましくない。また、少なすぎても硝化装置1の能力を充
分に発揮することができないので好ましくない。散水方
法及び散水装置等としては、一般に生物脱臭装置で用い
られるものが使用できる。
【0024】脱窒装置4は、従属栄養性の脱窒細菌のい
る脱窒部5と有機物供給部6からなる。USB型の脱窒
装置4では特に必要でないが、脱窒装置が活性汚泥型で
ある場合は沈殿部も必要である。USB型の脱窒装置4
には装置下部から硝化装置1の液だめ部3の液を導入す
る。また有機物は、脱窒部5のみで利用されるように、
その直前で添加している。
【0025】有機物の添加量は、硝化装置1での硝酸や
亜硝酸の生成量、液の循環速度等により決まるので一概
に決定することはできない。しかし独立栄養性硝化細菌
と、従属栄養性脱窒細菌とを組み合わせた図1に示す硝
化脱窒装置では、下記式のような反応が装置内で起こる
と考えられるので、被処理ガス中に含まれるアンモニア
量からおおよそ必要な有機物量を計算することができ
る。 12NH3 +12O2 →6NH4 NO3 +6H2
(硝化装置での反応) 6NH4 NO3 +5CH3 OH→3N2 +6NH4 OH
+5CO2 +7H2 O(脱窒装置での反応)
【0026】有機物供給部6は、一般に用いられるもの
を使用できる。有機物の添加量は、硝化装置1又は脱窒
装置4の流入口、排出口等のpH、ORP、イオン濃度
等により制御してもよい。
【0027】これら2つの装置の間で循環液を循環させ
るが、循環装置は、一般に用いられるものを使用でき
る。流量及び頻度は特に制限されないが、硝化装置1の
硝化能力より脱窒装置2の脱窒能力が上回るような頻度
で循環させることが装置の安定的運転の点から好まし
い。循環液は、微生物の生育及び活性に影響をあたえな
いものであれば特に限定されない。
【0028】本発明の硝化脱窒装置は、硝化反応及び脱
窒反応を微生物により行うことにより、省エネルギーか
つ環境負荷の少ないアンモニアの硝化脱窒処理を可能と
する。また、上記硝化手段と上記脱窒手段との間で循環
液を循環させることにより、1つの装置によりアンモニ
アガスを窒素ガスにまで酸化することができ、再処理が
不要である。更に、循環液が外部環境に流出することが
ないので、装置内部で用いる薬剤の選択の幅を広げるこ
とができる。また、本発明の硝化脱窒装置は、活性汚泥
法等一般的な脱窒装置で必要とされる外部へ液を排出す
るための配管を必要としないことから、装置の設置場所
の自由度が高く、既存の排気設備に取り付けるのも容易
である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 本発明の1態様として、図2に示すような小型の硝化脱
窒装置を作製した。この装置は、担体固定化微生物を保
持するために1.5Lの硝化部2(担体に含浸される液
量は0.5L)と、0.6Lの脱窒部5とを有し、更
に、2Lの液だめ部3と有機物供給部6とを有する。
【0030】(1)硝化装置の作製 硝化細菌の固定化を以下の方法で行った。担体は、市販
の多孔質セラミックス(直径1〜2cm)を1.5L使
用した。まず硝化細菌の集積培養を行った。雑木林内の
土壌150gに水道水を加えて30分間振とうし、しば
らく静置して約2Lの上澄みを得た。これを、アクリル
製の円筒型容器に入れ、NH4 HCO3 を250mg−
N/L、KH2 PO4 を10mg/L、K2 HPO4
10mg/Lになるように加え、空気を2L/minの
流量で吹き込んだ。液のpHは、6.8になるように調
整した。液中のすべてのNH4 + が酸化されたときに
は、液1Lを別のアクリル円筒型容器に移し、同様にし
てNH4 HCO3 及びリン酸等を加え、水道水を1L加
えた。この操作を5回繰り返した。
【0031】集積した硝化細菌を遠心分離で集め、洗浄
して0.5Lの蒸留水に懸濁し、これに上記の担体を加
えて、担体にしみ込ませた。そしてこれを硝化部2に充
填した。硝化部2に散水を行うためにアクリル製の円筒
型容器の液だめ部3(液量2L)及び散水装置を設置し
た。これにより硝化装置1を作製した。
【0032】(2)脱窒装置の作製 脱窒装置4には、グラニュール化した脱窒細菌を用い
た。グラニュール化は、以下の方法で行った。まず、下
水処理場より2Lの脱窒汚泥を入手した。これを内径6
cmアクリル製円筒型容器に充填し、容器下部からNa
NO3 を300mg−N/L、CH4 OHを1000m
g/L、KH2 PO4 を10mg/L、K2HPO4
10mg/L含む水道水を連続的に流した。流量は、系
内の脱窒量を観察しながら、30mL/hrから200
mL/hrまで、徐々に増やした。これにより、脱窒細
菌を含むグラニュールを形成した。これを内径4cm、
容量0.6Lのアクリル製円筒型容器に充填し、下部か
ら液を流入することでUSB型脱窒部5を作製した。更
にメタノールを入れたメスフラスコ及びそれを脱窒部5
に添加するポンプを設置し、有機物供給部6とした。こ
れにより脱窒装置4を作製した。
【0033】(3)装置の連結 上記の2つの装置を連結する前に、両装置内の液を、水
道水にKH2 PO4 を1200mg/L、K2 HPO4
を400mg/L加えて調製した緩衝液に置換した。そ
して、両装置を塩化ビニルチューブで連結し、循環用ポ
ンプを設置して硝化脱窒装置を作製した。
【0034】アンモニアガスを612mg−N/day
の負荷で流通し、メタノールを3.9mL/dayで加
えた。硝化装置1と脱窒装置4との間の循環は、510
mL/hrの流量で行った。そして、液だめ部3及び脱
窒装置4の排出液をサンプリングして種々のパラメータ
ーの測定を行った。pH、TOCは、それぞれに対応す
る電極で、NO3 、NO2 濃度は、キャピラリー電気泳
動装置で、NH4 濃度は、Phenate法で測定し
た。
【0035】実施例2 上記の2つの装置を連結する前に、両装置内の液を通常
の水道水に置換した以外は実施例1と同様に行った。
【0036】実施例3 循環液として100mMリン酸緩衝液(pH7における
緩衝能力が1.35g−NaOH/L)を用いた以外は
実施例1と同様に行った。結果、実施例1と同じ結果で
あった。
【0037】比較例 実施例1における硝化装置のみを設置した。装置の運転
は実施例1と同様に行った。硝化装置単独で運転した場
合、その硝化能力は318mg−N/dayとなった。
従って、比較例では、実施例1と同じ量のアンモニアガ
スを処理しようとしても、実際に硝酸等にして処理でき
るのは、硝化脱窒装置の半量であった。
【0038】実施例1を60日間運転した結果を表1に
示した。実施例1〜3及び比較例の装置を60日間運転
した際の硝化能力の変化について、図3に示した。実施
例1〜3の装置を60日間運転した際の脱窒装置排出口
のpH変化を図4に示した。
【0039】また、実施例1〜3及び比較例の各装置の
硝化装置排気口で、検知管No.3La(ガステック社
製)を用いて検知管法によりアンモニアガスの有無を測
定した。その結果、実施例1〜3については、全実験期
間を通じてアンモニアガスは検出されなかった。しかし
ながら、比較例の装置では、第10日目以降にアンモニ
アガスが常時検出された。実施例1〜3の各装置の脱窒
装置排気口でも、同様に検知管法にてアンモニアガスの
有無を測定した。その結果、実施例2の装置では常時ア
ンモニアガスが検出されたが、その他の装置では全実験
期間を通じて全く検出されなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明は、硝化反応及び脱窒反応を微生
物により行うことにより、省エネルギーかつ環境負荷の
少ないアンモニアの硝化脱窒処理を可能とする。また、
上記硝化手段と上記脱窒手段との間で循環液を循環させ
ることにより、1つの装置によりアンモニアガスを窒素
ガスにまで酸化することができ、再処理が不要である。
更に、循環液が外部環境に流出することがないので、装
置内部で用いる薬剤の選択の幅を広げることができる。
また、本発明の硝化脱窒装置は、活性汚泥法等一般的な
脱窒装置で必要とされる外部へ液を排出するための配管
を必要としないことから、装置の設置場所の自由度が高
く、既存の排気設備に取り付けるのも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硝化脱窒装置の1態様を示す模式図で
ある。
【図2】実施例1における硝化脱窒装置を示す模式図で
ある。
【図3】実施例1〜3及び比較例の装置を60日間運転
した際の硝化能力の変化を示すグラフである。
【図4】実施例1〜3の装置を60日間運転した際の脱
窒装置排出口のpH変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 硝化装置 2 硝化部 3 液だめ部 4 脱窒装置 5 脱窒部 6 有機物供給部 7 恒温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 英之 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 玉木 聡史 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA13 AB02 AC04 AC07 AC10 BA05 BA06 BA17 CA07 CA09 CA13 DA59 EA02 GA02 GB01 GB02 GB09 4D040 DD03 DD14 DD31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝化手段と脱窒手段とを有し、前記硝化
    手段と前記脱窒手段との間を循環液が循環する硝化脱窒
    装置であって、前記硝化手段は、アンモニアから微生物
    (A)により硝酸及び/又は亜硝酸を生成する反応を行
    う硝化装置からなり、前記脱窒手段は、硝酸及び/又は
    亜硝酸から微生物(B)により窒素を生成する反応を行
    う脱窒装置からなることを特徴とする硝化脱窒装置。
  2. 【請求項2】 循環液の循環速度は、窒素の生成速度が
    硝酸及び/又は亜硝酸の生成速度以上になるように設定
    されうることを特徴とする請求項1記載の硝化脱窒装
    置。
  3. 【請求項3】 微生物(B)は、グラニュールを形成し
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の硝化脱窒
    装置。
  4. 【請求項4】 循環液は、pH緩衝液であることを特徴
    とする請求項1、2又は3記載の硝化脱窒装置。
  5. 【請求項5】 pH緩衝液は、pH7における緩衝能力
    が1.35g−NaOH/L以下であることを特徴とす
    る請求項4記載の硝化脱窒装置。
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