JP2001231228A - 電動機の回転子及びその製造方法 - Google Patents

電動機の回転子及びその製造方法

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JP2001231228A JP2000034996A JP2000034996A JP2001231228A JP 2001231228 A JP2001231228 A JP 2001231228A JP 2000034996 A JP2000034996 A JP 2000034996A JP 2000034996 A JP2000034996 A JP 2000034996A JP 2001231228 A JP2001231228 A JP 2001231228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の二次導体に発生する渦電流を低減する
ことにより電動機効率を向上させることのできる安価で
信頼性の高い回転子及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 二次導体形成用の複数の開口部2が設け
られた複数の回転子コア1を積層し、アルミダイキャス
トにより二次導体3を形成するに際し、二次導体形成用
開口部2の各々を回転子コア1の仕切部1aで分離され
た複数の穴2a,2bで構成し、二次導体3の各々を近
接する複数個のパーツ3a,3bで構成した。また、各
パーツ3a,3bを軸方向に転位させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動機の回転子に関
し、さらに詳しくは、回転子鉄心に形成される複数の二
次導体に発生する渦電流を低減するようにした電動機の
回転子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の誘導電動機の回転子鉄
心を示しており、特に回転子鉄心を構成する複数の回転
子コア1,…,1の一つを示している。
【0003】図12に示されるように、軸方向に積層さ
れる複数の回転子コア1,…,1の各々には、その円周上
に、「なすび型」をした複数の二次導体形成穴2,…,2
が所定の間隔で穿設されている。複数の回転子コア1,
…,1の積層後、二次導体形成穴2,…,2には液体状の
アルミニウムが充填され、充填されたアルミニウムを固
化することによりアルミ二次導体が形成される(アルミ
ダイキャスト)。
【0004】図12の例では、22本の棒状導体が二次
導体として回転子鉄心の内部に埋設され、その軸方向の
両端は、エンドリング(図示せず)により全て短絡され
る。回転子鉄心は、軸穴6に回転軸(図示せず)が圧入
された後、三相巻線が施された固定子鉄心(図示せず)
に遊挿される。
【0005】上記構成の誘導電動機において、固定子巻
線に三相交流を通電すると、回転磁界が形成され、これ
により二次導体に誘導電流が流れる。この電流と元の回
転磁界との相互作用により、回転子に回転トルクが発生
する。
【0006】図13は、回転軸を含む平面で二次導体
3,…,3の一つを切断した断面図であり、図示した磁束
φが導体内を貫通することにより、導体内部に循環電流
Iが発生する。この循環電流Iは、トルク発生に寄与し
ないが(同方向の磁束に対し、大きさが等しく、向きが
逆の電流が作用するので、トルクはキャンセルされてし
まう)、ジュール損は発生するので、電動機の効率低下
を惹起するという問題がある。
【0007】一方、特開昭57−28557号公報に
は、二次導体の形状を変えることにより高調波二次損失
を低減し、電動機の効率を向上させるようにした誘導電
動機の回転子が開示されている。
【0008】詳述すると、各回転子コアの二次導体形成
穴には複数の突起部が形成されており、複数の回転子コ
アの各々を僅かにずらしながら順次積層することによ
り、上記突起部をらせん状に配置している。この回転子
は、アルミダイキャストにより軸方向にらせん状の二次
導体が形成される。
【0009】この構成において、二次導体形成穴の上部
で誘起される高調波電流(二次電流)はらせん状に流
れ、電流の流れる範囲が二次導体形成穴の全周となり、
断面積が増大して等価抵抗が小さくなることにより、効
率の低下を抑制している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−28557号公報に開示の誘導電動機の回転子に
おいては、突起部が形成されない場合に比べて、高調波
電流の流れる径路が変化するだけの構成で、多少の損失
低減効果は認められるものの、まだまだ改善の余地があ
った。
【0011】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、複数の二次導体に発
生する渦電流を低減することにより電動機効率を向上さ
せることのできる安価で信頼性の高い回転子及びその製
造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の電動機の回転子
は、二次導体形成用の複数の開口部が設けられた複数の
回転子コアを積層し、アルミダイキャストにより二次導
体を形成するようにした電動機の回転子であって、上記
複数の開口部の各々を上記回転子コアの仕切部で分離さ
れた複数の穴で構成し、上記二次導体の各々を近接する
複数個のパーツで構成するとともに、各パーツを軸方向
に転位させたことを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、上記複数
個のパーツの軸方向断面積を略一定に設定したことを特
徴とする。
【0014】さらに、請求項3に記載の発明は、上記各
パーツの転位角を180°の整数倍に設定したことを特
徴とする。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、上記二次
導体の内側に複数の永久磁石を埋設したことを特徴とす
る。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、上記二次
導体の各々を軸穴に対し傾斜させたことを特徴とする。
【0017】また、請求項6に記載の発明は、隣接する
上記開口部の離間距離をτ1、上記仕切部の幅をτ2、
上記開口部の軸穴中心からの距離をR、上記開口部の数
をNr、上記複数の回転子コアの各々の厚みをtとし
て、 τ1≧2πR/(4Nr) t/2≦τ2≦2t に設定したことを特徴とする。
【0018】さらに、請求項7に記載の電動機回転子の
製造方法は、複数の回転子コアの各々に仕切部で分離さ
れた複数の穴を有する二次導体形成用開口部を円周方向
に所定の間隔で複数個形成し、隣接する回転子コアの仕
切部の傾斜角が異なるように上記複数の回転子コアを順
次積層し、上記二次導体形成用開口部に液体状のアルミ
ニウムを充填し固化することにより軸方向に転位した複
数のパーツで構成される複数の二次導体を形成するよう
にしたことを特徴とする。
【0019】また、請求項8に記載の発明は、上記複数
の回転子コアとして、傾斜角が円周方向に徐々に変化す
る仕切部を有する同一形状の回転子コアを複数枚用意
し、隣接する回転子コアを二次導体形成用開口部の少な
くとも1ピッチずつずらして順次積層するようにしたこ
とを特徴とする。
【0020】また、請求項9に記載の発明は、隣接する
回転子コアを少なくとも1ピッチずつずらした後、さら
に所定距離ずらすことにより二次導体の各々を軸穴に対
し傾斜させたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1にかかる
誘導電動機の回転子鉄心を示しており、特に回転子鉄心
を構成する複数の回転子コア1,…,1の一つを示してい
る。図1に示されるように、軸方向に積層される複数の
回転子コア1,…,1の各々には、その円周上に、複数の
二次導体形成用円形開口部2,…,2が所定の間隔で穿設
されており、各二次導体形成用開口部2は、コア1の仕
切部1aにより分割された近接する二つの半円状の穴2
a,2bからなる。
【0022】ここで、各回転子コア1に形成された二次
導体形成用開口部2,…,2において、軸穴6に圧入され
る回転軸(図示せず)の中心と仕切部1aの中心とを結
ぶ線に対し、仕切部1aの中心線がなす角度θが、円周
方向の位置に応じて徐々に変化するよう設定されてい
る。
【0023】アルミダイキャストにより二次導体を形成
するに際し、上記形状の回転子コア1を複数枚用意し、
隣接する回転子コア1を円周方向に二次導体形成用開口
部2,…,2の1ピッチあるいは数ピッチずつ順次ずら
して積層する。次に、二次導体形成用開口部2,…,2に
液体状のアルミニウムを充填し固化すると、図2に示さ
れるような互いに分離された二つのパーツ3a,3bか
らなるアルミ二次導体3が所定間隔で複数個形成され
る。
【0024】図1の回転子コア1を使用した場合、22
本の棒状導体3,…,3が二次導体として回転子鉄心の内
部に埋設され、その軸方向の両端は、エンドリング(図
示せず)により全て短絡される。回転子鉄心は、軸穴6
に回転軸(図示せず)が圧入された後、三相巻線が施さ
れた固定子鉄心(図示せず)に遊挿される。
【0025】図3は、アルミ二次導体3,…,3の一つを
軸に垂直に所定間隔で切断した断面図であり、仕切部1
aの角度が徐々に変化しているのが認められる。
【0026】また、図4は、アルミ二次導体3,…,3の
一つを軸を含む平面で切断した断面図である。
【0027】図4に示されるように、磁束φが二次導体
3の各パーツ3a,3b内を貫通することにより、各パ
ーツ3a,3b内部に循環電流I1,I2がそれぞれ流れ
るが、その各々はスリットを超えて流れることがないの
で、局部的な流路となる。したがって、渦電流が大幅に
減少し、電動機の効率が向上する。
【0028】本発明は、上記構成において、各二次導体
3を二つのパーツ3a,3bに分離した点に特徴があ
る。すなわち、各二次導体形成用の開口部2として、近
接した位置に二つの半円状の穴2a,2bが独立して設
けられており、この二つの穴2a,2bを仕切るため
に、各回転子コア1に仕切部1aが形成されている。二
つの穴2a,2bの距離が大きいと、単に二次導体の数
を増加しただけになるので、仕切部1aの幅を狭くし、
ほぼ同じ磁束密度レベルの位置に各二次導体3の2つの
パーツ3a,3bを配置している。
【0029】発明者らがこれまでに行った検討の結果、
隣接する開口部2,…,2の離間距離をτ1、仕切部1
aの幅をτ2、開口部2,…,2の軸穴6中心からの距
離をR、開口部2,…,2の数をNrとすると(図5参
照)、以下のような結果が得られた。
【0030】(1)開口部2,…,2は、アルミダイキ
ャストにより二次導体として機能する単位のものであれ
ばよく、 τ1≧2πR/(4Nr) が好ましい。 (2)仕切部1aを通過する磁束数を低減するために、 τ2≦2t (t:各回転子コア1の厚み) が好ましい。 (3)仕切部1aの幅は、アルミダイキャスト時の強度
を確保するために、 τ2≧t/2 とすべきであり、さらに好ましくは、 τ2≧t とすべきである。
【0031】次に、仕切部1aの回転角度について考察
する。仕切部1aの回転角度の軸方向積分値(軸方向の
最下部から最上部までのひねり度合あるいは転移の度
合)をθTOTALとすると、θTOTALを180度の倍数とす
ることにより渦電流を低減することができ、倍数を大き
くすると、それだけ局部的に流れる量も減少する。ま
た、軸方向に積層された回転子コア1,…,1の1枚分
進んだときの仕切部1aの回転角度のずれをδθとする
と、 δθ=(k×180/Nr)° k:任意の整数、 とすれば、一つの金型で作製した複数の回転子コアを順
次回転させながら積層することで実現することができ
る。この場合、金型が一つで済むので、設備的に非常に
有利であるが、各二次導体形成用開口部2を個別に加工
すれば、何らの制約を受けることなく任意のピッチで転
位させる(ひねりを入れる)ことができる。
【0032】なお、図1に示される回転子コア1では、
隣り合う仕切部1aの回転角度のズレを、 δθ=(1×180/22)°=8.18° に設定している(転位(ツイスト)角:180°)。
【0033】また、図6に示される回転子コア1では、
k=2に設定しており、隣り合う二次導体の仕切部1a
の回転角度のずれを、 δθ=(2×180/22)°=16.36° に設定したものである(転位角:360°)。
【0034】実施の形態2.図7は、回転子をスキュー
した場合の本発明の実施の形態2にかかる誘導電動機の
二次導体3Aを示している。
【0035】スキューとは、回転軸と二次導体の中心線
とが平行ではなく、ある角度で傾斜するようにしたもの
で、具体的には、回転子鉄心を構成する各コアを円周方
向に順次ずらしながら積層することにより実現される。
この種の電動機は、運転時のトルクの脈動を抑制できる
等の効果はあるが、逆に漏れ電流増加による効率低下と
いう欠点もあり、専ら小型機に採用されている。
【0036】アルミダイキャストにより二次導体を形成
するに際し、図1に示される回転子コア1を複数枚用意
し、隣接する回転子コア1を円周方向に1ピッチあるい
は数ピッチずつ順次ずらすとともに、各回転子コア1を
円周方向にさらに所定距離ずらしながら積層する。次
に、二次導体形成用開口部に液体状のアルミニウムを充
填し固化すると、図7に示されるようなアルミ二次導体
3Aが所定間隔で複数個形成される。
【0037】図8は、図7に示される二次導体3Aにお
いて、隣接する2層分のみを示したものであり、二つの
独立した二次導体が互いにショート(接触)することが
ないよう(矢印の部分)、スキュー角と隙間部の寸法を
適宜設定している。
【0038】なお、上記実施の形態1及び2において
は、各二次導体3,3Aを2分割したが、本発明は2分
割に限定されるものではなく、2分割以上の複数分割に
することもできる。ただし、複数に分割された各パーツ
の抵抗を略一定にするために、軸方向の各断面における
断面積を略一定にしている。
【0039】図9は、各回転子コア1に十字形の仕切部
1bを形成し、各二次導体3Bを4分割したものであ
る。このように分割数を増加するほど、渦電流低減によ
り効果があるが、仕切部1bの体積も増加することから
導体断面積が減少する点に注意を払う必要がある。
【0040】さらに、上記実施の形態においては、各二
次導体3,3A,3Bの断面形状を円形としたが、円形
以外の形状を採用することもできる。
【0041】図10は、各二次導体3Cの断面形状を円
形ではなく楕円形にしたものである。この例では、軸に
垂直な平面で切断した二次導体3Cの断面積を等しく設
定するために、仕切部1cの長さが短くなるほど、仕切
部1cの幅を広くしている。このように、各二次導体3
Cを細長くすることで、鉄心の磁路部分の幅を広くする
ことができ、電動機の特性が向上する。
【0042】当然のことながら、図12に示される「な
すび型」断面形状を採用することもできる。
【0043】さらに、上記実施の形態では、全運転領域
において誘導機として機能する電動機の例について示し
たが、本発明は誘導電動機に限定されるものではなく同
期電動機にも採用可能である。
【0044】図11は、誘導始動の永久磁石同期電動機
に積層される複数の回転子コア1,…,1の一つを示し
ており、その円周上には、円形の複数の二次導体形成用
開口部2,…,2が所定の間隔で穿設されている。各二次
導体形成用開口部2は、コア1の仕切部1aにより分割
された近接する二つの半円状の穴2a,2bからなる。
二次導体形成用開口部2,…,2の内側で、軸穴6の周
囲には、四つの離間した永久磁石挿入穴7,…,7が穿
設されており、各永久磁石挿入穴7には一つの永久磁石
4が挿入されている。
【0045】なお、アルミダイキャストにより二次導体
を形成する過程あるいは二次導体の形状については、上
記実施の形態1あるいは2と同じなので、その説明は省
略する。
【0046】また、上記実施の形態においては、複数の
回転子コア1,…,1を積層するに際し、隣接する回転
子コア1を円周方向に少なくとも1ピッチずつ順次ずら
すようにしたが、複数枚毎にずらしてもよい。すなわ
ち、同じ回転子コア1を数枚(例えば3枚)積層し、次
に少なくとも1ピッチ分ずらしたものを同様に数枚積層
する。以後、所定数の回転子コアを同様に積層した後、
アルミダイキャストにより二次導体が形成される。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明のうちで請求項1に記載の発明によれば、複数の二
次導体形成用開口部の各々を回転子コアの仕切部で分離
された複数の穴で構成し、二次導体の各々を近接する複
数個のパーツで構成するとともに、各パーツを軸方向に
転位させるようにしたので、各パーツを磁束が通過して
も循環電流は局部的にしか流れることがない。したがっ
て、複数の二次導体に発生する渦電流が低減し、電動機
効率を向上させることができる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、複
数のパーツの軸方向断面積を略一定に設定したので、各
パーツの抵抗が略一定となり、渦電流をより効果的に低
減することができる。
【0049】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
各パーツの転位角を180°の整数倍に設定したので、
各パーツに生じる渦電流を効率よくキャンセルすること
ができる。
【0050】また、請求項4に記載の発明によれば、二
次導体の内側に複数の永久磁石を埋設するようにしたの
で、本発明は誘導電動機のみならず、誘導始動の同期電
動機にも採用することができる。
【0051】また、請求項5に記載の発明によれば、二
次導体の各々を軸穴に対し傾斜させるようにしたので、
電動機運転時のトルクの脈動を抑制することができ、信
頼性を向上させることができる。
【0052】また、請求項6に記載の発明によれば、隣
接する開口部の離間距離をτ1、仕切部の幅をτ2、開
口部の軸穴中心からの距離をR、開口部の数をNr、複
数の回転子コアの各々の厚みをtとして、 τ1≧2πR/(4Nr) t/2≦τ2≦2t に設定したので、二次導体を不必要に増加することなく
所定数の二次導体を形成することができるとともに、仕
切部を通過する磁束数を低減し、アルミダイキャスト時
の強度も確保することができる。
【0053】さらに、請求項7に記載の発明によれば、
各回転子コアに仕切部で分離された複数の穴を有する開
口部を複数個形成し、隣接する回転子コアの仕切部の傾
斜角が異なるように回転子コアを順次積層し、開口部に
液体状のアルミニウムを充填し固化することにより軸方
向に転位した複数のパーツで構成される二次導体を形成
するようにしたので、各パーツを磁束が通過しても循環
電流は局部的にしか流れることがなく、二次導体に発生
する渦電流が低減し、電動機効率を向上させることがで
きる。
【0054】また、請求項8に記載の発明によれば、傾
斜角が円周方向に徐々に変化する仕切部を有する同一形
状の回転子コアを複数枚用意し、隣接する回転子コアを
二次導体形成用開口部の少なくとも1ピッチずつずらし
て順次積層するようにしたので、金型が一つで済み、回
転子を安価に製作することができる。
【0055】また、請求項9に記載の発明によれば、隣
接する回転子コアを少なくとも1ピッチずつずらした
後、さらに所定距離ずらすことにより二次導体の各々を
軸穴に対し傾斜させるようにしたので、電動機運転時の
トルクの脈動を抑制することができ、信頼性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる電動機の回転
子コアの平面図である。
【図2】 図1の回転子コアに形成される二次導体の斜
視図である。
【図3】 図2の二次導体を軸に垂直に所定間隔で切断
した断面図であり、(a)〜(l)は仕切部の傾斜角が
徐々に変化している様子をそれぞれ示している。
【図4】 図2の二次導体を軸を含む平面で切断した部
分断面図である。
【図5】 図1の回転子コアに穿設された複数の開口部
のサイズ、離間距離等を説明するための部分拡大平面図
である。
【図6】 図1の回転子コアの変形例の平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2にかかる誘導電動機の
回転子に形成される二次導体の斜視図である。
【図8】 図7の二次導体において、隣接する2層分の
みを示す斜視図である。
【図9】 二次導体の変形例の軸に垂直な断面図であ
る。
【図10】 二次導体の別の変形例の軸に垂直な断面図
であり、(a)及び(b)は軸方向に離間した部位をそ
れぞれ示している。
【図11】 図1の回転子コアの別の変形例の平面図で
ある。
【図12】 従来の電動機の回転子コアの平面図であ
る。
【図13】 図12の回転子コアに形成される二次導体
を軸を含む平面で切断した部分断面図である。
【符号の説明】
1 回転子コア、 1a 仕切部、 2 二次導体形成
用開口部、2a,2b 二次導体形成穴、 3,3A,
3B,3C 二次導体、3a,3b 二次導体の各パー
ツ、 4 永久磁石、 6 軸穴、7 永久磁石挿入穴

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次導体形成用の複数の開口部が設けら
    れた複数の回転子コアを積層し、アルミダイキャストに
    より二次導体を形成するようにした電動機の回転子であ
    って、 上記複数の開口部の各々を上記回転子コアの仕切部で分
    離された複数の穴で構成し、上記二次導体の各々を近接
    する複数個のパーツで構成するとともに、各パーツを軸
    方向に転位させたことを特徴とする電動機の回転子。
  2. 【請求項2】 上記複数個のパーツの軸方向断面積を略
    一定に設定した請求項1に記載の電動機の回転子。
  3. 【請求項3】 上記各パーツの転位角を180°の整数
    倍に設定した請求項1あるいは2に記載の電動機の回転
    子。
  4. 【請求項4】 上記二次導体の内側に複数の永久磁石を
    埋設した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動機
    の回転子。
  5. 【請求項5】 上記二次導体の各々を軸穴に対し傾斜さ
    せた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動機の回
    転子。
  6. 【請求項6】 隣接する上記開口部の離間距離をτ1、
    上記仕切部の幅をτ2、上記開口部の軸穴中心からの距
    離をR、上記開口部の数をNr、上記複数の回転子コア
    の各々の厚みをtとして、 τ1≧2πR/(4Nr) t/2≦τ2≦2t に設定した請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電動
    機の回転子。
  7. 【請求項7】 複数の回転子コアの各々に仕切部で分離
    された複数の穴を有する二次導体形成用開口部を円周方
    向に所定の間隔で複数個形成し、隣接する回転子コアの
    仕切部の傾斜角が異なるように上記複数の回転子コアを
    順次積層し、上記二次導体形成用開口部に液体状のアル
    ミニウムを充填し固化することにより軸方向に転位した
    複数のパーツで構成される複数の二次導体を形成するよ
    うにした電動機回転子の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記複数の回転子コアとして、傾斜角が
    円周方向に徐々に変化する仕切部を有する同一形状の回
    転子コアを複数枚用意し、隣接する回転子コアを二次導
    体形成用開口部の少なくとも1ピッチずつずらして順次
    積層するようにした請求項7に記載の電動機回転子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 隣接する回転子コアを少なくとも1ピッ
    チずつずらした後、さらに所定距離ずらすことにより二
    次導体の各々を軸穴に対し傾斜させた請求項8に記載の
    電動機回転子の製造方法。
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JP2009278784A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp かご型回転子およびその製造方法並びに製造装置

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