JP2001230542A - リフローはんだ付け装置 - Google Patents

リフローはんだ付け装置

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JP2001230542A JP2000037376A JP2000037376A JP2001230542A JP 2001230542 A JP2001230542 A JP 2001230542A JP 2000037376 A JP2000037376 A JP 2000037376A JP 2000037376 A JP2000037376 A JP 2000037376A JP 2001230542 A JP2001230542 A JP 2001230542A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛フリーはんだを使用してプリント配線板に
リフローはんだ付けを行う場合においては、プリント配
線板に耐熱温度の低いリード型電子部品が搭載されてい
る場合、耐熱温度以下に維持するよう特段の配慮が必要
であった。 【解決手段】 プリント配線板8の下方側にクリームは
んだ13を塗布して炉体1内を搬送し、赤外線ランプヒ
ータ9で加熱してリフローはんだ付けを行う。上方側に
無反射吸熱板11を設けてこの赤外線の熱を吸収すると
ともに外気を導入してプリント配線板8の上方に吹きつ
けて冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状の被はんだ付
けワーク、例えば電子部品を搭載したプリント配線板の
リフローはんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板に電子部品を搭載しては
んだ付けを行う技術として、リフローはんだ付け技術が
ある。すなわち、電子部品が搭載されるプリント配線板
の被はんだ付け部に予めはんだペースト等のはんだを供
給しておいて、その後、電子部品を搭載し、続いてその
プリント配線板をリフローはんだ付け装置の加熱室で加
熱して被はんだ付け部のはんだを溶融させ、はんだ付け
を行う技術である。
【0003】リフローはんだ付け装置では、プリント配
線板が高温の雰囲気に曝露されるため、耐熱温度の低い
電子部品をはんだ付けする場合においては、当該電子部
品の温度が耐熱温度以上に上昇しないようにする必要が
ある。例えば、リフローはんだ付けに対応したチップ型
電子部品とリフローはんだ付けに対応していないリード
型電子部品(例えば、電解コンデンサ)とが混載されて
いる場合である。
【0004】特許第2502826号公報や特許第25
02827号公報には、耐熱温度の低い電子部品の温度
がこの耐熱温度以上に上昇しないようにしてリフローは
んだ付けを行う技術が説明されている。これらの技術
は、チップ型電子部品の被はんだ付け部のみならず、リ
ード型電子部品の被はんだ付け部にもはんだペーストを
予め供給しておいて、リフローはんだ付け装置でこれら
の被はんだ付け部のリフローはんだ付けを一括して行う
技術である。
【0005】これらの技術は、従来においてはフローは
んだ付けされていたプリント配線板すなわちチップ型電
子部品とリード型電子部品とが混載されたプリント配線
板を、フローはんだ付けを行う場合と同様の姿勢で、す
なわちリード型電子部品を挿入したままでプリント配線
板の上方に位置させてリフローはんだ付けを行うことが
できる優れた技術である。
【0006】そのため、リード型電子部品が搭載されて
いるプリント配線板の上方側の面はその耐熱温度以下の
雰囲気温度に維持し、チップ型電子部品が搭載され、か
つリード型電子部品のリード線が挿通されて突出してい
る側の被はんだ付け部が存在するプリント配線板の下方
側の面を予備加熱した後に、リフローはんだ付けするよ
うに構成している。もちろん、プリント配線板の下方側
の雰囲気温度は上方側の雰囲気温度よりも高温である。
【0007】そして、プリント配線板の上方側を電子部
品(リード型電子部品)の耐熱温度以下の雰囲気温度に
維持するために、炉体の上方に外気導入口と外気導入フ
ァンとを設けて外気を送り込むことにより下方からの高
温雰囲気の上昇を押さえ込むように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、廃棄された電子
機器のプリント配線板から酸性雨等に促進されてはんだ
中の鉛が溶出し、鉛毒汚染が広まっていることが問題と
なっている。そのため、鉛を使用しないはんだすなわち
鉛フリーはんだの開発とそのはんだ付け技術の開発が行
われている。
【0009】鉛を含む従来のはんだと同等のはんだ付け
性が得られる鉛フリーはんだは、一般的にその融点が高
い。例えば、鉛フリーはんだの筆頭に上げられるSn−
Ag−Cu系の鉛フリーはんだは、その融点が概ね21
0〜220℃程度と、従来から使用されいるSn−Pb
共晶はんだの融点(約183℃)と比較すると大幅に高
温である。
【0010】そのため、このような鉛フリーはんだを使
用してリフローはんだ付けを行う場合に、十分なはんだ
濡れ性を確保するためには、リフロー温度を従来よりも
高くする必要がある。例えば、鉛を含む従来のはんだを
使用してリフローはんだ付けする場合のリフロー温度は
約240℃程度であったが、少なくともこれを約250
℃〜260℃程度に上昇させる必要がある。また、鉛フ
リーはんだの種類によっては約280℃程度に上昇させ
る必要がある。
【0011】このような事情を考慮して、プリント配線
板に搭載される電子部品(例えば、チップ型電子部品や
リード型電子部品)の耐熱温度の向上を図ることも電子
部品を製造する各当業者の課題となっている。
【0012】しかし、全ての電子部品の耐熱温度の向上
が図られるのは困難であり、特にチップ型電子部品に比
較してリード型電子部品においてその耐熱温度の向上が
図られている電子部品はごく一部でしかない。その理由
は、リード型電子部品は通常はSn−Pb共晶はんだを
使用してフローはんだ付けを行うことを前提にしている
からである。したがって、前述のような鉛フリーはんだ
を使用してはんだ付けを行う場合には、そのはんだ付け
実装に際して当該電子部品の温度がその耐熱温度よりも
上昇しないように配慮する必要がある。
【0013】特に、チップ型電子部品とリード型電子部
品とを混載したプリント配線板を、特許第250282
6号公報や特許第2502827号公報の技術を使用し
てリフローはんだ付けする場合においては、チップ型電
子部品に比較してその耐熱温度が著しく低いリード型電
子部品を混載しているため、このリード型電子部品の温
度が耐熱温度以下に維持されるように特段の注意を要す
る。
【0014】すなわち、被はんだ付け部が存在するプリ
ント配線板の下方側の雰囲気温度が今まで以上に高温に
なるため、プリント配線板の上方側の雰囲気温度やこの
上方側に搭載されているリード型電子部品の温度がその
耐熱温度以上に上昇し易くなるからである。
【0015】本発明の目的は、耐熱温度の低いリード型
電子部品等をプリント配線板の上方側の面に搭載して、
このプリント配線板の下方側の面にあるその被はんだ付
け部をリフローはんだ付けする場合において、その被は
んだ付け部に予め供給してあるはんだがはんだ付け温度
の高い鉛フリーはんだであっても、当該耐熱温度の低い
リード型電子部品の温度がその耐熱温度以上に上昇しな
いようにしたリフローはんだ付け装置を実現することに
よって、鉛による環境汚染を生じることがなくまた信頼
性の高い電子装置を製造できるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のリフローはんだ
付け装置は、プリント配線板の下方側の面およびその被
はんだ付け部のみを選択的に加熱し、雰囲気温度の上昇
を抑制しつつプリント配線板の上方側の面に赤外線等の
熱線が照射されることがないように構成したところに特
徴がある。
【0017】(1)板状の被はんだ付けワークの被はん
だ付け部に予めはんだを供給しておいて、前記板状の被
はんだ付けワークの被はんだ付け部を下方側に向けて搬
送手段により炉体内を搬送するとともに前記搬送手段の
下方側に設けた加熱手段により加熱し、前記被はんだ付
け部に予め供給されている前記はんだを溶融させてはん
だ付けを行うリフローはんだ付け装置において、次のよ
うに構成する。
【0018】すなわち、前記加熱手段として赤外線ヒー
タを用いる。そして、搬送手段の上方側には、赤外線を
吸収しかつ冷却手段により冷却された無反射吸熱手段を
設けるように構成する。
【0019】これにより、板状の被はんだ付けワークの
下方側の面に位置された被はんだ付け部は、搬送手段の
下方側に設けられた赤外線ヒータから赤外線の照射を受
けて加熱され、リフローはんだ付けが行われる。
【0020】また、板状の被はんだ付けワークに照射さ
れなかった赤外線は、搬送手段の上方側に設けられた無
反射吸熱手段に吸収される。また、無反射吸熱手段は冷
却されているため、この無反射吸熱手段が赤外線を吸収
しても温度上昇することはなく、この無反射吸熱手段か
らの照り返しとなる赤外線を放射することがない。
【0021】すなわち、板状の被はんだ付けワークの上
方側の面には赤外線が照射されることがなくなり、この
上方側の面に搭載された電子部品等を加熱することがな
い。したがって、板状の被はんだ付けワークの上方側の
面に耐熱温度の低い電子部品(例えばリード型電子部
品)を搭載しても、融点の高い鉛フリーはんだを使用し
てリフローはんだ付けを行うことができるようになる。
また、鉛フリーはんだを使用しない場合においては、板
状の被はんだ付けワークの上方側の面に搭載された電子
部品を、従来よりも一層低い温度に維持してリフローは
んだ付けを行うことができるようになる。
【0022】参考までに、従来は、赤外線ヒータから照
射される赤外線がリフローはんだ付け装置の加熱室を構
成する上方側の炉体で、反射されるとともにこの炉体自
体も加熱させて温度上昇し、この炉体自体からも赤外線
を放射するようになるいわゆる赤外線の照り返しを生
じ、板状の被はんだ付けワークの上方側の面も加熱され
ていた。
【0023】本発明においては、そのようなことは生じ
ないから、板状の被はんだ付けワークの上方側の面およ
びこの上方側に搭載された電子部品の温度を低い温度に
維持することができる。
【0024】(2)前記(1)のリフローはんだ付け装
置において、前記搬送手段の下方側に設ける前記加熱手
段として赤外線ランプヒータを設けるように構成する。
【0025】赤外線ランプヒータは,近赤外線を豊富に
放射するとともに鏡面仕上げされた反射板等を使用し
て、ビーム状の放射指向性を容易に与えることができ
る。したがって、この赤外線ランプヒータの周囲の雰囲
気を殆んど加熱することなく、赤外線が照射された板状
の被はんだ付けワークやその被はんだ付け部を効率良く
加熱することができるようになる。すなわち、リフロー
はんだ付けが行われる板状の被はんだ付けワークの周囲
の雰囲気温度の上昇を大幅に抑制することができるよう
になる。
【0026】その結果、板状の被はんだ付けワークの上
方側の面およびこの上方側の面に搭載された電子部品の
温度を一層低い温度に維持することができるようにな
る。
【0027】(3)前記(1)または(2)のリフロー
はんだ付け装置において、前記炉体の上部に外気取り入
れ口を設ける。そして、前記炉体の下部に排気口を設
け、この排気口には、前記外気取り入れ口から炉体外の
雰囲気を取り入れてこの排気口から排気するための排気
ファンを設けるように構成する。
【0028】赤外線ヒータや赤外線ランプヒータを使用
して熱線である赤外線によって加熱を行うように構成し
ても、相対的に僅かではあるがこれら赤外線ヒータから
周囲の雰囲気への熱伝導が存在するため、この雰囲気温
度の上昇を完全に抑制することはできない。
【0029】しかし、炉体上部の外気取り入れ口から炉
体内に外気を取り入れ、続いて炉体下部の排気口から排
気するように雰囲気の流れを形成することにより、ヒー
タから熱伝導により加熱された雰囲気を積極的に排気し
て、炉体内の雰囲気温度を低く維持し、電子部品の耐熱
温度以下に維持することができるようになる。
【0030】しかも、外気は炉体内を上方側から下方側
へ向けて流れるため、板状の被はんだ付けワークには温
度の低い外気のみが接触し、ヒータからの熱伝導により
温度上昇した雰囲気が接触することがない。特に、板状
の被はんだ付けワークの上方側の面には外気が吹き当た
るので、この上方側の面に耐熱温度の低い電子部品を搭
載して下方側の面に存在する被はんだ付け部のリフロー
はんだ付けを行っても、この上方側の電子部品の温度上
昇を(耐熱温度以内の)極僅かな温度上昇に止めること
ができるようになる。
【0031】その結果、板状の被はんだ付けワークの上
方側の面およびこの上方側に搭載された電子部品の温度
をさらに一層低い温度に維持することができるようにな
る。
【0032】なお、前記加熱手段として熱風加熱などを
併用せずに赤外線ヒータのみを使用すれば、上記効果を
一層上げることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明のリフローはんだ付け装置
は、次のような実施形態例において実施することができ
る。なお、板状の被はんだ付けワークは、多数の電子部
品を搭載したプリント配線板である。
【0034】〔第1実施形態〕図1を参照して、本発明
にかかるリフローはんだ付け装置の実施形態例−1を説
明する。
【0035】図1は、本発明のリフローはんだ付け装置
の実施形態例−1を示す縦断面図である。
【0036】すなわち、加熱室を構成する炉体1には、
その内部を昇温部加熱室2、均温部加熱室3、リフロー
部加熱室4の3室に分けて、各加熱室2,3,4を通し
て搬入口5から搬出口6ヘ一連の搬送コンベア7を設け
てある。
【0037】この搬送コンベア7は、図3に示すように
平行二条の搬送チェーン7a,7bからなり、板状の被
はんだ付けワークであるプリント配線板8の両側端部8
aをこの搬送チェーン7a,7bのピン27上に支持し
て搬送する構成である。
【0038】当然に、その他の搬送コンベアとして、キ
ャリア式搬送コンベアやネットコンベアも使用すること
ができる。また、搬送方法は通常は連続定速搬送である
が、所望の加熱プロファイルを得るために、周知技術で
ある間欠搬送技術や可変速搬送技術を使用することもで
きる。
【0039】そして、各加熱室2,3,4内の搬送コン
ベア7の下方側には、加熱手段として赤外線ランプヒー
タ9と反射板10を搬送コンベア7の搬送方向Aに沿っ
て複数並べて設けてある。すなわち、赤外線ランプヒー
タ9から放射される赤外線を、反射板10により図1の
上方側である搬送コンベア7側へのみ放射するように構
成してある。なお、この赤外線ランプヒータ9は赤外線
の中でも主に近赤外線を多量に放射する特性を有してい
る。
【0040】また、各加熱室2,3,4の搬送コンベア
7の上方側には、黒色で多数の透孔11aを設けた金属
板から成る無反射吸熱板11を、各透孔11aの位置が
重ならないように2枚重ねて設けてある。この無反射吸
熱板11には、地下水等の冷却用水を通水した冷却パイ
プ12を設けてあり、これにより無反射吸熱板11が吸
収した熱を炉体1外へ排出する構成である。したがっ
て、無反射吸熱板は殆んど温度上昇することがない。な
お、地下水等の冷却手段に代えてチラー等の熱交換機を
使用することもできる。
【0041】図1に示すリフローはんだ付け装置では、
炉体1の上部が完全に封止されている。これは、図示は
省略するが、各加熱室2,3,4を構成する炉体1内の
雰囲気を低酸素濃度に維持する等の目的によりこの各加
熱室2,3,4内に窒素ガス等を導入することをも考慮
しているからである。しかし、大気雰囲気中でのリフロ
ーはんだ付けのみを前提とするのであれば、この炉体1
の上部を開放端として、この開放端に防護用の網板を設
ける構成としてもよい。これにより、搬送コンベア7の
上方側の雰囲気温度を一層低下させることができるよう
になる。
【0042】次に、このように構成された実施形態例−
1のリフローはんだ付け装置において,板状の被はんだ
付けワークであるプリント配線板8のリフローはんだ付
けがどのように行われるかを説明する。
【0043】リフローはんだ付けの対象となるプリント
配線板8は、図1に示すようにこのプリント配線板8の
下方側の面の被はんだ付け部にクリームはんだ13等の
はんだが予め供給されたプリント配線板8であり、この
被はんだ付け部にはチップ型電子部品14aやこのプリ
ント配線板8の上方側の面から挿通されたリード型電子
部品14bなどの電子部品14が搭載されている。リフ
ローはんだ付けに対応したチップ型電子部品14aの耐
熱温度は高いが、リフローはんだ付けに対応していない
リード型電子部品14bの耐熱温度は低い。
【0044】このようなプリント配線板8が、リフロー
はんだ付け装置の搬入口5から搬送コンベア7により搬
入されると、赤外線が破線で示す矢印Bのように赤外線
ランプヒータ9から放射され、さらに反射板10により
反射されて、このプリント配線板8の下方側の面すなわ
ち被はんだ付け部が存在する面に照射され、プリント配
線板8の下方側の面とその被はんだ付け部に予め供給さ
れたクリームはんだ13等のはんだが加熱される。
【0045】そして、プリント配線板8は、昇温部加熱
室2では例えば約150℃程度に加熱・昇温され、均温
部加熱室3では同様に約150℃〜160℃程度にその
温度を維持し、リフロー部加熱室4では約250℃に加
熱されて被はんだ付け部に予め供給されたクリームはん
だ13が溶融されてリフローはんだ付けが行われて、リ
フローはんだ付け装置の搬出口6から搬出されると、ク
リームはんだ13は冷却してはんだが固化する。
【0046】また、図示はしないが、リフロー部加熱室
4に続けて冷却室を設けることも行われている。
【0047】他方、プリント配線板8の上方側の面には
赤外線は照射されないので、加熱されることはなく、こ
の上方側の面から挿通されたリード型電子部品14bも
加熱されることはない。但し、プリント配線板8の下方
側の面から上方側の面への熱伝導およびリード型電子部
品14bのリード線からこのリード型電子部品14bの
内部への熱伝導による温度上昇が存在し、プリント配線
板8の上方側の面にもこの熱伝導による温度上昇が存在
する。
【0048】しかし、この熱伝導による熱量供給は赤外
線からの熱量供給に比べて遥に小さい。したがって、こ
の熱伝導による温度上昇は被はんだ付け部の加熱速度に
比較して大幅に小さく、プリント配線板8がリフロー部
加熱室4から搬出された時点でも、リード型電子部品1
4bの耐熱温度である例えば120℃を越えることはな
い。
【0049】また、先にプリント配線板8の上方側の面
には赤外線は照射されないと説明したが、この理由は、
搬送コンベア7の上方側すなわちプリント配線板8の上
方側に無反射吸熱板11を設けてあるからである。
【0050】この黒色で冷却された無反射吸熱板11
は、すべての波長帯の赤外線を吸収して反射することが
なく、冷却されているのでこの無反射吸熱板11自体か
ら赤外線を放射することもない。そして、無反射吸熱板
11が赤外線を吸収したことによって得た熱量は、冷却
パイプ12によって各加熱室2,3,4の外部に排出さ
れる。無反射吸熱板11は熱伝導率の大きい金属板で構
成されているので、各加熱室2,3,4の外部に容易に
排出される。
【0051】仮に、この無反射吸熱板11を設けない
と、赤外線ランプヒータ9から放射され、さらに反射板
10により反射された赤外線が、搬送コンベア7の上方
側すなわちプリント配線板8の上方側の各加熱室2,
3,4の炉体1の壁を加熱し昇温させて各加熱室2,
3,4からの赤外線放射を生じるとともに、各加熱室
2,3,4自体が赤外線を反射し、プリント配線板8の
上方側の面やリード型電子部品14bに赤外線を照射し
て加熱してしまう。すなわち、無反射吸熱板11を設け
ないと、各加熱室2,3,4の炉壁から赤外線の照り返
しを生じ、プリント配線板8の上方側の面やリード型電
子部品14bに赤外線を照射して加熱してしまう。
【0052】したがって、この冷却された黒色の金属板
から成る無反射吸熱板11は、赤外線の反射率が小さい
程良く、最大でも概ね20%を越えないことが望まし
い。また、その表面温度も概ね50℃を越えないように
冷却することが望ましい。この表面温度がプリント配線
板8の温度を越えると、その温度差の約4乗に比例して
無反射吸熱板11からプリント配線板8の上方側の面へ
向けて赤外線による放射熱を生じてしまうからである。
【0053】完璧には、搬送コンベア7の上方側である
各加熱室2,3,4の側壁側にも無反射吸熱板11を設
けることが望ましいが、赤外線ランプヒータ9からの赤
外線放射が、この赤外線ランプヒータ9の表面からその
直角方向に生じることから、図1に例示するように加熱
炉の上壁側だけに設けても、前述のような十分な作用を
得ることができる。
【0054】〔第2実施形態〕図2および図3を参照し
て、本発明にかかるリフロ−はんだ付け装置の実施形態
例−2を説明する。
【0055】図2は、本発明のリフローはんだ付け装置
の実施形態例−2を示す縦断面図である。また、図3は
本実施形態例−2に使用される加熱室の横断面図であ
る。
【0056】本実施形態例−2が、図1に示す実施形態
例−1と相違する点は、各加熱室23,4の炉体1の上
部を開放端として、この開放端に防護用の網板16を設
ける構成としている点、および炉体1の底部に排気口1
7を設け、排気ファン18により炉体1内の雰囲気を排
気するように構成している点である。なお、リフロー部
加熱室4の排気口17には冷却水19を通水した冷却パ
イプ20に冷却フィン21を設けた排気雰囲気冷却手段
を設けてあり、その下部にフラックスパン22を設けて
ある。
【0057】このように構成することにより、点線で示
す矢印Cのように、網板16を設けた炉体1の上部の開
放端から外気が炉体1内に流入し、無反射吸熱板11の
透孔11aを通り、プリント配線板8の上方側の面に接
触して流れ、さらに赤外線ランプヒータ9と反射板10
の間を通って排気口17から炉体1外へ排気される。
【0058】すなわち、この過程で炉体1内の雰囲気が
常に排気されるようになり、温度上昇した雰囲気が炉体
1内に滞留しないようになる。また、この過程でプリン
ト配線板8の上面側の冷却も行われる。したがって、実
施形態例−1のリフローはんだ付け装置に比較して、プ
リント配線板8の上方側の面の温度およびリード型電子
部品14bの温度を一層低い温度に維持することができ
るようになる。
【0059】なお、図3に例示するように、炉体1の上
部には開放端に網板16を設けた開閉蓋24をヒンジ2
5を介して炉体1に設けてあり、さらに、開閉蓋24に
は、冷却水19を通す冷却パイプ12を備えた無反射吸
熱板11が支柱26により設けられている。すなわち、
これにより、同図3に例示するように、炉体1の上部の
開閉を行うことができるように構成してある。
【0060】したがって、溶融温度(融点)が高く、は
んだ付け温度の高い鉛フリーはんだを使用してリフロー
はんだ付けを行う場合においても、プリント配線板8の
上方側の面およびこの面に搭載されたリード型電子部品
14bの温度を、その耐熱温度以下に維持することがで
きるようになる。その結果、環境負荷が少なく、生産コ
ストも低く、はんだ付け信頼性の高いプリント配線板8
ひいては高信頼性の電子機器を製造することができるよ
うになる。
【0061】なお、リフロー部加熱室4の排気口17に
設けた排気雰囲気冷却手段は、リフロー部加熱室4にお
いてクリームはんだ13等の予め供給してあるクリーム
はんだ13が溶融した際に発生する気化したフラックス
ヒュームを、冷却することにより霧滴化して捕集・除去
するとともに、滴下したフラックスをフラックスパン2
2に集めるように構成したものである。これにより、フ
ラックスヒュームがリフロー加熱室4ひいてはリフロー
はんだ付け装置の外部に排気されて大気汚染を生じるこ
ともない。 (3)無反射吸熱手段の構成 図4を参照して、実施形態例−1および実施形態例−2
に使用する無反射吸熱手段(無反射吸熱板)の構成を説
明する。
【0062】図4は、無反射吸熱板の具体的構成例の全
容を示す斜視図である。
【0063】図4に示すように、この無反射吸熱板11
には、多数の透孔11aを列条に設けてあり、各列の透
孔11aの位置がジグザグに位置するように設けてあ
る。これにより、図1、図2、および図3に示したよう
に、2段に設けた無反射吸熱板11の取り付け位置を、
透孔11aのピッチの1/2だけ異なるように支柱26
により設けることにより、赤外線ランプヒータ9から放
射される赤外線が炉体1の開放端から漏洩しないように
考慮してある。
【0064】この無反射吸熱板11の材質はアルミニウ
ムであり、陽極酸化法(その他に、エッチング法、プラ
ズマ法等がある。)によりその表面に多孔性の酸化物層
を形成し、その後、一般的には炭素からなる黒色の無機
顔料をその多孔内および表面に吸着させ染色して成るも
のである。このようにして製造された部材は、電子機器
等において高電力素子の放熱用に使用される放熱器にも
使用されている。
【0065】このようにして、表面が黒色で、熱伝導率
が大きく良好な熱伝導率の無反射吸熱板11を得ること
ができる。また、光線や赤外線等の反射率も10%以下
で、照射された赤外線をほぼ完全に吸収して熱エネルギ
ーに変換することが可能となり、この熱エネルギーを冷
却パイプ12を流れる冷却水19により炉体1の外へ排
出することができる。なお、冷却パイプ12は無反射吸
熱板11に密着して設けてある。
【0066】無反射吸熱板11の赤外線反射率は小さい
程望ましい。例えば、赤外線ランプヒータ9の放射電力
が10kwで、無反射吸熱板11の反射率が10%であ
ると仮定すると、無反射吸熱板11からプリント配線板
8の上方側の面へ反射して照射される電力は1kwにも
なる。
【0067】赤外線加熱の場合、被加熱ワークヘの入熱
量が、赤外線ランプヒータ9の温度と被加熱ワークの温
度との温度差の概ね4乗に比例することが知られてい
る。また、同一の熱容量の被はんだ付け部においては、
概ねその入熱量に比例してこの被はんだ付け部の温度が
上昇する。
【0068】したがって、無反射吸熱板11の温度を十
分に低い温度すなわちリフローはんだ付けの各工程にお
いて、プリント配線板8の上方側の面の温度またはこの
面側に搭載されたリード型電子部品14bの温度よりも
低い温度に維持することを前提とすると、この無反射吸
熱板11からの放射によりプリント配線板8は加熱され
ることはない。
【0069】そのため、無反射吸熱板11において許容
できる赤外線反射率は、被はんだ付け部からリード線を
介してプリント配線板11の上方側に位置するリード型
電子部品14b本体に伝導する熱量により規定される。
すなわち、この伝導する熱量が少ない程この熱伝導によ
るリード型電子部品14b本体の温度上昇が少なくなる
からである。
【0070】リフロー部加熱室4における加熱時間が2
0sec以下である場合には、一例として、赤外線反射
率は、概ね15%以下の値であれば良いことがわかって
いる。この値は、電子部品14の中では最も耐熱温度の
低い電子部品としてランキングされている電解コンデン
サを使用して実測により求めた値である。したがって、
他の電子部品14についても概ねこの値に準拠すること
で、当該電子部品14の耐熱温度以下に保持できる基準
とすることができる。 (4)その他の実施形態例 先の実施形態例−1および実施形態例−2のリフローは
んだ付け装置においては、各加熱室2,3,4を構成す
る炉体1の内部にこの炉体1とは別に無反射吸熱板11
を設けるように構成した。しかし、搬送コンベア7を挟
んでその下方側の炉体1と上方側の炉体1とを別の構成
部分として構成し、この搬送コンベア7の上方側の炉体
1を、無反射吸熱板11により構成するようにしてもよ
い。もちろん、その無反射吸熱板11により構成された
炉体1の部分にも冷却パイプ12を設けておく必要があ
る。
【0071】また、実施形態例−1または実施形態例−
2のリフローはんだ付け装置の構成を、上下逆に構成し
てもよい。その場合は、リード型電子部品14bのリー
ド線がクリンチ(曲げ)されているか、このリード型電
子部品14bが接着剤等により仮固定されていて、この
リード型電子部品14bが落下しないようにしておけば
よい。
【0072】また、昇温部加熱室2やリフロー部加熱室
4においては熱風加熱を使用して、均温部加熱室3では
赤外線加熱を使用している場合においては、この均温部
加熱室3のみに本発明の無反射吸熱板11の技術を適用
してもよいことはもちろんである。
【0073】さらに、実施形態例−1において、搬送コ
ンベア7の下方側に設ける加熱手段として赤外線加熱と
熱風加熱とを併用した加熱手段を用いる場合において
も、搬送コンベア7の上方側の各加熱室2,3,4の炉
体1の壁からの赤外線の照り返しを防止する手段とし
て、本発明の無反射吸熱板11の技術を適用してもよ
い。
【0074】これらにより、本来加熱する必要のないプ
リント配線板8の面およびこの面に搭載された電子部品
14の加熱を最小限に抑制することができるようにな
る。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明のリフローはんだ
付け装置によれば、加熱手段として赤外線ヒータを使用
してプリント配線板の下方側の面およびこの下方側の面
の被はんだ付け部を加熱し、また、無反射吸熱手段によ
りプリント配線板の上方側の面を覆うように構成してい
るので、加熱室の炉体の壁からの赤外線の照り返しや熱
風の漏洩によりプリント配線板の上方側の面およびこの
面に搭載されている耐熱温度の低い電子部品例えば電解
コンデンサ等が加熱されることがない。
【0076】したがって、プリント配線板の上方側の面
およびこの上方側の面に搭載されている耐熱温度の低い
電子部品を耐熱温度以下の一層低い温度に維持したま
ま、プリント配線板の下方側の面の被はんだ付け部をリ
フローはんだ付けすることができるようになる。
【0077】その結果、耐熱温度の低い電子部品がプリ
ント配線板の上方側の面に搭載され、耐熱温度の高い電
子部品がプリント配線板の下方側の面搭載されていて、
この下方側の面にリフローはんだ付けを行う被はんだ付
け部が存在するプリント配線板をはんだ付けする場合
に、従来よりも一層信頼性に優れたプリント配線板を製
造することができるようになる。
【0078】また、はんだ付け温度の高い鉛フリーはん
だを使用して同様のリフローはんだ付けを行う場合にお
いても、プリント配線板の上方側の面に搭載された耐熱
温度の低い電子部品をその耐熱温度以下に確実に保持し
てリフローはんだ付けを行うことが可能となり、耐熱温
度の低い電子部品に熱ダメージを与えることなく従来と
同様の高信頼性のプリント配線板を製造することができ
るようになる。
【0079】特に、請求項2に記載した発明のように、
赤外線加熱手段に近赤外線を多量に放射する赤外線ラン
プヒータを使用することにより、加熱室内の雰囲気を近
赤外線により直接的に加熱することが少なく、プリント
配線板の下方側の面およびその被はんだ付け部を加熱す
ることができる。したがって、前記請求項1に記載した
発明の効果に加えて、加熱室内の雰囲気温度が一層上昇
し難くなり、プリント配線板の上方側の面に搭載された
耐熱温度の低い電子部品の温度上昇を一層抑制すること
ができるようになる。
【0080】また、請求項3に記載した発明では、炉体
内の上方側から下方側へ外気が流れて、この炉体内の雰
囲気が常に排気されるので、炉体内の雰囲気温度の上昇
がなく、さらに外気がプリント配線板の上方側の面に吹
き当たるので、プリント配線板の上方側の面に搭載され
た耐熱温度の低い電子部品がその雰囲気から加熱される
ことがなくなる。その結果、この電子部品の温度上昇を
リード線からの熱伝導によるものだけの低い温度に維持
することができるようになり、極めて信頼性の高いプリ
ント配線板を製造することができるようになる。
【0081】このように、耐熱温度の低いリード型電子
部品等の温度上昇を極めて小さくすることができるの
で、リフロー温度の高い鉛フリーはんだを使用した場合
においても、耐熱温度の低い電子部品に有害な熱ストレ
スを与えることなくはんだ付けを行うことが可能とな
り、信頼性の高いプリント配線板を製造することができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリフローはんだ付け装置の実施形態例
−1を示す縦断面図である。
【図2】本発明のリフローはんだ付け装置の実施形態例
−2を示す縦断面図である。
【図3】本実施形態例−2に使用される加熱室の横断面
図である。
【図4】無反射吸熱板の具体的構成例の全容を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 炉体 2 昇温部加熱室 3 均温部加熱室 4 リフロー部加熱室 5 搬入口 6 搬出口 7 搬送コンベア 7a 搬送チェーン 7b 搬送チェーン 8 プリント配線板 8a 側端部 9 赤外線ランプヒータ 10 反射板 11 無反射吸熱板 11a 透孔 12 冷却パイプ 13 クリームはんだ 14 電子部品 14a チップ型電子部品 14b リード型電子部品 16 網板 17 排気口 18 排気ファン 19 冷却水 20 冷却パイプ 21 冷却ファン 22 フラックスパン 24 開閉蓋 25 ヒンジ 26 支柱 27 ピン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 31/02 310 B23K 31/02 310J F24F 7/06 F24F 7/06 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の被はんだ付けワークの被はんだ付
    け部に予めはんだを供給しておいて、前記板状の被はん
    だ付けワークの被はんだ付け部を下方側に向けて搬送手
    段により炉体内を搬送するとともに前記搬送手段の下方
    側に設けた加熱手段により加熱し、前記被はんだ付け部
    に予め供給されている前記はんだを溶融させてはんだ付
    けを行うリフローはんだ付け装置において、 前記加熱手段として赤外線ヒータを用いるとともに、前
    記搬送手段の上方側に赤外線を吸収しかつ冷却手段によ
    り冷却された無反射吸熱手段を設けたことを特徴とする
    リフローはんだ付け装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段として赤外線ランプヒータ
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のリフローはん
    だ付け装置。
  3. 【請求項3】 前記炉体の上部に外気取り入れ口を設
    け、前記炉体の下部に排気口を設けるとともに前記外気
    取り入れ口から炉体外の雰囲気を取り入れて前記排気口
    から排気するための排気ファンを設けたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載のリフローはんだ付け装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2013132673A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Nihon Superior Co Ltd 近赤外線を利用した接合に用いる接合材及び接合方法

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