JP2001272188A - 細径トンネルプレートヒートパイプ - Google Patents

細径トンネルプレートヒートパイプ

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JP2001272188A
JP2001272188A JP2000404351A JP2000404351A JP2001272188A JP 2001272188 A JP2001272188 A JP 2001272188A JP 2000404351 A JP2000404351 A JP 2000404351A JP 2000404351 A JP2000404351 A JP 2000404351A JP 2001272188 A JP2001272188 A JP 2001272188A
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heat pipe
flat tube
tube
thin
porous flat
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Hisateru Akachi
久輝 赤地
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Actronics Co Ltd
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Actronics Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/02Tubular elements of cross-section which is non-circular
    • F28F1/022Tubular elements of cross-section which is non-circular with multiple channels

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽金属の一工程押出し成型で得られる極めて
安価な、多孔扁平管を有効利用して、蛇行細管ヒートパ
イプ技術応用の各種プレートヒートパイプの製造コスト
を大幅に低減せしめる。 【構成】 多孔扁平管の両側端末端面側から貫通細孔群
の隔壁を一条おきに所定の深さだけ切除し且つ反対側端
面における切除は相互に一条ずつずらせて実施し、次に
切除部はその最深部から1〜3mmの長さは圧潰せず残
置して扁平管の両端末端縁部を圧潰し、次に圧潰端縁部
を溶接封止した。これにより細孔群は一連の蛇行トンネ
ルとなり、これに所定の手段により所定量の作動液を封
入してプレートヒートパイプを構成した。 [効果] 多孔扁平管の低価格、素材使用量の減少、工
程の短縮化、作業の簡易化、等の相乗効果により製造コ
ストは1/10に低減され、更にヒートパイプとしての
性能及び信頼性が大幅に向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートパイプの製造方法
に関するものであり、特に軽金属を素材とする貫通細孔
群を有する多孔扁平管を用いてなされる安価で且つ高機
能を有する細径トンネルプレートヒートパイプの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は蛇行細管ヒートパイプ技術の応
用でありその改善された製造方法を提供する。蛇行細管
ヒートパイプは従来の二相凝縮性作動液の相変化応用の
ヒートパイプとは異なり、細管内作動液がその表面張力
により常に管内を充填閉塞し、蒸気泡と液滴が交互に管
内全体に分散配置され、受熱部における作動液の核沸騰
による圧力波により、蒸気泡と液滴の軸方向振動を発生
し、その振動により熱量を高温部から低温部に輸送する
ものであった。この様な作動原理は本発明者が発明し実
用化した特許第1881122号(ループ型細管ヒート
パイプ)、特公平6−97147号(ループ型細管ヒー
トパイプ)及び特開平4−251189号(マイクロヒ
ートパイプ)に詳述されてある通りであり、数多くの実
施態様にて実用化されている。 その特徴とする所は通
常ヒートパイプが不可能とするトップヒートモードにお
いても極めて良好な熱輸送特性を示すことを初めとし
て、自在に屈曲せしめて使用することが出来る、薄肉軽
量のプレートヒートパイプを構成することが出来る、フ
ィン群の装着を必要としないから全体的に容積を小さく
することが出来る、等の実装上の多くの利点があり、近
来の業界の要望として装置の小型化軽量化の傾向が強ま
り実装上の困難が増加しつつあることににより、その市
場が拡大しつつある。
【0003】これらの蛇行細管ヒートパイプの応用とし
て実用化されている最も先進的な技術として特願平5−
241918号(プレート形ヒートパイプ)がある。こ
れは厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に蛇行細径ト
ンネルヒートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイ
プであって、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に
熱量を拡散せしめたり熱量を輸送せしめたりすることを
可能にするもので、今後の電子機器等に不可決の新技術
として市場が拡大しつつある。
【0004】これらの蛇行細管ヒートパイプ技術の構成
において最も重要な第一の点は細管の内径が十分に細
く、作動液がその表面張力により常に内径を充填閉塞し
てそのままの状態で管内を移動するように構成されてあ
り、細管内は作動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互
に配置されて充満されてあることであり、次に重要な点
は細管は高温部と低温部の間を往復蛇行して多数の作動
液蒸発部と多数の作動液凝縮部を有することである。蛇
行細管ヒートパイプの蛇行ターン数が多い程ヒートパイ
プの性能の重力依存性が少なくなる特徴がありこれが蛇
行細管ヒートパイプに優れた特性を与える。
【0005】従来の蛇行細管ヒートパイプの製造方法は
まず細管の製造に始まる。その第一工程はインゴットま
たはビュレットの鋳造工程である。第二工程はプレス押
出しによる大径中空管の押出成形工程である。第三工程
は大径中空管から細管に至るまで多数の工程を経て細径
化せしめる伸管工程である。この工程は外径を規制する
ダイスと内径を規制するプラグを用いて引抜成形により
実施される。必要とする細管が得られるまでにはこのダ
イス及びプラグによる数十パスの引抜工程が必要であ
る。
【0006】この様にして得られた細管は屈曲成形機に
より蛇行成形されて蛇行細管に形成される。その後の工
程としては端末封止工程、高真空脱気工程、作動液封入
工程、を経て蛇行細管ヒートパイプが完成する。
【0007】図6は上述の如き製造工程で構成されるル
ープ型蛇行細管ヒートパイプ11の基本的な構造を示
す。細管コンテナは加熱手段Hと冷却手段Cの間を多数
回の往復蛇行を繰り返しながら全体としてはループ型に
構成される。受熱部11−1及び放熱部11−2は何れ
も多数の直管部と多数のターン部から構成されてある。
【0008】図7によって蛇行細径トンネルヒートパイ
プの製造方法を説明する。図7はこのプレートヒートパ
イプの構成を明らかにするため一部断面の斜視図で示し
てある。その製造方法は純銅または純アルミ等の平板1
2−1を素材とする外形切削が第一の工程である。第二
の工程においては外形切削された平板12−1の片側平
面に所定の幅、深さ、蛇行形状の細溝パターン13−n
が切削またはホトエッチングで形成される。第三の工程
はラミネート工程であり、パターンが形成された平板1
2−1をパターン面を内側にパターンの形成されていな
い薄肉平板12−2と積層接着して、蛇行細径トンネル
を内蔵した平板12を構成する。この工程には高温高圧
を必要とし特殊な高度の技術が必要である。第四の工程
で蛇行細径トンネル内を高真空に脱気した後、所定量の
作動液を封入封止して蛇行細径トンネルヒートパイプと
して完成させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】蛇行細管ヒートパイプ
技術は上述の様な多くの優れた特徴を有する反面、その
製作コストが嵩む点が問題点となっている。即ち細管そ
のものの形成に数多くの工程と加工時間を必要とし高価
なものとなっている。更に細管ヒートパイプとして高性
能を発揮せしめる為には多くの蛇行ターン数を必要と
し、細管群の整列配置に多くの加工時間を必要とし、こ
の作業は自動化が困難である為コスト低減に困難さがあ
った。
【0010】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術であり、その用途は極めて広く、
従来技術のあらゆる部門でその活用に依る改善が期待さ
れている。然しその製造には、薄肉金属プレートの片面
に精細な蛇行細溝を切削する高度な技術、この金属プレ
ートの複数枚を積層溶接して蛇行細径トンネルを内蔵し
たプレートに構成する高度な技術、等が不可欠であり、
それらに起因して最先端高級機器以外には適用が困難な
程に、高価格なプレートになる点が問題点であり、他の
従来技術に広く適用して技術的改善を実施する為には、
その大幅なコストダウンの必要性が重要な課題となって
いる。
【0011】本発明は各種業界の強い要望に応えて、蛇
行細管ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、
上記の課題を解決して大幅なコスト低減を可能にする細
径トンネルプレートヒートパイプの新規な製造方法を提
供する。
【0012】
【課題を解決する為の手段】近来のプレス押出成型技術
の進歩は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシゥム系金
属の如き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方向
に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有するテ
ープ状多孔扁平管の製作が可能になっている。この貫通
細孔の直径は0.9mm以下に細径化することが可能で
あり、僅かに幅20mmm以下、厚さ1.3mm以下の
テープ状扁平管の中に20本もの貫通細孔を設けること
が可能になっている。更にその長さは数100mの長さ
に形成することが可能である。この様な多孔扁平管は薄
肉であり且つ軽金属の押出成型品であるから極めて可撓
性に富み、自在に屈曲せしめて使用することが出来る。
【0013】この様な多孔扁平管の両端末を溶接封止
し、その貫通細孔群を両端末にてターンを繰り返す所定
の本数の蛇行細径トンネルとして再成形することが可能
であれば、この多孔扁平管を用いて安価で且つ機能の優
れたリボン状の細径トンネルプレートヒートパイプを構
成することが出来る筈である。本発明は多孔扁平管のこ
の様な点に着目して発想されたもので、以下に課題を解
決する為の手段としての多孔扁平管を用いた蛇行細径ト
ンネルを内蔵したプレートヒートパイプの製造方法につ
いて述べる。
【0014】本発明の蛇行細径トンネルを内蔵した多孔
扁平管ヒートパイプの基本的な製造方法は以下の五工程
を含む工程である。図面による説明は実施例と重複する
ので省略する。軽金属を素材とし、管内にその長さ方向
に平行並列に整列配置され、且つ其等各々の流体直径が
3mm以下の多数の貫通細孔を有し且つ厚さ1mm乃至
4mmに含まれる所定の厚さの多孔扁平管の両端末の端
縁を所定の形状に切削成形する第一の工程、多孔扁平管
の両端末において貫通細孔間の隔壁を一条おきにまたは
複数条おきに、一条ずつまたは複数条ずつ、多孔扁平管
の両端縁から3mm以上10mm以下の範囲を標準とす
る所定の深さに至るまで切除し、この隔壁の切除部は多
孔扁平管の両端末側において切除隔壁を一条ずつまたは
複数条ずつずらして切除するのとし、この切除手段は放
電加工、超音波研削加工、高水圧研磨加工の何れかの加
工方法である第二の工程、上記切除部深さに対応し多孔
扁平管の両端縁から所定の長さに至る部分を貫通細孔群
が気密に閉鎖する迄圧潰し、且つこの圧潰は上記切除部
深さの最深部から1mm乃至3mmの範囲を標準とする
距離の部分は閉鎖せしめることなく残置せしめて圧潰す
る第三の工程、この圧潰部を溶接またはろう接により完
全に密閉し管内を耐内圧性の良好な密閉コンテナとして
形成する第四の工程、然る後にこの密閉コンテナにその
内容積に対する所定の割合の量の二相凝縮性作動液を所
定の手段により真空封入しヒートパイプとして構成する
第五の工程。これらの工程の中で最も重要な工程は第二
の工程の隔壁の除去であって、これにより貫通細孔群は
最終的に一条のまたは複数条並列の蛇行細径トンネルと
して再加工されることになる。各工程の中で次に重要な
工程は第三の工程の多孔扁平管の両端末部における圧潰
であって、これにより端末封止溶接時の溶融金属がトン
ネル内に侵入することを防ぎ、更に重要なこととしてト
ンネルの蛇行ターン部となる隔壁切除部の圧潰残置部分
を必要最小限にとどめることを可能にし、蛇行細径トン
ネルの機能の低下を防ぐことが出来る。
【0015】
【作用】このような細径トンネルプレートヒートパイプ
の製造方法には次のような作用がある。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工程押出成形で形成されるから大
径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外形切
削工程、蛇行細溝パターン形成工程、ラミネート工程が
省略される。この中で極めて高度な技術と高級高価な設
備を必要とする蛇行細溝パターン形成工程とラミネート
工程の省略は細径トンネルプレートヒートパイプのコス
ト低減に極めて大きく貢献する。 (2)多孔扁平管は一例として厚さ1.9mm、幅20
mmの扁平管1本で内径1mm相当の貫通細孔20本を
有するから、性能的に内径1mmの蛇行細管20本に相
当する性能を発揮する。このようであるから蛇行細管ヒ
ートパイプの蛇行受放熱部を多孔扁平管に替えて形成す
る場合扁平管の使用本数を大幅に減少せしめることが可
能になる。このことはa.材料費用の大幅な削減。b.
屈曲加工費の大幅な削減。c.管の整列配置の為の加工
費の大幅な削減を意味する。 (3)多孔扁平管を受放熱部間を往復合蛇行せしめて形
成する場合は、蛇行回数は扁平管の蛇行回数と扁平管内
の蛇行の相乗積と同等の効果を発揮し性能が著しく向上
する。また扁平管内のトンネルを並列トンネルとする場
合は夫々のトンネルの蛇行回数は減少するがトンネルの
条数の増加分だけ最大熱輸送量を増加せしめることが出
来る。これらの点を組合わせ有効に活用して、目標とす
る性能を発揮せしめる為の多孔扁平管コンテナ使用長さ
を減少せしめることが出来る。 (4)多孔扁平管の両端末端面の封止にはキャップのろ
う接を必要とせず、圧潰のままの溶接接合や圧接接合及
び抵抗溶接接合が可能になり、簡易な構造になるから封
止の為の時間が大幅に短縮され、溶接強度が増加し、信
頼性が向上する。 (5)放電加工に依る細管群両端末の処理は「バリ」の
発生を皆無とし、作業ミスの発生を皆無にすることに依
り歩留を向上せしめ、「バリ」取りの為の無為な時間を
無くし、端末の処理時間を大幅に短縮せしめてコスト低
減に大きく貢献する。また放電加工用電極の数を増加せ
しめることに依り、細管群両端末の処理の為の細管穿孔
は一括して一工程で実施することが出来る。本発明の細
径トンネルプレートヒートパイプの製造方法は上述の如
き材料使用量の削減及び加工作業の容易さ等に依り従来
の蛇行細管ヒートパイプ及びトンネルプレートヒートパ
イプの製造方法に比較して大幅なコスト低減を実現す
る。
【0016】
【実施例】[第一実施例]図1〜図4は夫々本発明製造
方法の第一実施例製造工程の説明図である。この実施例
は本発明の製造方法の基本に従っており、基本構造の説
明において図面による説明を省略したので本説明におい
ては基本構造の説明を兼ねて説明する。図1は多孔扁平
管の両端末を所定の形状に切削成形する第一の工程が終
了した状態を示す斜視図である。1は多孔扁平管、2−
nは貫通細孔群3−nの相互間の隔壁群である。図にお
いて所定の形状としては端面は直交直線状に切断してあ
る。この端面切断は傾斜角をなして切断する場合も、曲
線状に切断する場合もある。軟質軽金属の多孔扁平管を
その様に切断する場合、一般には「バリ」の発生や、貫
通細孔群3−nの口元の変形など防ぎ、または発生した
「バリ」の除去をする作業など困難な仕事を伴うもので
ある。然し本発明においては後に説明するごとく端面に
は断面の平面精度が要求されないから、「バリ」の発生
や、細孔群の閉塞についての配慮の必要がなく、無造作
に剪断切断するだけで良い。従って極めて短時間で切断
加工が完了するこの製造方法は本発明の製造方法の大き
な利点である。
【0017】図2は本発明製造方法の第二工程完了後の
多孔扁平管の内部状態を示す平面断面図である。第二工
程は多孔扁平管1の貫通細孔3−nの群の隔壁2−nを
多孔扁平管1の両端末側から一条おきに所定の深さまで
部分切除する工程である。隔壁の部分切除作業は最終的
に形成される蛇行細径トンネルの相互に隣接するトンネ
ル間の作動液の相互連通部分を形成し、トンネルを蛇行
せしめる為の連通孔を形成する為の準備作業である。隔
壁切除部の片側端末の隔壁切除部4−nと他の片側端末
の隔壁切除部5−nとは一条ずつずらして切除するもの
とし、即ち切除部は各隔壁の一条につき一個所であるよ
う切除する。またこの工程により貫通細孔3−nはその
端末において順次隣接する貫通細孔3−nと流通自在に
連結されることになり、後工程で蛇行細径トンネルとし
て形成する為の基本構造となる。
【0018】図2においては隔壁の切除は扁平管1の両
端末側から一条おきに切除してあるが、これは図面の通
りに限定するものではない。図面においては一条の細径
トンネルが蛇行する蛇行細径トンネルを構成する場合の
製造方法を示してある。複数条並列の蛇行細径トンネル
を構成する場合は両端末側から複数条おきに複数条ずつ
切除し、各端末側においては切除は相互に複数条ずつず
らせて切除する。この複数並列の蛇行細径トンネルの構
成は振動または循環する作動液量を増加せしめて最大熱
輸送量の大きなプレートヒートパイプを提供する。
【0019】切除部の深さの標準は多孔扁平管1の両端
末端縁から少なくとも4mm以上大くとも10mm以下
の範囲である。この深さは後の工程における多孔扁平管
1の端縁封止の為に必要な深さである。然しこの深さは
あくまでも端縁封止の為に必要な深さであって、プレー
トヒートパイプの取り付け穴等を設ける為のスペースが
必要な場合や作動液封入時のかしめ部分のスペースを必
要とする場合はそれに応じて標準より深く切除して次工
程における端縁圧潰部面積を拡大せしめるする必要があ
る。本発明においては隔壁2−nの切除手段としては放
電加工、超音波研削加工、高水圧研磨加工の何れかの加
工方法により切削する。これは軟質軽合金の切削による
「バリ」の発生を生じさせない為であり、「バリ」の発
生は完成後のプレートヒートパイプの性能を低下せしめ
また信頼性を低下せしめる。この工程では切削により必
然的に発生する微粉末を除去する洗浄作業が必要で、あ
り第二工程にはこの作業も含まれる。
【0020】図3は本発明製造方法の第三工程完了後の
多孔扁平管1の断面図を示す。この工程は多孔扁平管1
の両端末を封止する為の準備工程である。図において6
−1、6−2は圧潰部であって、隔壁切除部4−n、5
−nの切除深さに対応し多孔扁平管の両端末から所定の
長さに至る部分を貫通細孔群3−nが完全に閉鎖する迄
圧潰してある。この圧潰部6−1、6−2は上記切除部
深さの最深部から1mm乃至3mmの範囲の部分は閉鎖
せしめることなく残置せしめて圧潰する所にその特徴が
ある。この圧潰構造は一見何の変哲もなく容易に考えら
れる構造に見えるが、この構造に到達するまでには多く
の端末封止方式についての試行錯誤の末に到達したもの
であり、各種の端末封止方式の中で、溶接またはろう接
時の熔融金属が貫通細孔3−nまたは隔壁切除部4−
n、5−nを閉塞せしめる危険のない唯一の製造方法で
ある。この結論に到達する迄には数多くの試作と長い試
験期間が必要であった。4−n、5−nの圧潰残置部
(隔壁切除部)は切除部の最深部から1〜3mmのみを
圧潰されない部分として残置してある部分である。この
部分は蛇行細径トンネルヒートパイプが構成された時の
隣接トンネル相互間の連通部分即ち蛇行ターン部に相当
するものであり、この長さは細径トンネルの内径(流体
直径)に等しい場合がトンネルプレートヒートパイプに
最も良好な性能を与えることが理論的にも実験的にも分
かっている。然し各種の他の端末端縁封止方式において
は溶接時の熔融金属に依る閉塞の危険があることにによ
り、隣接トンネル間相互の連結長さ(隔壁切除部圧潰残
置部長さ)をこのように小さくすることは不可能であっ
た。本第3工程における、隣接トンネル間相互の連結長
さを隔壁切除部の圧潰残置部長さにより決定するこの発
想に依り、隣接トンネル間相互の連結長さを流体直径と
同等の1〜3mmとすることが初めて可能になった。
【0021】図4は本発明製造方法の第四工程の完了状
態をを示す多孔扁平管1の一部断面側面図である。この
工程は多孔扁平管1の両端末端縁を溶接またはろう接す
ることに依り気密に封止し、貫通細孔群を蛇行細径トン
ネルコンテナとして完成せしめる工程である。図におい
て6−1、6−2は多孔扁平管1の両端末における圧潰
部であり、7−1、7−2はその端縁の溶接封止部(ま
たはろう接封止部)である。この部分は端縁を気密に封
止するだけでなく、溶融金属は毛管作用に依り圧潰接合
部の微細間隙に侵入し、その部分を完全に一体化せしめ
ている。このような封止部の気密信頼性は抜群であり、
熟練作業者で無くても作業ミスは殆ど発生せず耐圧検査
の必要が無い程である。更に耐内圧強度は素材の多孔扁
平管の耐内圧強度よりかえって強くなる程であり、例え
ば厚さ2mm、幅20mm、貫通細孔の流体直径1.8
mm、貫通細孔の数20本の多孔扁平管の両端末端縁部
を本実施例にて封止した場合の耐内圧強度は150Kg
f/cmを優に越えるものである。これに対し他の製
造方法に依る場合例えばキャップに依るろう接封止の場
合は耐内圧強度はほぼ40kgf/cmにすぎない。
またキャップに依るろう接封止の場合は作業者の熟練度
に依り信頼性が著しく異なり全数検査の必要があり、検
査に際しては時に依ると上記と同じ例で20Kgf/c
の内圧にも絶えられない場合が発生するものであっ
た。
【0022】図8は一般的に考えられる他の製造方法に
よる多孔扁平管の端末封止方法の一例であるキャップろ
う接に依る封止方法の説明図である。図において14は
封止キャップである。封止キャップは素材多孔扁平管よ
り厚肉広幅になっている。封止キャップ14と多孔扁平
管1とは気密にろう接されて端面を封止している。
【0023】また本実施例に依ると溶接またはろう接の
熔融金属は毛管作用に依り微細間隙に侵入して接合する
するのみで、隔壁切除部の圧潰残置部4−n、5−nの
中に流入してこれを閉塞せしめる恐れは全くない。多孔
扁平管ヒートパイプの他の製造方法の場合例えばキャッ
プろう接に依る封止の如き場合はキャップろう接用の余
剰のろう材が流入して貫通細孔(細径トンネル)を閉塞
せしめる事故が多発する為X線に依る全数検査が必要で
あり、更に作業者の熟練度に依る品質差異が大きく検査
合格品でもヒートパイプとしての信頼性が不安定である
欠点があった。
【0024】更に本実施例の封止部の厚さは素材多孔扁
平管よりも厚くなることが無いので完成プレートヒート
パイプの適用に際して発熱体間に挿入して使用したり、
貼りつけて使用したりする場合に容易に密着せしめるこ
とができる等の利点がある。他の製造方法に依る一例と
して例えばキャップろう接に依る封止の場合は素材多孔
扁平管より封止部の厚さが大幅に厚くなることに依り、
扁平管の薄さの利点が損なわれることが多かった。
【0025】[第二実施例]多孔扁平管に依り蛇行細径
トンネルプレートヒートパイプを製造する場合その実施
に際しては作動液注入細管を取りつけること無しにはそ
の実施は不可能である。この場合は所定の貫通細孔の端
末に予め細管を溶接またはろう接により接続しておき、
然る後この部分を避けて端縁部を圧潰し、残置された細
管を作動液注入細管として適用する。またループ型トン
ネルプレートヒートパイプとして構成する場合には多孔
扁平管の貫通細孔の最外側の端末を細管で相互に連結す
る必要がある。このような場合は予め最外側の貫通細孔
の端末にこれらを連結する細管をろう接または溶接に依
り連結しておき、その部分は圧潰対象から除外して圧潰
を実施する必要がある。図5にはそのような第2実施例
を示してある。図においてはその一例として貫通細孔の
最外側の端末に作動液注入細管8を予め溶接して実施し
た例を示してある。
【0026】図5は本発明の第一実施例及び第2実施例
を適用して完成したプレートヒートパイプの第一実施例
第5工程実施の直前の構成状態を示す一部断面の平面図
である。第5工程は第四工程の完了し密閉コンテナとな
った多孔扁平管1の中を作動液注入細管8を介して高度
に真空脱気を施した後内容積に対する所定の割合の二相
凝縮性作動液を注入した後作動液注入細管8を溶接封止
して細径トンネルプレートヒートパイプとして完成させ
る。図中の矢印は作動液の連通状態を示してある。
【0027】
【発明の効果】上述の如き本発明に掛る細径トンネルプ
レートヒートパイプの製造方法は次の如き効果を発揮す
る。 (1)リボン状多孔扁平管の一本はその表面積において
数倍、作動液の振動エネルギー量または循環量において
十数倍、であるから純銅細管の代替として適用する場合
の必要長さは数分の一に減少する。厚さ2mm幅20m
mの多孔扁平管の市場価格は外径3mm内径2mmの純
銅細管の市場価格の1.5倍に過ぎない。したがって多
孔扁平管を有効利用したヒートパイプは材料コストを数
分の一に削減することが出来る。 (2)使用量が数分の一になるから曲げ加工作業等の部
品加工時間を数分の一に削減することが出来る。 (3)使用本数が数分の一に減少し、構成が簡素化され
るので組立加工時間も数分の一に削減することが出来
る。 (4)細管ヒートパイプは発熱素子搭載に際してはまず
搭載用プレートを取りつけてこれを仲介せしめて搭載を
実施するる必要がありその為の付加的作業が発生する。
これに対して多孔扁平管ヒートパイプの場合は、その平
面にそのままで発熱素子を直接搭載することが可能であ
るから、プレートを仲介せしめる為の付加的作業が不必
要となり、実装費用が削減出来る。 (5)細管ヒートパイプは熱伝達率が大きいからそれ自
身を放熱フィンとして適用できる利点がある反面ヒート
パイプ表面の放熱性能に限りがある点が欠点であり、所
定の性能に対して比較的多数のターン数を必要とし、曲
げ加工に要する時間が増加する欠点があった。。多孔扁
平管ヒートパイプには蛇行薄肉テープを高性能フィンと
して装着することが容易であるから、細管ヒートパイプ
より高い放熱部を構成することが出来る。従って多孔扁
平管ヒートパイプはその必要長さを大幅に短くすること
が出来る上に、フィン装着は炉中ろう接により一括ろう
接することが出来るから全体として放熱部形成時間を大
幅に削減することが出来る。 (6)細管ヒートパイプは従来のアルミヒートシンクよ
り大幅に軽量化することが可能であったが、多孔扁平管
ヒートパイプを有効利用する場合は更に約1/3に軽量
化することが可能である。従って軽量化により、作業上
の手扱いが容易且つ迅速化され加工時間を大幅に短縮せ
しめることが出来る。 (7)従来のトンネルプレートヒートパイプはその製作
に極めて高度な技術を必要とした。特に薄肉平板に精細
なトンネルパターンを切削する技術、及びトンネルパタ
ーンを切削した薄肉平板の複数枚を積層ラミネートして
蛇行細径トンネルを内蔵せしめた薄肉平板に形成する技
術、は高度な最新技術を必要とすると共に極めて特殊な
且つ高価大型な設備を使用する必要があり、その製作費
は想像を絶するほどに高価なものであった。それに対し
て多孔扁平管はそのような製作工程を全く必要としない
から製作費用は数十分の一に低減される。 (8)本発明の製造方法による多孔扁平管の端末封止方
法は、無造作な剪断作業と数秒で加工出来る一括放電加
工による隔壁切除作業とその端縁溶接作業とからなり、
極めて迅速簡易な作業で実施出来るから、歩留が良好で
信頼性が高く、考え得る如何なる端末封止方法より迅速
安価に製造することが出来る。 (9)多孔扁平管ヒートパイプはその厚さが極めて薄く
放熱性が良好であり、更に貫通細孔群の夫々の流体直径
が細径化されることにより更に放熱特性が改善され、蛇
行細管ヒートパイプより性能が大きく改善される。本発
明の製造方法は上述の各項の総合効果により、従来のト
ンネルプレートヒートパイプの製造方法に比較して製造
コストを1/10以下に削減することが可能であり、更
に放熱器として構成する場合大幅な放熱性能の向上を図
ることが出来る。従来のトンネルプレートヒートパイプ
は業界の強い要望を満足せしめるヒートパイプであるに
も拘らず市場拡大が困難であった。その要因は価格が高
価な点のみであったから今後は大幅な市場拡大が期待さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法の第一実施例の第一工程を説明
する斜視図である。
【図2】本発明製造方法の第一実施例の第二工程を示す
平面断面図である。
【図3】本発明製造方法の第一実施例の第三工程を示す
側面断面図である。
【図4】本発明製造方法の第一実施例の第四工程を示す
一部断面側面図である。
【図5】本発明製造方法の第一実施例の第五工程を示す
一部断面平面図であり、同時に第二実施例をも説明する
一部断面平面図である。
【図6】従来のループ型蛇行細管ヒートパイプの基本構
造を示す説明図である。
【図7】従来のトンネルプレートヒートパイプの製造方
法を説明する一部断面斜視図である。
【図8】他の製造方法による端末端面封止方法の一例の
説明図である。
【符号の説明】
1 多孔扁平管 2−n 隔壁 3−n 貫通細孔 4−n 隔壁切除部 5−n 隔壁切除部 6−1 圧潰部 6−2 圧潰部 7−1 溶接封止部 7−2 溶接封止部 8 作動液注入細管 11 ループ型蛇行細管ヒートパイプ 11−1 放熱部 11−2 受熱部 12 トンネルプレートヒートパイプ 12−1 平板 12−2 薄肉平板 13−n 細孔パターン 14 封止キャップ C 冷却手段 H 加熱手段
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月26日(2000.12.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 細径トンネルプレートヒートパイプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプレート型のヒート
パイプに関するものであり、特に軽金属を素材とする貫
通細孔群を有する多孔扁平管を用いた細径トンネルプレ
ートヒートパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】細管ヒートパイプは従来の二相凝縮性作
動液の相変化応用のヒートパイプとは異なり、細管内作
動液がその表面張力により常に管内を充填閉塞し、蒸気
泡と液滴が交互に管内全体に分散配置され、受熱部にお
ける作動液の核沸騰による圧力波により、蒸気泡と液滴
の軸方向振動を発生し、その振動により熱量を高温部か
ら低温部に輸送するものであった。この様な作動原理は
本発明者が発明し実用化した特許第1881122号
(ループ型細管ヒートパイプ)、特公平6−97147
号(ループ型細管ヒートパイプ)及び特開平4−251
189号(マイクロヒートパイプ)に詳述されてある通
りであり、数多くの実施態様にて実用化されている。そ
の特徴とする所は通常ヒートパイプが不可能とするトッ
プヒートモードにおいても極めて良好な熱輸送特性を示
すことを初めとして、自在に屈曲せしめて使用すること
が出来る、薄肉軽量のプレートヒートパイプを構成する
ことが出来る、フィン群の装着を必要としないから全休
的に容積を小さくすることが出来る、等の実装上の多く
の利点があり、近来の業界の要望として装置の小型化軽
量化の傾向が強まり実装上の困難が増加しつつあること
により、その市場が拡大しつつある。
【0003】これらの細管ヒートパイプの応用として実
用化されている最も先進的な技術として特願平5−24
1918号(プレート形ヒートパイプ)がある。これは
厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に細径トンネルヒ
ートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイプであっ
て、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に熱量を拡
散せしめたり熱量を輸送せしめたりすることを可能にす
るもので、今後の電子機器等に不可決の新技術として市
場が拡大しつつある。
【0004】これらの細管ヒートパイプ技術の構成にお
いて最も重要な第一の点は細管の内径が十分に細く、作
動液がその表面張力により常に内径を充填閉塞してその
ままの状態で管内を移動するように構成されてあり、細
管内は作動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互に配置
されて充満されてあることであり、次に重要な点は細管
は高温部と低温部の間を移動して多数の作動液蒸発部と
多数の作動液凝縮部を有することである。細管ヒートパ
イプの蛇行ターン数が多い程ヒートパイプの性能の重力
依存性が少なくなる特徴がありこれが蛇行細管ヒートパ
イプに優れた特性を与える。
【0005】従来の細管ヒートパイプの製造方法はまず
細管の製造に始まる。その第一工程はインゴットまたは
ビュレットの鋳造工程である。第二工程はプレス押出し
による大径中空管の押出成形工程である。第三工程は大
径中空管から細管に至るまで多数の工程を経て細径化せ
しめる伸管工程である。この工程は外径を規制するダイ
スと内径を規制するプラグを用いて引抜成形により実施
される。必要とする細管が得られるまでにはこのダイス
及びプラグによる数十パスの引抜工程が必要である
【0006】この様にして得られた細管は、屈曲成形機
により蛇行成形されて蛇行細管に形成される。その後の
工程としては端末封止工程、高真空脱気工程、作動液封
入工程、を経て蛇行細管ヒートパイプが完成する。
【0007】図6は上述の如き製造工程で構成されるル
ープ型細管ヒートパイプ11の基本的な構造を示す。細
管コンテナは加熱手段Hと冷却手段Cの間を多数回の往
復蛇行を繰り返しながら全体としてはループ型に構成さ
れる。受熱部11−1及び放熱部11−2は何れも多数
の直管部と多数のターン部から構成されてある。
【0008】図7によって細径トンネルヒートパイプの
製造方法を説明する。図7はこのプレートヒートパイプ
の構成を明らかにするため一部断面の斜視図で示してあ
る。その製造方法は純銅または純アルミ等の平板12−
1を素材とする外形切削が第一の工程である。第二の工
程においては外形切削された平板12−1の片側平面に
所定の幅、深さ、ターン形状の細溝パターン13−nが
切削またはホトエッチングで形成される。第三の工程は
ラミネート工程であり、パターンが形成された平板12
−1をパターン面を内側にパターンの形成されていない
薄肉平板12−2と積層接着して、細径トンネルを内蔵
した平板12を構成する。この工程には高温高圧を必要
とし特殊な高度の技術が必要である。第四の工程で細径
トンネル内を高真空に脱気した後、所定量の作動液を封
入封止して細径トンネルヒートパイプとして完成させ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】細管ヒートパイプ技術
は上述の様な多くの優れた特徴を有する反面、その製作
コストが嵩む点が問題点となっている。即ち細管そのも
のの形成に数多くの工程と加工時間を必要とし高価なも
のとなっている。更に細管ヒートパイプとして高性能を
発揮せしめる為には多くのターン数を必要とし、細管群
の整列配置に多くの加工時間を必要とし、この作業は自
動化が困難である為コスト低減に困難さがあった。
【0010】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術であり、その用途は極めて広く、
従来技術のあらゆる部門でその活用に依る改善が期待さ
れている。然しその製造には、薄肉金属プレートの片面
に精細なターン細溝を切削する高度な技術、この金属プ
レートの複数枚を積層溶接して細径トンネルを内蔵した
プレートに構成する高度な技術、等が不可欠であり、そ
れらに起因して最先端高級機器以外には適用が困難な程
に、高価格なプレートになる点が問題点であり、他の従
来技術に広く適用して技術的改善を実施する為には、そ
の大幅なコストダウンの必要性が重要な課題となってい
る。
【0011】本発明は各種業界の強い要望に応えて、細
管ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、上記
の課題を解決して大幅なコスト低減を可能にする軽金属
多孔偏平菅を用いた新規な細径トンネルプレートヒート
パイプを提供する。
【0012】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため、
本発明の細径トンネルプレートヒートパイプは、二相凝
縮性の作動液が所定の割合で真空封入された並列複数の
細径トンネルを有する細径トンネルプレートを備え、前
記作動液が前記細径トンネル内を充填閉塞し、蒸気泡と
液滴が交互に該トンネル内に分散配置されて熱量を輸送
するプレート型のヒートパイプにおいて、前記細径トン
ネルプレートが、アルミ系、マグネシューム系の如き軽
金属の多孔偏平菅であって前記細径トンネルが押出形成
により形成されており、該多孔偏平菅の偏平厚さが1m
m乃至4mmであり、さらに前記細径トンネル間の隔壁
が前記多孔扁平管の端縁から所定の深さに至るまで切除
されて隣接する前記細径トンネル間が前記多孔偏平菅の
端末近傍で連通しているとともに、該隔壁切除部の深さ
に対応して前記多孔扁平管の両端縁から所定の長さに至
る部分を圧潰し、且つこの圧潰は前記隔壁切除部深さの
最深部から所定の範囲の距離を閉鎖せしめることなく残
置せしめた圧潰であり、この圧潰部を完全に密閉一体化
せしめたことを特徴とする。
【0013】この発明では、次の効果を発揮する。
(1)従来のトンネルプレートヒートパイプはその製作
に極めて高度な技術を必要とした。特に薄肉平板に精細
なトンネルパターンを切削する技術、及びトンネルパタ
ーンを切削した薄肉平板の複数枚を積層ラミネートして
細径トンネルを内蔵せしめた薄肉平板に形成する技術、
は高度な最新技術を必要とすると共に極めて特殊な且つ
高価大型な設備を使用する必要があり、その製作費は想
像を絶するほどに高価なものであった。それに対して、
細径トンネルを押し出し形成した軽金属の多孔扁平管は
そのような製作工程を全く必要としないから製作費用は
数十分の一に低減される。従って、細径トンネルプレー
トヒートパイプの製造コストが大幅に低減できる。
【0014】(2)従来の細管ヒートパイプは発熱素子
搭載に際してはまず搭載用プレートを取りつけてこれを
仲介せしめて搭載を実施する必要がありその為の付加的
作業が発生する。これに対して、細径トンネルを押し出
し形成した軽金属の多孔扁平管を用いたプレートヒート
パイプの場合は、その平面にそのままで発熱素子を直接
搭載することが可能であるから、プレートを仲介せしめ
る為の付加的作業が不必要となり、実装費用が削減出来
る。
【0015】(3)従来の細管ヒートパイプは熱伝達率
が大きいからそれ自身を放熱フィンとして適用できる利
点がある反面ヒートパイプ表面の放熱性能に限りがある
点が欠点であり、所定の性能に対して比較的多数のター
ン数を必要とし、曲げ加工に要する時間が増加する欠点
があった。しかしながら、細径トンネルを押し出し形成
した軽金属の多孔扁平管を用いたプレートヒートパイプ
には薄肉テープを高性能フィンとして装着することが容
易であるから、従来の細管ヒートパイプより高い放熱部
を構成することが出来る。従って多孔扁平管を用いたプ
レートヒートパイプはその必要長さを大幅に短くするこ
とが出来る上に、フィン装着は炉中ろう接により一括ろ
う接することが出来るから全体として放熱部形成時間を
大幅に削減することが出来る。
【0016】(4)偏平厚さが1mm乃至4mmの薄い
多孔扁平管を用いたプレートヒートパイプは放熱性が良
好であり、更に貫通細孔群の夫々の流体直径が細径化さ
れることにより更に放熱特性が改善され、従来の細管ヒ
ートパイプより性能が大きく改善される。
【0017】(5)多孔扁平管の隣接する前記細径トン
ネル間を、端末近傍で簡単に連通できるので、細径トン
ネルの連通に当たって加工のコスト及び時間の削減が達
成でき、細径トンネルプレートヒートパイプがより安価
に製造できる。
【0018】(6)細径トンネル間の連通を損なうこと
なく圧潰した圧潰部を密閉一体化しているので、キャッ
プのろう接を必要とせず封止時間が短縮され接合強度が
増加する。従って、信頼性のある密閉コンテナとした細
径トンネルプレートヒートパイプがさらに安価に製造で
きる。
【0019】
発明の実施の形態】近来のプレス押出成型技術の進歩
は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシゥム系金属の如
き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方向に平行
並列に整列配置された多数の貫通細孔を有するテープ状
多孔扁平管の製作が可能になっている。この貫通細孔の
直径は0.9mm以下に細径化することが可能であり、
僅かに幅20mm以下、厚さ1.3mm以下のテープ状
扁平管の中に20本もの貫通細孔を設けることが可能に
なっている。更にその長さは数100mの長さに形成す
ることが可能である。この様な多孔扁平管は薄肉であり
且つ軽金属の押出成型品であるから極めて可撓性に富
み、自在に屈曲せしめて使用することが出来る。
【0020】この様な多孔扁平管を必要とする所定の長
さで切断し、その両端末を溶接封止し、その貫通細孔群
を両端末にてターンする細径トンネルとして、又はター
ンを繰り返す所定の本数の蛇行細径トンネルとして再成
形することが可能であれば、この多孔扁平管を用いて安
価で且つ機能の優れたリボン状の細径トンネルプレート
ヒートパイプを構成することが出来る筈である。本発明
は多孔扁平管のこの様な点に着目して発想されたもの
で、以下に多孔扁平管を用いた細径トンネルを内蔵した
プレートヒートパイプの製造方法について述べる。
【0021】本発明の細径トンネルを内蔵した多孔扁平
管ヒートパイプの基本的な製造方法は以下の五工程を含
む工程である。図面による説明は実施例と重複するので
省略する。アルミ系、マグネシューム系の如き軽金属を
素材とし、管内にその長さ方向に平行並列に整列配置さ
れた多数の貫通細孔を有し、且つ厚さ1mm乃至4mm
に含まれる所定の厚さの多孔扁平管の両端末の端縁を所
定の形状に切削成形する第一の工程、多孔扁平管の両端
末において貫通細孔間の隔壁を多孔扁平管の両端縁から
3mm以上10mm以下の範囲を標準とする所定の深さ
に至るまで切除し、この切除手段は放電加工、超音波研
削加工、高水圧研磨加工の何れかの加工方法である第二
の工程、上記切除部深さに対応し多孔扁平管の両端縁か
ら所定の長さに至る部分を貫通細孔群が気密に閉鎖する
迄圧潰し、且つこの圧潰は上記切除部深さの最深部から
1mm乃至3mmの範囲を標準とする距離の部分は閉鎖
せしめることなく残置せしめて圧潰する第三の工程、こ
の圧潰部を溶接またはろう接により完全に密閉し管内を
耐内圧性の良好な密閉コンテナとして形成する第四の工
程、然る後にこの密閉コンテナにその内容積に対する所
定の割合の量の二相凝縮性作動液を所定の手段により真
空封入しヒートパイプとして構成する第五の工程。
【0022】
【作用】このような細径トンネルプレートヒートパイプ
には次のような作用がある。 (1)多孔扁平管はビュレットから細孔群内蔵リボン状
平板構成に至るまで一工程押出成形で形成されるから大
径中空管押出工程、多数パスの伸管工程、平板の外形切
削工程、細溝パターン形成工程、ラミネート工程が省略
される。この中で極めて高度な技術と高級高価な設備を
必要とする細溝パターン形成工程とラミネート工程の省
略は細径トンネルプレートヒートパイプのコスト低減に
極めて大きく貢献する。 (2)多孔扁平管は一例として厚さ1.9mm、幅20
mmの扁平管1本で内径1mm相当の貫通細孔20本を
有するから、性能的に内径1mmの細管20本に相当す
る性能を発揮する。このようであるから細管ヒートパイ
プの受放熱部を多孔扁平管に替えて形成する場合扁平管
の使用本数を大幅に減少せしめることが可能になる。こ
のことはa.材料費用の大幅な削減。b.屈曲加工費の
大幅な削減。c.管の整列配置の為の加工費の大幅な削
減を意味する。 (3)多孔扁平管を受放熱部間を往復せしめて形成する
場合は、往復回数は扁平管の往復回数と扁平管内の往復
の相乗積と同等の効果を発揮し性能が著しく向上する。 (4)多孔扁平管の両端末端面の封止にはキャップのろ
う接を必要とせず、圧潰のままの溶接接合や圧接接合及
び抵抗溶接接合が可能になり、簡易な構造になるから封
止の為の時間が大幅に短縮され、溶接強度が増加し、信
頼性が向上する。
【0023】
発明の実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面
に基いて説明する。 [第一実施例]図1〜図4は夫々本発明の第一実施例の
説明図である。この実施例は上述した実施の形態に従っ
いる。図1は多孔扁平管の両端末を所定の形状に切削
成形する第一の工程が終了した状態を示す斜視図であ
る。1はアルミ系、マグネシューム系の如き軽金属の
孔扁平管、2−nは貫通細孔群3−nの相互間の隔壁群
であり、2−1、2−2、2−3、2−nは並列複数の
細径トンネル、3−1、3−2、3−3、3−nは隣接
する細径トンネル間の各隔壁である。発明の実施の形態
で述べたように多孔扁平管1は偏平厚さが1mm乃至4
mmと薄いものであり、押し出し形成により内部に形成
された細径トンネルは流体直径が3mm以下である。
において所定の形状としては端面は直交直線状に切断し
てある。この端面切断は傾斜角をなして切断する場合
も、曲線状に切断する場合もある。軟質軽金属の多孔扁
平管をその様に切断する場合、一殻には「バリ」の発生
や、貫通細孔群3−nの口元の変形など防ぎ、または発
生した「バリ」の除去をする作業など困難な仕事を伴う
ものである。然し本実施例においては後に説明するごと
く端面には断面の平面精度が要求されないから、「バ
リ」の発生や、細孔群の閉塞についての配慮の必要がな
く、無造作に剪断切断するだけで良い。従って極めて短
時間で切断加工が完了する
【0024】図2は次の第二工程完了後の多孔扁平管の
内部状態を示す平面断面図である。第二工程は、細径ト
ンネル間の隔壁が多孔扁平管の端縁から所定の深さに至
るまで切除し、隣接する細径トンネル間を多孔扁平管の
端末近傍で連通させるものであって、多孔扁平管1の貫
通細孔3−nの群の隔壁2−nを多孔扁平管1の両端末
側から一条おきに所定の深さまで部分切除する工程であ
る。隔壁の部分切除作業は最終的に形成される細径トン
ネルの相互に隣接するトンネル間の作動液の相互連通部
分を形成し、トンネルをターンせしめる為の連通孔を形
成する為の準備作業である。隔壁切除部の片側端末の隔
壁切除部4−nと他の片側端末の隔壁切除部5−nとは
一条ずつずらして切除するものとし、即ち切除部は各隔
壁の一条につき一個所であるよう切除する。またこの工
程により貫通細孔3−nはその端末において順次隣接す
る貫通細孔3−nと流通自在に連結されることになり、
後工程で細径トンネルとして形成する為の基本構造とな
る。
【0025】図2においては隔壁の切除は扁平管1の両
端末側から一条おきに切除してあるが、これは図面の通
りに限定するものではない。図面においては一条の細径
トンネルが蛇行する蛇行細径トンネルを構成する場合の
製造方法を示してある。複数条並列の細径トンネルを構
成する場合は両端末側から複数条おきに複数条ずつ切除
し、各端末側においては切除は相互に複数条ずつずらせ
て切除する。この複数並列の細径トンネルの構成は振動
または循環する作動液量を増加せしめて最大熱輸送量の
大きなプレートヒートパイプを提供する。
【0026】切除部の深さの標準は多孔扁平管1の両端
末端縁から少なくとも4mm以上大くとも10mm以下
の範囲である。この深さは後の工程における多孔扁平管
1の端縁封止の為に必要な深さである。然しこの深さは
あくまでも端縁封止の為に必要な深さであって、プレー
トヒートパイプの取り付け穴等を設ける為のスペースが
必要な場合や作動液封入時のかしめ部分のスペースを必
要とする場合はそれに応じて標準より深く切除して次工
程における端縁圧潰部面積を拡大せしめる必要がある。
本発明においては隔壁2−nの切除手段としては放電加
工、超音波研削加工、高水圧研磨加工の何れかの加工方
法により切削する。これは軟質軽合金の切削による「バ
リ」の発生を生じさせない為であり、「バリ」の発生は
完成後のプレートヒートパイプの性能を低下せしめまた
信頼性を低下せしめる。この工程では切削により必然的
に発生する微粉末を除去する洗浄作業が必要であり第二
工程にはこの作業も含まれる。
【0027】図3は次の第三工程完了後の多孔扁平管1
の断面図を示す。第三工程は、隔壁切除部の深さに対応
し多孔扁平管の両端縁から所定の長さに至る部分を圧潰
し、且つ前記隔壁切除部深さの最深部から所定の範囲の
距離を閉鎖せしめることなく残置せしめた圧潰とする工
程であり、多孔扁平管1の両端末を封止し完全に密閉一
体化する為の準備工程である。図において6−1、6−
2は圧潰部であって、隔壁切除部4−n、5−nの切除
深さに対応し多孔扁平管の両端末から所定の長さに至る
部分を貫通細孔群3−nが完全に閉鎖する迄圧潰してあ
る。この圧潰部6−1、6−2は上記切除部深さの最深
部から1mm乃至3mmの範囲の部分は閉鎖せしめるこ
となく残置せしめて圧潰する所にその特徴がある。この
圧潰構造は一見何の変哲もなく容易に考えられる構造に
見えるが、この構造に到達するまでには多くの端末封止
方式についての試行錯誤の末に到達したものであり、各
種の端末封止方式の中で、溶接またはろう接時の熔融金
属が貫通細孔3−nまたは隔壁切除部4−n、5−nを
閉塞せしめる危険のない唯一の製造方法である。この結
論に到達する迄には数多くの試作と長い試験期間が必要
であった。4−n、5−nの圧潰残置部(隔壁切除部)
は切除部の最深部から1〜3mmのみを圧潰されない部
分として残置してある部分である。この部分は細径トン
ネルヒートパイプが構成された時の隣接トンネル相互間
の連通部分即ちターン部に相当するものであり、この長
さは細径トンネルの内径(流体直径)に等しい場合がト
ンネルプレートヒートパイプに最も良好な性能を与える
ことが理論的にも実験的にも分かっている。然し各種の
他の端末端縁封止方式においては溶接時の熔融金属に依
る閉塞の危険があることにより、隣接トンネル間相互の
連結長さ(隔壁切除部圧潰残置部長さ)をこのように小
さくすることは不可能であった。本第3工程における、
隣接トンネル間相互の連結長さを隔壁切除部の圧潰残置
部長さにより決定するこの発想に依り、隣接トンネル間
相互の連結長さを流体直径と同等の1〜3mmとするこ
とが初めて可能になった。
【0028】図4は次の第四工程の完了状態を示す多孔
扁平管1の一部断面側面図である。第四工程は多孔扁平
管1の両端末端縁を溶接またはろう接することに依り気
密に封止し、貫通細孔群を細径トンネルコンテナとして
完成せしめる工程である。図において6−1、6−2は
多孔扁平管1の両端末における圧潰部であり、7−1、
7−2はその端縁の溶接封止部(またはろう接封止部)
である。この部分は端縁を気密に封止するだけでなく、
溶融金属は毛管作用に依り圧潰接合部の微細間隙に侵入
し、その部分を完全に一体化せしめている。このような
封止部の気密信頼性は抜群であり、熟練作業者で無くて
も作業ミスは殆ど発生せず耐圧検査の必要が無い程であ
る。更に耐内圧強度は素材の多孔扁平管の耐内圧強度よ
りかえって強くなる程であり、例えば厚さ2mm、幅2
0mm、貫通細孔の流体直径1.8mm、貫通細孔の数
20本の多孔扁平管の両端末端縁部を本実施例にて封止
した場合の耐内圧強度は150Kgf/cmを優に越
えるものである。これに対し他の製造方法に依る場合例
えばキャップに依るろう接封止の場合は耐内圧強度はほ
ぼ40kgf/cmにすぎない。またキャップに依る
ろう接封止の場合は作業者の熟練度に依り信頼性が著し
く異なり全数検査の必要があり、検査に際しては時に依
ると上記と同じ例で20Kgf/cmの内圧にも絶え
られない場合が発生するものであった。
【0029】図8は一般的に考えられる他の製造方法に
よる多孔扁平管の端末封止方法の一例であるキャップろ
う接に依る封止方法の説明図である。図において14は
封止キャップである。封止キャップは素材多孔扁平管よ
り厚肉広幅になっている。封止キャップ14と多孔扁平
管1とは気密にろう接されて端面を封止している。この
様な多孔扁平管ヒートパイプの他の製造方法の場合例え
ばキャップろう接に依る封止の如き場合はキャップろう
接用の余剰のろう材が流入して貫通細孔(細径トンネ
ル)を閉塞せしめる事故が多発する為X線に依る全数検
査が必要であり、更に作業者の熟練度に依るろう接強度
のバラツキが大きく、合格品でもヒートパイプとしての
信頼性が不安定である欠点があり、この様な信頼性の低
さはキャップろう接構造である限りでは、現在のろう接
技術では不可避である。更に図示されていない他の問題
点として、多孔扁平管ヒートパイプの作動液封入の為に
は、扁平管端末部に作動液注入用細管を設ける必要があ
り、作動液注入完了の後に注入用細管の端末を溶接封止
する作業が必要である。この溶接は製品の取扱上及び製
品の信頼性確保の為に、溶接後の残置細管の長さはヒー
トパイプの端末から極短小にする必要があり、その際の
溶接温度の高さに起因して、キャプろう接部のろう材が
再熔融してキャップが離脱したり、作動液が漏洩したり
する事故が多発するものであった。このことはヒートパ
イプとしての製造工程では致命的なものであり、長年月
の信頼性保証の点からもキャップろう接構造のプレート
ヒートパイプはそれ自身がヒートパイプとしての致命的
な構造であるとも言えるものであった。
【0030】本実施例に依ると溶接またはろう接の熔融
金属は圧潰部6−1、6−2の微細間隙の毛管作用に依
り僅かに微細間隙に侵入してこれを接合するするのみ
で、隔壁切除部の圧潰残置部4−n、5−nの中やトン
ネル内に流入してこれを閉塞せしめる恐れは全くない。
また本実施例の圧潰部は作動液注入細管の溶接温度にる
接合剥離や作動液漏洩を発生する恐れは全くないもので
ある。即ち本実施例の圧潰と溶接を併用する製造方法は
プレートヒートパイプに極めて高い信頼性を保証する。
【0031】更に本実施例の封止部の厚さは素材多孔扁
平管よりも厚くなることが無いので完成プレートヒート
パイプの適用に際して発熱体間に挿入して使用したり、
貼りつけて使用したりする場合に容易に密着せしめるこ
とができる等の利点がある。他の製造方法に依る一例と
して例えばキャップろう接に依る封止の場合は素材多孔
扁平管より封止部の厚さが大幅に厚くなることに依り、
扁平管の薄さの利点が損なわれることが多かった
【0032】[第二実施例]多孔扁平管に依り細径トン
ネルプレートヒートパイプを製造する場合その実施に際
しては作動液注入細管を取りつけること無しにはその実
施は不可能である。この場合は所定の貫通細孔の端末に
予め細管を溶接またはろう接により接続しておき、然る
後この部分を避けて端縁部を圧潰し、残置された細管を
作動液注入細管とし、て適用する。またループ型トンネ
ルプレートヒートパイプとして構成する場合には多孔扁
平管の貫通細孔の最外側の端末を細管で相互に連結する
必要がある。このような場合は予め最外側の貫通細孔の
端末にこれらを連結する細管をろう接または溶接に依り
連結しておき、その部分は圧潰対象から除外して圧潰を
実施する必要がある。図5にはそのような第2実施例を
示してある。図においてはその一例として貫通細孔の最
外側の端末に作動液注入細管8を予め溶接して実施した
例を示してある
【0033】図5は本発明の第一実施例及び第2実施例
を適用して完成したプレートヒートパイプの第一実施例
第5工程実施の直前の構成状態を示す一部断面の平面図
である。第5工程は第四工程の完了し密閉コンテナとな
った多孔扁平管1の中を作動液注入細管8を介して高度
に真空脱気を施した後内容積に対する所定の割合の二相
凝縮性作動液を注入した後作動液注入細管8を溶接封止
して細径トンネルプレートヒートパイプとして完成させ
る。図中の矢印は作動液の連通状態を示してある。
【0034】
【発明の効果】本発明の細径トンネルプレートヒートパ
イプは次の効果を奏する。 (1)従来のトンネルプレートヒートパイプはその製作
に極めて高度な技術を必要とした。特に薄肉平板に精細
なトンネルパターンを切削する技術、及びトンネルパタ
ーンを切削した薄肉平板の複数枚を積層ラミネートして
細径トンネルを内蔵せしめた薄肉平板に形成する技術、
は高度な最新技術を必要とすると共に極めて特殊な且つ
高価大型な設備を使用する必要があり、その製作費は想
像を絶するほどに高価なものであった。それに対して、
細径トンネルを押し出し形成した軽金属の多孔扁平管は
そのような製作工程を全く必要としないから製作費用は
数十分の一に低減される。従って、細径トンネルプレー
トヒートパイプの製造コストが大幅に低減できる。 (2)従来の細管ヒートパイプは発熱素子搭載に際して
はまず搭載用プレートを取りつけてこれを仲介せしめて
搭載を実施する必要がありその為の付加的作業が発生す
る。これに対して、細径トンネルを押し出し形成した軽
金属の多孔扁平管を用いたプレートヒートパイプの場合
は、その平面にそのままで発熱素子を直接搭載すること
が可能であるから、プレートを仲介せしめる為の付加的
作業が不必要となり、実装費用が削減出来る。 (3)従来の細管ヒートパイプは熱伝達率が大きいから
それ自身を放熱フィンとして適用できる利点がある反面
ヒートパイプ表面の放熱性能に限りがある点が欠点であ
り、所定の性能に対して比較的多数のターン数を必要と
し、曲げ加工に要する時間が増加する欠点があった。し
かしながら、細径トンネルを押し出し形成した軽金属の
多孔扁平管を用いたプレートヒートパイプには薄肉テー
プを高性能フィンとして装着することが容易であるか
ら、従来の細管ヒートパイプより高い放熱部を構成する
ことが出来る。従って多孔扁平管を用いたプレートヒー
トパイプはその必要長さを大幅に短くすることが出来る
上に、フィン装着は炉中ろう接により一括ろう接するこ
とが出来るから全体として放熱部形成時間を大幅に削減
することが出来る。 (4)上記の基本的効果に付加して、偏平厚さが1mm
乃至4mmの薄い多孔扁平管を用いたプレートヒートパ
イプは放熱性が良好であり、更に貫通細孔群の夫々の流
体直径が細径化されることにより更に放熱特性が改善さ
れ、従来の細管ヒートパイプより性能が大きく改善され
る。 (5)多孔扁平管の隣接する前記細径トンネル間を、端
末近傍で簡単に連通できるので、細径トンネルの連通に
当たって加工のコスト及び時間の削減が達成でき、細径
トンネルプレートヒートパイプがより安価に製造でき
る。 (6)細径トンネル間の連通を損なうことなく圧潰した
圧潰部を密閉一体化しているので、キャップのろう接を
必要とせず封止時間が短縮され接合強度が増加する。従
って、信頼性のある密閉コンテナとした細径トンネルプ
レートヒートパイプがさらに安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の第一工程を説明する斜視
図である
【図2】第一実施例の第二工程を示す平面断面図であ
る。
【図3】第一実施例の第三工程を示す側面断面図であ
る。
【図4】第一実施例の第四工程を示す一部断面側面図で
ある。
【図5】第一実施例の第五工程を示す一部断面平面図で
あり、同時に第二実施例をも説明する一部断面平面図で
ある。
【図6】従来のループ型蛇行細管ヒートパイプの基本構
造を示す説明図である。
【図7】従来のトンネルプレートヒートパイプの製造方
法を説明する一部断面斜視図である。
【図8】他の製造方法による端末端面封止方法の一例の
説明図である。
【符号の説明】 1 多孔扁平管 2−n 隔壁 3−n 貫通細孔(細径トンネル) 4−n 隔壁切除部 5−n 隔壁切除部 6−1 圧潰部 6−2 圧潰部 7−1 溶接封止部 7−2 溶接封止部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属を素材とし、管内にその長さ方向
    に平行並列に整列配置され、且つ其等各々の流体直径が
    3mm以下の多数の貫通細孔を有する多孔扁平管に依り
    形成されてあり、貫通細孔はヒートパイプの受熱部と放
    熱部の間を多数回往復蛇行して蛇行細径トンネルとして
    形成される、細径トンネルプレートヒートパイプの製造
    方法であって、厚さ1mm乃至4mmに含まれる所定の
    厚さの多孔扁平管の両端末の端縁を所定の形状に切削成
    形する第一の工程、多孔扁平管の両端末において貫通細
    孔間の隔壁を一条おきにまたは複数条おきに、一条ずつ
    または複数条ずつ、且つ多孔扁平管の両端縁から3mm
    以上10mm以下の範囲を標準とする所定の深さに至る
    まで切除し、この隔壁の切除部は多孔扁平管の両端縁側
    において切除隔壁を一条ずつまたは複数条ずつずらして
    切除するものとし、この切除手段は放電加工、超音波研
    削加工、高水圧研磨加工の何れかの加工方法である第二
    の工程、上記の隔壁切除部の深さに対応し多孔扁平管の
    両端末端縁から所定の長さに至る部分を貫通細孔群が気
    密に閉鎖する迄圧潰し、且つこの圧潰は上記の隔壁切除
    部深さの最深部から1mm乃至3mmの範囲の距離を標
    準とする部分は閉鎖せしめることなく残置せしめて圧潰
    する圧潰である第三の工程、この圧潰部を溶接またはろ
    う接により完全に密閉一体化せしめ管内を耐内圧性の良
    好な密閉コンテナとして形成する第四の工程、この密閉
    コンテナにその内容積に対する所定の割合の量の二相凝
    縮性作動液を所定の手段により真空封入しヒートパイプ
    として構成する第五の工程、の五工程を含む工程で製造
    することを特徴とする細径トンネルプレートヒートパイ
    プの製造方法。
  2. 【請求項2】 第三の工程は多孔扁平管の所定の貫通細
    孔の端末に所定の長さの金属細管を予め接合して実施
    し、この細管の内径は圧潰することなく残置し、密閉コ
    ンテナと多孔扁平管外の所定の手段とを連通せしめるこ
    とが可能なようにして実施することを特徴とする請求項
    1に記載の細径トンネルプレートヒートパイプの製造方
    法。
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JP2012507680A (ja) * 2008-11-03 2012-03-29 ナンキン エコウェイ エナジー テクノロジー カンパニー., リミテッド. 微細管配列を有するマイクロヒートパイプアレイ及びその作製方法並びに熱交換システム
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WO2022238085A1 (de) * 2021-05-11 2022-11-17 Robert Bosch Gmbh Kühlvorrichtung

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