JP2001227885A - 細径トンネルプレートヒートパイプ - Google Patents

細径トンネルプレートヒートパイプ

Info

Publication number
JP2001227885A
JP2001227885A JP2000404352A JP2000404352A JP2001227885A JP 2001227885 A JP2001227885 A JP 2001227885A JP 2000404352 A JP2000404352 A JP 2000404352A JP 2000404352 A JP2000404352 A JP 2000404352A JP 2001227885 A JP2001227885 A JP 2001227885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat pipe
flat tube
perforated
tube
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000404352A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisateru Akachi
久輝 赤地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Actronics Co Ltd
Original Assignee
Actronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Actronics Co Ltd filed Critical Actronics Co Ltd
Priority to JP2000404352A priority Critical patent/JP2001227885A/ja
Publication of JP2001227885A publication Critical patent/JP2001227885A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽金属の押出成型の一工程で得られる極めて
安価な、多孔扁平管を有効利用して、蛇行細管ヒートパ
イプ技術応用の各種ヒートパイプの製造コストを大幅に
低減せしめる。 【構成】 多孔扁平管の外表面から細孔を穿孔して隔壁
を部分切除し、これにより貫通細孔群の両端にて所定の
相互間を流通自在に連通せしめ、所定の本数の並列細孔
が多孔扁平管内にて受熱部と放熱部の間で往復蛇行する
よう構成し、然る後に各穿孔の口元及び扁平管の両端を
溶接封止して、貫通細孔群を密閉コンテナとし、所定の
量の作動液を真空封入する製造方法を採用した。 [効果] この簡易な製造方法は蛇行細管ヒートパイプ
技術応用の各種ヒートパイプの材料費を従来比で十分の
一に、組立て加工費を十分の一に低減せしめるだけでな
く、その信頼性を大幅に向上せしめた。更にその応用機
器の重量を三分の二以下に軽量化せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートパイプの製造方法
に関するものであり、特に軽金属を素材とする貫通細孔
群を有する多孔扁平管を用いてなされる安価で且つ高機
能を有する細径トンネルプレートヒートパイプの製造方
法の改善に関するものである。またこのトンネルプレー
トヒートパイプは従来の蛇行細管ヒートパイプ、従来の
蛇行細径トンネルプレートヒートパイプ、一部で実用化
が開始されている多孔扁平管ヒートパイプ、のすべての
分野を包含するものであり、本発明はそれらの全ての分
野の製造方法の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】蛇行細管ヒートパイプは従来の二相凝縮
性作動液の相変化応用のヒートパイプとは異なり、細管
内作動液がその表面張力により常に管内を充填閉塞し、
蒸気泡と液滴が交互に管内全体に分散配置され、受熱部
における作動液の核沸騰による圧力波により、蒸気泡と
液滴の軸方向振動を発生し、その振動により熱量を高温
部から低温部に輸送するものであった。この様な作動原
理は本発明者が発明し実用化した特許第1881122
号(ループ型細管ヒートパイプ)、特公平6−9714
7号(ループ型細管ヒートパイプ)及び特開平4−25
1189号(マイクロヒートパイプ)に詳述されてある
通りであり、数多くの実施態様にて実用化されている。
その特徴とする所は通常ヒートパイプが不可能とする
トップヒートモードにおいても極めて良好な熱輸送特性
を示すことを初めとして、自在に屈曲せしめて使用する
ことが出来る、薄肉軽量のプレートヒートパイプを構成
することが出来る、フィン群の装着を必要としないから
全体的に容積を小さくすることが出来る、等実装上の多
くの利点があり、近来の装置の小型化軽量化の業界の要
望に応える新技術として、その市場が益々拡大しつつあ
る。
【0003】これらの蛇行細管ヒートパイプの応用とし
て実用化されている最も先進的な技術として特願平5−
241918号(プレート形ヒートパイプ)がある。こ
れは厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に蛇行細径ト
ンネルヒートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイ
プであって、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に
熱量を拡散せしめたり熱量を輸送せしめたりすることを
可能にするもので、今後の電子機器等に不可決の新技術
として市場が拡大しつつある。
【0004】これらの蛇行細管ヒートパイプ技術の構成
において最も重要な第一の点は細管の内径が十分に細
く、作動液がその表面張力により常に内径を充填閉塞し
てそのままの状態で管内を移動するように構成されてあ
り、細管内は作動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互
に配置されて充満されてあることであり、次に重要な点
は細管は高温部と低温部の間を往復蛇行して多数の作動
液蒸発部と多数の作動液凝縮部を有することである。蛇
行細管ヒートパイプの蛇行ターン数が多い程ヒートパイ
プの性能の重力依存性が少なくなる特徴がありこれが蛇
行細管ヒートパイプに優れた特性を与える。
【0005】従来の蛇行細管ヒートパイプの製造方法は
まず細管の製造に始まる。その第一工程はインゴットま
たはビュレットの鋳造工程である。第二工程はプレス押
出しによる大径中空管の押出成形工程である。第三工程
は大径中空管から細管に至るまで多数の工程を経て細径
化せしめる伸管工程である。この工程は外形を規制する
ダイスと内径を規制するプラグを用いて引抜成形により
実施される。必要とする細管が得られるまでにはこのダ
イス及びプラグによる数十パスの引抜工程が必要であ
る。
【0006】この様にして得られた細管は屈曲成形機に
より蛇行成形されて蛇行細管に成形される。その後の工
程としては端末封止工程、高真空脱気工程、作動液封入
工程、を経て蛇行細管ヒートパイプが完成する。
【0007】蛇行細径トンネルプレートヒートパイプの
製造方法は純銅または純アルミ等の平板を素材とする外
形切削が第一の工程である。第二の工程においては外形
切削された平板の片側平面に所定の幅、深さ、蛇行形状
の細溝パターンが形成される。この形成は機械切削また
はホトエッチングにより実施される。第三の工程はラミ
ネート工程であり、パターンが形成された平板をパター
ン面を内側に二枚または三枚積層接着して蛇行細径トン
ネルを内蔵した平板を構成する。この工程には高温高圧
を必要とし特殊な高度の技術が必要である。第四の工程
で蛇行細径トンネル内を高真空に脱気した後、所定量の
作動液を封入封止して蛇行細径トンネルヒートパイプと
して完成させる。
【0008】最近一部で蛇行細管ヒートパイプ及び蛇行
細径トンネルプレートヒートパイプの製造コスト低減の
ため多孔扁平管によるそれらの製造が提案されている。
図11はその製造方法の説明図であって一部断面拡大図
で示してある。その構成は図の如く多孔扁平管1の端末
部にキャップ16をろう接して構成する。キャップ16
には連結溝17−1、17−2、17−nの群を形成
し、夫々貫通細孔3−1と3−2、及び3−3と3−4
の如く隣接細孔の端末ををひとつ置きに連結せしめる。
この連結溝17−1、17−2、は この連結細孔の連
結は反対側の端末においては 3−2と3−3及び3−
4と3−5の如く一本ずつずらして連結する様に形成
し、これに依り連結細孔3−nは蛇行する一条の細径ト
ンネルを形成する。連結溝17−1、17−2、17−
nは作動液移動時の反転部となる。この蛇行細径トンネ
ルの形成手段としては類似手段として貫通細孔3−nの
群間の隔壁群2−1、2−2、2−3、2−nの端末を
ひとつ置きに部分切除しても同等の効果があり、その場
合はキャップ16の連結溝17−1、17−2、17−
nは省略して実施する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は蛇行細管ヒー
トパイプ技術を基本とする応用技術であり、蛇行細管ヒ
ートパイプ技術応用の全てのヒートパイプの製造方法に
ついて、それらの全てを包含してその改善された製造方
法を提供する。
【0010】蛇行細管ヒートパイプ技術は上述の様な多
くの優れた特徴を有する反面、その製作コストが嵩む点
が問題点となっている。即ち細管そのものの成形に数多
くの工程と加工時間を必要とし高価なものとなってい
る。更に細管ヒートパイプとして高性能を発揮せしめる
為には多くの蛇行ターン数を必要とし、細管群の整列配
置に多くの加工時間を必要とし、この作業は自動化が困
難である為コスト低減に困難さがあった。図9は蛇行細
管ヒートパイプ21の構成の説明図である。Hは加熱手
段、Cは冷却手段を示す。蛇行細管ヒートパイプ21は
加熱部Hと冷却部Cの間を数十回乃至数百回の蛇行を繰
り返して受熱部21−1、放熱部21−2を形成してい
る。受熱部には通常受熱板を接着して使用し、受熱効率
向上の為には受熱部の細管は密接して並列配置する必要
があり多くの加工時間を必要とする。また放熱部は放熱
効率向上の為整列配置して展開せしめる必要があり、そ
の為に多くの加工時間を必要とする。
【0011】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術であり、その用途は極めて広く、
従来技術のあらゆる部門でその活用に依る改善が期待さ
れている。然しその製造には、薄肉金属プレートの片面
に精細な蛇行細溝を切削する高度な技術、この金属プレ
ートの複数枚を積層溶接して蛇行細径トンネルを内蔵し
たプレートに構成する高度な技術、等が不可欠であり、
それらに起因して最先端高級機器以外には適用が困難な
程に、高価格なプレートになる点が問題点であり、他の
従来技術に広く適用して技術的改善を実施する為には、
その大幅なコスト低減の必要性が重要な課題となってい
る。図10はトンネルプレートヒートパイプ22の説明
図であり、プレートは細径トンネル23−1、23−
2、23−nとなるべき細溝の群のパターンを切削した
プレート22−1とパターンを切削しない薄肉プレート
22−2の二枚を溶接積層して構成されてある。ぱター
ンの切削とプレートの溶接積層は何れも高度な技術を必
要とし、高価な加工費用を要する。
【0012】蛇行細管ヒートパイプ及びトンネルプレー
トヒートパイプの製造コスト低減のため一部で多孔扁平
管によるヒートパイプの製造が提案されている。然し図
11に例示の如き多孔扁平管ヒートパイプの製造方法
は、微細な連結溝群の形成が極めて困難であり、端末部
端面の気密性の信頼性保証に問題があり、製造コストは
それほど低減されず、またキャップ16の厚さを業界の
要望する2mm以下とすることが不可能な為、実用性に
問題があり、いまだ実用化されていない。
【0013】本発明は各種業界の強い要望に応えて、蛇
行細管ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、
上記の課題を解決して大幅なコスト低減を可能にする細
径トンネルヒートパイプの新規な製造方法を提供する。
【0014】
【課題を解決する為の手段】近来のプレス押出成型技術
の進歩は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシゥム系金
属の如き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方向
に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有するテ
ープ状多孔扁平管の製作が可能になっている。この貫通
細孔の直径は0.9mm以下に細径化することが可能で
あり、僅かに幅20mm以下、厚さ1.3mm以下のテ
ープ状扁平管の中に20本もの貫通細孔を設けることが
可能になっている。更にその長さは数100mの長さに
成型することが可能である。この様な多孔扁平管は薄肉
であり且つ軽金属の押出成型品であるから極めて可撓性
に富み、自在に屈曲せしめて使用することが出来る。
【0015】この様な多孔扁平管の両端末を溶接封止
し、その貫通直管群を両端末にてターンを繰り返す所定
の本数の蛇行細径トンネルとして再成形することが可能
であれば、この多孔扁平管を用いて優れた機能のリボン
状のプレートヒートパイプを構成することが出来る筈で
ある。この様なリボン状のプレートヒートパイプは長尺
蛇行状に形成して蛇行細管ヒートパイプと同様に使用す
ることが可能であり、並列に接着することにより細径ト
ンネルプレートヒートパイプとしても使用することが可
能となる。即ち多孔扁平管応用のヒートパイプの安価で
信頼性高い製造方法の確立は前述の従来の製造方法の課
題の全てを解決する。本発明は多孔扁平管のこの様な点
に着目して発想されたもので、以下に課題を解決する為
の手段としての多孔扁平管を用いた蛇行細径トンネルを
内蔵したプレートヒートパイプの製造方法について述べ
る。
【0016】本発明の蛇行細径トンネルを内蔵した多孔
扁平管ヒートパイプの基本的な製造方法は以下の五工程
を含む工程である。図面による説明は実施例と重複する
ので省略する。多孔扁平管の両端末を所定の形状に切削
成形する第一の工程、この両端末から所定の距離を設け
て且つ両端末に近接した位置において扁平金属管の貫通
細孔群に平行な外表面から貫通細孔径の二倍より細い内
径の細孔を、放電加工、超音波研削加工、研磨加工等の
軟質軽金属に施しても「バリ」を発生せしめない加工方
法により穿孔し、この穿孔の位置、深さ、方向等に依り
扁平金属管内の貫通細孔間の隔壁を部分的に切除し、こ
の部分切除により貫通細孔群の両端末を所定の連結状態
に連結連通せしめて細径トンネル群形成の為の準備構造
とする第二の工程、端末切削と穿孔に依る管内の汚染及
び切粉を洗浄除去する第三の工程、穿孔細孔の開口部の
口元に、表皮面のみの加圧圧縮による口径縮小手段を施
すかまたは所定の材料による充填手段を施し然る後に開
口部の口元を軽金属薄肉材料の溶接またはろう接により
閉鎖密閉する第四の工程、多孔扁平管の両端末を所定の
構造に溶接または圧接して封止し、管内を密閉コンテナ
として形成する第五の工程、の五工程を含む工程により
多孔扁平管は蛇行細径トンネル群を内蔵したリボン条プ
レートとして構成される。最終工程においてこの蛇行細
径トンネル群をコンテナとしてその内容積の所定の割合
の二相凝縮性作動液を真空封入して細径トンネルプレー
トヒートパイプが形成される。
【0017】
【作用】このような細径トンネルプレートヒートパイプ
の製造方法には以下のような作用がある。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工程押出成形で形成されるから大
径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外形切
削工程、蛇行細溝パターン形成工程、ラミネート工程が
省略される。この中で極めて高度な技術と高級高価な設
備を必要とする蛇行細溝パターン形成工程とラミネート
工程の省略、は蛇行細管ヒートパイプ及び細径トンネル
プレートヒートパイプ製造に比較して材料コスト低減に
極めて大きく貢献する。 (2)長尺のリボン状細径トンネルプレートヒートパイ
プとして構成し、蛇行せしめて蛇行細管ヒートパイプと
して使用する場合、多孔扁平管は一例として幅20mm
の扁平管で内径1mm相当の貫通細孔20本を有するか
ら、性能的に外径1.6mmの蛇行細管20本に相当す
る性能を発揮する。従って蛇行細管ヒートパイプの蛇行
受放熱部を形成する場合細管の本数を大幅に減少せしめ
ることが可能になる。このことはa.材料費用の大幅な
削減。b.屈曲加工費の大幅な削減。c.管の整列配置
の為の加工費の大幅な削減。を意味する。 (3)多孔扁平管を蛇行せしめて構成したヒートパイプ
として適用する場合は、蛇行回数は扁平管の蛇行回数と
扁平管内の蛇行の相乗積になり性能が著しく向上する。
また扁平管内の蛇行回数が少ない場合は夫々のトンネル
の蛇行回数は減少するがターンを形成する並列トンネル
の本数が増加し最大熱輸送量が大幅に増加する。これら
のことから目標とする性能を発揮せしめる為の多孔扁平
管コンテナを構成するの長さが減少し製造コストが低減
される。 (4)従来の多孔扁平管ヒートパイプの製造方法に比較
して、多孔扁平管の両端末端面の封止にはキャップのろ
う接を必要とせず、圧潰のままの溶接接合や圧接接合及
び抵抗溶接接合が可能になり、簡易な構造になるから封
止の為の時間が大幅に短縮され、溶接強度が増加する。
特に例えば厚さ1.3mm、幅20mm、貫通細孔群2
0本の多孔扁平管のの端末に作動液反転用キャップをろ
う接する作業は極めて困難な作業で歩留が悪く、信頼性
が著しく悪化する。本発明の製造方法の実施によってこ
の問題点は完全に解決する。 (5)従来の多孔扁平管ヒートパイプの製造方法に比較
して、放電加工に依る細孔群両端末の処理は「バリ」の
発生を皆無とし、作業ミスの発生を皆無にすることに依
り歩留を向上せしめ信頼性を著しく向上させる。また
「バリ」取りの為の無為な時間を無くし、端末の処理時
間を大幅に短縮せしめてコスト低減に大きく貢献する。
また放電加工用電極の数を増加せしめることに依り、細
管群両端末の処理の為の細管穿孔は一括して一工程で実
施することが出来る。 本発明の細径トンネルプレートヒートパイプの製造方法
は上述(1)〜(5)の作用の総合作用に依り従来の蛇
行細管ヒートパイプ及びトンネルプレートヒートパイプ
の製造方法、更に一部で実用化が進められている多孔扁
平管ヒートパイプの製造方法に比較して画期的なコスト
低減を実現する。
【0018】
【実施例】[第一実施例]図1〜図6は本発明の第一実
施例製造工程の説明図である。この実施例は本発明の製
造方法の基本に従っており、また基本構造の説明におい
て図面による説明を省略したので本説明においては基本
構造の説明を兼ねて説明する。図1は多孔扁平管の両端
末を所定の形状に切削成形する第一の工程が終了した状
態を示す斜視図である。1は多孔扁平管、2−nは貫通
細孔群3−nの相互間の隔壁群である。図において所定
の形状としては端面は直交直線状に切断されてある。こ
の端面切断は傾斜角をなして切断される場合も、曲線状
に切断される場合もある。他の製造方法にとしては端面
加工により蛇行細径トンネルを形成することも可能であ
るがその場合は切断面に「バリ」が発生したり、細孔群
が閉塞することのない切断をする必要がある。軟質軽金
属の多孔扁平管をその様に切断することは極めて困難な
作業となり且つ多くの加工時間を必要とする。然し本発
明においては端面には何らの加工を必要としないから単
純な圧潰溶接、加圧圧接またはろう材充填ろう接で良い
から、「バリ」の発生や、細孔群の閉塞についての配慮
の必要がなく、無造作に切断するだけで良い。極めて短
時間で切断加工が完了するこの製造方法は本発明の製造
方法の大きな利点である。
【0019】図2は本発明製造方法の第二工程を示す斜
視図である。図3は第二工程実施後の内部状態を示す平
面断面の拡大図である。基本の製造工程においては第一
工程完了後の多孔扁平管1の両端末から所定の距離を設
けて且つ両端末に近接した位置において、多孔扁平管1
の貫通細孔3−nの群に平行な外表面から貫通細孔3−
nより細い内径の細孔を、放電加工、超音波研削加工、
研磨加工等の軟質軽金属に対しても「バリ」を発生せし
めない加工方法により穿孔し、この穿孔細孔4−n、5
−nの位置、深さ、方向等に依り扁平管1内の貫通細孔
3−nの群の相互間の隔壁を部分的に除去し、貫通細孔
3−nの群の両端末を穿孔細孔4−n、5−nにより所
定の連結状態に連結連通せしめて細径トンネル群形成の
為の準備構造とする工程である。第一実施例においては
この工程は多孔扁平管1の両端末から所定の距離を設け
て且つ両端末に近接した位置に、扁平管1の両平面の何
れかまたは片面側から平面に垂直な方向に細孔群を放電
加工により穿孔する。放電加工は基本の製造方法の各種
の穿孔手段の中で最も能率的に穿孔を実施することが出
来る。即ち電極の数を増加させることにより多数の細孔
の穿孔を同時に一工程で実施することが出来る。また切
削された軽金属は微粉となって放電加工液中に分散され
決して「バリ」を発生させることはない。この穿孔細孔
4−n、5−nの群により貫通細孔3−nの群相互間の
隔壁2−nを一条おきに部分切除し、且つこの隔壁2−
nの部分切除部6−2は隔壁一条につき一か所であるよ
う反対側端末における隔壁切除の順序をを一条ずつずら
して切除することにより、貫通細孔3−nの群が一条の
蛇行細径トンネルとして連結連通される様構成する為の
準備工程としている。
【0020】第三の工程は端末切削と穿孔に依る管内の
汚染及び切粉を洗浄除去する工程である。この洗浄工程
は図示は省略してある。この工程では被洗浄体が多くの
細孔を有する構造になっているから内部洗浄を確実に行
うためには超音波洗浄であることが望ましい。
【0021】図4は第四の工程の完了状態をを示す多孔
扁平管1の断面拡大図である。この工程は穿孔細孔4−
n、5−nの口元を溶接またはろう接により封止閉鎖す
る工程である。図において6−1、6−2は隔壁切除部
であって、隔壁2−nの群が穿孔細孔4−n、5−nに
よってひとつ置きに切除されてあることを示している。
隔壁2−nの群を端末の反対側においてひとつずつずれ
た状態に、ひとつ置きに部分的に切除することにより、
貫通穿孔3−nの群はそれらの端末に置いて隣接の貫通
穿孔3−nと流通自在に連通連結された一条の連続した
蛇行細径トンネルとして形成される。穿孔細孔4−n、
5−nの群は夫々の開口部の口元において充填材7−n
に依って充填封止されてある。充填材7−nは軽金属の
ろう接温度または溶接温度で溶融したり分解してはなら
ない。従ってこの充填材は900℃の高温度にも耐えて
全く変化を生じないものが使用される。またこの充填材
はそのような高温度においてろう接、溶接時に使用され
るフラックスに侵されない材質である必要がある。8は
ろう材であって、軽金属薄板9−1を穿孔細孔4−n、
5−nの群の表面にろう接してそれらを完全な気密状態
に閉鎖密閉している。軽金属薄板9−1は穿孔細孔4−
n、5−nの内径が極めて細い場合は軽金属薄板9−1
を省略してろう材8のみで実施することが出来る。ろう
接、溶接に際しては表面正常化が必要であるが本実施例
の場合実施後の表面に平滑性が要求される場合はこの工
程には表面平滑化手段をも併せて実施する。同様に穿孔
細孔4−n、5−nの内径が極めて細い場合は充填材7
−nも省略して実施することが出来る。また表面表皮の
みの加圧圧縮による変形により開口部口元を閉鎖せしめ
て充填材に替えて実施することも出来る。
【0022】図5は本発明の基本的製造方法及び第一実
施例の第五工程を示す断面図である。この工程は前工程
迄の作業を準備工程として出来上がった多孔扁平管1の
両端末10−1、10−2を溶接または圧接により気密
に密封封止して全体をヒートパイプコンテナとして完成
せしめる工程である。穿孔細孔4−n、5−nの群によ
り連通連結された貫通細孔の群3−nはこの工程により
多孔扁平管1の中に封じ込められた多数回蛇行の細径ト
ンネルヒートパイプの密閉コンテナとして構成される。
【0023】上述の五工程を含む工程により構成された
多孔扁平管1のコンテナの中に、内容積の所定の割合の
二相凝縮性作動液を真空封入して本発明の製造方法によ
る細径トンネルプレートヒートパイプが完成する。図6
はその完成品の平面図である。図においては作動液封入
の為に設ける注入細孔は図示を省略してある。
【0024】[第二実施例] 本実施例は使用する多孔
扁平管が長尺リボン状扁平管であり、製造するトンネル
プレートヒートパイプが適用時に受熱部と放熱部の間を
往復蛇行して適用される長尺リボン状プレートヒートパ
イプである場合に適用される。図7は本発明の製造方法
の第二実施例の説明図であって一部断面の平面図で示し
てある。本実施例においては多孔扁平管1のコンテナ内
における貫通細孔3−nの蛇行が省略されて、貫通細孔
3−nはヒートパイプ適用時の多孔扁平管1の蛇行によ
って蛇行せしめられることを特徴とする。図において穿
孔細孔12、13を、夫々に多孔扁平管1の両端末から
所定の距離を設けて且つ両端末に近接した位置に、扁平
金属管1の貫通細孔3−nの群に平行な片側端縁若しく
は両側端縁から、端縁に直角で両平面に平行な方向に、
放電加工により穿孔し、この穿孔細孔12、13は貫通
細孔3−nの群と交差し、貫通細孔3−nの相互間の隔
壁2−nの群を順次貫通して部分切除し、多孔扁平管1
内の貫通細孔3−nの群の全てと交差するにいたる深さ
まで穿孔し、これにより貫通細孔3−nの群を、その全
てがそれらの両端末に近接した位置において、隔壁切除
部6−nにより連結連通せしめた平行並列の非蛇行細径
トンネル群として構成せしめてある。この様にして構成
した細径トンネルプレートヒートパイプは一条の細径ト
ンネルが蛇行するプレートヒートパイプよりトップヒー
ト特性は低下するものの、多数のトンネルが平行並列し
て構成されるから、最大熱輸送能力が向上する特徴があ
る。
【0025】[第三実施例] 図8は本発明の製造方法
の第三実施例を示す説明図で一部断面の平面図である。
第一実施例が多孔扁平管を用いて一条の蛇行細径トンネ
ルが多数の蛇行を繰り返す細径トンネルコンテナを内蔵
するプレートヒートパイプを構成する実施例であり、第
二実施例が多数条の非蛇行細径トンネルコンテナを内蔵
するプレートヒートパイプを構成する実施例であるのに
対し、本実施例では少数条の細径トンネルが少数回の蛇
行をする蛇行細径トンネルコンテナを内蔵プレートヒー
トパイプを構成する実施例である。本実施例は基本の製
造方法における第二の工程は、図8に例示の如く、多孔
扁平管1の両端末から所定の距離を設けて且つ両端末に
近接した位置に、扁平管1の片側端縁から、端縁に直角
で両平面に平行な方向に両端末それぞれに一本の細孔を
放電加工により穿孔し、この穿孔細孔12、13は貫通
細孔3−nの群と交差し、貫通細孔3−nの群間の隔壁
2−nの群を順次貫通し、扁平管1内の貫通細孔3−n
の群の三分の二の数の細孔3−nと交差するに到る深さ
まで穿孔するものとし、両端末の夫々の各一本の穿孔細
孔12、13は多孔扁平管1の両端に近接した位置の両
側端縁の相互に反対側の端縁から穿孔し、且つほぼ相互
対称の位置に穿孔するものとし、これにより貫通細孔3
−nの群の三分の一の本数の細孔群が、共通の穿孔細孔
12、13により連結連通された平行並列の蛇行細径ト
ンネル群として、扁平管1内において二回のターンの蛇
行をして配設された状態に形成する。この様に構成され
た本発明の細径トンネルプレートヒートパイプは内蔵さ
れた細径トンネルの蛇行回数は少ないがプレートヒート
パイプがリボン状の長尺ヒートパイプであり、受熱部と
放熱部の間を往復蛇行して使用される場合は、トンネル
の実質的蛇行回数はヒートパイプの蛇行回数の三倍とな
り極めて高性能になる。またこの実施例は第一実施例に
比較して穿孔細孔12、13が僅かに2本となり穿孔数
が十分の一以下と極めて少なくなり、更に作業も容易で
あり、第一実施例より更に大幅にコスト低減が図れる。
【0026】
【発明の効果】蛇行細管ヒートパイプと同じ様に多数回
蛇行屈曲せしめて適用する長尺リボン状プレートヒート
パイプを、長尺リボン状多孔扁平管を用いて、本発明の
製造方法を適用することにより、細管製造工程が大幅に
短縮されるだけでなく、一条の多孔扁平管ヒートパイプ
は多数本の細管ヒートパイプと同等の熱交換性能を発揮
するので管使用長さをも大幅に削減することが可能にな
った。これらにより材料費用を十分の一に低減せしめ、
蛇行屈曲及び整列配置の為の加工時間をも十分の一に削
減し、全体として従来の蛇行細管ヒートパイプの製造コ
ストを十分お一に低減せしめることを可能にした。
【0027】また広幅の多孔扁平管、もしくは並列接着
したリボン状多孔扁平管で構成した広幅の細径トンネル
プレートヒートパイプは、極めて高コストの蛇行細径ト
ンネルパターンの切削工程を省略し、同様に極めて高コ
ストの平板積層工程をも省略することを可能ならしめ
た。これらにより細径トンネルプレートヒートパイプの
製造コストは全体として十分の一に低減せしめることが
可能になった。
【0028】上記と同様なコスト低減を目指して実用化
が進められている多孔扁平管ヒートパイプも本発明の適
用により、貫通細孔群の蛇行の為の極めて複雑な構造で
高価な端末キャップの装着が不必要になり、構成が単純
化され、製造コストを三分の一に低減すること可能にな
った。
【0029】多孔扁平管の製造は単一金属による一工程
押出し加工であるから、完全に軟化されたままであり、
金属間化合物の如き硬化性不純物を含ませず製造するこ
とが出来る。また製造工程にも加工硬化を与える工程を
含まない。従って完成した細径トンネルプレートヒート
パイプは極めて柔軟で自由に屈曲せしめて使用すること
が出来る。この点では他の製造方法に依る場合の追随を
許さない。この様な単純な製造工程と構造の簡素化は蛇
行細管ヒートパイプ技術応用の全てのヒートパイプの信
頼性も大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的製造方法及び第一実施例製造方
法の第一工程の説明図であり第一工程完了後の一部断面
の斜視図である。
【図2】本発明の基本的製造方法の第二工程の説明図で
あり第一実施例製造方法の第二工程を示す斜視図であ
る。
【図3】第一実施例製造方法の第二工程実施後の内部状
態を示す平面断面の拡大図である。
【図4】本発明の基本的製造方法の説明図であり第四工
程の完了状態をを示す多孔扁平管の平面の断面拡大図で
ある。
【図5】本発明の基本的製造方法及び第一実施例の第五
工程を示す断面図である。
【図6】本発明の基本的製造方法及び第一実施例の全工
程完了後の完成品の平面図を示す。
【図7】本発明の製造方法の第二実施例の説明図であっ
て一部断面の平面図である。
【図8】本発明の製造方法の第三実施例を示す説明図で
一部断面の平面図である。
【図9】従来の蛇行細管ヒートパイプの構成の説明図で
ある。
【図10】従来のトンネルプレートヒートパイプの構成
の説明図である。
【図11】多孔扁平管ヒートパイプの従来の製造方法の
説明図であって一部断面拡大図で示してある。
【符号の説明】
1 多孔扁平管 2−n 隔壁 3−n 貫通細孔 4−n 穿孔細孔 5−n 穿孔細孔 6−n 隔壁切除部 7−n 充填材 8 ろう材 9 軽金属薄板 10−1 溶接封止端 10−2 溶接封止端 11−1 ろう接封止部 11−2 ろう接封止部 12 穿孔細孔 13 穿孔細孔 21−1 受熱部 21−2 放熱部 22−1 プレート 22−2 薄肉プレート 23−n 細溝(細径トンネル) C 冷却手段 H 加熱手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月26日(2000.12.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 細径トンネルプレートヒートパイプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する技術分野】本発明はプレート型のヒート
パイプに関するものであり、特に軽金属を素材とする
径トンネルを多数有する多孔扁平管を用いた細径トンネ
ルプレートヒートパイプに関するものである
【0002】
【従来の技術】細管ヒートパイプは従来の二相凝縮性作
動液の相変化応用のヒートパイプとは異なり、細管内作
動液がその表面張力により常に管内を充填閉塞し、蒸気
泡と液滴が交互に管内全体に分散配置され、受熱部にお
ける作動液の核沸騰による圧力波により、蒸気泡と液滴
の軸方向振動を発生し、その振動により熱量を高温部か
ら低温部に輸送するものであった。この様な作動原理は
本発明者が発明し実用化した特許第1881122号
(ループ型細管ヒートパイプ)、特公平6−97147
号(ループ型細管ヒートパイプ)及び特開平4−251
189号(マイクロヒートパイプ)に詳述されてある通
りであり、数多くの実施態様にて実用化されている。そ
の特徴とする所は通常ヒートパイプが不可能とするトッ
プヒートモードにおいても極めて良好な熱輸送特性を示
すことを初めとして、自在に屈曲せしめて使用すること
が出来る、薄肉軽量のプレートヒートパイプを構成する
ことが出来る、フィン群の装着を必要としないから全体
的に容積を小さくすることが出来る、等実装上の多くの
利点があり、近来の装置の小型化軽量化の業界の要望に
応える新技術として、その市場が益々拡大しつつある。
【0003】これらの細管ヒートパイプの応用として実
用化されている最も先進的な技術として特願平5−24
1918号(プレート形ヒートパイプ)がある。これは
厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に細径トンネルヒ
ートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイプであっ
て、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に熱量を拡
散せしめたり熱量を輪送せしめたりすることを可能にす
るもので、今後の電子機器等に不可決の新技術として市
場が拡大しつつある。
【0004】これらの細管ヒートパイプ技術の構成にお
いて最も重要な第一の点は細管の内径が十分に細く、作
動液がその表面張力により常に内径を充填閉塞してその
ままの状態で管内を移動するように構成されてあり、細
管内は作動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互に配置
されて充満されてあることであり、次に重要な点は細管
は高温部と低温部の間を移動して複数の作動液蒸発部
複数の作動液凝縮部を有することである。細管ヒートパ
イプの蛇行ターン数が多い程ヒートパイプの性能の重力
依存性が少なくなる特徴がありこれが蛇行細管ヒートパ
イプに優れた特性を与える。
【0005】従来の細管ヒートパイプの製造方法はまず
細管の製造に始まる。その第一工程はインゴットまたは
ビュレットの鋳造工程である。第二工程はプレス押出し
による大径中空管の押出成形工程である。第三工程は大
径中空管から細管に至るまで多数の工程を経て細径化せ
しめる伸管工程である。この工程は外形を規制するダイ
スと内径を規制するプラグを用いて引抜成形により実施
される。必要とする細管が得られるまでにはこのダイス
及びプラグによる数十パスの引抜工程が必要である。
【0006】この様にして得られた細管は屈曲成形機に
より蛇行成形されて蛇行細管に成形される。その後の工
程としては端末封止工程、高真空脱気工程、作動液封入
工程、を経て蛇行細管ヒートパイプが完成する。
【0007】細径トンネルプレートヒートパイプの製造
方法は純銅または純アルミ等の平板を素材とする外形切
削が第一の工程である。第二の工程において形切削され
た平板の片側平面に所定の幅、深さ、蛇行形状の細溝パ
ターンが形成される。この形成は機械切削またはホトエ
ッチングにより実施される。第三の工程はラミネート工
程であり、パターンが形成された平板をパターン面を内
側に二枚または三枚積層接着して細径トンネルを内蔵し
た平板を構成する。この工程には高温高圧を必要とし特
殊な高度の技術が必要である。第四の工程で細径トンネ
ル内を高真空に脱気した後、所定量の作動液を封入封止
して細径トンネルヒートパイプとして完成させる。
【0008】最近一部で細管ヒートパイプ及び細径トン
ネルプレートヒートパイプの製造コスト低減のため多孔
扁平管によるそれらの製造が提案されている。図10
その製造方法の説明図であって一部断面拡大図で示して
ある。その構成は図の如く多孔扁平管1の端末部にキャ
ップ16をろう接して構成する。キャップ16には連結
溝17−1、17−2、17−nの群を形成し、夫々貫
通細孔3−1と3−2、及び3−3と3−4の如く隣接
細孔の端末ををひとつ置きに連結せしめる。この連結溝
17−1、17−2、は この連結細孔の連結は反対側
の端末においては 3−2と3−3及び3−4と3−5
の如く一本ずつずらして連結する様に形成し、これに依
り連結細孔3−nは蛇行する一条の細径トンネルを形成
する。連結溝17−1、17−2、17−nは作動液移
動時の反転部となる。この蛇行細径トンネルの形成手段
としては類似手段として貫通細孔3−nの群間の隔壁群
2−1、2−2、2−3、2−nの端末をひとつ置きに
部分切除しても同等の効果があり、その場合はキャップ
16の連結溝17−1、17−2、17−nは省略して
実施する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は細管ヒートパ
イプ技術を基本とする応用技術であり、細管ヒートパイ
プ技術応用の全てのヒートパイプについて、それらの全
てを包含してその改善された細径プレートヒートパイプ
を提供する。
【0010】細管ヒートパイプ技術は上述の様な多くの
優れた特徴を有する反面、その製作コストが嵩む点が問
題点となっている。即ち細管そのものの成形に数多くの
工程と加工時間を必要とし高価なものとなっている。更
に細管ヒートパイプとして高性能を発揮せしめる為には
多くの蛇行ターン数を必要とし、細管群の整列配置に多
くの加工時間を必要とし、この作業は自動化が困難であ
る為コスト低減に困難さがあった。図8は蛇行細管ヒー
トパイプ21の構成の説明図である。Hは加熱手段、C
は冷却手段を示す。蛇行細管ヒートパイプ21は加熱部
Hと冷却部Cの間を数十回乃至数百回の蛇行を繰り返し
て受熱部21−1、放熱部21−2を形成している。受
熱部には通常受熱板を接着して使用し、受熱効率向上の
為には受熱部の細管は密接して並列配置する必要があり
多くの加工時間を必要とする。また放熱部は放熱効率向
上の為整列配置して展開せしめる必要があり、その為に
多くの加工時間を必要とする。
【0011】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術であり、その用途は極めて広く、
従来技術のあらゆる部門でその活用に依る改善が期待さ
れている。然しその製造には、薄肉金属プレートの片面
に精細な細溝や蛇行細溝を切削する高度な技術、この金
属プレートの複数枚を積層溶接して蛇行細径トンネルを
内蔵したプレートに構成する高度な技術、等が不可欠で
あり、それらに起因して最先端高級機器以外には適用が
困難な程に、高価格なプレートになる点が問題点であ
り、他の従来技術に広く適用して技術的改善を実施する
為には、その大幅なコスト低減の必要性が重要な課題と
なっている。図9は従来のトンネルプレートヒートパイ
プ22の説明図であり、プレートは細径トンネル23−
1、23−2、23−nとなるべき細溝の群のパターン
を切削したプレート22−1とパターンを切削しない薄
肉プレート22−2の二枚を溶接積層して構成されてあ
る。パターンの切削とプレートの溶接積層は何れも高度
な技術を必要とし、高価な加工費用を要する。
【0012】蛇行細管ヒートパイプ及びトンネルプレー
トヒートパイプの製造コスト低減のため一部で多孔扁平
管によるヒートパイプの製造が提案されている。然し図
10に例示の如き多孔扁平管ヒートパイプの製造方法
は、微細な連結溝群の形成が極めて困難であり、端末部
端面の気密性の信頼性保証に問題があり、製造コストは
それほど低減されず、またキャップ16の厚さを業界の
要望する2mm以下とすることが不可能な為、実用性に
問題があり、いまだ実用化されていない。
【0013】本発明は各種業界の強い要望に応えて、細
ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、上記
の課題を解決して大幅なコスト低減を可能にする細径ト
ンネルヒートパイプを提供する。
【0014】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため、
本発明の細径トンネルプレートヒートパイプは、二相凝
縮性の作動液が所定の割合で真空封入された並列複数の
細径トンネルを有する細径トンネルプレートを備え、前
記作動液が前記細径トンネル内を充填閉塞し、蒸気泡と
液滴が交互に該トンネル内に分散配置されて熱量を輸送
するプレート型のヒートパイプにおいて、前記細径トン
ネルプレートが、アルミ系、マグネシューム系金属の如
き軽金属の多孔偏平菅であって前記細径トンネルが押出
成形に より形成されており、隣接する前記細径トンネル
間の全ての隔壁が前記多孔扁平管の両端末近傍で切除さ
れて隣接するトンネル間が連通せしめられ、前記多孔扁
平管の両端末が溶接または圧接により封止されているこ
とを特徴とする。
【0015】この発明では、次の効果を奏する。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工 程押出成形で形成されるから、
これを用いたプレートヒートパイプは従来の製造に要し
た大径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外
形切削工程、細溝パターン形成工程、ラミネート工程が
省略される。従って、細管製造工程の大幅な削減や材料
コストの低減に起因し、細径トンネルプレートヒートパ
イプの製造コスト低減に極めて大きく貢献する。 (2)多孔扁平管は単一軽金属による一工程押出し加工
で製造されるから、完全に軟化されたままであり、金属
間化合物の如き硬化性不純物を含ませず製造することが
出来る。従って完成した細径トンネルプレートヒートパ
イプは極めて柔軟で自由に屈曲せしめて使用することが
出来る。この様な単純な製造工程と構造の簡素な多孔扁
平管化は細管ヒートパイプ技術応用の全てのヒートパイ
プの信頼性も大幅に向上させる。 (3)多孔扁平管の全ての細径トンネル間を、端末近傍
で簡単に連通できるので、細径トンネル同士の連通に当
り加工のコスト及び時間の削減が達成でき、細径トンネ
ルプレートヒートパイプがより安価に製造できる。 (4)多孔扁平管の両端末の封止に当たりキャップを用
いず、そのまま端末を封止するので、封止時間が短縮さ
れ、密閉コンテナとした細径トンネルプレートヒートパ
イプがさらに安価に製造できる。
【0016】
発明の実施の形態】近来のプレス押出成型技術の進歩
は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシゥム系金属の如
き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方向に平行
並列に整列配置された多数の貫通細孔を有するテープ状
多孔扁平管の製作が可能になっている。この貫通細孔の
直径は0.9mm以下に細径化することが可能であり、
僅かに幅20mm以下、厚さ1.3mm以下のテープ状
扁平管の中に20本もの貫通細孔を設けることが可能に
なっている。更にその長さは数100mの長さに成型す
ることが可能である。この様な多孔扁平管は薄肉であり
且つ軽金属の押出成型品であるから極めて可撓性に富
み、自在に屈曲せしめて使用することが出来る。
【0017】この様な多孔扁平管を必要とする所定の長
さで切断し、その両端末を溶接封止し、その貫通直管群
を両端末にてターンを繰り返す所定の本数の細径トンネ
ルとして再成形することが可能であれば、この多孔扁平
管を用いて優れた機能のリボン状のプレートヒートパイ
プを構成することが出来る筈である。この様なリボン状
のプレートヒートパイプは細管ヒートパイプと同様に使
用することが可能であり、並列に接着することにより細
径トンネルプレートヒートパイプとしても使用すること
が可能となる。即ち多孔扁平管応用のヒートパイプの安
価で信頼性高い製造を可能にする構造の確立は前述の従
来の製造方法の課題の全てを解決する。本発明は多孔扁
平管のこの様な点に着目して発想されたもので、以下に
多孔扁平管を用いた細径トンネルを内蔵した細径プレー
トヒートパイプの製造方法について述べる。
【0018】本発明の細径トンネルを内蔵した多孔扁平
管ヒートパイプの基本的な製造方法は以下の五点工程を
含む工程である。図面による説明は実施例と重複するの
で省略する。多孔扁平管の両端末を所定の形状に切削成
形する第一の工程、この両端末から所定の距離を設けて
且つ両端末に近接した位置において扁平金属管の貫通細
孔群に平行な外表面から貫通細孔径の二倍より細い内径
の細孔を、放電加工、超音波研削加工、研磨加工等の軟
質軽金属に施しても「バリ」を発生せしめない加工方法
により穿孔し、この穿孔の位置、深さ、方向等に依り扁
平金属管内の貫通細孔間の隔壁を部分的に切除し、この
部分切除により貫通細孔群の両端末を所定の連結状態に
連結連通せしめて細径トンネル群形成の為の準備構造と
する第二の工程、端末切削と穿孔に依る管内の汚染及び
切粉を洗浄除去する第三の工程、穿孔細孔の開口部の口
元に、表皮面のみの加圧圧縮による口径縮小手段を施す
かまたは所定の材料による充填手段を施し然る後に開口
部の口元を軽金属薄肉材料の溶接またはろう接により閉
鎖密閉する第四の工程、多孔扁平管の両端末を所定の構
造に溶接または圧接して封止し、管内を密閉コンテナと
して形成する第五の工程、の五工程を含む工程により多
孔扁平管は細径トンネル群を内蔵したリボン条プレート
として構成される。最終工程においてこの蛇行細径トン
ネル群をコンテナとしてその内容積の所定の割合の二相
凝縮性作動液を真空封入して細径トンネルプレートヒー
トパイプが形成される。
【0019】
【作用】このような細径トンネルプレートヒートパイ
は以下のような作用がある。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工程押出成形で形成されるから大
径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外形切
削工程、細溝パターン形成工程、ラミネート工程が省略
される。この中で極めて高度な技術と高級高価な設備を
必要とする細溝パターン形成工程とラミネート工程の省
略は従来の細管ヒートパイプ及び細径トンネルプレート
ヒートパイプ製造に比較して材料コスト低減に極めて大
きく貢献する。 (2)長尺のリボン状細径トンネルプレートヒートパイ
プとして構成し、蛇行せしめて蛇行細管ヒートパイプと
して使用する場合、多孔扁平管は一例として幅20mm
の扁平管で内径1mm相当の貫通細孔20本を有するか
ら、性能的に外径1.6mmの蛇行細管20本に相当す
る性能を発揮する。従って蛇行細管ヒートパイプの蛇行
受放熱部を形成する場合細管の本数を大幅に減少せしめ
ることが可能になる。このことはa.材料費用の大幅な
削減。b.屈曲加工費の大幅な削減。c.管の整列配置
の為の加工費の大幅な削減。を意味する。 (3)多孔扁平管を蛇行せしめて構成したヒートパイプ
として適用する場合は、蛇行回数は扁平管の蛇行回数と
扁平管内の蛇行の相乗積になり性能が著しく向上する。 (4)従来の多孔扁平管ヒートパイプに比較して、多孔
扁平管の両端末端面の封止にはキャップのろう接を必要
とせず、圧潰のままの溶接接合や圧接接合及び抵抗溶接
接合が可能になり、簡易な構造になるから封止の為の時
間が大幅に短縮され、溶接強度が増加する。特に例えば
厚さ1.3mm、幅20mm、貫通細孔群20本の多孔
扁平管の端末に作動液反転用キャップをろう接する作業
は極めて困難な作業で歩留が悪く、信頼性が著しく悪化
する。本発明によってこの問題点は解決する。
【0020】
発明の実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面
に基いて説明する。 [第一実施例]図1〜図6は本発明の第一実施例の説明
図である。この実施例は上述した実施の形態に従って
る。図1は多孔扁平管の両端末を所定の形状に切削成形
する第一の工程が終了した状態を示す斜視図である。1
アルム系、マグネシューム系金属の如き軽金属の多孔
扁平管、2−nは貫通細孔群3−nの相互間の隔壁群で
り、2−1、2−2、2−3、2−nは並列複数の細
径トンネル、3−1、3−2、3−3、3−nは隣接す
る細径トンネル間の各隔壁である。図において所定の形
状としては端面は直交直線状に切断されてある。この端
面切断は傾斜角をなして切断される場合も、曲線状に切
断される場合もある。他の製造方法としては端面加工に
より蛇行細径トンネルを形成することも可能であるがそ
の場合は切断面に「バリ」が発生したり、細孔群が閉塞
することのない切断をする必要がある。軟質軽金属の多
孔扁平管をその様に切断することは極めて困難な作業と
なり且つ多くの加工時間を必要とする。然し本実施例
おいては端面には何らの加工を必要としないから単純な
圧潰溶接、加圧圧接またはろう材充填ろう接で良いか
ら、「バリ」の発生や、細孔群の閉塞についての配慮の
必要がなく、無造作に切断するだけで良い。このように
極めて短時間で切断加工を完了させることができる。
【0021】図2は本実施例の細径プレートヒートパイ
プにおける製造方法の第二工程を示す斜視図である。図
3は第二工程実施後の内部状態を示す平面断面の拡大図
であり、隣接する貫通細孔間の隔壁は、多孔扁平管の端
末から所定の距離を設けて且つその端末に近接した位置
において、多孔扁平管の平面の外表面から平面に垂直な
方向に穿孔されて切除されている。より具体的には基本
の製造工程においては第一工程完了後の多孔扁平管1の
両端末から所定の距離を設けて且つ両端末に近接した位
置において、多孔扁平管1の貫通細孔3−nの群に平行
な隔壁上の外表面から貫通細孔3−nより細い内径の細
孔を、放電加工、超音波研削加工、研磨加工等の軟質軽
金属に対しても「バリ」を発生せしめない加工方法によ
り穿孔して隔壁を切除している。この穿孔細孔4−n、
5−nの位置、深さ、方向等に依り扁平管1内の貫通細
孔3−nの群の相互間の隔壁を部分的に除去し、貫通細
孔3−nの群の両端末を穿孔細孔4−n、5−nにより
所定の連結状態に連結連通せしめて細径トンネル群形成
の為の準備構造とする工程である。第一実施例において
はこの工程は多孔扁平管1の両端末から所定の距離を設
けて且つ両端末に近接した位置に、扁平管1の両平面の
何れかまたは片面側から平面に垂直な方向に細孔群を放
電加工により穿孔する。放電加工は基本の製造方法の各
種の穿孔手段の中で最も能率的に穿孔を実施することが
出来る。即ち電極の数を増加させることにより多数の細
孔の穿孔を同時に一工程で実施することが出来る。また
切削された軽金属は微粉となって放電加工液中に分散さ
れ決して「バリ」を発生させることはない。この穿孔細
孔4−n、5−nの群により貫通細孔3−nの群相互間
の隔壁2−nを一条おきに部分切除し、且つこの隔壁2
−nの部分切除部6−2は隔壁一条につき一か所である
よう反対側端末における隔壁切除の順序を一条ずつずら
して切除することにより、貫通細孔3−nの群が一条の
蛇行細径トンネルとして連結連通される様構成する為の
準備工程としている。
【0022】第三の工程は端末切削と穿孔に依る管内の
汚染及び切粉を洗浄除去する工程である。この洗浄工程
は図示は省略してある。この工程では被洗浄体が多くの
細孔を有する構造になっているから内部洗浄を確実に行
うためには超音波洗浄であることが望ましい。
【0023】図4は第四の工程の完了状態を示す多孔扁
平管1の断面拡大図である。この工程は穿孔細孔4−
n、5−nの口元を溶接またはろう接により封止閉鎖す
る工程である。図において6−1、6−2は隔壁切除部
であって、隔壁2−nの群が穿孔細孔4−n、5−nに
よってひとつ置きに切除されてあることを示している。
隔壁2−nの群を端末の反対側においてひとつずつずれ
た状態に、ひとつ置きに部分的に切除することにより、
貫通穿孔3−nの群はそれらの端末に置いて隣接の貫通
穿孔3−nと流通自在に連通連結された一条の連続した
蛇行細径トンネルとして形成される。穿孔細孔4−n、
5−nの群は夫々の開口部の口元において充填材7−n
に依って充填封止されてある。充填材7−nは軽金属の
ろう接温度または溶接温度で溶融したり分解してはなら
ない。従ってこの充填材は900℃の高温度にも耐えて
全く変化を生じないものが使用される。またこの充填材
はそのような高温度においてろう接、溶接時に使用され
るフラックスに侵されない材質である必要がある。8は
ろう材であって、軽金属薄板9−1を穿孔細孔4−n、
5−nの群の表面にろう接してそれらを完全な気密状態
に閉鎖密閉している。軽金属薄板9−1は穿孔細孔4−
n、5−nの内径が極めて細い場合は軽金属薄板9−1
を省略してろう材8のみで実施することが出来る。ろう
接、溶接に際しては表面正常化が必要であるが本実施例
の場合実施後の表面に平滑性が要求される場合はこの工
程には表面平滑化手段をも併せて実施する。同様に穿孔
細孔4−n、5−nの内径が極めて細い場合は充填材7
−nも省略して実施することが出来る。また表面表皮の
みの加圧圧縮による変形により開口部口元を閉鎖せしめ
て充填材に替えて実施することも出来る。
【0024】図5は本実施例の端末封止に関する第五工
程を示す断面図である。この工程は前工程迄の作業を準
備工程として出来上がった多孔扁平管1の両端末10−
1、10−2を溶接または圧接により気密に密封封止し
て全体をヒートパイプコンテナとして完成せしめる工程
である。穿孔細孔4−n、5−nの群により連通連結さ
れた貫通細孔の群3−nはこの工程により多孔扁平管1
の中に封じ込められた多数回ターンの細径トンネルヒー
トパイプの密閉コンテナとして構成される。
【0025】上述の五工程を含む工程により構成された
多孔扁平管1のコンテナの中に、内容積の所定の割合の
二相凝縮性作動液を真空封入して細径トンネルプレート
ヒートパイプが完成する。図6はその完成品の平面図で
ある。図においては作動液封入の為に設ける注入細孔は
図示を省略してある。
【0026】本第一実施例においては、隔壁の切除に関
して多孔偏平菅の両端末近傍の隔壁を一壁おきに切除し
ているが、本発明は隣接する細径トンネル間の全ての隔
壁を多孔偏平菅の両端末近傍で前述したような手段と方
法により切除して、隣接するトンネル間が連通せしめら
れている形態である。
【0027】[第二実施例] 本実施例は多孔扁平管が
アルミ系、マグネシューム系金属の如き軽金属の長尺リ
ボン状扁平管であり、トンネルプレートヒートパイプが
適用時に受熱部と放熱部の間を往復蛇行して適用される
長尺リボン状プレートヒートパイプである場合に適用さ
れる。図7は本発明の第二実施例の説明図であって一部
断面の平面図で示してある。本実施例においては多孔扁
平管1のコンテナ内における貫通細孔群3−nの蛇行が
省略されて、貫通細孔3−nはヒートパイプ適用時の多
孔扁平管1の蛇行によって蛇行せしめられることを特徴
とする。図において、隣接する細径トンネル間の全ての
隔壁は、多孔扁平管の両端末から所定の距離を設けて且
つその両端末近傍で、穿孔されて切除され連通せしめら
れている。より具体的には穿孔細孔12、13を、夫々
に軽金属の多孔扁平管1の両端末から所定の距離を設け
て且つ両端末に近接した位置に、扁平金属管1に形成さ
れた並列複数の細径トンネルである貫通細孔3−nの群
に平行な片側端縁若しくは両側端縁から、端縁に直角で
両平面に平行な方向に、放電加工により穿孔し、この穿
孔細孔12、13は貫通細孔3−nの群と交差し、貫通
細孔3−nの相互間の隔壁2−nの群を順次貫通して部
分切除し、多孔扁平管1内の貫通細孔3−nの群の全て
と交差するにいたる深さまで穿孔し、これにより貫通細
孔3−nの群を、その全てがそれらの両端末に近接した
位置において、隔壁切除部6−nにより連結連通せしめ
た平行並列の細径トンネル群として構成せしめてある。
この様にして構成した細径トンネルプレートヒートパイ
プは一条の細径トンネルが蛇行するプレートヒートパイ
プよりトップヒート特性は低下するものの、多数のトン
ネルが平行並列して構成されるから、最大熱輸送能力が
向上する特徴がある。
【0028】
【発明の効果】本発明の細径トンネルプレートヒートパ
イプは次の効果を奏する。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工程押出成形で形成されるから、
これを用いたプレートヒートパイプは従来の製造に要し
た大径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外
形切削工程、細溝パターン形成工程、ラミネート工程が
省略される。従って、細管製造工程の大幅な削減や材料
コストの低減に起因し、細径トンネルプレートヒートパ
イプの製造コスト低減に極めて大きく貢献する。 (2)多孔扁平管は単一軽金属による一工程押出し加工
で製造されるから、完全に軟化されたままであり、金属
間化合物の如き硬化性不純物を含ませず製造することが
出来る。従って完成した細径トンネルプレートヒートパ
イプは極めて柔軟で自由に屈曲せしめて使用することが
出来る。この様な単純な製造工程と構造の簡素な多孔扁
平管化は細管ヒートパイプ技術応用の全てのヒートパイ
プの信頼性も大幅に向上させる。 (3)多孔扁平管の全ての細径トンネル間を、端末近傍
で簡単に連通できるので、細径トンネル同士の連通に当
り加工のコスト及び時間の削減が達成でき、細径トンネ
ルプレートヒートパイプがより安価に製造できる。 (4)多孔扁平管の両端末の封止に当たりキャップを用
いず、そのまま端末を封止するので、封止時間が短縮さ
れ、密閉コンテナとした細径トンネルプレートヒートパ
イプがさらに安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の第一工程の説明図であり
第一工程完了後の一部断面の斜視図である。
【図2】第一実施例の第二工程を示す斜視図である。
【図3】第一実施例の第二工程実施後の内部状態を示す
平面断面の拡大図である。
【図4】第一実施例の第四工程の完了状態を示す多孔扁
平管の平面の断面拡大図である。
【図5】第一実施例の第五工程を示す断面図である。
【図6】第一実施例の全工程完了後の完成品の平面図を
示す。
【図7】本発明の第二実施例の説明図であって一部断面
の平面図である。
【図8】従来の蛇行細管ヒートパイプの構成の説明図で
ある。
【図9】従来のトンネルプレートヒートパイプの構成の
説明図である。
【図10】多孔扁平管ヒートパイプの従来の製造方法の
説明図であって一部断面拡大図で示してある。
【符号の説明】 1 多孔扁平管 2−n 隔壁 3−n 貫通細孔(細径トンネル) 4−n 穿孔細孔 5−n 穿孔細孔 6−n 隔壁切除部 7−n 充填材 8 ろう材 9 軽金属薄板 10−1 溶接封止端 10−2 溶接封止端 21−1 受熱部 21−2 放熱部 22−1 プレート 22−2 薄肉プレート 23−n 細溝(細径トンネル)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図5】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属を素材とし、長さ方向に平行並列
    に整列配置された多数の貫通細孔を有する扁平管に依り
    形成されてあり、貫通細孔はヒートパイプの受熱部と放
    熱部の間を多数回往復蛇行して蛇行細径トンネルとして
    形成される、細径トンネルプレートヒートパイプの製造
    方法であって、多孔扁平管の両端末を所定の形状に切削
    成形する第一の工程、この両端末から所定の距離を設け
    て且つ両端末に近接した位置において、多孔扁平管の貫
    通細孔群に平行な外表面から貫通細孔径の二倍より細い
    内径の細孔を、放電加工、超音波研削加工、研磨加工等
    の軟質軽金属に施しても「バリ」を発生せしめない加工
    方法により穿孔し、この穿孔細孔の位置、深さ、方向等
    に依り扁平管内の貫通細孔間の隔壁を部分的に切除し、
    この貫通細孔群の両端末を所定の連結状態に連結連通せ
    しめて細径トンネル群形成の為の準備構造とする第二の
    工程、端末切削と穿孔に依る管内の汚染及び切粉を洗浄
    除去する第三の工程、穿孔細孔の開口部の口元に、表皮
    面のみの加圧圧縮による口径縮小手段を施すか、または
    所定の材料による充填手段を施すかして、然る後に開口
    部の口元を軽金属薄肉材料の溶接またはろう接により閉
    鎖密閉する第四の工程、多孔扁平管の両端末を所定の構
    造に溶接または圧接して封止し管内を密閉コンテナとし
    て形成する第五の工程、の五工程を含む工程により軽金
    属扁平管からなる密閉コンテナを構成し、然る後に密閉
    コンテナの内容積の所定の割合の二相凝縮性作動液を真
    空封入して構成することを特徴とする細径トンネルプレ
    ートヒートパイプの製造方法。
  2. 【請求項2】 第二の工程は多孔扁平管の両端末から所
    定の距離を設けて且つ両端末に近接した位置に、扁平管
    の両平面の何れかまたは片面側から平面に垂直な方向に
    細孔群を放電加工により穿孔し、この穿孔細孔群により
    貫通細孔群相互間の隔壁を一条おきに部分切除し、且つ
    この隔壁の部分切除は隔壁一条につき一か所であるよう
    反対側の端末における隔壁切除の順序をを一条ずつずら
    して切除することにより、貫通細孔群が一条の蛇行細径
    トンネルとして連結連通される様構成する為の準備工程
    であり、第四の工程は扁平金属管の平面に穿孔した細孔
    群が平面上に開口する開口部の口元のみを、少なくとも
    900℃以上の耐熱性を有し且つ素材軽金属のろう接用
    または溶接用フラックスに対して安定な充填材に依り充
    填閉鎖した後、充填閉鎖部を含むこの扁平管平面に平滑
    化及び清浄化手段を施して、然る後この平面の充填部を
    含む平面の部分またはその全面に、溶接またはろう接手
    段により金属被覆を施して、穿孔された細孔群の開口部
    群の夫々の口元を気密に閉鎖密閉せしめる工程であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の細径トンネルプレート
    ヒートパイプの製造方法。
  3. 【請求項3】 使用する多孔扁平管は長尺リボン状の扁
    平管であり、製造するプレートヒートパイプは適用時に
    は受熱部と放熱部の間を往復蛇行して適用されるもので
    あり、第二の工程は多孔扁平管の両端末から所定の距離
    を設けて且つ両端末に近接した位置に、扁平金属管の貫
    通細孔群に平行な片側端縁若しくは両側端縁から、端縁
    に直角で両平面に平行な方向に、両端末それぞれに一本
    の細孔を放電加工により穿孔し、この穿孔細孔は貫通細
    孔群と交差し、貫通細孔群間の隔壁を順次貫通切除し、
    扁平金属管内の貫通細孔群の全ての細孔と交差するにい
    たる深さまで穿孔し、これにより貫通細孔群はその全て
    がそれらの両端末において、共通細孔により連結連通さ
    れた平行並列の細径トンネル群として構成される工程で
    あることを特徴とする請求項1に記載の細径トンネルプ
    レートヒートパイプの製造方法。
  4. 【請求項4】 第二の工程は多孔扁平管の両端末から所
    定の距離を設けて且つ両端末に近接した位置に、扁平管
    の片側端縁から、端縁に直角で両平面に平行な方向に両
    端末それぞれに一本の細孔を放電加工技術により穿孔
    し、この穿孔細孔は貫通細孔群と交差し、貫通細孔群間
    の隔壁を順次貫通し、扁平管内の貫通細孔群の三分の二
    の数の細孔と交差するにいたる深さまで穿孔するものと
    し、両端末のそれぞれの各一本の穿孔は多孔扁平管の両
    端に近接した位置の両端縁の反対側端縁から穿孔し且つ
    ほぼ相互対称の位置に穿孔するものとし、これにより貫
    通細孔群の三分の一の本数の細孔群が、共通の穿孔細孔
    により連結連通された平行並列の蛇行細径トンネル群と
    して、扁平管内において二回のターンの蛇行をして配設
    された状態に構成される工程であることを特徴とする請
    求項1に記載の細径トンネルプレートヒートパイプの製
    造方法。
JP2000404352A 2000-12-20 2000-12-20 細径トンネルプレートヒートパイプ Pending JP2001227885A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000404352A JP2001227885A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 細径トンネルプレートヒートパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000404352A JP2001227885A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 細径トンネルプレートヒートパイプ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20896695A Division JP3861183B2 (ja) 1995-07-14 1995-07-14 細径トンネルプレートヒートパイプの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001227885A true JP2001227885A (ja) 2001-08-24

Family

ID=18868323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000404352A Pending JP2001227885A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 細径トンネルプレートヒートパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001227885A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7054548B2 (en) 2004-07-14 2006-05-30 Denso Corporation Vibration-flow-type heating-body cooling device
JP2008170136A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Ts Heatronics Co Ltd 2重外壁ヒートパイプ及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7054548B2 (en) 2004-07-14 2006-05-30 Denso Corporation Vibration-flow-type heating-body cooling device
JP2008170136A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Ts Heatronics Co Ltd 2重外壁ヒートパイプ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3438087B2 (ja) リボン状プレートヒートパイプ
EP0753713A2 (en) Method of manufacturing tunnel-plate type heat pipes
KR100436908B1 (ko) 플레이트식 열교환기 및 그 제조방법
US7306027B2 (en) Fluid-containing cooling plate for an electronic component
EP0943884A1 (en) Heat exchanger
JP3861183B2 (ja) 細径トンネルプレートヒートパイプの製造方法
GB2424265A (en) Heat Exchanger including Heat Exchange Tubes with Integral Fins
CN113465430B (zh) 一种基于气液共面结构的超薄热二极管及其制备方法
CN115265240A (zh) 多通道薄热交换器
JP3932518B2 (ja) 細径トンネルプレートヒートパイプの製造方法
KR101233346B1 (ko) 접합금속을 이용한 마이크로 열교환기 및 그의 제조방법
JP2001227885A (ja) 細径トンネルプレートヒートパイプ
CN106403681A (zh) 加强端部的辊弯钎焊工艺加工的微通道扁管
JP2001272188A (ja) 細径トンネルプレートヒートパイプ
US7275409B1 (en) Method for manufacturing a heat pipe having an enlarged portion
JP2006052942A (ja) 細径トンネルプレートヒートパイプの製造方法
CN215832541U (zh) 一种基于气液共面结构的超薄热二极管
CN101776413A (zh) 热交换器及其制造方法
JP2015021159A (ja) 微細通路を備えた熱交換器用Al部材及びその製造方法
CN100437002C (zh) 热管及其制造方法
JPH10339592A (ja) 耐圧構造薄形プレートヒートパイプとその製造方法
CN106767091A (zh) 一种多通道异形扁管及其生产方法
JP2005085887A (ja) 冷却プレート及びその製造方法
JP2011119600A (ja) 放熱板の製造方法及び放熱板
JP2004226032A (ja) 板型ヒートパイプおよびその製造方法