JP2001231210A - 電動機の端子台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の機能を有する端子台を得ると共に、軸
寸法が短い電動機の端子台を提供する。 【解決手段】 固定子鉄心１０４に挿入されると共に巻
き回された巻線１０６の端部上に固定され、巻線の温度
を検知して回路を遮断する電流遮断素子と、巻線の口出
し線を接続すると共に外部線と接続させる端子部とを覆
うように収容するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、電動機の巻線処
理端子台の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、換気扇等のファン駆動用に使用
される従来の電動機の巻線処理端子台（以下、端子台と
する）を特開平９−３２２４５８号公報に記載された図
８及び図９によって説明する。図８及び図９において、
固定子鉄心１に挿入された内側巻線２及び外側巻線３の
内周側に装着される端子台４は、端子を配置する複数の
端子挿入孔１０を有する環状の円盤部５と、温度過昇防
止素子を取り付ける略台形の素子取付部６と、口出し線
を固定する結束部７と、を有し、固定子鉄心１に当接す
る複数個の固定脚８、９は絶縁樹脂で一体に成型されて
おり、装置取付部６は円盤部５からの立ち上がり部１１
ａを有し、円盤部５の外周方向に鍔状に延設し、結束部
７も同様に円盤部５からの立ち上がり部１１ｂを有し、
円盤部５の外周方向に鍔状に延設しており、さらに固定
脚８、９は円盤部５の下方に延設されている。

【０００３】上記構成において、図８及び図９に示すよ
うに端子台４を内側巻線２の内周側に押し下げるように
装着すると、端子台４の固定脚８、９が固定子鉄心１に
当接して位置を保持し、装置取付部６の立ち上がり部１
１ａがコイルエンドと当接し、結束部７の立ち上がり部
１１ｂがコイルエンドと当接し、端子台４は各立ち上が
り部１１ａ、１１ｂによって、コイルエンドを逃げ内側
巻線２及び外側巻線３の上面に位置することになる。こ
れより、一つの部品により多くの機能を持たせることで
共用化を図ると共に、組立作業が容易な端子台４を提供
できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように構成された電動機の端子台４は、素子取付部６及
び結束部７が絶縁されていないので、電動機のハウジン
グの内面と温度過昇防止素子等の絶縁距離を充分に確保
しなければならならない。よって、電動機の軸方向の寸
法が絶縁距離の確保のために長くなるという問題点があ
った。

【０００５】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、複数の機能を有する端子台を得
ると共に、軸寸法が短い電動機の端子台を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係わる電動機
の端子台は、固定子鉄心に挿入されると共に巻き回され
た巻線の端部上に固定され、上記巻線の温度を検知して
回路を遮断する電流遮断素子と、上記巻線の口出し線を
接続すると共に外部線と接続させる端子部とを覆うよう
に収容するものである。

【０００７】また、固定子鉄心に挿入されると共に巻き
回された巻線の端部上に固定され、上記巻線の口出し線
と接続されると共に外部線と接続する導電性の第１の端
子、上記巻線の温度を検知して回路を遮断する電流遮断
素子及びこの電流遮断素子のリード線を固定する第２の
端子を収容する部品固定部と、この部品固定部を塞ぐカ
バー部とを備えたものである。

【０００８】また、固定子鉄心に挿入されると共に巻き
回された巻線の端部上に固定された巻線固定台と、この
巻線固定台上に固定されて上記巻線の口出し線と接続さ
れると共に外部線と接続する導電性の第１の端子、上記
巻線の温度を検知して回路を遮断する電流遮断素子及び
この電流遮断素子のリード線を固定する第２の端子を収
容する部品固定部と、この部品固定部を塞ぐカバー部と
を備えたものである。

【０００９】また、部品固定部には複数の突起が設けら
れ、カバー部には上記複数の突起と係合させる複数の孔
が設けられているものである。

【００１０】また、カバー部は、部品固定部の周囲と係
合すると共に、上記部品固定部を覆うものである。

【００１１】また、カバー部は、非可撓性部材からなる
ものである。

【００１２】また、カバー部は、複数に分割されたもの
である。

【００１３】また、巻線固定台は、固定子鉄心の内径部
のティースに係合される突起片を有するものである。

【００１４】また、本体ハウジングに、断面コの字上の
部位が形成され、この部位に遊捜されたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。 実施の形態１．図１は、この発明の実施の形態１による
電動機を示す縦方向断面図、図２は図１の電動機におけ
る鉄心、巻線及び端子台の縦断面図、図３は図１の電動
機における端子台の分解斜視図、図４は図１の電動機に
おける端子台の巻き線固定台の正面図（ａ）、側面図
（ｂ）、図５は図１の電動機における端子台の部品固定
台の正面図（ａ）、側面図（ｂ）である。

【００１６】図１乃至図５において、電動機１００は中
央に軸１０２ｈを有する回転子１０２と、この回転子１
０２を貫通せしめる孔１０４ｅを中央部に有すると共
に、薄い電磁鋼板を多数積層された固定子鉄心１０４
と、この固定子鉄心１０４のスロット１０４ｓに挿入さ
れると共に、多数の電線が巻き回された巻線１０６と、
この巻線１０６の端部上に載せて固定されると共に、軸
１０２ｈを貫通させる孔２００ｒを有する環状の端子台
２００と、この端子台２００、回転子１０２及び固定子
鉄心１０４等を収納せしめる略円筒状の二つのハウジン
グ１１０、１１２とから形成されている。

【００１７】端子台２００は、巻線１０６の上端部に載
せて固定されると共に、中央に軸１０２ｈを貫通させる
孔２０２ｒを有する環状で円盤形の巻線固定台２０２
と、この巻線固定台２０２上に固定されると共に、中央
に軸１０２ｈを貫通させる孔２０６ｒを有する環状で円
盤形の部品固定台２０６と、この部品固定台２０６の凹
部２０６ｕを覆うと共に、中央に軸１０２ｈを貫通させ
る孔２５０ｒを有する環状で円盤形の端子カバー２５０
とから成っている。

【００１８】巻線固定台２０２は、巻線１０６の温度が
所定値以上で動作して回路を遮断せしめると共に、所定
の温度に低下したことで復帰（閉成）する電流遮断素子
２２０の胴部を固定する二つの固定部２０２ｎと、部品
固定台２０６の裏から僅かに突出した端子２０６ｔ（後
述）を収納せしめる六つの窪み状の端子収納部２０２ｔ
と、固定子鉄心１０４のスロット１０４ｓ間のティース
（図示せず）に係合される切欠き２０２ｅを有すると共
に、９０゜間隔で垂直下方向に設けられた四つの突起片
２０２ｈとを有している。

【００１９】部品固定台２０６は、巻線１０６の口出し
線１０６Ｌ（図１参照）を外部線（図示せず）と電気的
に接続される導電性の端子２１０を係合固定させる第１
の端子２０６ｔと、電流遮断素子２２０の胴部を巻線固
定台２０２の固定部２０２ｎに固定させるための長ケ孔
２０６ｎと、電流遮断素子２２０の口出し線を固定する
第２の端子２１２と、第１及び第２の端子２０６ｔ、２
１２及び電流遮断素子２２０を収納せしめる凹部２０６
ｕと、外部線を配線させる溝状の配線部２０６ｄと、外
部線の引き出し部２０６ｚと、垂直方向に設けられた複
数の突起２０６ｈとを有している。

【００２０】端子カバー２５０は、電気的に絶縁性のあ
る非可撓性のポリエステルフィルムからなり、端子カバ
ー２５０には、部品固定台２０６の突起２０６ｈと係合
させる穿設された複数の孔２５０ｅが設けられている。
ここで、端子カバー２５０を非可撓性としたのは、撓む
と端子カバー２５０の孔２５０ｅが部品固定台２０６の
突起２０６ｈに挿入しにくいからである。

【００２１】図１に示すようにハウジング１１０、１１
２の両端には、凹部１１０ａ、１１２ａが形成されてお
り、該凹部１１０ａ、１１２ａにそれぞれ軸受け１１
６、１１８の外輪が嵌合固定されており、該軸受け１１
６、１１８の内輪が回転子１０２の軸１０２ｈに嵌合固
定されており、ハウジング１１０の内壁には、端子台２
００を遊挿させるコ部１１０ｕが形成されている。

【００２２】上記のように構成された端子台２００を有
する電動機の製造方法を図１乃至図５によって説明す
る。薄い鉄心を多数積層して固定鉄心１０４を形成し、
固定鉄心１０４のスロット１０４ｓに電線を多数巻き回
して巻線１０６を形成し、ハウジング１１０、１１２に
軸受１１６、１１８の外輪を固定し、軸受の１１６、１
１８の内輪に回転子１０２の回転軸１０２ｈを嵌合固定
し、巻線１０６上に巻線固定台２０２を載せて糸で巻回
して固定すると共に、突起片２０２ｈの切欠き２０２ｅ
を固定鉄心１０４のスロット１０４ｓ間ののティースに
係合固定する。

【００２３】外部線を、部品固定台２０６の引出し部２
０６ｚから配線部２０６ｄを通して第１の端子２０６ｔ
に電気的に接続し、電流遮断素子２２０のリード線を第
２の端子２１２に電気的に接続することにより電流遮断
素子２２０の胴部を長ケ孔２０６ｎの上に位置させる。
部品固定台２０６の第１の端子２０６ｔを巻線固定部２
０２の端子収納部２０２ｔに係合固定し、電流遮断素子
２２０の胴部を巻線固定台２０２の固定部２０２ｎに載
せて接着剤により固定する。

【００２４】端子カバー２５０の孔２５０ｅを部品固定
台２０６の突起２０６ｈに係合して、突起２０６ｈを溶
着し、端子台２００をハウジング１１０のコ部１１０ｕ
に遊挿し、ハウジング１１０、１１２を被せて端子台２
００を有する電動機１００が完成する。

【００２５】なお、図６に示すように端子カバー２６０
は、巻線固定台２０２の周囲を覆うように外側鍔部２６
０ａ、内側鍔部２６０ｃを有すようにしてハウジング１
１０のコ部１１０ｕと係合させても良い。さらに、該鍔
部２６０ａ，２６０ｃを部品固定台２０６の外周面及び
内周面と係合させても良い。該何れかの係合により、部
品固定台２０６の突起２０６ｈ及び端子カバー２５０の
孔２５０ｅが不要になる。

【００２６】また、図７に示すように端子カバー２７０
を可撓性として、複数に分割して孔２７１ｅを有すると
共に、半環状の右カバー２７１、孔２７３ｅを有する左
カバー２７３としても良い。このように形成されること
により端子カバー２７０が可撓性でも、部品固定台２０
６の突起２０６ｈへの取付が容易になる。また、第１及
び第２の端子２０６ｔ，２１２、電流遮断素子２２０の
リード線をエポキシ樹脂と硬化材から成るパテにより充
填して、カバーとしても良い。

【００２７】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、固定
子鉄心に挿入されると共に巻き回された巻線の端部上に
固定され、巻線の温度を検知して回路を遮断する電流遮
断素子と、巻線の口出し線を接続すると共に外部線と接
続させる端子部とを覆うように収容することにより、端
子台が複数の機能を有すると共に、電動機の軸方向の寸
法を抑制できるという効果がある。

【００２８】また、固定子鉄心に挿入されると共に巻き
回された巻線の端部上に固定され、巻線の口出し線と接
続されると共に外部線と接続する導電性の第１の端子、
巻線の温度を検知して回路を遮断する電流遮断素子及び
この電流遮断素子のリード線を固定する第２の端子を収
容する部品固定部と、この部品固定部を塞ぐカバー部と
を備えたことにより、端子台が複数の機能を有すると共
に、電動機の軸方向の寸法を抑制できるという効果があ
る。

【００２９】また、固定子鉄心に挿入されると共に巻き
回された巻線の端部上に固定された巻線固定台と、この
巻線固定台上に固定されて巻線の口出し線と接続される
と共に外部線と接続する導電性の第１の端子、巻線の温
度を検知して回路を遮断する電流遮断素子及びこの電流
遮断素子のリード線を固定する第２の端子を収容する部
品固定部と、この部品固定部を塞ぐカバー部とを備えた
ことにより、端子台が複数の機能を有すると共に、電動
機の軸方向の寸法を抑制できるとともに、巻線への端子
台の固定が容易であるという効果がある。

【００３０】また、部品固定部には複数の突起が設けら
れ、カバー部には複数の突起と係合させる複数の孔が設
けられていることにより、端子カバーを端子台に容易に
係合固定できるから、電動機の外壁との絶縁が容易に確
保できるという効果がある。

【００３１】また、カバー部は、部品固定部の周囲と係
合すると共に、部品固定部を覆うものであることによ
り、端子台とカバー部との係合が簡易な構成により達成
できるという効果がある。

【００３２】また、カバー部は、非可撓性部材からなる
ことにより、カバー部を容易に端子台に装着できるとい
う効果がある。

【００３３】また、カバー部は、複数に分割されたこと
により、可撓性なカバー部でも容易に端子台に装着でき
るという効果がある。

【００３４】また、巻線固定台は、固定子鉄心の内径部
のティースに係合される突起片を有することにより、端
子台の固定が容易であるという効果がある。

【００３５】また、本体ハウジングに、断面コの字上の
部位が形成され、この部位に遊捜されたことにより、端
子台がハウジングのコ部により支持され移動しなくなる
という効果がある。

【００３６】

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１による電動機を示す
縦方向断面図である。

【図２】 図１の電動機における鉄心、巻線及び端子台
の縦断面図である。

【図３】 図１の電動機における端子台の分解斜視図で
ある。

【図４】 図１の電動機における端子台の巻き線固定台
の正面図（ａ）、側面図（ｂ）である。

【図５】 図１の電動機における端子台の部品固定台の
正面図（ａ）、側面図（ｂ）である。

【図６】 この発明の実施の形態１による電動機におけ
る端子台の端子カバーの他の例を示す斜視図である。

【図７】 この発明の実施の形態１による電動機におけ
る端子台の端子カバーのさらに他の例を示す正面図であ
る。

【図８】 従来の電動機の端子台の斜視図である。

【図９】 従来の電動機の端子台の装着状態を示す断面
図である。

【符号の説明】

１０２ 回転子、１０２ｈ 軸、１０４ 固定子鉄心、
１０４ｅ 固定子鉄心の孔、１０６ 巻線、１０６Ｌ
口出し線、１１０、１１２ ハウジング、１１０ｕ コ
部、２００ 端子台、２００ｒ 端子台の孔、２０２
巻線固定台、２０６ 部品固定台、２０６ｈ 突起、２
０６ｔ 第１の端子、２０６ｕ 凹部、２１２ 第２の
端子、２２０ 電流遮断素子、２５０，２６０，２７０
端子カバー、２５０ｅ，２７１ｅ，２７３ｅ 孔、２
６０ａ 外側鍔部、２６０ｃ 内側鍔部。

フロントページの続き (72)発明者 糸魚川 修 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 加納 貢三 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内 Ｆターム(参考） 5H604 AA08 BB01 BB14 CC01 CC05 CC11 DB01 PB04 PE06 QA08 QB03 QB14 5H605 AA08 AA13 BB05 CC01 CC02 CC06 DD03 EA05 EC07 EC08 FF06 GG04 GG05 GG18 5H611 AA01 AA03 BB01 PP02 QQ04 TT01 UA01 UB01 UB02

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定子鉄心に挿入されると共に巻き回さ
   れた巻線の端部上に固定され、上記巻線の温度を検知し
   て回路を遮断する電流遮断素子と、上記巻線の口出し線
   を接続すると共に外部線と接続させる端子部とを覆うよ
   うに収容することを特徴とする電動機の端子台。
2. 【請求項２】 固定子鉄心に挿入されると共に巻き回さ
   れた巻線の端部上に固定され、上記巻線の口出し線と接
   続されると共に外部線と接続する導電性の第１の端子、
   上記巻線の温度を検知して回路を遮断する電流遮断素子
   及びこの電流遮断素子のリード線を固定する第２の端子
   を収容する部品固定部と、この部品固定部を塞ぐカバー
   部とを備えたことを特徴とする電動機の端子台。
3. 【請求項３】 固定子鉄心に挿入されると共に巻き回さ
   れた巻線の端部上に固定された巻線固定台と、この巻線
   固定台上に固定されて上記巻線の口出し線と接続される
   と共に外部線と接続する導電性の第１の端子、上記巻線
   の温度を検知して回路を遮断する電流遮断素子及びこの
   電流遮断素子のリード線を固定する第２の端子を収容す
   る部品固定部と、この部品固定部を塞ぐカバー部とを備
   えたことを特徴とする電動機の端子台。
4. 【請求項４】 部品固定部には複数の突起が設けられ、
   カバー部には上記複数の突起と係合させる複数の孔が設
   けられていることを特徴とする請求項２または請求項３
   記載の電動機の端子台。
5. 【請求項５】 カバー部は、部品固定部の周囲と係合す
   ると共に、上記部品固定部を覆うことを特徴とする請求
   項２乃至請求項４のいずれかに記載の電動機の端子台。
6. 【請求項６】 カバー部は、非可撓性部材からなること
   を特徴とする請求項２乃至５のいずれかに記載の電動機
   の端子台。
7. 【請求項７】 カバー部は、複数に分割されたことを特
   徴とする請求項２乃至６のいずれかに記載の電動機の端
   子台。
8. 【請求項８】 巻線固定台は、固定子鉄心の内径部のテ
   ィースに係合される突起片を有することを特徴とする請
   求項２乃至７のいずれかに記載の電動機の端子台。
9. 【請求項９】 本体ハウジングに、断面コの字上の部位
   が形成され、この部位に遊捜されたことを特徴とする請
   求項１乃至８のいずれかに記載の電動機の端子台。